鳥獣被害対策マガジン
箱罠について詳しく知りたい
目次 1箱罠とは 2箱罠の構造・仕組み 1箱罠のトリガーについて 2箱罠の檻について 3箱罠の設置や仕掛け方 1罠の設置の前に 2設置場所 3設置方法 4餌付け 5設置期間 6捕獲後の処理 鳥獣被害に悩まされる中で、罠による捕獲・駆除を行わなければならないことがあります。特に害獣の個体数が多い地域では、罠によって捕獲圧を高めることは必須です。 罠の種類には、主に「箱罠」「くくり罠」「囲い罠」の3種類がありますが、この記事では「箱罠」について詳しく説明します。 箱罠とは 箱罠とは、檻などで作られた箱の中に獲物が入ってトリガーが作動すると、出入口が閉まって獲物を閉じ込める罠のことです。なお、天井面の半分以上が開口しているものは箱罠ではなく囲い罠として扱われます。 箱罠のメリットは初心者にも比較的扱いやすいという点です。くくり罠の場合、罠の設置やかかった獲物の処理に技術・経験が必要ですが、それに比べると、箱罠は組み立てしまえば設置完了です。 また捕獲後の処理も、獲物の動きが限定されるため、くくり罠や大きめの囲い罠と比べると難易度は下がります。そのため初心者には、より安全な箱わなの使用が向いているといえます。 初心者でなくても、人間の活動が多い場所で罠を設置する場合は事故を避けるため、くくり罠よりも安全な箱わなが用いられることが多くあります。 箱罠の構造・仕組み 一口に箱罠といっても様々な種類がありますが、いずれもエサを使って獲物を箱の中に誘因します。箱内に獲物が入ることでトリガーが作動し、出入口の落とし戸が閉まります。 参考動画:平成29年1月22日捕獲瞬間(アニマルセンサ-2) 箱罠のトリガーについて トリガーとは、落とし戸が落ちる動作を開始するためのきっかけとなる機構のことです。多種多様なタイプがありますが、大まかには以下に分類されます。 蹴り糸方式 中にトリガーライン(仕掛け線)となるワイヤーを張り、獲物がそれに触れたらゲートが落ちる方式です。箱罠のトリガー方式の中では最も一般的なものです。獲物の体高に合わせて位置や高さを調節します。 蹴り糸式箱罠の商品一覧はこちら 踏み板方式 床面に設置した踏み板に、獲物の体重が乗った瞬間に、トリガーが外れて扉が閉まる仕組みです。踏み板方式は、アナグマ、アライグマ、ハクビシンなど小型獣をターゲットとした箱罠に使用されることが多いです。獲物の体重に合わせてトリガーを調節します。 踏み板方式箱罠の商品一覧はこちら...
箱罠について詳しく知りたい
目次 1箱罠とは 2箱罠の構造・仕組み 1箱罠のトリガーについて 2箱罠の檻について 3箱罠の設置や仕掛け方 1罠の設置の前に 2設置場所 3設置方法 4餌付け 5設置期間 6捕獲後の処理 鳥獣被害に悩まされる中で、罠による捕獲・駆除を行わなければならないことがあります。特に害獣の個体数が多い地域では、罠によって捕獲圧を高めることは必須です。 罠の種類には、主に「箱罠」「くくり罠」「囲い罠」の3種類がありますが、この記事では「箱罠」について詳しく説明します。 箱罠とは 箱罠とは、檻などで作られた箱の中に獲物が入ってトリガーが作動すると、出入口が閉まって獲物を閉じ込める罠のことです。なお、天井面の半分以上が開口しているものは箱罠ではなく囲い罠として扱われます。 箱罠のメリットは初心者にも比較的扱いやすいという点です。くくり罠の場合、罠の設置やかかった獲物の処理に技術・経験が必要ですが、それに比べると、箱罠は組み立てしまえば設置完了です。 また捕獲後の処理も、獲物の動きが限定されるため、くくり罠や大きめの囲い罠と比べると難易度は下がります。そのため初心者には、より安全な箱わなの使用が向いているといえます。 初心者でなくても、人間の活動が多い場所で罠を設置する場合は事故を避けるため、くくり罠よりも安全な箱わなが用いられることが多くあります。 箱罠の構造・仕組み 一口に箱罠といっても様々な種類がありますが、いずれもエサを使って獲物を箱の中に誘因します。箱内に獲物が入ることでトリガーが作動し、出入口の落とし戸が閉まります。 参考動画:平成29年1月22日捕獲瞬間(アニマルセンサ-2) 箱罠のトリガーについて トリガーとは、落とし戸が落ちる動作を開始するためのきっかけとなる機構のことです。多種多様なタイプがありますが、大まかには以下に分類されます。 蹴り糸方式 中にトリガーライン(仕掛け線)となるワイヤーを張り、獲物がそれに触れたらゲートが落ちる方式です。箱罠のトリガー方式の中では最も一般的なものです。獲物の体高に合わせて位置や高さを調節します。 蹴り糸式箱罠の商品一覧はこちら 踏み板方式 床面に設置した踏み板に、獲物の体重が乗った瞬間に、トリガーが外れて扉が閉まる仕組みです。踏み板方式は、アナグマ、アライグマ、ハクビシンなど小型獣をターゲットとした箱罠に使用されることが多いです。獲物の体重に合わせてトリガーを調節します。 踏み板方式箱罠の商品一覧はこちら...
シカによる森林被害の実態
シカ(ニホンジカ・エゾシカ)の好物は様々な植物です。食べる植物の種類は極めて多く、芝や木の葉だけでなく、食べ物の少ない時期には樹皮も食べます。 一帯の植物を食べつくし、短期間のあいだに山林の姿を変えてしまうほどの被害を与えるため、深刻な問題となっているのは既に広く知られてきているところです。この記事では、その実態を詳しく説明します。 変化が著しい場所はどこ? ベテランの登山者をはじめ、長く山の様子を見ている人がよく言うのは、近年特に山が荒れている様子が顕著だということ。立ったまま枯れる木や、地面がむき出しになった箇所が多く目についたりして、昔と比べると山の植生バランスが明らかにおかしいというのです。 特に、低山を中心にした森林地帯の変化が著しく、かつては原生林が生い茂っていた場所が、今では樹木や植物が枯死し土壌が崩壊しているケースが多く目につくといいます。そして、原因として大きな割合を占めるのが、シカによる食害です。 林野庁によると、平成27年(2015年)度はシカやクマ等の野生鳥獣による森林被害面積は全国で約8000ヘクタール(東京ドーム約1700個分)となっていますが、このうち、シカによる枝葉の食害や剥皮被害が全体の約8割を占めています。 主要な野生鳥獣による森林被害面積(平成27年度)※参照元:林野庁データ 被害を受けた場所の特徴 ディアライン(Deer Line)という言葉をご存知でしょうか。ディアラインとは、シカの採食によって植生上に線ができることです。シカの口が届く高さに沿って、葉っぱが無くなったり、皮を剥かれたりしている場所が露わになるのです。 シカの生息密度が高いほど、ディアラインは顕著に出現します。例えばシカで有名な奈良公園では、2m以下の部分は枝や葉がほとんどなく、このディアラインが特有の景観として広く知られています。 山林において、シカが好まない植物だけ残っているケースや、ほぼ裸地になってしまっているほど被害が深刻なケースでは、ディアラインが多く見られます。そして、裸地上にシカの糞が散見されます。 このような裸地には雨水の流れた跡が痛々しく残り、土砂流出が激しい傾向があります。また、渓流には泥分が多くなり、生態系に大きな影響が出ます。 シカによる食害は、林業にも深刻なダメージを与えます。シカの好物が多い自然林に比べれば被害の度合いは低いですが、植林したスギやヒノキの苗木が食べられてしまったり、年季が経って価値の高くなった木が剥皮被害を受けるなどが起きています。 林業は、「植えれば赤字」と言われるほど、採算性が悪い状況です。その中で、せっかく植林しても、やわらかな苗木があっという間に食べられたりすると、森林所有者の経営意欲は削がれていきます。 防鹿柵で囲ったり、苗を保護する食害防止管(ツリーシェルター)をかぶせるなどの方法はありますが、厳しい林業の現状の中で、林業家がさらなる経済的負担をすることは現実的ではありません。植えても植えても食べられてしまうシカ食害のリスクは、林業にとって致命的ともいえるものです。 シカが増えた理由 このような被害が増えた要因としては、シカの個体数の増加があります。 シカの個体数は、平成25(2013)年度末のデータで300万頭を超えており、平成元(1989)年の個体数のなんと10倍に迫る増加を示しています(林野庁データを引用)。 では、なぜシカが増えたのでしょうか。それには、温暖化・天敵絶滅・狩猟者減少などが挙げられます。 温暖化の影響 一つ目の要因として、温暖化によって積雪量が減り、越冬できる個体が増えたことが考えられます。 積雪量が減ると、地面が雪に覆われることも減るため、植物を摂食できる期間やエリアが増えます。 そのため、シカ(特に子ジカ)が冬に餓死によって死ぬ割合が減るのです。シカは早いものでは生後1年の秋あたりから妊娠できるようになり、しかもほぼ毎年妊娠するため、条件さえよければ個体数はどんどん増えます。 1978年のシカの分布と2003年のものを比較すると、積雪の少ない西日本を中心に、全体でおよそ70%ほど分布が拡大したことがわかっています。 ニホンジカの分布と拡大予測 ※参照元:環境省データ 天敵の絶滅 日本ではかつて、ニホンオオカミがシカの天敵として生息していましたが、明治時代に絶滅しました。天敵であるニホンオオカミが絶滅したことも、ニホンジカが増加したひとつの原因といわれています。 そのため、鹿の数を減らすため検討されている1つの案として、外国からオオカミを導入することが検討されています。しかし、安易に外国産のオオカミを導入することは、生態系への様々な影響が懸念されます。...
