鳥獣被害対策マガジン
捕獲獣(イノシシ・シカ等)の止めさしについて
目次 1止めさしの前に 2止めさしの種類 1銃器を使用する方法 2ナイフや槍といった刃物を使用する方法 3電流で感電させる方法 4炭酸ガスなどを用いた化学的な処理 3まとめ ※注意:この記事は、狩猟や鳥獣被害に理解のある方のみ閲覧ください。いわゆる動物愛護観点からのコメントには応じかねます。 近年、鳥獣被害対策として箱罠やくくり罠、囲い罠等を用いて、イノシシやシカ等を捕獲する取り組みが広がってきています。 それに伴い、捕獲するまでのノウハウや、食肉活用についての事例紹介は多く目にするようになりましたが、実際に獣が罠にかかった場合、どのような処理が必要となるかについては、あまり議論が多くないように感じます。 野生獣は想像以上に身体能力が高く(特にイノシシ)、捕獲した獣は生死がかかっているので、予想外の動きを取ることもあります。例えば、くくり罠において足をくくっているワイヤーが獣が動いた拍子に外れ、逆襲されたことによる死亡事故も発生しています。 この記事では、捕獲した獣にできる限り苦痛を与えず、安全かつ速やかに「止めさし」を行う技術について、説明いたします。 止めさしの前に まずは、獣が罠にかかっている現場の状況をしっかりと確認することが重要です。イノシシの捕獲では、わなの見回りや捕獲個体の止めさしの際に、最も事故が発生する確率が高くなります。 いきなり近づいて確認せずに、まずは遠くから双眼鏡などを用いてチェックするのがベストです。遠くからゆっくりと近づき、傾斜のある場合は高いほうから徐々に近づくことが基本です。 くくり罠の場合は、以下がチェックポイントになります。 ▶ワイヤーが獣のどの部位を括っているか ▶括った箇所が抜けかかっていたり、切れかけたりしていないか ▶括った部分の体の部位が、ちぎれかけていないか ▶支点にしている部分からワイヤーが抜けたりしないか ▶獣の可動範囲はどの程度か 箱罠の場合は、以下がチェックポイントになります。 ▶箱罠に破損はないか ▶獣が逃げ出す恐れはないか(扉やストッパーの確認) 離れた場所から、手をたたいたり、大きな声を出して、捕獲された獣の反応を観察するとともに、捕獲された個体の近くに他の個体が潜んでいないかも確認しましょう。 止めさしの種類 止め刺しの種類としては、大きく分けて4つあります。 >1....
捕獲獣(イノシシ・シカ等)の止めさしについて
目次 1止めさしの前に 2止めさしの種類 1銃器を使用する方法 2ナイフや槍といった刃物を使用する方法 3電流で感電させる方法 4炭酸ガスなどを用いた化学的な処理 3まとめ ※注意:この記事は、狩猟や鳥獣被害に理解のある方のみ閲覧ください。いわゆる動物愛護観点からのコメントには応じかねます。 近年、鳥獣被害対策として箱罠やくくり罠、囲い罠等を用いて、イノシシやシカ等を捕獲する取り組みが広がってきています。 それに伴い、捕獲するまでのノウハウや、食肉活用についての事例紹介は多く目にするようになりましたが、実際に獣が罠にかかった場合、どのような処理が必要となるかについては、あまり議論が多くないように感じます。 野生獣は想像以上に身体能力が高く(特にイノシシ)、捕獲した獣は生死がかかっているので、予想外の動きを取ることもあります。例えば、くくり罠において足をくくっているワイヤーが獣が動いた拍子に外れ、逆襲されたことによる死亡事故も発生しています。 この記事では、捕獲した獣にできる限り苦痛を与えず、安全かつ速やかに「止めさし」を行う技術について、説明いたします。 止めさしの前に まずは、獣が罠にかかっている現場の状況をしっかりと確認することが重要です。イノシシの捕獲では、わなの見回りや捕獲個体の止めさしの際に、最も事故が発生する確率が高くなります。 いきなり近づいて確認せずに、まずは遠くから双眼鏡などを用いてチェックするのがベストです。遠くからゆっくりと近づき、傾斜のある場合は高いほうから徐々に近づくことが基本です。 くくり罠の場合は、以下がチェックポイントになります。 ▶ワイヤーが獣のどの部位を括っているか ▶括った箇所が抜けかかっていたり、切れかけたりしていないか ▶括った部分の体の部位が、ちぎれかけていないか ▶支点にしている部分からワイヤーが抜けたりしないか ▶獣の可動範囲はどの程度か 箱罠の場合は、以下がチェックポイントになります。 ▶箱罠に破損はないか ▶獣が逃げ出す恐れはないか(扉やストッパーの確認) 離れた場所から、手をたたいたり、大きな声を出して、捕獲された獣の反応を観察するとともに、捕獲された個体の近くに他の個体が潜んでいないかも確認しましょう。 止めさしの種類 止め刺しの種類としては、大きく分けて4つあります。 >1....
フォークリフトを使って除雪してみよう
今年の12月は数年に一度の強烈寒波が到来しており、各地で大雪の影響が続いています。積雪地域においては、多くの事業所様が除雪に大変な労力を割かれており、コストをかけて外部業者に除雪作業を依頼している方もいらっしゃるかと思います。 その中で、自分でできる範囲の除雪は自分でやりたいとお考えの事業所様も多いのではないでしょうか?とはいえ、除雪機を導入するにはそれなりに大きなコストがかかりますし、人力で出来る範囲には限りがあります。 そこで今回紹介したいのが、フォークリフトを使った除雪作業です。荷役業務などで普段お使いのフォークリフトに除雪用のアタッチメントを取り付ければ、簡単に除雪作業を行うことができるんです。 そもそも、フォークリフトで除雪して良いの? そもそもフォークリフトで除雪してよいのか、法令上違法にならないのか、気になる方も多いかと思います。 まず注意しなければならないのは、フォークリフトに除雪アタッチメントを装着した状態での公道走行ならびに除雪作業は出来ないという点です。 また、労働安全衛生規則の第151条の14に「フォークリフト等の車両尾計荷役運搬機械を荷の吊り上げ、労働者の昇降等主たる用途以外の用途に使用してはならない」という記載があり、通常の荷役運搬作業以外に使用してはならないように読み取れます。 しかしながら、この条文には「但し、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りではない」という記載もあり、一般的にはフォークリフトによる除雪作業は問題ないと解釈されます。念のため、用途外使用に該当するかどうかを最寄りの労基署へ問合せした上で、導入を検討すると良いでしょう。 フォークリフトを使った除雪のメリット まず、除雪作業をするためのアタッチメントをフォークリフトの爪に装着します。装着方法は商品によってそれぞれ異なりますが、ほとんどの場合アタッチメントの取り付けは短時間で行うことができるので、急な大雪にもスピーディに対応できる長所があります。 除雪車や除雪機の場合は導入にコストがかかりますし、積雪時期以外は稼働させることがありませんので、限られた時期のみ稼働させると考えると、ややもったいない気もしてしまいます。一方でフォークリフトのアタッチメントであれば導入も安価で済み、除雪しない時期は通常の荷役業務用としてフォークリフトを稼働させることができます。 普段の荷役業務を行いつつ、除雪が必要なタイミングではアタッチメントを取付けて除雪作用をするといったことが可能になるわけです。特に年回の大雪があるような地域においてフォークリフトをお持ちの事業所様は、いざというときの備えとして除雪用アタッチメントを置いておくと安心です。 除雪のやり方 除雪を行う際は、必ず周りに人がいない事を確認してから行います。除雪するエリアにできるだけ車や人が通行しないタイミングに実施したほうが作業効率がよくなりますので、たとえば事業所の敷地内で除雪作業をする場合等は、始業時間前がベストなタイミングです。 フォークリフトにアタッチメントを取付けたのち、雪を1か所に集めます。除雪するエリアが広い場合は、数カ所に分けて仮の集雪場所を設け、周囲の雪を集めるようにします。もし重い雪と軽い雪が混在している場合は、軽い雪を集めた上に重たい雪を乗せるようすると、うまく固まって山の体積を減らすことができます。 実際に作業に取り掛かる前に、どのような導線で作業を行うとロスが少ないか、イメージしておくと良いでしょう。 注意点としては、急発進や急加速、急ブレーキや急ハンドルは行わないようにすること、前輪が浮いた状態にならないよう注意すること、スリップ等を避けるためにスピードはできるだけ一定にすることです。 積もった雪のかたまりは大きく重たいものです。積んだ山の向こう側になだれる場合もあるのでで、積んだ場所の向こう側にフェンスなど変形しやすいものがないか、通行の邪魔になったり、近隣の迷惑にならないよう予め確認しておきます。 また、フォークリフトは除雪を目的とした重機ではなく、凹凸に弱いので、積もった場所に乗り入れる際は無理に深追いしないようにします。 除雪アタッチメントの種類 各社から様々な除雪アタッチメントが販売されておりますが、代表的なタイプをご紹介します。 除雪バケット バケットとは、ショベルカー等の重機のアームに装着するアタッチメントの種類のことです。掘削現場で多くみられ、除雪バケットにおいては、除雪に適した大きさ・用量で設計されており、フォークリフトの爪に取り付けやすいような工夫がされています。 バケットの傾斜角度が一定のタイプもあれば、リフトを上げてブレーキを踏み込むと慣性作用によってバケット傾斜角を高くし、簡単にバケット内の雪を排出できるようなタイプもあります。 除雪ブレード 上記の除雪バケットと概念は変わりませんが、バケットとは異なり底の部分がなく、雪を掻き出すような形で作業する形になります。 底面に注意しながら走行しなければならないバケットタイプよりも運転がしやすく、小回りも効くのが特徴です。 またバケットタイプよりも、重くて硬い雪にも対応できる点が長所になります。 除雪アタッチメントの選び方 まずは、ご使用されているフォークリフトの爪に適合するかどうかを確認する必要があります。また、路面の凹凸などで摩耗してしまうので、できるだけ頑丈なものであること、また摩耗した場合の対処も可能なのか(アタッチメントごと丸々交換が必要なのか、摩耗部分だけ交換できるのか等)を予め確認しておくと良いでしょう。...
フォークリフトを使って除雪してみよう
今年の12月は数年に一度の強烈寒波が到来しており、各地で大雪の影響が続いています。積雪地域においては、多くの事業所様が除雪に大変な労力を割かれており、コストをかけて外部業者に除雪作業を依頼している方もいらっしゃるかと思います。 その中で、自分でできる範囲の除雪は自分でやりたいとお考えの事業所様も多いのではないでしょうか?とはいえ、除雪機を導入するにはそれなりに大きなコストがかかりますし、人力で出来る範囲には限りがあります。 そこで今回紹介したいのが、フォークリフトを使った除雪作業です。荷役業務などで普段お使いのフォークリフトに除雪用のアタッチメントを取り付ければ、簡単に除雪作業を行うことができるんです。 そもそも、フォークリフトで除雪して良いの? そもそもフォークリフトで除雪してよいのか、法令上違法にならないのか、気になる方も多いかと思います。 まず注意しなければならないのは、フォークリフトに除雪アタッチメントを装着した状態での公道走行ならびに除雪作業は出来ないという点です。 また、労働安全衛生規則の第151条の14に「フォークリフト等の車両尾計荷役運搬機械を荷の吊り上げ、労働者の昇降等主たる用途以外の用途に使用してはならない」という記載があり、通常の荷役運搬作業以外に使用してはならないように読み取れます。 しかしながら、この条文には「但し、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りではない」という記載もあり、一般的にはフォークリフトによる除雪作業は問題ないと解釈されます。念のため、用途外使用に該当するかどうかを最寄りの労基署へ問合せした上で、導入を検討すると良いでしょう。 フォークリフトを使った除雪のメリット まず、除雪作業をするためのアタッチメントをフォークリフトの爪に装着します。装着方法は商品によってそれぞれ異なりますが、ほとんどの場合アタッチメントの取り付けは短時間で行うことができるので、急な大雪にもスピーディに対応できる長所があります。 除雪車や除雪機の場合は導入にコストがかかりますし、積雪時期以外は稼働させることがありませんので、限られた時期のみ稼働させると考えると、ややもったいない気もしてしまいます。一方でフォークリフトのアタッチメントであれば導入も安価で済み、除雪しない時期は通常の荷役業務用としてフォークリフトを稼働させることができます。 普段の荷役業務を行いつつ、除雪が必要なタイミングではアタッチメントを取付けて除雪作用をするといったことが可能になるわけです。特に年回の大雪があるような地域においてフォークリフトをお持ちの事業所様は、いざというときの備えとして除雪用アタッチメントを置いておくと安心です。 除雪のやり方 除雪を行う際は、必ず周りに人がいない事を確認してから行います。除雪するエリアにできるだけ車や人が通行しないタイミングに実施したほうが作業効率がよくなりますので、たとえば事業所の敷地内で除雪作業をする場合等は、始業時間前がベストなタイミングです。 フォークリフトにアタッチメントを取付けたのち、雪を1か所に集めます。除雪するエリアが広い場合は、数カ所に分けて仮の集雪場所を設け、周囲の雪を集めるようにします。もし重い雪と軽い雪が混在している場合は、軽い雪を集めた上に重たい雪を乗せるようすると、うまく固まって山の体積を減らすことができます。 実際に作業に取り掛かる前に、どのような導線で作業を行うとロスが少ないか、イメージしておくと良いでしょう。 注意点としては、急発進や急加速、急ブレーキや急ハンドルは行わないようにすること、前輪が浮いた状態にならないよう注意すること、スリップ等を避けるためにスピードはできるだけ一定にすることです。 積もった雪のかたまりは大きく重たいものです。積んだ山の向こう側になだれる場合もあるのでで、積んだ場所の向こう側にフェンスなど変形しやすいものがないか、通行の邪魔になったり、近隣の迷惑にならないよう予め確認しておきます。 また、フォークリフトは除雪を目的とした重機ではなく、凹凸に弱いので、積もった場所に乗り入れる際は無理に深追いしないようにします。 除雪アタッチメントの種類 各社から様々な除雪アタッチメントが販売されておりますが、代表的なタイプをご紹介します。 除雪バケット バケットとは、ショベルカー等の重機のアームに装着するアタッチメントの種類のことです。掘削現場で多くみられ、除雪バケットにおいては、除雪に適した大きさ・用量で設計されており、フォークリフトの爪に取り付けやすいような工夫がされています。 バケットの傾斜角度が一定のタイプもあれば、リフトを上げてブレーキを踏み込むと慣性作用によってバケット傾斜角を高くし、簡単にバケット内の雪を排出できるようなタイプもあります。 除雪ブレード 上記の除雪バケットと概念は変わりませんが、バケットとは異なり底の部分がなく、雪を掻き出すような形で作業する形になります。 底面に注意しながら走行しなければならないバケットタイプよりも運転がしやすく、小回りも効くのが特徴です。 またバケットタイプよりも、重くて硬い雪にも対応できる点が長所になります。 除雪アタッチメントの選び方 まずは、ご使用されているフォークリフトの爪に適合するかどうかを確認する必要があります。また、路面の凹凸などで摩耗してしまうので、できるだけ頑丈なものであること、また摩耗した場合の対処も可能なのか(アタッチメントごと丸々交換が必要なのか、摩耗部分だけ交換できるのか等)を予め確認しておくと良いでしょう。...
