鳥獣被害対策マガジン
タヌキの生態を理解して対策を学ぼう
古くから日本人にとって身近な動物であるタヌキ。里山付近はもちろん、住宅街にも出没し、野生のタヌキを目にしたことがある人も多いかと思います。 都市部に住んでいるとなかなか想像がつきませんが、タヌキは田畑や家庭菜園に侵入して作物を食べたり、糞を落としたりするため、厄介者でもあります。 イノシシやシカに比べると被害件数は少ないものの、毎年全国で1.5億円ほどの農作物被害を出しています(農林水産省発表ー平成30年度 全国の野生鳥獣による農作物被害状況)。 そんなタヌキの生態や被害対策について、今回は説明します。 タヌキの特徴・生態 日本には本州・四国・九州に生息しているニホンタヌキ(ホンドタヌキ)と、北海道に生息するエゾタヌキの2種類が生息しています。北海道は生息域は少ないですが、本州では特に近畿地方において生息域の割合が高いです。 体の大きさは、頭胴長で50~60センチメートル、尻尾を入れると60~80センチメートル程です。体重は3~5キロほど。 イヌ科に属するため、鼻の長い顔つきや足跡がなんとなくイヌに似ています。 単独または家族単位で行動し、縄張りは持ちません。また複数のタヌキが一定の場所に「ため糞」をするという習性があります。 昆虫やミミズ、果実・堅果、種子類や穀物のほかに、爬虫類や甲殻類、小動物、死骸や生ごみ・ドックフード等も食べます。 田畑を荒らす犯人はタヌキ?それとも・・・ タヌキは見た目や体の大きさがハクビシンやアライグマ、アナグマに似ているため、よく見間違えます。またいずれも雑食性で、色々なものを食べるという点でも似ています。 対策動物を間違えて対策をすると、効果が薄れる場合もあるので、まずはターゲットの動物がタヌキなのか、それとも他の動物なのか調べることが重要です。 見分け方としては、アライグマは尾に縞模様がありますが、タヌキの尾に縞模様はありません。他にも、特徴としてアライグマは手先が器用なので、スイカ等の皮に穴をあけて、くりぬいて中身を食べたりします。食痕を見ればアライグマが犯人だと比較的分かりやすいです。 また、ハクビシンだと鼻がピンク色で額から鼻にかけて白いラインが入っていますが、タヌキにはそれがありません。またハクビシンは尻尾がかなり長く、ジャコウネコ科なのでなんとなく動きもネコっぽいです。 アナグマはイタチ科に属し、指が五本で鋭い爪があります。一方でタヌキは4本指なので、足跡に違いが出てきます。また、タヌキが茶色の頭に黒い頬で、茶色+黒が混じった毛が多いのに対し、アナグマは目の上下が黒く、茶色+白っぽい毛が生えています。タヌキよりアナグマのほうが足が短く、ずんぐりむっくりしているのも特徴です。 ハクビシンやアライグマは高いところに登るのが得意で、高くて細い足場でも器用に移動します。そのため、好物である木の上の果実などを食べたり、雨どいから屋根裏に侵入したりします。 一方でタヌキは果実は好物であるものの木登りは苦手で、樹上の果実などを荒らすことはありませんが、落ちた果実を食べたりします。 参考記事 アライグマの生態・対策・駆除について>> ハクビシン対策について>> アナグマの特徴と対策について>> 知っておきたいタヌキ対策 まず、上記のような雑食性のため、生ごみやドッグフード、クズ野菜や落下した果実も放置しないように注意しなければなりません。タヌキに餌場として認識されないよう地域ぐるみで取り組むこと。また放置された果樹があれば、落ちた果実に獣が寄ってくるのを防ぐために、できるだけ伐採しておくと未然に被害を防ぐことができます。 物理柵による防護 タヌキは登ることが不得手で大型獣に比べると強くないので、物理的に侵入経路を塞げば、被害を大幅に減らすことができます。 タヌキを対象とした物理防護柵としては、 ①噛み切られたり押し広げられたりしないよう、金属製のフェンスであること ②地面と柵の間に隙間がないこと...
タヌキの生態を理解して対策を学ぼう
古くから日本人にとって身近な動物であるタヌキ。里山付近はもちろん、住宅街にも出没し、野生のタヌキを目にしたことがある人も多いかと思います。 都市部に住んでいるとなかなか想像がつきませんが、タヌキは田畑や家庭菜園に侵入して作物を食べたり、糞を落としたりするため、厄介者でもあります。 イノシシやシカに比べると被害件数は少ないものの、毎年全国で1.5億円ほどの農作物被害を出しています(農林水産省発表ー平成30年度 全国の野生鳥獣による農作物被害状況)。 そんなタヌキの生態や被害対策について、今回は説明します。 タヌキの特徴・生態 日本には本州・四国・九州に生息しているニホンタヌキ(ホンドタヌキ)と、北海道に生息するエゾタヌキの2種類が生息しています。北海道は生息域は少ないですが、本州では特に近畿地方において生息域の割合が高いです。 体の大きさは、頭胴長で50~60センチメートル、尻尾を入れると60~80センチメートル程です。体重は3~5キロほど。 イヌ科に属するため、鼻の長い顔つきや足跡がなんとなくイヌに似ています。 単独または家族単位で行動し、縄張りは持ちません。また複数のタヌキが一定の場所に「ため糞」をするという習性があります。 昆虫やミミズ、果実・堅果、種子類や穀物のほかに、爬虫類や甲殻類、小動物、死骸や生ごみ・ドックフード等も食べます。 田畑を荒らす犯人はタヌキ?それとも・・・ タヌキは見た目や体の大きさがハクビシンやアライグマ、アナグマに似ているため、よく見間違えます。またいずれも雑食性で、色々なものを食べるという点でも似ています。 対策動物を間違えて対策をすると、効果が薄れる場合もあるので、まずはターゲットの動物がタヌキなのか、それとも他の動物なのか調べることが重要です。 見分け方としては、アライグマは尾に縞模様がありますが、タヌキの尾に縞模様はありません。他にも、特徴としてアライグマは手先が器用なので、スイカ等の皮に穴をあけて、くりぬいて中身を食べたりします。食痕を見ればアライグマが犯人だと比較的分かりやすいです。 また、ハクビシンだと鼻がピンク色で額から鼻にかけて白いラインが入っていますが、タヌキにはそれがありません。またハクビシンは尻尾がかなり長く、ジャコウネコ科なのでなんとなく動きもネコっぽいです。 アナグマはイタチ科に属し、指が五本で鋭い爪があります。一方でタヌキは4本指なので、足跡に違いが出てきます。また、タヌキが茶色の頭に黒い頬で、茶色+黒が混じった毛が多いのに対し、アナグマは目の上下が黒く、茶色+白っぽい毛が生えています。タヌキよりアナグマのほうが足が短く、ずんぐりむっくりしているのも特徴です。 ハクビシンやアライグマは高いところに登るのが得意で、高くて細い足場でも器用に移動します。そのため、好物である木の上の果実などを食べたり、雨どいから屋根裏に侵入したりします。 一方でタヌキは果実は好物であるものの木登りは苦手で、樹上の果実などを荒らすことはありませんが、落ちた果実を食べたりします。 参考記事 アライグマの生態・対策・駆除について>> ハクビシン対策について>> アナグマの特徴と対策について>> 知っておきたいタヌキ対策 まず、上記のような雑食性のため、生ごみやドッグフード、クズ野菜や落下した果実も放置しないように注意しなければなりません。タヌキに餌場として認識されないよう地域ぐるみで取り組むこと。また放置された果樹があれば、落ちた果実に獣が寄ってくるのを防ぐために、できるだけ伐採しておくと未然に被害を防ぐことができます。 物理柵による防護 タヌキは登ることが不得手で大型獣に比べると強くないので、物理的に侵入経路を塞げば、被害を大幅に減らすことができます。 タヌキを対象とした物理防護柵としては、 ①噛み切られたり押し広げられたりしないよう、金属製のフェンスであること ②地面と柵の間に隙間がないこと...