シカによる森林被害の実態
シカ(ニホンジカ・エゾシカ)の好物は様々な植物です。食べる植物の種類は極めて多く、芝や木の葉だけでなく、食べ物の少ない時期には樹皮も食べます。 一帯の植物を食べつくし、短期間のあいだに山林の姿を変えてしまうほどの被害を与えるため、深刻な問題となっているのは既に広く知られてきているところです。この記事では、その実態を詳しく説明します。 変化が著しい場所はどこ? ベテランの登山者をはじめ、長く山の様子を見ている人がよく言うのは、近年特に山が荒れている様子が顕著だということ。立ったまま枯れる木や、地面がむき出しになった箇所が多く目についたりして、昔と比べると山の植生バランスが明らかにおかしいというのです。 特に、低山を中心にした森林地帯の変化が著しく、かつては原生林が生い茂っていた場所が、今では樹木や植物が枯死し土壌が崩壊しているケースが多く目につくといいます。そして、原因として大きな割合を占めるのが、シカによる食害です。 林野庁によると、平成27年(2015年)度はシカやクマ等の野生鳥獣による森林被害面積は全国で約8000ヘクタール(東京ドーム約1700個分)となっていますが、このうち、シカによる枝葉の食害や剥皮被害が全体の約8割を占めています。 主要な野生鳥獣による森林被害面積(平成27年度)※参照元:林野庁データ 被害を受けた場所の特徴 ディアライン(Deer Line)という言葉をご存知でしょうか。ディアラインとは、シカの採食によって植生上に線ができることです。シカの口が届く高さに沿って、葉っぱが無くなったり、皮を剥かれたりしている場所が露わになるのです。 シカの生息密度が高いほど、ディアラインは顕著に出現します。例えばシカで有名な奈良公園では、2m以下の部分は枝や葉がほとんどなく、このディアラインが特有の景観として広く知られています。 山林において、シカが好まない植物だけ残っているケースや、ほぼ裸地になってしまっているほど被害が深刻なケースでは、ディアラインが多く見られます。そして、裸地上にシカの糞が散見されます。 このような裸地には雨水の流れた跡が痛々しく残り、土砂流出が激しい傾向があります。また、渓流には泥分が多くなり、生態系に大きな影響が出ます。 シカによる食害は、林業にも深刻なダメージを与えます。シカの好物が多い自然林に比べれば被害の度合いは低いですが、植林したスギやヒノキの苗木が食べられてしまったり、年季が経って価値の高くなった木が剥皮被害を受けるなどが起きています。 林業は、「植えれば赤字」と言われるほど、採算性が悪い状況です。その中で、せっかく植林しても、やわらかな苗木があっという間に食べられたりすると、森林所有者の経営意欲は削がれていきます。 防鹿柵で囲ったり、苗を保護する食害防止管(ツリーシェルター)をかぶせるなどの方法はありますが、厳しい林業の現状の中で、林業家がさらなる経済的負担をすることは現実的ではありません。植えても植えても食べられてしまうシカ食害のリスクは、林業にとって致命的ともいえるものです。 シカが増えた理由 このような被害が増えた要因としては、シカの個体数の増加があります。 シカの個体数は、平成25(2013)年度末のデータで300万頭を超えており、平成元(1989)年の個体数のなんと10倍に迫る増加を示しています(林野庁データを引用)。 では、なぜシカが増えたのでしょうか。それには、温暖化・天敵絶滅・狩猟者減少などが挙げられます。 温暖化の影響 一つ目の要因として、温暖化によって積雪量が減り、越冬できる個体が増えたことが考えられます。 積雪量が減ると、地面が雪に覆われることも減るため、植物を摂食できる期間やエリアが増えます。 そのため、シカ(特に子ジカ)が冬に餓死によって死ぬ割合が減るのです。シカは早いものでは生後1年の秋あたりから妊娠できるようになり、しかもほぼ毎年妊娠するため、条件さえよければ個体数はどんどん増えます。 1978年のシカの分布と2003年のものを比較すると、積雪の少ない西日本を中心に、全体でおよそ70%ほど分布が拡大したことがわかっています。 ニホンジカの分布と拡大予測 ※参照元:環境省データ 天敵の絶滅 日本ではかつて、ニホンオオカミがシカの天敵として生息していましたが、明治時代に絶滅しました。天敵であるニホンオオカミが絶滅したことも、ニホンジカが増加したひとつの原因といわれています。 そのため、鹿の数を減らすため検討されている1つの案として、外国からオオカミを導入することが検討されています。しかし、安易に外国産のオオカミを導入することは、生態系への様々な影響が懸念されます。...