【注意喚起】鳥インフルエンザは野生鳥獣が媒介している可能性
目次 1そもそも鳥インフルエンザとは? 2本年度の国内における鳥インフルエンザ発生状況 3なぜこの季節に高病原性鳥インフルエンザの発生リスクが高まるのか? 4ネズミがウイルスを媒介している可能性も 5野生動物からのウイルスの農場内/鶏舎内への持ち込みを防ぐための環境整備を 今シーズンも、高病原性鳥インフルエンザの発生リスクが高くなる季節となってきました。 高病原性鳥インフルエンザの対応は迅速さが求められますが、そのためには日常的に情報収集を行うことが重要です。 当社にて、鳥インフルエンザについての情報収集動向を調査した結果、11月から3月にかけて鳥インフルエンザ対策についての情報をインターネットで調べる人は非常に多くなり、特に12月は養鶏農家様を中心に神経を尖らせている方が非常に多くなる傾向が見られました。 そこで、本記事では鳥インフルエンザ発生に対する注意喚起という意味合いも含め、直近の情報をシェアさせていただきたいと思います。 そもそも鳥インフルエンザとは? 鳥インフルエンザとは、A型インフルエンザウイルスによる鳥の感染症のことを差します。野生の水鳥のうち、特に游禽類(カモやガチョウなど)はこのA型インフルエンザウイルスを多く保有していますが、通常は無症状となります。 これらの野生の水鳥に由来して、鶏舎等で飼育される鶏などの家きんにもインフルエンザが感染しますが、感染を繰り返すうちにウイルスが変異して高い病原性を示すウイルスとなります。 これを高病原性鳥インフルエンザウイルスと呼びます。特徴として、家きんに対する伝染力が強く、急速に多くの家きんが死亡にいたるという点が挙げられます。 鳥インフルエンザにはいくつかの型がありますが、病原性が低いものもあります。また、野鳥の種類によって感染のしやすさや症状の重さに差が出るため、症状が全くでない鳥もいれば、死亡する鳥もいます。 「高病原性」や「低病原性」という表現は、家きんに対する病原性の強さを示します。野鳥や人に対する病原性ではないことを知っておくと良いでしょう。 本年度の国内における鳥インフルエンザ発生状況 農林水産省のホームページにて、本年度における鳥インフルエンザの発生状況が公開されています。 12/16時点では、家きんにおいて8県9例が確認されており、野鳥においては7事例が確認されています。 なぜこの季節に高病原性鳥インフルエンザの発生リスクが高まるのか? なぜこのシーズンに高病原性鳥インフルエンザの発生リスクが高くなるかというと、上記のようなウイルスを保有しやすい冬の渡り鳥が日本に滞在するためです。 環境省が発表している今シーズン(2021年)における高病原性鳥インフルエンザウイルス陽性の確認状況を見ると、陽性が確認された野鳥の種類はマガモ、オナガガモ、ナベヅルとなっています。 マガモやオナガガモは冬鳥として日本に渡ってくる数が特に多く、おもにロシア東部及び極東部から渡ってくるものが多いです。 マガモはカモ類では飛来時期が遅い方で、11 月に入ると全国的に飛来数はピークを迎え、3月までは各地で越冬したり移動したりする傾向がみられます。その後4月に入ると日本から離れていきます。 オナガガモは渡りの中継地として日本に飛来し、9月から12 月にかけておもに北海道と東北の日本海側の調査地で個体数が増加します。3月から青森を除く本州以南の調査地で減少しはじめ、4月には北海道以外の地域ではほとんど見られなくなります。 これらの渡り鳥が日本に多く滞在するタイミングが、もっとも鳥インフルエンザの発生リスクが高くなる時期ということになります。 ネズミがウイルスを媒介している可能性も...
【注意喚起】鳥インフルエンザは野生鳥獣が媒介している可能性
目次 1そもそも鳥インフルエンザとは? 2本年度の国内における鳥インフルエンザ発生状況 3なぜこの季節に高病原性鳥インフルエンザの発生リスクが高まるのか? 4ネズミがウイルスを媒介している可能性も 5野生動物からのウイルスの農場内/鶏舎内への持ち込みを防ぐための環境整備を 今シーズンも、高病原性鳥インフルエンザの発生リスクが高くなる季節となってきました。 高病原性鳥インフルエンザの対応は迅速さが求められますが、そのためには日常的に情報収集を行うことが重要です。 当社にて、鳥インフルエンザについての情報収集動向を調査した結果、11月から3月にかけて鳥インフルエンザ対策についての情報をインターネットで調べる人は非常に多くなり、特に12月は養鶏農家様を中心に神経を尖らせている方が非常に多くなる傾向が見られました。 そこで、本記事では鳥インフルエンザ発生に対する注意喚起という意味合いも含め、直近の情報をシェアさせていただきたいと思います。 そもそも鳥インフルエンザとは? 鳥インフルエンザとは、A型インフルエンザウイルスによる鳥の感染症のことを差します。野生の水鳥のうち、特に游禽類(カモやガチョウなど)はこのA型インフルエンザウイルスを多く保有していますが、通常は無症状となります。 これらの野生の水鳥に由来して、鶏舎等で飼育される鶏などの家きんにもインフルエンザが感染しますが、感染を繰り返すうちにウイルスが変異して高い病原性を示すウイルスとなります。 これを高病原性鳥インフルエンザウイルスと呼びます。特徴として、家きんに対する伝染力が強く、急速に多くの家きんが死亡にいたるという点が挙げられます。 鳥インフルエンザにはいくつかの型がありますが、病原性が低いものもあります。また、野鳥の種類によって感染のしやすさや症状の重さに差が出るため、症状が全くでない鳥もいれば、死亡する鳥もいます。 「高病原性」や「低病原性」という表現は、家きんに対する病原性の強さを示します。野鳥や人に対する病原性ではないことを知っておくと良いでしょう。 本年度の国内における鳥インフルエンザ発生状況 農林水産省のホームページにて、本年度における鳥インフルエンザの発生状況が公開されています。 12/16時点では、家きんにおいて8県9例が確認されており、野鳥においては7事例が確認されています。 なぜこの季節に高病原性鳥インフルエンザの発生リスクが高まるのか? なぜこのシーズンに高病原性鳥インフルエンザの発生リスクが高くなるかというと、上記のようなウイルスを保有しやすい冬の渡り鳥が日本に滞在するためです。 環境省が発表している今シーズン(2021年)における高病原性鳥インフルエンザウイルス陽性の確認状況を見ると、陽性が確認された野鳥の種類はマガモ、オナガガモ、ナベヅルとなっています。 マガモやオナガガモは冬鳥として日本に渡ってくる数が特に多く、おもにロシア東部及び極東部から渡ってくるものが多いです。 マガモはカモ類では飛来時期が遅い方で、11 月に入ると全国的に飛来数はピークを迎え、3月までは各地で越冬したり移動したりする傾向がみられます。その後4月に入ると日本から離れていきます。 オナガガモは渡りの中継地として日本に飛来し、9月から12 月にかけておもに北海道と東北の日本海側の調査地で個体数が増加します。3月から青森を除く本州以南の調査地で減少しはじめ、4月には北海道以外の地域ではほとんど見られなくなります。 これらの渡り鳥が日本に多く滞在するタイミングが、もっとも鳥インフルエンザの発生リスクが高くなる時期ということになります。 ネズミがウイルスを媒介している可能性も...
シカの解体・捌き方【※閲覧注意】
目次 1はじめに 2解体前に気を付けること 3解体のプロセス 1放血 2洗浄 3内臓摘出(モツ抜き)と4. 冷却 5剥皮 6分割 4まとめ ※注意:この記事は、狩猟や鳥獣被害に理解のある方のみ閲覧ください。いわゆる動物愛護観点からのコメントには応じかねます。 鹿肉は脂肪の少ない赤身中心の肉であり、豚肉や牛肉に比べるとカロリーは約3分の1、脂肪分は15分の1程度です。猪肉のほうが美味という方も多いですが、最近は鹿肉もヘルシーな食材として関心を集めています。 せっかく獲った獲物であればできるだけ有効活用したいもの。この記事では、シカの解体・捌き方について説明します。 はじめに まず前提として、シカを含む野生動物を食用として消費するためには、自家消費か食肉販売用かに関わらず、衛生的で安全な食肉処理に取り組むことが重要です。 牛や豚などの家畜と比べると、動物由来感染症や食中毒の発生など衛生上のリスクが高いためです。 シカの場合、人獣共通の感染症として、E型肝炎やライム病、日本紅斑熱、Q熱(コクシエラ症)などが挙げられます。 また、野生鳥獣を解体して精肉・販売するには食肉処理業と食肉販売業の許可が必要であることも知っておく必要があります。 解体前に気を付けること 大きな外傷がみられたり、足取りがおぼつかなかったり、脱毛や痩せ、衰弱が著しい個体は、食肉活用とするのは避けます。できる限り、生きた状態での獲物の様子をよく確認して判断すると良いでしょう。 疑わしいものは廃棄とすることが前提です。 また、外観や皮下において、化膿・水疱・腐敗・ただれなどが見られる場合や、ダニ類等の外部寄生虫の寄生が多すぎる場合も食用とするのは避けます。 感染症のリスクを考えると、銃弾などによって消化器系が損傷し、食用部位に消化器内容物が付着した場合も、食用にするのは避けたほうがよいです。銃器や刃物等によって獲物を狙う場合は、腹部を損傷させることのないよう気を付けましょう。 他にも、狩猟する地域において野生鳥獣に家畜伝染病のまん延が確認された場合は、当該地域で狩猟した個体の食用活用の自粛が求められます。 参考記事:【注意喚起】豚コレラの発生について 詳しくは、野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針を参照ください。 解体のプロセス 解体するための作業プロセスとしては、以下の通りになります。 ※プロセスは順序が変わったり、一部省略される場合があります。...
