鳥獣被害対策マガジン
電気柵の効果と電源の種類、ソーラー電源のメリットを解説
獣の田畑への侵入対策として電気柵は有効な手段の1つですが、電源の供給方法や特徴は商品によって異なります。 本記事では、電気柵の電源の種類やソーラータイプのメリットについてご紹介します。あわせて、電気柵を設置する際のポイントについても解説しています。 電気柵とは?3つの電源の種類 電気柵は、侵入を防止したい敷地の周りに電気を通した柵線を張っておき、獣の侵入を防ぐものです。獣が柵線に触れると、獣の体と電気柵のあいだに電気の経路が形成され、電気ショックが生じる仕組みになっています。電気ショックによって獣に恐怖心を植え付け、農作物に近付かせないようにすることが狙いです。 電気柵には電気を流すための電源が欠かせませんが、電源の種類は大きく3つ挙げられます。 1.乾電池 電源として多く使われているのが、乾電池です。 乾電池は誰でも手軽に入手することができ、導入が容易である点がメリットといえます。田畑の周辺には電源が確保されていることのほうが珍しいですが、乾電池タイプであれば場所を選びません。 デメリットとしては、残量をこまめにチェックして電池切れを起こさないようにする手間がかかることです。多くの機種では、電池の残量が少なくなると資格や音でアラートが出るようになっていますが、日々の作業に追われてついつい後回しにしてしまうことも。 24時間電気柵を稼働させる場合は電池交換の頻度も高くなるため、事前にメーカー公表の稼働時間をチェックしておき、コスト面を試算しておくとよいでしょう。 2.外部電源 2つ目は外部電源です。 自動車用のバッテリー等、電気柵本体の規格に適合する市販のバッテリーを接続したり、家庭用電源を接続するためのACアダプターを接続したりします。 電池の場合は設置場所を選びませんが、外部から電源を引っ張ってくるためには場所の制約が出てしまいます。田畑の周辺には電源が無いことが多いので、そもそも電源を確保できないということがあります。 購入前に、設置予定の場所に電源が届くか予め確認しておく必要があります。また、各メーカーが定める規格に適合しない電源を使うのは、重篤な事故が起こる可能性があるため避けましょう。 3.ソーラー 3つ目は、ソーラーパネルによって発電した電気をバッテリーに溜めて使うタイプです。仮にソーラーパネル無しのタイプをお使いの場合も、後付けできるものがほとんどです。 ソーラーパネルの出力(W=ワット)とバッテリー容量の兼ね合いによって稼働時間が変わってきます。それぞれのメーカーで推奨バッテリーが販売されているので、それを選んだほうが無難です。 コンパクトなタイプだと、5Wのソーラーパネルが一般的です。発電能力が低いため、夜間のみの電気柵を稼働させる場合に適しています。 一方で、昼夜連続の運転や、日照不足の季節、梅雨や降雪が多い時期に稼働させる場合は、電力不足に陥る心配があるため、5Wよりも大きいタイプを選ぶとよいでしょう。 12W程のソーラーパネルであれば比較的発電量が大きくなるので、昼夜連続の仕様でも問題ありません(※設置条件によっても異なります)。 メーカー推奨以外のバッテリーを使う場合は、ソーラーパネルの出力とバッテリーの容量の相性が悪い場合もあるので注意が必要です。 ソーラーパネルが選ばれる理由 電気柵の電源の中でもソーラーパネルが選ばれる理由はいくつか存在します。 まず、電池交換のコストが減る点は大きなメリットです。ソーラーパネル付きタイプのほうが本体価格が高いため、初期導入コストは電池タイプよりも大きくなってしまいますが、長い目でみるとソーラータイプのほうがお得になってきます。 また、電池交換忘れによって不通電となるリスクも減らすことができます。電気柵は動物に物理的なショックを与えるのではなく、心理的な恐怖を植え付け農作物に近付かせないことがポイントになると解説しました。しかし、電気柵に電気が流れていない状態で触れてしまうと、動物が慣れてしまい恐怖感を抱くなくなってしまいます。 電池交換が必要なタイプでは、電池切れにより電気が流れない空白の時間が発生してしまいますが、ソーラーパネルならその心配がありません。 また、ソーラーからの充電が十分でない場合も、電池やバッテリーと併用できるタイプなら自動で切り替えが行えるため、電気が流れない時間をゼロにすることができます。 イノホイで販売している電気柵はソーラー・乾電池・バッテリーの3種類にすべて対応しており、自動で電圧がもっとも高い電源に切り換えます。 ...
電気柵の効果と電源の種類、ソーラー電源のメリットを解説
獣の田畑への侵入対策として電気柵は有効な手段の1つですが、電源の供給方法や特徴は商品によって異なります。 本記事では、電気柵の電源の種類やソーラータイプのメリットについてご紹介します。あわせて、電気柵を設置する際のポイントについても解説しています。 電気柵とは?3つの電源の種類 電気柵は、侵入を防止したい敷地の周りに電気を通した柵線を張っておき、獣の侵入を防ぐものです。獣が柵線に触れると、獣の体と電気柵のあいだに電気の経路が形成され、電気ショックが生じる仕組みになっています。電気ショックによって獣に恐怖心を植え付け、農作物に近付かせないようにすることが狙いです。 電気柵には電気を流すための電源が欠かせませんが、電源の種類は大きく3つ挙げられます。 1.乾電池 電源として多く使われているのが、乾電池です。 乾電池は誰でも手軽に入手することができ、導入が容易である点がメリットといえます。田畑の周辺には電源が確保されていることのほうが珍しいですが、乾電池タイプであれば場所を選びません。 デメリットとしては、残量をこまめにチェックして電池切れを起こさないようにする手間がかかることです。多くの機種では、電池の残量が少なくなると資格や音でアラートが出るようになっていますが、日々の作業に追われてついつい後回しにしてしまうことも。 24時間電気柵を稼働させる場合は電池交換の頻度も高くなるため、事前にメーカー公表の稼働時間をチェックしておき、コスト面を試算しておくとよいでしょう。 2.外部電源 2つ目は外部電源です。 自動車用のバッテリー等、電気柵本体の規格に適合する市販のバッテリーを接続したり、家庭用電源を接続するためのACアダプターを接続したりします。 電池の場合は設置場所を選びませんが、外部から電源を引っ張ってくるためには場所の制約が出てしまいます。田畑の周辺には電源が無いことが多いので、そもそも電源を確保できないということがあります。 購入前に、設置予定の場所に電源が届くか予め確認しておく必要があります。また、各メーカーが定める規格に適合しない電源を使うのは、重篤な事故が起こる可能性があるため避けましょう。 3.ソーラー 3つ目は、ソーラーパネルによって発電した電気をバッテリーに溜めて使うタイプです。仮にソーラーパネル無しのタイプをお使いの場合も、後付けできるものがほとんどです。 ソーラーパネルの出力(W=ワット)とバッテリー容量の兼ね合いによって稼働時間が変わってきます。それぞれのメーカーで推奨バッテリーが販売されているので、それを選んだほうが無難です。 コンパクトなタイプだと、5Wのソーラーパネルが一般的です。発電能力が低いため、夜間のみの電気柵を稼働させる場合に適しています。 一方で、昼夜連続の運転や、日照不足の季節、梅雨や降雪が多い時期に稼働させる場合は、電力不足に陥る心配があるため、5Wよりも大きいタイプを選ぶとよいでしょう。 12W程のソーラーパネルであれば比較的発電量が大きくなるので、昼夜連続の仕様でも問題ありません(※設置条件によっても異なります)。 メーカー推奨以外のバッテリーを使う場合は、ソーラーパネルの出力とバッテリーの容量の相性が悪い場合もあるので注意が必要です。 ソーラーパネルが選ばれる理由 電気柵の電源の中でもソーラーパネルが選ばれる理由はいくつか存在します。 まず、電池交換のコストが減る点は大きなメリットです。ソーラーパネル付きタイプのほうが本体価格が高いため、初期導入コストは電池タイプよりも大きくなってしまいますが、長い目でみるとソーラータイプのほうがお得になってきます。 また、電池交換忘れによって不通電となるリスクも減らすことができます。電気柵は動物に物理的なショックを与えるのではなく、心理的な恐怖を植え付け農作物に近付かせないことがポイントになると解説しました。しかし、電気柵に電気が流れていない状態で触れてしまうと、動物が慣れてしまい恐怖感を抱くなくなってしまいます。 電池交換が必要なタイプでは、電池切れにより電気が流れない空白の時間が発生してしまいますが、ソーラーパネルならその心配がありません。 また、ソーラーからの充電が十分でない場合も、電池やバッテリーと併用できるタイプなら自動で切り替えが行えるため、電気が流れない時間をゼロにすることができます。 イノホイで販売している電気柵はソーラー・乾電池・バッテリーの3種類にすべて対応しており、自動で電圧がもっとも高い電源に切り換えます。 ...
箱罠で捕獲した後の止め刺しについて
目次 1箱罠捕獲後の止め刺し手順 1刃物を用いて直接止め刺す 2電殺器(電気止め刺し)を使用する 3銃による止め刺し 4窒息させる 箱罠を使って獲物を捕獲したあとは、獲物にとどめを刺す「止め刺し」を行います。 くくり罠で捕獲した場合、捕獲後もワイヤー長のぶんだけ獣は動けますが、箱罠の場合は獣の動きが檻の内部に制限されます。 また、くくり罠の場合は、捕らえた獲物の足が何らかの原因でワイヤーから抜けてしまう場合があります。一方で箱罠の場合は、捕獲後に獲物が逃げ出す可能性は低くなりますので、くくり罠よりも止め刺しの難易度は下がるといえるでしょう。 参考動画:「閲覧注意」踏み込み式くくり罠 電気止め刺し「有害駆除」 とはいえ、野生を相手に行うものですので箱罠でもリスクがまったくない訳ではありません。 とくに大型のイノシシなどは捕獲後は興奮状態にあり、体当たりして箱罠が動かしてしまうほどパワーがあります。 止め刺しを行う前に、遠巻きに罠の状態をよく観察し、箱罠に破損等の異常がないか確認したうえで、油断せず安全第一で作業にとりかかりましょう。 こちらの記事もどうぞ イノシシ捕獲~箱罠の設置・見回りをしよう 箱罠捕獲後の止め刺し手順 では、具体的に箱罠で捕獲した獲物の止め刺し方法を解説します。 1.刃物を用いて直接止め刺す 刃物を用いる止め刺しは、心臓や頸動脈をナイフなどで刺し放血させる方法です。 他の止め刺し方法と比べると制限が少ないので、古くからポピュラーな止め刺し方法として採用されています。ただし、急所に刃物を刺す必要があるため、物理的にも精神的にもハードルが高い方法でもあります。 難関となるのが急所部分となる胸元(心臓の付け根部分)を露出させることです。イノシシなどの四足獣は、胸元が地面側を向いており、そのままでは急所を的確に狙うことができません。そこで、獲物の胸元が見えるような状態にする必要があります。 一つの方法としては、ロープなどの保定具を使って獣の鼻や前足を垂直に吊り上げて拘束することです。 例としてイノシシを想定し、解説しましょう。 まず、保定具を輪の状態にします。このとき、保定具を引くと輪が締まるような結び方をしておきます(例:わな結びなど)。 上記の輪を箱罠天井のすき間から入れます。イノシシの鼻先で輪をプラプラさせると噛みついてきますので、その瞬間にロープを引いてイノシシの首や上アゴを括ります。 または、輪を地面に置き、輪の中に前足が入った瞬間に引き上げたりもします。 うまく輪を締めることができたら、持ち手側のロープに体重をかけて引っ張ります。 こうすることで、保定した部分が箱罠から離れられないようになります。なお、重量のある個体の場合は、近くの木の枝などに引っ掛けてから体重をかけると、持ち上がりやすくなります。 この状態になると獲物の前足が浮いて後ろ足だけで立ち上がるような体勢となるため、胸元が露出して急所を狙いやすくなります。この状態にして、リーチの長い槍状の刃物などで止め刺しするのがリスクの少ない方法です。止め刺し用のナイフはカタログ販売のみで取扱いしております。こちらよりお問い合わせください。 こちらの記事もどうぞ...
箱罠で捕獲した後の止め刺しについて
目次 1箱罠捕獲後の止め刺し手順 1刃物を用いて直接止め刺す 2電殺器(電気止め刺し)を使用する 3銃による止め刺し 4窒息させる 箱罠を使って獲物を捕獲したあとは、獲物にとどめを刺す「止め刺し」を行います。 くくり罠で捕獲した場合、捕獲後もワイヤー長のぶんだけ獣は動けますが、箱罠の場合は獣の動きが檻の内部に制限されます。 また、くくり罠の場合は、捕らえた獲物の足が何らかの原因でワイヤーから抜けてしまう場合があります。一方で箱罠の場合は、捕獲後に獲物が逃げ出す可能性は低くなりますので、くくり罠よりも止め刺しの難易度は下がるといえるでしょう。 参考動画:「閲覧注意」踏み込み式くくり罠 電気止め刺し「有害駆除」 とはいえ、野生を相手に行うものですので箱罠でもリスクがまったくない訳ではありません。 とくに大型のイノシシなどは捕獲後は興奮状態にあり、体当たりして箱罠が動かしてしまうほどパワーがあります。 止め刺しを行う前に、遠巻きに罠の状態をよく観察し、箱罠に破損等の異常がないか確認したうえで、油断せず安全第一で作業にとりかかりましょう。 こちらの記事もどうぞ イノシシ捕獲~箱罠の設置・見回りをしよう 箱罠捕獲後の止め刺し手順 では、具体的に箱罠で捕獲した獲物の止め刺し方法を解説します。 1.刃物を用いて直接止め刺す 刃物を用いる止め刺しは、心臓や頸動脈をナイフなどで刺し放血させる方法です。 他の止め刺し方法と比べると制限が少ないので、古くからポピュラーな止め刺し方法として採用されています。ただし、急所に刃物を刺す必要があるため、物理的にも精神的にもハードルが高い方法でもあります。 難関となるのが急所部分となる胸元(心臓の付け根部分)を露出させることです。イノシシなどの四足獣は、胸元が地面側を向いており、そのままでは急所を的確に狙うことができません。そこで、獲物の胸元が見えるような状態にする必要があります。 一つの方法としては、ロープなどの保定具を使って獣の鼻や前足を垂直に吊り上げて拘束することです。 例としてイノシシを想定し、解説しましょう。 まず、保定具を輪の状態にします。このとき、保定具を引くと輪が締まるような結び方をしておきます(例:わな結びなど)。 上記の輪を箱罠天井のすき間から入れます。イノシシの鼻先で輪をプラプラさせると噛みついてきますので、その瞬間にロープを引いてイノシシの首や上アゴを括ります。 または、輪を地面に置き、輪の中に前足が入った瞬間に引き上げたりもします。 うまく輪を締めることができたら、持ち手側のロープに体重をかけて引っ張ります。 こうすることで、保定した部分が箱罠から離れられないようになります。なお、重量のある個体の場合は、近くの木の枝などに引っ掛けてから体重をかけると、持ち上がりやすくなります。 この状態になると獲物の前足が浮いて後ろ足だけで立ち上がるような体勢となるため、胸元が露出して急所を狙いやすくなります。この状態にして、リーチの長い槍状の刃物などで止め刺しするのがリスクの少ない方法です。止め刺し用のナイフはカタログ販売のみで取扱いしております。こちらよりお問い合わせください。 こちらの記事もどうぞ...