クマに襲われ84歳男性大けが。秋田のりんご畑
10月26日の早朝、秋田県北秋田市阿仁伏影の山あいの集落で、84歳の男性が自宅裏のりんご畑でクマに襲われ、あごの骨を折るなどの大けがを負った。 北秋田署によると、男性の自宅裏のリンゴ畑でクマによる食害が多発していたため、仕掛けていたわなの様子を見に行ったところ、体長約80センチの子グマが掛かっているのを発見。その直後に杉林から現れた親とみられるクマに襲われ、顔や首などを負傷したとのこと。なお命に別状はない模様。 今回男性が被害にあった地区では、クマの目撃情報や農作物の食害が続いていたため、先月2日から県の許可を受けて市がオリを設置し、これまでに6頭を捕獲している。また、男性を襲ったクマは見つかっておらず、警察や市の職員が住民に注意を呼びかけている。 秋田県自然保護課によると、今月の目撃件数は10月24日時点で121件に上り、過去10年の平均(21件)を大きく上回っているとのこと。今年に入ってからの人身被害は17件(18人)に上り、10月は7日に鹿角市の農作業所で1件発生したほか、25日にも人身被害が起きていた。 今年はブナやナラなどクマの餌となる木の実が凶作で、今後も人里周辺への出没が予想されるという。これらを受け、秋田県は10月27日、県内全域を対象に今月末まで発令していたツキノワグマの出没警報を、12月20日まで延長すると発表した。延長は7、8月に続き3回目である。
クマに襲われ84歳男性大けが。秋田のりんご畑
10月26日の早朝、秋田県北秋田市阿仁伏影の山あいの集落で、84歳の男性が自宅裏のりんご畑でクマに襲われ、あごの骨を折るなどの大けがを負った。 北秋田署によると、男性の自宅裏のリンゴ畑でクマによる食害が多発していたため、仕掛けていたわなの様子を見に行ったところ、体長約80センチの子グマが掛かっているのを発見。その直後に杉林から現れた親とみられるクマに襲われ、顔や首などを負傷したとのこと。なお命に別状はない模様。 今回男性が被害にあった地区では、クマの目撃情報や農作物の食害が続いていたため、先月2日から県の許可を受けて市がオリを設置し、これまでに6頭を捕獲している。また、男性を襲ったクマは見つかっておらず、警察や市の職員が住民に注意を呼びかけている。 秋田県自然保護課によると、今月の目撃件数は10月24日時点で121件に上り、過去10年の平均(21件)を大きく上回っているとのこと。今年に入ってからの人身被害は17件(18人)に上り、10月は7日に鹿角市の農作業所で1件発生したほか、25日にも人身被害が起きていた。 今年はブナやナラなどクマの餌となる木の実が凶作で、今後も人里周辺への出没が予想されるという。これらを受け、秋田県は10月27日、県内全域を対象に今月末まで発令していたツキノワグマの出没警報を、12月20日まで延長すると発表した。延長は7、8月に続き3回目である。
高松市のショッピングモールにイノシシが侵入 5人けが
10月23日午後6時50分ごろ、香川県高松市香西本町の「イオンモール高松」に体長1.1mのメスのイノシシが出没。出入口から一階のアウトドア用品店に入っていき、その後来店していた客や従業員の足に噛みつくなどしたという。 「イノシシ1頭が店内1階を徘徊している」と客から110番通報を受け、駆け付けた警察も手を噛まれたが、その後10名程の警察官が網を使って捕獲した。 香川県警高松北署によると、買い物に来ていた14歳男子中学生が、イノシシとぶつかって倒れた商品棚に足をぶつけたほか、店員と警備員の計3人(20代~30代)が足を噛まれ、警察官1人も手を噛まれたが、いずれも軽症。 イオンモール高松は海と川に面した市街地の大型店舗だが、南西に1.5kmほど離れた位置にイノシシが生息する勝賀山があり、南東には高松市峰山公園がある。 峰山公園付近では今年8月下旬、イノシシが計10頭捕獲されており、高松市内全域においても最近イノシシの出没情報が数多く寄せられている。またイノシシが市街地に出没し車と接触したり、噛みつかれたりする事故が多数発生している状況である。 >>こちらの記事もどうぞ。イノシシ対策~何をすればよいのか?【市街地編】
高松市のショッピングモールにイノシシが侵入 5人けが
10月23日午後6時50分ごろ、香川県高松市香西本町の「イオンモール高松」に体長1.1mのメスのイノシシが出没。出入口から一階のアウトドア用品店に入っていき、その後来店していた客や従業員の足に噛みつくなどしたという。 「イノシシ1頭が店内1階を徘徊している」と客から110番通報を受け、駆け付けた警察も手を噛まれたが、その後10名程の警察官が網を使って捕獲した。 香川県警高松北署によると、買い物に来ていた14歳男子中学生が、イノシシとぶつかって倒れた商品棚に足をぶつけたほか、店員と警備員の計3人(20代~30代)が足を噛まれ、警察官1人も手を噛まれたが、いずれも軽症。 イオンモール高松は海と川に面した市街地の大型店舗だが、南西に1.5kmほど離れた位置にイノシシが生息する勝賀山があり、南東には高松市峰山公園がある。 峰山公園付近では今年8月下旬、イノシシが計10頭捕獲されており、高松市内全域においても最近イノシシの出没情報が数多く寄せられている。またイノシシが市街地に出没し車と接触したり、噛みつかれたりする事故が多数発生している状況である。 >>こちらの記事もどうぞ。イノシシ対策~何をすればよいのか?【市街地編】
補助金を使った鳥獣被害対策の電気柵、全国200か所以上で機能せず
イノシシやシカなど野生動物に田畑を荒らされることによる農作物の被害額は、全国で年間およそ200億円に上っている。そのため、農林水産省は山間部に近い自治体などに交付金を出し、動物が田畑に侵入するのを防ぐ「電気柵」等の柵を設置する補助事業を実施している。 この事業は、電気柵やワイヤを張った柵を田畑に設置するなどした場合、最大で全額が補助される「鳥獣被害防止総合対策交付金事業」。 事業の始まった2008年度から2017年度までの間、東京都を除く46道府県に約840億円が交付された。 この交付金による対策が適切に実施されているか、会計検査院が全国10余りの道府県を抽出して柵の設置状況を調べたところ、200か所以上で動物が容易に田畑に侵入できるような状態であることがわかった。 維持管理や設置方法に問題があったことが原因で、不具合によって計約5億円分の農作物被害が出ていた。 自治体が設置場所の地権者の合意を得ることができず、田畑を囲うように柵を設置できなかったケースや、柵が倒れて動物の侵入を防げない状態になっていたケース、さらに柵が倒れていた場所の中には、設置後1年以上点検していなかったケースもあったとのこと。 電気柵は、防護柵に通電することで、侵入しようとする野生動物に電気ショックを与え、物理的な遮断というよりは、心理的な遮断効果を狙うものである。適正に設置・管理できれば、高い効果が期待できるが、そもそも田畑を囲うことができないと意味がない。また設置後も、漏電防止などのメンテナンスが必要なこと、費用が割高であることがデメリットである。 今回の調査結果は、そもそも柵の設置時点で不備があったこと、設置後のメンテナンスが適正に行われていなかったことが浮き彫りになった形だ。会計検査院は、農林水産省に対し改善を求めることにしている。 参考記事:効果的な柵の設置方法について
補助金を使った鳥獣被害対策の電気柵、全国200か所以上で機能せず
イノシシやシカなど野生動物に田畑を荒らされることによる農作物の被害額は、全国で年間およそ200億円に上っている。そのため、農林水産省は山間部に近い自治体などに交付金を出し、動物が田畑に侵入するのを防ぐ「電気柵」等の柵を設置する補助事業を実施している。 この事業は、電気柵やワイヤを張った柵を田畑に設置するなどした場合、最大で全額が補助される「鳥獣被害防止総合対策交付金事業」。 事業の始まった2008年度から2017年度までの間、東京都を除く46道府県に約840億円が交付された。 この交付金による対策が適切に実施されているか、会計検査院が全国10余りの道府県を抽出して柵の設置状況を調べたところ、200か所以上で動物が容易に田畑に侵入できるような状態であることがわかった。 維持管理や設置方法に問題があったことが原因で、不具合によって計約5億円分の農作物被害が出ていた。 自治体が設置場所の地権者の合意を得ることができず、田畑を囲うように柵を設置できなかったケースや、柵が倒れて動物の侵入を防げない状態になっていたケース、さらに柵が倒れていた場所の中には、設置後1年以上点検していなかったケースもあったとのこと。 電気柵は、防護柵に通電することで、侵入しようとする野生動物に電気ショックを与え、物理的な遮断というよりは、心理的な遮断効果を狙うものである。適正に設置・管理できれば、高い効果が期待できるが、そもそも田畑を囲うことができないと意味がない。また設置後も、漏電防止などのメンテナンスが必要なこと、費用が割高であることがデメリットである。 今回の調査結果は、そもそも柵の設置時点で不備があったこと、設置後のメンテナンスが適正に行われていなかったことが浮き彫りになった形だ。会計検査院は、農林水産省に対し改善を求めることにしている。 参考記事:効果的な柵の設置方法について
JR青梅線、シカと衝突で遅延
