【週刊】鳥獣被害対策

非常に困った。鳩の被害事例
4月から6月にかけては、鳩の被害が最も増える季節です。被害を受けていないうちは鳩の存在に対して何とも思わないのですが、実際に被害を受けると非常に悩ましい存在に感じるようになります。 よくある鳩の被害内容 鳩が人間に与える被害の多くは、糞と鳴き声です。まだ軽度であれば、特に深刻な被害に感じられませんが、重篤になってくると精神的な被害だけでなく、経済的・身体的にも被害を受ける可能性があります。 鳩はたくさん糞をする 鳩は非常に大食漢で、一日に体重の1割ほどの量の餌を食べます。体重60キロの人間でいうと、毎日6キロほどの食事をする換算になります。人間の1回の平均食事量は、800グラム~1キロ程と言われますので、毎日5~6回食事を取るのと同じようなものです。 食べる量が多いということは、その分排出される量も多いということ。鳩の糞の量は他の鳥と比べても多く、また気に入った場所に長く滞在する習性があります。さらに、鳩自身は自分の糞が周りにあると安心する習性もあります。そのため、一定の場所に大量の糞や抜けた羽が堆積するということも珍しくありません。 また、鳩は気に入った場所に執着する強い習性があります。糞を清掃する際に鳩を追い出そうとすると、非常に臭い糞をしながら動き回るものの、なかなかその場所から離れようとしません。 以下の動画では、ベランダの室外機に執着する鳩が糞をまき散らしながら歩き回るものの、なかなか逃げない様子が確認できます。なんとかベランダから追い出しても、鳩は遠巻きからこちらを観察しており、ベランダに戻ることを諦めずに機会を伺っている様子もみられます。 鳩の糞が媒介する病気 “rats with wings(羽のあるネズミ・空飛ぶネズミ)”という言葉があります。これは、1980年のアメリカ映画「スターダスト・メモリー(原題:Stardust Memories)」で主演のウディ・アレンが野生の鳩に対して放った言葉です。 このような呼び方をされる理由は、鳩が媒介する病原菌にあります。多くの場合、病原菌を含んだ鳩の糞が乾燥して粒子状になり、人体に吸い込まれたり傷口や粘膜に付着した結果、感染が起こります。 野生鳥獣は様々な病原菌をもっていますが、中でも鳩は大量に糞をすること、群れること、人間の生活エリア付近にいることから、病気を媒介するリスクが高いのです。 また、鳩に寄生するダニや吸血性の昆虫によって人間が被害を受ける可能性もあります。 鳩が媒介する病原菌や寄生虫によって、人間が重篤な健康被害を受けるケースは稀ですが、免疫力が弱い人は影響を受けやすくなるので、注意が必要です。 ★こちらの記事も参考ください。 本当は怖い。鳩の糞害について 糞は金属やコンクリートを腐食させる 人間は体内のアンモニアを尿素として排出しますが、鳥類は難水性の尿酸として糞と一緒に排出します。水に溶けにくい糞であるため、雨風があってもこびりついたままとなりやすく、糞に含まれる酸性分によって金属や塗装の腐食やコンクリートの劣化を引き起こす場合があります。 2007年にアメリカのミネソタ州ミネアポリスで起きた橋の崩落事故は、橋げたなどに溜まったハトの糞が鉄骨を腐食させたことが原因という説もあるほど。 長期間付着するほど劣化が起こりやすく、事故や資産価値の低下につながる可能性もあるので、重篤化する前に対処しておくことが大切です。 鳩の羽音や鳴き声による騒音 鳩が人間の生活エリア近くにいると、「ホー、ホー」「ボーボー、ポッポー」と鳴き声が聞こえることがあります。 これは繁殖期に雄が雌を呼ぶための声であったり、縄張りを主張するための鳴き声です。 たまに聞こえる程度であれば気にならないのですが、家や事務所に住み着かれた場合、耳障りの範囲を超えて騒音ともいえる状況になります。 静かな場所で急に「バサバサッ」といった羽音が間近で聞こえたり、朝早くから元気よく鳴き声が聞こえたりすることが頻繁に起こると、かなりのストレスになります。 鳩被害が起こる理由 鳩の被害件数がピークになるのは5月から6月にかけて。また被害場所の約8割が個人宅で、ベランダや屋根における糞害が多くの割合を占めます。...
非常に困った。鳩の被害事例
4月から6月にかけては、鳩の被害が最も増える季節です。被害を受けていないうちは鳩の存在に対して何とも思わないのですが、実際に被害を受けると非常に悩ましい存在に感じるようになります。 よくある鳩の被害内容 鳩が人間に与える被害の多くは、糞と鳴き声です。まだ軽度であれば、特に深刻な被害に感じられませんが、重篤になってくると精神的な被害だけでなく、経済的・身体的にも被害を受ける可能性があります。 鳩はたくさん糞をする 鳩は非常に大食漢で、一日に体重の1割ほどの量の餌を食べます。体重60キロの人間でいうと、毎日6キロほどの食事をする換算になります。人間の1回の平均食事量は、800グラム~1キロ程と言われますので、毎日5~6回食事を取るのと同じようなものです。 食べる量が多いということは、その分排出される量も多いということ。鳩の糞の量は他の鳥と比べても多く、また気に入った場所に長く滞在する習性があります。さらに、鳩自身は自分の糞が周りにあると安心する習性もあります。そのため、一定の場所に大量の糞や抜けた羽が堆積するということも珍しくありません。 また、鳩は気に入った場所に執着する強い習性があります。糞を清掃する際に鳩を追い出そうとすると、非常に臭い糞をしながら動き回るものの、なかなかその場所から離れようとしません。 以下の動画では、ベランダの室外機に執着する鳩が糞をまき散らしながら歩き回るものの、なかなか逃げない様子が確認できます。なんとかベランダから追い出しても、鳩は遠巻きからこちらを観察しており、ベランダに戻ることを諦めずに機会を伺っている様子もみられます。 鳩の糞が媒介する病気 “rats with wings(羽のあるネズミ・空飛ぶネズミ)”という言葉があります。これは、1980年のアメリカ映画「スターダスト・メモリー(原題:Stardust Memories)」で主演のウディ・アレンが野生の鳩に対して放った言葉です。 このような呼び方をされる理由は、鳩が媒介する病原菌にあります。多くの場合、病原菌を含んだ鳩の糞が乾燥して粒子状になり、人体に吸い込まれたり傷口や粘膜に付着した結果、感染が起こります。 野生鳥獣は様々な病原菌をもっていますが、中でも鳩は大量に糞をすること、群れること、人間の生活エリア付近にいることから、病気を媒介するリスクが高いのです。 また、鳩に寄生するダニや吸血性の昆虫によって人間が被害を受ける可能性もあります。 鳩が媒介する病原菌や寄生虫によって、人間が重篤な健康被害を受けるケースは稀ですが、免疫力が弱い人は影響を受けやすくなるので、注意が必要です。 ★こちらの記事も参考ください。 本当は怖い。鳩の糞害について 糞は金属やコンクリートを腐食させる 人間は体内のアンモニアを尿素として排出しますが、鳥類は難水性の尿酸として糞と一緒に排出します。水に溶けにくい糞であるため、雨風があってもこびりついたままとなりやすく、糞に含まれる酸性分によって金属や塗装の腐食やコンクリートの劣化を引き起こす場合があります。 2007年にアメリカのミネソタ州ミネアポリスで起きた橋の崩落事故は、橋げたなどに溜まったハトの糞が鉄骨を腐食させたことが原因という説もあるほど。 長期間付着するほど劣化が起こりやすく、事故や資産価値の低下につながる可能性もあるので、重篤化する前に対処しておくことが大切です。 鳩の羽音や鳴き声による騒音 鳩が人間の生活エリア近くにいると、「ホー、ホー」「ボーボー、ポッポー」と鳴き声が聞こえることがあります。 これは繁殖期に雄が雌を呼ぶための声であったり、縄張りを主張するための鳴き声です。 たまに聞こえる程度であれば気にならないのですが、家や事務所に住み着かれた場合、耳障りの範囲を超えて騒音ともいえる状況になります。 静かな場所で急に「バサバサッ」といった羽音が間近で聞こえたり、朝早くから元気よく鳴き声が聞こえたりすることが頻繁に起こると、かなりのストレスになります。 鳩被害が起こる理由 鳩の被害件数がピークになるのは5月から6月にかけて。また被害場所の約8割が個人宅で、ベランダや屋根における糞害が多くの割合を占めます。...

運搬作業がラクラク!電動一輪車(手押し車)の特徴を解説
一輪車(ねこ車・手押し車)は、農作業や土木作業をはじめとして各種運搬作業に広く用いられていますが、電気によるアシスト機能を搭載したものがあるのをご存じでしょうか? 動力が電気になることで、作業負担を大きく軽減させることができます。 電動一輪車(手押し車)の特徴 一輪車とは、ご存じの通り前方にタイヤが一輪付いた手押し式の台車のことで、「手押し車」や「ねこ車」とも呼ばれています。 直接手で運ぶには労力がかかるけれども、重機を使うほどでもないような物を運搬する場合に活躍します。特に、車が侵入できないような場所での運搬作業に適しています。 通常は人の手で押して動かす一輪車ですが、作業が楽になると人気を集めているのが電動のタイプです。バッテリー駆動の電動モーターがタイヤの回転をアシストするので、通常よりも格段に少ない力で、多くの荷物を一度に運ぶことができます。 また、エンジン式ではなく電動式なので、音が静かで住宅地や夜間における作業も安心して行うことができます。 農作業はもちろん鳥獣の運搬作業でも活躍 重い物資を運ぶ機会が多い農作業や工事現場では軽自動車の出番が多いですが、軽自動車で土や砂など粒子状のものを運ぶのは専用の荷台がない限り不得手です。 また、山林や畑だと車の侵入が難しいエリアも多くあります。このような現場では一輪車を非常に重宝しますが、人力手押しでの作業は負担が大きく、作業時間もかさんでしまいます。 その点電動一輪車は、アシスト機能で運搬作業が大幅に軽減。女性やご高齢の方でも使いやすく、作業効率を高めることができます。 実際に購入されたお客様からは、農作物の運搬、除雪作業の雪の運搬のほか、アウトドアで薪の運搬等にも重宝するとの声をいただいています。 上記のような一般的な用途以外にも、狩猟で捕獲した獲物を山中から車まで運ぶのに使っている方もいらっしゃいます。イノシシやシカはそれなりに重量があるため、人の手による山中の運搬はかなりの労力がかかりますが、電動一輪車を使えば労力を軽減させることができます。 ただし、あくま一輪車ですので、荷物を積載する際は左右のバランスに注意する必要がありますし、電動式なので悪路の走破性能に優れているわけではない点は念頭に置いておく必要があります。 電動一輪車の種類 電動一輪車には、大きく2つの種類があります。 1.一体型 一体型は、一輪車そのものに電動の機能が搭載されたタイプです。市場でも「電動一輪車」や「充電式運搬車」といった名称で販売されています。 商品の種類や規格によって積載量や荷台のタイプ(バケットやパイプフレーム)、バッテリーの稼働時間などを選ぶことができ、用途に合わせて選ぶことができます。 2.取り付け型 電動アシストキット一式を購入して、普段から使用している一輪車に取付けて使用するタイプです。モーター内蔵の専用タイヤやバッテリー、コントローラーバッグなどがキットに付属しています。 一般的なタイヤ規格の一輪車なら概ね取り付けることができるため、使い慣れた一輪車を手軽に電動化することができます。 ▶イノホイおすすめの電動一輪車はこちら 電動一輪車を選ぶときのポイント 商品によっては悪路や泥濘、起伏に弱いものがあります。ほとんどの場合、販売ページなどで走行速度や最大積載量、登坂性能(登坂可能な傾斜の大きさ)等が記載されていますので、走行性能を予め確認しておくと良いでしょう。 他にも、バッテリーの稼働時間、一体型の場合は車両サイズ(作業環境に適しているか)を事前にチェックしておきましょう。 また、取り付け型の電動一輪車の場合、お使いの一輪車のサイズをチェックし、取り付け可能な車両かどうかを必ずチェックしておきましょう。
運搬作業がラクラク!電動一輪車(手押し車)の特徴を解説
一輪車(ねこ車・手押し車)は、農作業や土木作業をはじめとして各種運搬作業に広く用いられていますが、電気によるアシスト機能を搭載したものがあるのをご存じでしょうか? 動力が電気になることで、作業負担を大きく軽減させることができます。 電動一輪車(手押し車)の特徴 一輪車とは、ご存じの通り前方にタイヤが一輪付いた手押し式の台車のことで、「手押し車」や「ねこ車」とも呼ばれています。 直接手で運ぶには労力がかかるけれども、重機を使うほどでもないような物を運搬する場合に活躍します。特に、車が侵入できないような場所での運搬作業に適しています。 通常は人の手で押して動かす一輪車ですが、作業が楽になると人気を集めているのが電動のタイプです。バッテリー駆動の電動モーターがタイヤの回転をアシストするので、通常よりも格段に少ない力で、多くの荷物を一度に運ぶことができます。 また、エンジン式ではなく電動式なので、音が静かで住宅地や夜間における作業も安心して行うことができます。 農作業はもちろん鳥獣の運搬作業でも活躍 重い物資を運ぶ機会が多い農作業や工事現場では軽自動車の出番が多いですが、軽自動車で土や砂など粒子状のものを運ぶのは専用の荷台がない限り不得手です。 また、山林や畑だと車の侵入が難しいエリアも多くあります。このような現場では一輪車を非常に重宝しますが、人力手押しでの作業は負担が大きく、作業時間もかさんでしまいます。 その点電動一輪車は、アシスト機能で運搬作業が大幅に軽減。女性やご高齢の方でも使いやすく、作業効率を高めることができます。 実際に購入されたお客様からは、農作物の運搬、除雪作業の雪の運搬のほか、アウトドアで薪の運搬等にも重宝するとの声をいただいています。 上記のような一般的な用途以外にも、狩猟で捕獲した獲物を山中から車まで運ぶのに使っている方もいらっしゃいます。イノシシやシカはそれなりに重量があるため、人の手による山中の運搬はかなりの労力がかかりますが、電動一輪車を使えば労力を軽減させることができます。 ただし、あくま一輪車ですので、荷物を積載する際は左右のバランスに注意する必要がありますし、電動式なので悪路の走破性能に優れているわけではない点は念頭に置いておく必要があります。 電動一輪車の種類 電動一輪車には、大きく2つの種類があります。 1.一体型 一体型は、一輪車そのものに電動の機能が搭載されたタイプです。市場でも「電動一輪車」や「充電式運搬車」といった名称で販売されています。 商品の種類や規格によって積載量や荷台のタイプ(バケットやパイプフレーム)、バッテリーの稼働時間などを選ぶことができ、用途に合わせて選ぶことができます。 2.取り付け型 電動アシストキット一式を購入して、普段から使用している一輪車に取付けて使用するタイプです。モーター内蔵の専用タイヤやバッテリー、コントローラーバッグなどがキットに付属しています。 一般的なタイヤ規格の一輪車なら概ね取り付けることができるため、使い慣れた一輪車を手軽に電動化することができます。 ▶イノホイおすすめの電動一輪車はこちら 電動一輪車を選ぶときのポイント 商品によっては悪路や泥濘、起伏に弱いものがあります。ほとんどの場合、販売ページなどで走行速度や最大積載量、登坂性能(登坂可能な傾斜の大きさ)等が記載されていますので、走行性能を予め確認しておくと良いでしょう。 他にも、バッテリーの稼働時間、一体型の場合は車両サイズ(作業環境に適しているか)を事前にチェックしておきましょう。 また、取り付け型の電動一輪車の場合、お使いの一輪車のサイズをチェックし、取り付け可能な車両かどうかを必ずチェックしておきましょう。

