鳥獣被害対策マガジン
獣害対策~ニホンザルの被害防除、捕獲、駆除について
目次 1ニホンザルの生態 1食性 2学習能力や身体能力 3繁殖や行動 2サルによる農作物被害の現状 1家屋被害や人的被害も発生している 3サルの生態を考慮した防除策・捕獲・駆除を 1徹底した「追い払い」 2サル用の防護柵の設置 4捕獲による被害防止対策 野生鳥獣による農作物被害のうち、イノシシ・シカに次いで被害金額が多いのが、サルによる被害です。 その被害金額は、近年では年間約8.6億円程度、母数としてはイノシシ被害の5分の1程度ですが、サルは群れで行動するため、被害を受けるエリアが集中的になる傾向があります。 また、高い学習能力によって地域の様々な農作物の味を覚えていくため、被害対象作物が広がっていく傾向もあります。 しかしながら、サル獣害がほぼ解決に至っているケースもあり、サルのことをよく知って適切な対策を行えば、必ず被害は抑えることができるといえます。この記事ではサルの生態と、それを考慮した防除策、捕獲、駆除について説明します。 ニホンザルの生態 まずはニホンザルへの対策を講じるための基礎情報として、生態について見ていきましょう。ニホンザルは北海道を除く本州や四国、九州と幅広く分布しています。一般的に霊長目(ゴリラやオラウータンなど)は熱帯や温帯のジャングルに生息していますが、ニホンザルは東北地方など積雪が確認できる地域にも生息しています。日本では青森県が北限とされており、全国的に分布が確認される珍しい習性を持っています。オスの体長は50〜60cm、メスは45〜55cm程度で、毛色は暗めの赤褐色。顔には毛が生えておらず、赤みがかっているのが特徴です。 食性 葉・種子・植物の果実・芽など植物食が中心です。雑食性で昆虫なども食べますが、肉や魚は基本的には食べません(全く食べないわけではなく、魚や貝を食べたり、ライチョウのひなを捕食したケースも報告されています)。 また、トウガラシ、コンニャク、シソ、ゴボウ、ショウガ、ワラビなど、辛味や香り、アクの強い植物は避けます。 好物は、糖度や栄養価が高く楽に食べられる作物(カキ、スイカ、カボチャ、さつまいも、モモ、クリ、トウモロコシなど)です。 それらの作物の中でも、おいしい部分だけをかじっては捨て、次々と新しい作物を食べていくので、被害を受けた場所では食べ残しが散乱します。 餌となる食物は遺伝的に決まっているわけではなく、生後に学習すると言われています。そのため、他の作物の味を覚えられると、その作物を狙って行動するようになるため被害作物の種類が広がります。 学習能力や身体能力 サツマイモを水で洗って食べたり、芸を覚えるなど学習能力が高いことはよく知られていますが、特に優れているのは記憶力です。 おいしいエサにありつけた場所や、危険であると学習した場所、人間の顔もすぐに覚えます。なお、サル同士が協力して作業をするという行動は見られません。 ニホンザルの嗅覚や聴覚は人間と同じくらいで、犬並みの嗅覚をもつイノシシや、鋭い聴覚をもつシカと比較すると劣ります。ほとんどの情報を視覚によって集めており、活動するのは日中です。 木登りとジャンプが得意で、数ミリのとっかかりがあれば壁や柱を登れるため、イノシシ・シカ用に設置された柵も難なく乗り越えていきます。 繁殖や行動 野生の群れにおいては、6~7歳で初産を経験し、その後2~3年に1度のペースで出産するといわれます。ほぼ毎年出産するシカや、多産のイノシシと比べると、繁殖力は強くありません。...