シカの解体・捌き方【※閲覧注意】
目次 1はじめに 2解体前に気を付けること 3解体のプロセス 1放血 2洗浄 3内臓摘出(モツ抜き)と4. 冷却 5剥皮 6分割 4まとめ ※注意:この記事は、狩猟や鳥獣被害に理解のある方のみ閲覧ください。いわゆる動物愛護観点からのコメントには応じかねます。 鹿肉は脂肪の少ない赤身中心の肉であり、豚肉や牛肉に比べるとカロリーは約3分の1、脂肪分は15分の1程度です。猪肉のほうが美味という方も多いですが、最近は鹿肉もヘルシーな食材として関心を集めています。 せっかく獲った獲物であればできるだけ有効活用したいもの。この記事では、シカの解体・捌き方について説明します。 はじめに まず前提として、シカを含む野生動物を食用として消費するためには、自家消費か食肉販売用かに関わらず、衛生的で安全な食肉処理に取り組むことが重要です。 牛や豚などの家畜と比べると、動物由来感染症や食中毒の発生など衛生上のリスクが高いためです。 シカの場合、人獣共通の感染症として、E型肝炎やライム病、日本紅斑熱、Q熱(コクシエラ症)などが挙げられます。 また、野生鳥獣を解体して精肉・販売するには食肉処理業と食肉販売業の許可が必要であることも知っておく必要があります。 解体前に気を付けること 大きな外傷がみられたり、足取りがおぼつかなかったり、脱毛や痩せ、衰弱が著しい個体は、食肉活用とするのは避けます。できる限り、生きた状態での獲物の様子をよく確認して判断すると良いでしょう。 疑わしいものは廃棄とすることが前提です。 また、外観や皮下において、化膿・水疱・腐敗・ただれなどが見られる場合や、ダニ類等の外部寄生虫の寄生が多すぎる場合も食用とするのは避けます。 感染症のリスクを考えると、銃弾などによって消化器系が損傷し、食用部位に消化器内容物が付着した場合も、食用にするのは避けたほうがよいです。銃器や刃物等によって獲物を狙う場合は、腹部を損傷させることのないよう気を付けましょう。 他にも、狩猟する地域において野生鳥獣に家畜伝染病のまん延が確認された場合は、当該地域で狩猟した個体の食用活用の自粛が求められます。 参考記事:【注意喚起】豚コレラの発生について 詳しくは、野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針を参照ください。 解体のプロセス 解体するための作業プロセスとしては、以下の通りになります。 ※プロセスは順序が変わったり、一部省略される場合があります。...
イノシシの解体・捌き方【※閲覧注意】
目次 1解体の前に 2解体のプロセス 1 放血 2洗浄 3内臓摘出(モツ抜き)と4. 冷却 5剥皮から6. 枝肉の分割まで 3まとめ ※注意:この記事は、狩猟や鳥獣被害に理解のある方のみ閲覧ください。いわゆる動物愛護観点からのコメントには応じかねます。 捕殺後のイノシシは、以下のいずれかの方法で処分します。 1:捕獲者個人による自家消費 2:食肉販売用として有効活用処分 3:埋却処分 4:処理施設で焼却処分 このうち、食べられると判断し、1や2を選択した場合の解体方法について説明します。 ※怪我や化膿など、著しい損傷がある個体を食肉とするのは避けましょう。疑わしいものは廃棄とすることが前提です。詳しくは、野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針を参照ください。 解体の前に 実際に解体をおこなう前に、以下の点に留意しましょう。 食用として有効に活用するために イノシシなどの野生鳥獣を食用として消費するためには、衛生的で安全な食肉処理に取り組む必要があります。牛や豚などの家畜と比べると、動物由来感染症や食中毒の発生など衛生上のリスクが高いためです。販売のために業として解体を行う場合も、自家消費の場合も、安全な野生鳥獣肉の利用を心がけましょう。 販売を行う場合 野生鳥獣を解体、精肉、販売するには食肉処理業と食肉販売業の許可が必要です。例えば、「猟で獲った猪を山中で捌いて、肉を友人に売った」場合、食品衛生法違反となります。狩猟者が獲物を保健所の認可を受けた施設以外で捌き、業として「販売」すると食品衛生法違反になりますので注意しましょう。 自家消費する場合 イノシシは山中で捕殺されること多いですが、解体処理するまでの衛生管理に十分配慮する必要があります。寄生虫をはじめ、種々の感染病原体をもっていることを想定してください。新鮮な肉は安全という誤解もありますが、野生鳥獣由来で加熱しない生肉や臓器は決して安全と思わないでください。 解体のプロセス 捕殺からの流れとしては、以下の通りになります。※プロセスは順序が変わったり、一部省略される場合があります。 ①放血:食肉として処理するために、と殺後に放血させる。...
イノシシの解体・捌き方【※閲覧注意】
目次 1解体の前に 2解体のプロセス 1 放血 2洗浄 3内臓摘出(モツ抜き)と4. 冷却 5剥皮から6. 枝肉の分割まで 3まとめ ※注意:この記事は、狩猟や鳥獣被害に理解のある方のみ閲覧ください。いわゆる動物愛護観点からのコメントには応じかねます。 捕殺後のイノシシは、以下のいずれかの方法で処分します。 1:捕獲者個人による自家消費 2:食肉販売用として有効活用処分 3:埋却処分 4:処理施設で焼却処分 このうち、食べられると判断し、1や2を選択した場合の解体方法について説明します。 ※怪我や化膿など、著しい損傷がある個体を食肉とするのは避けましょう。疑わしいものは廃棄とすることが前提です。詳しくは、野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針を参照ください。 解体の前に 実際に解体をおこなう前に、以下の点に留意しましょう。 食用として有効に活用するために イノシシなどの野生鳥獣を食用として消費するためには、衛生的で安全な食肉処理に取り組む必要があります。牛や豚などの家畜と比べると、動物由来感染症や食中毒の発生など衛生上のリスクが高いためです。販売のために業として解体を行う場合も、自家消費の場合も、安全な野生鳥獣肉の利用を心がけましょう。 販売を行う場合 野生鳥獣を解体、精肉、販売するには食肉処理業と食肉販売業の許可が必要です。例えば、「猟で獲った猪を山中で捌いて、肉を友人に売った」場合、食品衛生法違反となります。狩猟者が獲物を保健所の認可を受けた施設以外で捌き、業として「販売」すると食品衛生法違反になりますので注意しましょう。 自家消費する場合 イノシシは山中で捕殺されること多いですが、解体処理するまでの衛生管理に十分配慮する必要があります。寄生虫をはじめ、種々の感染病原体をもっていることを想定してください。新鮮な肉は安全という誤解もありますが、野生鳥獣由来で加熱しない生肉や臓器は決して安全と思わないでください。 解体のプロセス 捕殺からの流れとしては、以下の通りになります。※プロセスは順序が変わったり、一部省略される場合があります。 ①放血:食肉として処理するために、と殺後に放血させる。...
猟犬の種類と特徴について。追い込み方法なども解説
犬と人間が親しい関係となるきっかけになったのは、3万2000~1万9000年前の欧州で、オオカミが狩猟採集民になついたのが始まりとする研究結果がある。 その後、犬という種類が最初に現れたのは約15,000年前で、人間がオオカミを家畜化し、人間の好む性質を持つ個体を人為的選択※することで、犬という動物が成立したとされる。そのため、犬という動物は、種の成り立ちの観点からも、農耕が始まる遥か以前から猟犬の役割を担っていたと考えられる。 ※人為的選択・・・生物の形質について、人為的に選択して経代を続け、その変化を望む方向に誘導する行為、またはその結果を指す。 少し話が逸れるが、筆者が初めて猟犬という存在を認識したのは、子どもの頃にみた少年ジャンプで掲載されていた「銀牙 -流れ星 銀-」という漫画である。 人間ですら歯が立たない凶暴な人食い熊・赤カブトを討つために、熊犬(熊狩りを目的とした猟犬)である銀が冒険する物語で、漫画ではあるものの、猟犬が己の爪と牙だけを頼りに立ち向かっていく様に胸を熱くしたものである。 しかし、漫画ではなく実際のところは、猟犬はその優れた嗅覚や吠え声によって獲物を追い込むことが得意であるが、大型動物を仕留めるほどの力はもたない。 一方で、人間は犬のような身体能力はもたないものの、銃や刃物など強力な武器を持つ。そのため、ハンターにとって猟犬は最高のパートナーといえるのだ。 猟犬の種類 猟犬は多くの犬種(品種)や系統に分かれており、鳥猟犬と獣猟犬に大別される。 鳥猟犬の種類 鳥猟、とくにキジ猟においては、ポインターやセッター、レトリーバー、それら全般をこなすスパニエル等が活躍する。 ポインターは獲物を見つけると「お手」の姿勢となり、ハンターにその位置を知らせる(ポイントするともいわれる)。 また、セッターは獲物が逃げ出さないようにそっと近づき、ハンターの指示でハンターが射撃を行うのに最適な位置に鳥を追い出すことが得意だ。 レトリーバーは目視により撃ち落とされた鳥の位置を長い間記憶し、思い出すことができる。また、気性が穏やかで獲物を噛みつぶさないで運んだり、泳ぎもできる。そのため、撃ち落とした獲物や半矢で逃げる獲物を回収(レトリーブ)することが得意である。 スパニエルは利口で忠誠心が高く、鳥猟に広く使われる犬種であるが、家庭犬としても人気が高い。 獣猟犬の種類 イノシシ猟などの獣猟においては、身軽で駿足、勇敢、適度な追い鳴きの能力をもった犬種が重宝され、洋犬ではハウンドと呼ばれる犬種が該当する。彼らは、つねに獲物と一定の距離を保ちながら追跡し、吠えること(追い鳴き)によってハンターに獲物の位置を知らせる。 また、和犬も古くから獣猟で活躍してきた犬種で、紀州犬、甲斐犬、秋田犬などが存在する。 ハウンドと和犬を比較すると、犬自身の性格にもよるが、ハウンドは鳴きが早く盛んに鳴くという傾向があり、和犬は獲物を見つけるまでは鳴かないという傾向がある。 猟犬を使った追い込み方法 猟犬を使った獲物の追い込みには色々な方法がある。 例えばイノシシ猟においては、獲物が生息する狩場を多人数で四方から取り囲み、囲いを縮めながら獲物を追いつめて射止める「巻き狩り猟」がよく知られている。 巻き狩りは勢子(獣を追い詰めたり、逃げるのを防いだりする役割のハンター)と、数人の射手(獲物に対して鉄砲を撃つハンター)と、パートナーである猟犬とで行われる。 ※最少の出猟人数は3人(勢子2人と射手1 人)で、3人以上の出猟者が見込めない場合は巻き狩り猟は中止となる。 まず、おもに勢子以外のメンバーが単独もしくは複数で「見切り」を行う。見切りは、メンバーごとに特定のエリアを担当し、獣の痕跡の変化を見定める作業のことで、大抵の場合午前中に行われる。 その後、各メンバーが集合場所に集まり、勢子を交えて見切りの情報を持ち寄り、猟を行うエリアを確定したうえで猟を始める。 猟がスタートすると、初めに犬が「床吠え(たて吠え)」することによって、寝床で寝ている猪を起こす。...
猟犬の種類と特徴について。追い込み方法なども解説
犬と人間が親しい関係となるきっかけになったのは、3万2000~1万9000年前の欧州で、オオカミが狩猟採集民になついたのが始まりとする研究結果がある。 その後、犬という種類が最初に現れたのは約15,000年前で、人間がオオカミを家畜化し、人間の好む性質を持つ個体を人為的選択※することで、犬という動物が成立したとされる。そのため、犬という動物は、種の成り立ちの観点からも、農耕が始まる遥か以前から猟犬の役割を担っていたと考えられる。 ※人為的選択・・・生物の形質について、人為的に選択して経代を続け、その変化を望む方向に誘導する行為、またはその結果を指す。 少し話が逸れるが、筆者が初めて猟犬という存在を認識したのは、子どもの頃にみた少年ジャンプで掲載されていた「銀牙 -流れ星 銀-」という漫画である。 人間ですら歯が立たない凶暴な人食い熊・赤カブトを討つために、熊犬(熊狩りを目的とした猟犬)である銀が冒険する物語で、漫画ではあるものの、猟犬が己の爪と牙だけを頼りに立ち向かっていく様に胸を熱くしたものである。 しかし、漫画ではなく実際のところは、猟犬はその優れた嗅覚や吠え声によって獲物を追い込むことが得意であるが、大型動物を仕留めるほどの力はもたない。 一方で、人間は犬のような身体能力はもたないものの、銃や刃物など強力な武器を持つ。そのため、ハンターにとって猟犬は最高のパートナーといえるのだ。 猟犬の種類 猟犬は多くの犬種(品種)や系統に分かれており、鳥猟犬と獣猟犬に大別される。 鳥猟犬の種類 鳥猟、とくにキジ猟においては、ポインターやセッター、レトリーバー、それら全般をこなすスパニエル等が活躍する。 ポインターは獲物を見つけると「お手」の姿勢となり、ハンターにその位置を知らせる(ポイントするともいわれる)。 また、セッターは獲物が逃げ出さないようにそっと近づき、ハンターの指示でハンターが射撃を行うのに最適な位置に鳥を追い出すことが得意だ。 レトリーバーは目視により撃ち落とされた鳥の位置を長い間記憶し、思い出すことができる。また、気性が穏やかで獲物を噛みつぶさないで運んだり、泳ぎもできる。そのため、撃ち落とした獲物や半矢で逃げる獲物を回収(レトリーブ)することが得意である。 スパニエルは利口で忠誠心が高く、鳥猟に広く使われる犬種であるが、家庭犬としても人気が高い。 獣猟犬の種類 イノシシ猟などの獣猟においては、身軽で駿足、勇敢、適度な追い鳴きの能力をもった犬種が重宝され、洋犬ではハウンドと呼ばれる犬種が該当する。彼らは、つねに獲物と一定の距離を保ちながら追跡し、吠えること(追い鳴き)によってハンターに獲物の位置を知らせる。 また、和犬も古くから獣猟で活躍してきた犬種で、紀州犬、甲斐犬、秋田犬などが存在する。 ハウンドと和犬を比較すると、犬自身の性格にもよるが、ハウンドは鳴きが早く盛んに鳴くという傾向があり、和犬は獲物を見つけるまでは鳴かないという傾向がある。 猟犬を使った追い込み方法 猟犬を使った獲物の追い込みには色々な方法がある。 例えばイノシシ猟においては、獲物が生息する狩場を多人数で四方から取り囲み、囲いを縮めながら獲物を追いつめて射止める「巻き狩り猟」がよく知られている。 巻き狩りは勢子(獣を追い詰めたり、逃げるのを防いだりする役割のハンター)と、数人の射手(獲物に対して鉄砲を撃つハンター)と、パートナーである猟犬とで行われる。 ※最少の出猟人数は3人(勢子2人と射手1 人)で、3人以上の出猟者が見込めない場合は巻き狩り猟は中止となる。 まず、おもに勢子以外のメンバーが単独もしくは複数で「見切り」を行う。見切りは、メンバーごとに特定のエリアを担当し、獣の痕跡の変化を見定める作業のことで、大抵の場合午前中に行われる。 その後、各メンバーが集合場所に集まり、勢子を交えて見切りの情報を持ち寄り、猟を行うエリアを確定したうえで猟を始める。 猟がスタートすると、初めに犬が「床吠え(たて吠え)」することによって、寝床で寝ている猪を起こす。...