モグラの生態や農作物被害への対策・撃退方法
一般的には小さく可愛らしいイメージがあるモグラですが、農業や家庭菜園を営む方にとっては、穴を掘って地中に巣を作ることによって根を切られたり、苗を倒されたり、畑や庭をボコボコにされたりする点で厄介者ともいえます。 特に、気温が上がってくる季節になると、畑などにモグラの穴が多く掘られていることに気づく農家の方も多いのではないでしょうか? 今回は、モグラの生態や農作物被害の現状、被害を予防・防止するための対策や撃退方法について解説します。 モグラの生態 モグラはモグラ科に属する哺乳類で、日本を含む北半球で広く生息しています。体長は12~18cm程度で、種類によっては20cm程度まで成長します。 見た目は全身が細かい毛で覆われており、濃い褐色や黒褐色が特徴。体毛に覆われていない鼻先と手足の部分はピンク色をしています。 日本国内には固有種を含め数種類のモグラが生息しており、中でもコウベモグラとアズマモグラは代表的な種類です。主にコウベモグラは西日本に、アズマモグラは東日本に生息しています。 湿潤した土壌の多い平野部において、最も生息密度が高いです。 モグラは生涯を通してほぼ土の中で生活するため、土をかき分けやすいよう前足が大きく成長する特徴を持っています。シャベル状の平べったい形状に鋭い爪があり、トンネルを掘り進めて餌を探します。前足が下向きではなく横向きに生えているのも、土中での生活に適応するための進化の1つです。 嗅覚と聴覚が非常に優れている モグラは生涯のほとんどを暗い土の中で暮らすため、視力が退化しています。 逆に、嗅覚と聴覚は優れています。 とくに鼻の「アイマー器官」という部分が発達しており、土の中の振動を敏感にキャッチします。餌を探す際はこの感覚器官を有効に活用して獲物を探します。 また、あまり知られていませんが泳ぐのも得意としており、田んぼや用水路を泳ぐ姿が目撃されます。 食性は肉食で、地中にいるミミズやカエル、コガネムシの幼虫などを好んで食べます。唾液に麻痺毒を含む種類のモグラも存在し、餌を生きたまま巣穴に貯蔵する特性もあります。 餌を探すために一日に50メートル以上トンネルを掘るとも言われており、1分間で30cm程度のスピードでとにかく掘りまくります。 そのためカロリー消費が激しく、1日に体重の約半分もの餌を摂取するほど食欲旺盛です。蛾の幼虫や、ジムカデ類、ヒル類なども食べます。12時間なにも食べないと餓死するほど飢餓に弱く、餌が無い状態だと簡単に死んでしまいます。 縄張り意識がとても高く、生息数が多いエリアでは、縄張り争いによって追い出されたモグラが飢え死にしていることも多く見られます。 モグラによる農業被害の現状 他の野生鳥獣に比べ個体のサイズは比較的小さいモグラですが、農業被害は深刻です。農林水産省が発表した平成29年度の調査によると、モグラによる農業被害額は年間1,428万円。イノシシやシカに比べれば被害額は小さいですが、被害に遭った際の苦労は大きく、決して無視できない数字です。 ちなみに、モグラは肉食なため農作物を直接食べることはありません。そのため、地上の農作物に被害が発生するのではなく、地中や地表において被害が発生します。野菜などに齧られた痕跡があれば、それはモグラの仕業ではなく、ネズミ等ほかの動物の仕業です。 具体的には、トンネルを掘る過程で野菜の根が切られてしまうケースや、植え付けた苗が倒れてしまう被害が見られます。また、水田ではモグラの掘った穴に水が流れ込んでしまい、畦(あぜ)が崩壊する恐れがあります。 その他にも、「モグラの掘ったトンネルを通ってネズミが農作物を荒らす」「土の保水率が低下して生育が悪くなる」「ミミズが少なくなることで農作地の環境が悪くなる」といった農業被害が挙げられます。 いずれも、直接農作物を食い荒らすものではありませんが、農作地の環境が悪化すれば、作物の品質が下がってしまいます。結果として商品売上等にも影響するため、きちんと対策を講じることが大切です。 モグラ対策を行うまえに 農作物への被害を減らすには、モグラを撃退するための対策を講じる必要がありますが、効果的な対策を実施するためには、事前にモグラの住処がどのような状況になっているか調べます。 事前の準備 モグラへの対策を講じる前には、事前準備としてモグラが頻繁に通るトンネル(本道)を見つけておくことが大切です。 モグラは土の中に「餌を捕る場所」「餌を蓄える場所」「侵入者から身を隠す場所」など、複数の部屋を作り巣を構成しています。この主要な部屋を行き来するためのトンネルを『本道(本管)』と呼び、それ以外に餌を探すために掘ったトンネルを『支道(支管)』と呼びます。 本道は1日に何度も使用しますが、支道はめったに使用せず一度きりに終わることも少なくありません。そこでモグラ対策を講じるには、モグラが頻繁に使用する本道を見つけ、ピンポイントで対策を講じることが重要となってきます。...
モグラの生態や農作物被害への対策・撃退方法
一般的には小さく可愛らしいイメージがあるモグラですが、農業や家庭菜園を営む方にとっては、穴を掘って地中に巣を作ることによって根を切られたり、苗を倒されたり、畑や庭をボコボコにされたりする点で厄介者ともいえます。 特に、気温が上がってくる季節になると、畑などにモグラの穴が多く掘られていることに気づく農家の方も多いのではないでしょうか? 今回は、モグラの生態や農作物被害の現状、被害を予防・防止するための対策や撃退方法について解説します。 モグラの生態 モグラはモグラ科に属する哺乳類で、日本を含む北半球で広く生息しています。体長は12~18cm程度で、種類によっては20cm程度まで成長します。 見た目は全身が細かい毛で覆われており、濃い褐色や黒褐色が特徴。体毛に覆われていない鼻先と手足の部分はピンク色をしています。 日本国内には固有種を含め数種類のモグラが生息しており、中でもコウベモグラとアズマモグラは代表的な種類です。主にコウベモグラは西日本に、アズマモグラは東日本に生息しています。 湿潤した土壌の多い平野部において、最も生息密度が高いです。 モグラは生涯を通してほぼ土の中で生活するため、土をかき分けやすいよう前足が大きく成長する特徴を持っています。シャベル状の平べったい形状に鋭い爪があり、トンネルを掘り進めて餌を探します。前足が下向きではなく横向きに生えているのも、土中での生活に適応するための進化の1つです。 嗅覚と聴覚が非常に優れている モグラは生涯のほとんどを暗い土の中で暮らすため、視力が退化しています。 逆に、嗅覚と聴覚は優れています。 とくに鼻の「アイマー器官」という部分が発達しており、土の中の振動を敏感にキャッチします。餌を探す際はこの感覚器官を有効に活用して獲物を探します。 また、あまり知られていませんが泳ぐのも得意としており、田んぼや用水路を泳ぐ姿が目撃されます。 食性は肉食で、地中にいるミミズやカエル、コガネムシの幼虫などを好んで食べます。唾液に麻痺毒を含む種類のモグラも存在し、餌を生きたまま巣穴に貯蔵する特性もあります。 餌を探すために一日に50メートル以上トンネルを掘るとも言われており、1分間で30cm程度のスピードでとにかく掘りまくります。 そのためカロリー消費が激しく、1日に体重の約半分もの餌を摂取するほど食欲旺盛です。蛾の幼虫や、ジムカデ類、ヒル類なども食べます。12時間なにも食べないと餓死するほど飢餓に弱く、餌が無い状態だと簡単に死んでしまいます。 縄張り意識がとても高く、生息数が多いエリアでは、縄張り争いによって追い出されたモグラが飢え死にしていることも多く見られます。 モグラによる農業被害の現状 他の野生鳥獣に比べ個体のサイズは比較的小さいモグラですが、農業被害は深刻です。農林水産省が発表した平成29年度の調査によると、モグラによる農業被害額は年間1,428万円。イノシシやシカに比べれば被害額は小さいですが、被害に遭った際の苦労は大きく、決して無視できない数字です。 ちなみに、モグラは肉食なため農作物を直接食べることはありません。そのため、地上の農作物に被害が発生するのではなく、地中や地表において被害が発生します。野菜などに齧られた痕跡があれば、それはモグラの仕業ではなく、ネズミ等ほかの動物の仕業です。 具体的には、トンネルを掘る過程で野菜の根が切られてしまうケースや、植え付けた苗が倒れてしまう被害が見られます。また、水田ではモグラの掘った穴に水が流れ込んでしまい、畦(あぜ)が崩壊する恐れがあります。 その他にも、「モグラの掘ったトンネルを通ってネズミが農作物を荒らす」「土の保水率が低下して生育が悪くなる」「ミミズが少なくなることで農作地の環境が悪くなる」といった農業被害が挙げられます。 いずれも、直接農作物を食い荒らすものではありませんが、農作地の環境が悪化すれば、作物の品質が下がってしまいます。結果として商品売上等にも影響するため、きちんと対策を講じることが大切です。 モグラ対策を行うまえに 農作物への被害を減らすには、モグラを撃退するための対策を講じる必要がありますが、効果的な対策を実施するためには、事前にモグラの住処がどのような状況になっているか調べます。 事前の準備 モグラへの対策を講じる前には、事前準備としてモグラが頻繁に通るトンネル(本道)を見つけておくことが大切です。 モグラは土の中に「餌を捕る場所」「餌を蓄える場所」「侵入者から身を隠す場所」など、複数の部屋を作り巣を構成しています。この主要な部屋を行き来するためのトンネルを『本道(本管)』と呼び、それ以外に餌を探すために掘ったトンネルを『支道(支管)』と呼びます。 本道は1日に何度も使用しますが、支道はめったに使用せず一度きりに終わることも少なくありません。そこでモグラ対策を講じるには、モグラが頻繁に使用する本道を見つけ、ピンポイントで対策を講じることが重要となってきます。...

防鳥ワイヤーを張ろう!
鳩やカラスが飛来する場所に設置して、物理的に止まりにくくするための防鳥ワイヤー。一番の特徴としては、ネットや剣山など他の防鳥対策商品と比べると、目立ちにくいという点です。そのため、景観を崩すことなく防鳥効果が出せるというメリットがあります。 防鳥ワイヤーの効果 特に鳩にいえることですが、彼らは居心地の良い場所を常にリサーチしています。そして、気に入った場所に執着しようとする縄張り本能と、追い払っても戻ってこようとする帰巣本能が非常に強いです。 執着を持った場所には長く滞在することになるので、その分糞害や鳴き声(騒音)被害が酷くなります。 よって、彼らが場所に執着しだす前のできるだけ早い段階で諦めさせることが重要になります。そのためには、彼らにとって飛来がしにくい・居心地の悪い場所にすることが必要です。 ★こちらの記事もオススメ 鳩を追い払うのに効果的な方法は? 防鳥ワイヤーは、物理的に飛来防止するための一つの手段になります。 鳩などの鳥類が場所をリサーチする時は、いったん構造物の縁に止まって、その場所の安全性や居心地、羽休みや待合のための場所として適しているのかをチェックします。 こういった場所に防鳥ワイヤーを張っておけば、物理的に止まりにくくなったり、羽を羽ばたかせる際に邪魔になったりするので、彼らにとって飛来しにくく居心地の悪い状態にすることができます。 防鳥ワイヤーの構造 防鳥ワイヤーは、支柱(支持金具・ステイとも呼ばれます)を使ってワイヤーを張る構造になっています。 ワイヤーや支柱の他には、張ったワイヤーのテンション(張力)を適正に保ったり、ワイヤー交換を容易にするためのスプリングが必要になります。 ワイヤー ワイヤーは耐食性に優れるステンレス製のワイヤーロープが使われるのが一般的です。 ワイヤーロープ径が太すぎると、鳥の種類によってはワイヤーを掴んで止まることができますので、ある程度径が小さく、かつ耐久性も問題ない径のものを選ぶ必要があります。 例えば、鳩の場合はワイヤー径が1.0mm以上になると、ワイヤー上に止まるケースが見られるようになります。一方で径が0.7mmを下回ると、強度が不足して切断や損傷によって張替えが必要となる可能性がでてきます。 そのため、鳩対策の場合は、は0.7mm~0.9mmのあいだの径を選択すると良いでしょう。 ※鳩より体の大きいカラスやウミネコの場合は、より径が太いワイヤーを使用する場合もあります。 また、体の小さいスズメなどの場合は細いワイヤー上でも掴んで止まることができるため、防鳥ワイヤーでは効果が出ないことが多いです。そのため、防鳥ネットによる侵入防止対策が取られることが多いです。 なお時折、釣り糸(テグス)をワイヤーとして張っているのを見かけますが、ステンレスと違って紫外線に弱く、鳩対策としては強度が足りないため、頻繁な張り替えが必要になる可能性があります。頻繁な張り替えが前提であれば問題ないのですが、恒久的な対策とするのであれば避けたほうが良いでしょう。 ▶鳩対策に適したワイヤーロープはこちら 設置場所に応じて支柱(支持金具・ステイ)を選ぼう 支柱(支持金具・ステイとも呼びます)は、ワイヤーを張るための支柱になります。現在販売されている支柱は、ワイヤーを2段以上張れるタイプが多いです。もちろん、1段張りよりも2段張りのほうが効果は高くなります。 支柱については、ベランダの手すりや構造物の骨組みとなるH鋼など、設置する場所の形状にあわせて、金具の形状を選択する必要があります。 設置事例としては、例えば歩道橋の橋脚に使用されるH形鋼やL形鋼にクランプ型(鋼材の厚みに合わせて噛みこませて、ボルトを締め付けることにより固定する方法)の金具を使用して支柱を設置したりします。 また、振動が生じる場所の場合は強い締め付けが可能なタイプの支柱を選択したりもします。 ▶H形鋼やL形鋼に設置するのに適したクランプは、こちら ▶振動が気になる場所なら、こちら また、パイプ型の個所に支柱を設置する場合は、パイプの外周を締め付けるような形で固定したりします。パイプ径によってはうまく締め付けができない場合があるので、あらかじめ設置場所の太さを確認し、適合する支柱を選択すると良いでしょう。...
防鳥ワイヤーを張ろう!
鳩やカラスが飛来する場所に設置して、物理的に止まりにくくするための防鳥ワイヤー。一番の特徴としては、ネットや剣山など他の防鳥対策商品と比べると、目立ちにくいという点です。そのため、景観を崩すことなく防鳥効果が出せるというメリットがあります。 防鳥ワイヤーの効果 特に鳩にいえることですが、彼らは居心地の良い場所を常にリサーチしています。そして、気に入った場所に執着しようとする縄張り本能と、追い払っても戻ってこようとする帰巣本能が非常に強いです。 執着を持った場所には長く滞在することになるので、その分糞害や鳴き声(騒音)被害が酷くなります。 よって、彼らが場所に執着しだす前のできるだけ早い段階で諦めさせることが重要になります。そのためには、彼らにとって飛来がしにくい・居心地の悪い場所にすることが必要です。 ★こちらの記事もオススメ 鳩を追い払うのに効果的な方法は? 防鳥ワイヤーは、物理的に飛来防止するための一つの手段になります。 鳩などの鳥類が場所をリサーチする時は、いったん構造物の縁に止まって、その場所の安全性や居心地、羽休みや待合のための場所として適しているのかをチェックします。 こういった場所に防鳥ワイヤーを張っておけば、物理的に止まりにくくなったり、羽を羽ばたかせる際に邪魔になったりするので、彼らにとって飛来しにくく居心地の悪い状態にすることができます。 防鳥ワイヤーの構造 防鳥ワイヤーは、支柱(支持金具・ステイとも呼ばれます)を使ってワイヤーを張る構造になっています。 ワイヤーや支柱の他には、張ったワイヤーのテンション(張力)を適正に保ったり、ワイヤー交換を容易にするためのスプリングが必要になります。 ワイヤー ワイヤーは耐食性に優れるステンレス製のワイヤーロープが使われるのが一般的です。 ワイヤーロープ径が太すぎると、鳥の種類によってはワイヤーを掴んで止まることができますので、ある程度径が小さく、かつ耐久性も問題ない径のものを選ぶ必要があります。 例えば、鳩の場合はワイヤー径が1.0mm以上になると、ワイヤー上に止まるケースが見られるようになります。一方で径が0.7mmを下回ると、強度が不足して切断や損傷によって張替えが必要となる可能性がでてきます。 そのため、鳩対策の場合は、は0.7mm~0.9mmのあいだの径を選択すると良いでしょう。 ※鳩より体の大きいカラスやウミネコの場合は、より径が太いワイヤーを使用する場合もあります。 また、体の小さいスズメなどの場合は細いワイヤー上でも掴んで止まることができるため、防鳥ワイヤーでは効果が出ないことが多いです。そのため、防鳥ネットによる侵入防止対策が取られることが多いです。 なお時折、釣り糸(テグス)をワイヤーとして張っているのを見かけますが、ステンレスと違って紫外線に弱く、鳩対策としては強度が足りないため、頻繁な張り替えが必要になる可能性があります。頻繁な張り替えが前提であれば問題ないのですが、恒久的な対策とするのであれば避けたほうが良いでしょう。 ▶鳩対策に適したワイヤーロープはこちら 設置場所に応じて支柱(支持金具・ステイ)を選ぼう 支柱(支持金具・ステイとも呼びます)は、ワイヤーを張るための支柱になります。現在販売されている支柱は、ワイヤーを2段以上張れるタイプが多いです。もちろん、1段張りよりも2段張りのほうが効果は高くなります。 支柱については、ベランダの手すりや構造物の骨組みとなるH鋼など、設置する場所の形状にあわせて、金具の形状を選択する必要があります。 設置事例としては、例えば歩道橋の橋脚に使用されるH形鋼やL形鋼にクランプ型(鋼材の厚みに合わせて噛みこませて、ボルトを締め付けることにより固定する方法)の金具を使用して支柱を設置したりします。 また、振動が生じる場所の場合は強い締め付けが可能なタイプの支柱を選択したりもします。 ▶H形鋼やL形鋼に設置するのに適したクランプは、こちら ▶振動が気になる場所なら、こちら また、パイプ型の個所に支柱を設置する場合は、パイプの外周を締め付けるような形で固定したりします。パイプ径によってはうまく締め付けができない場合があるので、あらかじめ設置場所の太さを確認し、適合する支柱を選択すると良いでしょう。...