対馬市におけるイノシシ・シカ対策のご紹介
長崎県対馬市は日本海の西に位置する島です。九州と韓国の間の対馬海峡に浮かび、「国境の島」とも呼ばれています。博多港までは航路で132キロ、韓国までは直線距離で49.5キロ。日本の中で朝鮮半島に最も近いという地理的条件から、大陸と日本の架け橋として数多くの文化・歴史が息づいています。 1.豊かな自然が残る対馬。島の89%が山林で占められている 特産品も多く、海鮮やしいたけ・地酒などをはじめ、縄文後期の原種そば「対州そば」など多くのグルメを味わうことができます。 また近年では、世界的に話題となった時代劇アクションゲーム「Ghost of Tsushima」(ゴーストオブツシマ)の舞台としても注目を集めました。 島の大きさは、南北82キロ・東西18キロ、面積は約708平方キロ。沖縄本島と北方四島を除けば、佐渡島・奄美大島に次ぐ大きさです。 山林が面積の89%を占める自然豊かな島ですが、一方でイノシシやシカによる農作物被害や林業被害、山の下草が無くなるといった生態系被害に悩まされています。 こうした被害を受け対馬市では、イノシシ・シカに対する対策を実施すると共に、イノシシ・シカに負けない地域づくり・人づくりに向けてさまざまな取り組みをしています。 今回は、対馬市役所 農林水産部の日高様に、対馬市におけるイノシシ・シカ対策についてお話を伺いましたので、ご紹介します(以下敬称略)。 対馬市でのイノシシ・シカ被害の現状 2.イノシシやシカが多く生息し農作物・森林被害が発生している -まずは、対馬でのイノシシ・シカ被害の現状からお聞かせください 日高:対馬市では現在、イノシシ・シカの増加により、食い荒らしや踏み倒しによる農作物被害、樹脂剥ぎによる森林被害、さらには下層植生減少や土砂流出によって生態系にも被害が及んでいるのが現状です。近年ではイノシシやシカが市街地付近でも出没しており、接触事故なども発生しています。 3.「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」対馬市公式HPより 対馬は今から約300年前に、イノシシによる農業被害に悩む百姓を助けるため、対馬藩で農業振興に尽力した陶山訥庵(すやま とつあん)が中心となって「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」が実施され、9年間の歳月をかけてイノシシを絶滅させたという歴史があります。 しかし、今から30年ほどまえに島外から持ち込まれたイノシシが野生化し、平成6年に一頭の成獣が捕獲されたことを皮切りに、被害が全島に及ぶようになりました。 シカによる被害も顕著になってきています。対馬に生息するシカは、対馬にのみ生息するキュシュウジカの亜種です。1960年代は、捕獲圧の上昇により個体数が減少したことを受け、県の天然記念物に指定され、一切の捕獲が禁止されました。しかしながら、その後個体数が増加し、農林業被害が発生するようになったため、1981年から有害捕獲が開始され、2006年に天然記念物指定が解除されるに至っています。 イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況 -イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況はいかがでしょうか? 日高:被害の拡大を受けて市では他の有害鳥獣捕獲地域と同様、被害を引き起こすイノシシやシカを捕獲した際には報奨金を交付する制度を導入しました。その効果もあり、2019年度の捕獲実績はシカが約8,236頭、イノシシは約5,367頭という結果になりました。1か月に最大1,000頭捕獲したという実績もあります。 しかし、依然として被害は減少しておらず、捕獲のペースが追いついていなのが現状です。とくに森林被害は深刻です。田畑への農作物被害に対しては防護柵やワイヤーメッシュを用いることで被害額が減少傾向にありますが、森林被害はカバーするエリアも広く、より捕獲圧を上げていかなければなりません。 森林被害の削減に向けての新しい対策 -被害を削減するために、今後を見据え新しい対策へ取り組んでいるとお伺いしました 日高:対馬市では全国に先駆け、主に森林被害を低減させるための補助事業として、シカ捕獲用のくくり罠を助成する事業を開始しました。 4.対馬市で導入するくくり罠 現在、捕獲方法の内訳としては、銃器を使った捕獲が約3割、罠を使った捕獲が約7割になっています。銃器による捕獲はどうしても許可・規制等の問題があることから限定的となり、猟友会の方へのご負担も大きくなってしまいます。そこで、ハードルが低い罠を使用することでも十分な捕獲実績を出せることに注目し、シカ捕獲用のくくり罠1,500個を助成することにしました。 5.猟友会の協力の元、助成用の罠を念入りにチェックする...
対馬市におけるイノシシ・シカ対策のご紹介
長崎県対馬市は日本海の西に位置する島です。九州と韓国の間の対馬海峡に浮かび、「国境の島」とも呼ばれています。博多港までは航路で132キロ、韓国までは直線距離で49.5キロ。日本の中で朝鮮半島に最も近いという地理的条件から、大陸と日本の架け橋として数多くの文化・歴史が息づいています。 1.豊かな自然が残る対馬。島の89%が山林で占められている 特産品も多く、海鮮やしいたけ・地酒などをはじめ、縄文後期の原種そば「対州そば」など多くのグルメを味わうことができます。 また近年では、世界的に話題となった時代劇アクションゲーム「Ghost of Tsushima」(ゴーストオブツシマ)の舞台としても注目を集めました。 島の大きさは、南北82キロ・東西18キロ、面積は約708平方キロ。沖縄本島と北方四島を除けば、佐渡島・奄美大島に次ぐ大きさです。 山林が面積の89%を占める自然豊かな島ですが、一方でイノシシやシカによる農作物被害や林業被害、山の下草が無くなるといった生態系被害に悩まされています。 こうした被害を受け対馬市では、イノシシ・シカに対する対策を実施すると共に、イノシシ・シカに負けない地域づくり・人づくりに向けてさまざまな取り組みをしています。 今回は、対馬市役所 農林水産部の日高様に、対馬市におけるイノシシ・シカ対策についてお話を伺いましたので、ご紹介します(以下敬称略)。 対馬市でのイノシシ・シカ被害の現状 2.イノシシやシカが多く生息し農作物・森林被害が発生している -まずは、対馬でのイノシシ・シカ被害の現状からお聞かせください 日高:対馬市では現在、イノシシ・シカの増加により、食い荒らしや踏み倒しによる農作物被害、樹脂剥ぎによる森林被害、さらには下層植生減少や土砂流出によって生態系にも被害が及んでいるのが現状です。近年ではイノシシやシカが市街地付近でも出没しており、接触事故なども発生しています。 3.「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」対馬市公式HPより 対馬は今から約300年前に、イノシシによる農業被害に悩む百姓を助けるため、対馬藩で農業振興に尽力した陶山訥庵(すやま とつあん)が中心となって「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」が実施され、9年間の歳月をかけてイノシシを絶滅させたという歴史があります。 しかし、今から30年ほどまえに島外から持ち込まれたイノシシが野生化し、平成6年に一頭の成獣が捕獲されたことを皮切りに、被害が全島に及ぶようになりました。 シカによる被害も顕著になってきています。対馬に生息するシカは、対馬にのみ生息するキュシュウジカの亜種です。1960年代は、捕獲圧の上昇により個体数が減少したことを受け、県の天然記念物に指定され、一切の捕獲が禁止されました。しかしながら、その後個体数が増加し、農林業被害が発生するようになったため、1981年から有害捕獲が開始され、2006年に天然記念物指定が解除されるに至っています。 イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況 -イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況はいかがでしょうか? 日高:被害の拡大を受けて市では他の有害鳥獣捕獲地域と同様、被害を引き起こすイノシシやシカを捕獲した際には報奨金を交付する制度を導入しました。その効果もあり、2019年度の捕獲実績はシカが約8,236頭、イノシシは約5,367頭という結果になりました。1か月に最大1,000頭捕獲したという実績もあります。 しかし、依然として被害は減少しておらず、捕獲のペースが追いついていなのが現状です。とくに森林被害は深刻です。田畑への農作物被害に対しては防護柵やワイヤーメッシュを用いることで被害額が減少傾向にありますが、森林被害はカバーするエリアも広く、より捕獲圧を上げていかなければなりません。 森林被害の削減に向けての新しい対策 -被害を削減するために、今後を見据え新しい対策へ取り組んでいるとお伺いしました 日高:対馬市では全国に先駆け、主に森林被害を低減させるための補助事業として、シカ捕獲用のくくり罠を助成する事業を開始しました。 4.対馬市で導入するくくり罠 現在、捕獲方法の内訳としては、銃器を使った捕獲が約3割、罠を使った捕獲が約7割になっています。銃器による捕獲はどうしても許可・規制等の問題があることから限定的となり、猟友会の方へのご負担も大きくなってしまいます。そこで、ハードルが低い罠を使用することでも十分な捕獲実績を出せることに注目し、シカ捕獲用のくくり罠1,500個を助成することにしました。 5.猟友会の協力の元、助成用の罠を念入りにチェックする...
箱罠のセンサー(電子トリガー)をお探しの方へ
イノシシやシカの捕獲に広く用いられている箱罠。物理的な仕組みで作動させるものが一般的ですが、近年はセンサーを使った捕獲の仕組みが注目をあびており、多くの地域で導入されるようになってきています。 すでに各社から様々なタイプが販売されていますが、従来の箱罠に慣れている人にとっては、とっつきにくく感じるかもしれません。しかしながら、うまく使えば捕獲率の向上や作業効率を良くすることが可能です。 ※箱罠の傍に設置しておき罠の様子を録画する、「トレイルカメラ」とは今回は区別して説明します。 箱罠+センサーを使った捕獲 箱罠は餌を使って獣を檻の内部に誘引し、獣が檻の中に入ったら仕組みが作動して扉が落ちる仕組みになっています。 こちらの記事もどうぞ 箱罠について詳しく知りたい 一般的な箱罠は、罠の内部にある仕掛け(蹴り糸や踏み板など)に獣が触れると扉が落ちるといった、物理的な仕組みになっています。 たとえば、蹴り糸を使った方式の場合、箱罠内部に張った糸に獣が触れると、扉を吊っているワイヤーや紐が外れて扉が閉まる仕組みになっています。 一方で、センサーをつかった仕掛けの場合、獣が罠の内部に入ったことを赤外線などのセンサーによって感知します。蹴り糸などを用意する必要がなく、またそれが無いことで獣の警戒心を弱めることが可能になります。さらに、仕掛けの労力を減らすことにもつながります。 センサーによって扉が自動で落ちる仕組み この仕組みには、主に赤外線センサーが用いられます。センサー筐体と扉を吊る紐が連結できるようになっており、センサー筐体を箱罠の上面や側面に取り付ける形で仕掛けるのが一般的です。 因みに赤外線とは、熱をもっている物体や生き物が発している電磁波の一種です。これを肉眼で見ることはできませんが、赤外線センサーの内部は入射した赤外線を電気信号に変えるような仕組みとなっています。この仕組みは、人感センサーなど各種センサーとして幅広く用いられています。 これを箱罠の仕掛けに応用し、周囲温度と比べて温度差のあるものがセンサー感知範囲内で動くと、センサーがこれを感知して、扉を吊る紐がセンサー筐体から外れることにより、扉が自動で落ちる仕組みになっています。 IoTを活用した応用例も 最近では、センサー+IoTを組み合わせて捕獲に役立てる試みも進んでいます。IoTとは、今までインターネットにつながっていなかったモノをインターネットにつなぐことです。 例えば、獣が罠の内部に入ったことを赤外線センサーが感知、そのタイミングでカメラ撮影を開始。カメラで撮影された映像を、インターネット経由でパソコンやスマートフォンなどによって遠隔で確認するといったことが可能になります。 さらに、遠隔で人が監視する労力を省くために、獣の種類や頭数を画像で自動判別して、狙った獲物だけを自動で捕獲できるようにするための試みも行われています。 また、赤外線センサーが感知したタイミングで、自動でメール通知を携帯電話等に配信したり、GPSと連携して捕獲場所をマッピングすることによって生息密度が高い場所を割り出したりする応用例もあります。 ただし、高度な機能を有するほどシステムの導入に費用や労力がかかる点、必要に応じてネットワーク接続のためのSIMカード等を別途用意しなければならなかったり、回線電波が届かないような中山間地においては導入が難しいといった側面もあります。 イノホイおすすめのセンサー箱罠 上記を踏まえ、これからセンサー+箱罠による箱罠を導入してみたいという方には、IoTを活用するタイプではなく、赤外線センサーで自動で扉が閉まるタイプを当店ではおすすめしています。 こちらの商品は、ベテラン猟師が監修したセンサーで、設定方法がシンプルかつ実績が多いセンサー商品になります。もちろん、当店のファーレ旭式箱罠にも対応します。 当店のイノシシ・シカ用箱罠は蹴り糸方式ですが、蹴り糸のセッティングは意外に奥が深く、警戒心の高い成獣だと捕獲が難しいことがあります。獣との駆け引きが重要になるため、 熟練者の場合は、ターゲット個体に合わせて蹴り糸の素材や張り方を調整することで対応しますが、初心者の場合はなかなか難しいかと思います。 そういった場合、上記のセンサーをおすすめしており、導入によって捕獲率が上がったという報告もいただいています(参考事例)。 一番の特徴は、あらかじめセンサーが反応する高さを設定できる点です。 例えば、当店の箱罠ビッグサイズ片扉(高さ1.0メートル)と組み合わせて使う場合、天井からの距離60cmの位置でセンサーが反応するように予め設定しておけば、高さ40cm未満の場合は反応せず、40cm以上の肩高の獣が入った時だけ、扉が閉まります。 そのため、体の大きな成獣が入ったときのみ扉を落とすよう設定することが可能、またタヌキなど他の小さい動物を捕獲してしまうことを防ぐこともできます。 被害を減らすには成獣の捕獲を...
