獣害の種類と対策について

獣害の種類と対策について

獣害とは?

獣害とは、イノシシやシカ、クマ、サル、ネズミなど野生動物によって被る様々な害のことを指します。また飼い主の管理が不十分なペットによる害を指す場合もあります。かなり広い意味を指す言葉になりますが、獣害の種類としては以下のようなものが挙げられます。

農業被害

農作物が食べられたり、田畑を掘り起こされたり、ビニールハウスに穴をあけられたりなど、直接的・間接的に受ける農業への被害を指します。

農林水産省の発表によると、平成28年度の鳥獣による農作物被害は、被害金額が約172億円となっています。前年度に比べ約5億円減少(対前年3%減)していますが、何年も高水準のまま推移している状況です。

※29年度は2018年5月時点で未公表。出典:農林水産省ホームページ

被害面積は約6万5千ヘクタールで、前年度に比べ約1万6千ヘクタール減少(対前年19%減)、被害量は約49万トンで前年に比べ約1万トン減少(対前年2%減)となっています。

森林被害

野生動物の影響によって、樹木そのものが被害を受けたり、森林における日本特有の生態系バランスが崩れてしまう被害のことです。

たとえば、シカ(ニホンジカ・エゾシカ)の好物は様々な植物です。食べる植物の種類は極めて多く、芝や木の葉だけでなく、食べ物の少ない時期には樹皮も食べます。一帯の植物を食べつくし、山の植生バランスを変えるほどの被害を与えることもあります。

平成28年度における、シカやクマなど野生鳥獣による森林被害面積は、全国で約7千ヘクタールとなっており、このうちシカによる枝葉の食害や剥皮被害が全体の約8割を占めています。

家屋被害

野生動物が家屋に浸入し、汚損などの被害を与えることを指します。平等院鳳凰堂や清水寺で、貴重な文化財にアライグマの爪痕が見つかったのは有名な話です。

人的被害

獣から噛まれたりして怪我をしたなど直接受ける被害と、獣が害虫や病気を媒介して間接的に受ける被害があります。

間接的な被害としては、たとえば、ここ10年ほどの間にハイキング、キャンプ、渓流釣りなどに行ったり、あるいは山林作業をする人々の間で「ヤマビル」に吸血される被害が全国的に増えています。

これは、ヤマビルが吸い付くイノシシなどが、餌を求めて人里近くに出没する機会が増えたことが原因であると指摘されています。運搬役となる野生動物の行動が広がった結果、ヤマビルも生息範囲を拡大していると考えられ、その影響でヤマビルによる人的被害も増えたことが指摘されています(参考:読売新聞記事

どうすればよい?獣害対策

上記で述べたように、様々な種類がある獣害ですが、特に農業や林業に携わる方にとっては、獣による被害は死活問題です。基本的な獣害対策がわからず頭をかかえている方も多くいらっしゃいますが、獣害対策の基本的な進め方は、どのようなケースでも共通しています。ここでは、獣害対策の基本となる方針を説明します。

ステップその1:グループを作る

当たり前のことを言うようですが、獣害対策は1人で取り組むより、グループで取り組むことでより効果を得ることができます。まずは少人数でもグループを作り、それを広げていくことで地域ぐるみでの対策が可能になってきます。

集落内で少数の人がいくら熱心に取り組んでも効果は上げられませんし、負担が集中してしまい長続きしません。地域の70%以上が取り組むことを目標として、グループへの参加メンバーを増やしていきましょう。

ステップその2:害獣を引き寄せないよう地域の環境改善

地域の問題を、自分たちの問題だと考えることのできるメンバーが増えてきたら、皆で害獣を引き寄せないための環境改善を行っていきましょう。

具体的には、害獣への餌付けを防止することです。獣は餌をもとめて人里に寄ってくるのです。意図しなくても、獣が集落に来れば餌にありつけるような環境になってしまってはいないでしょうか。知らないうちに獣にエサをドンドン与えてしまっている環境を無くすことが重要です。

例を挙げますと、

  • 稲刈り後のヒコバエ(2番穂)や農作物の残渣、残飯等が放置されている
  • 放任果樹(収穫されない栗や柿など)がある
  • お墓にいつまでも供え物が置いてある
  • 管理されない耕作放棄地が多い(餌となる作物があったり、獣が安心して身を隠しながら人里に接近できる環境がある)

クズ野菜や生ゴミの放置を止めることはもちろんのこと、稲刈り後はできるだけ早く田起こしする・株を焼き払う、野生動物にとって餌が少なくなる時期(冬)の前に草刈りをしないなど、獣にとって餌となるものは極力減らしましょう。生息頭数に見合った餌がなければ、そこで獣は増えません。

対策メンバー内で、集落内の餌となりうるものをチェックし、チェックリストを作るとよいでしょう。そして、作成したチェックリストに基づき、実際に集落内・周辺や農地を歩いて、放任果樹、生ゴミの放棄、被害状況などのフィールドチェックを行うと、対策をより具体化することができます。

また、活動によって得られた情報は地域住民に共有し、各々が自らの問題として捉えることができるよう時間をかけて働きかけましょう。主幹となるグループや被害住民だけでなく、周りの住民も共に汗をかいて協働するようになれば、仲間意識・連体意識が生まれ、さらに獣害対策を発展させることができるようになります。

ステップその3:柵の整備と個体数管理

防護柵や防護ネット等は設置したら終わりではなく、整備をしっかりすることが重要です。立派な柵を設置しても、その後で管理や整備を放棄してまうと、場所によってはかえって人足が遠のき、潜み場が増えることによって獣の増殖に好適な場所となってしまうことになります。そのような場所を極力へらすことが重要です。

また、増えすぎた害獣は捕獲によって個体数管理を行う必要があります。野生鳥獣の捕獲には狩猟免許を取得して、法定猟具を使って捕獲することが求められます。狩猟免許ごとに使用できる猟具が決まっており、くくり罠・箱罠・囲い罠等を使用して捕獲する場合は、わな猟免許の取得が必要です。

参考記事:害獣捕獲のための第一歩 ~必要な免許・許可について

まとめ

害獣による被害防止対策を行う場合、まず対策のためのグループを作り、被害を引き起こす要因を知ることが重要です。その上で、被害要因に対応した施策を行う必要があります。上記の基本指針を参考にしていただき、害獣による被害を低減する一助になれば幸いです。

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