鳥獣被害対策マガジン
一度はやってみたい鹿のコール猟。鹿笛の紹介
コール猟とは、鳥獣の鳴き声を特殊な笛で真似て、おびき寄せて射止める猟法のことです。鹿のコール猟が有名ですが、他にもカラスや鴨などを寄せる笛も販売されています。鹿の場合、基本的には発情期となる秋にしかできない猟法です。この記事では、鹿のコール猟や鹿笛について説明しようと思います。 鹿の鳴き声 鹿は状況に応じて様々な鳴き声を発しますが、コール猟は鹿笛を使ってオス鹿の求愛の鳴き声(ラッティングコール)を真似ます。繁殖期のオス鹿は数頭のメス鹿を連れてハーレムをつくっています。この状態のオスが、縄張りでメスを呼ぶ他のオスの声を聞くと、それを排除しようと声のする方に寄ってきます。この習性を使ってオス鹿をおびき寄せて射止めるのがコール猟というわけです。 では、オス鹿の求愛の鳴き声はどういったものでしょうか?まずは以下の動画を観てみてください。イヌの遠吠えの様な鳴き声が、次第に高くなってしばらく続き、最後に急に低くなります。 他にも、危険を察知した時に甲高く短い笛のような「ピャッ」という鳴き声を発します。鹿をターゲットとした猟場を歩いている時に、頻繁に聞く音ですので、聞き覚えのある方も多いかと思います。何度も発して、仲間に知らせようとする場合もあります。 鹿笛(コール笛・ディアコール)の音 日本でも様々な様式の鹿笛が販売されていますが、ニホンジカ専用のものはなく、海外のアカシカ・エルク・ヘラジカ用を転用しているのが現状です。適当に鳴らしてみても、上述の鹿の鳴き声のようになりませんので、ある程度練習が必要になります。 ちなみに、ニホンジカとエルク等海外のシカ類では若干鳴き声に違いがあります。体の大きな動物は、発声器官である喉頭も大きく、声の通り道となる声道が長くなる傾向にあるため、大きな動物ほど低い鳴き声になることが多いですが、以下の動画のオスのエルクはその大きな体に似合わず、甲高い金切り声を上げています。 おすすめ鹿笛 多くのハンターに支持されているのが、定番のカールトンCarlton'sの鹿笛です。 ゴムの位置をずらす事で音質を変えることができます。また、ロングレンジ用(遠くまで大きく鳴らす)とショートレンジ用(小さく鳴らす)の2タイプがあります。白く薄いリード側を口の中に咥えて、緑のバンドより先の部分を唇で押さえて吹きます。リアルな鳴き声に近づけるには練習あるのみですが、ロングレンジ用は特に大きな音が鳴りますので、吹く場所には注意してください。 コール猟のやり方 鹿はテリトリーに入った人間を認識すると警戒します。そのため、手当たり次第に鹿笛を吹いていても、簡単にはおびき寄せることはできません。また、人数が多いと、鹿が人の気配をすぐに感じとって寄ってこないため、コール猟は多くても2人程度で行いましょう。 まずは、鹿の痕跡を探すことがらスタートします。オス鹿がいる場所には、角研ぎの跡があります。そういった場所を中心に、足跡などの痕跡を探しましょう。 また、前述のとおり、繁殖期のオス鹿は数頭のメス鹿を連れてハーレムをつくっています。そのため、群れが近くにいる場合は、小さい多くの足跡の中に、一回り大きい足跡が混ざってるのが見受けられます。そういった場所は、おびき出しによってオス鹿に遭遇できる確率が非常に高い場所といえます。鹿の歩くスジを読み、正確に射撃するためのイメージをしながら、待ち伏せる場所を考えましょう。 効率的にコール猟ができるのは、日の出から2時間以内。または、夕方3時半から4時すぎ程までです。目ぼしい場所を見つけたら、鹿笛で1~3声ほど吹いてみて、10~15分間ほど応答を待ちます。余計な気配を出さないよう気を配りながら、ジーッと待ちます。応答が無ければもう一度吹きます。5分間ほど待って応答無ければ近くにオスはいないと考えて良いでしょう。 一方で、鹿から返し鳴きがあれば、さらにふた声ほど吹いてみましょう。鹿が近づいてきて、威嚇の声がすぐ近くで聞こえてきたら、銃の安全装置を解除します。そこで鹿が姿を現したら、発砲して仕留める、という流れになります。 コール猟の装備で気を付けないといけないのは、防寒着。基本的に狩猟の際は、山野を渉猟しますので身体が温まります。しかしながら、コール猟のような待ち伏せ猟では、動かないので体が非常に冷えます。待ち伏せ場所を決めたら、できる限り防寒着を着こみましょう。 さいごに 地域によって若干の差はありますが、鹿の繁殖期は9月末~11月頭です。そのため、コール猟をするのであれば、猟期に入った直後が最もねらい目になります。11月に猟期が始まる地域であれば、コール猟を成功させるチャンスは非常に限られます。 単純に鹿を捕獲するだけであれば、罠を用いたほうが効率的ですが、コール猟が成功したときの達成感はひとしお。今期は鹿笛を使って、コール猟に挑んでみるのもいかがでしょうか? シカ対策 おすすめ商品 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【両扉】 落とし扉が両側に備わっている【両扉】タイプで、獣の目線から見たときに奥行が遮られないので、罠の内部に誘因しやすいという特徴があります。 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【片扉】 異形鉄筋を使用。3分筋:約9mmを使用して格子網を全箇所溶接しております。さらに要所を4分鉄筋、5分鉄筋で補強、非常に頑強な構造です。 ファーレ旭式...
一度はやってみたい鹿のコール猟。鹿笛の紹介
コール猟とは、鳥獣の鳴き声を特殊な笛で真似て、おびき寄せて射止める猟法のことです。鹿のコール猟が有名ですが、他にもカラスや鴨などを寄せる笛も販売されています。鹿の場合、基本的には発情期となる秋にしかできない猟法です。この記事では、鹿のコール猟や鹿笛について説明しようと思います。 鹿の鳴き声 鹿は状況に応じて様々な鳴き声を発しますが、コール猟は鹿笛を使ってオス鹿の求愛の鳴き声(ラッティングコール)を真似ます。繁殖期のオス鹿は数頭のメス鹿を連れてハーレムをつくっています。この状態のオスが、縄張りでメスを呼ぶ他のオスの声を聞くと、それを排除しようと声のする方に寄ってきます。この習性を使ってオス鹿をおびき寄せて射止めるのがコール猟というわけです。 では、オス鹿の求愛の鳴き声はどういったものでしょうか?まずは以下の動画を観てみてください。イヌの遠吠えの様な鳴き声が、次第に高くなってしばらく続き、最後に急に低くなります。 他にも、危険を察知した時に甲高く短い笛のような「ピャッ」という鳴き声を発します。鹿をターゲットとした猟場を歩いている時に、頻繁に聞く音ですので、聞き覚えのある方も多いかと思います。何度も発して、仲間に知らせようとする場合もあります。 鹿笛(コール笛・ディアコール)の音 日本でも様々な様式の鹿笛が販売されていますが、ニホンジカ専用のものはなく、海外のアカシカ・エルク・ヘラジカ用を転用しているのが現状です。適当に鳴らしてみても、上述の鹿の鳴き声のようになりませんので、ある程度練習が必要になります。 ちなみに、ニホンジカとエルク等海外のシカ類では若干鳴き声に違いがあります。体の大きな動物は、発声器官である喉頭も大きく、声の通り道となる声道が長くなる傾向にあるため、大きな動物ほど低い鳴き声になることが多いですが、以下の動画のオスのエルクはその大きな体に似合わず、甲高い金切り声を上げています。 おすすめ鹿笛 多くのハンターに支持されているのが、定番のカールトンCarlton'sの鹿笛です。 ゴムの位置をずらす事で音質を変えることができます。また、ロングレンジ用(遠くまで大きく鳴らす)とショートレンジ用(小さく鳴らす)の2タイプがあります。白く薄いリード側を口の中に咥えて、緑のバンドより先の部分を唇で押さえて吹きます。リアルな鳴き声に近づけるには練習あるのみですが、ロングレンジ用は特に大きな音が鳴りますので、吹く場所には注意してください。 コール猟のやり方 鹿はテリトリーに入った人間を認識すると警戒します。そのため、手当たり次第に鹿笛を吹いていても、簡単にはおびき寄せることはできません。また、人数が多いと、鹿が人の気配をすぐに感じとって寄ってこないため、コール猟は多くても2人程度で行いましょう。 まずは、鹿の痕跡を探すことがらスタートします。オス鹿がいる場所には、角研ぎの跡があります。そういった場所を中心に、足跡などの痕跡を探しましょう。 また、前述のとおり、繁殖期のオス鹿は数頭のメス鹿を連れてハーレムをつくっています。そのため、群れが近くにいる場合は、小さい多くの足跡の中に、一回り大きい足跡が混ざってるのが見受けられます。そういった場所は、おびき出しによってオス鹿に遭遇できる確率が非常に高い場所といえます。鹿の歩くスジを読み、正確に射撃するためのイメージをしながら、待ち伏せる場所を考えましょう。 効率的にコール猟ができるのは、日の出から2時間以内。または、夕方3時半から4時すぎ程までです。目ぼしい場所を見つけたら、鹿笛で1~3声ほど吹いてみて、10~15分間ほど応答を待ちます。余計な気配を出さないよう気を配りながら、ジーッと待ちます。応答が無ければもう一度吹きます。5分間ほど待って応答無ければ近くにオスはいないと考えて良いでしょう。 一方で、鹿から返し鳴きがあれば、さらにふた声ほど吹いてみましょう。鹿が近づいてきて、威嚇の声がすぐ近くで聞こえてきたら、銃の安全装置を解除します。そこで鹿が姿を現したら、発砲して仕留める、という流れになります。 コール猟の装備で気を付けないといけないのは、防寒着。基本的に狩猟の際は、山野を渉猟しますので身体が温まります。しかしながら、コール猟のような待ち伏せ猟では、動かないので体が非常に冷えます。待ち伏せ場所を決めたら、できる限り防寒着を着こみましょう。 さいごに 地域によって若干の差はありますが、鹿の繁殖期は9月末~11月頭です。そのため、コール猟をするのであれば、猟期に入った直後が最もねらい目になります。11月に猟期が始まる地域であれば、コール猟を成功させるチャンスは非常に限られます。 単純に鹿を捕獲するだけであれば、罠を用いたほうが効率的ですが、コール猟が成功したときの達成感はひとしお。今期は鹿笛を使って、コール猟に挑んでみるのもいかがでしょうか? シカ対策 おすすめ商品 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【両扉】 落とし扉が両側に備わっている【両扉】タイプで、獣の目線から見たときに奥行が遮られないので、罠の内部に誘因しやすいという特徴があります。 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【片扉】 異形鉄筋を使用。3分筋:約9mmを使用して格子網を全箇所溶接しております。さらに要所を4分鉄筋、5分鉄筋で補強、非常に頑強な構造です。 ファーレ旭式...
イノシシ等の捕獲檻(箱罠)の選びかた
目次 1ターゲットの大きさから箱罠を選ぶ 2トリガー方式から箱罠を選ぶ 3檻の素材や形状から箱罠を選ぶ イノシシ等を捕獲するための機材として、メインで選ばれるのはやはり捕獲檻(箱罠)です。箱罠とは、野生動物を捕獲する場合に用いられる箱状の檻のことで、餌を使って箱の中に獲物を引き寄せて、獲物が中に入ると扉が落ちて捕獲完了!という仕組みです。 くくり罠などの他の罠の場合、獣の動きを予測して設置方法を工夫しなければ、なかなか獲物を捕えることができません。一方、箱罠の場合は餌の力で誘因するので、獣の動きを多少読み違えても捕獲が可能であり、初心者にも向いています。 箱罠には、大きさや素材、トリガー方式が異なる様々なタイプがあり、どれを選んだらよいか判断がつかない場合もあるかと思います。そこで今回は、箱罠の選び方について解説します。 ターゲットの大きさから箱罠を選ぶ 箱罠の大きさは、どの獣がターゲットになるかによって、大まかに決めることができます。小型獣に対して大きすぎる罠を使ってもロスが多いですし、大型獣に対してはそもそも小さすぎる箱罠は使えません。 また、大きいほうが複数頭同時に捕獲できる可能性も高くなりますが、値段も高くなります。 イノシシ・シカなどの大型獣の捕獲に使われる箱罠の標準的なサイズは、高さと幅がそれぞれ1メートル、奥行きが2メートル程度です。 網目の大きさは、狭いほうのピッチが10cm未満のものがほとんどで、ウリボウなどの小型獣もあわせて捕獲することが想定されています。また、この大きさであれば、大型のイノシシの捕獲も可能です。※大型のイノシシは非常に力が強いため、なるべく頑強な構造の箱罠を選ぶことをお勧めします。 イノホイおすすめの大型箱罠はこちらをクリック>> これより一回り小さいサイズもイノシシ・シカ用として多く出回っています。上記サイズと比べると重量がやや軽くなるので、取り回しやすいというメリットがあります。近年関東方面で問題となっているキョンの捕獲にも使えます。 年配の方であまり重い箱罠の設置はしんどいという方や、女性のハンターにもお勧めできます。イノホイおすすめの中型箱罠はこちらをクリック>> サルをターゲットにする場合は、罠の外から網目に手をいれて餌を取ったりすることがあるので、その点も考慮した網目のものを選ぶと良いでしょう。 サルに対応する箱罠であれば、タヌキやハクビシン、アナグマ、ウリボウなどにも対応できます。イノシシ・シカ用ほど大きくなくても、幅と高さがそれぞれ0.8メートルほどの大きさがあれば、複数頭の捕獲が期待できます。 イノホイのサル用箱罠はこちらをクリック>> ハクビシンやアナグマなど、小型獣の個体をターゲットにするのであれば、より小さいサイズ(幅と高さがそれぞれ0.5メートル以下ほど)のものでよいでしょう。 このサイズの箱罠は値段も安く、ホームセンターなどで販売されていることもあります。外来種であるアライグマやヌートリアを捕獲する場合も、このあたりのサイズが使われます。 イノホイおすすめの小型箱罠はこちらをクリック>> さらに小さいイタチやテン、リスなどをターゲットにするのであれば、すり抜けを防止するために、網目が3センチ程度の細かいものを選ぶとよいでしょう。 トリガー方式から箱罠を選ぶ 箱罠を作動させる仕掛け(トリガー)にも、いくつか種類があります。例えば、「蹴り糸方式」はイノシシやシカなどの大型獣の捕獲に採用されることが多いです。箱罠の中に糸を張っておき、ここに力が加わるとトリガーが作動し、扉が落ちます。 罠内に置かれた板の上に足を置くと扉が落ちるのが「踏み板方式」、餌を箱罠内部にぶら下げておき獣がそれを取ろうとして動かすとトリガーが作動して扉が落ちる「餌吊り方式」などもあります。 アライグマやタヌキ、ヌートリア、ハクビシンなどの小型獣の場合は「踏み板方式」や「餌吊り方式」が採用されることが多いです。「蹴り糸方式」であれば、張った糸の上に板を置くなどして「踏み板方式」のように作用させることも可能です。 ※トリガー方式については、こちらの記事も参照ください。 檻の素材や形状から箱罠を選ぶ イノシシなど力が強い大型の獣を捕獲する際は、檻に鉄筋などの頑強な素材を使った箱罠を選ぶとよいでしょう。 構造が弱いせいで箱罠が破損し、獣が外に飛び出すと、重大な事故につながる恐れがあります。...