獣害対策~ニホンザルの被害防除、捕獲、駆除について
目次 1ニホンザルの生態 1食性 2学習能力や身体能力 3繁殖や行動 2サルによる農作物被害の現状 1家屋被害や人的被害も発生している 3サルの生態を考慮した防除策・捕獲・駆除を 1徹底した「追い払い」 2サル用の防護柵の設置 4捕獲による被害防止対策 野生鳥獣による農作物被害のうち、イノシシ・シカに次いで被害金額が多いのが、サルによる被害です。 その被害金額は、近年では年間約8.6億円程度、母数としてはイノシシ被害の5分の1程度ですが、サルは群れで行動するため、被害を受けるエリアが集中的になる傾向があります。 また、高い学習能力によって地域の様々な農作物の味を覚えていくため、被害対象作物が広がっていく傾向もあります。 しかしながら、サル獣害がほぼ解決に至っているケースもあり、サルのことをよく知って適切な対策を行えば、必ず被害は抑えることができるといえます。この記事ではサルの生態と、それを考慮した防除策、捕獲、駆除について説明します。 ニホンザルの生態 まずはニホンザルへの対策を講じるための基礎情報として、生態について見ていきましょう。ニホンザルは北海道を除く本州や四国、九州と幅広く分布しています。一般的に霊長目(ゴリラやオラウータンなど)は熱帯や温帯のジャングルに生息していますが、ニホンザルは東北地方など積雪が確認できる地域にも生息しています。日本では青森県が北限とされており、全国的に分布が確認される珍しい習性を持っています。オスの体長は50〜60cm、メスは45〜55cm程度で、毛色は暗めの赤褐色。顔には毛が生えておらず、赤みがかっているのが特徴です。 食性 葉・種子・植物の果実・芽など植物食が中心です。雑食性で昆虫なども食べますが、肉や魚は基本的には食べません(全く食べないわけではなく、魚や貝を食べたり、ライチョウのひなを捕食したケースも報告されています)。 また、トウガラシ、コンニャク、シソ、ゴボウ、ショウガ、ワラビなど、辛味や香り、アクの強い植物は避けます。 好物は、糖度や栄養価が高く楽に食べられる作物(カキ、スイカ、カボチャ、さつまいも、モモ、クリ、トウモロコシなど)です。 それらの作物の中でも、おいしい部分だけをかじっては捨て、次々と新しい作物を食べていくので、被害を受けた場所では食べ残しが散乱します。 餌となる食物は遺伝的に決まっているわけではなく、生後に学習すると言われています。そのため、他の作物の味を覚えられると、その作物を狙って行動するようになるため被害作物の種類が広がります。 学習能力や身体能力 サツマイモを水で洗って食べたり、芸を覚えるなど学習能力が高いことはよく知られていますが、特に優れているのは記憶力です。 おいしいエサにありつけた場所や、危険であると学習した場所、人間の顔もすぐに覚えます。なお、サル同士が協力して作業をするという行動は見られません。 ニホンザルの嗅覚や聴覚は人間と同じくらいで、犬並みの嗅覚をもつイノシシや、鋭い聴覚をもつシカと比較すると劣ります。ほとんどの情報を視覚によって集めており、活動するのは日中です。 木登りとジャンプが得意で、数ミリのとっかかりがあれば壁や柱を登れるため、イノシシ・シカ用に設置された柵も難なく乗り越えていきます。 繁殖や行動 野生の群れにおいては、6~7歳で初産を経験し、その後2~3年に1度のペースで出産するといわれます。ほぼ毎年出産するシカや、多産のイノシシと比べると、繁殖力は強くありません。...