くくり罠に関連する死亡事故も発生。狩猟中の事故に気を付けましょう
狩猟シーズンまっただなかで、当店でも毎日のように捕獲のご報告をいただいております。その一方で、狩猟中の事故もニュース等で報道されており、捕獲者の皆様が安全に狩猟を行うにはどうするべきなのか思いをはせることが多くなる時期でもあります。 野生の獣の身体能力は人間が想像する以上に高く、捕獲するのは危険が伴う行為でもあります。捕獲者の皆様には今一度、安全面に関しての配慮をあらためてご確認いただけますと幸いです。 特に事故が多いのは、くくり罠の止め刺し時 毎年、狩猟による事故は全国的に発生しています。銃の暴発や滑落によって大怪我をするのは容易に想像できますが、中でも特に多いのは、くくり罠にかかった獲物を処理するときです。 くくり罠は獲物の足をワイヤーで括る(くくる)罠です。ワイヤーの括りが甘いと、足がすっぽ抜けます。 また、獣も生死がかかっているので、自らの足をちぎってでも逃げようとすることがあります。 例えば、仕掛けたくくり罠にイノシシがかかっていたが、止め刺しが難しそうだったので銃を使える猟師仲間を呼びに行き、戻ってきたら足だけ残してイノシシが逃げてしまっていた、なんていうこともあります。 また、人間の力では到底切れそうにないワイヤーも、条件によっては切れます。くくり罠にかかった獲物の止め刺しをしようとしたら、ワイヤーが切れて逆襲にあったという事例もあります。 くくり罠でとらえた獲物を熟練の猟師が素手で組み伏せて生け捕りにすることもありますが、それは多くの経験や知識があるからこそできる名人芸であり、簡単に挑戦しようとしないことです。 とにかく、獣をなめてはいけない クマはもちろん、イノシシやシカも暴れられると相当な力があります。各所で公開されている情報を見てみると、以下のような事例が報告されています。噛みつきや引っかき、イノシシなら牙によるしゃくり上げや、シカなら角によって怪我を負わされるリスクがあります。 クマによる事故事例 イノシシ狩中に子熊を連れた母熊に急襲された。身を守るためにライフルで反撃したところ母熊が倒れ込んでうずくまったため、確認のために近づいたところ、死に際の逆襲に遭い、顔を損傷した。 山林に仕掛けた狩猟用のわなを確認に行ったところ、クマがかかっており、そのクマに腕をかまれ、右腕を骨折した。 シカやイノシシの狩猟をしていたところ、親子とみられるクマ2頭と遭遇し子熊を射殺、搬出準備をしていたところ、親グマに襲われ、顔面を負傷。 イノシシによる事故事例 わなにかかったイノシシの止め刺しを行うため、近づいたところ、イノシシの前足が脱落し、体当たりされて左大腿部を負傷した。 イノシシ猟のわなを見回る途中、わなにかかっていたイノシシにかまれ、約100メートル引きずられた。水路に落ちたところを救出されたが、まもなく死亡が確認された。 くくり罠にかかった猪に近づいたら暴れて抜け出され、指を噛みちぎられた。 わなにかかっていたイノシシに襲われ、尻から腰のあたりをかまれた。襲われた直後は受け答えができたが、その後意識不明の重体に。 シカによる事故事例 半矢になったシカの角で手の甲を刺された。 畑の防護ネットに絡まったシカを一人で駆除しようとしたところ角が腹部に刺さってけがをした。 特にイノシシによる反撃事例は多く発生しており、予想もしないような身体能力を発揮する場合があります。筆者も「なんか遠まきにイノシシがいるな」と思っていたら、瞬きしている間に間近まで接近された経験があります。 全国的に、狩猟による事故件数は年間50件程度で推移しており、死亡事故も発生しています。事故にあわないために、もう一度基本に立ちかえって、野生動物をなめてはいけないという意識のもと日々の狩猟活動を行うようにしましょう。 道具のチェックは超重要 銃猟の場合の道具チェックは当然として、わな猟の場合の道具チェックも非常に重要です。使用する部材に破損や損傷があった場合は、ためらわず交換するようにしましょう。「販売のために、そう言っているんだろう?」と受け取られることもあるかもしれませんが、決してそうではなく、安全のため、また捕獲の効率を上げるためにそのようにお勧めしております。 特に注意したいのが、ワイヤーの劣化です。使用によってワイヤーがよじれたりキンク(折れ曲がり)したりすると、金属疲労によって切れるリスクが出てきます。一見、簡単には切れないように見えますが、切れるときは切れます。 ワイヤーは細かい素線によって編み込まれており、素線が少しでも切れると他の素線にかかる負担が増え、どんどん切れやすくなります。「傷んでいるけど、もうちょっと使えるかな?」と思っても、そこは消耗品と割り切って、新しいものに交換するようにしましょう。 特に、一度獲物がかかったワイヤーは殆どの場合素線が断裂していますので、再使用しないようにします。...
くくり罠に関連する死亡事故も発生。狩猟中の事故に気を付けましょう
狩猟シーズンまっただなかで、当店でも毎日のように捕獲のご報告をいただいております。その一方で、狩猟中の事故もニュース等で報道されており、捕獲者の皆様が安全に狩猟を行うにはどうするべきなのか思いをはせることが多くなる時期でもあります。 野生の獣の身体能力は人間が想像する以上に高く、捕獲するのは危険が伴う行為でもあります。捕獲者の皆様には今一度、安全面に関しての配慮をあらためてご確認いただけますと幸いです。 特に事故が多いのは、くくり罠の止め刺し時 毎年、狩猟による事故は全国的に発生しています。銃の暴発や滑落によって大怪我をするのは容易に想像できますが、中でも特に多いのは、くくり罠にかかった獲物を処理するときです。 くくり罠は獲物の足をワイヤーで括る(くくる)罠です。ワイヤーの括りが甘いと、足がすっぽ抜けます。 また、獣も生死がかかっているので、自らの足をちぎってでも逃げようとすることがあります。 例えば、仕掛けたくくり罠にイノシシがかかっていたが、止め刺しが難しそうだったので銃を使える猟師仲間を呼びに行き、戻ってきたら足だけ残してイノシシが逃げてしまっていた、なんていうこともあります。 また、人間の力では到底切れそうにないワイヤーも、条件によっては切れます。くくり罠にかかった獲物の止め刺しをしようとしたら、ワイヤーが切れて逆襲にあったという事例もあります。 くくり罠でとらえた獲物を熟練の猟師が素手で組み伏せて生け捕りにすることもありますが、それは多くの経験や知識があるからこそできる名人芸であり、簡単に挑戦しようとしないことです。 とにかく、獣をなめてはいけない クマはもちろん、イノシシやシカも暴れられると相当な力があります。各所で公開されている情報を見てみると、以下のような事例が報告されています。噛みつきや引っかき、イノシシなら牙によるしゃくり上げや、シカなら角によって怪我を負わされるリスクがあります。 クマによる事故事例 イノシシ狩中に子熊を連れた母熊に急襲された。身を守るためにライフルで反撃したところ母熊が倒れ込んでうずくまったため、確認のために近づいたところ、死に際の逆襲に遭い、顔を損傷した。 山林に仕掛けた狩猟用のわなを確認に行ったところ、クマがかかっており、そのクマに腕をかまれ、右腕を骨折した。 シカやイノシシの狩猟をしていたところ、親子とみられるクマ2頭と遭遇し子熊を射殺、搬出準備をしていたところ、親グマに襲われ、顔面を負傷。 イノシシによる事故事例 わなにかかったイノシシの止め刺しを行うため、近づいたところ、イノシシの前足が脱落し、体当たりされて左大腿部を負傷した。 イノシシ猟のわなを見回る途中、わなにかかっていたイノシシにかまれ、約100メートル引きずられた。水路に落ちたところを救出されたが、まもなく死亡が確認された。 くくり罠にかかった猪に近づいたら暴れて抜け出され、指を噛みちぎられた。 わなにかかっていたイノシシに襲われ、尻から腰のあたりをかまれた。襲われた直後は受け答えができたが、その後意識不明の重体に。 シカによる事故事例 半矢になったシカの角で手の甲を刺された。 畑の防護ネットに絡まったシカを一人で駆除しようとしたところ角が腹部に刺さってけがをした。 特にイノシシによる反撃事例は多く発生しており、予想もしないような身体能力を発揮する場合があります。筆者も「なんか遠まきにイノシシがいるな」と思っていたら、瞬きしている間に間近まで接近された経験があります。 全国的に、狩猟による事故件数は年間50件程度で推移しており、死亡事故も発生しています。事故にあわないために、もう一度基本に立ちかえって、野生動物をなめてはいけないという意識のもと日々の狩猟活動を行うようにしましょう。 道具のチェックは超重要 銃猟の場合の道具チェックは当然として、わな猟の場合の道具チェックも非常に重要です。使用する部材に破損や損傷があった場合は、ためらわず交換するようにしましょう。「販売のために、そう言っているんだろう?」と受け取られることもあるかもしれませんが、決してそうではなく、安全のため、また捕獲の効率を上げるためにそのようにお勧めしております。 特に注意したいのが、ワイヤーの劣化です。使用によってワイヤーがよじれたりキンク(折れ曲がり)したりすると、金属疲労によって切れるリスクが出てきます。一見、簡単には切れないように見えますが、切れるときは切れます。 ワイヤーは細かい素線によって編み込まれており、素線が少しでも切れると他の素線にかかる負担が増え、どんどん切れやすくなります。「傷んでいるけど、もうちょっと使えるかな?」と思っても、そこは消耗品と割り切って、新しいものに交換するようにしましょう。 特に、一度獲物がかかったワイヤーは殆どの場合素線が断裂していますので、再使用しないようにします。...
イノシシの罠について徹底解説!あなたに合った罠はどれ?
目次 1イノシシ罠その①:箱罠 1箱罠の長所 2箱罠の短所 3箱罠による捕獲の手順 2イノシシ罠その②:くくり罠 1くくり罠の長所 2くくり罠の短所 3くくり罠による捕獲の手順 3イノシシ罠その③:囲い罠 1囲い罠の長所 2囲い罠の短所 4まとめ イノシシ被害を減らすために捕獲をこれから始める方、ぼたん肉とも呼ばれる美味なイノシシ肉を味わうために捕獲をする方など、銃猟以外でイノシシの捕獲をするのに必須となるのが「罠」です。 日本では古くからイノシシによる農作物被害を防ぐために落とし穴などの罠が使われてきましたが、現代においては様々な観点から廃れたり禁止されている罠もあります。例えば、昔話などで出てくる「とらばさみ(獣の足をはさんで捕まえる)」は有名ですが、現在においては禁止猟具になります。 そのような中で、現在イノシシをターゲットとして使用できる罠の種類は、「箱罠」「くくり罠」「囲い罠」の3種類に区分されます。 これらの罠の長所・短所、捕獲のための手順について解説します。 罠の特徴を踏まえたうえで、設置場所の環境や予算、かけられる労力などを考慮し、適切な罠を選択しましょう。また、それぞれの罠には制限事項がありますので、その点についても予め留意しておくようにしましょう。 イノシシ罠その①:箱罠 色々な大きさ・形がありますが、全面とも金網や板等で囲われた箱状の罠のことを箱罠といいます。いずれも餌によって箱の内部に獲物を誘因します。 誘因された獲物が箱の内部に入り込むと、トリガーが作動して入口が閉じ、獲物が閉じ込められることによって捕獲が完了するという仕組みになっています。代表的なトリガーの方式としては、以下があります。 ◆蹴り糸方式:蹴り糸が獲物の体に触れることにより作動する。 ◆踏み板方式:獲物が踏み板を踏むことにより作動する。 ◆回転軸(回し棒)方式:軸が回転することにより作動する。 踏み板方式と回転軸方式はトリガーの位置を調節することが難しいため、トリガーの位置や感度を調節しやすい蹴り糸方式の箱罠がおすすめです(上の動画は蹴り糸方式です)。 また近年ではセンサーによって作動するタイプも登場しており、仕掛けの労力を低減させて捕獲率をアップさせる工夫が凝らされているため、導入数も徐々に伸びています。 ★イノホイオススメの箱罠用センサーはこちら。 箱罠の長所 そもそも餌で獲物を誘いこむ構造のため、餌を使わない罠とくらべると、捕獲率は高いです。複数の獲物を捕獲することも可能です。また、獲物の視線からすると、開放的な外観であるため、ブラックボックスとなっている罠(例えば、ドラム缶式罠など)よりも捕獲の効率が良い傾向にあります。 一目でわかる外観のため、人間が誤ってかかってしまうようなことはありません。ターゲットではない他の鳥獣を捕獲した場合も、簡単に逃がすことができ、怪我を負わせるリスクは低いです。...