箱罠のセンサー(電子トリガー)をお探しの方へ
イノシシやシカの捕獲に広く用いられている箱罠。物理的な仕組みで作動させるものが一般的ですが、近年はセンサーを使った捕獲の仕組みが注目をあびており、多くの地域で導入されるようになってきています。 すでに各社から様々なタイプが販売されていますが、従来の箱罠に慣れている人にとっては、とっつきにくく感じるかもしれません。しかしながら、うまく使えば捕獲率の向上や作業効率を良くすることが可能です。 ※箱罠の傍に設置しておき罠の様子を録画する、「トレイルカメラ」とは今回は区別して説明します。 箱罠+センサーを使った捕獲 箱罠は餌を使って獣を檻の内部に誘引し、獣が檻の中に入ったら仕組みが作動して扉が落ちる仕組みになっています。 こちらの記事もどうぞ 箱罠について詳しく知りたい 一般的な箱罠は、罠の内部にある仕掛け(蹴り糸や踏み板など)に獣が触れると扉が落ちるといった、物理的な仕組みになっています。 たとえば、蹴り糸を使った方式の場合、箱罠内部に張った糸に獣が触れると、扉を吊っているワイヤーや紐が外れて扉が閉まる仕組みになっています。 一方で、センサーをつかった仕掛けの場合、獣が罠の内部に入ったことを赤外線などのセンサーによって感知します。蹴り糸などを用意する必要がなく、またそれが無いことで獣の警戒心を弱めることが可能になります。さらに、仕掛けの労力を減らすことにもつながります。 センサーによって扉が自動で落ちる仕組み この仕組みには、主に赤外線センサーが用いられます。センサー筐体と扉を吊る紐が連結できるようになっており、センサー筐体を箱罠の上面や側面に取り付ける形で仕掛けるのが一般的です。 因みに赤外線とは、熱をもっている物体や生き物が発している電磁波の一種です。これを肉眼で見ることはできませんが、赤外線センサーの内部は入射した赤外線を電気信号に変えるような仕組みとなっています。この仕組みは、人感センサーなど各種センサーとして幅広く用いられています。 これを箱罠の仕掛けに応用し、周囲温度と比べて温度差のあるものがセンサー感知範囲内で動くと、センサーがこれを感知して、扉を吊る紐がセンサー筐体から外れることにより、扉が自動で落ちる仕組みになっています。 IoTを活用した応用例も 最近では、センサー+IoTを組み合わせて捕獲に役立てる試みも進んでいます。IoTとは、今までインターネットにつながっていなかったモノをインターネットにつなぐことです。 例えば、獣が罠の内部に入ったことを赤外線センサーが感知、そのタイミングでカメラ撮影を開始。カメラで撮影された映像を、インターネット経由でパソコンやスマートフォンなどによって遠隔で確認するといったことが可能になります。 さらに、遠隔で人が監視する労力を省くために、獣の種類や頭数を画像で自動判別して、狙った獲物だけを自動で捕獲できるようにするための試みも行われています。 また、赤外線センサーが感知したタイミングで、自動でメール通知を携帯電話等に配信したり、GPSと連携して捕獲場所をマッピングすることによって生息密度が高い場所を割り出したりする応用例もあります。 ただし、高度な機能を有するほどシステムの導入に費用や労力がかかる点、必要に応じてネットワーク接続のためのSIMカード等を別途用意しなければならなかったり、回線電波が届かないような中山間地においては導入が難しいといった側面もあります。 イノホイおすすめのセンサー箱罠 上記を踏まえ、これからセンサー+箱罠による箱罠を導入してみたいという方には、IoTを活用するタイプではなく、赤外線センサーで自動で扉が閉まるタイプを当店ではおすすめしています。 こちらの商品は、ベテラン猟師が監修したセンサーで、設定方法がシンプルかつ実績が多いセンサー商品になります。もちろん、当店のファーレ旭式箱罠にも対応します。 当店のイノシシ・シカ用箱罠は蹴り糸方式ですが、蹴り糸のセッティングは意外に奥が深く、警戒心の高い成獣だと捕獲が難しいことがあります。獣との駆け引きが重要になるため、 熟練者の場合は、ターゲット個体に合わせて蹴り糸の素材や張り方を調整することで対応しますが、初心者の場合はなかなか難しいかと思います。 そういった場合、上記のセンサーをおすすめしており、導入によって捕獲率が上がったという報告もいただいています(参考事例)。 一番の特徴は、あらかじめセンサーが反応する高さを設定できる点です。 例えば、当店の箱罠ビッグサイズ片扉(高さ1.0メートル)と組み合わせて使う場合、天井からの距離60cmの位置でセンサーが反応するように予め設定しておけば、高さ40cm未満の場合は反応せず、40cm以上の肩高の獣が入った時だけ、扉が閉まります。 そのため、体の大きな成獣が入ったときのみ扉を落とすよう設定することが可能、またタヌキなど他の小さい動物を捕獲してしまうことを防ぐこともできます。 被害を減らすには成獣の捕獲を...
ヌートリアの特徴と対策について
ヌートリアは南アメリカ原産の大ネズミで、特定外来生物です。特定外来生物とは、元々日本にいなかった外来生物のうち、生態系などに被害を及ぼすものとして政府が指定した動物のことです。 見た目はカピバラやビーバーにも似ており可愛いとも言われますが、水辺の植物を旺盛に食べることから、西日本を中心に稲などへの農業被害が報告されています。その被害額は、全国で年間およそ5,400万円にのぼります(※農林水産省による公表値はこちら)。 ヌートリアの特徴 ヌートリアはネズミ目に属する動物で、頭胴長は約55~63cm、体重は約6~10kgほどで、ネコよりもやや大きいくらいです。 西日本を中心に、岡山県、愛知県、三重県、岐阜県、京都府、大阪府、兵庫県、香川県などで生息が確認されています。寒さに弱いため、冬場は活動が鈍り、氷結がみられるような寒冷地では生息できません。 見た目の特徴や生態 見た目の特徴としては、まず暗褐色の毛皮をもつこと、齧歯類でありオレンジ色の大きな前歯をもつことが挙げられます。 尻尾は長く、体と違ってあまり毛が生えていません。 後ろ足の第1指から第4指までには水かきがあり、水泳や潜水が得意です。足跡が特徴的(後ろ足のほうが前足よりも大きく、後ろ足だけに水かきの痕跡、尾を引きずったような跡)なので、他の動物の痕跡と区別しやすいです。 平野部の河川や水路、池などの水辺に生息しており、土手や畔(あぜ)などに長い巣穴を掘って、雌雄のペアで生活することが多くあります。 雄・雌で見た目に大きな違いはありませんが、雄のほうがやや大きな体つきをしています。 雌は春に出産する個体が多いですが、季節を問わず繁殖し、年に2・3回、平均5匹の子を産みます。また、妊娠期間は約130日で、生後半年ほどですぐに性成熟し、繁殖が可能となります。これらのことから、繁殖力は非常に強いといえます。 食性や性格 食性としては、ハスやマコモ、ヨシ、ヒシなど水生植物の茎や根茎を好んで食べます。また農作物では水稲の苗をよく食べ、ニンジン、サツマイモなども食べます。基本的には草食性ですが、貝などの動物質の餌も食べることがあります。 基本的には夜行性で明け方と夕方に餌を求めて活発に行動しますが、日中に排水溝の中を隠れながら移動するケースも報告されています。 アライグマ等と比べると、性格は温厚ですが、追い詰められると激しく噛み付く事があります。 ヌートリアが繁殖した原因 先日公表された環境省の生息分布調査結果によると、ヌートリアの生息分布域は以前よりも大きく拡大しています。 2002 年以前のヌートリアの分布と比較すると、東海地方以西に分布するという基本的なパターンに変化はありませんが、特に近畿・中国地方での分布域拡大が目立っています。 また、淡路島、小豆島のような瀬戸内海の島嶼でも分布が確認されています。 そもそもヌートリアが日本で生息するきっかけとなったのは、毛皮増産を目的として1939年にフランスから移入され養育されたことです。 戦争の勝利を連想させる「沼狸」(しょうり)という名称がつけられ、毛皮を兵隊用の防寒着として利用するために日本全国で飼育されていました。 しかしながら、戦後その需要がなくなると放逐されるようになり、逃げ出した個体が野生化・繁殖した結果、現在は生態系を破壊する外来種として扱われるようになりました。 ヌートリアによる被害を防ぐために 現在、ヌートリアの生息密度が高い地域では餌としての農作物被害が発生しているほか、寝床を確保するため、稲を倒してしまう被害も見られます。土手が巣穴だらけにされることで田畑の畔や堤防の強度が低下するといった治水上の問題も懸念されています。実際、2019年夏の西日本豪雨では、岡山県で、ヌートリアの巣穴を原因とするため池の部分崩落が確認されています。 また、兵庫県のため池では水生植物を食害し、在来種であるベッコウトンボの生息環境を壊滅させるなどの生態系への被害も発生しています。そのため、被害金額の高い地域では特に積極的な防除が行われるようになっています。 基本となるのは環境管理 他の害獣対策でも共通していえることですが、基本となるのは被害を防ぐための環境管理です。 食害が懸念される田畑まわりや耕作放棄地、巣穴周辺などの草を刈り払い・焼き払いすることにより、ヌートリアが生息しずらい環境にすることが有効です。地域の各農家が自衛の共通意識を持ち、各々が積極的に除草を行うと良いでしょう。...
ヌートリアの特徴と対策について
ヌートリアは南アメリカ原産の大ネズミで、特定外来生物です。特定外来生物とは、元々日本にいなかった外来生物のうち、生態系などに被害を及ぼすものとして政府が指定した動物のことです。 見た目はカピバラやビーバーにも似ており可愛いとも言われますが、水辺の植物を旺盛に食べることから、西日本を中心に稲などへの農業被害が報告されています。その被害額は、全国で年間およそ5,400万円にのぼります(※農林水産省による公表値はこちら)。 ヌートリアの特徴 ヌートリアはネズミ目に属する動物で、頭胴長は約55~63cm、体重は約6~10kgほどで、ネコよりもやや大きいくらいです。 西日本を中心に、岡山県、愛知県、三重県、岐阜県、京都府、大阪府、兵庫県、香川県などで生息が確認されています。寒さに弱いため、冬場は活動が鈍り、氷結がみられるような寒冷地では生息できません。 見た目の特徴や生態 見た目の特徴としては、まず暗褐色の毛皮をもつこと、齧歯類でありオレンジ色の大きな前歯をもつことが挙げられます。 尻尾は長く、体と違ってあまり毛が生えていません。 後ろ足の第1指から第4指までには水かきがあり、水泳や潜水が得意です。足跡が特徴的(後ろ足のほうが前足よりも大きく、後ろ足だけに水かきの痕跡、尾を引きずったような跡)なので、他の動物の痕跡と区別しやすいです。 平野部の河川や水路、池などの水辺に生息しており、土手や畔(あぜ)などに長い巣穴を掘って、雌雄のペアで生活することが多くあります。 雄・雌で見た目に大きな違いはありませんが、雄のほうがやや大きな体つきをしています。 雌は春に出産する個体が多いですが、季節を問わず繁殖し、年に2・3回、平均5匹の子を産みます。また、妊娠期間は約130日で、生後半年ほどですぐに性成熟し、繁殖が可能となります。これらのことから、繁殖力は非常に強いといえます。 食性や性格 食性としては、ハスやマコモ、ヨシ、ヒシなど水生植物の茎や根茎を好んで食べます。また農作物では水稲の苗をよく食べ、ニンジン、サツマイモなども食べます。基本的には草食性ですが、貝などの動物質の餌も食べることがあります。 基本的には夜行性で明け方と夕方に餌を求めて活発に行動しますが、日中に排水溝の中を隠れながら移動するケースも報告されています。 アライグマ等と比べると、性格は温厚ですが、追い詰められると激しく噛み付く事があります。 ヌートリアが繁殖した原因 先日公表された環境省の生息分布調査結果によると、ヌートリアの生息分布域は以前よりも大きく拡大しています。 2002 年以前のヌートリアの分布と比較すると、東海地方以西に分布するという基本的なパターンに変化はありませんが、特に近畿・中国地方での分布域拡大が目立っています。 また、淡路島、小豆島のような瀬戸内海の島嶼でも分布が確認されています。 そもそもヌートリアが日本で生息するきっかけとなったのは、毛皮増産を目的として1939年にフランスから移入され養育されたことです。 戦争の勝利を連想させる「沼狸」(しょうり)という名称がつけられ、毛皮を兵隊用の防寒着として利用するために日本全国で飼育されていました。 しかしながら、戦後その需要がなくなると放逐されるようになり、逃げ出した個体が野生化・繁殖した結果、現在は生態系を破壊する外来種として扱われるようになりました。 ヌートリアによる被害を防ぐために 現在、ヌートリアの生息密度が高い地域では餌としての農作物被害が発生しているほか、寝床を確保するため、稲を倒してしまう被害も見られます。土手が巣穴だらけにされることで田畑の畔や堤防の強度が低下するといった治水上の問題も懸念されています。実際、2019年夏の西日本豪雨では、岡山県で、ヌートリアの巣穴を原因とするため池の部分崩落が確認されています。 また、兵庫県のため池では水生植物を食害し、在来種であるベッコウトンボの生息環境を壊滅させるなどの生態系への被害も発生しています。そのため、被害金額の高い地域では特に積極的な防除が行われるようになっています。 基本となるのは環境管理 他の害獣対策でも共通していえることですが、基本となるのは被害を防ぐための環境管理です。 食害が懸念される田畑まわりや耕作放棄地、巣穴周辺などの草を刈り払い・焼き払いすることにより、ヌートリアが生息しずらい環境にすることが有効です。地域の各農家が自衛の共通意識を持ち、各々が積極的に除草を行うと良いでしょう。...