鳩を追い払うのに効果的な方法は?
鳩が巣を作るのは3月から5月上旬あたりで、毎年この時期になると「気が付いたら、ベランダに鳩が住み着いていた・・・何とか追い払いたい」という声を多く聞くようになります。 いったん鳩に住み着かれると、自力で追い払うのは簡単ではありません。鳩には強い縄張り意識や帰巣本能(離れた場所から自分の巣の場所に戻ってこようとする本能)があり、追い払っても追い払っても元の場所に戻ってこようとするからです。 住み着かれる前に対策するのが大切 鳩に住み着かれてしまったら、お近くの鳩対策業者を呼ぶのがオススメです。 プロを呼ばずにあれこれ頑張ってみたけど、執拗に戻ってこようとする鳩の本能に負けて、結局卵を産まれてしまった・・・というケースが多いです。 卵を産まれてしまうと、個人ではどうしようもなくなってしまいます。鳩は鳥獣保護法という法律によって保護対象となっており、個人で捕らえたり卵やヒナを撤去することが禁止されているからです。 そのため、鳩が巣作りをする前に徹底的に対策してしまうのが、最もコストや労力を減らす方法になります。ここで重要になるのが、鳩の痕跡を見逃さないようにすることです。 鳩はいきなり巣を作り出すわけではなく、下見をしたうえで気に入った場所に巣を作ります。最初のうちは羽休めや待合場所として様子を伺いますが、気に入ると徐々に滞在時間が増え、寝床につかったりカップルになって巣作りの下見に来るようになったりします。 滞在時間が長くなるほどその場所に執着するようになるので、いかに初期の段階で鳩を追い払うかが勝負のポイントになります。 「なんか最近ベランダ周辺で鳩をよく見るようになったな。。。」「鳩の糞や羽がよく落ちているな。。。」等、鳩の痕跡が増えてきたと感じたら、すぐに対策をすることをオススメします。 対策内容については、こちらの記事(鳩よけ方法について、徹底解説!)に重篤度別に詳しく記載していますので、ご参照ください。 鳩を追い払うための方法 鳩を追い払うには、3つのポイントがあります。いずれも、鳩が来れないもしくは来にくくなるような環境づくりを目的としたものです。 ①糞や羽を綺麗にする 鳩は、その場所に自分の糞があると安心する性質をもっています。そのため、糞をそのままにしておくと、鳩にとってどんどん居心地のよい場所になってしまいます。糞が堆積すると臭いも凄くなりますし、衛生的にも良くありません。 ★こちらの記事もオススメ 本当は怖い。鳩の糞害について 糞をそのままにしない、少しでも糞を見かけたら綺麗にするという意識でいることが大事です。 鳩の糞にはさまざまな病原菌が潜んでいるので、清掃の際は手袋とマスクを必ず着用します。また、一度糞の清掃に使った清掃用具は処分しましょう。 乾燥して風が強い日は糞の粒子が舞い上がりやすくなるので、風が弱い日を選んで掃除すると良いでしょう。 乾いて固着している糞は少量ずつぬるま湯をかけて柔らかくし、キッチンペーパーやウエスで擦り落とします。糞が概ね取り除けたら、次亜塩素酸ナトリウムが入った消毒剤を吹きかけてしっかりと吹きます。※次亜塩素酸ナトリウムは、材質によって劣化や変色を起こすので注意しましょう。 ②物理的に防御する 鳩が巣作りしそうな場所は、物理的に防御しておきます。鳩が巣作りに好む好物件は、隙間があって雨風が防げる場所です。そういった場所には、隙間ができないように防鳥ネットを張りましょう。 そもそも飛来させないための防鳥剣山や、防鳥ワイヤーも有効です。 他にも、余計なものを置かないようにして、鳩が好みそうな空間をできるかぎり排除しておくことが重要です。例えば、ベランダについつい置きがちなダンボールや鉢などは撤去しておきましょう。 ③忌避させる 鳩の巣作り場所のターゲットとなってしまった段階になると、忌避対策単体だけでは効果が出にくくなります。 しかしながら、上記①②との組み合わせにより、より万全な対策とすることが可能です。 おすすめは忌避スプレーと固形タイプの併用です。重点的にジェルタイプを塗布するのもよいでしょう。効果が強力なプロも使用するジェルタイプ忌避剤を導入するのも良いでしょう。 巣を作られてしまったら・・・...
鳩を追い払うのに効果的な方法は?
鳩が巣を作るのは3月から5月上旬あたりで、毎年この時期になると「気が付いたら、ベランダに鳩が住み着いていた・・・何とか追い払いたい」という声を多く聞くようになります。 いったん鳩に住み着かれると、自力で追い払うのは簡単ではありません。鳩には強い縄張り意識や帰巣本能(離れた場所から自分の巣の場所に戻ってこようとする本能)があり、追い払っても追い払っても元の場所に戻ってこようとするからです。 住み着かれる前に対策するのが大切 鳩に住み着かれてしまったら、お近くの鳩対策業者を呼ぶのがオススメです。 プロを呼ばずにあれこれ頑張ってみたけど、執拗に戻ってこようとする鳩の本能に負けて、結局卵を産まれてしまった・・・というケースが多いです。 卵を産まれてしまうと、個人ではどうしようもなくなってしまいます。鳩は鳥獣保護法という法律によって保護対象となっており、個人で捕らえたり卵やヒナを撤去することが禁止されているからです。 そのため、鳩が巣作りをする前に徹底的に対策してしまうのが、最もコストや労力を減らす方法になります。ここで重要になるのが、鳩の痕跡を見逃さないようにすることです。 鳩はいきなり巣を作り出すわけではなく、下見をしたうえで気に入った場所に巣を作ります。最初のうちは羽休めや待合場所として様子を伺いますが、気に入ると徐々に滞在時間が増え、寝床につかったりカップルになって巣作りの下見に来るようになったりします。 滞在時間が長くなるほどその場所に執着するようになるので、いかに初期の段階で鳩を追い払うかが勝負のポイントになります。 「なんか最近ベランダ周辺で鳩をよく見るようになったな。。。」「鳩の糞や羽がよく落ちているな。。。」等、鳩の痕跡が増えてきたと感じたら、すぐに対策をすることをオススメします。 対策内容については、こちらの記事(鳩よけ方法について、徹底解説!)に重篤度別に詳しく記載していますので、ご参照ください。 鳩を追い払うための方法 鳩を追い払うには、3つのポイントがあります。いずれも、鳩が来れないもしくは来にくくなるような環境づくりを目的としたものです。 ①糞や羽を綺麗にする 鳩は、その場所に自分の糞があると安心する性質をもっています。そのため、糞をそのままにしておくと、鳩にとってどんどん居心地のよい場所になってしまいます。糞が堆積すると臭いも凄くなりますし、衛生的にも良くありません。 ★こちらの記事もオススメ 本当は怖い。鳩の糞害について 糞をそのままにしない、少しでも糞を見かけたら綺麗にするという意識でいることが大事です。 鳩の糞にはさまざまな病原菌が潜んでいるので、清掃の際は手袋とマスクを必ず着用します。また、一度糞の清掃に使った清掃用具は処分しましょう。 乾燥して風が強い日は糞の粒子が舞い上がりやすくなるので、風が弱い日を選んで掃除すると良いでしょう。 乾いて固着している糞は少量ずつぬるま湯をかけて柔らかくし、キッチンペーパーやウエスで擦り落とします。糞が概ね取り除けたら、次亜塩素酸ナトリウムが入った消毒剤を吹きかけてしっかりと吹きます。※次亜塩素酸ナトリウムは、材質によって劣化や変色を起こすので注意しましょう。 ②物理的に防御する 鳩が巣作りしそうな場所は、物理的に防御しておきます。鳩が巣作りに好む好物件は、隙間があって雨風が防げる場所です。そういった場所には、隙間ができないように防鳥ネットを張りましょう。 そもそも飛来させないための防鳥剣山や、防鳥ワイヤーも有効です。 他にも、余計なものを置かないようにして、鳩が好みそうな空間をできるかぎり排除しておくことが重要です。例えば、ベランダについつい置きがちなダンボールや鉢などは撤去しておきましょう。 ③忌避させる 鳩の巣作り場所のターゲットとなってしまった段階になると、忌避対策単体だけでは効果が出にくくなります。 しかしながら、上記①②との組み合わせにより、より万全な対策とすることが可能です。 おすすめは忌避スプレーと固形タイプの併用です。重点的にジェルタイプを塗布するのもよいでしょう。効果が強力なプロも使用するジェルタイプ忌避剤を導入するのも良いでしょう。 巣を作られてしまったら・・・...

鳩よけ方法について、徹底解説!
屋外でよく見る鳩は日本人にとってお馴染みの鳥ですが、人間の居住エリア付近に住み着くようになると、様々な被害を引き起こします。 例えばベランダに鳩が頻繁に出没するようになり、「ポー!ポー!」と鳴き声に悩まされるようになったり、洗濯物の近くに糞を落とすようになったり。 鳩は気に入った場所に執着する習性があり、執着レベルが高いほど被害の深刻度も増していきます。 そのため、執着レベルが高くなる前に「鳩よけ(鳩避け)」を実施する必要があります。 鳩の執着レベルを知ろう 具体的な鳩よけ対策を実施する前に、現状の鳩の執着レベルを把握することで、対策をより効果的に実施しやすくなります。 鳩がどれだけ執着しているかを知るには、鳩がその場所をどのように使っているかで分かります。下記のレベルが高いほど執着度は増し、被害も深刻になってきます。 レベル1:比較的軽度 この段階だと人によっては被害に気が付かない場合もあります。しかしながら、既にその場所は鳩の生活範囲内になっています。このレベルでは、鳩はその場所を、おもに日中の羽休めの場所として使うようになっています。 認識できる被害の例としては、「日中、ベランダや屋根で鳩を見かけることが増えた気がする」「鳴き声が気になるようになってきた」「近くで羽ばたく音をよく聞くようになった」「洗濯物が糞や羽で汚された」といったものになります。 レベル2:軽度 この段階になると、被害が目立つようになってきます。鳩はその場所を、他の鳩との待合場所として使うようになっています。レベル1と同じく、被害がみられるのは日中になりますが、徐々に長く滞在するようになってきます。 具体的な被害の内容としては、レベル1の被害がより深刻になった内容で認識されます。例としては「鳴き声がうるさい」「羽音がうるさい」「多くの糞を落とされる」「嫌な臭いがするようになった」といったものになります。 レベル3:やや重篤 この段階に至ると、日中だけでなく夕方から夜間にかけても被害が生じてきます。理由は、鳩がその場所を寝ぐらとしても使うようになるためです。 被害の例としては「鳴き声や羽音が騒音レベルでうるさい」「糞が常にある状態で、悪臭のせいで窓をあけられない」等となります。 この段階でも放っておくと、すぐに次の段階であるレベル4に至ります。 レベル4:重篤 上記レベル3の寝ぐらとしての利用からもう一段階進み、巣作りや繁殖(卵を産む)といった行動を取るようになった段階です。 つがいとなった鳩が、その場所を子育てのための巣作りに最適な場所と判断した結果、帰巣本能と縄張り意識によってその場所から動こうとしません。 複数羽が常駐することになりますが、そこから卵が孵るとさらに鳩の数が増えます。鳩(ドバト)の繁殖期は3月から11月頃までと他の鳥類と比べても長く、その間で平均で5回、多い時で7回も卵を産むことがあります。 鳩の数によって糞の量も加速度的に増加しますが、ハトの糞は強酸性のため、金属部分や塗装、コンクリートなどに腐食・劣化が生じてきます。悪臭はもちろん、害虫の発生また排水管のつまりやネズミの誘引なども引き起こす可能性も出てきます。 レベル5:非常に重篤 上記の被害がその場所だけでなく、周辺の場所にも広がります。これまで被害がなかった近隣の場所でも被害がみられるようになったり、集合住宅の場合は同じ建物の多くの住民が被害を認識するようになります。 例えばマンションの場合、被害が重篤となったお部屋にプロが入って対策すると、鳩がとる行動としては、まず対策された場所にどうにかして戻れないかしばらくアタックを繰り返します。 その結果、戻れないということがわかると「隣」や「向かい」などの近場にに移動する傾向があります。 重要なのは、早期の鳩よけ(鳩避け)対策 できるだけ上記のレベルが低い段階で鳩よけを実施することが重要です。 とはいえ、レベルが低い段階でプロの業者を呼んで対策するにしても費用が高くついてしまいますし、対策によって被害が一旦やんだとしても再発する恐れがあります。 再発してその都度プロを呼ぶと費用がかさんでしまいます。そのため、毎回すべて業者任せにするのではなく、被害が軽度のうちにできる自衛的手段を知っておき、自分でできる効果的な鳩よけ対策を実施することが大切です。...
鳩よけ方法について、徹底解説!
屋外でよく見る鳩は日本人にとってお馴染みの鳥ですが、人間の居住エリア付近に住み着くようになると、様々な被害を引き起こします。 例えばベランダに鳩が頻繁に出没するようになり、「ポー!ポー!」と鳴き声に悩まされるようになったり、洗濯物の近くに糞を落とすようになったり。 鳩は気に入った場所に執着する習性があり、執着レベルが高いほど被害の深刻度も増していきます。 そのため、執着レベルが高くなる前に「鳩よけ(鳩避け)」を実施する必要があります。 鳩の執着レベルを知ろう 具体的な鳩よけ対策を実施する前に、現状の鳩の執着レベルを把握することで、対策をより効果的に実施しやすくなります。 鳩がどれだけ執着しているかを知るには、鳩がその場所をどのように使っているかで分かります。下記のレベルが高いほど執着度は増し、被害も深刻になってきます。 レベル1:比較的軽度 この段階だと人によっては被害に気が付かない場合もあります。しかしながら、既にその場所は鳩の生活範囲内になっています。このレベルでは、鳩はその場所を、おもに日中の羽休めの場所として使うようになっています。 認識できる被害の例としては、「日中、ベランダや屋根で鳩を見かけることが増えた気がする」「鳴き声が気になるようになってきた」「近くで羽ばたく音をよく聞くようになった」「洗濯物が糞や羽で汚された」といったものになります。 レベル2:軽度 この段階になると、被害が目立つようになってきます。鳩はその場所を、他の鳩との待合場所として使うようになっています。レベル1と同じく、被害がみられるのは日中になりますが、徐々に長く滞在するようになってきます。 具体的な被害の内容としては、レベル1の被害がより深刻になった内容で認識されます。例としては「鳴き声がうるさい」「羽音がうるさい」「多くの糞を落とされる」「嫌な臭いがするようになった」といったものになります。 レベル3:やや重篤 この段階に至ると、日中だけでなく夕方から夜間にかけても被害が生じてきます。理由は、鳩がその場所を寝ぐらとしても使うようになるためです。 被害の例としては「鳴き声や羽音が騒音レベルでうるさい」「糞が常にある状態で、悪臭のせいで窓をあけられない」等となります。 この段階でも放っておくと、すぐに次の段階であるレベル4に至ります。 レベル4:重篤 上記レベル3の寝ぐらとしての利用からもう一段階進み、巣作りや繁殖(卵を産む)といった行動を取るようになった段階です。 つがいとなった鳩が、その場所を子育てのための巣作りに最適な場所と判断した結果、帰巣本能と縄張り意識によってその場所から動こうとしません。 複数羽が常駐することになりますが、そこから卵が孵るとさらに鳩の数が増えます。鳩(ドバト)の繁殖期は3月から11月頃までと他の鳥類と比べても長く、その間で平均で5回、多い時で7回も卵を産むことがあります。 鳩の数によって糞の量も加速度的に増加しますが、ハトの糞は強酸性のため、金属部分や塗装、コンクリートなどに腐食・劣化が生じてきます。悪臭はもちろん、害虫の発生また排水管のつまりやネズミの誘引なども引き起こす可能性も出てきます。 レベル5:非常に重篤 上記の被害がその場所だけでなく、周辺の場所にも広がります。これまで被害がなかった近隣の場所でも被害がみられるようになったり、集合住宅の場合は同じ建物の多くの住民が被害を認識するようになります。 例えばマンションの場合、被害が重篤となったお部屋にプロが入って対策すると、鳩がとる行動としては、まず対策された場所にどうにかして戻れないかしばらくアタックを繰り返します。 その結果、戻れないということがわかると「隣」や「向かい」などの近場にに移動する傾向があります。 重要なのは、早期の鳩よけ(鳩避け)対策 できるだけ上記のレベルが低い段階で鳩よけを実施することが重要です。 とはいえ、レベルが低い段階でプロの業者を呼んで対策するにしても費用が高くついてしまいますし、対策によって被害が一旦やんだとしても再発する恐れがあります。 再発してその都度プロを呼ぶと費用がかさんでしまいます。そのため、毎回すべて業者任せにするのではなく、被害が軽度のうちにできる自衛的手段を知っておき、自分でできる効果的な鳩よけ対策を実施することが大切です。...