10月19日午前6時43分ごろ、列車が「シカ」と衝突し、その影響で遅延が生じた。遅延したのはJR青梅線で、青梅~立川の上り線の一部列車に最大10分程度の遅れが生じた。 シカやイノシシなどと列車との衝突事故は、山間部を中心に年々増加してきており、鉄道会社の悩みの種となっている。このうち、電車とシカの衝突件数は年間で5000件とも言われる。 JR東日本八王子支社は、東京多摩地区や山梨、埼玉にまたがる中央線、青梅線、八高線、五日市線、横浜線、南武線、武蔵野線を管轄しているが、管轄内での動物衝突事故件数は2013年度に約60件、2014年度は約90件、2015年度は約100件と増え続けていた。 そのため、今年1月にわなの設置で対策を強化していた。 シカの推定個体数は増加傾向であり、平成25年度末では、全国(本州以南)のニホンジカの推定個体数は中央値約305万頭となっている。さらに、現状の捕獲率を維持したままだと、平成35年度には中央値で約453万頭(平成25年度の個体数の約1.5倍)まで増加すると予測されている(環境省ホームページ)。 シカは鉄分を好む習性があり、線路に近づくのは電車の車輪や線路に含まれる鉄分を求めることが理由といわれている。このまま個体数が増加すれば、衝突事故も増えていくことが予想される。
JR青梅線、シカと衝突で遅延
10月19日午前6時43分ごろ、列車が「シカ」と衝突し、その影響で遅延が生じた。遅延したのはJR青梅線で、青梅~立川の上り線の一部列車に最大10分程度の遅れが生じた。 シカやイノシシなどと列車との衝突事故は、山間部を中心に年々増加してきており、鉄道会社の悩みの種となっている。このうち、電車とシカの衝突件数は年間で5000件とも言われる。 JR東日本八王子支社は、東京多摩地区や山梨、埼玉にまたがる中央線、青梅線、八高線、五日市線、横浜線、南武線、武蔵野線を管轄しているが、管轄内での動物衝突事故件数は2013年度に約60件、2014年度は約90件、2015年度は約100件と増え続けていた。 そのため、今年1月にわなの設置で対策を強化していた。 シカの推定個体数は増加傾向であり、平成25年度末では、全国(本州以南)のニホンジカの推定個体数は中央値約305万頭となっている。さらに、現状の捕獲率を維持したままだと、平成35年度には中央値で約453万頭(平成25年度の個体数の約1.5倍)まで増加すると予測されている(環境省ホームページ)。 シカは鉄分を好む習性があり、線路に近づくのは電車の車輪や線路に含まれる鉄分を求めることが理由といわれている。このまま個体数が増加すれば、衝突事故も増えていくことが予想される。
農林水産省 平成29(2017)年度 鳥獣被害対策優良活動表彰の候補を募集
野生鳥獣による農林水産業被害が全国的に深刻化しているのをうけ、農林水産省は野生鳥獣被害の対策に取り組む個人や団体を表彰している。今年(平成29(2017)年度)も表彰候補の募集が開示されたので、鳥獣被害対策に取り組む個人や団体は参考にしていただきたい。 応募方法と期限 応募方法は以下の2通りで、それぞれ期限が異なる。 1. 都道府県による推薦 応募者は、自薦・他薦を問わず、応募用紙に必要事項を記入し、都道府県鳥獣被害対策担当部署に平成29年12月4日(月)までに提出。その後、都道府県の推薦により、農村振興局農村政策部農村環境課に提出される。 <<応募用紙のダウンロードはこちらをクリック>> 2. 農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーによる推薦 農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー※が表彰の候補を推薦する。この場合、アドバイザーが、上記応募用紙と彰推薦調書を農林水産省農村振興局農村政策部農村環境課に平成29年12月8日(金)までに提出する。 <<詳しくはこちらの表彰実施要領をダウンロードして参照。>> ※農林水産省では、野生鳥獣による農作物被害の防除に関する専門的な知識及び経験を有し、地域における被害防止対策の実施に際し、助言等を行うことができる者を「農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー」として登録し、地域の要請に応じて紹介する「農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー制度」を設けている。 表彰内容 個人の場合は、地域の鳥獣被害対策への的確な指導・助言又は継続的な参加により、地域への貢献が顕著であると認められる者(行政担当者を含む。)が表彰対象となる。団体については、他の模範となるような鳥獣被害対策に継続的に取り組んでいる団体が対象。なお平成29年度の表彰式については、平成30年2月頃を予定。 ・農林水産大臣賞 2点以内・・・被害防止部門(個人・団体)または捕獲鳥獣利活用部門(個人・団体) ・農林水産省農村振興局長賞 6点以内・・・被害防止部門(個人・団体)または捕獲鳥獣利活用部門(個人・団体) 過去の受賞例 過去の受賞内容概要を以下に紹介するので、参考にしていただきたい(クリックで概要をダウンロード)。 <<平成28年度(2016年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成27年度(2015年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成26年度(2014年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成25年度(2013年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成24年度(2012年)受賞者概要PDFファイル>> 審査基準 鳥獣被害対策に関し学識経験等を有する委員で構成する審査委員会が設置され、都道府県及びアドバイザーからの推薦内容を以下の基準に照らして審査し、表彰の候補を選定する。 地域一体的な活動 ・地域住民の合意形成の下、被害防止やジビエ利活用等の活動が行われている。 ・鳥獣被害対策実施隊の設置が行われ、活動の強化に対して貢献している。...
農林水産省 平成29(2017)年度 鳥獣被害対策優良活動表彰の候補を募集
野生鳥獣による農林水産業被害が全国的に深刻化しているのをうけ、農林水産省は野生鳥獣被害の対策に取り組む個人や団体を表彰している。今年(平成29(2017)年度)も表彰候補の募集が開示されたので、鳥獣被害対策に取り組む個人や団体は参考にしていただきたい。 応募方法と期限 応募方法は以下の2通りで、それぞれ期限が異なる。 1. 都道府県による推薦 応募者は、自薦・他薦を問わず、応募用紙に必要事項を記入し、都道府県鳥獣被害対策担当部署に平成29年12月4日(月)までに提出。その後、都道府県の推薦により、農村振興局農村政策部農村環境課に提出される。 <<応募用紙のダウンロードはこちらをクリック>> 2. 農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーによる推薦 農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー※が表彰の候補を推薦する。この場合、アドバイザーが、上記応募用紙と彰推薦調書を農林水産省農村振興局農村政策部農村環境課に平成29年12月8日(金)までに提出する。 <<詳しくはこちらの表彰実施要領をダウンロードして参照。>> ※農林水産省では、野生鳥獣による農作物被害の防除に関する専門的な知識及び経験を有し、地域における被害防止対策の実施に際し、助言等を行うことができる者を「農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー」として登録し、地域の要請に応じて紹介する「農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー制度」を設けている。 表彰内容 個人の場合は、地域の鳥獣被害対策への的確な指導・助言又は継続的な参加により、地域への貢献が顕著であると認められる者(行政担当者を含む。)が表彰対象となる。団体については、他の模範となるような鳥獣被害対策に継続的に取り組んでいる団体が対象。なお平成29年度の表彰式については、平成30年2月頃を予定。 ・農林水産大臣賞 2点以内・・・被害防止部門(個人・団体)または捕獲鳥獣利活用部門(個人・団体) ・農林水産省農村振興局長賞 6点以内・・・被害防止部門(個人・団体)または捕獲鳥獣利活用部門(個人・団体) 過去の受賞例 過去の受賞内容概要を以下に紹介するので、参考にしていただきたい(クリックで概要をダウンロード)。 <<平成28年度(2016年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成27年度(2015年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成26年度(2014年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成25年度(2013年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成24年度(2012年)受賞者概要PDFファイル>> 審査基準 鳥獣被害対策に関し学識経験等を有する委員で構成する審査委員会が設置され、都道府県及びアドバイザーからの推薦内容を以下の基準に照らして審査し、表彰の候補を選定する。 地域一体的な活動 ・地域住民の合意形成の下、被害防止やジビエ利活用等の活動が行われている。 ・鳥獣被害対策実施隊の設置が行われ、活動の強化に対して貢献している。...
