命と向き合い、次世代へ継承する
- イノホイ会員さま
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阿部 匠海さん・本吉 耕也さん
(イノホイ歴:1年)
今回インタビューさせていただいたのは、山梨県富士吉田市在住の阿部匠海さん(写真左)と本吉耕也さん(写真右)です。お二人がされている活動から狩猟に対する思いなどを語っていただきました。
阿部さん・本吉さんについて
ー自己紹介をお願いします。
阿部:私たちは山梨県で2人で「合同会社 共路(ともる)」というジビエを扱う会社を運営しています。
本吉:まだ事業を始めたばかりで、資金や設備などに余裕はありません。そのため、現在はペットフードの販売が中心ですが、ゆくゆくはジビエ肉の処理場を作ることを目標としています。
狩猟を始めたきっかけ
ーいつ狩猟免許を取得されたのでしょうか。
阿部:私は3年前に免許を取得し、今年の7月にちょうど免許更新を済ませたところです。
本吉:私は今年の1月に免許を取得し、まだ半年ほどです。
ーお二人の出会いと、狩猟を始めたきっかけを教えてください。
阿部:実は私たちはどちらも料理人で、出会いは留学先のイタリアでした。その後、約2年前から一緒にレストランで働くことになりました。
私自身はもともと山菜採りやキノコ狩りをしており、その延長線上で狩猟免許も持っていました。猟友会にも入っており、イノシシやシカを大量に捕れているのに活用できていない現状を目にしたときに、それを彼に話したところ興味を持ってくれました。
最初は一緒に猟を見学してもらっていたのですが、気がついたら免許を取っていましたね(笑)。

本吉さん
イノホイの商品について
ーイノホイの罠の感想を教えてください。
本吉:知り合いの猟師が使っていたイノホイの罠を試させてもらったところ、思った以上に使いやすく、しっかり捕れることがわかりました。手に取りやすい価格でとても助かっています。
阿部:これまでは自作の罠が多く、先輩方に教わりながら作っていました。事業として狩猟を行うにあたり、しっかりした罠が必要だと思い、現在はイノホイの罠を使っています。
イノシシホイホイは、軽くて浅い穴で十分で、バネの力が強く、抜けることなく使えます。サッとかけたいなというときに使いやすく、且つしっかり捕れるので良い商品だと思います。
またストロングも安心感がありますが、重量があるため、たくさん設置すると少し大変です。
イノシシホイホイ完成品
狩猟への思い
ー狩猟に関して困っていることはありますか。
本吉:ジビエの解体は現在、寝かせた状態で行っています。余すところなくきれいに処理するためにも、木などに吊るして解体できる器具が手に入ればと思っています。
阿部:山の中にはマダニやヒルが多いため、虫がつきにくい衣類や靴などがあればありがたいです。
ー狩猟の醍醐味を教えてください。
本吉:何といっても、自分で捕ることで「美味しく食べられる」ことですね。
また、罠にイノシシやシカがかかった時に、間近で対峙してどうするかを直感的に瞬時に考える駆け引きも好きです。
阿部:これまでは肉として向き合うだけでしたが、生きている状態から命をいただき、すべての過程を自分で行うことで、「生きている」ということを感じることができます。
お二人からのメッセージ
ー最後に、これから目指していきたいことを教えてください。
本吉:「命」という観点から入り、料理人として余すところなく使うことを徹底していきたいです。狩猟免許を取得する若者は多いものの、猟師を目指す人は少なくなっています。この二人で目指したことを、今後は輪を広げていきたいと思っています。
阿部:猟友会には閉鎖的な雰囲気を感じることもありますが、私たちはまだその空気に馴染みのある世代です。だからこそ、その風習を自分たちなりにかみ砕いて次世代へつなぎ、10年後、20年後と継承できる環境を築いていきたいと思います。

阿部さん(左)と本吉さん
Tomoruについて
料理人歴10年以上の二人によって立ち上げられたTomoru。料理人の手で丁寧に仕上げた食を通じて自然の恵みを未来へつなぐブランドです。
現在は、ジビエをペットフードとして活かすことで、動物たちの命を無駄にせず、命の循環を生み出すことを目指しています。