イノシシの罠について徹底解説!あなたに合った罠はどれ?
目次 1イノシシ罠その①:箱罠 1箱罠の長所 2箱罠の短所 3箱罠による捕獲の手順 2イノシシ罠その②:くくり罠 1くくり罠の長所 2くくり罠の短所 3くくり罠による捕獲の手順 3イノシシ罠その③:囲い罠 1囲い罠の長所 2囲い罠の短所 4まとめ イノシシ被害を減らすために捕獲をこれから始める方、ぼたん肉とも呼ばれる美味なイノシシ肉を味わうために捕獲をする方など、銃猟以外でイノシシの捕獲をするのに必須となるのが「罠」です。 日本では古くからイノシシによる農作物被害を防ぐために落とし穴などの罠が使われてきましたが、現代においては様々な観点から廃れたり禁止されている罠もあります。例えば、昔話などで出てくる「とらばさみ(獣の足をはさんで捕まえる)」は有名ですが、現在においては禁止猟具になります。 そのような中で、現在イノシシをターゲットとして使用できる罠の種類は、「箱罠」「くくり罠」「囲い罠」の3種類に区分されます。 これらの罠の長所・短所、捕獲のための手順について解説します。 罠の特徴を踏まえたうえで、設置場所の環境や予算、かけられる労力などを考慮し、適切な罠を選択しましょう。また、それぞれの罠には制限事項がありますので、その点についても予め留意しておくようにしましょう。 イノシシ罠その①:箱罠 色々な大きさ・形がありますが、全面とも金網や板等で囲われた箱状の罠のことを箱罠といいます。いずれも餌によって箱の内部に獲物を誘因します。 誘因された獲物が箱の内部に入り込むと、トリガーが作動して入口が閉じ、獲物が閉じ込められることによって捕獲が完了するという仕組みになっています。代表的なトリガーの方式としては、以下があります。 ◆蹴り糸方式:蹴り糸が獲物の体に触れることにより作動する。 ◆踏み板方式:獲物が踏み板を踏むことにより作動する。 ◆回転軸(回し棒)方式:軸が回転することにより作動する。 踏み板方式と回転軸方式はトリガーの位置を調節することが難しいため、トリガーの位置や感度を調節しやすい蹴り糸方式の箱罠がおすすめです(上の動画は蹴り糸方式です)。 また近年ではセンサーによって作動するタイプも登場しており、仕掛けの労力を低減させて捕獲率をアップさせる工夫が凝らされているため、導入数も徐々に伸びています。 ★イノホイオススメの箱罠用センサーはこちら。 箱罠の長所 そもそも餌で獲物を誘いこむ構造のため、餌を使わない罠とくらべると、捕獲率は高いです。複数の獲物を捕獲することも可能です。また、獲物の視線からすると、開放的な外観であるため、ブラックボックスとなっている罠(例えば、ドラム缶式罠など)よりも捕獲の効率が良い傾向にあります。 一目でわかる外観のため、人間が誤ってかかってしまうようなことはありません。ターゲットではない他の鳥獣を捕獲した場合も、簡単に逃がすことができ、怪我を負わせるリスクは低いです。...
イノシシ対策を徹底解説!様々な方法を分かりやすく解説
目次 1対策1.防護柵 1有刺鉄線 2ワイヤーメッシュ 3防獣ネット・魚網 4トタン板 5金網・フェンス 6電気柵 2防護柵の効果を上げるには 1異なる柵を組み合わせて防護する 2定期的に点検・補修・改善を行う 3周囲をすき間なく囲い、藪があれば刈る 3対策2.忌避剤 1トウガラシ・ハーブ 2オオカミ尿(ウルフピー) 4忌避剤の効果を上げるには 1イノシシの鼻の高さに設置する 2物理的な対策とセットで利用する 5対策3.罠による駆除 1箱罠 2くくり罠 6罠による防除の効果を上げるには 1箱罠の場合 2くくり罠の場合 7対策4.その他の対策 1音による対策 2周辺環境の整備 イノシシによる農業被害は、経済的・精神的にも打撃を与える深刻な問題です。それだけに、被害を軽減させるための対策が重要となってきます。 今回は、イノシシ被害に立ち向かうための対策について、具体的な方法をご紹介します。 対策1.防護柵...
イノシシ対策を徹底解説!様々な方法を分かりやすく解説
目次 1対策1.防護柵 1有刺鉄線 2ワイヤーメッシュ 3防獣ネット・魚網 4トタン板 5金網・フェンス 6電気柵 2防護柵の効果を上げるには 1異なる柵を組み合わせて防護する 2定期的に点検・補修・改善を行う 3周囲をすき間なく囲い、藪があれば刈る 3対策2.忌避剤 1トウガラシ・ハーブ 2オオカミ尿(ウルフピー) 4忌避剤の効果を上げるには 1イノシシの鼻の高さに設置する 2物理的な対策とセットで利用する 5対策3.罠による駆除 1箱罠 2くくり罠 6罠による防除の効果を上げるには 1箱罠の場合 2くくり罠の場合 7対策4.その他の対策 1音による対策 2周辺環境の整備 イノシシによる農業被害は、経済的・精神的にも打撃を与える深刻な問題です。それだけに、被害を軽減させるための対策が重要となってきます。 今回は、イノシシ被害に立ち向かうための対策について、具体的な方法をご紹介します。 対策1.防護柵...
【手順で解説】くくり罠によるイノシシ捕獲から生け捕りまで
イノシシやシカをはじめとした野生獣の捕獲方法の1つである「くくり罠」。獣が罠を踏むと、ワイヤーが締まって脚を捕獲する方法です。 中でもイノシシは身体能力が高いため、罠の設置や捕獲後の対応の際に、押さえておきたいポイントがあります。捕獲率を高めるだけでなく、より安全にイノシシを仕留めるためのポイントを順を追ってご紹介します。 イノシシ用のくくり罠を設置する くくり罠の設置は、イノシシとの知恵比べといえます。 イノシシは環境の変化に敏感で、新しく掘り起こされた土や人間の痕跡があると、警戒してそこを避ける行動をとります。罠を設置した痕跡を残さないよう、慎重かつ狡猾に罠を設置することが大切です。 まず、罠を設置する場所を決めましょう。イノシシが行動しているであろうエリアを丁寧に観察し、イノシシのフンや足跡、獣道を探します。足跡や獣道をみつけたら、より具体的に罠を設置する場所を絞り込みましょう。 イノシシは足元が不安定な場所を避けるため、枝や石はよけて通る習性があります。獣道の途中に木の根っこなどがあれば、そこを跨いで足を降ろす可能性が高くなります。 また、段差がある場所なら、イノシシも踏ん張りやすい安定した部分に足を置こうとするでしょう。こうした場所はくくり罠を仕掛けるには絶好のポイントです。 このように、痕跡を追うだけでなく、さらに一歩踏み込んで、そこから読み取れるイノシシの行動まで予測することで罠の捕獲率を高めていきます。 こちらの記事もどうぞ 【徹底解説】くくり罠の特徴や成果の上げ方とは? 匂い対策やカモフラージュは念入りに くくり罠を設置する際は、匂い対策にも注意をはらいましょう。罠を設置するために掘り返した土は、表面の乾いた土と匂いに違いあります。イノシシの嗅覚は鋭敏で、わずかな匂いの変化にも気づきます。 掘り起こした土で余りが出たら、罠から少し離れた場所に置くようにしましょう。 これ以外にも、新品の罠は人工物の匂いがするため、一度雨にさらして匂いを落としておくテクニックもあります。 同じく作業に使う軍手などもビニール製やゴム製は匂いが残るため避ける人もいます。徹底して人の匂いの痕跡を残さないため、猟に使う作業着は洗わず1シーズン使うといった罠師もいるほどです。人間に慣れていないイノシシの場合は特に匂いに対する警戒心が高いことから、罠の性能を損なわない範囲で可能な限り対策をしておくとよいでしょう。 また、くくり罠を設置したら表面に土や枯れ葉などを使ってカモフラージュを行います。周囲の環境と同じようにすることで、イノシシに見破られないよう工夫することが大切です。ハケなどを持参しておくと、より自然で細かなカモフラージュができます。 罠の手前や両サイドに枯れ枝を置いて、イノシシが足を置く位置を限定し捕獲率を高める方法も効果的です。 一方で、昼間に人里に現れるような人間に慣れているイノシシの場合、人間の痕跡を避けないケースもあります。わざと足跡を手で消してみて、そのあと同じ場所に足跡があれば、イノシシがその場所を踏む可能性が非常に高くなります。 イノシシがくくり罠にかかっていたら 見回りの際、くくり罠にイノシシがかかっていたら、その後の対処が必要になります。罠にかかったイノシシは、なんとか逃れようと必死に暴れ、興奮していてとても危険です。 まずは遠巻きに状況を確認し、斜面の場合はイノシシよりも高い方向から近づきます。近付く際はゆっくりと、警戒心を緩めずに進みましょう。捕らえたイノシシの可動域の外から、くくり罠がが足にしっかり固定されているか確認します。 罠のかかりが甘い場合や、イノシシが激しく暴れまわると罠が外れる可能性があります。状況をしっかり把握して、作業の安全を確保しましょう。 こちらの記事もどうぞ 捕獲獣(イノシシ・シカ等)の止めさしについて 生け捕りにするのでなければ、くくり罠にかかったイノシシはその場で止め刺しします。 その場合、鈍器等による殴打や電気ショック、ナイフを使います。必要に応じて銃で止め刺しする場合もあります。接近戦が危険と判断した場合は、応援を呼んだり銃による対処ができるよう事前に段取りしておきましょう。 こちらの記事もどうぞ 万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力 保定具(鼻くくりなど)を使う場合...
【手順で解説】くくり罠によるイノシシ捕獲から生け捕りまで
イノシシやシカをはじめとした野生獣の捕獲方法の1つである「くくり罠」。獣が罠を踏むと、ワイヤーが締まって脚を捕獲する方法です。 中でもイノシシは身体能力が高いため、罠の設置や捕獲後の対応の際に、押さえておきたいポイントがあります。捕獲率を高めるだけでなく、より安全にイノシシを仕留めるためのポイントを順を追ってご紹介します。 イノシシ用のくくり罠を設置する くくり罠の設置は、イノシシとの知恵比べといえます。 イノシシは環境の変化に敏感で、新しく掘り起こされた土や人間の痕跡があると、警戒してそこを避ける行動をとります。罠を設置した痕跡を残さないよう、慎重かつ狡猾に罠を設置することが大切です。 まず、罠を設置する場所を決めましょう。イノシシが行動しているであろうエリアを丁寧に観察し、イノシシのフンや足跡、獣道を探します。足跡や獣道をみつけたら、より具体的に罠を設置する場所を絞り込みましょう。 イノシシは足元が不安定な場所を避けるため、枝や石はよけて通る習性があります。獣道の途中に木の根っこなどがあれば、そこを跨いで足を降ろす可能性が高くなります。 また、段差がある場所なら、イノシシも踏ん張りやすい安定した部分に足を置こうとするでしょう。こうした場所はくくり罠を仕掛けるには絶好のポイントです。 このように、痕跡を追うだけでなく、さらに一歩踏み込んで、そこから読み取れるイノシシの行動まで予測することで罠の捕獲率を高めていきます。 こちらの記事もどうぞ 【徹底解説】くくり罠の特徴や成果の上げ方とは? 匂い対策やカモフラージュは念入りに くくり罠を設置する際は、匂い対策にも注意をはらいましょう。罠を設置するために掘り返した土は、表面の乾いた土と匂いに違いあります。イノシシの嗅覚は鋭敏で、わずかな匂いの変化にも気づきます。 掘り起こした土で余りが出たら、罠から少し離れた場所に置くようにしましょう。 これ以外にも、新品の罠は人工物の匂いがするため、一度雨にさらして匂いを落としておくテクニックもあります。 同じく作業に使う軍手などもビニール製やゴム製は匂いが残るため避ける人もいます。徹底して人の匂いの痕跡を残さないため、猟に使う作業着は洗わず1シーズン使うといった罠師もいるほどです。人間に慣れていないイノシシの場合は特に匂いに対する警戒心が高いことから、罠の性能を損なわない範囲で可能な限り対策をしておくとよいでしょう。 また、くくり罠を設置したら表面に土や枯れ葉などを使ってカモフラージュを行います。周囲の環境と同じようにすることで、イノシシに見破られないよう工夫することが大切です。ハケなどを持参しておくと、より自然で細かなカモフラージュができます。 罠の手前や両サイドに枯れ枝を置いて、イノシシが足を置く位置を限定し捕獲率を高める方法も効果的です。 一方で、昼間に人里に現れるような人間に慣れているイノシシの場合、人間の痕跡を避けないケースもあります。わざと足跡を手で消してみて、そのあと同じ場所に足跡があれば、イノシシがその場所を踏む可能性が非常に高くなります。 イノシシがくくり罠にかかっていたら 見回りの際、くくり罠にイノシシがかかっていたら、その後の対処が必要になります。罠にかかったイノシシは、なんとか逃れようと必死に暴れ、興奮していてとても危険です。 まずは遠巻きに状況を確認し、斜面の場合はイノシシよりも高い方向から近づきます。近付く際はゆっくりと、警戒心を緩めずに進みましょう。捕らえたイノシシの可動域の外から、くくり罠がが足にしっかり固定されているか確認します。 罠のかかりが甘い場合や、イノシシが激しく暴れまわると罠が外れる可能性があります。状況をしっかり把握して、作業の安全を確保しましょう。 こちらの記事もどうぞ 捕獲獣(イノシシ・シカ等)の止めさしについて 生け捕りにするのでなければ、くくり罠にかかったイノシシはその場で止め刺しします。 その場合、鈍器等による殴打や電気ショック、ナイフを使います。必要に応じて銃で止め刺しする場合もあります。接近戦が危険と判断した場合は、応援を呼んだり銃による対処ができるよう事前に段取りしておきましょう。 こちらの記事もどうぞ 万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力 保定具(鼻くくりなど)を使う場合...