電気柵に必要な部品って?
田畑に害獣を侵入させないために使われる電気柵ですが、今まで取り扱ったことがない人にとっては、どんな部品が必要なのか分かりにくいかと思います。今回は、電気柵を導入するにあたって必要な部品について説明します。 ★おすすめ電気柵 イノホイおすすめの電気柵はこちら。 電気柵の設置に必要な部品 電気柵の一般的な構造や仕組みは、以下の図の通りとなります。田畑の周りに支柱を立てて、柵線(電線)を張っておき、本体(図中赤色の器具。本機とも呼びます)に柵線が接続された状態になっています。 本体(本機) 電気柵に流れる電気ショックの電源となる装置です。各社から様々な商品が販売されています。選ぶポイントとなるのは、「有効距離」です。これは、どの程度の柵線の長さまで対応できるかという本体能力の目安となります。 実際に張る柵線の距離が、有効距離の範囲ギリギリだと、十分な電気ショックを与えられない可能性が出てきます。理由は、わずかな漏電でも電気柵全体に影響を与えやすくなってしまうからです。※電気柵において漏電はしょっちゅう起こる現象です。例えば、草木が柵線に触れている場合は、漏電が生じてしまって電圧は大きく低下します。 柵線の距離は、電気柵を設置する敷地の広さに応じて変わってきます。式であらわすと、周囲長さ×段数が柵線の距離という計算になります。 例として、周囲1000mの畑で電気柵を設置する例で考えてみましょう。 まず、イノシシ対策を例に考えます。イノシシ対策における柵線張り方として一般的なのは、2段張りです。そのため柵線の総距離は1000m×2段=2000mということになります。 次に、シカ対策を例として考えてみます。シカ対策の場合、下段はシカがくぐり抜けないように、また上段はシカが飛び越えられないような高さに設置する必要があります。そのため、30cm程度の間隔で4段張りにしたりします。この場合の柵線の総距離は1000m×4段=4000mということになります。 仮に本体の規格として有効距離が3000mとされている場合は、上記イノシシ対策の張り方であれば対応できますが、上記シカ対策だと 有効距離が実際の柵線の距離よりも短くなってしまいます。 こういった場合は、よりハイパワーな本体を選ぶか、囲うエリアを複数に分けて、本体をそれぞれ設置すると良いでしょう。 本体への電源供給について 電気柵の本体を稼働させるには、電源が必要になります。乾電池やバッテリーで稼働するタイプ、家庭用電源とACアダプタで接続するタイプ、ソーラーパネルで発電した電気をバッテリーに蓄えて稼働するタイプなど、様々なものがあります。 こちらの記事もどうぞ。 電気柵の効果と電源の種類、ソーラー電源のメリットを解説 ほとんどの場合、本体の仕様としてどれだけの時間稼働させられるか、目安が記載されています。例えば、こちらの機種の場合、乾電池駆動にて約30日(1日12時間稼働設定)となります。※使用状況により変動します。 一般的に、有効距離が長いほど出力が高く電力消費が大きくなりますので、稼働時間は短くなります。もちろん、一日何時間稼働させるかによっても、稼働時間は変わってきます。 電池消耗が高ければ、その分電池交換の回数が増えたり、電池消耗によって電圧がかからない時間が生じるリスクがでてきますので、事前にチェックしておくと良いでしょう。 本体を固定するための杭 ほとんどの機種の場合、漏電や転倒・水没などを避けるために、本体を地面から浮かせた状態で本体を設置することが推奨させれています。 そのためには、ホームセンター等で販売されている木杭等を別途で用意する必要があります。 ※支柱としても機能するアース棒が付属しているタイプもあります。 出力高圧線 本体と柵線は直接つなげるのではなく、あいだに出力高圧線を接続します。 アース 本体と地面でアースを取るためのアース線です。アース棒は製品によって形状が異なります。...
電気柵に必要な部品って?
田畑に害獣を侵入させないために使われる電気柵ですが、今まで取り扱ったことがない人にとっては、どんな部品が必要なのか分かりにくいかと思います。今回は、電気柵を導入するにあたって必要な部品について説明します。 ★おすすめ電気柵 イノホイおすすめの電気柵はこちら。 電気柵の設置に必要な部品 電気柵の一般的な構造や仕組みは、以下の図の通りとなります。田畑の周りに支柱を立てて、柵線(電線)を張っておき、本体(図中赤色の器具。本機とも呼びます)に柵線が接続された状態になっています。 本体(本機) 電気柵に流れる電気ショックの電源となる装置です。各社から様々な商品が販売されています。選ぶポイントとなるのは、「有効距離」です。これは、どの程度の柵線の長さまで対応できるかという本体能力の目安となります。 実際に張る柵線の距離が、有効距離の範囲ギリギリだと、十分な電気ショックを与えられない可能性が出てきます。理由は、わずかな漏電でも電気柵全体に影響を与えやすくなってしまうからです。※電気柵において漏電はしょっちゅう起こる現象です。例えば、草木が柵線に触れている場合は、漏電が生じてしまって電圧は大きく低下します。 柵線の距離は、電気柵を設置する敷地の広さに応じて変わってきます。式であらわすと、周囲長さ×段数が柵線の距離という計算になります。 例として、周囲1000mの畑で電気柵を設置する例で考えてみましょう。 まず、イノシシ対策を例に考えます。イノシシ対策における柵線張り方として一般的なのは、2段張りです。そのため柵線の総距離は1000m×2段=2000mということになります。 次に、シカ対策を例として考えてみます。シカ対策の場合、下段はシカがくぐり抜けないように、また上段はシカが飛び越えられないような高さに設置する必要があります。そのため、30cm程度の間隔で4段張りにしたりします。この場合の柵線の総距離は1000m×4段=4000mということになります。 仮に本体の規格として有効距離が3000mとされている場合は、上記イノシシ対策の張り方であれば対応できますが、上記シカ対策だと 有効距離が実際の柵線の距離よりも短くなってしまいます。 こういった場合は、よりハイパワーな本体を選ぶか、囲うエリアを複数に分けて、本体をそれぞれ設置すると良いでしょう。 本体への電源供給について 電気柵の本体を稼働させるには、電源が必要になります。乾電池やバッテリーで稼働するタイプ、家庭用電源とACアダプタで接続するタイプ、ソーラーパネルで発電した電気をバッテリーに蓄えて稼働するタイプなど、様々なものがあります。 こちらの記事もどうぞ。 電気柵の効果と電源の種類、ソーラー電源のメリットを解説 ほとんどの場合、本体の仕様としてどれだけの時間稼働させられるか、目安が記載されています。例えば、こちらの機種の場合、乾電池駆動にて約30日(1日12時間稼働設定)となります。※使用状況により変動します。 一般的に、有効距離が長いほど出力が高く電力消費が大きくなりますので、稼働時間は短くなります。もちろん、一日何時間稼働させるかによっても、稼働時間は変わってきます。 電池消耗が高ければ、その分電池交換の回数が増えたり、電池消耗によって電圧がかからない時間が生じるリスクがでてきますので、事前にチェックしておくと良いでしょう。 本体を固定するための杭 ほとんどの機種の場合、漏電や転倒・水没などを避けるために、本体を地面から浮かせた状態で本体を設置することが推奨させれています。 そのためには、ホームセンター等で販売されている木杭等を別途で用意する必要があります。 ※支柱としても機能するアース棒が付属しているタイプもあります。 出力高圧線 本体と柵線は直接つなげるのではなく、あいだに出力高圧線を接続します。 アース 本体と地面でアースを取るためのアース線です。アース棒は製品によって形状が異なります。...

電気柵の電圧はどれぐらい?触れても大丈夫?
野生獣が田畑に侵入しないようにしたり、家畜が敷地から出ていかないようにするための電気柵。機能や規模にもよりますが、数万円という比較的安価なものが一般的であり、手軽に導入できることから近年広く普及するようになりました。 ホームセンターの防獣コーナーでも販売されており、広く認知されるようになってきていますので、馴染みがない人にとっても「電気柵?なんとなく怖い・・・」というイメージは薄れてきているのではないでしょうか? とはいえ、触れた獣に電気ショックを与えて退散させるための機材になりますので、使い方や設置方法を誤ると感電のリスクもあります。また、十分な効果が出ないこともありますので、仕様をしっかりと理解しておくことが重要です。 今回は安全かつ効果的な電気柵の設置のために、電気柵の電圧について解説します。 ★おすすめ電気柵 イノホイおすすめの電気柵はこちら。 そもそも電気柵の電圧とは何を指す? ひとくちに電気柵の電圧といっても、「電源電圧」と「出力電圧」、「柵線にかかる電圧」などがあります。これから電気柵の導入を検討する場合は、これらの電圧が何を指しているか理解しておき、検討対象の商品がどのような規格になっているか把握しておくと良いでしょう。 また、電気柵の仕様を理解するにあたり、DCとACの違いを知っておくと、規格をより理解しやすくなります。 電気の流れ方には直流(Direct Current:DC)と交流(Alternating Current:AC)の2種類があり、直流と交流の違いは、電気の流れる方向が周期的に変わるものが交流(AC)、変わらないものが直流(DC)です。 家庭用のコンセントから流れる電気は交流で、乾電池やバッテリーから流れる電気は直流です。電気柵本体も含め、電気製品は一般的に直流で動きます。 電源電圧 いわゆる、電気柵の本体に入力する電源電圧になります。電源は、A:乾電池、B:バッテリー、C:ソーラー発電があり、いずれも通常はDC12Vという電圧値になっています。 また家庭用のAC100V電源をDC12Vに変換するアダプター(ACアダプター)を接続して稼働するタイプもあります。 出力電圧 電気柵の本体から出力される電圧を指します。電気柵は以下の図の通り、本体(電源装置:図中の赤い器具)と電線(柵線)を接続することにより、全体に電圧がかかる仕組みになっています。 出力電圧とは、本体から出力される電圧値を指します。最大出力電圧(無負荷状態で出力される電圧値)は、10000Vのタイプが一般的です。 閑話:安全のためのパルス出力 電気柵のメカニズム:電気が通っている電線に触れて体を伝って地面に電気が流れたときに、感電(電気ショック)が発生します。一般的に、感電時のリスクの程度は、通電時間×電流の強さが大きいほど重篤になります。2015年7月 、静岡県西伊豆町において、川で遊んでいた小児が土手の紫陽花畑の周囲に設置されていた害獣よけの電気柵に触れて感電するという事故が発生しました。感電した小児を助けようとした他の 6人も次々と感電し、7人が病院に搬送。最終的に40代の男性2名が死亡するという大きな被害が発生しました。のちに、この事故に使用された電気柵は自作のものであり、100V交流電源を変圧回路によって昇圧したものを直接柵線に通電していたことが判明しました。市販の電気柵は、上記のような事故を防ぐために、約1秒間隔で瞬間的に電気を流すパルス出力形式となっています。これにより、仮に人間が誤って感電した場合も、すぐに離れられるようになっています。また、電気事業法およびそれに関する省令によって安全のための規制が定められており、市販されている電気柵は必ず安全装置を備えることになっています。そのため、市販の電気柵においては感電事故は起こりえない構造になっています。また、誤って触れてしてしまったとしても、静電気で強くバチっとなった程度の刺激です(そもそも電気柵は電気ショックで獣を傷つけることが目的ではなく、電気ショックへの恐怖心によって近づけさせないようにするのが目的の機器です)。 柵線にかかる電圧 柵線にかかる電圧は、専用のテスター(検電器)を用いて計測します。設置状態に異常がないか確認するためにも、必須の作業です。 柵線に何も接触しておらず、アースがしっかり取れていれば、電気柵として機能するに十分な電圧がかかります。 しかしながら、漏電が起こっていると電圧は下がります。よくあるのは、ガイシを使わず支柱に柵線を直接巻き付けていたり、適切にガイシを設置しておらず支柱に柵線が触れてしまっているケースです。 また、地面(アース)と柵線が触れてしまうと、極端に電圧が下がります。 もちろん、地面から生えている草木などが接触していても、大幅に電圧が下がります。 電気柵の機能が有効になる柵線電圧は、約3500V以上です。これを下回ると、獣は電気ショックを感じませんので、電気柵の意味が無くなってしまいます。...
電気柵の電圧はどれぐらい?触れても大丈夫?
野生獣が田畑に侵入しないようにしたり、家畜が敷地から出ていかないようにするための電気柵。機能や規模にもよりますが、数万円という比較的安価なものが一般的であり、手軽に導入できることから近年広く普及するようになりました。 ホームセンターの防獣コーナーでも販売されており、広く認知されるようになってきていますので、馴染みがない人にとっても「電気柵?なんとなく怖い・・・」というイメージは薄れてきているのではないでしょうか? とはいえ、触れた獣に電気ショックを与えて退散させるための機材になりますので、使い方や設置方法を誤ると感電のリスクもあります。また、十分な効果が出ないこともありますので、仕様をしっかりと理解しておくことが重要です。 今回は安全かつ効果的な電気柵の設置のために、電気柵の電圧について解説します。 ★おすすめ電気柵 イノホイおすすめの電気柵はこちら。 そもそも電気柵の電圧とは何を指す? ひとくちに電気柵の電圧といっても、「電源電圧」と「出力電圧」、「柵線にかかる電圧」などがあります。これから電気柵の導入を検討する場合は、これらの電圧が何を指しているか理解しておき、検討対象の商品がどのような規格になっているか把握しておくと良いでしょう。 また、電気柵の仕様を理解するにあたり、DCとACの違いを知っておくと、規格をより理解しやすくなります。 電気の流れ方には直流(Direct Current:DC)と交流(Alternating Current:AC)の2種類があり、直流と交流の違いは、電気の流れる方向が周期的に変わるものが交流(AC)、変わらないものが直流(DC)です。 家庭用のコンセントから流れる電気は交流で、乾電池やバッテリーから流れる電気は直流です。電気柵本体も含め、電気製品は一般的に直流で動きます。 電源電圧 いわゆる、電気柵の本体に入力する電源電圧になります。電源は、A:乾電池、B:バッテリー、C:ソーラー発電があり、いずれも通常はDC12Vという電圧値になっています。 また家庭用のAC100V電源をDC12Vに変換するアダプター(ACアダプター)を接続して稼働するタイプもあります。 出力電圧 電気柵の本体から出力される電圧を指します。電気柵は以下の図の通り、本体(電源装置:図中の赤い器具)と電線(柵線)を接続することにより、全体に電圧がかかる仕組みになっています。 出力電圧とは、本体から出力される電圧値を指します。最大出力電圧(無負荷状態で出力される電圧値)は、10000Vのタイプが一般的です。 閑話:安全のためのパルス出力 電気柵のメカニズム:電気が通っている電線に触れて体を伝って地面に電気が流れたときに、感電(電気ショック)が発生します。一般的に、感電時のリスクの程度は、通電時間×電流の強さが大きいほど重篤になります。2015年7月 、静岡県西伊豆町において、川で遊んでいた小児が土手の紫陽花畑の周囲に設置されていた害獣よけの電気柵に触れて感電するという事故が発生しました。感電した小児を助けようとした他の 6人も次々と感電し、7人が病院に搬送。最終的に40代の男性2名が死亡するという大きな被害が発生しました。のちに、この事故に使用された電気柵は自作のものであり、100V交流電源を変圧回路によって昇圧したものを直接柵線に通電していたことが判明しました。市販の電気柵は、上記のような事故を防ぐために、約1秒間隔で瞬間的に電気を流すパルス出力形式となっています。これにより、仮に人間が誤って感電した場合も、すぐに離れられるようになっています。また、電気事業法およびそれに関する省令によって安全のための規制が定められており、市販されている電気柵は必ず安全装置を備えることになっています。そのため、市販の電気柵においては感電事故は起こりえない構造になっています。また、誤って触れてしてしまったとしても、静電気で強くバチっとなった程度の刺激です(そもそも電気柵は電気ショックで獣を傷つけることが目的ではなく、電気ショックへの恐怖心によって近づけさせないようにするのが目的の機器です)。 柵線にかかる電圧 柵線にかかる電圧は、専用のテスター(検電器)を用いて計測します。設置状態に異常がないか確認するためにも、必須の作業です。 柵線に何も接触しておらず、アースがしっかり取れていれば、電気柵として機能するに十分な電圧がかかります。 しかしながら、漏電が起こっていると電圧は下がります。よくあるのは、ガイシを使わず支柱に柵線を直接巻き付けていたり、適切にガイシを設置しておらず支柱に柵線が触れてしまっているケースです。 また、地面(アース)と柵線が触れてしまうと、極端に電圧が下がります。 もちろん、地面から生えている草木などが接触していても、大幅に電圧が下がります。 電気柵の機能が有効になる柵線電圧は、約3500V以上です。これを下回ると、獣は電気ショックを感じませんので、電気柵の意味が無くなってしまいます。...

