効率的な獣害対策の必要性

鳥獣被害対策の必要性

鳥獣被害の現状

野生鳥獣による農作物の被害額は全国で毎年約200億円前後となっています。これは届出のあった分だけで、実態はその5倍の1000億円以上とも言われます。

鳥獣による農作物の被害のうち、シカ、イノシシ、サルによる被害が全体の約7割を占め、そこから獣類被害に絞ると、これら3種が全体の約9割を占めます。他にも被害額は少ないですが、近年は外来種のアライグマや、ハクビシンによる被害も増えつつあります。

また、シカやクマ等の野生鳥獣による森林被害も深刻な問題になっており、林野庁の2015年のデータによると、その被害面積は全国で約8千ヘクタール(東京ドーム約1700個分)となっています。

このうち、シカによる枝葉の食害や剥皮被害が全体の約8割を占めておりますが、他にもクマやカモシカ、イノシシ、ノウサギ、ノネズミ、サル等による被害が報告されています。

      
出典:農林水産省ホームページ林野庁ホームページ

鳥獣被害が引き起こす問題

農作物被害によって起こる問題

鳥獣による農作物被害が引き起こすのは、営農意欲の減退や耕作放棄地の増加です。

高齢化や過疎化の影響もあり、農家の経営はただでさえ苦しいですが、その中で田畑が荒らされることが追い打ちとなり、意欲が完全に奪い取られます。離農によって耕作が放棄された土地が増えると、雑草や害虫が増え、周辺の農地にも影響をもたらします。

いくら自分の農地を適切に管理していても、近くにある耕作放棄地から無制限に雑草の種や害虫が飛散して、歯止めが掛からなくなっていきます。

また農地は人間の活動範囲として動物の侵入を防ぐ役割もありますが、耕作放棄地が増えると野生動物の活動範囲が広がり、まさに悪循環といえる状態になります。

森林被害によって起こる問題

野生鳥獣による森林被害も、森林の公益的機能の低下、森林所有者の経営意欲の喪失等につながるものです。

造林地の食害だけでなく、樹木の剥皮による天然林の劣化や、下層植生の食害・踏みつけによる土壌の流出などによって、国土保全への影響や、水源かん養など森林が持つ公益的機能が低下します。また、害獣が好まない植物・生物だけが繁殖することによって自然のバランスが崩れ始め、森林における生態系の悪化が引き起こされます。

獣相手ですから損害賠償を請求できるわけでもなく、被害を受けても泣き寝入りとなります。

効率的な獣害対策

狩猟者が減って、獣は増える

かつて日本では獣達にとっての天敵はオオカミでしたが、明治時代にオオカミが絶滅してから天敵と言えるのは人間(狩猟者)だけになりました。

しかし、獣達の唯一の天敵である狩猟者の人口は年々減少しています。

都道府県から免許を与えられた人は1970年には53万人いましたが、1990年に30万人、2010年度は19万人となっており、70年代の半分以下に落ち込んでいます。日本では民間人がけん銃を購入することは非常に難しいことや、住宅地や工場地の山林開発によって狩猟場所自体が減少していること、若年層の新規加入が減少していることが原因です。

ハンターの高齢化だけでなく、農林業従事者の高齢化にともない、手入れの行き届かない山林や耕作放棄地など害獣にとって好適な場所が年々広がっているという状況もあります。また温暖化によって積雪量が減り、冬場でも餌の入手が可能となり、越冬できる個体が増えたとも言われています。そのため、ハンターが奮闘して狩猟圧を高めても、被害が減らないという現状があります。


獣害対策が効率的でなければならない理由

狩猟者が減って、獣は増えるという状況ですが、害獣駆除は自治体からの依頼が無い限り積極的には行われません。害獣駆除の場合、狩猟者には国や自治体の報奨金が成果によって支給されますが、経費を考えると割に合わないのが現状です。

そのため害獣駆除はほぼボランティアというのが現状ですが、採算割れになるくらいなら虚偽の報告をして帳尻を合わせるという事件も発生しています(毎日新聞の記事)。そうなると、自治体としては証拠確認を厳しくする必要性が出てきますが、害獣駆除の証拠確認を厳しくすれば、自治体・狩猟者双方の手間が増えます。

証拠確認の厳格化によって、猟友会との関係悪化を懸念する自治体もあり、ジレンマといえる状況に陥る可能性もあります。捕獲場所の近くにいる職員が曜日や所属部署にかかわらず出向くなどして確認を行う自治体もあり、人員や予算の少ない自治体にとっては特に深刻な問題です。

経費をかけずに効率的に獣害対策を行うことは、獣害対策効果の向上はもちろん、狩猟者の意欲向上や害獣駆除の虚偽を減らすことにつながり、自治体・狩猟者双方にとって必要不可欠なものです。

効率的な獣害対策とは

対策の種類

もっともポピュラーなのは、害獣が入ってこないよう柵を設置したり忌避剤を散布することですが、あくまで防御としての対策であり、根本解決とは言えません。被害が増えれば増えるほどメンテナンスにも労力がかかるため積極的な獣害対策の必要性が出てきます。

イノシシやシカなどに対する積極的な対策の方法としては、銃猟とわな猟があります。近年、ほとんどの地域で、銃猟による捕獲数よりもわな猟での捕獲数が上回っています。少ない人員で最大の効果を上げるのであれば、当然のことです。

わなにもいくつかの種類がありますが、イノシシを捕まえるわなとして一般的なのは、「くくりわな」と「箱罠」です。「くくりわな」では捕獲できる個体数に限りがあり、数多く設置すると見回りに手間がかかるので、効率の良さで言えば箱罠に軍配があがります。

箱罠の選び方

箱罠は捕獲率が高く、くくりわなほど熟練を要さない特徴がありますが、細いワイヤーで構成された安物を選ぶのは耐用期間を考えると良い選択ではありません。やはり溶接した鉄筋で構成されたものが良いです。

実績や口コミを調べて、費用対効果の良い箱罠を選ぶことが重要です。当サイトがおすすめする箱罠はこちら

まとめ

実効性の高い駆除のあり方を常に模索し、効率的な害獣対策を考えることが、農地・森林のためとなるのはもちろんのこと、自治体の負担を減らすことにつながります。

狩猟や捕獲の制限緩和は乱獲につながりやすく、個体の急速な減少や地域的絶滅に陥いる場合もありますが、その反面、保護の徹底や捕獲制限は個体数の増加や分布の拡大に結びつきやすいです。害獣被害の動向を的確に把握し、迅速かつ効率的に対応することが大切です。