農業被害の種類
農作物にとって、適度な天候は無くてはならないものですが、天候に起因して被害を受ける場合もあります。また、自然豊かな土地では、野生鳥獣による被害も多く発生しており、農家を悩ます厄介な問題です。他にも病気や害虫によって農作物が被害を受ける場合があります。 これらは、農業技術が発展し、また農家が努力しても避けられないものです。 被害を最小限に抑えるための第一歩として、どのような被害があるのか、規模はどの程度なのか、どのような対策をすべきなのかについて解説します。 自然災害による被害 自然の影響を受ける農業経営において、自然災害は大きなリスク要因です。 台風による農作物被害 被害の特徴と規模 大雨、強風を引き起こす原因として、最も多いのは台風接近です。強風、浸水、冠水等によって、稲・野菜、雑穀・豆類、果樹、工芸農作物等が被害を受けます。 昨年の平成28(2016)年は、台風の発生数は過去5年間の平均26でしたが、このうち上陸したものは6と最多になりました。 台風の進路も例年と異なり、北海道に1年間で3つの台風が上陸したこと、台風が東北地方太平洋側へ上陸したことは、気象庁が昭和26(1951)年に台風の観測を開始して以来、初めての出来事となりました。 結果として、昨年の台風による農林水産被害額は1,596億円で、最近5年間で最多となりました。なお被害面積は約78,300ヘクタールとなっています。 近年の台風の発生数上陸数と農林水産被害額 出典:農林水産省ホームページ 台風の事前対策について 台風の進路をよく見ておき、被害が予想される場合は事前に対策をしておく必要があります。 水稲の場合 早生品種で刈り取り可能なものは収穫しておくことが挙げられます。また、中・晩生種は倒伏・乾燥防止のため深めの湛水状態とします。事前に排水路の詰まり等の点検・補修を行い、冠浸水時の速やかな排水に備えておきます。 野菜や花の場合 ハウス栽培の場合、ハウス内に風が吹き込まないように破れた部分は補修し、ハウスバンドや金具を点検して締め直しておきます。露地栽培の場合、支柱やフラワーネットを補強し固定しておきます。 直播きで小さいものはべたがけ資材で茎葉を押さえておきます。また、倒伏を防ぐために土寄せをしっかり行っておきます。 台風通過後の対策 台風通過後の対策は大変な作業ですが、作物や状況に合った対策が必要です。以下に対策の例を記載します。 水稲の場合 滞水している場合は排水に努めます。特に、冠水した場合は、葉先や穂先だけでも水面に出しておきます。冠浸水被害を受けた稲においては、水分調節等の機能が弱まっていることから、田面の過度な乾燥に注意します。 野菜や花の場合 こちらも滞水している場合は排水に努めます。500~1000倍の液肥を施用して草勢を回復させます。収穫可能なものは速やかに収穫し、発芽不良の場合は播き直します。 その他の自然災害 豪雨・干ばつや積雪、降霜や降雹(ひょう) 四季がある日本において、最も降雨量が多くなるのは梅雨の時期です。停滞した梅雨前線上を低気圧が通過する影響で、豪雨による土砂災害、浸水害等が発生します。 昨年の平成28(2016)年は、6月初旬から7月中旬までの豪雨により、東北地方から沖縄にかけて広い範囲で大きな被害が発生しました。結果、農林水産被害額は609億円となり、このうち農業関係の被害額は366億円に達しています。...
農業被害の種類
農作物にとって、適度な天候は無くてはならないものですが、天候に起因して被害を受ける場合もあります。また、自然豊かな土地では、野生鳥獣による被害も多く発生しており、農家を悩ます厄介な問題です。他にも病気や害虫によって農作物が被害を受ける場合があります。 これらは、農業技術が発展し、また農家が努力しても避けられないものです。 被害を最小限に抑えるための第一歩として、どのような被害があるのか、規模はどの程度なのか、どのような対策をすべきなのかについて解説します。 自然災害による被害 自然の影響を受ける農業経営において、自然災害は大きなリスク要因です。 台風による農作物被害 被害の特徴と規模 大雨、強風を引き起こす原因として、最も多いのは台風接近です。強風、浸水、冠水等によって、稲・野菜、雑穀・豆類、果樹、工芸農作物等が被害を受けます。 昨年の平成28(2016)年は、台風の発生数は過去5年間の平均26でしたが、このうち上陸したものは6と最多になりました。 台風の進路も例年と異なり、北海道に1年間で3つの台風が上陸したこと、台風が東北地方太平洋側へ上陸したことは、気象庁が昭和26(1951)年に台風の観測を開始して以来、初めての出来事となりました。 結果として、昨年の台風による農林水産被害額は1,596億円で、最近5年間で最多となりました。なお被害面積は約78,300ヘクタールとなっています。 近年の台風の発生数上陸数と農林水産被害額 出典:農林水産省ホームページ 台風の事前対策について 台風の進路をよく見ておき、被害が予想される場合は事前に対策をしておく必要があります。 水稲の場合 早生品種で刈り取り可能なものは収穫しておくことが挙げられます。また、中・晩生種は倒伏・乾燥防止のため深めの湛水状態とします。事前に排水路の詰まり等の点検・補修を行い、冠浸水時の速やかな排水に備えておきます。 野菜や花の場合 ハウス栽培の場合、ハウス内に風が吹き込まないように破れた部分は補修し、ハウスバンドや金具を点検して締め直しておきます。露地栽培の場合、支柱やフラワーネットを補強し固定しておきます。 直播きで小さいものはべたがけ資材で茎葉を押さえておきます。また、倒伏を防ぐために土寄せをしっかり行っておきます。 台風通過後の対策 台風通過後の対策は大変な作業ですが、作物や状況に合った対策が必要です。以下に対策の例を記載します。 水稲の場合 滞水している場合は排水に努めます。特に、冠水した場合は、葉先や穂先だけでも水面に出しておきます。冠浸水被害を受けた稲においては、水分調節等の機能が弱まっていることから、田面の過度な乾燥に注意します。 野菜や花の場合 こちらも滞水している場合は排水に努めます。500~1000倍の液肥を施用して草勢を回復させます。収穫可能なものは速やかに収穫し、発芽不良の場合は播き直します。 その他の自然災害 豪雨・干ばつや積雪、降霜や降雹(ひょう) 四季がある日本において、最も降雨量が多くなるのは梅雨の時期です。停滞した梅雨前線上を低気圧が通過する影響で、豪雨による土砂災害、浸水害等が発生します。 昨年の平成28(2016)年は、6月初旬から7月中旬までの豪雨により、東北地方から沖縄にかけて広い範囲で大きな被害が発生しました。結果、農林水産被害額は609億円となり、このうち農業関係の被害額は366億円に達しています。...