はじめまして、鳥獣被害対策プロショップ「イノホイ」です。
当店イノホイは、イノシシ・シカ捕獲用の箱罠・くくり罠をはじめ、様々な鳥獣被害対策品を販売しています。プロの方にもご満足いただけるような販売店として、日々精進しております。捕獲用の罠商品はもちろん、狩猟に役立つ各種商品、田畑への侵入を防ぐための防護柵・電気柵、寄せ付けないための忌避商品など幅広い商品を取り扱っております。 お悩みにフィットした鳥獣被害対策品を製造・販売 一番の強みは、性能と価格のバランスが非常に優れた商品を取り扱っている点です。ただ安いだけで性能が低い商品や、性能は良いものの価格が高すぎる商品ではなく、できるだけ多くの皆様のお役に立てるような商品を取り揃えております。 中でも、害獣捕獲用の箱罠・くくり罠は、高品質の商品を提供するための製造体制、性能確認のためのフィールドテスト体制、熟練のハンターやエンジニアによる開発体制が三位一体となって、「安くて良く獲れる」をモットーにお客様のお役に立てる商品を提供させていただいております。 全国の皆様から好評をいただいています 害獣対策に携わる全国の農家・狩猟家の方、猟友会・官公庁に、多くの好評のお声をいただいています。 イノホイの箱罠のご紹介 イノシシ・シカ捕獲用の箱罠『ファーレ旭式』はシリーズ累計出荷台数10,000台を突破(2018年12月現在)。市場に出回っている安価なワイヤーメッシュ製ではなく、異形鉄筋を使用した格子網で構成されており、全箇所溶接することで強度を高めています。 イノシシ・シカ用箱わな アライグマ・アナグマ等用箱罠 サル用箱わな(小動物捕獲にも) 箱わな用赤外線センサー イノホイのくくり罠のご紹介 イノホイのくくり罠は、年間数千個の出荷実績があります。「安くて使いやすく、よく獲れる」と初心者からベテランまで多くの方から好評をいただいています。 また、電気柵や各種忌避剤、狩猟用アイテムを数多く取り扱っており、個人・団体を問わず農業被害に悩む全国の方々に商品をお届けしています。 自治体様への納品事例 シカによる鳥獣被害が深刻な長崎県対馬市に、1,500個のくくり罠を納品しました。 対馬市におけるイノシシ・シカ対策のご紹介 くくりわな全商品 くくりわなセット品 くくりわな用部品 自作キット 販売だけでなく、捕獲のためのノウハウを提供 イノホイでは、ハンターや専門家の方々と連携しながら、商品の開発や改善に絶えず取り組んでいます。より効率的な鳥獣被害対策を目指して、現場の最前線に向き合う方々の経験や声を積極的に活用しています。 そこで蓄積したノウハウをもとに、狩猟・有害捕獲についてのノウハウをお伝えする情報ページや、熟練のハンターと提携したオンラインセミナー等も不定期で開催しています。 ただ商品を販売するだけでなく、成果に繋がるための情報やノウハウを提供することで、より効果的な鳥獣被害対策を実施いただけるよう日々尽力しております。 直近のセミナー開催情報 イノホイ会員様限定。狩猟・有害捕獲についての無料オンラインセミナー開催! 第一回・第二回 カスタマーサポート体制について...
はじめまして、鳥獣被害対策プロショップ「イノホイ」です。
当店イノホイは、イノシシ・シカ捕獲用の箱罠・くくり罠をはじめ、様々な鳥獣被害対策品を販売しています。プロの方にもご満足いただけるような販売店として、日々精進しております。捕獲用の罠商品はもちろん、狩猟に役立つ各種商品、田畑への侵入を防ぐための防護柵・電気柵、寄せ付けないための忌避商品など幅広い商品を取り扱っております。 お悩みにフィットした鳥獣被害対策品を製造・販売 一番の強みは、性能と価格のバランスが非常に優れた商品を取り扱っている点です。ただ安いだけで性能が低い商品や、性能は良いものの価格が高すぎる商品ではなく、できるだけ多くの皆様のお役に立てるような商品を取り揃えております。 中でも、害獣捕獲用の箱罠・くくり罠は、高品質の商品を提供するための製造体制、性能確認のためのフィールドテスト体制、熟練のハンターやエンジニアによる開発体制が三位一体となって、「安くて良く獲れる」をモットーにお客様のお役に立てる商品を提供させていただいております。 全国の皆様から好評をいただいています 害獣対策に携わる全国の農家・狩猟家の方、猟友会・官公庁に、多くの好評のお声をいただいています。 イノホイの箱罠のご紹介 イノシシ・シカ捕獲用の箱罠『ファーレ旭式』はシリーズ累計出荷台数10,000台を突破(2018年12月現在)。市場に出回っている安価なワイヤーメッシュ製ではなく、異形鉄筋を使用した格子網で構成されており、全箇所溶接することで強度を高めています。 イノシシ・シカ用箱わな アライグマ・アナグマ等用箱罠 サル用箱わな(小動物捕獲にも) 箱わな用赤外線センサー イノホイのくくり罠のご紹介 イノホイのくくり罠は、年間数千個の出荷実績があります。「安くて使いやすく、よく獲れる」と初心者からベテランまで多くの方から好評をいただいています。 また、電気柵や各種忌避剤、狩猟用アイテムを数多く取り扱っており、個人・団体を問わず農業被害に悩む全国の方々に商品をお届けしています。 自治体様への納品事例 シカによる鳥獣被害が深刻な長崎県対馬市に、1,500個のくくり罠を納品しました。 対馬市におけるイノシシ・シカ対策のご紹介 くくりわな全商品 くくりわなセット品 くくりわな用部品 自作キット 販売だけでなく、捕獲のためのノウハウを提供 イノホイでは、ハンターや専門家の方々と連携しながら、商品の開発や改善に絶えず取り組んでいます。より効率的な鳥獣被害対策を目指して、現場の最前線に向き合う方々の経験や声を積極的に活用しています。 そこで蓄積したノウハウをもとに、狩猟・有害捕獲についてのノウハウをお伝えする情報ページや、熟練のハンターと提携したオンラインセミナー等も不定期で開催しています。 ただ商品を販売するだけでなく、成果に繋がるための情報やノウハウを提供することで、より効果的な鳥獣被害対策を実施いただけるよう日々尽力しております。 直近のセミナー開催情報 イノホイ会員様限定。狩猟・有害捕獲についての無料オンラインセミナー開催! 第一回・第二回 カスタマーサポート体制について...
獣害対策の第一歩。成功するための基本知識を解説
目次 1獣害対策に大切な3つの考え方 1①対策を人任せにしないい 2②組織的に対応する 3③各対策のやり方を正しく理解する 2動物別の獣害対策は? 1イノシシの獣害対策 2シカの獣害対策 3クマの獣害対策 4サルの獣害対策 5ハクビシンの獣害対策 6アライグマの獣害対策 7アナグマの獣害対策 8ヌートリアの獣害対策 9タヌキの獣害対策 10ネズミの獣害対策 3獣害対策品をお探しの方へ イノシシやシカを始め、クマやサル、アライグマやハクビシンなどの野生動物によって人間が被害を被ることを「獣害」と呼びます。農作物を食べられる被害が最も多く、特に収穫前の作物を食い荒らされて駄目にされたときは、本当に歯がゆい思いをします。 そのため何かしらの対策を考える必要が出てきますが、これから初めて獣害対策に取り組む人にとっては何から手をつけてよいのか分からず、効果が期待できない打ち手をとってしまって失敗する例も見受けられます。 労多くして功少なしとならないよう、今回は害獣たちの習性や行動を理解し、成功するための獣害対策について動物別に解説します。 獣害対策に大切な3つの考え方 どの動物の対策においても必要となる基本的な考え方があります。それは、①対策を人任せにしない、②組織的に対応する、③各対策のやり方を正しく理解する の3点です。 ①対策を人任せにしない 一番重要なのは、当事者意識です。獣害だけでなく他の問題に対処するときも同じですが、特に獣害対策においては各人で温度差が出やすくなります。一人一人が自分事として捉えることができなければ、問題解決に至らなかったり、余計な時間やコストがかかったりしてしまいます。 「駆除や防護は役所や猟友会に任せているから問題ない」「放っておいてもそのうち解決するだろう」という人任せの意識は捨てて、自分の土地は自分で守る姿勢で臨むようにしましょう。 ②組織的に対応する 前述の①にも関連しますが、一人でできる事には限りがあります。地域の協力がなければ根本解決に繋がりません。 たとえば、所有者不明の誰も収穫しない果樹が地域にあり放置されていたら、それに寄せられて獣は人里に近づいてきます。このような場合、地域でルールを定めたうえで対処する必要が出てきます。 ③各対策のやり方を正しく理解する...
獣害対策の第一歩。成功するための基本知識を解説
目次 1獣害対策に大切な3つの考え方 1①対策を人任せにしないい 2②組織的に対応する 3③各対策のやり方を正しく理解する 2動物別の獣害対策は? 1イノシシの獣害対策 2シカの獣害対策 3クマの獣害対策 4サルの獣害対策 5ハクビシンの獣害対策 6アライグマの獣害対策 7アナグマの獣害対策 8ヌートリアの獣害対策 9タヌキの獣害対策 10ネズミの獣害対策 3獣害対策品をお探しの方へ イノシシやシカを始め、クマやサル、アライグマやハクビシンなどの野生動物によって人間が被害を被ることを「獣害」と呼びます。農作物を食べられる被害が最も多く、特に収穫前の作物を食い荒らされて駄目にされたときは、本当に歯がゆい思いをします。 そのため何かしらの対策を考える必要が出てきますが、これから初めて獣害対策に取り組む人にとっては何から手をつけてよいのか分からず、効果が期待できない打ち手をとってしまって失敗する例も見受けられます。 労多くして功少なしとならないよう、今回は害獣たちの習性や行動を理解し、成功するための獣害対策について動物別に解説します。 獣害対策に大切な3つの考え方 どの動物の対策においても必要となる基本的な考え方があります。それは、①対策を人任せにしない、②組織的に対応する、③各対策のやり方を正しく理解する の3点です。 ①対策を人任せにしない 一番重要なのは、当事者意識です。獣害だけでなく他の問題に対処するときも同じですが、特に獣害対策においては各人で温度差が出やすくなります。一人一人が自分事として捉えることができなければ、問題解決に至らなかったり、余計な時間やコストがかかったりしてしまいます。 「駆除や防護は役所や猟友会に任せているから問題ない」「放っておいてもそのうち解決するだろう」という人任せの意識は捨てて、自分の土地は自分で守る姿勢で臨むようにしましょう。 ②組織的に対応する 前述の①にも関連しますが、一人でできる事には限りがあります。地域の協力がなければ根本解決に繋がりません。 たとえば、所有者不明の誰も収穫しない果樹が地域にあり放置されていたら、それに寄せられて獣は人里に近づいてきます。このような場合、地域でルールを定めたうえで対処する必要が出てきます。 ③各対策のやり方を正しく理解する...