オオカミの尿を使った鳥獣対策について
農林水産省が令和2年11月に発表した「鳥獣被害の現状と対策」によると、平成30年度の野生鳥獣による農作物被害額は158億円に上りました。年度単位の推移では減少傾向にあるものの、依然として被害額は大きく継続的な鳥獣対策が不可欠となっています。 そのため、被害を引き起こす獣に対して様々な対策品が登場していますが、その中で自然環境や景観を壊さず、自然や動物に優しい鳥獣対策として開発されたのが、オオカミの尿を使った忌避対策です。 オオカミの尿(ウルフピー)を使った対策とは? 太古からオオカミは野生動物にとって天敵として恐れられてきました。オオカミの捕食対象となるイノシシやシカなどの動物はとくに警戒心が強く、生き残るために捕食者の気配や匂いを忌避する本能をもっています。 こうした習性を野生動物対策に利用したのが、オオカミの尿(ウルフピー)を使う対策です。オオカミが尿や体の匂いで自分のなわばりを主張する「マーキング」を害獣対策に応用したもので、具体的にはオオカミから採取した尿を専用の容器を使って設置します。 イノシシやシカ等の野生動物は、この匂いを警戒しエリアに近付かなくなるため、田畑においても害獣を忌避させる効果を期待することができます。 またウルフピーは人工の添加物を使わないため、使用するエリアの環境に影響を与えることがありません。 例えば、無農薬栽培に取り組む場合や、農作物に利用する水を汚染するといった心配がないため「自然や動物に優しい」野生動物対策といえます。設置する手間が比較的容易な点もウルフピーの特徴です。 ウルフピーには恐怖を誘起する特徴がある では、どうして野生動物はウルフピーを警戒するのでしょうか。この理由に関しては研究論文が発表されています。 2015年に発表された『恐怖の匂い : オオカミ尿由来の恐怖を誘起するピラジン誘導体カクテルP-mix』(柏柳誠、長田和実、宮園貞治)では、ウルフピーに動物が忌避行動や強い恐怖行動(不動化)を引き起こす物質が含まれていることを突き止めました。 P-mixと呼ばれるこの物質は、動物の嗅覚を刺激し恐怖行動を誘起。動物は周囲にオオカミがいるという危険を本能的に察知し、忌避行動を取ります。これがウルフピーを野生動物が警戒する理由です。 忌避効果がないという研究結果もある 一方で、ウルフピーは忌避効果がないという研究も発表されています。 農研機構が発表した『イノシシ対策に使われているオオカミ尿には忌避効果がない』によると、ウルフピーを吸収させたワラを使ってイノシシの忌避効果を検証したところ、大きな有意性は見られませんでした。 理由としては諸説あり、当初は忌避効果があるものの動物が慣れてしまう、ウルフピーの設置方法が適切でなかった、日本にはオオカミが生息していないため獣がオオカミの縄張りを認知しない、といった可能性も考えられます。とはいえ、獣の行動を見て確認するしか確かめる術がないため、証明が難しいところです。 ただ、実際に導入した結果として、効果が見られたという声も多くあるため、忌避行動や強い恐怖行動を引き起こす物質はたしかに存在するが、野生動物対策において「絶対的な効果を保証するものではない」という点を押さえておくことが重要です。 効果的なウルフピーの活用方法は? ここまで、ウルフピーの効果をご紹介しました。ここからは、より効果的にウルフピーを活用するための方法について見ていきましょう。 物理的な防御と併用して使用する ウルフピーを使用する場合は、防護柵やネット等、物理的な防御と組み合わせて使用するのがおすすめです。 すでにご紹介したように、ウルフピーには忌避行動や強い恐怖行動を引き起こす物質が含まれており、一定の忌避効果がみられます。しかし、動物の慣れや種類によっては効果が認められない(低い)ケースもあることから、物理的な防御を併用して使うことで、より効果を高めることができます。 ウルフピーと物理的な防御を上手に組み合わせることで、対策効果を高めていきましょう。 設置場所の間隔幅や高さを細かく調整する 設置場所を細かく調整することも、ウルフピーの効果を高める方法の1つです。具体的には、被害をくい止めたいエリアを囲むようにしてウルフピーを設置します。また、動物のサイズによって設置する間隔幅を調整してみましょう。 〇イノシシ、シカ、クマなどの大型動物:約5~6mごとに設置 〇サル、ハクビシンなどの小型動物:約3~4mごとに設置 とくに侵入が多い箇所は間隔幅を狭めると効果が高まります。あわせて、ウルフピーを設置する高さも、対象動物の鼻の高さを意識して設置するのがおすすめです。...