簡単設置の防獣フェンスをご紹介!アニマルフェンス
目次 1こんな人におススメ! 2お客様の声 3野生獣の侵入にお悩みの方 4ペットの脱走防止やドッグランの柵をお探しの方 5設置のコツ 6おまとめ 今回は、安くて丈夫、かつ簡単設置のフェンス(柵)をお探しの方へおススメの商品をご紹介します。 1m×20mタイプ 設置が一番簡単なお手軽サイズです。 1.5m×15mタイプ ジャンプ力がある動物にも対応する中サイズになります。 2.0m×20mタイプ 大型獣にも対応するビッグサイズです。 金網と専用支柱が11本付属した、設置簡単の便利セットです。金網はスチール+PVCコートでワイヤー径(Φmm) 2.1、 網目 5×10cm。支柱の材質はスチール+塗装コーティング。高さは複数のタイプを揃えています。 こんな人におススメ! ・イノシシやシカ等の田畑を荒らす野生鳥獣が侵入してくるのを防ぎたい ・ペットの遊び場を庭に設置したが、脱走防止の柵が欲しい ・ドッグランの場所を作りたいが、簡単に設置できて頑丈な柵が欲しい ・管理地に侵入防止のための柵を設置したい(不法投棄の低減等) お客様の声 『柱が11本ついてくるので非常にいいと思います。』 『軽くて細工がし易く、買って良かったです。』 『イノシシ侵入防止になっております。簡単に柵ができ、以後被害がありません。』 『ペットが首輪やハーネスから抜け出して、ご近所に脱走するので購入。かなりの広さのスペースになりました!やんちゃなウチのワンちゃんには十分な広さです。』 『庭で愛犬を遊ばせる為に購入しました。刺すだけで簡単に取り付けられます。女の人でも簡単にできると思います』 野生獣の侵入にお悩みの方...
簡単設置の防獣フェンスをご紹介!アニマルフェンス
目次 1こんな人におススメ! 2お客様の声 3野生獣の侵入にお悩みの方 4ペットの脱走防止やドッグランの柵をお探しの方 5設置のコツ 6おまとめ 今回は、安くて丈夫、かつ簡単設置のフェンス(柵)をお探しの方へおススメの商品をご紹介します。 1m×20mタイプ 設置が一番簡単なお手軽サイズです。 1.5m×15mタイプ ジャンプ力がある動物にも対応する中サイズになります。 2.0m×20mタイプ 大型獣にも対応するビッグサイズです。 金網と専用支柱が11本付属した、設置簡単の便利セットです。金網はスチール+PVCコートでワイヤー径(Φmm) 2.1、 網目 5×10cm。支柱の材質はスチール+塗装コーティング。高さは複数のタイプを揃えています。 こんな人におススメ! ・イノシシやシカ等の田畑を荒らす野生鳥獣が侵入してくるのを防ぎたい ・ペットの遊び場を庭に設置したが、脱走防止の柵が欲しい ・ドッグランの場所を作りたいが、簡単に設置できて頑丈な柵が欲しい ・管理地に侵入防止のための柵を設置したい(不法投棄の低減等) お客様の声 『柱が11本ついてくるので非常にいいと思います。』 『軽くて細工がし易く、買って良かったです。』 『イノシシ侵入防止になっております。簡単に柵ができ、以後被害がありません。』 『ペットが首輪やハーネスから抜け出して、ご近所に脱走するので購入。かなりの広さのスペースになりました!やんちゃなウチのワンちゃんには十分な広さです。』 『庭で愛犬を遊ばせる為に購入しました。刺すだけで簡単に取り付けられます。女の人でも簡単にできると思います』 野生獣の侵入にお悩みの方...
サル被害対策のポイント
学習能力が高く、木などに登ることが得意なサル。日本全国に広く分布しており雑食性のため、作物に被害を与える厄介者として認知されていることも多いです。今回は、サルの被害対策について説明したいと思います。 サルの特徴 雑食で、葉っぱ・種子・根菜類・新芽・果物・果汁・昆虫など様々なものを食べます。学習能力が高いため、一度餌場と認識した場所は頻繁に訪れるようになります。 おいしいエサにありつけた場所や、危険であると学習した場所、人間の顔もすぐに覚えます。「登る」ことが得意なため、設置している柵があっても、登ったりして簡単に突破してしまいます。 こちらの記事もどうぞ 獣害対策~ニホンザルの被害防除、捕獲について >> サル被害の特徴 サル被害は年中発生しますが、特に春と秋に多くなります。作物の味を覚えると、人慣れしていない最初のうちは、少量の作物をこっそり取っていく程度ですが、人慣れが進むと、人間が近くにいても食物を奪いだします。 家屋内に侵入したり、人間が持っている食物を奪い取ったりもします。 基本的には群れで行動するため、単体が畑から食物を取っていくのを見た別の個体がそれを学習し、そのうち群れでやってくるようになります。 サル対策について 上記のような特徴があるため、個人で対策するのは限界があります。地域のメンバーで協力し、地域ぐるみで対策していくことが重要です。 餌場と認識させない 放棄作物など、サルの食べ物になるようなものは放置しないようにしましょう。取り残した野菜、柿など放置果樹、稲のヒコバエや落穂、捨てられたホダ木から出たシイタケなど、人間が普段食べ物と認識していないものでも、サルにとっては餌になります。 人慣れをさせない 上記のとおりサルが人慣れすると、被害はエスカレートしていきます。人間は怖い・危険な存在と認識させるよう、サルを見かけたら追い払いを必ず実施しましょう。 ロケット花火や爆竹、パチンコ(スリングショット)等を使用して追い払いを実施している地域もあります。「人間のエリアに近づくな」という姿勢をサルに理解させることが重要です。 防護柵を設置する 田畑を防護柵で囲んでサルの侵入を防ぐことも有効です。 電気柵の間隔が広いと、サルが電気の刺激を感じる前に潜り抜けたりします。また、柱を伝って登れるようになっている場合は簡単に侵入されてしまいます。 また、柵の外側において、樹木が近くにあると、飛び移って侵入してくる場合もあります。柵の高さが低い場合も簡単に突破されますので、高さは2メートル以上あるのが望ましいです。 イノシシ等の対策として既に電気柵を設置されている場合もあるかと思いますが、可能であればサルの特性も考慮すると良いでしょう。十分でなくても、柵があるのとないのでは対策効果が全く変わります。 最終手段としての有害駆除 被害を中心になって引き起こしている個体が特定できる場合は、捕獲することも有効です。しかしながら、群れの中心となっているメスを捕獲した場合など、捕獲によって群れが分断され、反って被害が広がる可能性もあります。むやみな駆除は逆効果となる場合もあるので、専門家に相談してみるのも良いでしょう。 こちらの記事もどうぞ 野生動物との共存を目指す鳥獣害対策のプロ集団>> サル対策お役立ち品 イノホイでは、サル等の「登る」ことが得意な動物が、柵などに登ることを諦めるように考慮した商品を販売しています。高さ6mm・間隔11mmのトゲトゲによってサル等を撃退。設置も簡単で、実績も多くあります。 幅12.5cmの巾太タイプ、幅3センチの巾細タイプ、家屋への侵入を防ぐ雨どい設置タイプを用意しております。それぞれ、安価で加工が簡単なスチール製と、雨等に強く耐用年数が長いステンレス製タイプがあります。...