イノシシの生態・行動を詳しく解説
目次 1イノシシの生態 1日本に生息するイノシシの種類と生息域 2食べ物 3身体能力 4生育や寿命 2イノシシの性格や行動 1性格 2行動 3生態や行動を考慮した被害対策 日本人とイノシシの関係は、稲作よりも古いものであり、農耕が広がるにつれてイノシシ被害も増えていきました。猪垣などにもみられるように、日本人は古くからイノシシ被害に悩まされてきましたが、近年では農業が継続できない程深刻な事態に至るケースも見受けられます。 特に、山間地・山麓地ではイノシシによる農作物被害が深刻で、大きな問題となっています。 では対策としてイノシシを根絶するべきでしょうか?答えは「No」です。生態系への影響など様々な観点から選択すべき対策ではありません。 しかし、消極的な防除だけでは被害を減らすことは困難です。イノシシによる農林被害を効果的に防ぐためには、イノシシの生態や行動を詳しく理解し、共存・共生するための総合的な対策を練る必要があります。 この記事では、イノシシの生態や行動に対する誤解によって、意味のない対策を実施することのないよう、イノシシの生態・行動を詳しく解説します。 イノシシの生態 日本に生息するイノシシの種類と生息域 日本に生息するイノシシは、本州・四国・九州に広く分布するニホンイノシシと、奄美大島から南のエリアや沖縄に分布するリュウキュウイノシシの2つの亜種に分類されます。他に、豚とイノシシの交配によって生まれたイノブタという雑種は日本中に広く生息しています。 常緑広葉樹林、落葉広葉樹林、水田放棄地や竹林などに生息し、これらに隣接する水田や農耕地に出没して、作物を荒らすケースが多いです。また、市街地に現れる場合もあります。 食物や水のある場所、茂みなど隠れるところのある場所や、人間活動の少ない場所が好みです。 その分布は年々広がってきており、1978年から2014年までの36年間でイノシシの生息域は約1.7倍に拡大しています。 上図:イノシシの分布とその拡大予測(環境省ホームページから抜粋) イノシシは冬眠をしないことから、寒い地域の分布は少ないですが、温暖化に伴い、年々分布の北限が広がっている傾向です。 食べ物 イノシシは雑食性で基本的には何でも食べますが、多くは植物質のものを食べます。ブナの果実であるドングリや栗の実、キノコ、柔らかい植物の新芽や根などを好んで食べます。 また、地中の芋やタケノコ、ワラビなども掘って食べます。また、サツマイモを掘り集め、カヤをかぶせて貯蔵したりすることもあります。農作物の被害として多いのは、稲やサツマイモ、豆類、サトウキビなどです。一晩で稲が全滅された事例も報告されています。 ほかにヘビやカエル、昆虫類、サワガニ、ミミズなども食べます。畑や芝生に発生したミミズをイノシシが食べることによって土地が荒らされる事例もあります。市街地に出没するイノシシは生ゴミも食べます。 これまで数年被害を受けていなかった作物や植物も、突如として食べだす場合もあり、油断は禁物です。 身体能力...
イノシシの生態・行動を詳しく解説
目次 1イノシシの生態 1日本に生息するイノシシの種類と生息域 2食べ物 3身体能力 4生育や寿命 2イノシシの性格や行動 1性格 2行動 3生態や行動を考慮した被害対策 日本人とイノシシの関係は、稲作よりも古いものであり、農耕が広がるにつれてイノシシ被害も増えていきました。猪垣などにもみられるように、日本人は古くからイノシシ被害に悩まされてきましたが、近年では農業が継続できない程深刻な事態に至るケースも見受けられます。 特に、山間地・山麓地ではイノシシによる農作物被害が深刻で、大きな問題となっています。 では対策としてイノシシを根絶するべきでしょうか?答えは「No」です。生態系への影響など様々な観点から選択すべき対策ではありません。 しかし、消極的な防除だけでは被害を減らすことは困難です。イノシシによる農林被害を効果的に防ぐためには、イノシシの生態や行動を詳しく理解し、共存・共生するための総合的な対策を練る必要があります。 この記事では、イノシシの生態や行動に対する誤解によって、意味のない対策を実施することのないよう、イノシシの生態・行動を詳しく解説します。 イノシシの生態 日本に生息するイノシシの種類と生息域 日本に生息するイノシシは、本州・四国・九州に広く分布するニホンイノシシと、奄美大島から南のエリアや沖縄に分布するリュウキュウイノシシの2つの亜種に分類されます。他に、豚とイノシシの交配によって生まれたイノブタという雑種は日本中に広く生息しています。 常緑広葉樹林、落葉広葉樹林、水田放棄地や竹林などに生息し、これらに隣接する水田や農耕地に出没して、作物を荒らすケースが多いです。また、市街地に現れる場合もあります。 食物や水のある場所、茂みなど隠れるところのある場所や、人間活動の少ない場所が好みです。 その分布は年々広がってきており、1978年から2014年までの36年間でイノシシの生息域は約1.7倍に拡大しています。 上図:イノシシの分布とその拡大予測(環境省ホームページから抜粋) イノシシは冬眠をしないことから、寒い地域の分布は少ないですが、温暖化に伴い、年々分布の北限が広がっている傾向です。 食べ物 イノシシは雑食性で基本的には何でも食べますが、多くは植物質のものを食べます。ブナの果実であるドングリや栗の実、キノコ、柔らかい植物の新芽や根などを好んで食べます。 また、地中の芋やタケノコ、ワラビなども掘って食べます。また、サツマイモを掘り集め、カヤをかぶせて貯蔵したりすることもあります。農作物の被害として多いのは、稲やサツマイモ、豆類、サトウキビなどです。一晩で稲が全滅された事例も報告されています。 ほかにヘビやカエル、昆虫類、サワガニ、ミミズなども食べます。畑や芝生に発生したミミズをイノシシが食べることによって土地が荒らされる事例もあります。市街地に出没するイノシシは生ゴミも食べます。 これまで数年被害を受けていなかった作物や植物も、突如として食べだす場合もあり、油断は禁物です。 身体能力...
シカの行動や習性を知ろう
目次 1シカの行動と繁殖力 2シカの食性とそれによる被害 3被害を減らすには早期の対策を 全国の野生鳥獣による被害状況のうち、最も被害が深刻なのがシカによるものです。農林水産省の発表した令和元年の農作物被害金額は約53億円に達しており、平成29年度以降の3年間でほとんど被害が減っていない状況です(参考)。なぜシカの被害が減らないのか、その理由は彼らの行動や習性に起因します。 シカの行動と繁殖力 当店イノホイが所在する宮崎県には、えびの高原という鹿の群生地があります。ノリウツギ、イヌツゲ、ヤマウルシや、天然記念物のノカイドウなど自然植生からなる場所が多くあり、これらを好むシカにとって好条件の立地です。 この場所でシカを観察していると、シカは多くの場合、オスとメスは別々に行動していることが分かります。オスには角があってメスは角が無いので見た目で容易に判別できますが、オスの角は毎年春に生え変わるので、角が伸びるまでは体格の違い(オスはガッチリした体格、メスはやや細め)で見分けたりもします。 このうち、メスは群れを作って生活し、あまり行動範囲を広げず定住性が高い傾向があります。一方で、オスは生後1~2年は母親の群れの中で生活しますが、その後は母親のもとを離れます。若いオスが群れを形成する場合もありますが、多くは単独で行動するようになります。 オスは季節によって広く移動しますが、繁殖期(9月末~11月ごろ)を迎えるとメスを求めて群れ近くに出没するようになります。この時期のオスは縄張りを作るようになり、繁殖期特有の鳴き声をよく発したり、オス同士で角を突き合わせて争う光景が見られるようになります。 この争いに勝ったオスは縄張り内のメスの群れと合流して一夫多妻制の集団を形成します。そして繁殖期が終わると、再びオスはメスから離れていきます。 このような行動の結果、メスの群れは高い妊娠率となります。妊娠率は70%以上で、10才を超えても妊娠率が低下しないともいわれます。妊娠期間は約220日で、1回の出産で1頭の子どもを産みます。 雑に計算したとしても、10頭のメスのうち7頭が毎年妊娠するような状態なので、栄養条件が良ければどんどん増えていきます。森林野生動物研究会の研究によると自然増加率は年平均16~20%、3~4年で倍増するという非常に高い繁殖力です。 シカの食性とそれによる被害 シカは一般的に草食性です。地域や植生環境によって食べる植物の種類は変わってきますが、ほとんどの種類の植物を食べます。特に新芽ややわらかい葉っぱを好物としますが、そういった好物の植物が無くなると、それまで食べなかった種類の植物も食べるようになり、さらに植物が少なくなると落ち葉も食べるようになります。 そのため、人間が管理する農作物や雑木林においても被害を受けやすくなります。基本的に人間が植える農作物は栄養価が高いため、シカのターゲットにされやすくなります。田植え直後の苗の引き抜きや食害、収穫期頃の穂先食害、大豆など豆類の草が食べられたりします。 他にも、林業用の苗木が食べられてしまったり、樹齢の高い木においては樹皮や形成層が食べられたり、オスの角こすりによって樹皮が剥がされたりします。 シカは牛と同じで4つに分かれた胃袋(反芻胃)を持つため消化能力が高く、食べ物の質が悪くても十分な栄養を得ることができます。そのため、積雪がない地域においては滅多なことがなければ栄養状態は悪くなりません。上記の繁殖力ともあいまって、放っておくとどんどん被害が増えてしまいます。 被害を減らすには早期の対策を シカ被害は生息密度が高い地域で起こりやすく、また強い繁殖力によって上がった生息密度は容易に下げることができません。シカが多く生息する地域においては、とにかくシカを増やさないことを念頭に、捕獲を積極的に行うこと、柵の設置によって餌となる場所に近づかせないことが基本となります。 また、生息密度が低く被害が散発的であったとしても、個体数が急増する可能性があるため、対策を放棄・放置しないようにすることが重要です。シカ対策 商品一覧はこちら シカ対策 おすすめ商品 激安でも獲れます。くくり罠用踏み板イノシシホイホイ 完成品 年間数千個の出荷実績がある、大人気のくくり罠です。設置に必要なものが全てそろっており、届いてすぐに仕掛けることができます。 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【片扉】 異形鉄筋を使用。3分筋:約9mmを使用して格子網を全箇所溶接しております。さらに要所を4分鉄筋、5分鉄筋で補強、非常に頑強な構造です。...
シカの行動や習性を知ろう
目次 1シカの行動と繁殖力 2シカの食性とそれによる被害 3被害を減らすには早期の対策を 全国の野生鳥獣による被害状況のうち、最も被害が深刻なのがシカによるものです。農林水産省の発表した令和元年の農作物被害金額は約53億円に達しており、平成29年度以降の3年間でほとんど被害が減っていない状況です(参考)。なぜシカの被害が減らないのか、その理由は彼らの行動や習性に起因します。 シカの行動と繁殖力 当店イノホイが所在する宮崎県には、えびの高原という鹿の群生地があります。ノリウツギ、イヌツゲ、ヤマウルシや、天然記念物のノカイドウなど自然植生からなる場所が多くあり、これらを好むシカにとって好条件の立地です。 この場所でシカを観察していると、シカは多くの場合、オスとメスは別々に行動していることが分かります。オスには角があってメスは角が無いので見た目で容易に判別できますが、オスの角は毎年春に生え変わるので、角が伸びるまでは体格の違い(オスはガッチリした体格、メスはやや細め)で見分けたりもします。 このうち、メスは群れを作って生活し、あまり行動範囲を広げず定住性が高い傾向があります。一方で、オスは生後1~2年は母親の群れの中で生活しますが、その後は母親のもとを離れます。若いオスが群れを形成する場合もありますが、多くは単独で行動するようになります。 オスは季節によって広く移動しますが、繁殖期(9月末~11月ごろ)を迎えるとメスを求めて群れ近くに出没するようになります。この時期のオスは縄張りを作るようになり、繁殖期特有の鳴き声をよく発したり、オス同士で角を突き合わせて争う光景が見られるようになります。 この争いに勝ったオスは縄張り内のメスの群れと合流して一夫多妻制の集団を形成します。そして繁殖期が終わると、再びオスはメスから離れていきます。 このような行動の結果、メスの群れは高い妊娠率となります。妊娠率は70%以上で、10才を超えても妊娠率が低下しないともいわれます。妊娠期間は約220日で、1回の出産で1頭の子どもを産みます。 雑に計算したとしても、10頭のメスのうち7頭が毎年妊娠するような状態なので、栄養条件が良ければどんどん増えていきます。森林野生動物研究会の研究によると自然増加率は年平均16~20%、3~4年で倍増するという非常に高い繁殖力です。 シカの食性とそれによる被害 シカは一般的に草食性です。地域や植生環境によって食べる植物の種類は変わってきますが、ほとんどの種類の植物を食べます。特に新芽ややわらかい葉っぱを好物としますが、そういった好物の植物が無くなると、それまで食べなかった種類の植物も食べるようになり、さらに植物が少なくなると落ち葉も食べるようになります。 そのため、人間が管理する農作物や雑木林においても被害を受けやすくなります。基本的に人間が植える農作物は栄養価が高いため、シカのターゲットにされやすくなります。田植え直後の苗の引き抜きや食害、収穫期頃の穂先食害、大豆など豆類の草が食べられたりします。 他にも、林業用の苗木が食べられてしまったり、樹齢の高い木においては樹皮や形成層が食べられたり、オスの角こすりによって樹皮が剥がされたりします。 シカは牛と同じで4つに分かれた胃袋(反芻胃)を持つため消化能力が高く、食べ物の質が悪くても十分な栄養を得ることができます。そのため、積雪がない地域においては滅多なことがなければ栄養状態は悪くなりません。上記の繁殖力ともあいまって、放っておくとどんどん被害が増えてしまいます。 被害を減らすには早期の対策を シカ被害は生息密度が高い地域で起こりやすく、また強い繁殖力によって上がった生息密度は容易に下げることができません。シカが多く生息する地域においては、とにかくシカを増やさないことを念頭に、捕獲を積極的に行うこと、柵の設置によって餌となる場所に近づかせないことが基本となります。 また、生息密度が低く被害が散発的であったとしても、個体数が急増する可能性があるため、対策を放棄・放置しないようにすることが重要です。シカ対策 商品一覧はこちら シカ対策 おすすめ商品 激安でも獲れます。くくり罠用踏み板イノシシホイホイ 完成品 年間数千個の出荷実績がある、大人気のくくり罠です。設置に必要なものが全てそろっており、届いてすぐに仕掛けることができます。 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【片扉】 異形鉄筋を使用。3分筋:約9mmを使用して格子網を全箇所溶接しております。さらに要所を4分鉄筋、5分鉄筋で補強、非常に頑強な構造です。...