富山県でイノシシの出没が相次ぐ
10月7日、富山県西部の南砺市と砺波市でイノシシの目撃が相次いだことを受け、警察などは8日朝からパトロールを強化し注意を呼びかけている。 7日午後2時半ごろ、南砺市で走行中の軽乗用車や大型トラックがイノシシと衝突。 さらに、事故から30分後には現場から3キロほど離れた砺波市の民家の敷地内にイノシシが浸入。 8日朝から警察が目撃現場周辺をパトロールするもイノシシは確認されておらず、注意を呼びかけている。 また、10日未明、富山市で道路に飛び出してきたイノシシが乗用車に衝突する事故が発生。 成獣のイノシシ1頭と子どもとみられる2頭のイノシシが一列に並んで道路を横切っていたところ乗用車と衝突したとみられる。 衝突後、体長およそ50センチの子どものイノシシが見つかり、その場で死んだ。 さらに、昼過ぎには現場近くで同じ車に衝突したとみられる子どものイノシシがみつかった。右足をケガして動けない状態であり、10日午後4時ごろにこのイノシシを捕獲したが、回復が見込めないことから殺処分することとなった。 警察は、成獣のイノシシがまだ見つかっていないことから、近くにいる可能性があるとして注意を呼びかけている。
富山県でイノシシの出没が相次ぐ
10月7日、富山県西部の南砺市と砺波市でイノシシの目撃が相次いだことを受け、警察などは8日朝からパトロールを強化し注意を呼びかけている。 7日午後2時半ごろ、南砺市で走行中の軽乗用車や大型トラックがイノシシと衝突。 さらに、事故から30分後には現場から3キロほど離れた砺波市の民家の敷地内にイノシシが浸入。 8日朝から警察が目撃現場周辺をパトロールするもイノシシは確認されておらず、注意を呼びかけている。 また、10日未明、富山市で道路に飛び出してきたイノシシが乗用車に衝突する事故が発生。 成獣のイノシシ1頭と子どもとみられる2頭のイノシシが一列に並んで道路を横切っていたところ乗用車と衝突したとみられる。 衝突後、体長およそ50センチの子どものイノシシが見つかり、その場で死んだ。 さらに、昼過ぎには現場近くで同じ車に衝突したとみられる子どものイノシシがみつかった。右足をケガして動けない状態であり、10日午後4時ごろにこのイノシシを捕獲したが、回復が見込めないことから殺処分することとなった。 警察は、成獣のイノシシがまだ見つかっていないことから、近くにいる可能性があるとして注意を呼びかけている。
イノシシが佐世保市内の住宅地に現れ、住民を襲う
10月1日、午前7時55分ごろ、長崎県佐世保市の住宅地にイノシシが現れ、2人が手などをかまれた。被害を受けたのは、車いすに乗っていた59歳の男性と、89歳の女性で、指の骨を折る大けがであった。 他にも、原付バイクや車に衝突し、警察や猟友会が警戒していたところ、午後になって2人を襲ったと見られるイノシシが市内で発見され、駆除された。体長約1.2メートル、推定体重70~79kgのメスのイノシシであった。 上記被害発生後、目撃者から通報を受けた警察と消防は、佐世保市に速やかに情報提供し、市が捕獲のため猟友会に連絡。現場付近では防災行政無線やチラシで住民に注意を呼び掛けていたという。 長崎県内でイノシシによる人身被害の報告は本年度初めてであったが、2015年度と16年度の被害報告はともに2件だった。 長崎県はこれを受け、10月5日、関係部署の連絡会議を開き、今後イノシシなど野生動物の出現に備え、関係機関の連絡体制や役割を定めたマニュアルを作成する方針を確認した。会議には県警の担当部署も参加した。
イノシシが佐世保市内の住宅地に現れ、住民を襲う
10月1日、午前7時55分ごろ、長崎県佐世保市の住宅地にイノシシが現れ、2人が手などをかまれた。被害を受けたのは、車いすに乗っていた59歳の男性と、89歳の女性で、指の骨を折る大けがであった。 他にも、原付バイクや車に衝突し、警察や猟友会が警戒していたところ、午後になって2人を襲ったと見られるイノシシが市内で発見され、駆除された。体長約1.2メートル、推定体重70~79kgのメスのイノシシであった。 上記被害発生後、目撃者から通報を受けた警察と消防は、佐世保市に速やかに情報提供し、市が捕獲のため猟友会に連絡。現場付近では防災行政無線やチラシで住民に注意を呼び掛けていたという。 長崎県内でイノシシによる人身被害の報告は本年度初めてであったが、2015年度と16年度の被害報告はともに2件だった。 長崎県はこれを受け、10月5日、関係部署の連絡会議を開き、今後イノシシなど野生動物の出現に備え、関係機関の連絡体制や役割を定めたマニュアルを作成する方針を確認した。会議には県警の担当部署も参加した。
森林における鳥獣被害の現状
野生鳥獣の生息域の拡大等を背景として、シカやクマ等による森林被害が深刻化しています。被害面積は、全国で約8,000ヘクタール程となっており(東京ドーム約1700個分)、このうちシカによる被害が約8割、シカ以外(ノネズミ、クマ、カモシカ、イノシシなど)による被害が残り2割を占めます(林野庁平成27年度のデータより引用)。 特に、新たに設立された林業の植地(新植地)は、これらの被害に対して脆弱です。 新植地では、比較的やわらかな葉を持つヒノキの被害が目立つものの、スギをはじめ、すべての植栽木が食害に遭います。特に広葉樹の植栽木はほとんど食べられてしまいます。これらの食害によって、樹木の発育不良、枝分かれや死滅が発生する可能性があり、造林上の大きな障害となります。 また、未来を担う稚樹を含む下層植生※が消失し、林床が裸地化してしまうことによって、土壌が流出し崩壊地が発生する等、国土にとってもさまざまな弊害が懸念されます。 森林のもつ多面的機能への影響だけでなく、森林そのものの存在自体が危ぶまれる状況にもなりかねないのです。 ※下層植生:森林において上木に対する下木(低木)や、草本類からなる植物集団のまとまりのこと。上層木とともに、その地域に特徴的な植生を示し、その土地の環境を知る上での指標となります。 また、森林被害を引き起こす獣類の増加にともない、ヤマビルやマダニの増加もみられます。ヤマビルは山地の奥地に生息していましたが、シカの分布拡大などで山麓まで生息域を拡大しています。また、マダニも野生動物が出没するような環境に多く生息する傾向があり、野生動物の増加によって被害が増えてきています。 マダニやヒルの駆除は、シカ等の獣類の増加と表裏一体であるため、急には減らせないのが現状です。 シカによる森林被害 シカは、どちらかというと山中よりも平坦地を好むため、昔は山の中よりも平坦地に数多く生息していました。しかし、人間の開発等によって、シカは山中で生息するようになりました。食料となる下層植生が豊富にある伐採跡地や、姿を隠せる樹林がまばらに存在するような森林環境を好みます。 また、尾根沿いの平坦地や、陽当たりの良い緩斜面を好み、そのような場所での森林被害が目立ちます。 シカの生息分布は戦後大きく拡大しており、1978年から始まった調査によると、36年のあいだに分布域を約2.5倍に拡大しています。 特に東北地方や日本海側などの積雪の多い地域の拡大が目立ちます。シカは繁殖力が高く、エサの条件がよければメスは毎年妊娠するため、捕獲しないと年率約20%で増加し、4~5年で個体数は倍増すると言われています。 シカの個体数は、平成25(2013)年度末のデータで300万頭を超えており、平成元(1989)年の個体数のなんと10倍に迫る増加を示しています(林野庁データを引用)。さらに、現在の捕獲率では、10年後(平成35年度)には453万頭と1.5倍に増加することが予測されています。 森林におけるシカ被害としては、更新地等での植栽木等の食害があります。 シカの生息密度が高いエリアの森林では、シカは飢えれば何でも食べるので、シカの口が届く高さの枝葉や樹皮、さらには下層植生がほとんど消失してしまっている場合もあります。 またシカによる樹皮の剥ぎ取りも森林被害として深刻な問題です。剥皮は、シカが樹皮や形成層を食べることによるものと、オスの角こすりによるものがあります。剥皮によって傷ついた樹木は感染する可能性があり、また傷ついた樹木の下部が多く傷つくため、樹木の最も貴重な部分の品質が低下してしまい、林業家にとっても深刻な問題となっています。 シカ以外による森林被害 シカによる被害に比べると、割合は多くありませんが、クマやノネズミ、ノウサギ、エゾジカなどによる森林被害もあります。 ノネズミ、ノウサギによる森林被害 野ネズミのうち、被害をもたらすのはエゾヤチネズミとムクゲネズミで、植栽木の樹皮及び地下の根等の摂食などによる食害です。エゾヤチネズミは、ユーラシア大陸に広く分布するタイリクヤチネズミの亜種で、日本では北海道だけに生息しています。 日本では、北海道を除いてノネズミによる林業被害は大きな問題となっておらず、ムクゲネズミは環境省のレッドリストで準絶滅危惧とされるなど、生息範囲は限られている状況です。一般的には、カラマツやスギが被害を受けやすく、これらに比べるとグイマツ、アカエゾマツ、トドマツは被害を受けにくいですが、いずれの樹種にも被害の発生が報告されています。 また、ノウサギによる森林被害については、広範囲にわたって枯死するような被害はまれで、報告されているのは被害の一部のみだと推測されます。被害を受けても被害木が生き残っていることが多いため、実態が十分に把握されていません。 特に、広葉樹はノウサギを受けやすいと言われており、食害を受けると枯死に至らなくても誤伐などの危険性が高まるため、注意が必要です。 クマ、エゾジカによる森林被害 エゾシカは、日本列島やユーラシア大陸東部に分布するニホンジカの亜種で、日本列島のニホンジカのなかでは最も大型のものです。かつては北海道に広く分布していましたが、明治時代の乱獲や大雪により個体数が減少しました。しかし、近年は北海道の東や日高地方などに残っていた個体群が急増しています。 エゾシカによる被害は、広葉樹やカラマツ類に多く報告されています。広葉樹は植栽面積が少ないため被害面積は小さいものの、被害を受けている割合は高いといえます。エゾシカ被害を受けやすい樹種には、地域によって多少違いがあり、ある地域では被害のなかった樹種が、別の地域では集中的に食害を受けることがあるため、地域ごとに被害状況を把握する必要があります。 クマによる森林被害は、立木の樹皮を剝ぎ、壮齢木の樹皮を歯や爪で剥ぐ「クマ剥ぎ」です。立木の枯損や木材としての価値の低下等の被害を引き起こします。特に伐採適期以上の大径木の被害が顕著な傾向にあります。経済的な損失が大きいため、森林所有者らの林業経営意欲に与える影響も大きいです。 また、クマの主なエサの一つである堅果類(ミズナラ等のドングリやブナの実)は、数年周期で豊作と凶作を繰り返すため、凶作の年の場合、農地や集落への出没が増える傾向がみられます。 その他の森林被害...