サル被害対策のポイント
学習能力が高く、木などに登ることが得意なサル。日本全国に広く分布しており雑食性のため、作物に被害を与える厄介者として認知されていることも多いです。今回は、サルの被害対策について説明したいと思います。 サルの特徴 雑食で、葉っぱ・種子・根菜類・新芽・果物・果汁・昆虫など様々なものを食べます。学習能力が高いため、一度餌場と認識した場所は頻繁に訪れるようになります。 おいしいエサにありつけた場所や、危険であると学習した場所、人間の顔もすぐに覚えます。「登る」ことが得意なため、設置している柵があっても、登ったりして簡単に突破してしまいます。 こちらの記事もどうぞ 獣害対策~ニホンザルの被害防除、捕獲について >> サル被害の特徴 サル被害は年中発生しますが、特に春と秋に多くなります。作物の味を覚えると、人慣れしていない最初のうちは、少量の作物をこっそり取っていく程度ですが、人慣れが進むと、人間が近くにいても食物を奪いだします。 家屋内に侵入したり、人間が持っている食物を奪い取ったりもします。 基本的には群れで行動するため、単体が畑から食物を取っていくのを見た別の個体がそれを学習し、そのうち群れでやってくるようになります。 サル対策について 上記のような特徴があるため、個人で対策するのは限界があります。地域のメンバーで協力し、地域ぐるみで対策していくことが重要です。 餌場と認識させない 放棄作物など、サルの食べ物になるようなものは放置しないようにしましょう。取り残した野菜、柿など放置果樹、稲のヒコバエや落穂、捨てられたホダ木から出たシイタケなど、人間が普段食べ物と認識していないものでも、サルにとっては餌になります。 人慣れをさせない 上記のとおりサルが人慣れすると、被害はエスカレートしていきます。人間は怖い・危険な存在と認識させるよう、サルを見かけたら追い払いを必ず実施しましょう。 ロケット花火や爆竹、パチンコ(スリングショット)等を使用して追い払いを実施している地域もあります。「人間のエリアに近づくな」という姿勢をサルに理解させることが重要です。 防護柵を設置する 田畑を防護柵で囲んでサルの侵入を防ぐことも有効です。 電気柵の間隔が広いと、サルが電気の刺激を感じる前に潜り抜けたりします。また、柱を伝って登れるようになっている場合は簡単に侵入されてしまいます。 また、柵の外側において、樹木が近くにあると、飛び移って侵入してくる場合もあります。柵の高さが低い場合も簡単に突破されますので、高さは2メートル以上あるのが望ましいです。 イノシシ等の対策として既に電気柵を設置されている場合もあるかと思いますが、可能であればサルの特性も考慮すると良いでしょう。十分でなくても、柵があるのとないのでは対策効果が全く変わります。 最終手段としての有害駆除 被害を中心になって引き起こしている個体が特定できる場合は、捕獲することも有効です。しかしながら、群れの中心となっているメスを捕獲した場合など、捕獲によって群れが分断され、反って被害が広がる可能性もあります。むやみな駆除は逆効果となる場合もあるので、専門家に相談してみるのも良いでしょう。 こちらの記事もどうぞ 野生動物との共存を目指す鳥獣害対策のプロ集団>> サル対策お役立ち品 イノホイでは、サル等の「登る」ことが得意な動物が、柵などに登ることを諦めるように考慮した商品を販売しています。高さ6mm・間隔11mmのトゲトゲによってサル等を撃退。設置も簡単で、実績も多くあります。 幅12.5cmの巾太タイプ、幅3センチの巾細タイプ、家屋への侵入を防ぐ雨どい設置タイプを用意しております。それぞれ、安価で加工が簡単なスチール製と、雨等に強く耐用年数が長いステンレス製タイプがあります。...
くくり罠の作り方
目次 1準備するもの 1必要な工具等 2くくり罠のパーツを用意する 2くくり罠の作り方 1ワイヤーを切る 2塩ビパイプを準備する 3支柱側のワイヤーを作る 4スネア部分を作る 5塩ビ管とバネ、ストッパーを準備する 6サルカンを装着する 7最終チェック 8踏み板部分も自作してみたい方へ 3当店のくくり罠のご紹介 1くくり罠完成品 2くくり罠自作キット 3踏み板 イノシシやシカをはじめ、野生鳥獣を捕獲するために使用される「くくり罠」。今年の狩猟解禁日も近づいてきており、「今期は自作にチャレンジしてみたい!」という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、くくり罠の作成方法を説明しようと思います。 準備するもの くくり罠を組み立てるにあたって、必要な工具・道具を紹介します。今回は、くくり罠の中で最もポピュラーな、押しバネを使用した「跳ね上げ式タイプ」で説明します。 ①必要な工具等 1:ワイヤーロープを切断するカッター ワイヤーロープを切断するために、専用のカッターを用意します。必ず、切断するワイヤー径に適合したものを準備しましょう。 ワイヤーロープ切断に適さないペンチ等で無理やり切断しようとすると、刃こぼれしたり、ワイヤーロープの素線がグチャグチャになったり、うまく切断できなかったりするので、必ずワイヤーロープ切断用の工具を使いましょう。 2:スリーブ(クランプ)を加締めするスエージャー くくり罠を作る際、ワイヤーロープの断端を処理したり、輪っかを作ったりする個所が出てきます。そういった場合は、スリーブ(クランプ)を用いてワイヤーロープを加締める作業が必要になります。 こちらも、加締めるワイヤー径に適応したものを使用します。 カッターとスエージャーと一体化されているタイプもあり、便利です(販売ページはこちら)。 3:ドリル 圧縮したバネを納めるための塩ビ管を加工するためのドリルになります。ワイヤーを通す穴を塩ビキャップに開けたりする作業に使います。ハンディタイプの電動ドリルでも良いですが、ブレてケガをする恐れがあるので、卓上ボール盤がベストです。...
くくり罠の作り方
目次 1準備するもの 1必要な工具等 2くくり罠のパーツを用意する 2くくり罠の作り方 1ワイヤーを切る 2塩ビパイプを準備する 3支柱側のワイヤーを作る 4スネア部分を作る 5塩ビ管とバネ、ストッパーを準備する 6サルカンを装着する 7最終チェック 8踏み板部分も自作してみたい方へ 3当店のくくり罠のご紹介 1くくり罠完成品 2くくり罠自作キット 3踏み板 イノシシやシカをはじめ、野生鳥獣を捕獲するために使用される「くくり罠」。今年の狩猟解禁日も近づいてきており、「今期は自作にチャレンジしてみたい!」という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、くくり罠の作成方法を説明しようと思います。 準備するもの くくり罠を組み立てるにあたって、必要な工具・道具を紹介します。今回は、くくり罠の中で最もポピュラーな、押しバネを使用した「跳ね上げ式タイプ」で説明します。 ①必要な工具等 1:ワイヤーロープを切断するカッター ワイヤーロープを切断するために、専用のカッターを用意します。必ず、切断するワイヤー径に適合したものを準備しましょう。 ワイヤーロープ切断に適さないペンチ等で無理やり切断しようとすると、刃こぼれしたり、ワイヤーロープの素線がグチャグチャになったり、うまく切断できなかったりするので、必ずワイヤーロープ切断用の工具を使いましょう。 2:スリーブ(クランプ)を加締めするスエージャー くくり罠を作る際、ワイヤーロープの断端を処理したり、輪っかを作ったりする個所が出てきます。そういった場合は、スリーブ(クランプ)を用いてワイヤーロープを加締める作業が必要になります。 こちらも、加締めるワイヤー径に適応したものを使用します。 カッターとスエージャーと一体化されているタイプもあり、便利です(販売ページはこちら)。 3:ドリル 圧縮したバネを納めるための塩ビ管を加工するためのドリルになります。ワイヤーを通す穴を塩ビキャップに開けたりする作業に使います。ハンディタイプの電動ドリルでも良いですが、ブレてケガをする恐れがあるので、卓上ボール盤がベストです。...
【徹底解説】くくり罠の特徴や成果の上げ方とは?