イノシシ等の捕獲檻(箱罠)の選びかた
目次 1ターゲットの大きさから箱罠を選ぶ 2トリガー方式から箱罠を選ぶ 3檻の素材や形状から箱罠を選ぶ イノシシ等を捕獲するための機材として、メインで選ばれるのはやはり捕獲檻(箱罠)です。箱罠とは、野生動物を捕獲する場合に用いられる箱状の檻のことで、餌を使って箱の中に獲物を引き寄せて、獲物が中に入ると扉が落ちて捕獲完了!という仕組みです。 くくり罠などの他の罠の場合、獣の動きを予測して設置方法を工夫しなければ、なかなか獲物を捕えることができません。一方、箱罠の場合は餌の力で誘因するので、獣の動きを多少読み違えても捕獲が可能であり、初心者にも向いています。 箱罠には、大きさや素材、トリガー方式が異なる様々なタイプがあり、どれを選んだらよいか判断がつかない場合もあるかと思います。そこで今回は、箱罠の選び方について解説します。 ターゲットの大きさから箱罠を選ぶ 箱罠の大きさは、どの獣がターゲットになるかによって、大まかに決めることができます。小型獣に対して大きすぎる罠を使ってもロスが多いですし、大型獣に対してはそもそも小さすぎる箱罠は使えません。 また、大きいほうが複数頭同時に捕獲できる可能性も高くなりますが、値段も高くなります。 イノシシ・シカなどの大型獣の捕獲に使われる箱罠の標準的なサイズは、高さと幅がそれぞれ1メートル、奥行きが2メートル程度です。 網目の大きさは、狭いほうのピッチが10cm未満のものがほとんどで、ウリボウなどの小型獣もあわせて捕獲することが想定されています。また、この大きさであれば、大型のイノシシの捕獲も可能です。※大型のイノシシは非常に力が強いため、なるべく頑強な構造の箱罠を選ぶことをお勧めします。 イノホイおすすめの大型箱罠はこちらをクリック>> これより一回り小さいサイズもイノシシ・シカ用として多く出回っています。上記サイズと比べると重量がやや軽くなるので、取り回しやすいというメリットがあります。近年関東方面で問題となっているキョンの捕獲にも使えます。 年配の方であまり重い箱罠の設置はしんどいという方や、女性のハンターにもお勧めできます。イノホイおすすめの中型箱罠はこちらをクリック>> サルをターゲットにする場合は、罠の外から網目に手をいれて餌を取ったりすることがあるので、その点も考慮した網目のものを選ぶと良いでしょう。 サルに対応する箱罠であれば、タヌキやハクビシン、アナグマ、ウリボウなどにも対応できます。イノシシ・シカ用ほど大きくなくても、幅と高さがそれぞれ0.8メートルほどの大きさがあれば、複数頭の捕獲が期待できます。 イノホイのサル用箱罠はこちらをクリック>> ハクビシンやアナグマなど、小型獣の個体をターゲットにするのであれば、より小さいサイズ(幅と高さがそれぞれ0.5メートル以下ほど)のものでよいでしょう。 このサイズの箱罠は値段も安く、ホームセンターなどで販売されていることもあります。外来種であるアライグマやヌートリアを捕獲する場合も、このあたりのサイズが使われます。 イノホイおすすめの小型箱罠はこちらをクリック>> さらに小さいイタチやテン、リスなどをターゲットにするのであれば、すり抜けを防止するために、網目が3センチ程度の細かいものを選ぶとよいでしょう。 トリガー方式から箱罠を選ぶ 箱罠を作動させる仕掛け(トリガー)にも、いくつか種類があります。例えば、「蹴り糸方式」はイノシシやシカなどの大型獣の捕獲に採用されることが多いです。箱罠の中に糸を張っておき、ここに力が加わるとトリガーが作動し、扉が落ちます。 罠内に置かれた板の上に足を置くと扉が落ちるのが「踏み板方式」、餌を箱罠内部にぶら下げておき獣がそれを取ろうとして動かすとトリガーが作動して扉が落ちる「餌吊り方式」などもあります。 アライグマやタヌキ、ヌートリア、ハクビシンなどの小型獣の場合は「踏み板方式」や「餌吊り方式」が採用されることが多いです。「蹴り糸方式」であれば、張った糸の上に板を置くなどして「踏み板方式」のように作用させることも可能です。 ※トリガー方式については、こちらの記事も参照ください。 檻の素材や形状から箱罠を選ぶ イノシシなど力が強い大型の獣を捕獲する際は、檻に鉄筋などの頑強な素材を使った箱罠を選ぶとよいでしょう。 構造が弱いせいで箱罠が破損し、獣が外に飛び出すと、重大な事故につながる恐れがあります。...
新・イノシシ対策。
目次 1オオカミロボット「スーパーモンスターウルフ」 2イノシシが嫌がる超音波装置 3グレーチング付きU字溝「わたれません」 4まとめ イノシシによる農作物被害は、年間約50億円ほどに達しています。イノシシは繁殖力が高く、統計手法を用いた環境省による野生鳥獣の個体数推定結果によると、イノシシの個体数は30年前のおよそ3倍になっています。 個体数が増えると、その分農作物の被害も増えますが、作物の被害だけでなく農家の営農意欲も奪いとられるため、離農が増える結果となります。そのため、イノシシ対策として多くの自治体で罠の設置などによる捕獲・駆除が積極的に行われています。 最近では捕獲・駆除だけでなく、田畑や家の庭、生ゴミ置き場などにイノシシを寄せ付けないための新しい対策も行われるようになってきています。この記事では、そのうちのいくつかを紹介したいと思います。 オオカミロボット「スーパーモンスターウルフ」 イノシシを田畑などに寄せ付けないための対策としては、電気柵などの防護柵を設置することが一般的です。しかしながら、イノシシは学習能力が高く、「この柵は入ることができる」と学習すると、多少の困難はものともせず柵を突破しようとします。 柵はイノシシから田畑を守る最終防衛ラインであるため、突破されると直ちに新たな対策を講じる必要が出てきます。 そこで出てくるのがイノシシを寄せ付けないための威嚇対策ですが、単純な威嚇装置ではイノシシが慣れてしまい効果がなくなってしまいます。 それを踏まえ、北海道奈井江町の太田精器が開発したのがオオカミロボット「スーパーモンスターウルフ」です。 装置は全長65センチ、高さ50センチ。機器本体にマスクをかぶせ、外観をイノシシの天敵であるオオカミそっくりに作り込んでいます。 50種類以上の多種多様な威嚇音を出すことができ、イノシシが慣れてしまわないよう考慮されています。 また、赤外線センサーで動物の接近を感知すると、目の部分の発光ダイオード(LED)が赤く点滅し、首を左右に振って威嚇します。 太田精器は早くからLED鳥獣忌避装置の開発に取り組んでおり、スーパーモンスターウルフにもそのノウハウが活かされています。 イノシシは警戒心が高いため、普段とは異なるものを感知すると回避行動をとります。そのため、スーパーモンスターウルフを田畑周辺に設置すれば、イノシシが近づかなくなることが期待されます。太田精器ホームページ>> イノシシが嫌がる超音波装置 広島県では、人間の生活圏へのイノシシの侵入が相次いでいます。そのため、市街地にイノシシが近づかないようにする対策を望む声が多くあがっています。 そこで尾道市は、県立広島大学の重点研究事業・地域課題解決研究を活用して、市街地にイノシシを近づけさせない取り組み「イノシシ等有害鳥獣を近づけさせないプロジェクト」を開始しました。 このプロジェクトにより、今月6日に超音波を発する装置が尾道市の住宅地近くに設置されました。 この装置は、県立広島大学と民間の企業が共同開発したもので、人の耳ではとらえることのできない周波数の超音波を広範囲に照射できるというもの。所定エリア内に侵入したイノシシを超音波によって威嚇し、逃避させることを目的としています。 過去の研究によって、イノシシは超音波を嫌うことはないものの、特定の周波数においては忌避反応を示すことが確認されており、これまでにも北広島町や庄原市などの山間部において、実際にこの装置を用いてイノシシを追い払う効果が確認できたとのこと。今回もその有効性が確認できれば、人慣れしたイノシシでも田畑に近づけないようにできることが期待されます。 グレーチング付きU字溝「わたれません」 グレーチングとは、鋼材を格子状に組んだ溝蓋のことです。道路にある排水のためのU字溝や側溝、歩道などに使用されます。 グレーチング付きU字溝「わたれません」は、人や車は問題なく通行可能ですが、イノシシやシカなどにとっては通行しにくくするグレーチング付きU字溝です。「わたれません」には、直径8cm・深さが4cm程度の六角形のグレーチング構造が採用されており、イノシシが侵入しようとしても蹄でバランスが取れず踏ん張りがきかないようになっています。 くくり罠を設置するときにもよく考慮することなのですが(参考記事)、イノシシは足の踏ん張りがきかない箇所があると、踏み抜かずに足を引っ込めます(そのため、くくり罠を設置する場合はグラグラと不安定にならないよう注意を払います)。 また、警戒心も高いので、「わたれません」が設置してある部分は通行せずに引き返すことが期待されます。 https://youtu.be/nqA-kFkD0cM...
新・イノシシ対策。
目次 1オオカミロボット「スーパーモンスターウルフ」 2イノシシが嫌がる超音波装置 3グレーチング付きU字溝「わたれません」 4まとめ イノシシによる農作物被害は、年間約50億円ほどに達しています。イノシシは繁殖力が高く、統計手法を用いた環境省による野生鳥獣の個体数推定結果によると、イノシシの個体数は30年前のおよそ3倍になっています。 個体数が増えると、その分農作物の被害も増えますが、作物の被害だけでなく農家の営農意欲も奪いとられるため、離農が増える結果となります。そのため、イノシシ対策として多くの自治体で罠の設置などによる捕獲・駆除が積極的に行われています。 最近では捕獲・駆除だけでなく、田畑や家の庭、生ゴミ置き場などにイノシシを寄せ付けないための新しい対策も行われるようになってきています。この記事では、そのうちのいくつかを紹介したいと思います。 オオカミロボット「スーパーモンスターウルフ」 イノシシを田畑などに寄せ付けないための対策としては、電気柵などの防護柵を設置することが一般的です。しかしながら、イノシシは学習能力が高く、「この柵は入ることができる」と学習すると、多少の困難はものともせず柵を突破しようとします。 柵はイノシシから田畑を守る最終防衛ラインであるため、突破されると直ちに新たな対策を講じる必要が出てきます。 そこで出てくるのがイノシシを寄せ付けないための威嚇対策ですが、単純な威嚇装置ではイノシシが慣れてしまい効果がなくなってしまいます。 それを踏まえ、北海道奈井江町の太田精器が開発したのがオオカミロボット「スーパーモンスターウルフ」です。 装置は全長65センチ、高さ50センチ。機器本体にマスクをかぶせ、外観をイノシシの天敵であるオオカミそっくりに作り込んでいます。 50種類以上の多種多様な威嚇音を出すことができ、イノシシが慣れてしまわないよう考慮されています。 また、赤外線センサーで動物の接近を感知すると、目の部分の発光ダイオード(LED)が赤く点滅し、首を左右に振って威嚇します。 太田精器は早くからLED鳥獣忌避装置の開発に取り組んでおり、スーパーモンスターウルフにもそのノウハウが活かされています。 イノシシは警戒心が高いため、普段とは異なるものを感知すると回避行動をとります。そのため、スーパーモンスターウルフを田畑周辺に設置すれば、イノシシが近づかなくなることが期待されます。太田精器ホームページ>> イノシシが嫌がる超音波装置 広島県では、人間の生活圏へのイノシシの侵入が相次いでいます。そのため、市街地にイノシシが近づかないようにする対策を望む声が多くあがっています。 そこで尾道市は、県立広島大学の重点研究事業・地域課題解決研究を活用して、市街地にイノシシを近づけさせない取り組み「イノシシ等有害鳥獣を近づけさせないプロジェクト」を開始しました。 このプロジェクトにより、今月6日に超音波を発する装置が尾道市の住宅地近くに設置されました。 この装置は、県立広島大学と民間の企業が共同開発したもので、人の耳ではとらえることのできない周波数の超音波を広範囲に照射できるというもの。所定エリア内に侵入したイノシシを超音波によって威嚇し、逃避させることを目的としています。 過去の研究によって、イノシシは超音波を嫌うことはないものの、特定の周波数においては忌避反応を示すことが確認されており、これまでにも北広島町や庄原市などの山間部において、実際にこの装置を用いてイノシシを追い払う効果が確認できたとのこと。今回もその有効性が確認できれば、人慣れしたイノシシでも田畑に近づけないようにできることが期待されます。 グレーチング付きU字溝「わたれません」 グレーチングとは、鋼材を格子状に組んだ溝蓋のことです。道路にある排水のためのU字溝や側溝、歩道などに使用されます。 グレーチング付きU字溝「わたれません」は、人や車は問題なく通行可能ですが、イノシシやシカなどにとっては通行しにくくするグレーチング付きU字溝です。「わたれません」には、直径8cm・深さが4cm程度の六角形のグレーチング構造が採用されており、イノシシが侵入しようとしても蹄でバランスが取れず踏ん張りがきかないようになっています。 くくり罠を設置するときにもよく考慮することなのですが(参考記事)、イノシシは足の踏ん張りがきかない箇所があると、踏み抜かずに足を引っ込めます(そのため、くくり罠を設置する場合はグラグラと不安定にならないよう注意を払います)。 また、警戒心も高いので、「わたれません」が設置してある部分は通行せずに引き返すことが期待されます。 https://youtu.be/nqA-kFkD0cM...