森林における鳥獣被害の現状
野生鳥獣の生息域の拡大等を背景として、シカやクマ等による森林被害が深刻化しています。被害面積は、全国で約8,000ヘクタール程となっており(東京ドーム約1700個分)、このうちシカによる被害が約8割、シカ以外(ノネズミ、クマ、カモシカ、イノシシなど)による被害が残り2割を占めます(林野庁平成27年度のデータより引用)。 特に、新たに設立された林業の植地(新植地)は、これらの被害に対して脆弱です。 新植地では、比較的やわらかな葉を持つヒノキの被害が目立つものの、スギをはじめ、すべての植栽木が食害に遭います。特に広葉樹の植栽木はほとんど食べられてしまいます。これらの食害によって、樹木の発育不良、枝分かれや死滅が発生する可能性があり、造林上の大きな障害となります。 また、未来を担う稚樹を含む下層植生※が消失し、林床が裸地化してしまうことによって、土壌が流出し崩壊地が発生する等、国土にとってもさまざまな弊害が懸念されます。 森林のもつ多面的機能への影響だけでなく、森林そのものの存在自体が危ぶまれる状況にもなりかねないのです。 ※下層植生:森林において上木に対する下木(低木)や、草本類からなる植物集団のまとまりのこと。上層木とともに、その地域に特徴的な植生を示し、その土地の環境を知る上での指標となります。 また、森林被害を引き起こす獣類の増加にともない、ヤマビルやマダニの増加もみられます。ヤマビルは山地の奥地に生息していましたが、シカの分布拡大などで山麓まで生息域を拡大しています。また、マダニも野生動物が出没するような環境に多く生息する傾向があり、野生動物の増加によって被害が増えてきています。 マダニやヒルの駆除は、シカ等の獣類の増加と表裏一体であるため、急には減らせないのが現状です。 シカによる森林被害 シカは、どちらかというと山中よりも平坦地を好むため、昔は山の中よりも平坦地に数多く生息していました。しかし、人間の開発等によって、シカは山中で生息するようになりました。食料となる下層植生が豊富にある伐採跡地や、姿を隠せる樹林がまばらに存在するような森林環境を好みます。 また、尾根沿いの平坦地や、陽当たりの良い緩斜面を好み、そのような場所での森林被害が目立ちます。 シカの生息分布は戦後大きく拡大しており、1978年から始まった調査によると、36年のあいだに分布域を約2.5倍に拡大しています。 特に東北地方や日本海側などの積雪の多い地域の拡大が目立ちます。シカは繁殖力が高く、エサの条件がよければメスは毎年妊娠するため、捕獲しないと年率約20%で増加し、4~5年で個体数は倍増すると言われています。 シカの個体数は、平成25(2013)年度末のデータで300万頭を超えており、平成元(1989)年の個体数のなんと10倍に迫る増加を示しています(林野庁データを引用)。さらに、現在の捕獲率では、10年後(平成35年度)には453万頭と1.5倍に増加することが予測されています。 森林におけるシカ被害としては、更新地等での植栽木等の食害があります。 シカの生息密度が高いエリアの森林では、シカは飢えれば何でも食べるので、シカの口が届く高さの枝葉や樹皮、さらには下層植生がほとんど消失してしまっている場合もあります。 またシカによる樹皮の剥ぎ取りも森林被害として深刻な問題です。剥皮は、シカが樹皮や形成層を食べることによるものと、オスの角こすりによるものがあります。剥皮によって傷ついた樹木は感染する可能性があり、また傷ついた樹木の下部が多く傷つくため、樹木の最も貴重な部分の品質が低下してしまい、林業家にとっても深刻な問題となっています。 シカ以外による森林被害 シカによる被害に比べると、割合は多くありませんが、クマやノネズミ、ノウサギ、エゾジカなどによる森林被害もあります。 ノネズミ、ノウサギによる森林被害 野ネズミのうち、被害をもたらすのはエゾヤチネズミとムクゲネズミで、植栽木の樹皮及び地下の根等の摂食などによる食害です。エゾヤチネズミは、ユーラシア大陸に広く分布するタイリクヤチネズミの亜種で、日本では北海道だけに生息しています。 日本では、北海道を除いてノネズミによる林業被害は大きな問題となっておらず、ムクゲネズミは環境省のレッドリストで準絶滅危惧とされるなど、生息範囲は限られている状況です。一般的には、カラマツやスギが被害を受けやすく、これらに比べるとグイマツ、アカエゾマツ、トドマツは被害を受けにくいですが、いずれの樹種にも被害の発生が報告されています。 また、ノウサギによる森林被害については、広範囲にわたって枯死するような被害はまれで、報告されているのは被害の一部のみだと推測されます。被害を受けても被害木が生き残っていることが多いため、実態が十分に把握されていません。 特に、広葉樹はノウサギを受けやすいと言われており、食害を受けると枯死に至らなくても誤伐などの危険性が高まるため、注意が必要です。 クマ、エゾジカによる森林被害 エゾシカは、日本列島やユーラシア大陸東部に分布するニホンジカの亜種で、日本列島のニホンジカのなかでは最も大型のものです。かつては北海道に広く分布していましたが、明治時代の乱獲や大雪により個体数が減少しました。しかし、近年は北海道の東や日高地方などに残っていた個体群が急増しています。 エゾシカによる被害は、広葉樹やカラマツ類に多く報告されています。広葉樹は植栽面積が少ないため被害面積は小さいものの、被害を受けている割合は高いといえます。エゾシカ被害を受けやすい樹種には、地域によって多少違いがあり、ある地域では被害のなかった樹種が、別の地域では集中的に食害を受けることがあるため、地域ごとに被害状況を把握する必要があります。 クマによる森林被害は、立木の樹皮を剝ぎ、壮齢木の樹皮を歯や爪で剥ぐ「クマ剥ぎ」です。立木の枯損や木材としての価値の低下等の被害を引き起こします。特に伐採適期以上の大径木の被害が顕著な傾向にあります。経済的な損失が大きいため、森林所有者らの林業経営意欲に与える影響も大きいです。 また、クマの主なエサの一つである堅果類(ミズナラ等のドングリやブナの実)は、数年周期で豊作と凶作を繰り返すため、凶作の年の場合、農地や集落への出没が増える傾向がみられます。 その他の森林被害...