イノシシやシカをはじめとした野生鳥獣を捕獲するために、よく使われるのが罠です。ひとくちに罠といっても世の中には色々な種類のものがありますが、代表的なのが獣の足などをワイヤーで括る(くくる)ことによって捕らえる「くくり罠」です。 とはいえ、くくり罠は獣の動きを読んで設置しなければならないため、初心者にとってはハードルが高く、分からないことも多いのではないでしょうか? 当店では年間数千個程くくり罠を製造・販売しており、多くのユーザー様から様々なフィードバックをいただいています。その経験を基に、これまでも多くの情報発信をさせていただいておりますので、今回はそれら過去に発信させていただいた情報をダイジェストでご紹介したいと思います。くくり罠について知りたい方はぜひ参考にしてください。 そもそも、くくり罠って? くくり罠とは、イノシシやシカなど野生鳥獣を捕獲するための罠の1種です。具体的には、獲物が通りそうな獣道にあらかじめ罠を仕掛けておき、獲物が足で罠を踏み抜くとバネの力で罠が作動。ワイヤーが獣の足を括り(くくり)捕獲する仕組みです。獲物の胴体や首を括る「胴くくり」という方法もありますが、一般的には足を括る「足くくり」が多く使用されています。 くくり罠の特徴 他の罠と比べた時のくくり罠の特徴としては、小型で軽量な点が挙げられます。檻の中に餌をおいて捕獲する箱罠だと、重量が100Kgを超えるものもあり、設置や運搬に労力がかかってしまいますが、その点くくり罠なら小型で持ち運びも手軽なことから、他の種類の罠と比較すると場所をえらばず設置や撤去も簡単です。 一度に多くの数を設置することもできるので、効率よく捕獲することができます。また、明らかに人工物である箱罠と比べると、くくり罠は獣に気づかれないよう仕掛けるので、警戒心が高い獣に対しても有効な捕獲手段となります。 初心者でも仕掛けてすぐに捕まえることができる人もいれば、なかなか難しいと仰るかたもいらっしゃいます。※余談ですが、魚釣りが上手な方はくくり罠も得意な方が多い傾向があるように思います。 当店のくくり罠は、「簡単設置で安くて良く獲れる」をモットーに、踏み板+スプリングをセットにして仕掛ける跳ね上げ式のくくり罠です。 動作の原理としては、 ①獣の通り道に台座となる塩ビ管を地中に埋めます。②踏み板(獣が踏む部分)に付属のレールに、獣の足をくくるワイヤーの輪っか(スネア)を巻き付けます。③押しバネを押し込み、圧縮した状態で固定します。④踏み板を①の台座の上に置き、薄く土や葉っぱをかぶせます。⑤獣が踏み板を踏み抜くと、バネの力でスネアが上に跳ね上がり、スネアが締まって獣の足を捕らえます。 以下の動画にて、くくり罠の動作を分かりやすく撮影していますので、ご参考ください。 こちらの記事もどうぞ 年間300頭の捕獲事例も!ファーレ旭式くくり罠の紹介>> 構成部品やパーツをご紹介 では、くくり罠を構成する部品やパーツについて見ていきましょう。くくり罠は主に次のパーツから構成されています。 くくり罠の構成部品 01:押しバネ 02:ワイヤーロープ 03:アルミスリーブ 04:サルカン 05:シャックル 06:くくり金具 07:ストッパー(シングル) 08:ストッパー(ダブル) 09:塩ビ管セット 10:踏み板 まず「ワイヤー」ですが、獲物の足をくくる役割や、支柱となる立木に固定するなどくくり罠には欠かせないパーツです。キンク(ワイヤーが折れ曲がって元に戻らない状態)が生じるとワイヤーの強度が著しく下がりますので、交換頻度が最も高いパーツになります。 ワイヤーについては以下の記事でも詳しく説明していますので、ご一読ください。 こちらの記事もどうぞ くくり罠のワイヤーについて詳しく知りたい>> 「スリーブ」は、ワイヤーを結束する際に使用するパーツです。ワイヤーをスリーブの中に2回通して、専用の工具をつかってかしめる(加締める)ことによって固定します。ワイヤー端部の処理や、輪っかを作ったりする際に、必ず必要になるパーツです。 くくり罠の動力となるのが、「バネ」部分。このバネの性能は罠の作動を大きく左右する部分で、押しバネや引きバネ、松葉式(ねじりバネ)など複数の種類があります。 押しバネを使っている方が最も多く、圧縮させたバネが伸びる力を利用して罠スネアが締まります。逆に引きバネは、バネが縮む力でワイヤーのスネアが締まります。ねじりバネは、折り畳んだ状態からバネが開くことによってスネアが締まります。 バネの力が強いほど、罠の作動は早くなりますが、仕掛ける際に強い力が必要だったり、暴発でケガをするリスクも出てきますので、自分に合ったバネを使うのがポイントです。 ※ねじりバネが最も力が強いですが、罠を仕掛ける際に誤って開いたバネが顔面に直撃して失明した事例などもあり、当店では押しバネ構造を採用しています。...
【徹底解説】くくり罠の特徴や成果の上げ方とは?
イノシシやシカをはじめとした野生鳥獣を捕獲するために、よく使われるのが罠です。ひとくちに罠といっても世の中には色々な種類のものがありますが、代表的なのが獣の足などをワイヤーで括る(くくる)ことによって捕らえる「くくり罠」です。 とはいえ、くくり罠は獣の動きを読んで設置しなければならないため、初心者にとってはハードルが高く、分からないことも多いのではないでしょうか? 当店では年間数千個程くくり罠を製造・販売しており、多くのユーザー様から様々なフィードバックをいただいています。その経験を基に、これまでも多くの情報発信をさせていただいておりますので、今回はそれら過去に発信させていただいた情報をダイジェストでご紹介したいと思います。くくり罠について知りたい方はぜひ参考にしてください。 そもそも、くくり罠って? くくり罠とは、イノシシやシカなど野生鳥獣を捕獲するための罠の1種です。具体的には、獲物が通りそうな獣道にあらかじめ罠を仕掛けておき、獲物が足で罠を踏み抜くとバネの力で罠が作動。ワイヤーが獣の足を括り(くくり)捕獲する仕組みです。獲物の胴体や首を括る「胴くくり」という方法もありますが、一般的には足を括る「足くくり」が多く使用されています。 くくり罠の特徴 他の罠と比べた時のくくり罠の特徴としては、小型で軽量な点が挙げられます。檻の中に餌をおいて捕獲する箱罠だと、重量が100Kgを超えるものもあり、設置や運搬に労力がかかってしまいますが、その点くくり罠なら小型で持ち運びも手軽なことから、他の種類の罠と比較すると場所をえらばず設置や撤去も簡単です。 一度に多くの数を設置することもできるので、効率よく捕獲することができます。また、明らかに人工物である箱罠と比べると、くくり罠は獣に気づかれないよう仕掛けるので、警戒心が高い獣に対しても有効な捕獲手段となります。 初心者でも仕掛けてすぐに捕まえることができる人もいれば、なかなか難しいと仰るかたもいらっしゃいます。※余談ですが、魚釣りが上手な方はくくり罠も得意な方が多い傾向があるように思います。 当店のくくり罠は、「簡単設置で安くて良く獲れる」をモットーに、踏み板+スプリングをセットにして仕掛ける跳ね上げ式のくくり罠です。 動作の原理としては、 ①獣の通り道に台座となる塩ビ管を地中に埋めます。②踏み板(獣が踏む部分)に付属のレールに、獣の足をくくるワイヤーの輪っか(スネア)を巻き付けます。③押しバネを押し込み、圧縮した状態で固定します。④踏み板を①の台座の上に置き、薄く土や葉っぱをかぶせます。⑤獣が踏み板を踏み抜くと、バネの力でスネアが上に跳ね上がり、スネアが締まって獣の足を捕らえます。 以下の動画にて、くくり罠の動作を分かりやすく撮影していますので、ご参考ください。 こちらの記事もどうぞ 年間300頭の捕獲事例も!ファーレ旭式くくり罠の紹介>> 構成部品やパーツをご紹介 では、くくり罠を構成する部品やパーツについて見ていきましょう。くくり罠は主に次のパーツから構成されています。 くくり罠の構成部品 01:押しバネ 02:ワイヤーロープ 03:アルミスリーブ 04:サルカン 05:シャックル 06:くくり金具 07:ストッパー(シングル) 08:ストッパー(ダブル) 09:塩ビ管セット 10:踏み板 まず「ワイヤー」ですが、獲物の足をくくる役割や、支柱となる立木に固定するなどくくり罠には欠かせないパーツです。キンク(ワイヤーが折れ曲がって元に戻らない状態)が生じるとワイヤーの強度が著しく下がりますので、交換頻度が最も高いパーツになります。 ワイヤーについては以下の記事でも詳しく説明していますので、ご一読ください。 こちらの記事もどうぞ くくり罠のワイヤーについて詳しく知りたい>> 「スリーブ」は、ワイヤーを結束する際に使用するパーツです。ワイヤーをスリーブの中に2回通して、専用の工具をつかってかしめる(加締める)ことによって固定します。ワイヤー端部の処理や、輪っかを作ったりする際に、必ず必要になるパーツです。 くくり罠の動力となるのが、「バネ」部分。このバネの性能は罠の作動を大きく左右する部分で、押しバネや引きバネ、松葉式(ねじりバネ)など複数の種類があります。 押しバネを使っている方が最も多く、圧縮させたバネが伸びる力を利用して罠スネアが締まります。逆に引きバネは、バネが縮む力でワイヤーのスネアが締まります。ねじりバネは、折り畳んだ状態からバネが開くことによってスネアが締まります。 バネの力が強いほど、罠の作動は早くなりますが、仕掛ける際に強い力が必要だったり、暴発でケガをするリスクも出てきますので、自分に合ったバネを使うのがポイントです。 ※ねじりバネが最も力が強いですが、罠を仕掛ける際に誤って開いたバネが顔面に直撃して失明した事例などもあり、当店では押しバネ構造を採用しています。...