狩猟の様々なシチュエーションに。お役立ちウインチ
「ウインチ」という機械をご存知でしょうか? ウィンチは、ワイヤーやロープなどを巻き取りながら重い物を引っ張ったり、引き上げたりすることのできる機材です。工場や建設現場、林業現場等での重量物の上げ下ろしや車の牽引、また狩猟現場においては仕留めた獲物の運搬に使用したりもします。 イノホイおすすめのウインチはこちら>> ウインチなしで大物を回収するのは結構つらい イノシシやシカは、中型になると50kgを超えてきます。さらに大物になると100kgを超えてきます。クマであれば体重100kgを超える場合も多くあります。このような獲物を苦労して仕留めたは良いが、車まで運搬して荷台に運び上げるのは数人がかりでも結構大変です。 舗装された道で重い機材を運ぶのであれば力もかけやすいのですが、機材とちがって獣の体はクネクネと動くので、足場の悪い山道ではなかなかの重労働になるのです。 山の恵みに感謝しながら人力で運ぶのも良いのですが、若い頃と違って体が言うことを聞かず、人力だけではどうにもならない場合もあるでしょう。そんなときに出番となるのがウインチです。 ウインチの種類 ハンドルを回すことによってロープの巻取り・巻き戻しをおこなう「回転式ウインチ」や、ハンドルを往復させてロープの巻取り・巻き戻しをおこなう「ラチェット式ウインチ」があります。 回転式の場合は荷物の横引きに使うことも多いですが、ラチェット式の場合は主に吊り上げ・吊り下げに使用します。 動力には手動と電動があり、電動の場合はモーター駆動によってロープの巻取り・巻き戻しをおこないます。 電動タイプは様々なシーンで活躍します。例えば、車で広範囲を探索する流し猟の場合は、車両から獲物までの距離は近いことが多いですが、獲物にロープを結んでウインチの巻取りをスタートさせれば、比較的楽に車両の荷台に運び上げることができます。 狩猟現場で使われるウインチ さて、ここからは狩猟現場で使われるウインチのメーカーやモデルを紹介してまいります。 オーストラリア発。T-MAX オーストラリアには多くのウインチメーカーがありますが、価格の割に良いと定評のあるのがT-MAX社のウインチ。獲物の回収はもちろんのこと、猟場に向かう悪路で脱輪したり沼地にはまったりしたときも活躍します。 小型軽量モデルのATW PROシリーズ、より牽引力のあるEWシリーズなど、様々なラインナップがあります。リモコン仕様となっているモデルもあるので、丈夫な木などにウインチのワイヤーを巻いてから、あとはリモコンをポチっとすれば引き上げ開始、なんてことも可能です。 >>T-MAXホームページはこちらをクリック アメリカ発。WARN(ウォーン) ウインチといえばWARN社といわれるほど、これまで様々なウインチをリリースしてきた1944年創業の歴史あるメーカーです。T-MAXと比べるとそれなりにお値段はしますが、品質やカスタム性には定評があり、日本でも多くのオフロード愛好家に支持されています。 因みに、WARNのウインチに限らず、電動タイプのモーターは12Vと24Vが主流です。モデルによっても差がありますが、12Vのモーターによる最大牽引力は1トン弱、24Vのモーターであれば4トン前後の最大牽引力があります。 また、スナッチブロック(滑車)や補助ロープ、ツリープリテクタ等のアクセサリを使用することによって、対処できるシチュエーションの幅を広げることができます。広く出回っているWARN社製のウインチであれば、適合するアクセサリーも多くあるので、その点でも魅力ですね。 >>WARNホームページはこちらをクリック ポータブルウインチならホンダウォーク 忍び猟などでは、歩いて山奥まで入っていくため、獲った獲物を運び出すのは非常に労力がかかります。そんなときに役立つ商品をホンダウォーク社がリリースしています。その名は「ポータブルウィンチPCW-3000」、世界のHONDAの4サイクル・ガソリンエンジンを動力とする背負えるロープウィンチです。 このウインチの特徴は本体重量が9.5kgと軽量・ポータブルにもかかわらず、最大牽引荷重700kgの能力があります。木材の搬出、動けなくなった車両の牽引、レスキュー、ハンティングで仕留めた大物の搬送、などアイディア次第で様々なシーンで活躍します。 >>ホンダウォークホームページはこちらをクリック まとめ 本格的なオフロード車両にするなら、ぜひとも積んでおきたいウインチ。狩猟における獲物の回収にはもちろんのこと、仲間の車両を助けるときにも使えます。様々なシチュエーションを想像すると、ワクワクしますね。...
狩猟の様々なシチュエーションに。お役立ちウインチ
「ウインチ」という機械をご存知でしょうか? ウィンチは、ワイヤーやロープなどを巻き取りながら重い物を引っ張ったり、引き上げたりすることのできる機材です。工場や建設現場、林業現場等での重量物の上げ下ろしや車の牽引、また狩猟現場においては仕留めた獲物の運搬に使用したりもします。 イノホイおすすめのウインチはこちら>> ウインチなしで大物を回収するのは結構つらい イノシシやシカは、中型になると50kgを超えてきます。さらに大物になると100kgを超えてきます。クマであれば体重100kgを超える場合も多くあります。このような獲物を苦労して仕留めたは良いが、車まで運搬して荷台に運び上げるのは数人がかりでも結構大変です。 舗装された道で重い機材を運ぶのであれば力もかけやすいのですが、機材とちがって獣の体はクネクネと動くので、足場の悪い山道ではなかなかの重労働になるのです。 山の恵みに感謝しながら人力で運ぶのも良いのですが、若い頃と違って体が言うことを聞かず、人力だけではどうにもならない場合もあるでしょう。そんなときに出番となるのがウインチです。 ウインチの種類 ハンドルを回すことによってロープの巻取り・巻き戻しをおこなう「回転式ウインチ」や、ハンドルを往復させてロープの巻取り・巻き戻しをおこなう「ラチェット式ウインチ」があります。 回転式の場合は荷物の横引きに使うことも多いですが、ラチェット式の場合は主に吊り上げ・吊り下げに使用します。 動力には手動と電動があり、電動の場合はモーター駆動によってロープの巻取り・巻き戻しをおこないます。 電動タイプは様々なシーンで活躍します。例えば、車で広範囲を探索する流し猟の場合は、車両から獲物までの距離は近いことが多いですが、獲物にロープを結んでウインチの巻取りをスタートさせれば、比較的楽に車両の荷台に運び上げることができます。 狩猟現場で使われるウインチ さて、ここからは狩猟現場で使われるウインチのメーカーやモデルを紹介してまいります。 オーストラリア発。T-MAX オーストラリアには多くのウインチメーカーがありますが、価格の割に良いと定評のあるのがT-MAX社のウインチ。獲物の回収はもちろんのこと、猟場に向かう悪路で脱輪したり沼地にはまったりしたときも活躍します。 小型軽量モデルのATW PROシリーズ、より牽引力のあるEWシリーズなど、様々なラインナップがあります。リモコン仕様となっているモデルもあるので、丈夫な木などにウインチのワイヤーを巻いてから、あとはリモコンをポチっとすれば引き上げ開始、なんてことも可能です。 >>T-MAXホームページはこちらをクリック アメリカ発。WARN(ウォーン) ウインチといえばWARN社といわれるほど、これまで様々なウインチをリリースしてきた1944年創業の歴史あるメーカーです。T-MAXと比べるとそれなりにお値段はしますが、品質やカスタム性には定評があり、日本でも多くのオフロード愛好家に支持されています。 因みに、WARNのウインチに限らず、電動タイプのモーターは12Vと24Vが主流です。モデルによっても差がありますが、12Vのモーターによる最大牽引力は1トン弱、24Vのモーターであれば4トン前後の最大牽引力があります。 また、スナッチブロック(滑車)や補助ロープ、ツリープリテクタ等のアクセサリを使用することによって、対処できるシチュエーションの幅を広げることができます。広く出回っているWARN社製のウインチであれば、適合するアクセサリーも多くあるので、その点でも魅力ですね。 >>WARNホームページはこちらをクリック ポータブルウインチならホンダウォーク 忍び猟などでは、歩いて山奥まで入っていくため、獲った獲物を運び出すのは非常に労力がかかります。そんなときに役立つ商品をホンダウォーク社がリリースしています。その名は「ポータブルウィンチPCW-3000」、世界のHONDAの4サイクル・ガソリンエンジンを動力とする背負えるロープウィンチです。 このウインチの特徴は本体重量が9.5kgと軽量・ポータブルにもかかわらず、最大牽引荷重700kgの能力があります。木材の搬出、動けなくなった車両の牽引、レスキュー、ハンティングで仕留めた大物の搬送、などアイディア次第で様々なシーンで活躍します。 >>ホンダウォークホームページはこちらをクリック まとめ 本格的なオフロード車両にするなら、ぜひとも積んでおきたいウインチ。狩猟における獲物の回収にはもちろんのこと、仲間の車両を助けるときにも使えます。様々なシチュエーションを想像すると、ワクワクしますね。...
持っておくと心強い。「熊よけ」スプレー
各地で熊の出没が相次いでいます。最近は特に東北地方を中心にツキノワグマの目撃情報が多く、人身事故もたびたび起こっています。 昨年2017年度の秋田県における熊目撃件数は、前年度比434件増の1303件に上りました。うち人身被害は19件20人で、いずれも過去最多でした。 岩手県でも、ニホンジカやイノシシの狩猟現場において、それらと生息域が重複するツキノワグマと遭遇するケースが増えており、ツキノワグマの狩猟開始日を現行の11月15日ではなく、ニホンジカやイノシシと同じ11月1日に前倒しすることも検討されています。 猟期期間前の11月1日~14日にハンターがツキノワグマと遭遇したものの、猟期期間前のため発砲できず、何度か危険な場面があったという報告もあります。 熊と出会いたくなくても、突然出くわすことがあるかもしれません。そんなときに持っておくと心強いのが「熊よけ」スプレーです。 熊よけスプレーとは 熊よけスプレーは、いわゆる催涙スプレーの一種です。催涙スプレーは、暴漢や野生動物の顔面に向けて催涙ガスを噴射することにより、対象がひるんだ隙に逃げるための護身用品です。 熊よけスプレーの場合、唐辛子から抽出される成分が含まれており、クマが数メートル先まで近づいてきたときに顔面に向かって噴射することを想定しています。 噴射されると、唐辛子成分が熊の目や鼻、喉などの粘膜を強烈に刺激するため、焼けつくような激痛が走り、さらにその効果は数時間続きます。クマを致死させる程の威力はありませんが、人を襲う意欲を減退させ、その場から退散させることが期待できます。 ※絶対に人へ向けて発射しないでください。 熊よけスプレーを選ぶ際にチェックすること 1.スプレーの到達距離 スプレーの到達距離は短いもので2メートルほど、長いものでは10メートルほど届くものがあります(メーカー発表値)。 メーカー発表値は、室内無風状態での実験データであり、実際のフィールドで使用した場合と異なる場合があるので、注意が必要です。相手がクマであることを考えると、少々心もとない到達距離といえます。 ヒグマは時速50キロで走ることが可能で、最高時速は60km/hに達すると言われています。また、ツキノワグマも走る速度は40km/h以上といわれています。素早さで人間に勝ち目はないので、到達距離はなるべく長いものを選ぶのが良いでしょう。 2. 辛さ評価度(SHU) SHU(Scoville Heat Unitsスコヴィル・ヒート・ユニット)という単位があります。これは、唐辛子の辛さの度合いを数値化したもので、1912年に化学者のスコヴィル氏が、トウガラシ抽出物の辛みを感じなくなるまで砂糖水で薄めた時の希釈倍率で辛さを表したことに由来する数値です。 現在では、計測機器によってカプサイシンの量を直接測定し、これをSHU値に換算することで算出されます。 SHUの数値は、軍事用として数値を表記する際は、食品用検査結果の10分の1で表します。 食品用としての検査結果が100万SHUだった場合、軍事用の表現では10万SHUとなります。軍用表記で実効値が15万SHU以上あれば、熊よけとして十分効果はあります。 3. 溶剤の違い 催涙スプレーの中には、ヒグマなど大型熊に対して使うことを想定した超強力なスプレー(ベアスプレー)もあります。ベアスプレーは、原液をうすめる溶剤が油性です。油性溶剤のスプレーは粘着性があり、洗い流すことが比較的困難な性質があります。そのために長時間に渡り苦痛を与えます。 一方、水性溶剤の催涙スプレーは、近場の川や池、携帯する水などで比較的容易に洗い流すことが出来ます。油性と比較すると格段に安全です。ツキノワグマ用であれば、水性溶剤のものを使用しましょう。 注意点 油性のベアスプレーは強力な分、対象に対して過剰な苦痛を与えてしまったり、誤噴射等が起こった場合の被害が大きくなります。ベアスプレーをヒグマ以外に使うことは避けてください。 熊よけスプレーの使い方...