イノシシ対策~何をすればよいのか?【市街地編】
目次 1何から始める?市街地のイノシシ対策 1イノシシの目撃情報はあるが、普段の生活で遭遇したり人身被害が発生する可能性が低い場合 2普段の生活で遭遇したり人身被害が発生する可能性がある場合 3人身被害が発生する可能性が高く、緊急対処が必要な場合 猪(イノシシ)は数を減らしていると思っている人も多いですが、そうではありません。 2013年度末のデータでは、イノシシはおよそ98万頭いると推定され、平成元年の個体数の3倍以上となっています。その被害は深刻化・広域化しており、市街地でも「庭を荒らす」「生ゴミをあさる」「イノシシに買い物袋を奪われる」などといった被害が報告されるようになっています。 またイノシシに襲われることによる人身被害の危険もあります。イノシシは、本来神経質で臆病な性質ですが、非常に突進力が強く大人でも跳ね飛ばされて大けがを負う危険があります。自宅庭先で人が襲われて死亡するという事故まで発生しています(クリックすると朝日新聞記事にジャンプします)。 そのため、市街地でイノシシの目撃情報があれば、行政と住民が協力した対策が必要になりますが、やり方を誤ると重篤な人身事故が起こる可能性もあります。 安全を確保しつつ成果をあげるためには、どのような対処・対策を実施すればよいのでしょうか? 何から始める?市街地のイノシシ対策 市街地における対策は、人身被害の起こるリスクに応じて内容が変わります。ケース別に対処・対策の内容とコツを挙げていきます。 1. イノシシの目撃情報はあるが、普段の生活で遭遇したり人身被害が発生する可能性が低い場合 住宅地から離れた山中や農地にて、単発的に目撃情報があるような状況です。 人間に対するイノシシの警戒心は比較的高い状態ですので、めったに人前には姿を現さないでしょう。 まずは耕作放棄地などの荒れ地をメンテナンスすること、必要に応じて農地への侵入防止を行うこと、イノシシを捕獲するのに適した場所があれば、「箱罠」等を用いて捕獲するといった対策が必要になります。 別記事で詳しく説明していますので、そちらを参照ください。 2. 普段の生活で遭遇したり人身被害が発生する可能性がある場合 イノシシが人の生活圏にあるものを餌と認識し、出没している状態です。 この場合、住宅地や集落に近い農地の中でも同一エリアでイノシシの目撃情報が多発します。このような状況に至るまでには、地域住民の餌付け行為、もしくは無意識にイノシシに餌を与える行為(例:生ごみを放置する)が必ずあります。 特に意図的にイノシシに餌を与えている場合、イノシシは人を恐れず大胆になります。その結果、イノシシが人を襲うようになり人身事故が発生することになります。 イノシシに買い物袋を奪われる、体当たりされる、噛まれる、庭を掘り返される、ごみステーションが荒らされる、といったことが報告されるまでになると、人に積極的に近づいてくる状態ですので非常に重篤な状態です。 まずやるべきことは、その地域に住む住民の理解を得ることです。 住民への啓蒙活動 とにかく餌を与えてはいけない(あるいは餌となるものを放置しない)ことを、住民が理解・徹底することが重要です。ゴミ出しルールを厳格に遵守することも必要です。 なお地域住民の中には、動物愛護の考え方(飢えた動物に餌をあげることが愛護に通じるという考え方)をもっている人もいます。 このような人は、餌付けをしないようにすることや、対策・駆除行為をすることに抵抗を感じます。こうした考え方をもつ人に対しては、正しい情報を理解してもらう必要があります。 イノシシが人を恐れなくなると人を襲うようになり、重篤な事件につながる恐れがあること、その結果駆除しなければならない数が増えてしまうことをチラシや説明を通じてきちんと理解してもらいましょう。...
イノシシ対策~何をすればよいのか?【市街地編】
目次 1何から始める?市街地のイノシシ対策 1イノシシの目撃情報はあるが、普段の生活で遭遇したり人身被害が発生する可能性が低い場合 2普段の生活で遭遇したり人身被害が発生する可能性がある場合 3人身被害が発生する可能性が高く、緊急対処が必要な場合 猪(イノシシ)は数を減らしていると思っている人も多いですが、そうではありません。 2013年度末のデータでは、イノシシはおよそ98万頭いると推定され、平成元年の個体数の3倍以上となっています。その被害は深刻化・広域化しており、市街地でも「庭を荒らす」「生ゴミをあさる」「イノシシに買い物袋を奪われる」などといった被害が報告されるようになっています。 またイノシシに襲われることによる人身被害の危険もあります。イノシシは、本来神経質で臆病な性質ですが、非常に突進力が強く大人でも跳ね飛ばされて大けがを負う危険があります。自宅庭先で人が襲われて死亡するという事故まで発生しています(クリックすると朝日新聞記事にジャンプします)。 そのため、市街地でイノシシの目撃情報があれば、行政と住民が協力した対策が必要になりますが、やり方を誤ると重篤な人身事故が起こる可能性もあります。 安全を確保しつつ成果をあげるためには、どのような対処・対策を実施すればよいのでしょうか? 何から始める?市街地のイノシシ対策 市街地における対策は、人身被害の起こるリスクに応じて内容が変わります。ケース別に対処・対策の内容とコツを挙げていきます。 1. イノシシの目撃情報はあるが、普段の生活で遭遇したり人身被害が発生する可能性が低い場合 住宅地から離れた山中や農地にて、単発的に目撃情報があるような状況です。 人間に対するイノシシの警戒心は比較的高い状態ですので、めったに人前には姿を現さないでしょう。 まずは耕作放棄地などの荒れ地をメンテナンスすること、必要に応じて農地への侵入防止を行うこと、イノシシを捕獲するのに適した場所があれば、「箱罠」等を用いて捕獲するといった対策が必要になります。 別記事で詳しく説明していますので、そちらを参照ください。 2. 普段の生活で遭遇したり人身被害が発生する可能性がある場合 イノシシが人の生活圏にあるものを餌と認識し、出没している状態です。 この場合、住宅地や集落に近い農地の中でも同一エリアでイノシシの目撃情報が多発します。このような状況に至るまでには、地域住民の餌付け行為、もしくは無意識にイノシシに餌を与える行為(例:生ごみを放置する)が必ずあります。 特に意図的にイノシシに餌を与えている場合、イノシシは人を恐れず大胆になります。その結果、イノシシが人を襲うようになり人身事故が発生することになります。 イノシシに買い物袋を奪われる、体当たりされる、噛まれる、庭を掘り返される、ごみステーションが荒らされる、といったことが報告されるまでになると、人に積極的に近づいてくる状態ですので非常に重篤な状態です。 まずやるべきことは、その地域に住む住民の理解を得ることです。 住民への啓蒙活動 とにかく餌を与えてはいけない(あるいは餌となるものを放置しない)ことを、住民が理解・徹底することが重要です。ゴミ出しルールを厳格に遵守することも必要です。 なお地域住民の中には、動物愛護の考え方(飢えた動物に餌をあげることが愛護に通じるという考え方)をもっている人もいます。 このような人は、餌付けをしないようにすることや、対策・駆除行為をすることに抵抗を感じます。こうした考え方をもつ人に対しては、正しい情報を理解してもらう必要があります。 イノシシが人を恐れなくなると人を襲うようになり、重篤な事件につながる恐れがあること、その結果駆除しなければならない数が増えてしまうことをチラシや説明を通じてきちんと理解してもらいましょう。...
ICTを活用した鳥獣害対策
鳥獣害対策の担い手不足を補おうと新技術導入が広がっている。農水省の調査の結果、情報通信技術(ICT)を駆使した鳥獣害対策に42道府県312市町村が取り組んでいることが分かった。 鳥獣害対策としてのドローン導入や、遠隔監視によって設置した罠の捕獲状況を確認する手間を削減したり、おりに獣が入ったら遠隔操作で閉める等、作業の効率化が期待され、今後ICT活用はさらに広がる見通しだ。
ICTを活用した鳥獣害対策
鳥獣害対策の担い手不足を補おうと新技術導入が広がっている。農水省の調査の結果、情報通信技術(ICT)を駆使した鳥獣害対策に42道府県312市町村が取り組んでいることが分かった。 鳥獣害対策としてのドローン導入や、遠隔監視によって設置した罠の捕獲状況を確認する手間を削減したり、おりに獣が入ったら遠隔操作で閉める等、作業の効率化が期待され、今後ICT活用はさらに広がる見通しだ。