くくり罠のワイヤーについて詳しく知りたい
獣の足をワイヤーで「括る(くくる)」ことによって捕獲する、くくり罠。構成する部品のなかでも、ワイヤーは必ず必要になる部品です。現在は「ワイヤーロープ」といって、金属の素線を編み合わせたロープを使うのが一般的です。 理由としては、ワイヤーロープは普通のロープよりも引張強度が高く、かつある程度柔軟性があるため、イノシシやシカなど力が強い獣を捕獲するための罠に向いているからです。 外見上は一見どれも一緒に見えるワイヤーロープですが、実は様々な種類があり、罠に使用するために知っておいたほうが良いことがいくつかあります。 使える太さにも決まりがある イノシシやシカを捕獲するためには、径が4ミリより小さいワイヤーロープは使用が禁止されています。狩猟に馴染みがない人からすると、径が3ミリのものでも十分に強度があるように見えますが、野生の力は思った以上に強いもの。 生死がかかっているので、彼らも必死です。捕獲した状態でも、大き目の獣が下り坂で勢いをつけたりするとワイヤーが切れてしまうことがあります。 キンクに気を付けよう くくり罠を現場で使っていると、キンク(折れ曲がりによって元の形状に戻らない)や形くずれ(ストランドが浮き上がったり、撚りが崩れたりする)が生じます。キンクや形くずれが生じてしまうと、元には戻りません。 外観上はキンクが直ったように見えても、実際は損傷は戻っておらず、その部分が起点となってロープが早く傷んでいきます。キンクが生じてしまうと、強度が6割近く低下する場合もありますので、ワイヤーロープに損傷が見られた場合は消耗品と割り切って新しいものに交換しましょう。 キンクが生じる原因は、ワイヤーが捩れた状態で引っ張られることです。くくり罠を使う場面ではどうしても避けられないシチュエーションですが、できるだけ捩れが生じないようにするため、より戻し(サルカン)を必ず装着するようにしましょう。 ワイヤーロープの構造 ワイヤーロープの径は、とにかく太いのを使えばよいのか?答えは「NO」です。ワイヤーが太くなると、その分硬さも出てしまいます。そのため、締め付けが甘くなったり、くくり罠の作動が鈍くなったりもします。 そこで、考慮するべきポイントがあります。それが素線やストランドの本数と、芯の素材です。 ワイヤーロープは細い「素線」が編みこまれた構造になっています。この素線を複数撚り合わせたものを「ストランド」と呼び、それが「芯」のまわりに複数撚り合わされることでワイヤーロープを構成しています。 芯の種類も複数あり、繊維芯タイプと金芯(鋼芯)タイプがあります。繊維芯タイプは柔軟性が高いため、捕獲率は上がります。繊維芯の素材は、天然繊維である麻やポリプロピレンを撚り合わせたものが使われています。 一方で金芯タイプは柔軟性が乏しくなってしまい罠の作動が悪くなってしまいますが、強度は強くなります。 ストランドを構成する素線の本数と、芯の周りのストランド本数によって、「6×24」と表現したり、「6×19」と表現したりします。例えば芯の周りに6本のストランドがあり、ストランドが24本の素線で構成されている場合は「6×24」と表現します。 同じワイヤーロープの太さなら、素線の本数が多いほうが柔らかくなりますが、その分ねじれてしまってキンクが生じやすくなります。キンクが生じたワイヤーロープで大物獣がかかると、ワイヤーが切れてしまいますので注意しましょう。 当店では、罠の作動と強度のバランス等を鑑み、4ミリ径 6×19の繊維芯タイプを主に使用しています。 油抜きかどうかも考慮するべき ワイヤーロープは柔軟性をもたせるために、一般的に潤滑油(グリース)が塗布されています。しかしながら、油の匂いは野生の獣にとって異質であり、特にイノシシは犬並みの嗅覚の鋭さを持つことから、忌避される恐れがあります。 そのため、くくり罠に使用するワイヤーロープを選ぶ際は、油抜きのものを選ぶことをおすすめします。 罠に獲物がかかっていたら 大物のイノシシは力が強く、ワイヤーロープにキンクがあると切ってしまうことも少なくありません。また、足がちぎれかかっている場合や、足の先のほうをワイヤーが括っている場合もあります。こういった場合は、ワイヤーロープが切れたり、ワイヤーが抜けたりして、逃げた獲物がこちらに向かって来ることを想定しつつ、くれぐれも怪我がないよう注意しましょう。 獲物がかかっていることを確認したら、まずは遠巻きから括っている位置や状態を確認し、坂になっている場所では高いほうから獲物に近づくようにしましょう。くくり罠用ワイヤーの商品一覧はこちら くくり罠の構成部品 自作の工具などをお持ちでない方には、組立済みスプリングセットもおすすめです。 01:押しバネ 02:ワイヤーロープ 03:アルミスリーブ 04:サルカン...
くくり罠のワイヤーについて詳しく知りたい
獣の足をワイヤーで「括る(くくる)」ことによって捕獲する、くくり罠。構成する部品のなかでも、ワイヤーは必ず必要になる部品です。現在は「ワイヤーロープ」といって、金属の素線を編み合わせたロープを使うのが一般的です。 理由としては、ワイヤーロープは普通のロープよりも引張強度が高く、かつある程度柔軟性があるため、イノシシやシカなど力が強い獣を捕獲するための罠に向いているからです。 外見上は一見どれも一緒に見えるワイヤーロープですが、実は様々な種類があり、罠に使用するために知っておいたほうが良いことがいくつかあります。 使える太さにも決まりがある イノシシやシカを捕獲するためには、径が4ミリより小さいワイヤーロープは使用が禁止されています。狩猟に馴染みがない人からすると、径が3ミリのものでも十分に強度があるように見えますが、野生の力は思った以上に強いもの。 生死がかかっているので、彼らも必死です。捕獲した状態でも、大き目の獣が下り坂で勢いをつけたりするとワイヤーが切れてしまうことがあります。 キンクに気を付けよう くくり罠を現場で使っていると、キンク(折れ曲がりによって元の形状に戻らない)や形くずれ(ストランドが浮き上がったり、撚りが崩れたりする)が生じます。キンクや形くずれが生じてしまうと、元には戻りません。 外観上はキンクが直ったように見えても、実際は損傷は戻っておらず、その部分が起点となってロープが早く傷んでいきます。キンクが生じてしまうと、強度が6割近く低下する場合もありますので、ワイヤーロープに損傷が見られた場合は消耗品と割り切って新しいものに交換しましょう。 キンクが生じる原因は、ワイヤーが捩れた状態で引っ張られることです。くくり罠を使う場面ではどうしても避けられないシチュエーションですが、できるだけ捩れが生じないようにするため、より戻し(サルカン)を必ず装着するようにしましょう。 ワイヤーロープの構造 ワイヤーロープの径は、とにかく太いのを使えばよいのか?答えは「NO」です。ワイヤーが太くなると、その分硬さも出てしまいます。そのため、締め付けが甘くなったり、くくり罠の作動が鈍くなったりもします。 そこで、考慮するべきポイントがあります。それが素線やストランドの本数と、芯の素材です。 ワイヤーロープは細い「素線」が編みこまれた構造になっています。この素線を複数撚り合わせたものを「ストランド」と呼び、それが「芯」のまわりに複数撚り合わされることでワイヤーロープを構成しています。 芯の種類も複数あり、繊維芯タイプと金芯(鋼芯)タイプがあります。繊維芯タイプは柔軟性が高いため、捕獲率は上がります。繊維芯の素材は、天然繊維である麻やポリプロピレンを撚り合わせたものが使われています。 一方で金芯タイプは柔軟性が乏しくなってしまい罠の作動が悪くなってしまいますが、強度は強くなります。 ストランドを構成する素線の本数と、芯の周りのストランド本数によって、「6×24」と表現したり、「6×19」と表現したりします。例えば芯の周りに6本のストランドがあり、ストランドが24本の素線で構成されている場合は「6×24」と表現します。 同じワイヤーロープの太さなら、素線の本数が多いほうが柔らかくなりますが、その分ねじれてしまってキンクが生じやすくなります。キンクが生じたワイヤーロープで大物獣がかかると、ワイヤーが切れてしまいますので注意しましょう。 当店では、罠の作動と強度のバランス等を鑑み、4ミリ径 6×19の繊維芯タイプを主に使用しています。 油抜きかどうかも考慮するべき ワイヤーロープは柔軟性をもたせるために、一般的に潤滑油(グリース)が塗布されています。しかしながら、油の匂いは野生の獣にとって異質であり、特にイノシシは犬並みの嗅覚の鋭さを持つことから、忌避される恐れがあります。 そのため、くくり罠に使用するワイヤーロープを選ぶ際は、油抜きのものを選ぶことをおすすめします。 罠に獲物がかかっていたら 大物のイノシシは力が強く、ワイヤーロープにキンクがあると切ってしまうことも少なくありません。また、足がちぎれかかっている場合や、足の先のほうをワイヤーが括っている場合もあります。こういった場合は、ワイヤーロープが切れたり、ワイヤーが抜けたりして、逃げた獲物がこちらに向かって来ることを想定しつつ、くれぐれも怪我がないよう注意しましょう。 獲物がかかっていることを確認したら、まずは遠巻きから括っている位置や状態を確認し、坂になっている場所では高いほうから獲物に近づくようにしましょう。くくり罠用ワイヤーの商品一覧はこちら くくり罠の構成部品 自作の工具などをお持ちでない方には、組立済みスプリングセットもおすすめです。 01:押しバネ 02:ワイヤーロープ 03:アルミスリーブ 04:サルカン...