持っておくと心強い。「熊よけ」スプレー
各地で熊の出没が相次いでいます。最近は特に東北地方を中心にツキノワグマの目撃情報が多く、人身事故もたびたび起こっています。 昨年2017年度の秋田県における熊目撃件数は、前年度比434件増の1303件に上りました。うち人身被害は19件20人で、いずれも過去最多でした。 岩手県でも、ニホンジカやイノシシの狩猟現場において、それらと生息域が重複するツキノワグマと遭遇するケースが増えており、ツキノワグマの狩猟開始日を現行の11月15日ではなく、ニホンジカやイノシシと同じ11月1日に前倒しすることも検討されています。 猟期期間前の11月1日~14日にハンターがツキノワグマと遭遇したものの、猟期期間前のため発砲できず、何度か危険な場面があったという報告もあります。 熊と出会いたくなくても、突然出くわすことがあるかもしれません。そんなときに持っておくと心強いのが「熊よけ」スプレーです。 熊よけスプレーとは 熊よけスプレーは、いわゆる催涙スプレーの一種です。催涙スプレーは、暴漢や野生動物の顔面に向けて催涙ガスを噴射することにより、対象がひるんだ隙に逃げるための護身用品です。 熊よけスプレーの場合、唐辛子から抽出される成分が含まれており、クマが数メートル先まで近づいてきたときに顔面に向かって噴射することを想定しています。 噴射されると、唐辛子成分が熊の目や鼻、喉などの粘膜を強烈に刺激するため、焼けつくような激痛が走り、さらにその効果は数時間続きます。クマを致死させる程の威力はありませんが、人を襲う意欲を減退させ、その場から退散させることが期待できます。 ※絶対に人へ向けて発射しないでください。 熊よけスプレーを選ぶ際にチェックすること 1.スプレーの到達距離 スプレーの到達距離は短いもので2メートルほど、長いものでは10メートルほど届くものがあります(メーカー発表値)。 メーカー発表値は、室内無風状態での実験データであり、実際のフィールドで使用した場合と異なる場合があるので、注意が必要です。相手がクマであることを考えると、少々心もとない到達距離といえます。 ヒグマは時速50キロで走ることが可能で、最高時速は60km/hに達すると言われています。また、ツキノワグマも走る速度は40km/h以上といわれています。素早さで人間に勝ち目はないので、到達距離はなるべく長いものを選ぶのが良いでしょう。 2. 辛さ評価度(SHU) SHU(Scoville Heat Unitsスコヴィル・ヒート・ユニット)という単位があります。これは、唐辛子の辛さの度合いを数値化したもので、1912年に化学者のスコヴィル氏が、トウガラシ抽出物の辛みを感じなくなるまで砂糖水で薄めた時の希釈倍率で辛さを表したことに由来する数値です。 現在では、計測機器によってカプサイシンの量を直接測定し、これをSHU値に換算することで算出されます。 SHUの数値は、軍事用として数値を表記する際は、食品用検査結果の10分の1で表します。 食品用としての検査結果が100万SHUだった場合、軍事用の表現では10万SHUとなります。軍用表記で実効値が15万SHU以上あれば、熊よけとして十分効果はあります。 3. 溶剤の違い 催涙スプレーの中には、ヒグマなど大型熊に対して使うことを想定した超強力なスプレー(ベアスプレー)もあります。ベアスプレーは、原液をうすめる溶剤が油性です。油性溶剤のスプレーは粘着性があり、洗い流すことが比較的困難な性質があります。そのために長時間に渡り苦痛を与えます。 一方、水性溶剤の催涙スプレーは、近場の川や池、携帯する水などで比較的容易に洗い流すことが出来ます。油性と比較すると格段に安全です。ツキノワグマ用であれば、水性溶剤のものを使用しましょう。 注意点 油性のベアスプレーは強力な分、対象に対して過剰な苦痛を与えてしまったり、誤噴射等が起こった場合の被害が大きくなります。ベアスプレーをヒグマ以外に使うことは避けてください。 熊よけスプレーの使い方...
本当は怖い。マダニの感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」
獣を相手にする猟師や、山歩きをする人にとってはおなじみのマダニ。家庭内に生息するダニとは全く種類が異なります。 マダニは固い外皮に覆われた比較的大型のダニで、主に森林や草地等の屋外に生息しています。他に、市街地周辺でも見られ、樹木や藪が多い公園でも普通にマダニが生息しています。 この記事では、マダニの特徴や種類、媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について説明します。 マダニに咬まれたこと、ありますか? マダニは基本的に、野生動物を待ち構えるために地面の落葉層の間に潜んでいたり、葉っぱの先端で動物が来るのを待伏せしたりします。 マダニはハーラー器官と呼ばれる感覚器を持っており、哺乳類が発する二酸化炭素や体温、体臭、物理的振動などに反応します。 動物が通りがかると、それを感知して上に飛び降り、くっついて吸血を行います。大きい個体になると、厚手の衣類の上からでも喰いつきます。 獣道をよく歩く猟師にとって、マダニに狙われることはある意味宿命かもしれません。 マダニによる吸血は、蚊などのように短時間ではなく、数日〜2週間に及ぶことがあります。そのため、マダニの吸血行動を「咬着(こうちゃく)」と呼んで区別することもあります。 マダニの大きさは、種類にもよりますが吸血前で3~8mm、吸血後は膨らんで10~20mm程度にもなります。 マダニが咬着する場所は種類によって傾向がありますが、人の場合は膝の裏、陰部、胸、脇などがやられます。 マダニの唾液には麻酔物質が含まれており、吸血されていても気付かないことも多いです。人にもよりますが、マダニに咬着された場所は非常にかゆくなり、数週間続きます。水疱ができたり、化膿したりする場合もあります。 ちなみに、咬着したマダニを自分でむしり取ると、口器がちぎれて皮膚内に残ってしまうことがあります。 口器が皮膚の中に残ると、体が異物に対する防御反応として炎症を起こし、腫れます。その状態で皮膚科を受診すると、場合によっては局部麻酔+切開で異物除去となります。 マダニの種類 日本では、2科8属47種のマダニが確認されています。そのうちの代表種を紹介します。 キチマダニ 体色が薄く、やや黄色みがかって見えるため、この名前がついた。関東以西の温暖な平地では真冬でも採集される。体長は3mmくらい、ふくらむと8mmほど。 フタトゲチマダニ 独特なフォルムをしており、大きさは大体2~3mm、ふくらむと5~20mmほど。シカやクマなどの大型野生哺乳類や放牧牛に多数寄生する。野生動物以外にも、犬の散歩中に犬に取り付く場合があり、屋内で検出される例もしばしば見受けられる。 ヤマトマダニ 人寄生例が最も多いマダニで、マダニ属の中では最も分布が広いといわれる。家ネズミなどにも寄生し、住宅周辺でも見られる。 本当に怖いのは、感染症SFTS かゆみや切除だけで済むならそこまで大きな問題ではないのですが、ごく稀に感染症ウイルスを保有するマダニによって、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症するケースがあります。 患者の報告は毎年4月~11月に多くなっており、日本全国では現時点までに23府県355例が確認されています(うち63例で死亡)。先月も広島県尾道市の80代の男性がSFTSに感染し、死亡しています。 なお、国立感染症研究所の調査によると、山口県で捕獲されたイノシシ(370頭)とシカ(502頭)におけるSFTSウイルス抗体保有率を調査した結果、イノシシは8.6%、シカは43.2%の陽性率であったとのこと。 SFTSの症状 主な症状は「発熱」と「消化器症状」です。先にも述べたとおり、重症化し死亡することもあります。日本でのSFTSの致命率※は約20%とされており、特に高齢者は重症化しやすいと考えられています。 ※致命率とは、ある特定の病気にかかったと診断され、報告された患者のうち、一定の期間内に死亡した患者の割合を指します。 マダニに咬まれてから6日から2週間程度の潜伏期間を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が出現します。また、時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など),出血症状(紫斑,下血)を起こします。初期症状は急性胃腸炎、インフルエンザと似ていますが、ワクチンはありません。...
本当は怖い。マダニの感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」
獣を相手にする猟師や、山歩きをする人にとってはおなじみのマダニ。家庭内に生息するダニとは全く種類が異なります。 マダニは固い外皮に覆われた比較的大型のダニで、主に森林や草地等の屋外に生息しています。他に、市街地周辺でも見られ、樹木や藪が多い公園でも普通にマダニが生息しています。 この記事では、マダニの特徴や種類、媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について説明します。 マダニに咬まれたこと、ありますか? マダニは基本的に、野生動物を待ち構えるために地面の落葉層の間に潜んでいたり、葉っぱの先端で動物が来るのを待伏せしたりします。 マダニはハーラー器官と呼ばれる感覚器を持っており、哺乳類が発する二酸化炭素や体温、体臭、物理的振動などに反応します。 動物が通りがかると、それを感知して上に飛び降り、くっついて吸血を行います。大きい個体になると、厚手の衣類の上からでも喰いつきます。 獣道をよく歩く猟師にとって、マダニに狙われることはある意味宿命かもしれません。 マダニによる吸血は、蚊などのように短時間ではなく、数日〜2週間に及ぶことがあります。そのため、マダニの吸血行動を「咬着(こうちゃく)」と呼んで区別することもあります。 マダニの大きさは、種類にもよりますが吸血前で3~8mm、吸血後は膨らんで10~20mm程度にもなります。 マダニが咬着する場所は種類によって傾向がありますが、人の場合は膝の裏、陰部、胸、脇などがやられます。 マダニの唾液には麻酔物質が含まれており、吸血されていても気付かないことも多いです。人にもよりますが、マダニに咬着された場所は非常にかゆくなり、数週間続きます。水疱ができたり、化膿したりする場合もあります。 ちなみに、咬着したマダニを自分でむしり取ると、口器がちぎれて皮膚内に残ってしまうことがあります。 口器が皮膚の中に残ると、体が異物に対する防御反応として炎症を起こし、腫れます。その状態で皮膚科を受診すると、場合によっては局部麻酔+切開で異物除去となります。 マダニの種類 日本では、2科8属47種のマダニが確認されています。そのうちの代表種を紹介します。 キチマダニ 体色が薄く、やや黄色みがかって見えるため、この名前がついた。関東以西の温暖な平地では真冬でも採集される。体長は3mmくらい、ふくらむと8mmほど。 フタトゲチマダニ 独特なフォルムをしており、大きさは大体2~3mm、ふくらむと5~20mmほど。シカやクマなどの大型野生哺乳類や放牧牛に多数寄生する。野生動物以外にも、犬の散歩中に犬に取り付く場合があり、屋内で検出される例もしばしば見受けられる。 ヤマトマダニ 人寄生例が最も多いマダニで、マダニ属の中では最も分布が広いといわれる。家ネズミなどにも寄生し、住宅周辺でも見られる。 本当に怖いのは、感染症SFTS かゆみや切除だけで済むならそこまで大きな問題ではないのですが、ごく稀に感染症ウイルスを保有するマダニによって、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症するケースがあります。 患者の報告は毎年4月~11月に多くなっており、日本全国では現時点までに23府県355例が確認されています(うち63例で死亡)。先月も広島県尾道市の80代の男性がSFTSに感染し、死亡しています。 なお、国立感染症研究所の調査によると、山口県で捕獲されたイノシシ(370頭)とシカ(502頭)におけるSFTSウイルス抗体保有率を調査した結果、イノシシは8.6%、シカは43.2%の陽性率であったとのこと。 SFTSの症状 主な症状は「発熱」と「消化器症状」です。先にも述べたとおり、重症化し死亡することもあります。日本でのSFTSの致命率※は約20%とされており、特に高齢者は重症化しやすいと考えられています。 ※致命率とは、ある特定の病気にかかったと診断され、報告された患者のうち、一定の期間内に死亡した患者の割合を指します。 マダニに咬まれてから6日から2週間程度の潜伏期間を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が出現します。また、時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など),出血症状(紫斑,下血)を起こします。初期症状は急性胃腸炎、インフルエンザと似ていますが、ワクチンはありません。...
狩猟に使う靴はどれが良いのか考えてみる
狩猟の際の靴はどのようなものを選ばれていますか?荒れた山道を銃を持って歩いたり、重い獲物を持ち運んだり、川のなかをジャブジャブ進んだり、滑りやすい雪道を歩いたり。 猟場によっては足元のおぼつかない道を進んでいくことが多々あるわけです。 そこで重要になるのがが、靴選び。靴選びを適当にしてしまうと、足を滑らせたりして大きな怪我をしてしまう可能性があります。 靴選びに失敗して、痛い目を見てしまったハンターも中にはいらっしゃるでしょう。この記事では、狩猟に使う靴はどれが良いのか考察してみます。 狩猟靴のタイプ まず、狩猟に使われる靴のタイプは大きく分けて三つあります。一つ目は長靴、二つ目は地下足袋(タビ)、三つ目は登山靴です。では、それぞれのタイプの特徴を挙げていきます。 1. 長靴タイプの特徴 最もオーソドックスな狩猟靴といえるでしょう。長靴なので、ある程度の水深の沢歩き等においても防水性は完璧です。また、猟期が冬であることを考えると、防寒性が高いことも長所の一つです。 逆に、有害駆除等の夏場の作業では、蒸れてしまうことが短所ともいえます。 長靴タイプの場合、同じサイズでもフィット感が人によって異なります。フィット感が悪いと、意図せぬところで脱げてしまったり、靴の中で足が動いてしまったり、歩きやすさを損なうことになります。 対策としては、例えば、実際に履いてブカブカであった場合、中敷きや靴下でうまく調整すると良いでしょう。 また、プレートの入った安全長靴であれば、防護性も抜群。意図せず竹や枝を踏み抜いてしまうなどの怪我も防ぐことができます。 普通の長靴 山歩きをしない平地中心の行動範囲であれば、スリップにそこまで気をつかうことなく、スパイク無しの長靴を使うのも良いでしょう。 その場合は安価で済ますことができるので、コストパフォーマンスも良いと言えます。ただし、安すぎるのは、芯が折れたり、ゴムが薄くてすぐに破けたりしますので注意が必要です。 スパイク長靴 靴底にスパイク(金属のピン)が付いているタイプは、特にグリップ性が良好で滑りにくいです。一方で、歩いた時のスパイクの突き上げ感が嫌、という人もいます。 また、金属スパイク靴特有の歩いた時にカチカチする音を獲物が嫌うという理由から、金属スパイクを避ける人もいます。 底がフェルト素材の長靴もあります。ゴム底タイプは苔がついた凹凸の無い岩では滑りますが、フェルト素材は非常に滑りにくいです。 一方で、フェルトは泥や草地では滑りやすくなりますので、状況に応じた使い分けが必要です。フェルトの靴底にスパイクがついているタイプもあります。 2. 足袋タイプの特徴 足袋はつま先が親指と他の指で分かれています。そのため、足元を親指×2、他の指×2の四点で支えることができます。足袋タイプはこの記事で紹介している3タイプの中で、最も安定感があると言えるでしょう。 長靴タイプと同様、スパイクがついているタイプも多くあります。グリップ力抜群の金属スパイクと、グリップ力はやや劣るものの砂利や舗装された道の上を歩いた時にカチカチ音が出ないゴムスパイクがあります。 コハゼ※やマジックテープによって足を固定するため、フィット感は長靴より優れており、特にマジックテープで固定するタイプのものであれば、靴の中で足がブレたり、すっぽ抜けたりすることはないでしょう。 ※コハゼ(甲馳)・・・足首の後ろについている爪型の金具のこと。 一方で、ゴム素材で覆われている長靴タイプと比べると、防水性や防寒性能は劣ります。特に、沢を歩いたり、雪が多い地域での猟においては、長靴のほうが向いているといえます。 例えば、雪が降る前のシーズンは足袋を使って、雪が降りだすシーズンは長靴を使うなど、使い分けているハンターもいらっしゃいます。 地下足袋タイプは林業で使われることが多いので、つま先に芯の入った安全靴タイプや、甲部に切創防止・耐衝撃のための甲ガードがついているものも多くあります。 なお、足袋タイプを履く場合、当然ながら普通の靴下ではなく、足袋用靴下を用意する必要があります。 3. 登山靴・ブーツタイプの特徴...