オオカミの尿を使った鳥獣対策について
農林水産省が令和2年11月に発表した「鳥獣被害の現状と対策」によると、平成30年度の野生鳥獣による農作物被害額は158億円に上りました。年度単位の推移では減少傾向にあるものの、依然として被害額は大きく継続的な鳥獣対策が不可欠となっています。 そのため、被害を引き起こす獣に対して様々な対策品が登場していますが、その中で自然環境や景観を壊さず、自然や動物に優しい鳥獣対策として開発されたのが、オオカミの尿を使った忌避対策です。 オオカミの尿(ウルフピー)を使った対策とは? 太古からオオカミは野生動物にとって天敵として恐れられてきました。オオカミの捕食対象となるイノシシやシカなどの動物はとくに警戒心が強く、生き残るために捕食者の気配や匂いを忌避する本能をもっています。 こうした習性を野生動物対策に利用したのが、オオカミの尿(ウルフピー)を使う対策です。オオカミが尿や体の匂いで自分のなわばりを主張する「マーキング」を害獣対策に応用したもので、具体的にはオオカミから採取した尿を専用の容器を使って設置します。 イノシシやシカ等の野生動物は、この匂いを警戒しエリアに近付かなくなるため、田畑においても害獣を忌避させる効果を期待することができます。 またウルフピーは人工の添加物を使わないため、使用するエリアの環境に影響を与えることがありません。 例えば、無農薬栽培に取り組む場合や、農作物に利用する水を汚染するといった心配がないため「自然や動物に優しい」野生動物対策といえます。設置する手間が比較的容易な点もウルフピーの特徴です。 ウルフピーには恐怖を誘起する特徴がある では、どうして野生動物はウルフピーを警戒するのでしょうか。この理由に関しては研究論文が発表されています。 2015年に発表された『恐怖の匂い : オオカミ尿由来の恐怖を誘起するピラジン誘導体カクテルP-mix』(柏柳誠、長田和実、宮園貞治)では、ウルフピーに動物が忌避行動や強い恐怖行動(不動化)を引き起こす物質が含まれていることを突き止めました。 P-mixと呼ばれるこの物質は、動物の嗅覚を刺激し恐怖行動を誘起。動物は周囲にオオカミがいるという危険を本能的に察知し、忌避行動を取ります。これがウルフピーを野生動物が警戒する理由です。 忌避効果がないという研究結果もある 一方で、ウルフピーは忌避効果がないという研究も発表されています。 農研機構が発表した『イノシシ対策に使われているオオカミ尿には忌避効果がない』によると、ウルフピーを吸収させたワラを使ってイノシシの忌避効果を検証したところ、大きな有意性は見られませんでした。 理由としては諸説あり、当初は忌避効果があるものの動物が慣れてしまう、ウルフピーの設置方法が適切でなかった、日本にはオオカミが生息していないため獣がオオカミの縄張りを認知しない、といった可能性も考えられます。とはいえ、獣の行動を見て確認するしか確かめる術がないため、証明が難しいところです。 ただ、実際に導入した結果として、効果が見られたという声も多くあるため、忌避行動や強い恐怖行動を引き起こす物質はたしかに存在するが、野生動物対策において「絶対的な効果を保証するものではない」という点を押さえておくことが重要です。 効果的なウルフピーの活用方法は? ここまで、ウルフピーの効果をご紹介しました。ここからは、より効果的にウルフピーを活用するための方法について見ていきましょう。 物理的な防御と併用して使用する ウルフピーを使用する場合は、防護柵やネット等、物理的な防御と組み合わせて使用するのがおすすめです。 すでにご紹介したように、ウルフピーには忌避行動や強い恐怖行動を引き起こす物質が含まれており、一定の忌避効果がみられます。しかし、動物の慣れや種類によっては効果が認められない(低い)ケースもあることから、物理的な防御を併用して使うことで、より効果を高めることができます。 ウルフピーと物理的な防御を上手に組み合わせることで、対策効果を高めていきましょう。 設置場所の間隔幅や高さを細かく調整する 設置場所を細かく調整することも、ウルフピーの効果を高める方法の1つです。具体的には、被害をくい止めたいエリアを囲むようにしてウルフピーを設置します。また、動物のサイズによって設置する間隔幅を調整してみましょう。 〇イノシシ、シカ、クマなどの大型動物:約5~6mごとに設置 〇サル、ハクビシンなどの小型動物:約3~4mごとに設置 とくに侵入が多い箇所は間隔幅を狭めると効果が高まります。あわせて、ウルフピーを設置する高さも、対象動物の鼻の高さを意識して設置するのがおすすめです。...