電気柵の効果と電源の種類、ソーラー電源のメリットを解説
獣の田畑への侵入対策として電気柵は有効な手段の1つですが、電源の供給方法や特徴は商品によって異なります。 本記事では、電気柵の電源の種類やソーラータイプのメリットについてご紹介します。あわせて、電気柵を設置する際のポイントについても解説しています。 電気柵とは?3つの電源の種類 電気柵は、侵入を防止したい敷地の周りに電気を通した柵線を張っておき、獣の侵入を防ぐものです。獣が柵線に触れると、獣の体と電気柵のあいだに電気の経路が形成され、電気ショックが生じる仕組みになっています。電気ショックによって獣に恐怖心を植え付け、農作物に近付かせないようにすることが狙いです。 電気柵には電気を流すための電源が欠かせませんが、電源の種類は大きく3つ挙げられます。 1.乾電池 電源として多く使われているのが、乾電池です。 乾電池は誰でも手軽に入手することができ、導入が容易である点がメリットといえます。田畑の周辺には電源が確保されていることのほうが珍しいですが、乾電池タイプであれば場所を選びません。 デメリットとしては、残量をこまめにチェックして電池切れを起こさないようにする手間がかかることです。多くの機種では、電池の残量が少なくなると資格や音でアラートが出るようになっていますが、日々の作業に追われてついつい後回しにしてしまうことも。 24時間電気柵を稼働させる場合は電池交換の頻度も高くなるため、事前にメーカー公表の稼働時間をチェックしておき、コスト面を試算しておくとよいでしょう。 2.外部電源 2つ目は外部電源です。 自動車用のバッテリー等、電気柵本体の規格に適合する市販のバッテリーを接続したり、家庭用電源を接続するためのACアダプターを接続したりします。 電池の場合は設置場所を選びませんが、外部から電源を引っ張ってくるためには場所の制約が出てしまいます。田畑の周辺には電源が無いことが多いので、そもそも電源を確保できないということがあります。 購入前に、設置予定の場所に電源が届くか予め確認しておく必要があります。また、各メーカーが定める規格に適合しない電源を使うのは、重篤な事故が起こる可能性があるため避けましょう。 3.ソーラー 3つ目は、ソーラーパネルによって発電した電気をバッテリーに溜めて使うタイプです。仮にソーラーパネル無しのタイプをお使いの場合も、後付けできるものがほとんどです。 ソーラーパネルの出力(W=ワット)とバッテリー容量の兼ね合いによって稼働時間が変わってきます。それぞれのメーカーで推奨バッテリーが販売されているので、それを選んだほうが無難です。 コンパクトなタイプだと、5Wのソーラーパネルが一般的です。発電能力が低いため、夜間のみの電気柵を稼働させる場合に適しています。 一方で、昼夜連続の運転や、日照不足の季節、梅雨や降雪が多い時期に稼働させる場合は、電力不足に陥る心配があるため、5Wよりも大きいタイプを選ぶとよいでしょう。 12W程のソーラーパネルであれば比較的発電量が大きくなるので、昼夜連続の仕様でも問題ありません(※設置条件によっても異なります)。 メーカー推奨以外のバッテリーを使う場合は、ソーラーパネルの出力とバッテリーの容量の相性が悪い場合もあるので注意が必要です。 ソーラーパネルが選ばれる理由 電気柵の電源の中でもソーラーパネルが選ばれる理由はいくつか存在します。 まず、電池交換のコストが減る点は大きなメリットです。ソーラーパネル付きタイプのほうが本体価格が高いため、初期導入コストは電池タイプよりも大きくなってしまいますが、長い目でみるとソーラータイプのほうがお得になってきます。 また、電池交換忘れによって不通電となるリスクも減らすことができます。電気柵は動物に物理的なショックを与えるのではなく、心理的な恐怖を植え付け農作物に近付かせないことがポイントになると解説しました。しかし、電気柵に電気が流れていない状態で触れてしまうと、動物が慣れてしまい恐怖感を抱くなくなってしまいます。 電池交換が必要なタイプでは、電池切れにより電気が流れない空白の時間が発生してしまいますが、ソーラーパネルならその心配がありません。 また、ソーラーからの充電が十分でない場合も、電池やバッテリーと併用できるタイプなら自動で切り替えが行えるため、電気が流れない時間をゼロにすることができます。 イノホイで販売している電気柵はソーラー・乾電池・バッテリーの3種類にすべて対応しており、自動で電圧がもっとも高い電源に切り換えます。 ★おすすめ電気柵...
電気柵の効果と電源の種類、ソーラー電源のメリットを解説
獣の田畑への侵入対策として電気柵は有効な手段の1つですが、電源の供給方法や特徴は商品によって異なります。 本記事では、電気柵の電源の種類やソーラータイプのメリットについてご紹介します。あわせて、電気柵を設置する際のポイントについても解説しています。 電気柵とは?3つの電源の種類 電気柵は、侵入を防止したい敷地の周りに電気を通した柵線を張っておき、獣の侵入を防ぐものです。獣が柵線に触れると、獣の体と電気柵のあいだに電気の経路が形成され、電気ショックが生じる仕組みになっています。電気ショックによって獣に恐怖心を植え付け、農作物に近付かせないようにすることが狙いです。 電気柵には電気を流すための電源が欠かせませんが、電源の種類は大きく3つ挙げられます。 1.乾電池 電源として多く使われているのが、乾電池です。 乾電池は誰でも手軽に入手することができ、導入が容易である点がメリットといえます。田畑の周辺には電源が確保されていることのほうが珍しいですが、乾電池タイプであれば場所を選びません。 デメリットとしては、残量をこまめにチェックして電池切れを起こさないようにする手間がかかることです。多くの機種では、電池の残量が少なくなると資格や音でアラートが出るようになっていますが、日々の作業に追われてついつい後回しにしてしまうことも。 24時間電気柵を稼働させる場合は電池交換の頻度も高くなるため、事前にメーカー公表の稼働時間をチェックしておき、コスト面を試算しておくとよいでしょう。 2.外部電源 2つ目は外部電源です。 自動車用のバッテリー等、電気柵本体の規格に適合する市販のバッテリーを接続したり、家庭用電源を接続するためのACアダプターを接続したりします。 電池の場合は設置場所を選びませんが、外部から電源を引っ張ってくるためには場所の制約が出てしまいます。田畑の周辺には電源が無いことが多いので、そもそも電源を確保できないということがあります。 購入前に、設置予定の場所に電源が届くか予め確認しておく必要があります。また、各メーカーが定める規格に適合しない電源を使うのは、重篤な事故が起こる可能性があるため避けましょう。 3.ソーラー 3つ目は、ソーラーパネルによって発電した電気をバッテリーに溜めて使うタイプです。仮にソーラーパネル無しのタイプをお使いの場合も、後付けできるものがほとんどです。 ソーラーパネルの出力(W=ワット)とバッテリー容量の兼ね合いによって稼働時間が変わってきます。それぞれのメーカーで推奨バッテリーが販売されているので、それを選んだほうが無難です。 コンパクトなタイプだと、5Wのソーラーパネルが一般的です。発電能力が低いため、夜間のみの電気柵を稼働させる場合に適しています。 一方で、昼夜連続の運転や、日照不足の季節、梅雨や降雪が多い時期に稼働させる場合は、電力不足に陥る心配があるため、5Wよりも大きいタイプを選ぶとよいでしょう。 12W程のソーラーパネルであれば比較的発電量が大きくなるので、昼夜連続の仕様でも問題ありません(※設置条件によっても異なります)。 メーカー推奨以外のバッテリーを使う場合は、ソーラーパネルの出力とバッテリーの容量の相性が悪い場合もあるので注意が必要です。 ソーラーパネルが選ばれる理由 電気柵の電源の中でもソーラーパネルが選ばれる理由はいくつか存在します。 まず、電池交換のコストが減る点は大きなメリットです。ソーラーパネル付きタイプのほうが本体価格が高いため、初期導入コストは電池タイプよりも大きくなってしまいますが、長い目でみるとソーラータイプのほうがお得になってきます。 また、電池交換忘れによって不通電となるリスクも減らすことができます。電気柵は動物に物理的なショックを与えるのではなく、心理的な恐怖を植え付け農作物に近付かせないことがポイントになると解説しました。しかし、電気柵に電気が流れていない状態で触れてしまうと、動物が慣れてしまい恐怖感を抱くなくなってしまいます。 電池交換が必要なタイプでは、電池切れにより電気が流れない空白の時間が発生してしまいますが、ソーラーパネルならその心配がありません。 また、ソーラーからの充電が十分でない場合も、電池やバッテリーと併用できるタイプなら自動で切り替えが行えるため、電気が流れない時間をゼロにすることができます。 イノホイで販売している電気柵はソーラー・乾電池・バッテリーの3種類にすべて対応しており、自動で電圧がもっとも高い電源に切り換えます。 ★おすすめ電気柵...