狩猟に使う靴はどれが良いのか考えてみる
狩猟の際の靴はどのようなものを選ばれていますか?荒れた山道を銃を持って歩いたり、重い獲物を持ち運んだり、川のなかをジャブジャブ進んだり、滑りやすい雪道を歩いたり。 猟場によっては足元のおぼつかない道を進んでいくことが多々あるわけです。 そこで重要になるのがが、靴選び。靴選びを適当にしてしまうと、足を滑らせたりして大きな怪我をしてしまう可能性があります。 靴選びに失敗して、痛い目を見てしまったハンターも中にはいらっしゃるでしょう。この記事では、狩猟に使う靴はどれが良いのか考察してみます。 狩猟靴のタイプ まず、狩猟に使われる靴のタイプは大きく分けて三つあります。一つ目は長靴、二つ目は地下足袋(タビ)、三つ目は登山靴です。では、それぞれのタイプの特徴を挙げていきます。 1. 長靴タイプの特徴 最もオーソドックスな狩猟靴といえるでしょう。長靴なので、ある程度の水深の沢歩き等においても防水性は完璧です。また、猟期が冬であることを考えると、防寒性が高いことも長所の一つです。 逆に、有害駆除等の夏場の作業では、蒸れてしまうことが短所ともいえます。 長靴タイプの場合、同じサイズでもフィット感が人によって異なります。フィット感が悪いと、意図せぬところで脱げてしまったり、靴の中で足が動いてしまったり、歩きやすさを損なうことになります。 対策としては、例えば、実際に履いてブカブカであった場合、中敷きや靴下でうまく調整すると良いでしょう。 また、プレートの入った安全長靴であれば、防護性も抜群。意図せず竹や枝を踏み抜いてしまうなどの怪我も防ぐことができます。 普通の長靴 山歩きをしない平地中心の行動範囲であれば、スリップにそこまで気をつかうことなく、スパイク無しの長靴を使うのも良いでしょう。 その場合は安価で済ますことができるので、コストパフォーマンスも良いと言えます。ただし、安すぎるのは、芯が折れたり、ゴムが薄くてすぐに破けたりしますので注意が必要です。 スパイク長靴 靴底にスパイク(金属のピン)が付いているタイプは、特にグリップ性が良好で滑りにくいです。一方で、歩いた時のスパイクの突き上げ感が嫌、という人もいます。 また、金属スパイク靴特有の歩いた時にカチカチする音を獲物が嫌うという理由から、金属スパイクを避ける人もいます。 底がフェルト素材の長靴もあります。ゴム底タイプは苔がついた凹凸の無い岩では滑りますが、フェルト素材は非常に滑りにくいです。 一方で、フェルトは泥や草地では滑りやすくなりますので、状況に応じた使い分けが必要です。フェルトの靴底にスパイクがついているタイプもあります。 2. 足袋タイプの特徴 足袋はつま先が親指と他の指で分かれています。そのため、足元を親指×2、他の指×2の四点で支えることができます。足袋タイプはこの記事で紹介している3タイプの中で、最も安定感があると言えるでしょう。 長靴タイプと同様、スパイクがついているタイプも多くあります。グリップ力抜群の金属スパイクと、グリップ力はやや劣るものの砂利や舗装された道の上を歩いた時にカチカチ音が出ないゴムスパイクがあります。 コハゼ※やマジックテープによって足を固定するため、フィット感は長靴より優れており、特にマジックテープで固定するタイプのものであれば、靴の中で足がブレたり、すっぽ抜けたりすることはないでしょう。 ※コハゼ(甲馳)・・・足首の後ろについている爪型の金具のこと。 一方で、ゴム素材で覆われている長靴タイプと比べると、防水性や防寒性能は劣ります。特に、沢を歩いたり、雪が多い地域での猟においては、長靴のほうが向いているといえます。 例えば、雪が降る前のシーズンは足袋を使って、雪が降りだすシーズンは長靴を使うなど、使い分けているハンターもいらっしゃいます。 地下足袋タイプは林業で使われることが多いので、つま先に芯の入った安全靴タイプや、甲部に切創防止・耐衝撃のための甲ガードがついているものも多くあります。 なお、足袋タイプを履く場合、当然ながら普通の靴下ではなく、足袋用靴下を用意する必要があります。 3. 登山靴・ブーツタイプの特徴...
熱中症対策のススメ。
記録的な猛暑の2018年 今年は猛暑ではなく、酷暑であるといわれます。梅雨明け後に全国的な猛暑が始まり、先月23日に埼玉県熊谷市で最高気温41.1度を記録、国内記録を5年ぶりに更新しました。 先月に観測史上最高気温を塗り替えた観測地点は、全体の1割強の113地点に上るそうです。 日本だけでなく世界でも記録的な猛暑が観測されています。 アメリカでは、先月8日にカリフォルニア州デスバレー国立公園で最高気温52度となったほか、ロサンゼルス近郊のチノでも48.9度を記録したとのこと。もはや、人間が気合や根性で耐えられるレベルを完全に超えています。 酷暑による健康被害 記録的な猛暑が続くなかで、熱中症による健康被害が深刻化しています。総務省消防庁によると、先月9日から15日の間で、国内で救急車搬送された熱中症患者数は9956人、うち12人が死亡したとのこと。 熱中症には様々な症状があり、初期~中期症状としてめまい、ふらつき、頭痛などがあります。さらに症状が進むと重症化し、ひどい発汗やけいれん(こむらがえり)、吐き気などが出たり、熱で意識がもうろうとして、自分の状態を判断できないまま急に意識を失う場合もあります。 熱中症のメカニズム 人間を含む恒温動物の体には、体温調節機能が備わっています。体温が上がり過ぎたときには、体の表面(皮膚)に流れる血液の量を増やし、熱を体の外へ逃がしやすい状態にします。 しかしながら、このメカニズムのバランスが崩れて血液が足りなくなると、血圧が低下して脳に十分な血液が送られなくなります。その結果、めまいやふらつき、意識消失が起こります。 人間は体温が上がったら汗をかき、その汗が蒸発するときにからだの表面から熱を奪うことで、上がった体温を下げようする仕組みを持っていますが、発汗によって水分を失い脱水症状が続くと倦怠感、嘔吐、頭痛などが生じます。 また、発汗によって血液中の電解質(塩分)が不足すると、筋肉の収縮を調整する電解質が足りなくなり、けいれん、こむらがえりが起こりやすくなります。 さらに症状が進むと、脳内の温度が上昇することで中枢神経に異常が起こり、からだのさまざまな臓器に障害が出て、命を落とすこともある危険な状態になります。 そして、上記のいかなる症状においても、まずは身体を冷やすことが大切です。 ハンターにおすすめの熱中症対策 その1:冷却ベスト/クールベスト 繰り返しになりますが、熱中症にならないためには、体を冷やすことが大切です。 しかしながら、狩猟活動(有害駆除)は野外で行うもの。炎天下での作業はどうしても発生しますが、作業の都度いちいち体を冷やすわけにもいきません。 そこで是非ともおすすめしたいのが、冷却ベスト(クールベスト)です。 冷やし方としては、注水することにより気化熱で冷やすパターン、氷を入れて溶けた水の気化熱で冷やすパターン、保冷材によって冷やすパターンなどがあります。 着用の際に、衣服を濡らしたくない場合は、保冷材を使用するパターンを選ぶと良いでしょう。 冷却ベストの上に上着を着て、その上から猟友会の蛍光オレンジベストを組み合わせれば、ばっちりです。 各社から様々なタイプが出ていますが、接触面積が大きく密着度が高いものを選ぶと、より保冷効果を体感することができます。また、蒸れを考慮すると、メッシュタイプがおすすめです。 冷却ベストを通販で探す>> その2:空調服 上記の冷却ベストに、空調服と組み合わせると、最強の熱中症対策ウェアになります。空調服とは、一言でいうと「電動ファン内蔵服」です。 服に付いた小型ファンで服の中に外気を取入れ、体の表面に大量の風を流すことにより汗を気化させます。気化熱によって体温が奪われ、暖かく湿った空気は襟元と袖口から排出されます。 なお、ジャケット(空調服専用)・ファン・バッテリーをそろえる必要があります。価格の目安としては、メーカーや素材によっても異なりますが、すべて合わせて2万円ほどです。 購入の前にジャケットのサイズ感や、バッテリーの稼働時間をあらかじめ確認しておきましょう。ピッタリなサイズよりも、1サイズ余裕を持たせるほうが良いと思います。...
熱中症対策のススメ。
記録的な猛暑の2018年 今年は猛暑ではなく、酷暑であるといわれます。梅雨明け後に全国的な猛暑が始まり、先月23日に埼玉県熊谷市で最高気温41.1度を記録、国内記録を5年ぶりに更新しました。 先月に観測史上最高気温を塗り替えた観測地点は、全体の1割強の113地点に上るそうです。 日本だけでなく世界でも記録的な猛暑が観測されています。 アメリカでは、先月8日にカリフォルニア州デスバレー国立公園で最高気温52度となったほか、ロサンゼルス近郊のチノでも48.9度を記録したとのこと。もはや、人間が気合や根性で耐えられるレベルを完全に超えています。 酷暑による健康被害 記録的な猛暑が続くなかで、熱中症による健康被害が深刻化しています。総務省消防庁によると、先月9日から15日の間で、国内で救急車搬送された熱中症患者数は9956人、うち12人が死亡したとのこと。 熱中症には様々な症状があり、初期~中期症状としてめまい、ふらつき、頭痛などがあります。さらに症状が進むと重症化し、ひどい発汗やけいれん(こむらがえり)、吐き気などが出たり、熱で意識がもうろうとして、自分の状態を判断できないまま急に意識を失う場合もあります。 熱中症のメカニズム 人間を含む恒温動物の体には、体温調節機能が備わっています。体温が上がり過ぎたときには、体の表面(皮膚)に流れる血液の量を増やし、熱を体の外へ逃がしやすい状態にします。 しかしながら、このメカニズムのバランスが崩れて血液が足りなくなると、血圧が低下して脳に十分な血液が送られなくなります。その結果、めまいやふらつき、意識消失が起こります。 人間は体温が上がったら汗をかき、その汗が蒸発するときにからだの表面から熱を奪うことで、上がった体温を下げようする仕組みを持っていますが、発汗によって水分を失い脱水症状が続くと倦怠感、嘔吐、頭痛などが生じます。 また、発汗によって血液中の電解質(塩分)が不足すると、筋肉の収縮を調整する電解質が足りなくなり、けいれん、こむらがえりが起こりやすくなります。 さらに症状が進むと、脳内の温度が上昇することで中枢神経に異常が起こり、からだのさまざまな臓器に障害が出て、命を落とすこともある危険な状態になります。 そして、上記のいかなる症状においても、まずは身体を冷やすことが大切です。 ハンターにおすすめの熱中症対策 その1:冷却ベスト/クールベスト 繰り返しになりますが、熱中症にならないためには、体を冷やすことが大切です。 しかしながら、狩猟活動(有害駆除)は野外で行うもの。炎天下での作業はどうしても発生しますが、作業の都度いちいち体を冷やすわけにもいきません。 そこで是非ともおすすめしたいのが、冷却ベスト(クールベスト)です。 冷やし方としては、注水することにより気化熱で冷やすパターン、氷を入れて溶けた水の気化熱で冷やすパターン、保冷材によって冷やすパターンなどがあります。 着用の際に、衣服を濡らしたくない場合は、保冷材を使用するパターンを選ぶと良いでしょう。 冷却ベストの上に上着を着て、その上から猟友会の蛍光オレンジベストを組み合わせれば、ばっちりです。 各社から様々なタイプが出ていますが、接触面積が大きく密着度が高いものを選ぶと、より保冷効果を体感することができます。また、蒸れを考慮すると、メッシュタイプがおすすめです。 冷却ベストを通販で探す>> その2:空調服 上記の冷却ベストに、空調服と組み合わせると、最強の熱中症対策ウェアになります。空調服とは、一言でいうと「電動ファン内蔵服」です。 服に付いた小型ファンで服の中に外気を取入れ、体の表面に大量の風を流すことにより汗を気化させます。気化熱によって体温が奪われ、暖かく湿った空気は襟元と袖口から排出されます。 なお、ジャケット(空調服専用)・ファン・バッテリーをそろえる必要があります。価格の目安としては、メーカーや素材によっても異なりますが、すべて合わせて2万円ほどです。 購入の前にジャケットのサイズ感や、バッテリーの稼働時間をあらかじめ確認しておきましょう。ピッタリなサイズよりも、1サイズ余裕を持たせるほうが良いと思います。...