イノシシの防除・駆除の基本を説明します。
目次 1イノシシ防除・駆除の事前知識~イノシシによる被害の現状~ 2イノシシ防除・駆除の基本となる3つのポイント 1体制の整備 2環境の整備 3防除・駆除 3イノシシ防除・駆除の具体的な方法 1電気柵 2駆除 3忌避剤 4音を使った対策 5その他のイノシシ対策 4まとめ 近年、都市部においても身近な害獣として認知が広がってきているイノシシ。被害が深刻になる前に防除や駆除を中心とした対策が必要となりますが、具体的にどのような手順で進めていけばよいのでしょうか? 今回はイノシシ対策に着手するにあたって重要となるポイントや、具体的な防除・駆除方法について解説します。 イノシシ防除・駆除の事前知識~イノシシによる被害の現状~ 農林水産省が調査したデータによると、野生鳥獣による農作物への被害金額は年間で約158億円に達しています(平成30年度)。 自治体が主体となった本格的な野生鳥獣への対策が効果を見せ、年々この数字は減少傾向にありますが被害規模はまだまだ甚大で、継続的な対策が重要となっています。 イノシシによる農作物の被害は年間約47億円 中でもイノシシによる農作物への被害は深刻です。年間での被害額は約47億円。これはシカの約54億円に次いで大きい被害額で、全体の3割以上を占めています。 出典:農林水産省ホームページ 丹精込めて作った作物を収穫前に一夜にして駄目にされ、営農意欲を無くすほどの重篤なケースも少なくありません。 イノシシ対策商品ページはこちら>>。 イノシシ防除・駆除の基本となる3つのポイント イノシシ被害に対する施策は、「防除」と「駆除」に大別されます。 防除とは、被害を防いで取り除くこと。駆除とは、害になるものを追い払う、または捕殺して取り除くことをいいます。イノシシへの対策には、この2つを両立して進めていくことが大切です。 では、具体的に防除・駆除の基本となる3つのポイントを見ていきましょう。 1.体制の整備 1つ目は、体制の整備です。 体制の整備とは、イノシシ被害を自分たちの問題と考えることができるメンバーを増やすことをいいます。獣害対策は1人で取り組むより、グループで取り組むことでより効果を発揮します。個別の対策では、イノシシが移動して被害が分散するリスクも考えれることから、できる限り対策に取り組む「仲間」を増やしていきましょう。...
イノシシの防除・駆除の基本を説明します。
目次 1イノシシ防除・駆除の事前知識~イノシシによる被害の現状~ 2イノシシ防除・駆除の基本となる3つのポイント 1体制の整備 2環境の整備 3防除・駆除 3イノシシ防除・駆除の具体的な方法 1電気柵 2駆除 3忌避剤 4音を使った対策 5その他のイノシシ対策 4まとめ 近年、都市部においても身近な害獣として認知が広がってきているイノシシ。被害が深刻になる前に防除や駆除を中心とした対策が必要となりますが、具体的にどのような手順で進めていけばよいのでしょうか? 今回はイノシシ対策に着手するにあたって重要となるポイントや、具体的な防除・駆除方法について解説します。 イノシシ防除・駆除の事前知識~イノシシによる被害の現状~ 農林水産省が調査したデータによると、野生鳥獣による農作物への被害金額は年間で約158億円に達しています(平成30年度)。 自治体が主体となった本格的な野生鳥獣への対策が効果を見せ、年々この数字は減少傾向にありますが被害規模はまだまだ甚大で、継続的な対策が重要となっています。 イノシシによる農作物の被害は年間約47億円 中でもイノシシによる農作物への被害は深刻です。年間での被害額は約47億円。これはシカの約54億円に次いで大きい被害額で、全体の3割以上を占めています。 出典:農林水産省ホームページ 丹精込めて作った作物を収穫前に一夜にして駄目にされ、営農意欲を無くすほどの重篤なケースも少なくありません。 イノシシ対策商品ページはこちら>>。 イノシシ防除・駆除の基本となる3つのポイント イノシシ被害に対する施策は、「防除」と「駆除」に大別されます。 防除とは、被害を防いで取り除くこと。駆除とは、害になるものを追い払う、または捕殺して取り除くことをいいます。イノシシへの対策には、この2つを両立して進めていくことが大切です。 では、具体的に防除・駆除の基本となる3つのポイントを見ていきましょう。 1.体制の整備 1つ目は、体制の整備です。 体制の整備とは、イノシシ被害を自分たちの問題と考えることができるメンバーを増やすことをいいます。獣害対策は1人で取り組むより、グループで取り組むことでより効果を発揮します。個別の対策では、イノシシが移動して被害が分散するリスクも考えれることから、できる限り対策に取り組む「仲間」を増やしていきましょう。...
イノシシ対策に効果のある電気柵の設置方法
イノシシは学習能力が高く警戒心の強い動物です。農作物被害の対策として電気柵を設置する場合も、効果を上げるために設置方法を工夫する必要があります。 本記事では、イノシシ向けの電気柵の仕組みと、効果的な設置方法を7つのポイントから解説しています。防御の効果をできるだけ上げられるよう、適切な設置方法を確認していきましょう。 イノシシ対策として電気柵はどう使う? イノシシ対策として電気柵を用いる場合、農作物を囲む防護柵に電気を通しておき、侵入を試みるイノシシに電気ショックを与えます。 電気ショックによって身体的にダメージを与えるというよりも、恐怖心を学習させることにより、イノシシが柵を避けるようにすることが目的になります。 イノシシは警戒心が強く、自分が生活するエリアを注意深く観察する習性を持っています。その際、おもに鼻を使って様々な情報を取得しようとしますが、電気柵の電線が鼻の部分に触れたときに電気ショックが走ります。 この電気ショックによる「痛み」や「恐怖」が目的で、『この場所は危ないから近付かないでおこう』とイノシシに学習させ、農作物から遠ざけることで被害をくい止めるのです。 電気柵の仕組み 電線に何も触れていない状態では、電気柵の本体から出力された電流(+)が電線を伝って流れている状態となります。また、本体から地面にアース(-)が取られています。 ※電流は常時流れているわけではなく、通電時間が1秒ごとに0.01秒以下という断続的なパルス電流になっていますので、動物を殺傷するほどの能力はありません。人間が誤って触れてしまった場合でも重篤な事故を避けることができます。 この状態でイノシシの鼻先など通電しやすいものが電線に触れると、イノシシの体をつたって電線→イノシシの体→アース→本体という順序で電気の通り道ができます。これによってイノシシが電気ショックを受けるわけですが、痛みの程度としては、「バチッ」と強い静電気を受けたくらいです。電気ショックを受けると、イノシシは驚いて逃げる行動をとります。 イメージとしては、理科の実験でよく見かける豆電球のような仕組みです。電気柵本体が乾電池、電線が導線、イノシシがスイッチの役割を果たします。イノシシの鼻が触れてスイッチが入ると、通電して豆電球が光る(電気ショックが起こる)といった仕組みです。 そのため、電気がきちんと通電するように設置場所や方法を工夫することがとても重要な意味を持ちます。 効果の上がる電気柵の設置方法7つのポイント 電気柵を使ったイノシシ対策では、効果を上げるために設置のポイントをしっかり押さえておくことが大切です。ここでは、設置方法の7つのポイントをご紹介します。 1.適切な通電状態を確保する 電気柵を設置する際は、適切な通電状態を確保することが重要です。電線部分に漏電がないか、また地面の導電性に問題がないか確認する必要があります。 漏電がないかよく確認する よくあるのが、ガードレールやトタンなど導電性があるものに電線が触れており漏電が発生しているパターンです。ほかにも気づかないうちに電線が草や木や石に触れてしまっており、漏電が発生していることがあります。漏電があると、電気柵全体の電圧が下がってしまうので、イノシシに十分な電気ショックを与えることができません。 また、ガイシを使わずに支柱に直接電線を巻き付けるのは避けましょう。傍目は通電性が無い材質だとしても、電気柵は高電圧であるため、漏電が起こります。ガイシを使っていても、電線が適切に取り付けられておらず金属個所に触れてしまっている場合もあるので、設置の際によく確認しましょう。 地面の通電性に注意 先ほど電気柵の仕組みの部分でも触れましたが、電気柵は豆電球のような仕組みでイノシシが触れることで地面(アース)との間に回路ができることで電気が流れます。 しかし、柵を設置する場所の地面が通電しにくい状態の場合、十分な効果が得られません。 具体的には、コンクリートやアスファルト、石畳といった場所は避けるようにしましょう。 また、乾燥した土壌など、地質や土壌条件によっては通電が悪くアースが取りにくい場合があります。 柵を設置しようとする場所とコンクリートやアスファルトが近い場合は、柵がコンクリート等からできるだけ離れるよう設置場所を調整するか、通電性の良いトタン板などを敷くことによってアースとして機能させるという手もあります。 またアース棒を使って地面と本体のあいだにアースを取る場合は、アース棒がきちんと設置場所の地面に埋まっているか、断線していないか確認します。 設置時に適切な通電状態を確認するのはもちろん、設置後も定期的にチェックすることが重要です。 2.傾斜地から離す 電気柵を設置する場合は傾斜地から離すようにしましょう。...
イノシシ対策に効果のある電気柵の設置方法
イノシシは学習能力が高く警戒心の強い動物です。農作物被害の対策として電気柵を設置する場合も、効果を上げるために設置方法を工夫する必要があります。 本記事では、イノシシ向けの電気柵の仕組みと、効果的な設置方法を7つのポイントから解説しています。防御の効果をできるだけ上げられるよう、適切な設置方法を確認していきましょう。 イノシシ対策として電気柵はどう使う? イノシシ対策として電気柵を用いる場合、農作物を囲む防護柵に電気を通しておき、侵入を試みるイノシシに電気ショックを与えます。 電気ショックによって身体的にダメージを与えるというよりも、恐怖心を学習させることにより、イノシシが柵を避けるようにすることが目的になります。 イノシシは警戒心が強く、自分が生活するエリアを注意深く観察する習性を持っています。その際、おもに鼻を使って様々な情報を取得しようとしますが、電気柵の電線が鼻の部分に触れたときに電気ショックが走ります。 この電気ショックによる「痛み」や「恐怖」が目的で、『この場所は危ないから近付かないでおこう』とイノシシに学習させ、農作物から遠ざけることで被害をくい止めるのです。 電気柵の仕組み 電線に何も触れていない状態では、電気柵の本体から出力された電流(+)が電線を伝って流れている状態となります。また、本体から地面にアース(-)が取られています。 ※電流は常時流れているわけではなく、通電時間が1秒ごとに0.01秒以下という断続的なパルス電流になっていますので、動物を殺傷するほどの能力はありません。人間が誤って触れてしまった場合でも重篤な事故を避けることができます。 この状態でイノシシの鼻先など通電しやすいものが電線に触れると、イノシシの体をつたって電線→イノシシの体→アース→本体という順序で電気の通り道ができます。これによってイノシシが電気ショックを受けるわけですが、痛みの程度としては、「バチッ」と強い静電気を受けたくらいです。電気ショックを受けると、イノシシは驚いて逃げる行動をとります。 イメージとしては、理科の実験でよく見かける豆電球のような仕組みです。電気柵本体が乾電池、電線が導線、イノシシがスイッチの役割を果たします。イノシシの鼻が触れてスイッチが入ると、通電して豆電球が光る(電気ショックが起こる)といった仕組みです。 そのため、電気がきちんと通電するように設置場所や方法を工夫することがとても重要な意味を持ちます。 効果の上がる電気柵の設置方法7つのポイント 電気柵を使ったイノシシ対策では、効果を上げるために設置のポイントをしっかり押さえておくことが大切です。ここでは、設置方法の7つのポイントをご紹介します。 1.適切な通電状態を確保する 電気柵を設置する際は、適切な通電状態を確保することが重要です。電線部分に漏電がないか、また地面の導電性に問題がないか確認する必要があります。 漏電がないかよく確認する よくあるのが、ガードレールやトタンなど導電性があるものに電線が触れており漏電が発生しているパターンです。ほかにも気づかないうちに電線が草や木や石に触れてしまっており、漏電が発生していることがあります。漏電があると、電気柵全体の電圧が下がってしまうので、イノシシに十分な電気ショックを与えることができません。 また、ガイシを使わずに支柱に直接電線を巻き付けるのは避けましょう。傍目は通電性が無い材質だとしても、電気柵は高電圧であるため、漏電が起こります。ガイシを使っていても、電線が適切に取り付けられておらず金属個所に触れてしまっている場合もあるので、設置の際によく確認しましょう。 地面の通電性に注意 先ほど電気柵の仕組みの部分でも触れましたが、電気柵は豆電球のような仕組みでイノシシが触れることで地面(アース)との間に回路ができることで電気が流れます。 しかし、柵を設置する場所の地面が通電しにくい状態の場合、十分な効果が得られません。 具体的には、コンクリートやアスファルト、石畳といった場所は避けるようにしましょう。 また、乾燥した土壌など、地質や土壌条件によっては通電が悪くアースが取りにくい場合があります。 柵を設置しようとする場所とコンクリートやアスファルトが近い場合は、柵がコンクリート等からできるだけ離れるよう設置場所を調整するか、通電性の良いトタン板などを敷くことによってアースとして機能させるという手もあります。 またアース棒を使って地面と本体のあいだにアースを取る場合は、アース棒がきちんと設置場所の地面に埋まっているか、断線していないか確認します。 設置時に適切な通電状態を確認するのはもちろん、設置後も定期的にチェックすることが重要です。 2.傾斜地から離す 電気柵を設置する場合は傾斜地から離すようにしましょう。...