箱罠で捕獲した後の止め刺しについて
箱罠を使って獲物を捕獲したあとは、獲物にとどめを刺す「止め刺し」を行います。 くくり罠で捕獲した場合、捕獲後もワイヤー長のぶんだけ獣は動けますが、箱罠の場合は獣の動きが檻の内部に制限されます。 また、くくり罠の場合は、捕らえた獲物の足が何らかの原因でワイヤーから抜けてしまう場合があります。一方で箱罠の場合は、捕獲後に獲物が逃げ出す可能性は低くなりますので、くくり罠よりも止め刺しの難易度は下がるといえるでしょう。 とはいえ、野生を相手に行うものですので箱罠でもリスクがまったくない訳ではありません。 とくに大型のイノシシなどは捕獲後は興奮状態にあり、体当たりして箱罠が動かしてしまうほどパワーがあります。 止め刺しを行う前に、遠巻きに罠の状態をよく観察し、箱罠に破損等の異常がないか確認したうえで、油断せず安全第一で作業にとりかかりましょう。 こちらの記事もどうぞ イノシシ捕獲~箱罠の設置・見回りをしよう 箱罠捕獲後の止め刺し手順 では、具体的に箱罠で捕獲した獲物の止め刺し方法を解説します。 1.刃物を用いて直接止め刺す 刃物を用いる止め刺しは、心臓や頸動脈をナイフなどで刺し放血させる方法です。 他の止め刺し方法と比べると制限が少ないので、古くからポピュラーな止め刺し方法として採用されています。ただし、急所に刃物を刺す必要があるため、物理的にも精神的にもハードルが高い方法でもあります。 難関となるのが急所部分となる胸元(心臓の付け根部分)を露出させることです。イノシシなどの四足獣は、胸元が地面側を向いており、そのままでは急所を的確に狙うことができません。そこで、獲物の胸元が見えるような状態にする必要があります。 一つの方法としては、ロープなどの保定具を使って獣の鼻や前足を垂直に吊り上げて拘束することです。 例としてイノシシを想定し、解説しましょう。 まず、保定具を輪の状態にします。このとき、保定具を引くと輪が締まるような結び方をしておきます(例:わな結びなど)。 上記の輪を箱罠天井のすき間から入れます。イノシシの鼻先で輪をプラプラさせると噛みついてきますので、その瞬間にロープを引いてイノシシの首や上アゴを括ります。 または、輪を地面に置き、輪の中に前足が入った瞬間に引き上げたりもします。 うまく輪を締めることができたら、持ち手側のロープに体重をかけて引っ張ります。 こうすることで、保定した部分が箱罠から離れられないようになります。なお、重量のある個体の場合は、近くの木の枝などに引っ掛けてから体重をかけると、持ち上がりやすくなります。 この状態になると獲物の前足が浮いて後ろ足だけで立ち上がるような体勢となるため、胸元が露出して急所を狙いやすくなります。この状態にして、リーチの長い槍状の刃物などで止め刺しするのがリスクの少ない方法です。 こちらの記事もどうぞ 万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力 サイズが小さいイノシシの場合は、保定具を使用せずに、箱罠の網目からイノシシが足を出した瞬間に手で捕まえて止め刺しする場合もありますが、噛みつきなどの恐れがあるので、慣れないうちはおすすめできません。 急所を突く際は、サッと一突きするようなイメージです。突いてすぐに刃を抜いて、様子をみてみて、血が流れ出てきたら成功です。うまく行けば、1分ほどで絶命させることができます。ただし、絶命が確認できるまでは不用意に近づかないようにしましょう。 2.電殺器(電気止め刺し)を使用する 電殺器とは、小型バッテリー等を用いて獲物に槍状の電極を接触させ、電気ショックで心停止させる方法です。刃物による止め刺しよりも難易度が下がるのと、血を見ないで済むことから、近年は多くの狩猟家が採用し現場でもよく見られるようになりました。 一方で、一歩間違えると作業者自身が感電してしまうので、扱いには細心の注意が必要です。 前提として、雨の日の使用は絶対に避けます。また通電時は、槍先を人に向けたり箱罠に接触させないよう注意します。...
箱罠で捕獲した後の止め刺しについて
箱罠を使って獲物を捕獲したあとは、獲物にとどめを刺す「止め刺し」を行います。 くくり罠で捕獲した場合、捕獲後もワイヤー長のぶんだけ獣は動けますが、箱罠の場合は獣の動きが檻の内部に制限されます。 また、くくり罠の場合は、捕らえた獲物の足が何らかの原因でワイヤーから抜けてしまう場合があります。一方で箱罠の場合は、捕獲後に獲物が逃げ出す可能性は低くなりますので、くくり罠よりも止め刺しの難易度は下がるといえるでしょう。 とはいえ、野生を相手に行うものですので箱罠でもリスクがまったくない訳ではありません。 とくに大型のイノシシなどは捕獲後は興奮状態にあり、体当たりして箱罠が動かしてしまうほどパワーがあります。 止め刺しを行う前に、遠巻きに罠の状態をよく観察し、箱罠に破損等の異常がないか確認したうえで、油断せず安全第一で作業にとりかかりましょう。 こちらの記事もどうぞ イノシシ捕獲~箱罠の設置・見回りをしよう 箱罠捕獲後の止め刺し手順 では、具体的に箱罠で捕獲した獲物の止め刺し方法を解説します。 1.刃物を用いて直接止め刺す 刃物を用いる止め刺しは、心臓や頸動脈をナイフなどで刺し放血させる方法です。 他の止め刺し方法と比べると制限が少ないので、古くからポピュラーな止め刺し方法として採用されています。ただし、急所に刃物を刺す必要があるため、物理的にも精神的にもハードルが高い方法でもあります。 難関となるのが急所部分となる胸元(心臓の付け根部分)を露出させることです。イノシシなどの四足獣は、胸元が地面側を向いており、そのままでは急所を的確に狙うことができません。そこで、獲物の胸元が見えるような状態にする必要があります。 一つの方法としては、ロープなどの保定具を使って獣の鼻や前足を垂直に吊り上げて拘束することです。 例としてイノシシを想定し、解説しましょう。 まず、保定具を輪の状態にします。このとき、保定具を引くと輪が締まるような結び方をしておきます(例:わな結びなど)。 上記の輪を箱罠天井のすき間から入れます。イノシシの鼻先で輪をプラプラさせると噛みついてきますので、その瞬間にロープを引いてイノシシの首や上アゴを括ります。 または、輪を地面に置き、輪の中に前足が入った瞬間に引き上げたりもします。 うまく輪を締めることができたら、持ち手側のロープに体重をかけて引っ張ります。 こうすることで、保定した部分が箱罠から離れられないようになります。なお、重量のある個体の場合は、近くの木の枝などに引っ掛けてから体重をかけると、持ち上がりやすくなります。 この状態になると獲物の前足が浮いて後ろ足だけで立ち上がるような体勢となるため、胸元が露出して急所を狙いやすくなります。この状態にして、リーチの長い槍状の刃物などで止め刺しするのがリスクの少ない方法です。 こちらの記事もどうぞ 万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力 サイズが小さいイノシシの場合は、保定具を使用せずに、箱罠の網目からイノシシが足を出した瞬間に手で捕まえて止め刺しする場合もありますが、噛みつきなどの恐れがあるので、慣れないうちはおすすめできません。 急所を突く際は、サッと一突きするようなイメージです。突いてすぐに刃を抜いて、様子をみてみて、血が流れ出てきたら成功です。うまく行けば、1分ほどで絶命させることができます。ただし、絶命が確認できるまでは不用意に近づかないようにしましょう。 2.電殺器(電気止め刺し)を使用する 電殺器とは、小型バッテリー等を用いて獲物に槍状の電極を接触させ、電気ショックで心停止させる方法です。刃物による止め刺しよりも難易度が下がるのと、血を見ないで済むことから、近年は多くの狩猟家が採用し現場でもよく見られるようになりました。 一方で、一歩間違えると作業者自身が感電してしまうので、扱いには細心の注意が必要です。 前提として、雨の日の使用は絶対に避けます。また通電時は、槍先を人に向けたり箱罠に接触させないよう注意します。...

対馬市におけるイノシシ・シカ対策のご紹介
長崎県対馬市は日本海の西に位置する島です。九州と韓国の間の対馬海峡に浮かび、「国境の島」とも呼ばれています。博多港までは航路で132キロ、韓国までは直線距離で49.5キロ。日本の中で朝鮮半島に最も近いという地理的条件から、大陸と日本の架け橋として数多くの文化・歴史が息づいています。 1.豊かな自然が残る対馬。島の89%が山林で占められている 特産品も多く、海鮮やしいたけ・地酒などをはじめ、縄文後期の原種そば「対州そば」など多くのグルメを味わうことができます。 また近年では、世界的に話題となった時代劇アクションゲーム「Ghost of Tsushima」(ゴーストオブツシマ)の舞台としても注目を集めました。 島の大きさは、南北82キロ・東西18キロ、面積は約708平方キロ。沖縄本島と北方四島を除けば、佐渡島・奄美大島に次ぐ大きさです。 山林が面積の89%を占める自然豊かな島ですが、一方でイノシシやシカによる農作物被害や林業被害、山の下草が無くなるといった生態系被害に悩まされています。 こうした被害を受け対馬市では、イノシシ・シカに対する対策を実施すると共に、イノシシ・シカに負けない地域づくり・人づくりに向けてさまざまな取り組みをしています。 今回は、対馬市役所 農林水産部の日高様に、対馬市におけるイノシシ・シカ対策についてお話を伺いましたので、ご紹介します(以下敬称略)。 対馬市でのイノシシ・シカ被害の現状 2.イノシシやシカが多く生息し農作物・森林被害が発生している -まずは、対馬でのイノシシ・シカ被害の現状からお聞かせください 日高:対馬市では現在、イノシシ・シカの増加により、食い荒らしや踏み倒しによる農作物被害、樹脂剥ぎによる森林被害、さらには下層植生減少や土砂流出によって生態系にも被害が及んでいるのが現状です。近年ではイノシシやシカが市街地付近でも出没しており、接触事故なども発生しています。 3.「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」対馬市公式HPより 対馬は今から約300年前に、イノシシによる農業被害に悩む百姓を助けるため、対馬藩で農業振興に尽力した陶山訥庵(すやま とつあん)が中心となって「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」が実施され、9年間の歳月をかけてイノシシを絶滅させたという歴史があります。 しかし、今から30年ほどまえに島外から持ち込まれたイノシシが野生化し、平成6年に一頭の成獣が捕獲されたことを皮切りに、被害が全島に及ぶようになりました。 シカによる被害も顕著になってきています。対馬に生息するシカは、対馬にのみ生息するキュシュウジカの亜種です。1960年代は、捕獲圧の上昇により個体数が減少したことを受け、県の天然記念物に指定され、一切の捕獲が禁止されました。しかしながら、その後個体数が増加し、農林業被害が発生するようになったため、1981年から有害捕獲が開始され、2006年に天然記念物指定が解除されるに至っています。 イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況 -イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況はいかがでしょうか? 日高:被害の拡大を受けて市では他の有害鳥獣捕獲地域と同様、被害を引き起こすイノシシやシカを捕獲した際には報奨金を交付する制度を導入しました。その効果もあり、2019年度の捕獲実績はシカが約8,236頭、イノシシは約5,367頭という結果になりました。1か月に最大1,000頭捕獲したという実績もあります。 しかし、依然として被害は減少しておらず、捕獲のペースが追いついていなのが現状です。とくに森林被害は深刻です。田畑への農作物被害に対しては防護柵やワイヤーメッシュを用いることで被害額が減少傾向にありますが、森林被害はカバーするエリアも広く、より捕獲圧を上げていかなければなりません。 森林被害の削減に向けての新しい対策 -被害を削減するために、今後を見据え新しい対策へ取り組んでいるとお伺いしました 日高:対馬市では全国に先駆け、主に森林被害を低減させるための補助事業として、シカ捕獲用のくくり罠を助成する事業を開始しました。 4.対馬市で導入するくくり罠 現在、捕獲方法の内訳としては、銃器を使った捕獲が約3割、罠を使った捕獲が約7割になっています。銃器による捕獲はどうしても許可・規制等の問題があることから限定的となり、猟友会の方へのご負担も大きくなってしまいます。そこで、ハードルが低い罠を使用することでも十分な捕獲実績を出せることに注目し、シカ捕獲用のくくり罠1,500個を助成することにしました。 5.猟友会の協力の元、助成用の罠を念入りにチェックする...
対馬市におけるイノシシ・シカ対策のご紹介
長崎県対馬市は日本海の西に位置する島です。九州と韓国の間の対馬海峡に浮かび、「国境の島」とも呼ばれています。博多港までは航路で132キロ、韓国までは直線距離で49.5キロ。日本の中で朝鮮半島に最も近いという地理的条件から、大陸と日本の架け橋として数多くの文化・歴史が息づいています。 1.豊かな自然が残る対馬。島の89%が山林で占められている 特産品も多く、海鮮やしいたけ・地酒などをはじめ、縄文後期の原種そば「対州そば」など多くのグルメを味わうことができます。 また近年では、世界的に話題となった時代劇アクションゲーム「Ghost of Tsushima」(ゴーストオブツシマ)の舞台としても注目を集めました。 島の大きさは、南北82キロ・東西18キロ、面積は約708平方キロ。沖縄本島と北方四島を除けば、佐渡島・奄美大島に次ぐ大きさです。 山林が面積の89%を占める自然豊かな島ですが、一方でイノシシやシカによる農作物被害や林業被害、山の下草が無くなるといった生態系被害に悩まされています。 こうした被害を受け対馬市では、イノシシ・シカに対する対策を実施すると共に、イノシシ・シカに負けない地域づくり・人づくりに向けてさまざまな取り組みをしています。 今回は、対馬市役所 農林水産部の日高様に、対馬市におけるイノシシ・シカ対策についてお話を伺いましたので、ご紹介します(以下敬称略)。 対馬市でのイノシシ・シカ被害の現状 2.イノシシやシカが多く生息し農作物・森林被害が発生している -まずは、対馬でのイノシシ・シカ被害の現状からお聞かせください 日高:対馬市では現在、イノシシ・シカの増加により、食い荒らしや踏み倒しによる農作物被害、樹脂剥ぎによる森林被害、さらには下層植生減少や土砂流出によって生態系にも被害が及んでいるのが現状です。近年ではイノシシやシカが市街地付近でも出没しており、接触事故なども発生しています。 3.「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」対馬市公式HPより 対馬は今から約300年前に、イノシシによる農業被害に悩む百姓を助けるため、対馬藩で農業振興に尽力した陶山訥庵(すやま とつあん)が中心となって「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」が実施され、9年間の歳月をかけてイノシシを絶滅させたという歴史があります。 しかし、今から30年ほどまえに島外から持ち込まれたイノシシが野生化し、平成6年に一頭の成獣が捕獲されたことを皮切りに、被害が全島に及ぶようになりました。 シカによる被害も顕著になってきています。対馬に生息するシカは、対馬にのみ生息するキュシュウジカの亜種です。1960年代は、捕獲圧の上昇により個体数が減少したことを受け、県の天然記念物に指定され、一切の捕獲が禁止されました。しかしながら、その後個体数が増加し、農林業被害が発生するようになったため、1981年から有害捕獲が開始され、2006年に天然記念物指定が解除されるに至っています。 イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況 -イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況はいかがでしょうか? 日高:被害の拡大を受けて市では他の有害鳥獣捕獲地域と同様、被害を引き起こすイノシシやシカを捕獲した際には報奨金を交付する制度を導入しました。その効果もあり、2019年度の捕獲実績はシカが約8,236頭、イノシシは約5,367頭という結果になりました。1か月に最大1,000頭捕獲したという実績もあります。 しかし、依然として被害は減少しておらず、捕獲のペースが追いついていなのが現状です。とくに森林被害は深刻です。田畑への農作物被害に対しては防護柵やワイヤーメッシュを用いることで被害額が減少傾向にありますが、森林被害はカバーするエリアも広く、より捕獲圧を上げていかなければなりません。 森林被害の削減に向けての新しい対策 -被害を削減するために、今後を見据え新しい対策へ取り組んでいるとお伺いしました 日高:対馬市では全国に先駆け、主に森林被害を低減させるための補助事業として、シカ捕獲用のくくり罠を助成する事業を開始しました。 4.対馬市で導入するくくり罠 現在、捕獲方法の内訳としては、銃器を使った捕獲が約3割、罠を使った捕獲が約7割になっています。銃器による捕獲はどうしても許可・規制等の問題があることから限定的となり、猟友会の方へのご負担も大きくなってしまいます。そこで、ハードルが低い罠を使用することでも十分な捕獲実績を出せることに注目し、シカ捕獲用のくくり罠1,500個を助成することにしました。 5.猟友会の協力の元、助成用の罠を念入りにチェックする...