森林における鳥獣被害対策の支援について
野生鳥獣による森林被害のうち、約8割を占めるのがシカによる被害です。シカの生息数の増加や生息域の拡大によって、森林が受ける被害は深刻な状況にあります。 被害の内容としては、樹木への食害、樹皮剥ぎ、食害による下層植生の衰退・消失、裸地化などが挙げられます。全国の森林の約2割でシカによる被害が認められており、被害面積は約6,000ヘクタール(東京ドーム約1,200個分)にのぼるといわれています。 シカは繁殖力が高く、環境が良ければほぼ毎年子供を産みます。捕獲を実施しない場合、年率約20%で増加し、4~5年で個体数は倍増するといわれます。 そのため、環境省と農林水産省は、シカ(およびイノシシ)に対し、10年かけて生息頭数を半減させることを目指すとしており、シカ被害対策を推進するための様々な補助金支援が国や都道府県によって実施されています。 森林における鳥獣被害対策支援の種類 国が実施している森林のための鳥獣被害対策支援として、以下のような事業があります。 1. シカによる森林被害緊急対策事業 おもに林業関係者が主体となった計画的な捕獲・防除を模範的に実施するための事業です。 A:シカ森林被害防止緊急対策 複数の市町村や森林管理署から構成される協議会が、シカ被害対策の計画を策定して実施する対策です。地域で連携して行う罠による捕獲や、防護柵の設置等の防除活動を実施する事業です。 また、新たにシカの侵入が危惧される地域や、生息密度が高まりつつある地域において、シカの監視体制の強化を図るため、GPS首輪を用いた行動追跡調査や、自動撮影カメラを用いた監視体制の強化も目的としています。イノホイおすすめの自動撮影カメラはこちら>> B:シカ被害対策推進調査 森林におけるシカ被害発生リスクについて、調査分析を行い、必要な対応の検討を実施する事業です。国から民間団体に委託費をもって委託されます。 2. 森林環境保全整備事業 健全な森林の造成・保全を目的として、野生鳥獣による森林被害の防止や、野生鳥獣の移動の制御するための付帯施設(侵入防止柵など)を整備・保全する事業が支援されます。 また、シカの食害を受けた被害森林にて、餌で誘引して罠などによって捕獲する事業も支援されます。都道府県、市町村、森林所有者、森林組合等、森林整備法人等が主体となり実施されます。 3. 鳥獣被害防止総合対策交付金 シカなどの鳥獣侵入防止柵の設置や、捕獲活動の直接経費など市町村が主体となった地域ぐるみの被害防止の取組が支援されます。対象団体は事業計画等を申請することによって、国から交付金が各都道府県を通じて交付されます。こちらの記事に詳しい内容を記載しています。 4. 次世代林業基盤づくり交付金(そのうち、森林・林業再生基盤づくり交付金) 都道府県、市町村等が被害の状況を勘案し、地域の実情に応じて行う被害防止対策に支援が行われます。地域の森林の整備を行うための基盤整備やその活用、林業や木材産業の振興を図るための様々な取組みが交付金によって支援され、森林資源の保護のための野生鳥獣被害防除事業も対象となります。 5. 森林・山村多面的機能発揮対策 里山林は地域住民に継続的に利用されることにより、古くから維持・管理されてきた居住地近くに広がる森林のことですが、近年は荒廃が進んでいます。そこで、地域住民、森林所有者、自伐林家等が協力して行う、里山林の保全管理や資源を利用するための活動に対して、林野庁が交付金による支援を行っています。 活動を実施するために必要な機材及び資材の購入・設置に対しても支援が行われ、例えば、シカ等の野生鳥獣を捕獲するための罠の購入であれば必要額の1/2が支援されます。 支援を受けるには、活動組織を設立する必要があり、組織は地域住民、森林所有者等地域の実情に応じた方(3名以上)で構成される必要があります。交付金の対象となる森林は、活動を行う時点において、森林経営計画が策定されていない森林です。 また、活動組織名、所在地、取組の背景及び概要、3年間の活動計画、年度別の取組内容、計画図、委託内容等を記載した計画書を作成する必要があります。 これらの準備が整えば、地域協議会に対して、支援の申込みを行う流れとなっています。 まとめ シカによる森林被害の減少に貢献するため、上記のような様々な支援が実施されております。上記は国の支援であり、年度や交付金を受ける地域によって内容や規模が変わってくると思いますので、より詳しく知りたい方は、ホームページや、各都道府県の獣害対策関連課などにて確認されるとよろしいかと思います。 なお、イノホイでは罠の購入に必要なお見積りも随時承っております。こちらのフォームからお気軽にご依頼ください。
森林における鳥獣被害対策の支援について
野生鳥獣による森林被害のうち、約8割を占めるのがシカによる被害です。シカの生息数の増加や生息域の拡大によって、森林が受ける被害は深刻な状況にあります。 被害の内容としては、樹木への食害、樹皮剥ぎ、食害による下層植生の衰退・消失、裸地化などが挙げられます。全国の森林の約2割でシカによる被害が認められており、被害面積は約6,000ヘクタール(東京ドーム約1,200個分)にのぼるといわれています。 シカは繁殖力が高く、環境が良ければほぼ毎年子供を産みます。捕獲を実施しない場合、年率約20%で増加し、4~5年で個体数は倍増するといわれます。 そのため、環境省と農林水産省は、シカ(およびイノシシ)に対し、10年かけて生息頭数を半減させることを目指すとしており、シカ被害対策を推進するための様々な補助金支援が国や都道府県によって実施されています。 森林における鳥獣被害対策支援の種類 国が実施している森林のための鳥獣被害対策支援として、以下のような事業があります。 1. シカによる森林被害緊急対策事業 おもに林業関係者が主体となった計画的な捕獲・防除を模範的に実施するための事業です。 A:シカ森林被害防止緊急対策 複数の市町村や森林管理署から構成される協議会が、シカ被害対策の計画を策定して実施する対策です。地域で連携して行う罠による捕獲や、防護柵の設置等の防除活動を実施する事業です。 また、新たにシカの侵入が危惧される地域や、生息密度が高まりつつある地域において、シカの監視体制の強化を図るため、GPS首輪を用いた行動追跡調査や、自動撮影カメラを用いた監視体制の強化も目的としています。イノホイおすすめの自動撮影カメラはこちら>> B:シカ被害対策推進調査 森林におけるシカ被害発生リスクについて、調査分析を行い、必要な対応の検討を実施する事業です。国から民間団体に委託費をもって委託されます。 2. 森林環境保全整備事業 健全な森林の造成・保全を目的として、野生鳥獣による森林被害の防止や、野生鳥獣の移動の制御するための付帯施設(侵入防止柵など)を整備・保全する事業が支援されます。 また、シカの食害を受けた被害森林にて、餌で誘引して罠などによって捕獲する事業も支援されます。都道府県、市町村、森林所有者、森林組合等、森林整備法人等が主体となり実施されます。 3. 鳥獣被害防止総合対策交付金 シカなどの鳥獣侵入防止柵の設置や、捕獲活動の直接経費など市町村が主体となった地域ぐるみの被害防止の取組が支援されます。対象団体は事業計画等を申請することによって、国から交付金が各都道府県を通じて交付されます。こちらの記事に詳しい内容を記載しています。 4. 次世代林業基盤づくり交付金(そのうち、森林・林業再生基盤づくり交付金) 都道府県、市町村等が被害の状況を勘案し、地域の実情に応じて行う被害防止対策に支援が行われます。地域の森林の整備を行うための基盤整備やその活用、林業や木材産業の振興を図るための様々な取組みが交付金によって支援され、森林資源の保護のための野生鳥獣被害防除事業も対象となります。 5. 森林・山村多面的機能発揮対策 里山林は地域住民に継続的に利用されることにより、古くから維持・管理されてきた居住地近くに広がる森林のことですが、近年は荒廃が進んでいます。そこで、地域住民、森林所有者、自伐林家等が協力して行う、里山林の保全管理や資源を利用するための活動に対して、林野庁が交付金による支援を行っています。 活動を実施するために必要な機材及び資材の購入・設置に対しても支援が行われ、例えば、シカ等の野生鳥獣を捕獲するための罠の購入であれば必要額の1/2が支援されます。 支援を受けるには、活動組織を設立する必要があり、組織は地域住民、森林所有者等地域の実情に応じた方(3名以上)で構成される必要があります。交付金の対象となる森林は、活動を行う時点において、森林経営計画が策定されていない森林です。 また、活動組織名、所在地、取組の背景及び概要、3年間の活動計画、年度別の取組内容、計画図、委託内容等を記載した計画書を作成する必要があります。 これらの準備が整えば、地域協議会に対して、支援の申込みを行う流れとなっています。 まとめ シカによる森林被害の減少に貢献するため、上記のような様々な支援が実施されております。上記は国の支援であり、年度や交付金を受ける地域によって内容や規模が変わってくると思いますので、より詳しく知りたい方は、ホームページや、各都道府県の獣害対策関連課などにて確認されるとよろしいかと思います。 なお、イノホイでは罠の購入に必要なお見積りも随時承っております。こちらのフォームからお気軽にご依頼ください。
鳥獣被害防止対策のための交付金について~鳥獣被害防止総合対策交付金
人里に出没して農作物を荒らす野生鳥獣の増加・拡大によって、農作物被害額は毎年約200億円ほどで推移しています。農林水産省が公開している直近の被害状況(2016年度)については、被害金額が約172億円で前年度に比べ約5億円減少ですが、依然として多くの被害が生じている状況です。また、被害額の約7割が、シカ、イノシシ、サルによるもので占められています。 全国各地で被害対策が講じられていますが、それでもなお被害が継続して発生している要因として、野生鳥獣の生息域が拡大したことや狩猟による捕獲圧の低下、過疎化・高齢化による耕作放棄地の増加などが指摘されています。 そこで農林水産省は、鳥獣被害を軽減することを目的として、鳥獣被害防止のための事業を実施する団体を交付金により支援しています。対象団体は事業計画等を申請することによって、国から「鳥獣被害防止総合対策交付金」が各都道府県を通じて交付されます。 交付の対象団体 鳥獣被害防止事業の実施主体(地域協議会、地域協議会の構成員)が交付対象となります。なお地域協議会とは、地方公共団体、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合、試験研究機関、狩猟者団体等関係機関、集落の代表者などで構成される組織・団体のことで、以下を満たしている必要があります。 代表者が決められていること 事業の実施や会計手続を適正に行うことのできる体制をもっていること 協議会としての意志決定の方法、事務処理及び会計処理の方法及び責任者、財産の管理方法、公印の管理及び公印の使用の方法及び責任者、内部監査の方法を明確にした組織の運営等に係る内容が記載された規約が定められていること 事務手続に係る不正を未然に防止する仕組みや体制が整備されていること 交付金の対象となる事業 以下に示すような事業を実施する際に必要な経費に対して、交付金が交付されます。 1. 鳥獣被害防止対策支援事業 柵(防護柵、電気柵等)、捕獲獣の処理加工施設、捕獲技術高度化施設(射撃場)等の整備 捕獲機材(罠、檻・移動箱等)の購入・設置費 捕獲活動経費の直接支援 追い払いなどの地域ぐるみの被害防止活動 ICT等を用いた新技術実証活動 人材育成活動 など 交付率 都道府県へは定額交付、事業実施主体への交付は事業費の1/2以内とされています。※条件によって、一部定額交付となる場合があります。 2. ジビエ倍増モデル整備事業 2018年度はジビエ倍増モデル整備事業に対しても交付されます。国は捕獲した獣をジビエとして有効に活用するため、2016年度のジビエ利用量(1283トン)を2019年度に倍増させる目標を掲げています。 ジビエの安定供給を実現するため、選定された先行モデル地区に対して、捕獲や処理加工、衛生管理に関わる人材の育成や、拠点となる処理加工施設の整備、「移動式解体処理車」(ジビエカー)の導入などが交付金により支援されます。 2018年度に選定されたモデル地区 ジビエ利用モデルとして、以下の17地区が選定されています。 ▽北海道空知地区▽長野市▽石川県南加賀地区▽岐阜県西濃ブランチ▽三重県伊賀市・いなべ市▽京都府・大阪府=京都丹波・大阪北摂地区▽京都府中丹地区▽兵庫県内広域▽和歌山県紀北地区▽同県古座川町▽岡山県美作地区▽鳥取県東部地区▽徳島県内広域▽熊本県内全域▽大分県内全域▽宮崎県延岡地区▽鹿児島県阿久根地区 事業評価結果の公表...
鳥獣被害防止対策のための交付金について~鳥獣被害防止総合対策交付金
人里に出没して農作物を荒らす野生鳥獣の増加・拡大によって、農作物被害額は毎年約200億円ほどで推移しています。農林水産省が公開している直近の被害状況(2016年度)については、被害金額が約172億円で前年度に比べ約5億円減少ですが、依然として多くの被害が生じている状況です。また、被害額の約7割が、シカ、イノシシ、サルによるもので占められています。 全国各地で被害対策が講じられていますが、それでもなお被害が継続して発生している要因として、野生鳥獣の生息域が拡大したことや狩猟による捕獲圧の低下、過疎化・高齢化による耕作放棄地の増加などが指摘されています。 そこで農林水産省は、鳥獣被害を軽減することを目的として、鳥獣被害防止のための事業を実施する団体を交付金により支援しています。対象団体は事業計画等を申請することによって、国から「鳥獣被害防止総合対策交付金」が各都道府県を通じて交付されます。 交付の対象団体 鳥獣被害防止事業の実施主体(地域協議会、地域協議会の構成員)が交付対象となります。なお地域協議会とは、地方公共団体、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合、試験研究機関、狩猟者団体等関係機関、集落の代表者などで構成される組織・団体のことで、以下を満たしている必要があります。 代表者が決められていること 事業の実施や会計手続を適正に行うことのできる体制をもっていること 協議会としての意志決定の方法、事務処理及び会計処理の方法及び責任者、財産の管理方法、公印の管理及び公印の使用の方法及び責任者、内部監査の方法を明確にした組織の運営等に係る内容が記載された規約が定められていること 事務手続に係る不正を未然に防止する仕組みや体制が整備されていること 交付金の対象となる事業 以下に示すような事業を実施する際に必要な経費に対して、交付金が交付されます。 1. 鳥獣被害防止対策支援事業 柵(防護柵、電気柵等)、捕獲獣の処理加工施設、捕獲技術高度化施設(射撃場)等の整備 捕獲機材(罠、檻・移動箱等)の購入・設置費 捕獲活動経費の直接支援 追い払いなどの地域ぐるみの被害防止活動 ICT等を用いた新技術実証活動 人材育成活動 など 交付率 都道府県へは定額交付、事業実施主体への交付は事業費の1/2以内とされています。※条件によって、一部定額交付となる場合があります。 2. ジビエ倍増モデル整備事業 2018年度はジビエ倍増モデル整備事業に対しても交付されます。国は捕獲した獣をジビエとして有効に活用するため、2016年度のジビエ利用量(1283トン)を2019年度に倍増させる目標を掲げています。 ジビエの安定供給を実現するため、選定された先行モデル地区に対して、捕獲や処理加工、衛生管理に関わる人材の育成や、拠点となる処理加工施設の整備、「移動式解体処理車」(ジビエカー)の導入などが交付金により支援されます。 2018年度に選定されたモデル地区 ジビエ利用モデルとして、以下の17地区が選定されています。 ▽北海道空知地区▽長野市▽石川県南加賀地区▽岐阜県西濃ブランチ▽三重県伊賀市・いなべ市▽京都府・大阪府=京都丹波・大阪北摂地区▽京都府中丹地区▽兵庫県内広域▽和歌山県紀北地区▽同県古座川町▽岡山県美作地区▽鳥取県東部地区▽徳島県内広域▽熊本県内全域▽大分県内全域▽宮崎県延岡地区▽鹿児島県阿久根地区 事業評価結果の公表...