【初心者必見!】くくり罠の禁止事項を理解して、違反を避けましょう
田畑を荒らす獣を捕獲するために多く使われているのが「くくり罠」です。獣道に仕掛けておき、仕掛けた場所に獣が踏み込むとワイヤーが締まって、獣の足を捕らえる構造になっています。 くくり罠の使用にあたっては、人の安全や野生鳥獣の保護の観点などから、様々なルールや規制があります。知らずに違反してしまうと、事故につながる可能性があるのはもちろん、法令違反によって罰則を受ける場合もあるので、しっかりと理解しておきましょう。 無免許でくくり罠を設置するのは違法 狩猟免許や狩猟者登録がない人がくくり罠を使用して狩猟鳥獣を捕獲した場合、法令違反となります。違反した場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられたり、使用した猟具等が没収されたりします。 まずは狩猟免許を取得しよう 野生鳥獣の捕獲には狩猟免許が必要です。狩猟免許には第一種銃猟、第二種銃猟、わな猟免許、網猟免許という種類があり、このうちくくり罠を使う場合はわな猟免許の取得が必要になります。 わな猟免許を取得するためには、試験に合格する必要があります。試験は年に数回実施されており、試験日の1ヵ月程前を期限に、受験申込をしなければなりません。試験日や申込期限のスケジュールは都道府県のホームページなどで確認できます。受験申込の際には証明写真や診断書が必要だったりしますので、受験する場合は狩猟を行う都道府県の担当課に必要な書類や申込について確認し、早めに準備しておくと良いでしょう。 ほとんどの場合、狩猟試験の事前に講習会が開かれています。事前講習は地域によって無料で開催されていたりしますので、是非参加しましょう。近所に銃砲店さんがある場合は、試験申込の代行や事前講習の取りまとめをしている場合もあるので、色々と話を聞いてみるのも良いでしょう。 また講習会に参加するにあたって、テキスト(狩猟読本と狩猟免許試験例題集)を購入することになるかと思います。わな猟免許試験の難易度は銃猟よりも低く、合格率も高い傾向がありますが、準備なしでは受かるのは難しいと思います。試験前にテキストの内容をしっかり覚えておきましょう。 テキストには、狩猟を行うにあたって禁止されている行為について記載されています。例えば、獲物を宙づりにする捕獲方法の禁止、鳥獣保護区や休猟区・公道・区域が明示された都市公園・社寺境内・墓地等における狩猟の禁止など。試験の問題にも多く出題される部分になりますので、実際に罠をしかけることを踏まえてきちんと頭に入れておく必要があります。 試験は1次試験(筆記)と2次試験(狩猟対象獣の識別、合法わなの見極め、わな設置実技)という構成になっており、1次試験に落ちると2次試験を受けることはできません。2次試験の内容は、事前講習会で説明があると思います。その内容を覚えておき、落ち着いて受験すれば問題ないと思います。 試験に合格すると、狩猟免許の免状が届きます。狩猟免許には有効期限があり、免許を受けてから3年後の9月14日までです(免状に記載されています)ので、すでに免許を持っている人も更新手続きを忘れることのないようにしましょう。 狩猟者登録も忘れずに 日本では狩猟制度が法によって定められており、狩猟ができる期間(狩猟期間)が決められています。狩猟期間は、原則11月15日~翌年2月15日(北海道は10月1日~翌年1月31日)となっています。 そのため、くくり罠による捕獲などの狩猟活動を期間外に行うと法律違反となり、罰則や狩猟免許取り消しとなる場合もあります。イノシシやシカの場合は地域によって期間が延長されている地域もありますので、事前に確認しておきましょう。 なお狩猟期間中に狩猟活動をする場合、狩猟を行う地域での狩猟者登録が毎年必要です。狩猟者登録では狩猟税の納付や登録手数料などが必要になります。 狩猟登録すると登録証が発行されますが、狩猟をする際はこの登録証を携帯し、国又は地方公共団体の職員、警察官その他関係者から提示を求められたときは、これを提示しなければならないと定められています。また、記章と呼ばれるバッジも帽子やベストなどに着用する必要があります。 ※狩猟による捕獲のほかに、有害鳥獣捕獲という制度もあります。市役所等からその地域を担当する有害鳥獣駆除班に有害鳥獣捕獲の依頼がくるような流れが一般的です。依頼を受けた捕獲従事者は捕獲許可の申請を行う必要があります。駆除班に参加するには、狩猟免許はもちろん捕獲経験や実績が求められることも多いです。 使う道具についても違反しないように注意 くくり罠はワイヤーの輪っかの中に獣が足を入れるとワイヤーが締まる構造になっていますが、この輪っかの直径には規制があり12cmを超えるものは使用できません。ただし、イノシシや鹿の被害が減らない現状を踏まえ、多くの地域で直径の規制は緩和されています。くくり罠を仕掛ける地域の自治体担当課に予め確認しておくと良いでしょう。 また、捕獲する獣の足を過度に締め付けることを防止するための金具をくくり罠に装着しておかなければなりません。 他にも、イノシシやシカの捕獲に関しては、ワイヤーの太さが4mm以上であることや、ワイヤーのよじれを防止するための「より戻し(サルカン)」をくくり罠に装着する必要があります。 罠を仕掛ける際にも規制があります くくり罠は他の罠に比べると手軽に仕掛けられるため、とにかく沢山しかければ捕獲率も上がると考えてしまいますが、法律では1人が仕掛けられるくくり罠の数は最大30個までと定められています。 くくり罠を仕掛けた後は、仕掛けた場所を基本的には毎日見回ることになると思いますので、多すぎると管理も大変になります。自身が適切に管理できる範囲でくくり罠を仕掛けるようにしましょう。 捕獲した場合は、獲物をそのまま放置することは禁止されています。弱らせて餓死させたりすると、法令違反と判断される場合もありますので、速やかに処分するようにしましょう。 また、もし対象獣以外を捕獲した場合(狩猟では狩猟獣以外を捕獲、有害捕獲等では許可 以外の動物を捕獲)は、速やかに放獣しなければなりません。 義務やルールを守って正しく罠を設置しましょう 他にも、くくり罠を仕掛ける土地の地権者に予め承諾を取っておくこと、わなの設置場所近くに仕掛けた人や連絡先がわかる標識をつけておくこと、...
【初心者必見!】くくり罠の禁止事項を理解して、違反を避けましょう
田畑を荒らす獣を捕獲するために多く使われているのが「くくり罠」です。獣道に仕掛けておき、仕掛けた場所に獣が踏み込むとワイヤーが締まって、獣の足を捕らえる構造になっています。 くくり罠の使用にあたっては、人の安全や野生鳥獣の保護の観点などから、様々なルールや規制があります。知らずに違反してしまうと、事故につながる可能性があるのはもちろん、法令違反によって罰則を受ける場合もあるので、しっかりと理解しておきましょう。 無免許でくくり罠を設置するのは違法 狩猟免許や狩猟者登録がない人がくくり罠を使用して狩猟鳥獣を捕獲した場合、法令違反となります。違反した場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられたり、使用した猟具等が没収されたりします。 まずは狩猟免許を取得しよう 野生鳥獣の捕獲には狩猟免許が必要です。狩猟免許には第一種銃猟、第二種銃猟、わな猟免許、網猟免許という種類があり、このうちくくり罠を使う場合はわな猟免許の取得が必要になります。 わな猟免許を取得するためには、試験に合格する必要があります。試験は年に数回実施されており、試験日の1ヵ月程前を期限に、受験申込をしなければなりません。試験日や申込期限のスケジュールは都道府県のホームページなどで確認できます。受験申込の際には証明写真や診断書が必要だったりしますので、受験する場合は狩猟を行う都道府県の担当課に必要な書類や申込について確認し、早めに準備しておくと良いでしょう。 ほとんどの場合、狩猟試験の事前に講習会が開かれています。事前講習は地域によって無料で開催されていたりしますので、是非参加しましょう。近所に銃砲店さんがある場合は、試験申込の代行や事前講習の取りまとめをしている場合もあるので、色々と話を聞いてみるのも良いでしょう。 また講習会に参加するにあたって、テキスト(狩猟読本と狩猟免許試験例題集)を購入することになるかと思います。わな猟免許試験の難易度は銃猟よりも低く、合格率も高い傾向がありますが、準備なしでは受かるのは難しいと思います。試験前にテキストの内容をしっかり覚えておきましょう。 テキストには、狩猟を行うにあたって禁止されている行為について記載されています。例えば、獲物を宙づりにする捕獲方法の禁止、鳥獣保護区や休猟区・公道・区域が明示された都市公園・社寺境内・墓地等における狩猟の禁止など。試験の問題にも多く出題される部分になりますので、実際に罠をしかけることを踏まえてきちんと頭に入れておく必要があります。 試験は1次試験(筆記)と2次試験(狩猟対象獣の識別、合法わなの見極め、わな設置実技)という構成になっており、1次試験に落ちると2次試験を受けることはできません。2次試験の内容は、事前講習会で説明があると思います。その内容を覚えておき、落ち着いて受験すれば問題ないと思います。 試験に合格すると、狩猟免許の免状が届きます。狩猟免許には有効期限があり、免許を受けてから3年後の9月14日までです(免状に記載されています)ので、すでに免許を持っている人も更新手続きを忘れることのないようにしましょう。 狩猟者登録も忘れずに 日本では狩猟制度が法によって定められており、狩猟ができる期間(狩猟期間)が決められています。狩猟期間は、原則11月15日~翌年2月15日(北海道は10月1日~翌年1月31日)となっています。 そのため、くくり罠による捕獲などの狩猟活動を期間外に行うと法律違反となり、罰則や狩猟免許取り消しとなる場合もあります。イノシシやシカの場合は地域によって期間が延長されている地域もありますので、事前に確認しておきましょう。 なお狩猟期間中に狩猟活動をする場合、狩猟を行う地域での狩猟者登録が毎年必要です。狩猟者登録では狩猟税の納付や登録手数料などが必要になります。 狩猟登録すると登録証が発行されますが、狩猟をする際はこの登録証を携帯し、国又は地方公共団体の職員、警察官その他関係者から提示を求められたときは、これを提示しなければならないと定められています。また、記章と呼ばれるバッジも帽子やベストなどに着用する必要があります。 ※狩猟による捕獲のほかに、有害鳥獣捕獲という制度もあります。市役所等からその地域を担当する有害鳥獣駆除班に有害鳥獣捕獲の依頼がくるような流れが一般的です。依頼を受けた捕獲従事者は捕獲許可の申請を行う必要があります。駆除班に参加するには、狩猟免許はもちろん捕獲経験や実績が求められることも多いです。 使う道具についても違反しないように注意 くくり罠はワイヤーの輪っかの中に獣が足を入れるとワイヤーが締まる構造になっていますが、この輪っかの直径には規制があり12cmを超えるものは使用できません。ただし、イノシシや鹿の被害が減らない現状を踏まえ、多くの地域で直径の規制は緩和されています。くくり罠を仕掛ける地域の自治体担当課に予め確認しておくと良いでしょう。 また、捕獲する獣の足を過度に締め付けることを防止するための金具をくくり罠に装着しておかなければなりません。 他にも、イノシシやシカの捕獲に関しては、ワイヤーの太さが4mm以上であることや、ワイヤーのよじれを防止するための「より戻し(サルカン)」をくくり罠に装着する必要があります。 罠を仕掛ける際にも規制があります くくり罠は他の罠に比べると手軽に仕掛けられるため、とにかく沢山しかければ捕獲率も上がると考えてしまいますが、法律では1人が仕掛けられるくくり罠の数は最大30個までと定められています。 くくり罠を仕掛けた後は、仕掛けた場所を基本的には毎日見回ることになると思いますので、多すぎると管理も大変になります。自身が適切に管理できる範囲でくくり罠を仕掛けるようにしましょう。 捕獲した場合は、獲物をそのまま放置することは禁止されています。弱らせて餓死させたりすると、法令違反と判断される場合もありますので、速やかに処分するようにしましょう。 また、もし対象獣以外を捕獲した場合(狩猟では狩猟獣以外を捕獲、有害捕獲等では許可 以外の動物を捕獲)は、速やかに放獣しなければなりません。 義務やルールを守って正しく罠を設置しましょう 他にも、くくり罠を仕掛ける土地の地権者に予め承諾を取っておくこと、わなの設置場所近くに仕掛けた人や連絡先がわかる標識をつけておくこと、...