国や自治体が取り組む鳥獣被害対策について
目次 1令和2年の農林水産予算の概要 2A:⿃獣被害防⽌総合対策交付⾦について 1支援の対象となる事業の例 3B:シカによる森林被害緊急対策事業について 1事業の内容 4都道府県の対策 5個人が補助を受けるには? 6補助金交付の例 1千葉県袖ヶ浦市 2福島県白河市 3北海道京極町 7まとめ 近年、おもに中山間地域を中心にイノシシ・シカ等の獣類やカラス・ハト等の鳥類による農作物への被害が多発しています。全国の被害額は平成30年度で約158億円となっており、農業を営む方にとっては営農意欲が無くなるほどの深刻な状況が続いています。 また、農作物被害だけでなく、住宅地への侵入や車両と獣の衝突事故、家屋の糞尿被害など、上記被害額以外にも様々な被害が発生しています。 令和2年の農林水産予算の概要 農林水産省は、「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」に基づき、被害が発生している地域の各市町村が中心となって実施する施策に対して、支援を行っています。 支援内容としては、「A:⿃獣被害防⽌総合対策交付⾦」と「B:シカによる森林被害緊急対策事業」の2つがあります。 上記の政策目標としては、 深刻な農作物被害を⽣じさせているシカ、イノシシ、サルの捕獲を強化すること、野⽣⿃獣のジビエ利⽤量を拡⼤することが掲げられています。 A:⿃獣被害防⽌総合対策交付⾦について 各市町村が中心となって作成した「被害防⽌計画」に基づく取組等を総合的に⽀援するための交付金です。令和2年度の予算額は約100億円です。▶鳥獣被害防止計画の例(神戸市) 支援の対象となる事業の例 鳥獣被害対策のための機材購入や環境管理・捕獲活動経費の支援や、ICTを活用した捕獲の効率化、捕獲・処理加工の人材育成、ジビエ肉用途や新規用途の利用拡大のための設備導入などが支援の対象となります。例としては、以下のとおりになります。 ①総合的な⿃獣被害対策 ・侵⼊防⽌柵の設置/再編整備や捕獲機材の導⼊ ・刈り払い等による害獣の⽣息環境管理 ・捕獲活動経費の直接⽀援 ・捕獲技術⾼度化施設の整備・導入支援 ・焼却施設の整備・導入支援...
国や自治体が取り組む鳥獣被害対策について
目次 1令和2年の農林水産予算の概要 2A:⿃獣被害防⽌総合対策交付⾦について 1支援の対象となる事業の例 3B:シカによる森林被害緊急対策事業について 1事業の内容 4都道府県の対策 5個人が補助を受けるには? 6補助金交付の例 1千葉県袖ヶ浦市 2福島県白河市 3北海道京極町 7まとめ 近年、おもに中山間地域を中心にイノシシ・シカ等の獣類やカラス・ハト等の鳥類による農作物への被害が多発しています。全国の被害額は平成30年度で約158億円となっており、農業を営む方にとっては営農意欲が無くなるほどの深刻な状況が続いています。 また、農作物被害だけでなく、住宅地への侵入や車両と獣の衝突事故、家屋の糞尿被害など、上記被害額以外にも様々な被害が発生しています。 令和2年の農林水産予算の概要 農林水産省は、「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」に基づき、被害が発生している地域の各市町村が中心となって実施する施策に対して、支援を行っています。 支援内容としては、「A:⿃獣被害防⽌総合対策交付⾦」と「B:シカによる森林被害緊急対策事業」の2つがあります。 上記の政策目標としては、 深刻な農作物被害を⽣じさせているシカ、イノシシ、サルの捕獲を強化すること、野⽣⿃獣のジビエ利⽤量を拡⼤することが掲げられています。 A:⿃獣被害防⽌総合対策交付⾦について 各市町村が中心となって作成した「被害防⽌計画」に基づく取組等を総合的に⽀援するための交付金です。令和2年度の予算額は約100億円です。▶鳥獣被害防止計画の例(神戸市) 支援の対象となる事業の例 鳥獣被害対策のための機材購入や環境管理・捕獲活動経費の支援や、ICTを活用した捕獲の効率化、捕獲・処理加工の人材育成、ジビエ肉用途や新規用途の利用拡大のための設備導入などが支援の対象となります。例としては、以下のとおりになります。 ①総合的な⿃獣被害対策 ・侵⼊防⽌柵の設置/再編整備や捕獲機材の導⼊ ・刈り払い等による害獣の⽣息環境管理 ・捕獲活動経費の直接⽀援 ・捕獲技術⾼度化施設の整備・導入支援 ・焼却施設の整備・導入支援...
2020年(令和2年)度 都道府県別。狩猟期間リスト
はじめに 鳥獣保護管理法に定められた狩猟期間は毎年10月15日(北海道は、毎年9月15日)から翌年4月15日までとされています。 しかしながら、これはあくまで法で定められる最大期間であり、実際は鳥獣の保護を図る観点から、鳥獣保護管理法施行規則によって以下のとおり狩猟期間が短縮されています。 北海道以外の区域 毎年11月15日~翌年2月15日 (猟区内 毎年10月15日~翌年3月15日) 北海道 毎年10月1日~翌年1月31日 (猟区内 毎年9月15日~翌年2月末日) なお、対象狩猟鳥獣や都道府県によっては、猟期を延長又は短縮していますので、以下の内容を参考にされてください。※掲載されていない情報がある場合があります。最新の情報は狩猟を行う地域の自治体担当課にご確認ください。 また狩猟期間中においても、狩猟に係る行為が禁止又は制限されている区域(指定猟法禁止区域、鳥獣保護区、休猟区、特定猟具使用禁止・制限区域、猟区/放鳥獣猟区)がありますので、ご注意ください。 他にも、メスキジ・メスヤマドリは、平成34年9月14日まで全国一円で捕獲が禁止されています。ウズラは、平成24年6月に狩猟鳥獣の指定が解除され、捕獲できません。 都道府県別 狩猟期間 北海道・東北 関東 中部 関西 中国 四国 九州・沖縄 北海道 上述の通り、猟期は毎年10月1日~翌年1月31日です。 エゾジカ猟の規制緩和 エゾシカの個体数削減のため、狩猟においてもメスジカの捕獲数をできる限り確保する必要があることから、メスジカ捕獲の規制緩和が継続されています。 可猟期間 振興局 市町村 10月01日~3月31日 釧路...