サル被害対策のポイント
学習能力が高く、木などに登ることが得意なサル。日本全国に広く分布しており雑食性のため、作物に被害を与える厄介者として認知されていることも多いです。今回は、サルの被害対策について説明したいと思います。 サルの特徴 雑食で、葉っぱ・種子・根菜類・新芽・果物・果汁・昆虫など様々なものを食べます。学習能力が高いため、一度餌場と認識した場所は頻繁に訪れるようになります。 おいしいエサにありつけた場所や、危険であると学習した場所、人間の顔もすぐに覚えます。「登る」ことが得意なため、設置している柵があっても、登ったりして簡単に突破してしまいます。 こちらの記事もどうぞ 獣害対策~ニホンザルの被害防除、捕獲について >> サル被害の特徴 サル被害は年中発生しますが、特に春と秋に多くなります。作物の味を覚えると、人慣れしていない最初のうちは、少量の作物をこっそり取っていく程度ですが、人慣れが進むと、人間が近くにいても食物を奪いだします。 家屋内に侵入したり、人間が持っている食物を奪い取ったりもします。 基本的には群れで行動するため、単体が畑から食物を取っていくのを見た別の個体がそれを学習し、そのうち群れでやってくるようになります。 サル対策について 上記のような特徴があるため、個人で対策するのは限界があります。地域のメンバーで協力し、地域ぐるみで対策していくことが重要です。 餌場と認識させない 放棄作物など、サルの食べ物になるようなものは放置しないようにしましょう。取り残した野菜、柿など放置果樹、稲のヒコバエや落穂、捨てられたホダ木から出たシイタケなど、人間が普段食べ物と認識していないものでも、サルにとっては餌になります。 人慣れをさせない 上記のとおりサルが人慣れすると、被害はエスカレートしていきます。人間は怖い・危険な存在と認識させるよう、サルを見かけたら追い払いを必ず実施しましょう。 ロケット花火や爆竹、パチンコ(スリングショット)等を使用して追い払いを実施している地域もあります。「人間のエリアに近づくな」という姿勢をサルに理解させることが重要です。 防護柵を設置する 田畑を防護柵で囲んでサルの侵入を防ぐことも有効です。 電気柵の間隔が広いと、サルが電気の刺激を感じる前に潜り抜けたりします。また、柱を伝って登れるようになっている場合は簡単に侵入されてしまいます。 また、柵の外側において、樹木が近くにあると、飛び移って侵入してくる場合もあります。柵の高さが低い場合も簡単に突破されますので、高さは2メートル以上あるのが望ましいです。 イノシシ等の対策として既に電気柵を設置されている場合もあるかと思いますが、可能であればサルの特性も考慮すると良いでしょう。十分でなくても、柵があるのとないのでは対策効果が全く変わります。 最終手段としての有害駆除 被害を中心になって引き起こしている個体が特定できる場合は、捕獲することも有効です。しかしながら、群れの中心となっているメスを捕獲した場合など、捕獲によって群れが分断され、反って被害が広がる可能性もあります。むやみな駆除は逆効果となる場合もあるので、専門家に相談してみるのも良いでしょう。 こちらの記事もどうぞ 野生動物との共存を目指す鳥獣害対策のプロ集団>> サル対策お役立ち品 イノホイでは、サル等の「登る」ことが得意な動物が、柵などに登ることを諦めるように考慮した商品を販売しています。高さ6mm・間隔11mmのトゲトゲによってサル等を撃退。設置も簡単で、実績も多くあります。 幅12.5cmの巾太タイプ、幅3センチの巾細タイプ、家屋への侵入を防ぐ雨どい設置タイプを用意しております。それぞれ、安価で加工が簡単なスチール製と、雨等に強く耐用年数が長いステンレス製タイプがあります。...