オオカミの尿を使った鳥獣対策について
農林水産省が令和2年11月に発表した「鳥獣被害の現状と対策」によると、平成30年度の野生鳥獣による農作物被害額は158億円に上りました。年度単位の推移では減少傾向にあるものの、依然として被害額は大きく継続的な鳥獣対策が不可欠となっています。 そのため、被害を引き起こす獣に対して様々な対策品が登場していますが、その中で自然環境や景観を壊さず、自然や動物に優しい鳥獣対策として開発されたのが、オオカミの尿を使った忌避対策です。 オオカミの尿(ウルフピー)を使った対策とは? 太古からオオカミは野生動物にとって天敵として恐れられてきました。オオカミの捕食対象となるイノシシやシカなどの動物はとくに警戒心が強く、生き残るために捕食者の気配や匂いを忌避する本能をもっています。 こうした習性を野生動物対策に利用したのが、オオカミの尿(ウルフピー)を使う対策です。オオカミが尿や体の匂いで自分のなわばりを主張する「マーキング」を害獣対策に応用したもので、具体的にはオオカミから採取した尿を専用の容器を使って設置します。 イノシシやシカ等の野生動物は、この匂いを警戒しエリアに近付かなくなるため、田畑においても害獣を忌避させる効果を期待することができます。 またウルフピーは人工の添加物を使わないため、使用するエリアの環境に影響を与えることがありません。 例えば、無農薬栽培に取り組む場合や、農作物に利用する水を汚染するといった心配がないため「自然や動物に優しい」野生動物対策といえます。設置する手間が比較的容易な点もウルフピーの特徴です。 ウルフピーには恐怖を誘起する特徴がある では、どうして野生動物はウルフピーを警戒するのでしょうか。この理由に関しては研究論文が発表されています。 2015年に発表された『恐怖の匂い : オオカミ尿由来の恐怖を誘起するピラジン誘導体カクテルP-mix』(柏柳誠、長田和実、宮園貞治)では、ウルフピーに動物が忌避行動や強い恐怖行動(不動化)を引き起こす物質が含まれていることを突き止めました。 P-mixと呼ばれるこの物質は、動物の嗅覚を刺激し恐怖行動を誘起。動物は周囲にオオカミがいるという危険を本能的に察知し、忌避行動を取ります。これがウルフピーを野生動物が警戒する理由です。 忌避効果がないという研究結果もある 一方で、ウルフピーは忌避効果がないという研究も発表されています。 農研機構が発表した『イノシシ対策に使われているオオカミ尿には忌避効果がない』によると、ウルフピーを吸収させたワラを使ってイノシシの忌避効果を検証したところ、大きな有意性は見られませんでした。 理由としては諸説あり、当初は忌避効果があるものの動物が慣れてしまう、ウルフピーの設置方法が適切でなかった、日本にはオオカミが生息していないため獣がオオカミの縄張りを認知しない、といった可能性も考えられます。とはいえ、獣の行動を見て確認するしか確かめる術がないため、証明が難しいところです。 ただ、実際に導入した結果として、効果が見られたという声も多くあるため、忌避行動や強い恐怖行動を引き起こす物質はたしかに存在するが、野生動物対策において「絶対的な効果を保証するものではない」という点を押さえておくことが重要です。 効果的なウルフピーの活用方法は? ここまで、ウルフピーの効果をご紹介しました。ここからは、より効果的にウルフピーを活用するための方法について見ていきましょう。 物理的な防御と併用して使用する ウルフピーを使用する場合は、防護柵やネット等、物理的な防御と組み合わせて使用するのがおすすめです。 すでにご紹介したように、ウルフピーには忌避行動や強い恐怖行動を引き起こす物質が含まれており、一定の忌避効果がみられます。しかし、動物の慣れや種類によっては効果が認められない(低い)ケースもあることから、物理的な防御を併用して使うことで、より効果を高めることができます。 ウルフピーと物理的な防御を上手に組み合わせることで、対策効果を高めていきましょう。 設置場所の間隔幅や高さを細かく調整する 設置場所を細かく調整することも、ウルフピーの効果を高める方法の1つです。具体的には、被害をくい止めたいエリアを囲むようにしてウルフピーを設置します。また、動物のサイズによって設置する間隔幅を調整してみましょう。 〇イノシシ、シカ、クマなどの大型動物:約5~6mごとに設置 〇サル、ハクビシンなどの小型動物:約3~4mごとに設置 とくに侵入が多い箇所は間隔幅を狭めると効果が高まります。あわせて、ウルフピーを設置する高さも、対象動物の鼻の高さを意識して設置するのがおすすめです。...
オオカミの尿を使った鳥獣対策について
農林水産省が令和2年11月に発表した「鳥獣被害の現状と対策」によると、平成30年度の野生鳥獣による農作物被害額は158億円に上りました。年度単位の推移では減少傾向にあるものの、依然として被害額は大きく継続的な鳥獣対策が不可欠となっています。 そのため、被害を引き起こす獣に対して様々な対策品が登場していますが、その中で自然環境や景観を壊さず、自然や動物に優しい鳥獣対策として開発されたのが、オオカミの尿を使った忌避対策です。 オオカミの尿(ウルフピー)を使った対策とは? 太古からオオカミは野生動物にとって天敵として恐れられてきました。オオカミの捕食対象となるイノシシやシカなどの動物はとくに警戒心が強く、生き残るために捕食者の気配や匂いを忌避する本能をもっています。 こうした習性を野生動物対策に利用したのが、オオカミの尿(ウルフピー)を使う対策です。オオカミが尿や体の匂いで自分のなわばりを主張する「マーキング」を害獣対策に応用したもので、具体的にはオオカミから採取した尿を専用の容器を使って設置します。 イノシシやシカ等の野生動物は、この匂いを警戒しエリアに近付かなくなるため、田畑においても害獣を忌避させる効果を期待することができます。 またウルフピーは人工の添加物を使わないため、使用するエリアの環境に影響を与えることがありません。 例えば、無農薬栽培に取り組む場合や、農作物に利用する水を汚染するといった心配がないため「自然や動物に優しい」野生動物対策といえます。設置する手間が比較的容易な点もウルフピーの特徴です。 ウルフピーには恐怖を誘起する特徴がある では、どうして野生動物はウルフピーを警戒するのでしょうか。この理由に関しては研究論文が発表されています。 2015年に発表された『恐怖の匂い : オオカミ尿由来の恐怖を誘起するピラジン誘導体カクテルP-mix』(柏柳誠、長田和実、宮園貞治)では、ウルフピーに動物が忌避行動や強い恐怖行動(不動化)を引き起こす物質が含まれていることを突き止めました。 P-mixと呼ばれるこの物質は、動物の嗅覚を刺激し恐怖行動を誘起。動物は周囲にオオカミがいるという危険を本能的に察知し、忌避行動を取ります。これがウルフピーを野生動物が警戒する理由です。 忌避効果がないという研究結果もある 一方で、ウルフピーは忌避効果がないという研究も発表されています。 農研機構が発表した『イノシシ対策に使われているオオカミ尿には忌避効果がない』によると、ウルフピーを吸収させたワラを使ってイノシシの忌避効果を検証したところ、大きな有意性は見られませんでした。 理由としては諸説あり、当初は忌避効果があるものの動物が慣れてしまう、ウルフピーの設置方法が適切でなかった、日本にはオオカミが生息していないため獣がオオカミの縄張りを認知しない、といった可能性も考えられます。とはいえ、獣の行動を見て確認するしか確かめる術がないため、証明が難しいところです。 ただ、実際に導入した結果として、効果が見られたという声も多くあるため、忌避行動や強い恐怖行動を引き起こす物質はたしかに存在するが、野生動物対策において「絶対的な効果を保証するものではない」という点を押さえておくことが重要です。 効果的なウルフピーの活用方法は? ここまで、ウルフピーの効果をご紹介しました。ここからは、より効果的にウルフピーを活用するための方法について見ていきましょう。 物理的な防御と併用して使用する ウルフピーを使用する場合は、防護柵やネット等、物理的な防御と組み合わせて使用するのがおすすめです。 すでにご紹介したように、ウルフピーには忌避行動や強い恐怖行動を引き起こす物質が含まれており、一定の忌避効果がみられます。しかし、動物の慣れや種類によっては効果が認められない(低い)ケースもあることから、物理的な防御を併用して使うことで、より効果を高めることができます。 ウルフピーと物理的な防御を上手に組み合わせることで、対策効果を高めていきましょう。 設置場所の間隔幅や高さを細かく調整する 設置場所を細かく調整することも、ウルフピーの効果を高める方法の1つです。具体的には、被害をくい止めたいエリアを囲むようにしてウルフピーを設置します。また、動物のサイズによって設置する間隔幅を調整してみましょう。 〇イノシシ、シカ、クマなどの大型動物:約5~6mごとに設置 〇サル、ハクビシンなどの小型動物:約3~4mごとに設置 とくに侵入が多い箇所は間隔幅を狭めると効果が高まります。あわせて、ウルフピーを設置する高さも、対象動物の鼻の高さを意識して設置するのがおすすめです。...
シカによる被害と、捕獲するための罠について
シカによる農作物被害額は、過去数年にわたって横這い傾向となっているものの、平成30年度では約54億円に達しており、依然として深刻な状況です。イノシシの被害額である47億円を上回っており、最も被害を与える野生鳥獣となっています。 なお、被害があっても申告がないケースもあるため、上記の被害額は実態よりも少ないとも言われています。 また、長期にわたるシカの生息数の増加及び生息域の拡大によって、森林の被害も深刻な状況です。全国の森林の約2割でシカによる被害が確認されており、被害面積は全国で年間約3500ヘクタール(平成30年度)に達しており、野生鳥獣による森林被害の約3/4がシカによるものです。 ここまでシカの被害が広がった要因のひとつとして、シカの高い繁殖力が挙げられます。シカは生育環境がよければ1歳から妊娠し、ほぼ毎年子供を生みます。1度に産むのは1頭ですが、繁殖期には少数のオスが多数のメスを囲う(一夫多妻)であり、オスのまわりの妊娠可能なメスはほとんど妊娠します。 その結果、年率約20%で個体数が増え、4~5年で個体数は倍増するともいわれています。 環境省による推定では、全国で約244万頭のシカが生息(平成29年度末。北海道を除く)、平成26年度以降減少傾向となっていますが、平成初頭が約50万頭だったのに比べると、依然として高い水準で推移しており、捕獲による個体数の削減がまだまだ必要であることが示されています。 環境省はシカの生息頭数を令和5年度までに約150万頭まで減らすことを目標としており、捕獲等による対策の推進が実施されています。 直近の全国シカ被害 多くの地域で、シカによる被害が増えて深刻化しており、各自治体でも対応に苦慮している状況です。 奈良公園周辺 奈良公園(奈良市)は天然記念物のシカ約1300頭が生息しており、年間約1000万人が訪れる人気スポットです。しかしながら、今年は新型コロナウイルスによって観光客が減少し、シカが観光客から鹿せんべいをもらえなくなりました。 その結果、木の実などの餌を求め、シカが市街地や山林部に移動。商店の売り物が食べられたり、周辺の畑や花壇が荒らされるなどの被害が発生しています。 群馬県甘楽町 群馬県は関東地方では最大のりんご生産量を誇ります。甘楽町は豊かな自然を生かして化学農薬を抑えて、「陽光」や「ふじ」などの品種をはじめとした美味しいりんごが生産されています。 しかしながら、近年シカによるリンゴの食害が深刻化しており、今年は収穫が例年の3分の2程度に落ち込みそうな農家や、畑の約半分が被害に遭ったという生産者もいる状況です。 シカによる食害が広がるとともに、町内でのシカの捕獲頭数も右肩上がりとなっており、2015年度は31頭だったのが、本年度は11月4日時点で既に201頭に上っています。 静岡県伊豆半島 かつては、伊豆半島では国有林の中においてシカが保護されており、「鳥獣保護法」により、メスは捕獲禁止、オスは1日1頭と制限がかけられていました。 しかし、伊豆半島や富士山周辺でシカによる食害が深刻化。樹皮剥や下層植生の食害をはじめ、田畑にも被害が出ているため、本年度からメスジカを狙ってわなを集中的に仕掛け、繁殖を抑えるメスジカ重点捕獲を開始しています。 シカを捕獲するには? シカの食害を根本的に減らすには、捕獲による個体数の削減が必要になります。具体的には、「くくり罠」「箱罠」「囲い罠」といった罠を使って捕獲を行います。 以下のページにて、それぞれの罠の特徴や動作について説明していますので、参照くださいませ。※罠の設置には基本的に、「わな猟免許」が必要になります。 各種わな説明&販売ページ 箱罠 シカの捕獲に適した実績多数の箱罠です。出没する場所を選んで設置します。もっと詳しく>> くくり罠 初心者からベテランまで。安くて高捕獲率と好評のくくり罠です。もっと詳しく>> 囲い罠 天面の半分が開いており、条件を満たせば狩猟免許不要で設置できます。もっと詳しく>> よくある質問...