2020年(令和2年)度 都道府県別。狩猟期間リスト
はじめに 鳥獣保護管理法に定められた狩猟期間は毎年10月15日(北海道は、毎年9月15日)から翌年4月15日までとされています。 しかしながら、これはあくまで法で定められる最大期間であり、実際は鳥獣の保護を図る観点から、鳥獣保護管理法施行規則によって以下のとおり狩猟期間が短縮されています。 北海道以外の区域 毎年11月15日~翌年2月15日 (猟区内 毎年10月15日~翌年3月15日) 北海道 毎年10月1日~翌年1月31日 (猟区内 毎年9月15日~翌年2月末日) なお、対象狩猟鳥獣や都道府県によっては、猟期を延長又は短縮していますので、以下の内容を参考にされてください。※掲載されていない情報がある場合があります。最新の情報は狩猟を行う地域の自治体担当課にご確認ください。 また狩猟期間中においても、狩猟に係る行為が禁止又は制限されている区域(指定猟法禁止区域、鳥獣保護区、休猟区、特定猟具使用禁止・制限区域、猟区/放鳥獣猟区)がありますので、ご注意ください。 他にも、メスキジ・メスヤマドリは、平成34年9月14日まで全国一円で捕獲が禁止されています。ウズラは、平成24年6月に狩猟鳥獣の指定が解除され、捕獲できません。 都道府県別 狩猟期間 北海道・東北 関東 中部 関西 中国 四国 九州・沖縄 北海道 上述の通り、猟期は毎年10月1日~翌年1月31日です。 エゾジカ猟の規制緩和 エゾシカの個体数削減のため、狩猟においてもメスジカの捕獲数をできる限り確保する必要があることから、メスジカ捕獲の規制緩和が継続されています。 可猟期間 振興局 市町村 10月01日~3月31日 釧路...
イノシシの嫌がるものとは?
年間約50億円ほどの農作物被害を出すイノシシ。農作物被害だけでなく、都市部ではゴミを荒らしたり、人を襲ったり、車とぶつかったり。テレビでの報道も増えてきており厄介者というイメージが広まってきていますが、殺さずに人間を避けてくれるならそれに越したことはありません。この記事では、イノシシが嫌がるものをいくつか紹介したいと思います。 カプサイシン+青色資材 唐辛子の辛みの主成分であるカプサイシン。人間でも唐辛子が皮膚に触れると、ヒリヒリした感じがしたり、くしゃみや涙が出たりしますよね。筆者は昔、生の唐辛子のへたや種を取る作業をしたことがありますが、最初はヒリヒリ程度だったのが、あとで火傷したぐらい痛くなった経験があります。 そういった刺激を感じる理由は、カプサイシンが神経を刺激するためですが、野生鳥獣に対する忌避効果もあります。イノシシも唐辛子の匂いに対して忌避行動を示します。 過去に野生イノシシに対する忌避資材を検証した実験があり、トウガラシエキス +木酢液については忌避効果が見られなかったという結果となったため(和歌山県農林水産総合技術センター研究報告)、カプサイシンはイノシシに対して効果がないという意見もあります。 一方で、別の地域では青色資材とカプサイシンを組み合わせることで、イノシシ侵入防止の成果を上げています(群馬県教育委員会 環境実践事例集)。ここでも、カプサイシンだけを散布した場合は、短期的な効果があったもののすぐに効果が薄れたという結果になっています。 忌避効果を上げるには、青色資材とカプサイシンの組み合わせがポイントのようです。イノシシは2型2色型色覚で、緑色を感知する視細胞がありません。そのため、赤や緑は認識できず、青色のみを認識すると言われています。 カプサイシン+青色資材の忌避効果を利用したイノシシ忌避商品も開発されており、田畑・ゴルフ場・NEXCOやJRでも採用されています。百聞は一見に如かず。以下の動画でその様子を確認することができます。対象商品の一覧はこちら 超音波や光 超音波や光を用いて、イノシシやその他野生鳥獣の忌避を目的とした商品も多く見られるようになりました。 超音波とは、人間の耳には聞こえ難い高い周波数(振動数)を持つ音波です。人間の耳は20Hz〜20kHzの周波数の音波を聞くことが出来ると言われていますが、それより高い周波数の音を照射することで、害獣を威嚇し逃避させるメカニズムです。 イノシシを対象に水飲み場付近に超音波照射装置を設置した実験があります(参考)。これによると、超音波照射前後で、水飲み場付近での滞在時間が平均して約 50%以上減少、特に、約70db以上の音量かつ20kHz前後の超音波の照射を嫌がり、忌避行動をとることが確認されたとのこと。 超音波発信機搭載のドローンを使ってイノシシを追い払う試みも実施されています(参考記事)。赤外線カメラを使ってイノシシを見つけ、接近して4kHz~50kHzの超音波を出すと、一目散に逃げていく様子が確認できたといいます。※そもそも、ドローンに驚いて逃げて行った可能性もあります。。。 また、前述の通りイノシシが青色に対して忌避することを生かし、青色LEDを自動点滅する商品も多く販売されています。山口県では、センサーにより発光する強力なLEDライトを利用した新たなイノシシ被害軽減対策の実証試験が実施されています(山口県の報道発表)。 爆音 一昔前は、LPガスを使った爆音機が多く見られました。定期的に「ドカーン!」と爆音を鳴らすもので、初めのうちはイノシシも驚いて忌避効果が見られますが、そのうち慣れてしまって効果が無くなったという声をよく聞きました。また、音量の調節が難しいため、苦情にもつながりやすくなります。 それらを考慮し、猟犬の追い鳴きや、天敵であるオオカミの鳴き声などを発する商品も販売されるようになりました。センサーで作動し音量は自由に調節可能、イノシシが学習することによる慣れも考慮して様々な音をランダムで発するような仕組みとなっているものも見られます。 ※爆音機は比較的安価で取扱いも容易ですが、農地と住居が混在している場所での使用は騒音苦情の発生につながりやすくなりますので、十分な配慮が必要です。対象商品の一覧はこちら その他 天敵であるオオカミの尿を撒いたりすると効果が見られる場合もあります。一方で、オオカミの尿の臭いそのものに対する忌避行動は見られず、忌避効果が見られた要因は、急に臭いのある物が置かれたという環境の変化に警戒したと結論づけている過去の実験もあります(農研機構の研究報告)。イノシシは警戒心が強く、普段と違うものは警戒して避ける傾向があります。 猛獣の糞や人間の髪の毛なども忌避効果があると言われることがありますが、上の動画ではイノシシが忌避行動を示すことはなく、食べてしまっています。 他にも、一時的な忌避効果が見られたとされるものは、そのものをイノシシが避けていたのではなく、実は環境変化を警戒していたケースも考えられますので、根拠がないものを盲信するのは避けたほうが良いでしょう。 まとめ イノシシが嫌がるとされるものをまとめてみました。防護柵などで物理的に侵入防止対策をされている場合は、今回紹介したようなものを補完的に導入することで、防御力を上げることが期待できます。 また、藪の刈払いによって見晴らしを良くしたり、餌となるものを放置しないようにしてイノシシが寄り付かない環境をつくることが基本的な対策になります。 ▶イノシシ対策の特集ページはこちら>> イノシシ対策...
イノシシの嫌がるものとは?