サル被害対策のポイント
学習能力が高く、木などに登ることが得意なサル。日本全国に広く分布しており雑食性のため、作物に被害を与える厄介者として認知されていることも多いです。今回は、サルの被害対策について説明したいと思います。 サルの特徴 雑食で、葉っぱ・種子・根菜類・新芽・果物・果汁・昆虫など様々なものを食べます。学習能力が高いため、一度餌場と認識した場所は頻繁に訪れるようになります。 おいしいエサにありつけた場所や、危険であると学習した場所、人間の顔もすぐに覚えます。「登る」ことが得意なため、設置している柵があっても、登ったりして簡単に突破してしまいます。 こちらの記事もどうぞ 獣害対策~ニホンザルの被害防除、捕獲について >> サル被害の特徴 サル被害は年中発生しますが、特に春と秋に多くなります。作物の味を覚えると、人慣れしていない最初のうちは、少量の作物をこっそり取っていく程度ですが、人慣れが進むと、人間が近くにいても食物を奪いだします。 家屋内に侵入したり、人間が持っている食物を奪い取ったりもします。 基本的には群れで行動するため、単体が畑から食物を取っていくのを見た別の個体がそれを学習し、そのうち群れでやってくるようになります。 サル対策について 上記のような特徴があるため、個人で対策するのは限界があります。地域のメンバーで協力し、地域ぐるみで対策していくことが重要です。 餌場と認識させない 放棄作物など、サルの食べ物になるようなものは放置しないようにしましょう。取り残した野菜、柿など放置果樹、稲のヒコバエや落穂、捨てられたホダ木から出たシイタケなど、人間が普段食べ物と認識していないものでも、サルにとっては餌になります。 人慣れをさせない 上記のとおりサルが人慣れすると、被害はエスカレートしていきます。人間は怖い・危険な存在と認識させるよう、サルを見かけたら追い払いを必ず実施しましょう。 ロケット花火や爆竹、パチンコ(スリングショット)等を使用して追い払いを実施している地域もあります。「人間のエリアに近づくな」という姿勢をサルに理解させることが重要です。 防護柵を設置する 田畑を防護柵で囲んでサルの侵入を防ぐことも有効です。 電気柵の間隔が広いと、サルが電気の刺激を感じる前に潜り抜けたりします。また、柱を伝って登れるようになっている場合は簡単に侵入されてしまいます。 また、柵の外側において、樹木が近くにあると、飛び移って侵入してくる場合もあります。柵の高さが低い場合も簡単に突破されますので、高さは2メートル以上あるのが望ましいです。 イノシシ等の対策として既に電気柵を設置されている場合もあるかと思いますが、可能であればサルの特性も考慮すると良いでしょう。十分でなくても、柵があるのとないのでは対策効果が全く変わります。 最終手段としての有害駆除 被害を中心になって引き起こしている個体が特定できる場合は、捕獲することも有効です。しかしながら、群れの中心となっているメスを捕獲した場合など、捕獲によって群れが分断され、反って被害が広がる可能性もあります。むやみな駆除は逆効果となる場合もあるので、専門家に相談してみるのも良いでしょう。 こちらの記事もどうぞ 野生動物との共存を目指す鳥獣害対策のプロ集団>> サル対策お役立ち品 イノホイでは、サル等の「登る」ことが得意な動物が、柵などに登ることを諦めるように考慮した商品を販売しています。高さ6mm・間隔11mmのトゲトゲによってサル等を撃退。設置も簡単で、実績も多くあります。 幅12.5cmの巾太タイプ、幅3センチの巾細タイプ、家屋への侵入を防ぐ雨どい設置タイプを用意しております。それぞれ、安価で加工が簡単なスチール製と、雨等に強く耐用年数が長いステンレス製タイプがあります。...