シカによる被害と、捕獲するための罠について
シカによる農作物被害額は、過去数年にわたって横這い傾向となっているものの、平成30年度では約54億円に達しており、依然として深刻な状況です。イノシシの被害額である47億円を上回っており、最も被害を与える野生鳥獣となっています。 なお、被害があっても申告がないケースもあるため、上記の被害額は実態よりも少ないとも言われています。 また、長期にわたるシカの生息数の増加及び生息域の拡大によって、森林の被害も深刻な状況です。全国の森林の約2割でシカによる被害が確認されており、被害面積は全国で年間約3500ヘクタール(平成30年度)に達しており、野生鳥獣による森林被害の約3/4がシカによるものです。 ここまでシカの被害が広がった要因のひとつとして、シカの高い繁殖力が挙げられます。シカは生育環境がよければ1歳から妊娠し、ほぼ毎年子供を生みます。1度に産むのは1頭ですが、繁殖期には少数のオスが多数のメスを囲う(一夫多妻)であり、オスのまわりの妊娠可能なメスはほとんど妊娠します。 その結果、年率約20%で個体数が増え、4~5年で個体数は倍増するともいわれています。 環境省による推定では、全国で約244万頭のシカが生息(平成29年度末。北海道を除く)、平成26年度以降減少傾向となっていますが、平成初頭が約50万頭だったのに比べると、依然として高い水準で推移しており、捕獲による個体数の削減がまだまだ必要であることが示されています。 環境省はシカの生息頭数を令和5年度までに約150万頭まで減らすことを目標としており、捕獲等による対策の推進が実施されています。 直近の全国シカ被害 多くの地域で、シカによる被害が増えて深刻化しており、各自治体でも対応に苦慮している状況です。 奈良公園周辺 奈良公園(奈良市)は天然記念物のシカ約1300頭が生息しており、年間約1000万人が訪れる人気スポットです。しかしながら、今年は新型コロナウイルスによって観光客が減少し、シカが観光客から鹿せんべいをもらえなくなりました。 その結果、木の実などの餌を求め、シカが市街地や山林部に移動。商店の売り物が食べられたり、周辺の畑や花壇が荒らされるなどの被害が発生しています。 群馬県甘楽町 群馬県は関東地方では最大のりんご生産量を誇ります。甘楽町は豊かな自然を生かして化学農薬を抑えて、「陽光」や「ふじ」などの品種をはじめとした美味しいりんごが生産されています。 しかしながら、近年シカによるリンゴの食害が深刻化しており、今年は収穫が例年の3分の2程度に落ち込みそうな農家や、畑の約半分が被害に遭ったという生産者もいる状況です。 シカによる食害が広がるとともに、町内でのシカの捕獲頭数も右肩上がりとなっており、2015年度は31頭だったのが、本年度は11月4日時点で既に201頭に上っています。 静岡県伊豆半島 かつては、伊豆半島では国有林の中においてシカが保護されており、「鳥獣保護法」により、メスは捕獲禁止、オスは1日1頭と制限がかけられていました。 しかし、伊豆半島や富士山周辺でシカによる食害が深刻化。樹皮剥や下層植生の食害をはじめ、田畑にも被害が出ているため、本年度からメスジカを狙ってわなを集中的に仕掛け、繁殖を抑えるメスジカ重点捕獲を開始しています。 シカを捕獲するには? シカの食害を根本的に減らすには、捕獲による個体数の削減が必要になります。具体的には、「くくり罠」「箱罠」「囲い罠」といった罠を使って捕獲を行います。 以下のページにて、それぞれの罠の特徴や動作について説明していますので、参照くださいませ。※罠の設置には基本的に、「わな猟免許」が必要になります。 各種わな説明&販売ページ 箱罠 シカの捕獲に適した実績多数の箱罠です。出没する場所を選んで設置します。もっと詳しく>> くくり罠 初心者からベテランまで。安くて高捕獲率と好評のくくり罠です。もっと詳しく>> 囲い罠 天面の半分が開いており、条件を満たせば狩猟免許不要で設置できます。もっと詳しく>> よくある質問...
狩猟解禁!今年の猟の状況は?
多くの地域にて、今月15日に狩猟が解禁されました。キジやカモ、イノシシ、シカといった鳥獣をターゲットに、多くのハンターが活動を開始しており、「今年も始まったか!」と感じている方も多いと思います。今年の各地の猟の情報も入ってきており、一部紹介できればと思います。 秋田県 今年もツキノワグマ・イノシシ・ニホンジカの狩猟解禁が11月1日に前倒しとなり、カモ猟の解禁と重なりました。イノシシ目撃頭数が129頭と過去最多で被害も相次いでいるので、狩猟の成果も期待できるところです。狩猟期間は来年2月15日までですが、ニホンジカとイノシシ猟は3月15日までです。 宮城県 狩猟の解禁とともに、河川では車や徒歩で移動しながら猟をする「流し猟」でカルガモを仕留めている姿も。狩猟期間は2021年の2月15日まで。 千葉県 イノシシの行動が活発です。館山市では、2020年度のイノシシの捕獲数がすでに過去最高とのこと。豚熱陽性のイノシシが近県で確認されており防疫措置の協力と、昨年の台風によって猟場が荒れたままになっているところも残っているため十分な注意を。 群馬県 シカによる被害が目立ちます。甘楽町などではシカによるリンゴ食害が深刻化しているそうです。町内の捕獲頭数は本年度、既に過去最多の200頭余りに上っているとのこと。 富山県 主要な狩猟獣であるキジやヤマドリ、カルガモ、タヌキなどの生息数は平年並みとのこと。猟期は来年2月15日まで。※イノシシとニホンジカは農作物被害防止のため、猟銃、わな猟ともに3月31日まで。 長野県 「豚熱の影響かイノシシが少ない印象」という声を聞きます。※人の移動による豚熱(豚コレラ)ウイルス拡散を防ぐため、長靴や車両のタイヤの消毒などを呼び掛けています。狩猟期間は来年2月15日までですが、鹿とイノシシのわな猟は3月15日までです。 福井県 今秋はツキノワグマの出没や人身被害が相次いでいます。捕獲後に山で放獣したり、駆除したり猟友会が頑張っているとのこと。今年4〜10月の出没件数は953件で、統計を取り始めた04年度以降で3番目に多い状況です。捕獲数は嶺北153頭、嶺南31頭。うち、嶺北120頭、嶺南28頭の計148頭が駆除され、駆除率は全体で8割を超えているそうです。 愛知県 豚熱に対し、引き続き警戒体制が行われています。野生イノシシの豚熱陽性確認地点から半径10kmの区域を含む市町村が陽性エリアとされており、陽性エリアで狩猟する場合は、消毒などを実施するよう呼びかけられています。 陽性エリア:名古屋市、豊橋市、岡崎市、瀬戸市、春日井市、豊川市、豊田市、西尾市、蒲郡市、犬山市、小牧市、新城市、尾張旭市、日進市、みよし市、長久手市、幸田町、設楽町、東栄町、豊根村 山梨県 女性の狩猟免許取得者が急増しており、特にわな猟免許の取得が多いそう。一方でクマの目撃情報が多く、今月15日には北杜市の山林で狩猟中の男性がクマに襲われ顔などに軽いけがというニュースもありました。くれぐれも安全第一で。 和歌山県 夏場は、串本町と古座川町で、有害鳥獣駆除によるイノシシの捕獲数が大幅に増えていると聞きましたが、直近では「場所によっては、豚熱の影響でイノシシが全然いない」という声も。 10月中旬以降、奈良、大阪、和歌山の3府県で感染イノシシが初めて確認されており、農水省は封じ込めに向け、経口ワクチンベルトを設けて対策を進めてきたものの、西日本での一層の感染拡大が懸念されています。 兵庫県 2016年に再開されたツキノワグマの狩猟は、今年は生息数が狩猟解禁基準の800頭を下回ったとして再び禁止に。大物猟ではイノシシやシカをメインターゲットに活動するハンターも多いようです。初猟で早速イノシシを仕留めたとの声も。イノシシと二ホンジカの狩猟期間は3月15日までで、他の鳥獣は2月15日まで。 岡山県 山だけでなく、街でもイノシシが大暴れ。今月20日には岡山市南区のホームセンターにイノシシが出入り口のガラスを突き破って中に侵入。岡山南署員や地元猟友会員ら約40人が出て、約1時間後に店内で取り押さえたそうです。 福岡県 イノシシとシカの狩猟期間は、開始が一足早めの11月1日、終了は3月15日までです。スタートから多くの獲物に恵まれているとの声も。 その他の全国概況...
狩猟解禁!今年の猟の状況は?
多くの地域にて、今月15日に狩猟が解禁されました。キジやカモ、イノシシ、シカといった鳥獣をターゲットに、多くのハンターが活動を開始しており、「今年も始まったか!」と感じている方も多いと思います。今年の各地の猟の情報も入ってきており、一部紹介できればと思います。 秋田県 今年もツキノワグマ・イノシシ・ニホンジカの狩猟解禁が11月1日に前倒しとなり、カモ猟の解禁と重なりました。イノシシ目撃頭数が129頭と過去最多で被害も相次いでいるので、狩猟の成果も期待できるところです。狩猟期間は来年2月15日までですが、ニホンジカとイノシシ猟は3月15日までです。 宮城県 狩猟の解禁とともに、河川では車や徒歩で移動しながら猟をする「流し猟」でカルガモを仕留めている姿も。狩猟期間は2021年の2月15日まで。 千葉県 イノシシの行動が活発です。館山市では、2020年度のイノシシの捕獲数がすでに過去最高とのこと。豚熱陽性のイノシシが近県で確認されており防疫措置の協力と、昨年の台風によって猟場が荒れたままになっているところも残っているため十分な注意を。 群馬県 シカによる被害が目立ちます。甘楽町などではシカによるリンゴ食害が深刻化しているそうです。町内の捕獲頭数は本年度、既に過去最多の200頭余りに上っているとのこと。 富山県 主要な狩猟獣であるキジやヤマドリ、カルガモ、タヌキなどの生息数は平年並みとのこと。猟期は来年2月15日まで。※イノシシとニホンジカは農作物被害防止のため、猟銃、わな猟ともに3月31日まで。 長野県 「豚熱の影響かイノシシが少ない印象」という声を聞きます。※人の移動による豚熱(豚コレラ)ウイルス拡散を防ぐため、長靴や車両のタイヤの消毒などを呼び掛けています。狩猟期間は来年2月15日までですが、鹿とイノシシのわな猟は3月15日までです。 福井県 今秋はツキノワグマの出没や人身被害が相次いでいます。捕獲後に山で放獣したり、駆除したり猟友会が頑張っているとのこと。今年4〜10月の出没件数は953件で、統計を取り始めた04年度以降で3番目に多い状況です。捕獲数は嶺北153頭、嶺南31頭。うち、嶺北120頭、嶺南28頭の計148頭が駆除され、駆除率は全体で8割を超えているそうです。 愛知県 豚熱に対し、引き続き警戒体制が行われています。野生イノシシの豚熱陽性確認地点から半径10kmの区域を含む市町村が陽性エリアとされており、陽性エリアで狩猟する場合は、消毒などを実施するよう呼びかけられています。 陽性エリア:名古屋市、豊橋市、岡崎市、瀬戸市、春日井市、豊川市、豊田市、西尾市、蒲郡市、犬山市、小牧市、新城市、尾張旭市、日進市、みよし市、長久手市、幸田町、設楽町、東栄町、豊根村 山梨県 女性の狩猟免許取得者が急増しており、特にわな猟免許の取得が多いそう。一方でクマの目撃情報が多く、今月15日には北杜市の山林で狩猟中の男性がクマに襲われ顔などに軽いけがというニュースもありました。くれぐれも安全第一で。 和歌山県 夏場は、串本町と古座川町で、有害鳥獣駆除によるイノシシの捕獲数が大幅に増えていると聞きましたが、直近では「場所によっては、豚熱の影響でイノシシが全然いない」という声も。 10月中旬以降、奈良、大阪、和歌山の3府県で感染イノシシが初めて確認されており、農水省は封じ込めに向け、経口ワクチンベルトを設けて対策を進めてきたものの、西日本での一層の感染拡大が懸念されています。 兵庫県 2016年に再開されたツキノワグマの狩猟は、今年は生息数が狩猟解禁基準の800頭を下回ったとして再び禁止に。大物猟ではイノシシやシカをメインターゲットに活動するハンターも多いようです。初猟で早速イノシシを仕留めたとの声も。イノシシと二ホンジカの狩猟期間は3月15日までで、他の鳥獣は2月15日まで。 岡山県 山だけでなく、街でもイノシシが大暴れ。今月20日には岡山市南区のホームセンターにイノシシが出入り口のガラスを突き破って中に侵入。岡山南署員や地元猟友会員ら約40人が出て、約1時間後に店内で取り押さえたそうです。 福岡県 イノシシとシカの狩猟期間は、開始が一足早めの11月1日、終了は3月15日までです。スタートから多くの獲物に恵まれているとの声も。 その他の全国概況...
くくり罠のバネについて
くくり罠は、文字通り獣の足をバネの力で括って(くくって)捕獲する罠です。バネによって罠が作動する際の瞬発力が変わってくるので、くくり罠を構成するパーツの中でも特に重要なものになります。 くくり罠に使用されるバネの種類 くくり罠に使われるバネの種類は押しバネ、引きバネ、ねじりバネ(松葉式ばね)です。 こちらの記事もどうぞ 跳ね上げ式の足くくり罠を使って捕獲率アップ> 押しバネ 押しバネを使ったくくり罠は、最もオーソドックスなものになります。押しバネは別名 圧縮バネとも呼ばれ、コイル状に巻かれたバネの事です。力がかかっていない状態では、コイルに隙間(ピッチ)があいています。 押しバネはボールペンを分解すると出てくるバネで、罠を使ったことが無くても見たことがある人は多いのではないでしょうか。くくり罠だけでなく、機械部品や車などにも幅広く使用されています。 くくり罠に使用する際は、罠を仕掛けるときにバネを圧縮しておき、作動時にバネが伸びる力を利用して捕獲します。 上記の動画にあるように、押しバネを圧縮した状態で固定してくくり罠を設置しますが、バネを圧縮するには結構力が要ります。※貧弱なバネだと獣の瞬発力に勝てないので、それなりに強いバネを使用します。 因みに押しバネは、軽荷重の場合には一般的にコイル径が細くピッチも小さめですが、重荷重の場合にはコイル径が太くピッチも大き目に作られている場合が多いです。 バネがむき出しになっていると、圧縮する際にバネが歪んだり、作動する際に土や草木が引っかかってしまう場合もあるので、上記動画のように塩ビパイプ等の容器の中にバネを圧縮する場合も多くあります。 引きバネ 引張バネとも呼ばれ、押しバネとは違ってコイルに隙間がなく密着した状態で巻かれています。両端にフックが付いていて、引っ張ると戻る動作を利用します。 自転車のスタンドにも使われていて、用途がとても幅広いバネです。また、フックの形状を工夫することで使い方に様々な応用をきかせることができます。 上の動画にあるように、バネが引っ張られた状態で罠を設置しておき、トリガーが作動するとフックが外れてバネが縮む力によってワイヤーが締まる仕組みになっています。 通常、縦引きタイプの押しバネや、ねじりバネを使ったくくり罠は、地面に埋めて使用します。一方で、引きバネの場合は、仕掛けにもよりますが、穴を掘らなくても罠を作動させることができますので、地形条件に左右されにくいのも特徴です。 ねじりバネ 巻き込まれた力を開放しようとする動力をいかしたバネをいいます。洗濯ばさみにも使われているバネですので、イメージがつきやすいかと思います。 コイル部分は、一般的にピッチ無し(密着巻)ですが、用途によってはピッチがあるものもあります。線材が太いものほど力が力が大きくなります。 非常に力が強いバネで、人間の手で圧縮できないほど強力なものもあります。また、先端の形状や腕の長さによっても性能が変わってきます。 くくり罠に使用する場合、他のバネに比べると、圧縮したりする必要がないため、セッティングがしやすいという特徴があります。 一方で、跳ね上がる力が非常に強く、暴発によって怪我をすることもあるので注意が必要です。 バネを選ぶポイント バネは使っていくうちに、必ずヘタり(コイルの力が衰え、弾力性が落ちること)が生じます。ヘタリが生じると、くくり罠の性能を十分に発揮することができず捕獲率も下がります。そのため、ヘタったバネは交換することになりますが、状況に応じて少しバネの仕様を変えるのも手です。 たとえば、「どうも空ハジキ※が多い」といった場合は、よりバネの力を強くすると発生率を下げることができるかもしれません。バネの力が強くなればなるほど瞬発も早まるので、捕獲率を上げることが期待できます。※力が強いほど仕掛けるのが大変になり暴発で怪我をするリスクも出てきます。 ※空ハジキ:くくり罠が作動したにも関わらず捕獲できないこと ちなみに当店では押しバネを使ったタイプの罠を販売していますが、バネの仕様についてお問合せいただくことも多くございます。 塩ビパイプ内に押しバネを圧縮させるタイプをお使いの場合、圧縮長やコイル外径は塩ビパイプによって決まるので、塩ビパイプを変えない場合は線径を少しだけ変えたり、材質を変えたりするなど軽微な変更にとどめておきます。あまり大きな変更を加えることおススメしません。...