箱罠のセンサー(電子トリガー)をお探しの方へ
イノシシやシカの捕獲に広く用いられている箱罠。物理的な仕組みで作動させるものが一般的ですが、近年はセンサーを使った捕獲の仕組みが注目をあびており、多くの地域で導入されるようになってきています。 すでに各社から様々なタイプが販売されていますが、従来の箱罠に慣れている人にとっては、とっつきにくく感じるかもしれません。しかしながら、うまく使えば捕獲率の向上や作業効率を良くすることが可能です。 ※箱罠の傍に設置しておき罠の様子を録画する、「トレイルカメラ」とは今回は区別して説明します。 箱罠+センサーを使った捕獲 箱罠は餌を使って獣を檻の内部に誘引し、獣が檻の中に入ったら仕組みが作動して扉が落ちる仕組みになっています。 こちらの記事もどうぞ 箱罠について詳しく知りたい 一般的な箱罠は、罠の内部にある仕掛け(蹴り糸や踏み板など)に獣が触れると扉が落ちるといった、物理的な仕組みになっています。 たとえば、蹴り糸を使った方式の場合、箱罠内部に張った糸に獣が触れると、扉を吊っているワイヤーや紐が外れて扉が閉まる仕組みになっています。 一方で、センサーをつかった仕掛けの場合、獣が罠の内部に入ったことを赤外線などのセンサーによって感知します。蹴り糸などを用意する必要がなく、またそれが無いことで獣の警戒心を弱めることが可能になります。さらに、仕掛けの労力を減らすことにもつながります。 センサーによって扉が自動で落ちる仕組み この仕組みには、主に赤外線センサーが用いられます。センサー筐体と扉を吊る紐が連結できるようになっており、センサー筐体を箱罠の上面や側面に取り付ける形で仕掛けるのが一般的です。 因みに赤外線とは、熱をもっている物体や生き物が発している電磁波の一種です。これを肉眼で見ることはできませんが、赤外線センサーの内部は入射した赤外線を電気信号に変えるような仕組みとなっています。この仕組みは、人感センサーなど各種センサーとして幅広く用いられています。 これを箱罠の仕掛けに応用し、周囲温度と比べて温度差のあるものがセンサー感知範囲内で動くと、センサーがこれを感知して、扉を吊る紐がセンサー筐体から外れることにより、扉が自動で落ちる仕組みになっています。 IoTを活用した応用例も 最近では、センサー+IoTを組み合わせて捕獲に役立てる試みも進んでいます。IoTとは、今までインターネットにつながっていなかったモノをインターネットにつなぐことです。 例えば、獣が罠の内部に入ったことを赤外線センサーが感知、そのタイミングでカメラ撮影を開始。カメラで撮影された映像を、インターネット経由でパソコンやスマートフォンなどによって遠隔で確認するといったことが可能になります。 さらに、遠隔で人が監視する労力を省くために、獣の種類や頭数を画像で自動判別して、狙った獲物だけを自動で捕獲できるようにするための試みも行われています。 また、赤外線センサーが感知したタイミングで、自動でメール通知を携帯電話等に配信したり、GPSと連携して捕獲場所をマッピングすることによって生息密度が高い場所を割り出したりする応用例もあります。 ただし、高度な機能を有するほどシステムの導入に費用や労力がかかる点、必要に応じてネットワーク接続のためのSIMカード等を別途用意しなければならなかったり、回線電波が届かないような中山間地においては導入が難しいといった側面もあります。 イノホイおすすめのセンサー箱罠 上記を踏まえ、これからセンサー+箱罠による箱罠を導入してみたいという方には、IoTを活用するタイプではなく、赤外線センサーで自動で扉が閉まるタイプを当店ではおすすめしています。 こちらの商品は、ベテラン猟師が監修したセンサーで、設定方法がシンプルかつ実績が多いセンサー商品になります。もちろん、当店のファーレ旭式箱罠にも対応します。 当店のイノシシ・シカ用箱罠は蹴り糸方式ですが、蹴り糸のセッティングは意外に奥が深く、警戒心の高い成獣だと捕獲が難しいことがあります。獣との駆け引きが重要になるため、 熟練者の場合は、ターゲット個体に合わせて蹴り糸の素材や張り方を調整することで対応しますが、初心者の場合はなかなか難しいかと思います。 そういった場合、上記のセンサーをおすすめしており、導入によって捕獲率が上がったという報告もいただいています(参考事例)。 一番の特徴は、あらかじめセンサーが反応する高さを設定できる点です。 例えば、当店の箱罠ビッグサイズ片扉(高さ1.0メートル)と組み合わせて使う場合、天井からの距離60cmの位置でセンサーが反応するように予め設定しておけば、高さ40cm未満の場合は反応せず、40cm以上の肩高の獣が入った時だけ、扉が閉まります。 そのため、体の大きな成獣が入ったときのみ扉を落とすよう設定することが可能、またタヌキなど他の小さい動物を捕獲してしまうことを防ぐこともできます。 被害を減らすには成獣の捕獲を...
箱罠のセンサー(電子トリガー)をお探しの方へ
イノシシやシカの捕獲に広く用いられている箱罠。物理的な仕組みで作動させるものが一般的ですが、近年はセンサーを使った捕獲の仕組みが注目をあびており、多くの地域で導入されるようになってきています。 すでに各社から様々なタイプが販売されていますが、従来の箱罠に慣れている人にとっては、とっつきにくく感じるかもしれません。しかしながら、うまく使えば捕獲率の向上や作業効率を良くすることが可能です。 ※箱罠の傍に設置しておき罠の様子を録画する、「トレイルカメラ」とは今回は区別して説明します。 箱罠+センサーを使った捕獲 箱罠は餌を使って獣を檻の内部に誘引し、獣が檻の中に入ったら仕組みが作動して扉が落ちる仕組みになっています。 こちらの記事もどうぞ 箱罠について詳しく知りたい 一般的な箱罠は、罠の内部にある仕掛け(蹴り糸や踏み板など)に獣が触れると扉が落ちるといった、物理的な仕組みになっています。 たとえば、蹴り糸を使った方式の場合、箱罠内部に張った糸に獣が触れると、扉を吊っているワイヤーや紐が外れて扉が閉まる仕組みになっています。 一方で、センサーをつかった仕掛けの場合、獣が罠の内部に入ったことを赤外線などのセンサーによって感知します。蹴り糸などを用意する必要がなく、またそれが無いことで獣の警戒心を弱めることが可能になります。さらに、仕掛けの労力を減らすことにもつながります。 センサーによって扉が自動で落ちる仕組み この仕組みには、主に赤外線センサーが用いられます。センサー筐体と扉を吊る紐が連結できるようになっており、センサー筐体を箱罠の上面や側面に取り付ける形で仕掛けるのが一般的です。 因みに赤外線とは、熱をもっている物体や生き物が発している電磁波の一種です。これを肉眼で見ることはできませんが、赤外線センサーの内部は入射した赤外線を電気信号に変えるような仕組みとなっています。この仕組みは、人感センサーなど各種センサーとして幅広く用いられています。 これを箱罠の仕掛けに応用し、周囲温度と比べて温度差のあるものがセンサー感知範囲内で動くと、センサーがこれを感知して、扉を吊る紐がセンサー筐体から外れることにより、扉が自動で落ちる仕組みになっています。 IoTを活用した応用例も 最近では、センサー+IoTを組み合わせて捕獲に役立てる試みも進んでいます。IoTとは、今までインターネットにつながっていなかったモノをインターネットにつなぐことです。 例えば、獣が罠の内部に入ったことを赤外線センサーが感知、そのタイミングでカメラ撮影を開始。カメラで撮影された映像を、インターネット経由でパソコンやスマートフォンなどによって遠隔で確認するといったことが可能になります。 さらに、遠隔で人が監視する労力を省くために、獣の種類や頭数を画像で自動判別して、狙った獲物だけを自動で捕獲できるようにするための試みも行われています。 また、赤外線センサーが感知したタイミングで、自動でメール通知を携帯電話等に配信したり、GPSと連携して捕獲場所をマッピングすることによって生息密度が高い場所を割り出したりする応用例もあります。 ただし、高度な機能を有するほどシステムの導入に費用や労力がかかる点、必要に応じてネットワーク接続のためのSIMカード等を別途用意しなければならなかったり、回線電波が届かないような中山間地においては導入が難しいといった側面もあります。 イノホイおすすめのセンサー箱罠 上記を踏まえ、これからセンサー+箱罠による箱罠を導入してみたいという方には、IoTを活用するタイプではなく、赤外線センサーで自動で扉が閉まるタイプを当店ではおすすめしています。 こちらの商品は、ベテラン猟師が監修したセンサーで、設定方法がシンプルかつ実績が多いセンサー商品になります。もちろん、当店のファーレ旭式箱罠にも対応します。 当店のイノシシ・シカ用箱罠は蹴り糸方式ですが、蹴り糸のセッティングは意外に奥が深く、警戒心の高い成獣だと捕獲が難しいことがあります。獣との駆け引きが重要になるため、 熟練者の場合は、ターゲット個体に合わせて蹴り糸の素材や張り方を調整することで対応しますが、初心者の場合はなかなか難しいかと思います。 そういった場合、上記のセンサーをおすすめしており、導入によって捕獲率が上がったという報告もいただいています(参考事例)。 一番の特徴は、あらかじめセンサーが反応する高さを設定できる点です。 例えば、当店の箱罠ビッグサイズ片扉(高さ1.0メートル)と組み合わせて使う場合、天井からの距離60cmの位置でセンサーが反応するように予め設定しておけば、高さ40cm未満の場合は反応せず、40cm以上の肩高の獣が入った時だけ、扉が閉まります。 そのため、体の大きな成獣が入ったときのみ扉を落とすよう設定することが可能、またタヌキなど他の小さい動物を捕獲してしまうことを防ぐこともできます。 被害を減らすには成獣の捕獲を...

ヌートリアの特徴と対策について
ヌートリアは南アメリカ原産の大ネズミで、特定外来生物です。特定外来生物とは、元々日本にいなかった外来生物のうち、生態系などに被害を及ぼすものとして政府が指定した動物のことです。 見た目はカピバラやビーバーにも似ており可愛いとも言われますが、水辺の植物を旺盛に食べることから、西日本を中心に稲などへの農業被害が報告されています。その被害額は、全国で年間およそ5,400万円にのぼります(※農林水産省による公表値はこちら)。 ヌートリアの特徴 ヌートリアはネズミ目に属する動物で、頭胴長は約55~63cm、体重は約6~10kgほどで、ネコよりもやや大きいくらいです。 西日本を中心に、岡山県、愛知県、三重県、岐阜県、京都府、大阪府、兵庫県、香川県などで生息が確認されています。寒さに弱いため、冬場は活動が鈍り、氷結がみられるような寒冷地では生息できません。 見た目の特徴や生態 見た目の特徴としては、まず暗褐色の毛皮をもつこと、齧歯類でありオレンジ色の大きな前歯をもつことが挙げられます。 尻尾は長く、体と違ってあまり毛が生えていません。 後ろ足の第1指から第4指までには水かきがあり、水泳や潜水が得意です。足跡が特徴的(後ろ足のほうが前足よりも大きく、後ろ足だけに水かきの痕跡、尾を引きずったような跡)なので、他の動物の痕跡と区別しやすいです。 平野部の河川や水路、池などの水辺に生息しており、土手や畔(あぜ)などに長い巣穴を掘って、雌雄のペアで生活することが多くあります。 雄・雌で見た目に大きな違いはありませんが、雄のほうがやや大きな体つきをしています。 雌は春に出産する個体が多いですが、季節を問わず繁殖し、年に2・3回、平均5匹の子を産みます。また、妊娠期間は約130日で、生後半年ほどですぐに性成熟し、繁殖が可能となります。これらのことから、繁殖力は非常に強いといえます。 食性や性格 食性としては、ハスやマコモ、ヨシ、ヒシなど水生植物の茎や根茎を好んで食べます。また農作物では水稲の苗をよく食べ、ニンジン、サツマイモなども食べます。基本的には草食性ですが、貝などの動物質の餌も食べることがあります。 基本的には夜行性で明け方と夕方に餌を求めて活発に行動しますが、日中に排水溝の中を隠れながら移動するケースも報告されています。 アライグマ等と比べると、性格は温厚ですが、追い詰められると激しく噛み付く事があります。 ヌートリアが繁殖した原因 先日公表された環境省の生息分布調査結果によると、ヌートリアの生息分布域は以前よりも大きく拡大しています。 2002 年以前のヌートリアの分布と比較すると、東海地方以西に分布するという基本的なパターンに変化はありませんが、特に近畿・中国地方での分布域拡大が目立っています。 また、淡路島、小豆島のような瀬戸内海の島嶼でも分布が確認されています。 そもそもヌートリアが日本で生息するきっかけとなったのは、毛皮増産を目的として1939年にフランスから移入され養育されたことです。 戦争の勝利を連想させる「沼狸」(しょうり)という名称がつけられ、毛皮を兵隊用の防寒着として利用するために日本全国で飼育されていました。 しかしながら、戦後その需要がなくなると放逐されるようになり、逃げ出した個体が野生化・繁殖した結果、現在は生態系を破壊する外来種として扱われるようになりました。 ヌートリアによる被害を防ぐために 現在、ヌートリアの生息密度が高い地域では餌としての農作物被害が発生しているほか、寝床を確保するため、稲を倒してしまう被害も見られます。土手が巣穴だらけにされることで田畑の畔や堤防の強度が低下するといった治水上の問題も懸念されています。実際、2019年夏の西日本豪雨では、岡山県で、ヌートリアの巣穴を原因とするため池の部分崩落が確認されています。 また、兵庫県のため池では水生植物を食害し、在来種であるベッコウトンボの生息環境を壊滅させるなどの生態系への被害も発生しています。そのため、被害金額の高い地域では特に積極的な防除が行われるようになっています。 基本となるのは環境管理 他の害獣対策でも共通していえることですが、基本となるのは被害を防ぐための環境管理です。 食害が懸念される田畑まわりや耕作放棄地、巣穴周辺などの草を刈り払い・焼き払いすることにより、ヌートリアが生息しずらい環境にすることが有効です。地域の各農家が自衛の共通意識を持ち、各々が積極的に除草を行うと良いでしょう。...
ヌートリアの特徴と対策について
ヌートリアは南アメリカ原産の大ネズミで、特定外来生物です。特定外来生物とは、元々日本にいなかった外来生物のうち、生態系などに被害を及ぼすものとして政府が指定した動物のことです。 見た目はカピバラやビーバーにも似ており可愛いとも言われますが、水辺の植物を旺盛に食べることから、西日本を中心に稲などへの農業被害が報告されています。その被害額は、全国で年間およそ5,400万円にのぼります(※農林水産省による公表値はこちら)。 ヌートリアの特徴 ヌートリアはネズミ目に属する動物で、頭胴長は約55~63cm、体重は約6~10kgほどで、ネコよりもやや大きいくらいです。 西日本を中心に、岡山県、愛知県、三重県、岐阜県、京都府、大阪府、兵庫県、香川県などで生息が確認されています。寒さに弱いため、冬場は活動が鈍り、氷結がみられるような寒冷地では生息できません。 見た目の特徴や生態 見た目の特徴としては、まず暗褐色の毛皮をもつこと、齧歯類でありオレンジ色の大きな前歯をもつことが挙げられます。 尻尾は長く、体と違ってあまり毛が生えていません。 後ろ足の第1指から第4指までには水かきがあり、水泳や潜水が得意です。足跡が特徴的(後ろ足のほうが前足よりも大きく、後ろ足だけに水かきの痕跡、尾を引きずったような跡)なので、他の動物の痕跡と区別しやすいです。 平野部の河川や水路、池などの水辺に生息しており、土手や畔(あぜ)などに長い巣穴を掘って、雌雄のペアで生活することが多くあります。 雄・雌で見た目に大きな違いはありませんが、雄のほうがやや大きな体つきをしています。 雌は春に出産する個体が多いですが、季節を問わず繁殖し、年に2・3回、平均5匹の子を産みます。また、妊娠期間は約130日で、生後半年ほどですぐに性成熟し、繁殖が可能となります。これらのことから、繁殖力は非常に強いといえます。 食性や性格 食性としては、ハスやマコモ、ヨシ、ヒシなど水生植物の茎や根茎を好んで食べます。また農作物では水稲の苗をよく食べ、ニンジン、サツマイモなども食べます。基本的には草食性ですが、貝などの動物質の餌も食べることがあります。 基本的には夜行性で明け方と夕方に餌を求めて活発に行動しますが、日中に排水溝の中を隠れながら移動するケースも報告されています。 アライグマ等と比べると、性格は温厚ですが、追い詰められると激しく噛み付く事があります。 ヌートリアが繁殖した原因 先日公表された環境省の生息分布調査結果によると、ヌートリアの生息分布域は以前よりも大きく拡大しています。 2002 年以前のヌートリアの分布と比較すると、東海地方以西に分布するという基本的なパターンに変化はありませんが、特に近畿・中国地方での分布域拡大が目立っています。 また、淡路島、小豆島のような瀬戸内海の島嶼でも分布が確認されています。 そもそもヌートリアが日本で生息するきっかけとなったのは、毛皮増産を目的として1939年にフランスから移入され養育されたことです。 戦争の勝利を連想させる「沼狸」(しょうり)という名称がつけられ、毛皮を兵隊用の防寒着として利用するために日本全国で飼育されていました。 しかしながら、戦後その需要がなくなると放逐されるようになり、逃げ出した個体が野生化・繁殖した結果、現在は生態系を破壊する外来種として扱われるようになりました。 ヌートリアによる被害を防ぐために 現在、ヌートリアの生息密度が高い地域では餌としての農作物被害が発生しているほか、寝床を確保するため、稲を倒してしまう被害も見られます。土手が巣穴だらけにされることで田畑の畔や堤防の強度が低下するといった治水上の問題も懸念されています。実際、2019年夏の西日本豪雨では、岡山県で、ヌートリアの巣穴を原因とするため池の部分崩落が確認されています。 また、兵庫県のため池では水生植物を食害し、在来種であるベッコウトンボの生息環境を壊滅させるなどの生態系への被害も発生しています。そのため、被害金額の高い地域では特に積極的な防除が行われるようになっています。 基本となるのは環境管理 他の害獣対策でも共通していえることですが、基本となるのは被害を防ぐための環境管理です。 食害が懸念される田畑まわりや耕作放棄地、巣穴周辺などの草を刈り払い・焼き払いすることにより、ヌートリアが生息しずらい環境にすることが有効です。地域の各農家が自衛の共通意識を持ち、各々が積極的に除草を行うと良いでしょう。...