カスタムナイフの魅力(武蔵野金属工業所/マトリックス・アイダ:東京都成増)
アウトドアで必須の道具である、ナイフ。食材を切るのはもちろん、草や枝を払う、薪を作る、狩猟では獲物の止め刺しや解体など、様々なシーンで活躍します。 世の中には様々なナイフが出回っていますが、なかでも作り手が知識や経験をフルに活用して製作するカスタムナイフは、格別の魅力があります。今回は、カスタムナイフのお話しを伺いに、板橋区成増の武蔵野金属工業所(店名:マトリックス・アイダ)にお邪魔してまいりました。 写真右側が武蔵野金属工業所社長の相田 義正氏、左側がスタッフの相田 東紀氏。忙しい中にもかかわらず、ナイフ素人のイノホイ編集部のために時間を割いてくださり、カスタムナイフについて丁寧に教えてくださいました。 そもそも、カスタムナイフとは 一言でいうと、手作りのナイフです。使う人のニーズや用途、コンセプトに合わせて、オーダーメイドでナイフビルダーが一から作ります。 カスタムナイフの製造方法 カスタムナイフの製造方法は、日本刀等と同じ「鍛造」と、現在の主流である「ストック&リムーバル(S&R)法」があります。 鍛造 熱した金属をハンマー等で叩いて圧力を加える事で、金属内部の空隙をつぶし、強度を高めると共に目的の形状に成形する方法です。古くから刃物や金物などの製造に使われてきた方法で炉やハンマー、プレス機、研磨機など、比較的大がかりな設備が必要になります。 ストック&リムーバル法(S&R法) もともとナイフの製造方法は鍛造が主流でしたが、より効率的にナイフを製造する方法として、1950年代にロバート・ウォルドーフ・ラブレス氏が鋼材を切って原型を作りヤスリで整形するストック&リムーバル法を考案しました。その後ストック&リムーバル法は、現在のカスタムナイフの最も一般的な作り方として世界中に広まりました。 ロバート・ウォルドーフ・ラブレス(ボブ・ラブレスまたはR.W.ラブレス) 先述の通りS&R法を考案したのがラブレス氏ですが、当時アメリカ車の部品に使われていた板バネからナイフを作り上げることによってS&R法を考案したそうです。ラブレス氏の作る高品質なナイフはアーネスト・ヘミングウェイを始めとする各国の著名冒険家にも愛用されました。 そして、ラブレス氏の弟子が日本を代表するナイフビルダーの相田 義人氏(相田 義正社長の実弟)です。マトリックス・アイダにはラブレス氏や相田 義人氏、その他著名なビルダーによる作品がたくさん展示されており、ナイフ素人の私も高揚感を感じました。 上の写真はR.W.ラブレスの作品。ファン垂涎の逸品なんだろうなぁ。。。 アウトドアを楽しむとき、お気に入りのナイフがそばにあればその楽しさもひとしお。一から製作されたカスタムナイフを使って焚き火の準備をし、焚き火の前でウイスキーを一杯やる。アウトドア好き男子の夢ですね。 カスタムナイフ鋼材 マトリックス・アイダには様々なナイフ鋼材が置いてありました。ナイフ用の鋼材は全て、ヤスリで削ったり、金属用の弓鋸で切ったり、ドリルで穴を開けたりすることができる硬さになっています。 刃の形を整えてから、焼き入れなど一連の熱処理作業を経て、鋼は刃物としての命が吹き込まれて硬く丈夫になるそうです。 カイデックス カイデックスは、ナイフシースの材料としてポピュラーな素材です。熱可塑性の合成樹脂板で、軽くて丈夫で、しかも防水性が優れています。ダイビングナイフなどの濡れやすい環境のナイフに最適です。他にも、サバゲ―用の銃のホルスターに使ったりもするそうです。 カスタムナイフ製作用の機材 マトリックス・アイダには、カスタムナイフ製作用の基本的な工具から、研磨に使うナイフ・メーキング・マシンもありました。下の写真は、バーキング・ナイフ・メーキング・マシン。この一台で、必要な切削、研磨作業をほとんどこなします。 カスタムナイフの魅力 太古の昔、人類は石を刃物として使うことを発見し、ナイフとして使いました。石は時代を経て青銅器になり、さらに鉄器に変わり、ステンレス鋼が発明され・・・人類の歴史とともに、ナイフの素材や構造は飛躍的な進歩を遂げていきました。...
カスタムナイフの魅力(武蔵野金属工業所/マトリックス・アイダ:東京都成増)
アウトドアで必須の道具である、ナイフ。食材を切るのはもちろん、草や枝を払う、薪を作る、狩猟では獲物の止め刺しや解体など、様々なシーンで活躍します。 世の中には様々なナイフが出回っていますが、なかでも作り手が知識や経験をフルに活用して製作するカスタムナイフは、格別の魅力があります。今回は、カスタムナイフのお話しを伺いに、板橋区成増の武蔵野金属工業所(店名:マトリックス・アイダ)にお邪魔してまいりました。 写真右側が武蔵野金属工業所社長の相田 義正氏、左側がスタッフの相田 東紀氏。忙しい中にもかかわらず、ナイフ素人のイノホイ編集部のために時間を割いてくださり、カスタムナイフについて丁寧に教えてくださいました。 そもそも、カスタムナイフとは 一言でいうと、手作りのナイフです。使う人のニーズや用途、コンセプトに合わせて、オーダーメイドでナイフビルダーが一から作ります。 カスタムナイフの製造方法 カスタムナイフの製造方法は、日本刀等と同じ「鍛造」と、現在の主流である「ストック&リムーバル(S&R)法」があります。 鍛造 熱した金属をハンマー等で叩いて圧力を加える事で、金属内部の空隙をつぶし、強度を高めると共に目的の形状に成形する方法です。古くから刃物や金物などの製造に使われてきた方法で炉やハンマー、プレス機、研磨機など、比較的大がかりな設備が必要になります。 ストック&リムーバル法(S&R法) もともとナイフの製造方法は鍛造が主流でしたが、より効率的にナイフを製造する方法として、1950年代にロバート・ウォルドーフ・ラブレス氏が鋼材を切って原型を作りヤスリで整形するストック&リムーバル法を考案しました。その後ストック&リムーバル法は、現在のカスタムナイフの最も一般的な作り方として世界中に広まりました。 ロバート・ウォルドーフ・ラブレス(ボブ・ラブレスまたはR.W.ラブレス) 先述の通りS&R法を考案したのがラブレス氏ですが、当時アメリカ車の部品に使われていた板バネからナイフを作り上げることによってS&R法を考案したそうです。ラブレス氏の作る高品質なナイフはアーネスト・ヘミングウェイを始めとする各国の著名冒険家にも愛用されました。 そして、ラブレス氏の弟子が日本を代表するナイフビルダーの相田 義人氏(相田 義正社長の実弟)です。マトリックス・アイダにはラブレス氏や相田 義人氏、その他著名なビルダーによる作品がたくさん展示されており、ナイフ素人の私も高揚感を感じました。 上の写真はR.W.ラブレスの作品。ファン垂涎の逸品なんだろうなぁ。。。 アウトドアを楽しむとき、お気に入りのナイフがそばにあればその楽しさもひとしお。一から製作されたカスタムナイフを使って焚き火の準備をし、焚き火の前でウイスキーを一杯やる。アウトドア好き男子の夢ですね。 カスタムナイフ鋼材 マトリックス・アイダには様々なナイフ鋼材が置いてありました。ナイフ用の鋼材は全て、ヤスリで削ったり、金属用の弓鋸で切ったり、ドリルで穴を開けたりすることができる硬さになっています。 刃の形を整えてから、焼き入れなど一連の熱処理作業を経て、鋼は刃物としての命が吹き込まれて硬く丈夫になるそうです。 カイデックス カイデックスは、ナイフシースの材料としてポピュラーな素材です。熱可塑性の合成樹脂板で、軽くて丈夫で、しかも防水性が優れています。ダイビングナイフなどの濡れやすい環境のナイフに最適です。他にも、サバゲ―用の銃のホルスターに使ったりもするそうです。 カスタムナイフ製作用の機材 マトリックス・アイダには、カスタムナイフ製作用の基本的な工具から、研磨に使うナイフ・メーキング・マシンもありました。下の写真は、バーキング・ナイフ・メーキング・マシン。この一台で、必要な切削、研磨作業をほとんどこなします。 カスタムナイフの魅力 太古の昔、人類は石を刃物として使うことを発見し、ナイフとして使いました。石は時代を経て青銅器になり、さらに鉄器に変わり、ステンレス鋼が発明され・・・人類の歴史とともに、ナイフの素材や構造は飛躍的な進歩を遂げていきました。...
【イベント紹介:岐阜】平成30年度 生物多様性に配慮した地域づくりシンポジウム
日時 平成30年7月29日(日) 13:00 ~ 16:30 場所 岐阜県立図書館 多目的ホール(岐阜県岐阜市宇佐4-2-1) 定員 300名 (参加費無料) 申込方法 氏名・所属及び連絡先を下記へお知らせください。 岐阜県 環境企画課 FAX:058-278-2610 メール:c11265@pref.gifu.lg.jp 内容 講演1 「生物多様性に与える外来種の影響・なぜ外来種が問題なのか?」 淺野 玄 氏(岐阜大学 応用生物科学部 共同獣医学科 准教授) 講演2 「里山の水辺再生に向けた外来魚対策」 角田 裕志 氏(埼玉県環境科学国際センター自然環境担当 主任) 活動報告1 「アルゼンチンアリの対策」 各務原市環境政策課 活動報告2 「天生県立自然公園における外来種駆除等の取り組み」 NPO法人 飛騨市・白川郷自然案内人協会 活動報告3 「ヌートリアの研究」 岐阜県立岐阜農林高等学校 動物科学科...
【イベント紹介:岐阜】平成30年度 生物多様性に配慮した地域づくりシンポジウム
日時 平成30年7月29日(日) 13:00 ~ 16:30 場所 岐阜県立図書館 多目的ホール(岐阜県岐阜市宇佐4-2-1) 定員 300名 (参加費無料) 申込方法 氏名・所属及び連絡先を下記へお知らせください。 岐阜県 環境企画課 FAX:058-278-2610 メール:c11265@pref.gifu.lg.jp 内容 講演1 「生物多様性に与える外来種の影響・なぜ外来種が問題なのか?」 淺野 玄 氏(岐阜大学 応用生物科学部 共同獣医学科 准教授) 講演2 「里山の水辺再生に向けた外来魚対策」 角田 裕志 氏(埼玉県環境科学国際センター自然環境担当 主任) 活動報告1 「アルゼンチンアリの対策」 各務原市環境政策課 活動報告2 「天生県立自然公園における外来種駆除等の取り組み」 NPO法人 飛騨市・白川郷自然案内人協会 活動報告3 「ヌートリアの研究」 岐阜県立岐阜農林高等学校 動物科学科...
万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力
狩猟の現場では、信頼のおける刃物が必要になる状況が多くある。狩猟に使える刃物には、メーカーが作る大量生産品から鍛冶屋が作る鍛造品、ファクトリーが作るカスタムナイフなど様々なものがあるが、その中でもこの記事では止め刺しに適した刃、フクロナガサ(別名:叉鬼山刀 マタギナガサ)を紹介する。 鬼よりも強い猟師、叉鬼(マタギ) 現代でいう「マタギ」とは、東北地方・北海道から北関東、甲信越地方にかけての山岳地帯で、鉄砲を使う猟師を広く指す言葉である。 しかし、本来は山に入った時に用いられる山言葉で「人間」あるいは「成人男子」を意味し、厳しい掟と山岳信仰によって生まれた独自の狩猟文化を引き継ぐ狩人のことを指していた。その歴史は平安時代にまで遡るとも言われる。 マタギの語源については諸説ある。アイヌの言葉で狩猟を指す「マタンギ」が訛って「マタギ」となったという説、山を跨ぐ(またぐ)健脚に由来して「マタギ」という言葉が生まれた説、鬼の強さを誇る熊さえ仕留め、その鬼よりもまた更に強いので叉鬼:マタギとなったという説もある。 彼らは命を賭した狩猟の現場で、卓越した技術を発揮し獣を仕留めていた。また、狩猟の技術だけでなく、冬場の山を生き抜くためのサバイバル技術や、仕留めた獣を山の恵みとして余すことなく活用する解体技術も高度なものであった。 マタギが装備の中で最も重視したものとは・・・ 言うまでもなく、山の厳しい環境では特に装備が重要である。装備の中でマタギたちが特に重視したのが「ナガサ」と呼ばれる山刀(大型のナイフ)である。 枝を払うときは鉈として、藪を切り払うときはブッシュナイフとして、包丁代わりに山菜や肉・魚を調理することもできる。 木を倒して沢に橋を架けたり、薪を割ったりすることも、そして小屋掛けをしながら獲物を追う際に簡易な小屋をつくることも。もちろん、熊や鹿などの大物でも、ナガサ一丁あれば容易に解体ができる。マタギ達は、ナガサを欠くことのできない生活用具として使っていたのである。 今でも広く使われる高性能ナガサ、フクロナガサ マタギの郷として有名な秋田県の阿仁では、「フクロナガサ(別名:叉鬼山刀 マタギナガサ)」と呼ばれる万能ナガサが、今も受け継がれている。その性能の高さから、地元のみならず各地の狩猟現場やアウトドアなどで広く使われている。 フクロナガサの特徴 フクロナガサは代々の西根正剛が伝統に創意工夫を重ねた業物であり、現在も四代目(本名:西根登氏)によって、一本一本手打ちで作られる。獣の首を一打ちで砕くほどの性能で、大量生産の安物とは格段の品質の違いを誇る。 中空の柄 フクロナガサの一番の特徴は、刀身と柄が一体成型されていることである。柄を溶接するのではなく、刃体と一体で地金を赤め、特殊な金床とハンマー一丁で叩き出す鍛錬の技である。 下の写真のとおり、袋状(中空)の柄の合わせ目は僅かに隙間が空き、握り締める握力を吸収することにより力が入るとともに、物に食い込んだ瞬間の衝撃が直接手首に伝わらない効果もある。 中空になった柄には、真っ直ぐな棒を差し込むことができる。止め刺しとしてのフクロナガサ使用法が紹介されているので、参考にされたい(参考記事① 参考記事②)。 昔のマタギ猟で使われた銃は主に単発の村田銃であったため、連発して撃つことができなかった。そのため、向かってきた獲物を撃ち損じた場合は、ナガサで戦っていた。 故・三代目西根正剛(西根 稔氏)も、手負いのクマにフクロナガサを使って止めを刺したことが何度もあったという。 因みに、狩猟の達人に止め刺しの極意を聞いたところ、「やるなら一瞬。じりじり向かい合ったりせずに、スパッと刺すこと」だそうだ。 厳選鋼材を使用 フクロナガサに用いられる鋼材は、島根県の安来鋼(ヤスキハガネ)である。現在、安来鋼は先端技術に用いられる材料の強さが求められる刃物・金型に使われており、また日本刀の正統的な和鋼素材としても有名で、全国の刀匠に使われている。 フクロナガサは、安来鋼の中でも終戦前までに製造された希少なストックを使用している。 今でも日立金属がヤスキハガネとして製造しているが、戦前の安来鋼とは全く別ものである。他所ではもはや使うことのできない希少な厳選素材を、フクロナガサでは贅沢に使っているのである。 強じんな刃 止め刺しにつかう刃物にとって特に重要なのは刃の強靭さである。脆い刃だと、獣の厚い毛皮に阻まれ、簡単に曲がってしまう。 一方でフクロナガサの刃は非常に強じんである。 十分な厚みに加え、他所では入手不可である希少な安来鋼に中軟鉄を合わせ、何度も熱して打ちたたくことで不純物が取り除かれた結果、強じんな刃に鍛え上げられる。...