くくり罠のバネについて
くくり罠は、文字通り獣の足をバネの力で括って(くくって)捕獲する罠です。バネによって罠が作動する際の瞬発力が変わってくるので、くくり罠を構成するパーツの中でも特に重要なものになります。 くくり罠に使用されるバネの種類 くくり罠に使われるバネの種類は押しバネ、引きバネ、ねじりバネ(松葉式ばね)です。 こちらの記事もどうぞ 跳ね上げ式の足くくり罠を使って捕獲率アップ> 押しバネ 押しバネを使ったくくり罠は、最もオーソドックスなものになります。押しバネは別名 圧縮バネとも呼ばれ、コイル状に巻かれたバネの事です。力がかかっていない状態では、コイルに隙間(ピッチ)があいています。 押しバネはボールペンを分解すると出てくるバネで、罠を使ったことが無くても見たことがある人は多いのではないでしょうか。くくり罠だけでなく、機械部品や車などにも幅広く使用されています。 くくり罠に使用する際は、罠を仕掛けるときにバネを圧縮しておき、作動時にバネが伸びる力を利用して捕獲します。 上記の動画にあるように、押しバネを圧縮した状態で固定してくくり罠を設置しますが、バネを圧縮するには結構力が要ります。※貧弱なバネだと獣の瞬発力に勝てないので、それなりに強いバネを使用します。 因みに押しバネは、軽荷重の場合には一般的にコイル径が細くピッチも小さめですが、重荷重の場合にはコイル径が太くピッチも大き目に作られている場合が多いです。 バネがむき出しになっていると、圧縮する際にバネが歪んだり、作動する際に土や草木が引っかかってしまう場合もあるので、上記動画のように塩ビパイプ等の容器の中にバネを圧縮する場合も多くあります。 引きバネ 引張バネとも呼ばれ、押しバネとは違ってコイルに隙間がなく密着した状態で巻かれています。両端にフックが付いていて、引っ張ると戻る動作を利用します。 自転車のスタンドにも使われていて、用途がとても幅広いバネです。また、フックの形状を工夫することで使い方に様々な応用をきかせることができます。 上の動画にあるように、バネが引っ張られた状態で罠を設置しておき、トリガーが作動するとフックが外れてバネが縮む力によってワイヤーが締まる仕組みになっています。 通常、縦引きタイプの押しバネや、ねじりバネを使ったくくり罠は、地面に埋めて使用します。一方で、引きバネの場合は、仕掛けにもよりますが、穴を掘らなくても罠を作動させることができますので、地形条件に左右されにくいのも特徴です。 ねじりバネ 巻き込まれた力を開放しようとする動力をいかしたバネをいいます。洗濯ばさみにも使われているバネですので、イメージがつきやすいかと思います。 コイル部分は、一般的にピッチ無し(密着巻)ですが、用途によってはピッチがあるものもあります。線材が太いものほど力が力が大きくなります。 非常に力が強いバネで、人間の手で圧縮できないほど強力なものもあります。また、先端の形状や腕の長さによっても性能が変わってきます。 くくり罠に使用する場合、他のバネに比べると、圧縮したりする必要がないため、セッティングがしやすいという特徴があります。 一方で、跳ね上がる力が非常に強く、暴発によって怪我をすることもあるので注意が必要です。 バネを選ぶポイント バネは使っていくうちに、必ずヘタり(コイルの力が衰え、弾力性が落ちること)が生じます。ヘタリが生じると、くくり罠の性能を十分に発揮することができず捕獲率も下がります。そのため、ヘタったバネは交換することになりますが、状況に応じて少しバネの仕様を変えるのも手です。 たとえば、「どうも空ハジキ※が多い」といった場合は、よりバネの力を強くすると発生率を下げることができるかもしれません。バネの力が強くなればなるほど瞬発も早まるので、捕獲率を上げることが期待できます。※力が強いほど仕掛けるのが大変になり暴発で怪我をするリスクも出てきます。 ※空ハジキ:くくり罠が作動したにも関わらず捕獲できないこと ちなみに当店では押しバネを使ったタイプの罠を販売していますが、バネの仕様についてお問合せいただくことも多くございます。 塩ビパイプ内に押しバネを圧縮させるタイプをお使いの場合、圧縮長やコイル外径は塩ビパイプによって決まるので、塩ビパイプを変えない場合は線径を少しだけ変えたり、材質を変えたりするなど軽微な変更にとどめておきます。あまり大きな変更を加えることおススメしません。...
タヌキの生態を理解して対策を学ぼう
古くから日本人にとって身近な動物であるタヌキ。里山付近はもちろん、住宅街にも出没し、野生のタヌキを目にしたことがある人も多いかと思います。 都市部に住んでいるとなかなか想像がつきませんが、タヌキは田畑や家庭菜園に侵入して作物を食べたり、糞を落としたりするため、厄介者でもあります。 イノシシやシカに比べると被害件数は少ないものの、毎年全国で1.5億円ほどの農作物被害を出しています(農林水産省発表ー平成30年度 全国の野生鳥獣による農作物被害状況)。 そんなタヌキの生態や被害対策について、今回は説明します。 タヌキの特徴・生態 日本には本州・四国・九州に生息しているニホンタヌキ(ホンドタヌキ)と、北海道に生息するエゾタヌキの2種類が生息しています。北海道は生息域は少ないですが、本州では特に近畿地方において生息域の割合が高いです。 体の大きさは、頭胴長で50~60センチメートル、尻尾を入れると60~80センチメートル程です。体重は3~5キロほど。 イヌ科に属するため、鼻の長い顔つきや足跡がなんとなくイヌに似ています。 単独または家族単位で行動し、縄張りは持ちません。また複数のタヌキが一定の場所に「ため糞」をするという習性があります。 昆虫やミミズ、果実・堅果、種子類や穀物のほかに、爬虫類や甲殻類、小動物、死骸や生ごみ・ドックフード等も食べます。 田畑を荒らす犯人はタヌキ?それとも・・・ タヌキは見た目や体の大きさがハクビシンやアライグマ、アナグマに似ているため、よく見間違えます。またいずれも雑食性で、色々なものを食べるという点でも似ています。 対策動物を間違えて対策をすると、効果が薄れる場合もあるので、まずはターゲットの動物がタヌキなのか、それとも他の動物なのか調べることが重要です。 見分け方としては、アライグマは尾に縞模様がありますが、タヌキの尾に縞模様はありません。他にも、特徴としてアライグマは手先が器用なので、スイカ等の皮に穴をあけて、くりぬいて中身を食べたりします。食痕を見ればアライグマが犯人だと比較的分かりやすいです。 また、ハクビシンだと鼻がピンク色で額から鼻にかけて白いラインが入っていますが、タヌキにはそれがありません。またハクビシンは尻尾がかなり長く、ジャコウネコ科なのでなんとなく動きもネコっぽいです。 アナグマはイタチ科に属し、指が五本で鋭い爪があります。一方でタヌキは4本指なので、足跡に違いが出てきます。また、タヌキが茶色の頭に黒い頬で、茶色+黒が混じった毛が多いのに対し、アナグマは目の上下が黒く、茶色+白っぽい毛が生えています。タヌキよりアナグマのほうが足が短く、ずんぐりむっくりしているのも特徴です。 ハクビシンやアライグマは高いところに登るのが得意で、高くて細い足場でも器用に移動します。そのため、好物である木の上の果実などを食べたり、雨どいから屋根裏に侵入したりします。 一方でタヌキは果実は好物であるものの木登りは苦手で、樹上の果実などを荒らすことはありませんが、落ちた果実を食べたりします。 参考記事 アライグマの生態・対策・駆除について>> ハクビシン対策について>> アナグマの特徴と対策について>> 知っておきたいタヌキ対策 まず、上記のような雑食性のため、生ごみやドッグフード、クズ野菜や落下した果実も放置しないように注意しなければなりません。タヌキに餌場として認識されないよう地域ぐるみで取り組むこと。また放置された果樹があれば、落ちた果実に獣が寄ってくるのを防ぐために、できるだけ伐採しておくと未然に被害を防ぐことができます。 物理柵による防護 タヌキは登ることが不得手で大型獣に比べると強くないので、物理的に侵入経路を塞げば、被害を大幅に減らすことができます。 タヌキを対象とした物理防護柵としては、 ①噛み切られたり押し広げられたりしないよう、金属製のフェンスであること ②地面と柵の間に隙間がないこと...
タヌキの生態を理解して対策を学ぼう
古くから日本人にとって身近な動物であるタヌキ。里山付近はもちろん、住宅街にも出没し、野生のタヌキを目にしたことがある人も多いかと思います。 都市部に住んでいるとなかなか想像がつきませんが、タヌキは田畑や家庭菜園に侵入して作物を食べたり、糞を落としたりするため、厄介者でもあります。 イノシシやシカに比べると被害件数は少ないものの、毎年全国で1.5億円ほどの農作物被害を出しています(農林水産省発表ー平成30年度 全国の野生鳥獣による農作物被害状況)。 そんなタヌキの生態や被害対策について、今回は説明します。 タヌキの特徴・生態 日本には本州・四国・九州に生息しているニホンタヌキ(ホンドタヌキ)と、北海道に生息するエゾタヌキの2種類が生息しています。北海道は生息域は少ないですが、本州では特に近畿地方において生息域の割合が高いです。 体の大きさは、頭胴長で50~60センチメートル、尻尾を入れると60~80センチメートル程です。体重は3~5キロほど。 イヌ科に属するため、鼻の長い顔つきや足跡がなんとなくイヌに似ています。 単独または家族単位で行動し、縄張りは持ちません。また複数のタヌキが一定の場所に「ため糞」をするという習性があります。 昆虫やミミズ、果実・堅果、種子類や穀物のほかに、爬虫類や甲殻類、小動物、死骸や生ごみ・ドックフード等も食べます。 田畑を荒らす犯人はタヌキ?それとも・・・ タヌキは見た目や体の大きさがハクビシンやアライグマ、アナグマに似ているため、よく見間違えます。またいずれも雑食性で、色々なものを食べるという点でも似ています。 対策動物を間違えて対策をすると、効果が薄れる場合もあるので、まずはターゲットの動物がタヌキなのか、それとも他の動物なのか調べることが重要です。 見分け方としては、アライグマは尾に縞模様がありますが、タヌキの尾に縞模様はありません。他にも、特徴としてアライグマは手先が器用なので、スイカ等の皮に穴をあけて、くりぬいて中身を食べたりします。食痕を見ればアライグマが犯人だと比較的分かりやすいです。 また、ハクビシンだと鼻がピンク色で額から鼻にかけて白いラインが入っていますが、タヌキにはそれがありません。またハクビシンは尻尾がかなり長く、ジャコウネコ科なのでなんとなく動きもネコっぽいです。 アナグマはイタチ科に属し、指が五本で鋭い爪があります。一方でタヌキは4本指なので、足跡に違いが出てきます。また、タヌキが茶色の頭に黒い頬で、茶色+黒が混じった毛が多いのに対し、アナグマは目の上下が黒く、茶色+白っぽい毛が生えています。タヌキよりアナグマのほうが足が短く、ずんぐりむっくりしているのも特徴です。 ハクビシンやアライグマは高いところに登るのが得意で、高くて細い足場でも器用に移動します。そのため、好物である木の上の果実などを食べたり、雨どいから屋根裏に侵入したりします。 一方でタヌキは果実は好物であるものの木登りは苦手で、樹上の果実などを荒らすことはありませんが、落ちた果実を食べたりします。 参考記事 アライグマの生態・対策・駆除について>> ハクビシン対策について>> アナグマの特徴と対策について>> 知っておきたいタヌキ対策 まず、上記のような雑食性のため、生ごみやドッグフード、クズ野菜や落下した果実も放置しないように注意しなければなりません。タヌキに餌場として認識されないよう地域ぐるみで取り組むこと。また放置された果樹があれば、落ちた果実に獣が寄ってくるのを防ぐために、できるだけ伐採しておくと未然に被害を防ぐことができます。 物理柵による防護 タヌキは登ることが不得手で大型獣に比べると強くないので、物理的に侵入経路を塞げば、被害を大幅に減らすことができます。 タヌキを対象とした物理防護柵としては、 ①噛み切られたり押し広げられたりしないよう、金属製のフェンスであること ②地面と柵の間に隙間がないこと...