イノシシの防除・駆除の基本を説明します。
近年、都市部においても身近な害獣として認知が広がってきているイノシシ。被害が深刻になる前に防除や駆除を中心とした対策が必要となりますが、具体的にどのような手順で進めていけばよいのでしょうか? 今回はイノシシ対策に着手するにあたって重要となるポイントや、具体的な防除・駆除方法について解説します。 イノシシ防除・駆除の事前知識~イノシシによる被害の現状~ 農林水産省が調査したデータによると、野生鳥獣による農作物への被害金額は年間で約158億円に達しています(平成30年度)。 自治体が主体となった本格的な野生鳥獣への対策が効果を見せ、年々この数字は減少傾向にありますが被害規模はまだまだ甚大で、継続的な対策が重要となっています。 イノシシによる農作物の被害は年間約47億円 中でもイノシシによる農作物への被害は深刻です。年間での被害額は約47億円。これはシカの約54億円に次いで大きい被害額で、全体の3割以上を占めています。 出典:農林水産省ホームページ 丹精込めて作った作物を収穫前に一夜にして駄目にされ、営農意欲を無くすほどの重篤なケースも少なくありません。 イノシシ対策商品ページはこちら>>。 イノシシ防除・駆除の基本となる3つのポイント イノシシ被害に対する施策は、「防除」と「駆除」に大別されます。 防除とは、被害を防いで取り除くこと。駆除とは、害になるものを追い払う、または捕殺して取り除くことをいいます。イノシシへの対策には、この2つを両立して進めていくことが大切です。 では、具体的に防除・駆除の基本となる3つのポイントを見ていきましょう。 1.体制の整備 1つ目は、体制の整備です。 体制の整備とは、イノシシ被害を自分たちの問題と考えることができるメンバーを増やすことをいいます。獣害対策は1人で取り組むより、グループで取り組むことでより効果を発揮します。個別の対策では、イノシシが移動して被害が分散するリスクも考えれることから、できる限り対策に取り組む「仲間」を増やしていきましょう。 まずは少人数でもグループを作り、それを広げていくことで地域ぐるみでの対策が可能になってきます。 2.環境の整備 2つ目は、環境の整備です。 環境の整備は、イノシシを引き寄せないための環境改善のこと。具体的には、害獣への餌付けを防止することが大切です。獣は餌をもとめて人里に寄って来ます。意図しなくても、獣が集落で餌にありつけるような環境になっていると、被害に繋がりやすくなるでしょう。 まずは、知らないうちに獣にエサをドンドンと与えてしまっている環境を無くすことが重要です。 例えば、 稲刈り後のヒコバエ(2番穂)や農作物の残渣、残飯等が放置されている 放任果樹(収穫されない栗や柿など)がある ・お墓にいつまでも供え物が置いてある 管理されない耕作放棄地が多い(餌となる作物があったり、獣が安心して身を隠しながら人里に接近できる環境がある) といった例が挙げられます。 ほかにも、市場に出荷できない作物をそのまま放置しておくと、イノシシの餌となってしまいます。一度イノシシが作物の味を覚えてしまうと、そこを餌場として認識してしまう可能性があります。 「ここには美味しい食べ物がある」とイノシシに覚えさせないためにも、餌となりうるものはできる限り除けておくことが大切です。...
イノシシの防除・駆除の基本を説明します。
近年、都市部においても身近な害獣として認知が広がってきているイノシシ。被害が深刻になる前に防除や駆除を中心とした対策が必要となりますが、具体的にどのような手順で進めていけばよいのでしょうか? 今回はイノシシ対策に着手するにあたって重要となるポイントや、具体的な防除・駆除方法について解説します。 イノシシ防除・駆除の事前知識~イノシシによる被害の現状~ 農林水産省が調査したデータによると、野生鳥獣による農作物への被害金額は年間で約158億円に達しています(平成30年度)。 自治体が主体となった本格的な野生鳥獣への対策が効果を見せ、年々この数字は減少傾向にありますが被害規模はまだまだ甚大で、継続的な対策が重要となっています。 イノシシによる農作物の被害は年間約47億円 中でもイノシシによる農作物への被害は深刻です。年間での被害額は約47億円。これはシカの約54億円に次いで大きい被害額で、全体の3割以上を占めています。 出典:農林水産省ホームページ 丹精込めて作った作物を収穫前に一夜にして駄目にされ、営農意欲を無くすほどの重篤なケースも少なくありません。 イノシシ対策商品ページはこちら>>。 イノシシ防除・駆除の基本となる3つのポイント イノシシ被害に対する施策は、「防除」と「駆除」に大別されます。 防除とは、被害を防いで取り除くこと。駆除とは、害になるものを追い払う、または捕殺して取り除くことをいいます。イノシシへの対策には、この2つを両立して進めていくことが大切です。 では、具体的に防除・駆除の基本となる3つのポイントを見ていきましょう。 1.体制の整備 1つ目は、体制の整備です。 体制の整備とは、イノシシ被害を自分たちの問題と考えることができるメンバーを増やすことをいいます。獣害対策は1人で取り組むより、グループで取り組むことでより効果を発揮します。個別の対策では、イノシシが移動して被害が分散するリスクも考えれることから、できる限り対策に取り組む「仲間」を増やしていきましょう。 まずは少人数でもグループを作り、それを広げていくことで地域ぐるみでの対策が可能になってきます。 2.環境の整備 2つ目は、環境の整備です。 環境の整備は、イノシシを引き寄せないための環境改善のこと。具体的には、害獣への餌付けを防止することが大切です。獣は餌をもとめて人里に寄って来ます。意図しなくても、獣が集落で餌にありつけるような環境になっていると、被害に繋がりやすくなるでしょう。 まずは、知らないうちに獣にエサをドンドンと与えてしまっている環境を無くすことが重要です。 例えば、 稲刈り後のヒコバエ(2番穂)や農作物の残渣、残飯等が放置されている 放任果樹(収穫されない栗や柿など)がある ・お墓にいつまでも供え物が置いてある 管理されない耕作放棄地が多い(餌となる作物があったり、獣が安心して身を隠しながら人里に接近できる環境がある) といった例が挙げられます。 ほかにも、市場に出荷できない作物をそのまま放置しておくと、イノシシの餌となってしまいます。一度イノシシが作物の味を覚えてしまうと、そこを餌場として認識してしまう可能性があります。 「ここには美味しい食べ物がある」とイノシシに覚えさせないためにも、餌となりうるものはできる限り除けておくことが大切です。...

イノシシ対策に効果のある電気柵の設置方法
イノシシは学習能力が高く警戒心の強い動物です。農作物被害の対策として電気柵を設置する場合も、効果を上げるために設置方法を工夫する必要があります。 本記事では、イノシシ向けの電気柵の仕組みと、効果的な設置方法を7つのポイントから解説しています。防御の効果をできるだけ上げられるよう、適切な設置方法を確認していきましょう。 イノシシ対策として電気柵はどう使う? イノシシ対策として電気柵を用いる場合、農作物を囲む防護柵に電気を通しておき、侵入を試みるイノシシに電気ショックを与えます。 電気ショックによって身体的にダメージを与えるというよりも、恐怖心を学習させることにより、イノシシが柵を避けるようにすることが目的になります。 イノシシは警戒心が強く、自分が生活するエリアを注意深く観察する習性を持っています。その際、おもに鼻を使って様々な情報を取得しようとしますが、電気柵の電線が鼻の部分に触れたときに電気ショックが走ります。 この電気ショックによる「痛み」や「恐怖」が目的で、『この場所は危ないから近付かないでおこう』とイノシシに学習させ、農作物から遠ざけることで被害をくい止めるのです。 電気柵の仕組み 電線に何も触れていない状態では、電気柵の本体から出力された電流(+)が電線を伝って流れている状態となります。また、本体から地面にアース(-)が取られています。 ※電流は常時流れているわけではなく、通電時間が1秒ごとに0.01秒以下という断続的なパルス電流になっていますので、動物を殺傷するほどの能力はありません。人間が誤って触れてしまった場合でも重篤な事故を避けることができます。 この状態でイノシシの鼻先など通電しやすいものが電線に触れると、イノシシの体をつたって電線→イノシシの体→アース→本体という順序で電気の通り道ができます。これによってイノシシが電気ショックを受けるわけですが、痛みの程度としては、「バチッ」と強い静電気を受けたくらいです。電気ショックを受けると、イノシシは驚いて逃げる行動をとります。 イメージとしては、理科の実験でよく見かける豆電球のような仕組みです。電気柵本体が乾電池、電線が導線、イノシシがスイッチの役割を果たします。イノシシの鼻が触れてスイッチが入ると、通電して豆電球が光る(電気ショックが起こる)といった仕組みです。 そのため、電気がきちんと通電するように設置場所や方法を工夫することがとても重要な意味を持ちます。 効果の上がる電気柵の設置方法7つのポイント 電気柵を使ったイノシシ対策では、効果を上げるために設置のポイントをしっかり押さえておくことが大切です。ここでは、設置方法の7つのポイントをご紹介します。 1.適切な通電状態を確保する 電気柵を設置する際は、適切な通電状態を確保することが重要です。電線部分に漏電がないか、また地面の導電性に問題がないか確認する必要があります。 漏電がないかよく確認する よくあるのが、ガードレールやトタンなど導電性があるものに電線が触れており漏電が発生しているパターンです。ほかにも気づかないうちに電線が草や木や石に触れてしまっており、漏電が発生していることがあります。漏電があると、電気柵全体の電圧が下がってしまうので、イノシシに十分な電気ショックを与えることができません。 また、ガイシを使わずに支柱に直接電線を巻き付けるのは避けましょう。傍目は通電性が無い材質だとしても、電気柵は高電圧であるため、漏電が起こります。ガイシを使っていても、電線が適切に取り付けられておらず金属個所に触れてしまっている場合もあるので、設置の際によく確認しましょう。 地面の通電性に注意 先ほど電気柵の仕組みの部分でも触れましたが、電気柵は豆電球のような仕組みでイノシシが触れることで地面(アース)との間に回路ができることで電気が流れます。 しかし、柵を設置する場所の地面が通電しにくい状態の場合、十分な効果が得られません。 具体的には、コンクリートやアスファルト、石畳といった場所は避けるようにしましょう。 また、乾燥した土壌など、地質や土壌条件によっては通電が悪くアースが取りにくい場合があります。 柵を設置しようとする場所とコンクリートやアスファルトが近い場合は、柵がコンクリート等からできるだけ離れるよう設置場所を調整するか、通電性の良いトタン板などを敷くことによってアースとして機能させるという手もあります。 またアース棒を使って地面と本体のあいだにアースを取る場合は、アース棒がきちんと設置場所の地面に埋まっているか、断線していないか確認します。 設置時に適切な通電状態を確認するのはもちろん、設置後も定期的にチェックすることが重要です。 2.傾斜地から離す 電気柵を設置する場合は傾斜地から離すようにしましょう。...
イノシシ対策に効果のある電気柵の設置方法
イノシシは学習能力が高く警戒心の強い動物です。農作物被害の対策として電気柵を設置する場合も、効果を上げるために設置方法を工夫する必要があります。 本記事では、イノシシ向けの電気柵の仕組みと、効果的な設置方法を7つのポイントから解説しています。防御の効果をできるだけ上げられるよう、適切な設置方法を確認していきましょう。 イノシシ対策として電気柵はどう使う? イノシシ対策として電気柵を用いる場合、農作物を囲む防護柵に電気を通しておき、侵入を試みるイノシシに電気ショックを与えます。 電気ショックによって身体的にダメージを与えるというよりも、恐怖心を学習させることにより、イノシシが柵を避けるようにすることが目的になります。 イノシシは警戒心が強く、自分が生活するエリアを注意深く観察する習性を持っています。その際、おもに鼻を使って様々な情報を取得しようとしますが、電気柵の電線が鼻の部分に触れたときに電気ショックが走ります。 この電気ショックによる「痛み」や「恐怖」が目的で、『この場所は危ないから近付かないでおこう』とイノシシに学習させ、農作物から遠ざけることで被害をくい止めるのです。 電気柵の仕組み 電線に何も触れていない状態では、電気柵の本体から出力された電流(+)が電線を伝って流れている状態となります。また、本体から地面にアース(-)が取られています。 ※電流は常時流れているわけではなく、通電時間が1秒ごとに0.01秒以下という断続的なパルス電流になっていますので、動物を殺傷するほどの能力はありません。人間が誤って触れてしまった場合でも重篤な事故を避けることができます。 この状態でイノシシの鼻先など通電しやすいものが電線に触れると、イノシシの体をつたって電線→イノシシの体→アース→本体という順序で電気の通り道ができます。これによってイノシシが電気ショックを受けるわけですが、痛みの程度としては、「バチッ」と強い静電気を受けたくらいです。電気ショックを受けると、イノシシは驚いて逃げる行動をとります。 イメージとしては、理科の実験でよく見かける豆電球のような仕組みです。電気柵本体が乾電池、電線が導線、イノシシがスイッチの役割を果たします。イノシシの鼻が触れてスイッチが入ると、通電して豆電球が光る(電気ショックが起こる)といった仕組みです。 そのため、電気がきちんと通電するように設置場所や方法を工夫することがとても重要な意味を持ちます。 効果の上がる電気柵の設置方法7つのポイント 電気柵を使ったイノシシ対策では、効果を上げるために設置のポイントをしっかり押さえておくことが大切です。ここでは、設置方法の7つのポイントをご紹介します。 1.適切な通電状態を確保する 電気柵を設置する際は、適切な通電状態を確保することが重要です。電線部分に漏電がないか、また地面の導電性に問題がないか確認する必要があります。 漏電がないかよく確認する よくあるのが、ガードレールやトタンなど導電性があるものに電線が触れており漏電が発生しているパターンです。ほかにも気づかないうちに電線が草や木や石に触れてしまっており、漏電が発生していることがあります。漏電があると、電気柵全体の電圧が下がってしまうので、イノシシに十分な電気ショックを与えることができません。 また、ガイシを使わずに支柱に直接電線を巻き付けるのは避けましょう。傍目は通電性が無い材質だとしても、電気柵は高電圧であるため、漏電が起こります。ガイシを使っていても、電線が適切に取り付けられておらず金属個所に触れてしまっている場合もあるので、設置の際によく確認しましょう。 地面の通電性に注意 先ほど電気柵の仕組みの部分でも触れましたが、電気柵は豆電球のような仕組みでイノシシが触れることで地面(アース)との間に回路ができることで電気が流れます。 しかし、柵を設置する場所の地面が通電しにくい状態の場合、十分な効果が得られません。 具体的には、コンクリートやアスファルト、石畳といった場所は避けるようにしましょう。 また、乾燥した土壌など、地質や土壌条件によっては通電が悪くアースが取りにくい場合があります。 柵を設置しようとする場所とコンクリートやアスファルトが近い場合は、柵がコンクリート等からできるだけ離れるよう設置場所を調整するか、通電性の良いトタン板などを敷くことによってアースとして機能させるという手もあります。 またアース棒を使って地面と本体のあいだにアースを取る場合は、アース棒がきちんと設置場所の地面に埋まっているか、断線していないか確認します。 設置時に適切な通電状態を確認するのはもちろん、設置後も定期的にチェックすることが重要です。 2.傾斜地から離す 電気柵を設置する場合は傾斜地から離すようにしましょう。...