万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力
狩猟の現場では、信頼のおける刃物が必要になる状況が多くある。狩猟に使える刃物には、メーカーが作る大量生産品から鍛冶屋が作る鍛造品、ファクトリーが作るカスタムナイフなど様々なものがあるが、その中でもこの記事では止め刺しに適した刃、フクロナガサ(別名:叉鬼山刀 マタギナガサ)を紹介する。 鬼よりも強い猟師、叉鬼(マタギ) 現代でいう「マタギ」とは、東北地方・北海道から北関東、甲信越地方にかけての山岳地帯で、鉄砲を使う猟師を広く指す言葉である。 しかし、本来は山に入った時に用いられる山言葉で「人間」あるいは「成人男子」を意味し、厳しい掟と山岳信仰によって生まれた独自の狩猟文化を引き継ぐ狩人のことを指していた。その歴史は平安時代にまで遡るとも言われる。 マタギの語源については諸説ある。アイヌの言葉で狩猟を指す「マタンギ」が訛って「マタギ」となったという説、山を跨ぐ(またぐ)健脚に由来して「マタギ」という言葉が生まれた説、鬼の強さを誇る熊さえ仕留め、その鬼よりもまた更に強いので叉鬼:マタギとなったという説もある。 彼らは命を賭した狩猟の現場で、卓越した技術を発揮し獣を仕留めていた。また、狩猟の技術だけでなく、冬場の山を生き抜くためのサバイバル技術や、仕留めた獣を山の恵みとして余すことなく活用する解体技術も高度なものであった。 マタギが装備の中で最も重視したものとは・・・ 言うまでもなく、山の厳しい環境では特に装備が重要である。装備の中でマタギたちが特に重視したのが「ナガサ」と呼ばれる山刀(大型のナイフ)である。 枝を払うときは鉈として、藪を切り払うときはブッシュナイフとして、包丁代わりに山菜や肉・魚を調理することもできる。 木を倒して沢に橋を架けたり、薪を割ったりすることも、そして小屋掛けをしながら獲物を追う際に簡易な小屋をつくることも。もちろん、熊や鹿などの大物でも、ナガサ一丁あれば容易に解体ができる。マタギ達は、ナガサを欠くことのできない生活用具として使っていたのである。 今でも広く使われる高性能ナガサ、フクロナガサ マタギの郷として有名な秋田県の阿仁では、「フクロナガサ(別名:叉鬼山刀 マタギナガサ)」と呼ばれる万能ナガサが、今も受け継がれている。その性能の高さから、地元のみならず各地の狩猟現場やアウトドアなどで広く使われている。 フクロナガサの特徴 フクロナガサは代々の西根正剛が伝統に創意工夫を重ねた業物であり、現在も四代目(本名:西根登氏)によって、一本一本手打ちで作られる。獣の首を一打ちで砕くほどの性能で、大量生産の安物とは格段の品質の違いを誇る。 中空の柄 フクロナガサの一番の特徴は、刀身と柄が一体成型されていることである。柄を溶接するのではなく、刃体と一体で地金を赤め、特殊な金床とハンマー一丁で叩き出す鍛錬の技である。 下の写真のとおり、袋状(中空)の柄の合わせ目は僅かに隙間が空き、握り締める握力を吸収することにより力が入るとともに、物に食い込んだ瞬間の衝撃が直接手首に伝わらない効果もある。 中空になった柄には、真っ直ぐな棒を差し込むことができる。止め刺しとしてのフクロナガサ使用法が紹介されているので、参考にされたい(参考記事① 参考記事②)。 昔のマタギ猟で使われた銃は主に単発の村田銃であったため、連発して撃つことができなかった。そのため、向かってきた獲物を撃ち損じた場合は、ナガサで戦っていた。 故・三代目西根正剛(西根 稔氏)も、手負いのクマにフクロナガサを使って止めを刺したことが何度もあったという。 因みに、狩猟の達人に止め刺しの極意を聞いたところ、「やるなら一瞬。じりじり向かい合ったりせずに、スパッと刺すこと」だそうだ。 厳選鋼材を使用 フクロナガサに用いられる鋼材は、島根県の安来鋼(ヤスキハガネ)である。現在、安来鋼は先端技術に用いられる材料の強さが求められる刃物・金型に使われており、また日本刀の正統的な和鋼素材としても有名で、全国の刀匠に使われている。 フクロナガサは、安来鋼の中でも終戦前までに製造された希少なストックを使用している。 今でも日立金属がヤスキハガネとして製造しているが、戦前の安来鋼とは全く別ものである。他所ではもはや使うことのできない希少な厳選素材を、フクロナガサでは贅沢に使っているのである。 強じんな刃 止め刺しにつかう刃物にとって特に重要なのは刃の強靭さである。脆い刃だと、獣の厚い毛皮に阻まれ、簡単に曲がってしまう。 一方でフクロナガサの刃は非常に強じんである。 十分な厚みに加え、他所では入手不可である希少な安来鋼に中軟鉄を合わせ、何度も熱して打ちたたくことで不純物が取り除かれた結果、強じんな刃に鍛え上げられる。...
【イベント紹介:北海道】平成30年度 森と人を育てるコンクールの実施
趣旨 全道の各地域において適切な森林整備を実践し模範となる優良林分を育てている森林所有者及び木育の実施団体等を評価、表彰し、林業技術の向上や森林づくりに対する道民の意識高揚と参加促進を図る。 主催 森と人を育てる実行委員会 (公益社団法人北海道森と緑の会、一般財団法人北海道造林協会、北海道森林組合連合会、北海道の4者で構成) 部門ごとに詳細内容を紹介しています。 ◆「森林所有者部門」の詳細はこちら >>>http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/sky/fukyu/H30moritohitowosodaterukonkuru.pdf ◆「木育部門」の詳細はこちら >>>http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/sky/homepage/midori/midori-homepage/24vc_oshirase.htm
【イベント紹介:北海道】平成30年度 森と人を育てるコンクールの実施
趣旨 全道の各地域において適切な森林整備を実践し模範となる優良林分を育てている森林所有者及び木育の実施団体等を評価、表彰し、林業技術の向上や森林づくりに対する道民の意識高揚と参加促進を図る。 主催 森と人を育てる実行委員会 (公益社団法人北海道森と緑の会、一般財団法人北海道造林協会、北海道森林組合連合会、北海道の4者で構成) 部門ごとに詳細内容を紹介しています。 ◆「森林所有者部門」の詳細はこちら >>>http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/sky/fukyu/H30moritohitowosodaterukonkuru.pdf ◆「木育部門」の詳細はこちら >>>http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/sky/homepage/midori/midori-homepage/24vc_oshirase.htm
猟師メシが教えてくれる滋味豊かなジビエの味
最近テレビや雑誌などでも特集が組まれ、注目を浴びている「ジビエ」。 日本でも以前よりは身近になったジビエ料理ですが、牛肉や豚肉に比べるとどこかとっつきにくく、ちょっと食べづらそうというイメージをもたれがち…。 ジビエをおいしく食べるには、普段からよく食べているであろうプロに聞くのが一番!ということで、実際に宮崎県の猟師さんを尋ねてきた結果を報告します。 そもそもジビエとは? 「ジビエ」はフランス語で、イノシシやシカ、野ウサギ、キジなど、狩猟によって捕獲された野生鳥獣の肉を表す言葉。古くから狩猟が盛んなヨーロッパでは、ジビエ料理は馴染みのある食文化です。 かつては上流階級の貴族しか食べられない貴重なジビエ料理でしたが、今では狩猟が解禁される時期には肉屋の店先やマルシェなどで毛や羽がついたままのジビエが並ぶほど、フランスなどでは身近な食材として扱われています。 日本でのジビエ料理 寿司やそばなどをはじめとする日本食は、穀物や野菜、魚といった食材が一般的で、肉を食べる習慣は欧米よりもたらされたイメージが強いですが、日本でも古くから狩猟が行われており、イノシシ、シカなども食されていました。 特に寒さの厳しい山間部では、ジビエは貴重なタンパク源だったのです。 昨今取りざたされている鳥獣被害の問題で、捕獲した鳥獣を地域資源として食材に利用する動きもあり、ジビエ料理が注目されるようになりましたが、スーパーなど身近な場所で扱っているところはまだまだ少ないのが現状です。 ヘルシーで栄養価が高い 野生独特のにおいや肉質のジビエですが、血抜きや内臓を取り除くなど捕獲時の適切な処理と食材に合わせた調理法で、とてもおいしく食べられます。 また、高たんぱく低カロリーで、鉄分やビタミンB2などの栄養素も豊富に含まれています。 猟師のジビエ料理 ジビエをおいしく食べるには、普段からよく食べているであろう猟師さんに聞くのが一番!ということで、実際に尋ねてみました。 イノシシ肉 イノシシ肉といえば日本ではぼたん鍋が有名ですが、もっとシンプルにイノシシ肉の旨味を味わうならやっぱり塩焼き。 どの猟師さんもおすすめする食べ方です。 フライパンでも悪くはありませんが、炭で焼くと余計な脂も落ち、格段においしくなります。 旨味をたっぷり含んだ肉汁が逃げないよう、ブロックのまま焼くのがポイント。 焼く前に塩をふったイノシシ肉のブロックを網の上に乗せ、まんべんなく焼き色と焦げ目がついたら火からおろし、薄くスライス。それをまた網の上に乗せ、火を通して焼きたてをいただきましょう。若いイノシシは肉が柔らかく、クセもほとんどないため、ジビエ初心者にはおすすめです。 シカ肉 シカ肉は脂肪が少なくとってもヘルシー。赤身でさっぱりした味わいです。 捕獲してすぐに処理していれば臭みは少なくなりますが、においを気にせずさらにおいしく食べる方法はたれに漬け込むこと。 猟師さんによって味付けは異なりますが、すりおろしたニンニクと醤油、酒、砂糖を合わせた特製のたれに数時間漬け込み、それを炭火で焼いて食べます。 焼きすぎると硬くなってしまうので、程よく火が通れば食べごろです。 噛めばにんにく醤油の香ばしい風味と鹿肉の旨味がじゅわっと口いっぱいに広がり、あと引くおいしさ。 漬け込む時間や肉の切り方によって味の濃さは変わりますが、あまり漬け込みすぎると味が濃くなりすぎるため、鹿肉の風味を楽しむなら、30分~1時間程度で十分でしょう。 ジビエ以外にも山の幸がいっぱいの猟師メシ この日はたまたま、川でとってきた天然のウナギも味わうことができました。お店で食べるものより身が分厚く締まっていて、食べ応えのある食感。川魚特有の臭みはありません。...
猟師メシが教えてくれる滋味豊かなジビエの味
最近テレビや雑誌などでも特集が組まれ、注目を浴びている「ジビエ」。 日本でも以前よりは身近になったジビエ料理ですが、牛肉や豚肉に比べるとどこかとっつきにくく、ちょっと食べづらそうというイメージをもたれがち…。 ジビエをおいしく食べるには、普段からよく食べているであろうプロに聞くのが一番!ということで、実際に宮崎県の猟師さんを尋ねてきた結果を報告します。 そもそもジビエとは? 「ジビエ」はフランス語で、イノシシやシカ、野ウサギ、キジなど、狩猟によって捕獲された野生鳥獣の肉を表す言葉。古くから狩猟が盛んなヨーロッパでは、ジビエ料理は馴染みのある食文化です。 かつては上流階級の貴族しか食べられない貴重なジビエ料理でしたが、今では狩猟が解禁される時期には肉屋の店先やマルシェなどで毛や羽がついたままのジビエが並ぶほど、フランスなどでは身近な食材として扱われています。 日本でのジビエ料理 寿司やそばなどをはじめとする日本食は、穀物や野菜、魚といった食材が一般的で、肉を食べる習慣は欧米よりもたらされたイメージが強いですが、日本でも古くから狩猟が行われており、イノシシ、シカなども食されていました。 特に寒さの厳しい山間部では、ジビエは貴重なタンパク源だったのです。 昨今取りざたされている鳥獣被害の問題で、捕獲した鳥獣を地域資源として食材に利用する動きもあり、ジビエ料理が注目されるようになりましたが、スーパーなど身近な場所で扱っているところはまだまだ少ないのが現状です。 ヘルシーで栄養価が高い 野生独特のにおいや肉質のジビエですが、血抜きや内臓を取り除くなど捕獲時の適切な処理と食材に合わせた調理法で、とてもおいしく食べられます。 また、高たんぱく低カロリーで、鉄分やビタミンB2などの栄養素も豊富に含まれています。 猟師のジビエ料理 ジビエをおいしく食べるには、普段からよく食べているであろう猟師さんに聞くのが一番!ということで、実際に尋ねてみました。 イノシシ肉 イノシシ肉といえば日本ではぼたん鍋が有名ですが、もっとシンプルにイノシシ肉の旨味を味わうならやっぱり塩焼き。 どの猟師さんもおすすめする食べ方です。 フライパンでも悪くはありませんが、炭で焼くと余計な脂も落ち、格段においしくなります。 旨味をたっぷり含んだ肉汁が逃げないよう、ブロックのまま焼くのがポイント。 焼く前に塩をふったイノシシ肉のブロックを網の上に乗せ、まんべんなく焼き色と焦げ目がついたら火からおろし、薄くスライス。それをまた網の上に乗せ、火を通して焼きたてをいただきましょう。若いイノシシは肉が柔らかく、クセもほとんどないため、ジビエ初心者にはおすすめです。 シカ肉 シカ肉は脂肪が少なくとってもヘルシー。赤身でさっぱりした味わいです。 捕獲してすぐに処理していれば臭みは少なくなりますが、においを気にせずさらにおいしく食べる方法はたれに漬け込むこと。 猟師さんによって味付けは異なりますが、すりおろしたニンニクと醤油、酒、砂糖を合わせた特製のたれに数時間漬け込み、それを炭火で焼いて食べます。 焼きすぎると硬くなってしまうので、程よく火が通れば食べごろです。 噛めばにんにく醤油の香ばしい風味と鹿肉の旨味がじゅわっと口いっぱいに広がり、あと引くおいしさ。 漬け込む時間や肉の切り方によって味の濃さは変わりますが、あまり漬け込みすぎると味が濃くなりすぎるため、鹿肉の風味を楽しむなら、30分~1時間程度で十分でしょう。 ジビエ以外にも山の幸がいっぱいの猟師メシ この日はたまたま、川でとってきた天然のウナギも味わうことができました。お店で食べるものより身が分厚く締まっていて、食べ応えのある食感。川魚特有の臭みはありません。...