簡単設置の防獣フェンスをご紹介!アニマルフェンス
目次 1こんな人におススメ! 2お客様の声 3野生獣の侵入にお悩みの方 4ペットの脱走防止やドッグランの柵をお探しの方 5設置のコツ 6おまとめ 今回は、安くて丈夫、かつ簡単設置のフェンス(柵)をお探しの方へおススメの商品をご紹介します。 1m×20mタイプ 設置が一番簡単なお手軽サイズです。 1.5m×15mタイプ ジャンプ力がある動物にも対応する中サイズになります。 2.0m×20mタイプ 大型獣にも対応するビッグサイズです。 金網と専用支柱が11本付属した、設置簡単の便利セットです。金網はスチール+PVCコートでワイヤー径(Φmm) 2.1、 網目 5×10cm。支柱の材質はスチール+塗装コーティング。高さは複数のタイプを揃えています。 こんな人におススメ! ・イノシシやシカ等の田畑を荒らす野生鳥獣が侵入してくるのを防ぎたい ・ペットの遊び場を庭に設置したが、脱走防止の柵が欲しい ・ドッグランの場所を作りたいが、簡単に設置できて頑丈な柵が欲しい ・管理地に侵入防止のための柵を設置したい(不法投棄の低減等) お客様の声 『柱が11本ついてくるので非常にいいと思います。』 『軽くて細工がし易く、買って良かったです。』 『イノシシ侵入防止になっております。簡単に柵ができ、以後被害がありません。』 『ペットが首輪やハーネスから抜け出して、ご近所に脱走するので購入。かなりの広さのスペースになりました!やんちゃなウチのワンちゃんには十分な広さです。』 『庭で愛犬を遊ばせる為に購入しました。刺すだけで簡単に取り付けられます。女の人でも簡単にできると思います』 野生獣の侵入にお悩みの方...
簡単設置の防獣フェンスをご紹介!アニマルフェンス
目次 1こんな人におススメ! 2お客様の声 3野生獣の侵入にお悩みの方 4ペットの脱走防止やドッグランの柵をお探しの方 5設置のコツ 6おまとめ 今回は、安くて丈夫、かつ簡単設置のフェンス(柵)をお探しの方へおススメの商品をご紹介します。 1m×20mタイプ 設置が一番簡単なお手軽サイズです。 1.5m×15mタイプ ジャンプ力がある動物にも対応する中サイズになります。 2.0m×20mタイプ 大型獣にも対応するビッグサイズです。 金網と専用支柱が11本付属した、設置簡単の便利セットです。金網はスチール+PVCコートでワイヤー径(Φmm) 2.1、 網目 5×10cm。支柱の材質はスチール+塗装コーティング。高さは複数のタイプを揃えています。 こんな人におススメ! ・イノシシやシカ等の田畑を荒らす野生鳥獣が侵入してくるのを防ぎたい ・ペットの遊び場を庭に設置したが、脱走防止の柵が欲しい ・ドッグランの場所を作りたいが、簡単に設置できて頑丈な柵が欲しい ・管理地に侵入防止のための柵を設置したい(不法投棄の低減等) お客様の声 『柱が11本ついてくるので非常にいいと思います。』 『軽くて細工がし易く、買って良かったです。』 『イノシシ侵入防止になっております。簡単に柵ができ、以後被害がありません。』 『ペットが首輪やハーネスから抜け出して、ご近所に脱走するので購入。かなりの広さのスペースになりました!やんちゃなウチのワンちゃんには十分な広さです。』 『庭で愛犬を遊ばせる為に購入しました。刺すだけで簡単に取り付けられます。女の人でも簡単にできると思います』 野生獣の侵入にお悩みの方...
サル被害対策のポイント
学習能力が高く、木などに登ることが得意なサル。日本全国に広く分布しており雑食性のため、作物に被害を与える厄介者として認知されていることも多いです。今回は、サルの被害対策について説明したいと思います。 サルの特徴 雑食で、葉っぱ・種子・根菜類・新芽・果物・果汁・昆虫など様々なものを食べます。学習能力が高いため、一度餌場と認識した場所は頻繁に訪れるようになります。 おいしいエサにありつけた場所や、危険であると学習した場所、人間の顔もすぐに覚えます。「登る」ことが得意なため、設置している柵があっても、登ったりして簡単に突破してしまいます。 こちらの記事もどうぞ 獣害対策~ニホンザルの被害防除、捕獲について >> サル被害の特徴 サル被害は年中発生しますが、特に春と秋に多くなります。作物の味を覚えると、人慣れしていない最初のうちは、少量の作物をこっそり取っていく程度ですが、人慣れが進むと、人間が近くにいても食物を奪いだします。 家屋内に侵入したり、人間が持っている食物を奪い取ったりもします。 基本的には群れで行動するため、単体が畑から食物を取っていくのを見た別の個体がそれを学習し、そのうち群れでやってくるようになります。 サル対策について 上記のような特徴があるため、個人で対策するのは限界があります。地域のメンバーで協力し、地域ぐるみで対策していくことが重要です。 餌場と認識させない 放棄作物など、サルの食べ物になるようなものは放置しないようにしましょう。取り残した野菜、柿など放置果樹、稲のヒコバエや落穂、捨てられたホダ木から出たシイタケなど、人間が普段食べ物と認識していないものでも、サルにとっては餌になります。 人慣れをさせない 上記のとおりサルが人慣れすると、被害はエスカレートしていきます。人間は怖い・危険な存在と認識させるよう、サルを見かけたら追い払いを必ず実施しましょう。 ロケット花火や爆竹、パチンコ(スリングショット)等を使用して追い払いを実施している地域もあります。「人間のエリアに近づくな」という姿勢をサルに理解させることが重要です。 防護柵を設置する 田畑を防護柵で囲んでサルの侵入を防ぐことも有効です。 電気柵の間隔が広いと、サルが電気の刺激を感じる前に潜り抜けたりします。また、柱を伝って登れるようになっている場合は簡単に侵入されてしまいます。 また、柵の外側において、樹木が近くにあると、飛び移って侵入してくる場合もあります。柵の高さが低い場合も簡単に突破されますので、高さは2メートル以上あるのが望ましいです。 イノシシ等の対策として既に電気柵を設置されている場合もあるかと思いますが、可能であればサルの特性も考慮すると良いでしょう。十分でなくても、柵があるのとないのでは対策効果が全く変わります。 最終手段としての有害駆除 被害を中心になって引き起こしている個体が特定できる場合は、捕獲することも有効です。しかしながら、群れの中心となっているメスを捕獲した場合など、捕獲によって群れが分断され、反って被害が広がる可能性もあります。むやみな駆除は逆効果となる場合もあるので、専門家に相談してみるのも良いでしょう。 こちらの記事もどうぞ 野生動物との共存を目指す鳥獣害対策のプロ集団>> サル対策お役立ち品 イノホイでは、サル等の「登る」ことが得意な動物が、柵などに登ることを諦めるように考慮した商品を販売しています。高さ6mm・間隔11mmのトゲトゲによってサル等を撃退。設置も簡単で、実績も多くあります。 幅12.5cmの巾太タイプ、幅3センチの巾細タイプ、家屋への侵入を防ぐ雨どい設置タイプを用意しております。それぞれ、安価で加工が簡単なスチール製と、雨等に強く耐用年数が長いステンレス製タイプがあります。...
サル被害対策のポイント
学習能力が高く、木などに登ることが得意なサル。日本全国に広く分布しており雑食性のため、作物に被害を与える厄介者として認知されていることも多いです。今回は、サルの被害対策について説明したいと思います。 サルの特徴 雑食で、葉っぱ・種子・根菜類・新芽・果物・果汁・昆虫など様々なものを食べます。学習能力が高いため、一度餌場と認識した場所は頻繁に訪れるようになります。 おいしいエサにありつけた場所や、危険であると学習した場所、人間の顔もすぐに覚えます。「登る」ことが得意なため、設置している柵があっても、登ったりして簡単に突破してしまいます。 こちらの記事もどうぞ 獣害対策~ニホンザルの被害防除、捕獲について >> サル被害の特徴 サル被害は年中発生しますが、特に春と秋に多くなります。作物の味を覚えると、人慣れしていない最初のうちは、少量の作物をこっそり取っていく程度ですが、人慣れが進むと、人間が近くにいても食物を奪いだします。 家屋内に侵入したり、人間が持っている食物を奪い取ったりもします。 基本的には群れで行動するため、単体が畑から食物を取っていくのを見た別の個体がそれを学習し、そのうち群れでやってくるようになります。 サル対策について 上記のような特徴があるため、個人で対策するのは限界があります。地域のメンバーで協力し、地域ぐるみで対策していくことが重要です。 餌場と認識させない 放棄作物など、サルの食べ物になるようなものは放置しないようにしましょう。取り残した野菜、柿など放置果樹、稲のヒコバエや落穂、捨てられたホダ木から出たシイタケなど、人間が普段食べ物と認識していないものでも、サルにとっては餌になります。 人慣れをさせない 上記のとおりサルが人慣れすると、被害はエスカレートしていきます。人間は怖い・危険な存在と認識させるよう、サルを見かけたら追い払いを必ず実施しましょう。 ロケット花火や爆竹、パチンコ(スリングショット)等を使用して追い払いを実施している地域もあります。「人間のエリアに近づくな」という姿勢をサルに理解させることが重要です。 防護柵を設置する 田畑を防護柵で囲んでサルの侵入を防ぐことも有効です。 電気柵の間隔が広いと、サルが電気の刺激を感じる前に潜り抜けたりします。また、柱を伝って登れるようになっている場合は簡単に侵入されてしまいます。 また、柵の外側において、樹木が近くにあると、飛び移って侵入してくる場合もあります。柵の高さが低い場合も簡単に突破されますので、高さは2メートル以上あるのが望ましいです。 イノシシ等の対策として既に電気柵を設置されている場合もあるかと思いますが、可能であればサルの特性も考慮すると良いでしょう。十分でなくても、柵があるのとないのでは対策効果が全く変わります。 最終手段としての有害駆除 被害を中心になって引き起こしている個体が特定できる場合は、捕獲することも有効です。しかしながら、群れの中心となっているメスを捕獲した場合など、捕獲によって群れが分断され、反って被害が広がる可能性もあります。むやみな駆除は逆効果となる場合もあるので、専門家に相談してみるのも良いでしょう。 こちらの記事もどうぞ 野生動物との共存を目指す鳥獣害対策のプロ集団>> サル対策お役立ち品 イノホイでは、サル等の「登る」ことが得意な動物が、柵などに登ることを諦めるように考慮した商品を販売しています。高さ6mm・間隔11mmのトゲトゲによってサル等を撃退。設置も簡単で、実績も多くあります。 幅12.5cmの巾太タイプ、幅3センチの巾細タイプ、家屋への侵入を防ぐ雨どい設置タイプを用意しております。それぞれ、安価で加工が簡単なスチール製と、雨等に強く耐用年数が長いステンレス製タイプがあります。...
くくり罠の作り方
目次 1準備するもの 1必要な工具等 2くくり罠のパーツを用意する 2くくり罠の作り方 1ワイヤーを切る 2塩ビパイプを準備する 3支柱側のワイヤーを作る 4スネア部分を作る 5塩ビ管とバネ、ストッパーを準備する 6サルカンを装着する 7最終チェック 8踏み板部分も自作してみたい方へ 3当店のくくり罠のご紹介 1くくり罠完成品 2くくり罠自作キット 3踏み板 イノシシやシカをはじめ、野生鳥獣を捕獲するために使用される「くくり罠」。今年の狩猟解禁日も近づいてきており、「今期は自作にチャレンジしてみたい!」という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、くくり罠の作成方法を説明しようと思います。 準備するもの くくり罠を組み立てるにあたって、必要な工具・道具を紹介します。今回は、くくり罠の中で最もポピュラーな、押しバネを使用した「跳ね上げ式タイプ」で説明します。 ①必要な工具等 1:ワイヤーロープを切断するカッター ワイヤーロープを切断するために、専用のカッターを用意します。必ず、切断するワイヤー径に適合したものを準備しましょう。 ワイヤーロープ切断に適さないペンチ等で無理やり切断しようとすると、刃こぼれしたり、ワイヤーロープの素線がグチャグチャになったり、うまく切断できなかったりするので、必ずワイヤーロープ切断用の工具を使いましょう。 2:スリーブ(クランプ)を加締めするスエージャー くくり罠を作る際、ワイヤーロープの断端を処理したり、輪っかを作ったりする個所が出てきます。そういった場合は、スリーブ(クランプ)を用いてワイヤーロープを加締める作業が必要になります。 こちらも、加締めるワイヤー径に適応したものを使用します。 カッターとスエージャーと一体化されているタイプもあり、便利です(販売ページはこちら)。 3:ドリル 圧縮したバネを納めるための塩ビ管を加工するためのドリルになります。ワイヤーを通す穴を塩ビキャップに開けたりする作業に使います。ハンディタイプの電動ドリルでも良いですが、ブレてケガをする恐れがあるので、卓上ボール盤がベストです。...
くくり罠の作り方
目次 1準備するもの 1必要な工具等 2くくり罠のパーツを用意する 2くくり罠の作り方 1ワイヤーを切る 2塩ビパイプを準備する 3支柱側のワイヤーを作る 4スネア部分を作る 5塩ビ管とバネ、ストッパーを準備する 6サルカンを装着する 7最終チェック 8踏み板部分も自作してみたい方へ 3当店のくくり罠のご紹介 1くくり罠完成品 2くくり罠自作キット 3踏み板 イノシシやシカをはじめ、野生鳥獣を捕獲するために使用される「くくり罠」。今年の狩猟解禁日も近づいてきており、「今期は自作にチャレンジしてみたい!」という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、くくり罠の作成方法を説明しようと思います。 準備するもの くくり罠を組み立てるにあたって、必要な工具・道具を紹介します。今回は、くくり罠の中で最もポピュラーな、押しバネを使用した「跳ね上げ式タイプ」で説明します。 ①必要な工具等 1:ワイヤーロープを切断するカッター ワイヤーロープを切断するために、専用のカッターを用意します。必ず、切断するワイヤー径に適合したものを準備しましょう。 ワイヤーロープ切断に適さないペンチ等で無理やり切断しようとすると、刃こぼれしたり、ワイヤーロープの素線がグチャグチャになったり、うまく切断できなかったりするので、必ずワイヤーロープ切断用の工具を使いましょう。 2:スリーブ(クランプ)を加締めするスエージャー くくり罠を作る際、ワイヤーロープの断端を処理したり、輪っかを作ったりする個所が出てきます。そういった場合は、スリーブ(クランプ)を用いてワイヤーロープを加締める作業が必要になります。 こちらも、加締めるワイヤー径に適応したものを使用します。 カッターとスエージャーと一体化されているタイプもあり、便利です(販売ページはこちら)。 3:ドリル 圧縮したバネを納めるための塩ビ管を加工するためのドリルになります。ワイヤーを通す穴を塩ビキャップに開けたりする作業に使います。ハンディタイプの電動ドリルでも良いですが、ブレてケガをする恐れがあるので、卓上ボール盤がベストです。...