年間約50億円ほどの農作物被害を出すイノシシ。農作物被害だけでなく、都市部ではゴミを荒らしたり、人を襲ったり、車とぶつかったり。テレビでの報道も増えてきており厄介者というイメージが広まってきていますが、殺さずに人間を避けてくれるならそれに越したことはありません。この記事では、イノシシが嫌がるものをいくつか紹介したいと思います。 カプサイシン+青色資材 唐辛子の辛みの主成分であるカプサイシン。人間でも唐辛子が皮膚に触れると、ヒリヒリした感じがしたり、くしゃみや涙が出たりしますよね。筆者は昔、生の唐辛子のへたや種を取る作業をしたことがありますが、最初はヒリヒリ程度だったのが、あとで火傷したぐらい痛くなった経験があります。 そういった刺激を感じる理由は、カプサイシンが神経を刺激するためですが、野生鳥獣に対する忌避効果もあります。イノシシも唐辛子の匂いに対して忌避行動を示します。 過去に野生イノシシに対する忌避資材を検証した実験があり、トウガラシエキス +木酢液については忌避効果が見られなかったという結果となったため(和歌山県農林水産総合技術センター研究報告)、カプサイシンはイノシシに対して効果がないという意見もあります。 一方で、別の地域では青色資材とカプサイシンを組み合わせることで、イノシシ侵入防止の成果を上げています(群馬県教育委員会 環境実践事例集)。ここでも、カプサイシンだけを散布した場合は、短期的な効果があったもののすぐに効果が薄れたという結果になっています。 忌避効果を上げるには、青色資材とカプサイシンの組み合わせがポイントのようです。イノシシは2型2色型色覚で、緑色を感知する視細胞がありません。そのため、赤や緑は認識できず、青色のみを認識すると言われています。 カプサイシン+青色資材の忌避効果を利用したイノシシ忌避商品も開発されており、田畑・ゴルフ場・NEXCOやJRでも採用されています。百聞は一見に如かず。以下の動画でその様子を確認することができます。対象商品の一覧はこちら 超音波や光 超音波や光を用いて、イノシシやその他野生鳥獣の忌避を目的とした商品も多く見られるようになりました。 超音波とは、人間の耳には聞こえ難い高い周波数(振動数)を持つ音波です。人間の耳は20Hz〜20kHzの周波数の音波を聞くことが出来ると言われていますが、それより高い周波数の音を照射することで、害獣を威嚇し逃避させるメカニズムです。 イノシシを対象に水飲み場付近に超音波照射装置を設置した実験があります(参考)。これによると、超音波照射前後で、水飲み場付近での滞在時間が平均して約 50%以上減少、特に、約70db以上の音量かつ20kHz前後の超音波の照射を嫌がり、忌避行動をとることが確認されたとのこと。 超音波発信機搭載のドローンを使ってイノシシを追い払う試みも実施されています(参考記事)。赤外線カメラを使ってイノシシを見つけ、接近して4kHz~50kHzの超音波を出すと、一目散に逃げていく様子が確認できたといいます。※そもそも、ドローンに驚いて逃げて行った可能性もあります。。。 また、前述の通りイノシシが青色に対して忌避することを生かし、青色LEDを自動点滅する商品も多く販売されています。山口県では、センサーにより発光する強力なLEDライトを利用した新たなイノシシ被害軽減対策の実証試験が実施されています(山口県の報道発表)。 爆音 一昔前は、LPガスを使った爆音機が多く見られました。定期的に「ドカーン!」と爆音を鳴らすもので、初めのうちはイノシシも驚いて忌避効果が見られますが、そのうち慣れてしまって効果が無くなったという声をよく聞きました。また、音量の調節が難しいため、苦情にもつながりやすくなります。 それらを考慮し、猟犬の追い鳴きや、天敵であるオオカミの鳴き声などを発する商品も販売されるようになりました。センサーで作動し音量は自由に調節可能、イノシシが学習することによる慣れも考慮して様々な音をランダムで発するような仕組みとなっているものも見られます。 ※爆音機は比較的安価で取扱いも容易ですが、農地と住居が混在している場所での使用は騒音苦情の発生につながりやすくなりますので、十分な配慮が必要です。対象商品の一覧はこちら その他 天敵であるオオカミの尿を撒いたりすると効果が見られる場合もあります。一方で、オオカミの尿の臭いそのものに対する忌避行動は見られず、忌避効果が見られた要因は、急に臭いのある物が置かれたという環境の変化に警戒したと結論づけている過去の実験もあります(農研機構の研究報告)。イノシシは警戒心が強く、普段と違うものは警戒して避ける傾向があります。 猛獣の糞や人間の髪の毛なども忌避効果があると言われることがありますが、上の動画ではイノシシが忌避行動を示すことはなく、食べてしまっています。 他にも、一時的な忌避効果が見られたとされるものは、そのものをイノシシが避けていたのではなく、実は環境変化を警戒していたケースも考えられますので、根拠がないものを盲信するのは避けたほうが良いでしょう。 まとめ イノシシが嫌がるとされるものをまとめてみました。防護柵などで物理的に侵入防止対策をされている場合は、今回紹介したようなものを補完的に導入することで、防御力を上げることが期待できます。 また、藪の刈払いによって見晴らしを良くしたり、餌となるものを放置しないようにしてイノシシが寄り付かない環境をつくることが基本的な対策になります。 ▶イノシシ対策の特集ページはこちら>> イノシシ対策...
イノシシ被害について
イノシシによる被害は里山に住む人にとって身近な問題です。中でも農業を営む方にとっては、作物を育て食し、売っていかなくてはならない中で、そこにイノシシ被害を受けてしまうことは大きな打撃になります。 高齢化や過疎化の影響もあり農家の経営はただでさえ苦しいですが、田畑が荒らされることが追い打ちとなり、営農意欲まで奪い取られてしまいます。 農林水産省の発表によると、イノシシによる農林水産被害額は平成30年度で約47億円となっており、農業を営む人にとっては死活問題となる深刻な事態です。 イノシシ被害の例 全国の野生鳥獣による農作物被害額は平成30年度で158億円となっています。被害を与える鳥獣はある程度限定されており、全体の約7割がシカ、イノシシ、サルによるものです。 このうち、イノシシによる被害は全体の約3割に達しています。 ※公表等されている被害は限定的で、正確な情報が把握されていなかったり、被害が少ない・程度が軽い場合もあるため、未公表の被害も多々あると思われます。 農作物に係る被害 イノシシによって人間が被害を被る中で、もっとも深刻なのは農作物が荒らされるケースです。中でもイネの被害金額は非常に高く、全国で24億円に達しています。 イノシシは雑食であるため、被害作物は多岐にわたります。また、栄養価が高く比較的消化しやすい部位を好むため、季節ごとに状況の良い作物を選んで集中して食害する傾向があります。イネの他にも、果樹や野菜、いも類の被害が顕著となっています。 食害だけでなく、田畑を掘り返されたり踏み荒らされたりして駄目にされる被害もあります。 被害の面積でみると、イネで3600ヘクタール、果樹で1000ヘクタールに達しています。因みに、1000ヘクタール(ha)は、東京ドーム約213個分の広さです。 こちらの記事もどうぞ:イノシシの生態・行動を詳しく解説 人身被害 イノシシは身体能力が高く、襲われて人身被害を受けるケースもあります。市街地でも多く発生していますが、こう言った場所では罠を使った捕獲が難しかったり、銃器の使用ができなかったりするため、簡単に解決できないケースも散見されます。 環境省は平成28年から人身被害件数を集計していますが、それによると被害件数は毎年50件前後、被害人数は50~70人前後を推移しています(狩猟や捕獲作業にともなう人身被害は除いた数値です)。被害が多い地域は、兵庫県、香川県、栃木県です。 こういった被害が起こる背景として、市街地にイノシシが出没するようになり、ゴミや餌付けなどによってイノシシが人慣れしてしまったことが考えられます。 また、市街地でのイノシシ被害の場合、住民が自身ごととしてとらえる意識は低く、自分たちで対策等を行うのではなく行政へ対応を求める場合が多く、地域ぐるみでの対策が困難となりがちです。 こちらの記事もどうぞ:イノシシ対策~何をすればよいのか?【市街地編】 生活環境被害 人身被害以外にも、交通事故やゴミ集積場を荒らす、家屋侵入等といった生活環境被害を受けるケースもあります。 これも、餌付けやゴミの放置をおこなった結果、人慣れしたイノシシが人間の生活圏内で被害を起こすようになった背景があります。 こういった状況をふまえ、人身被害や生活環境被害が多く発生している神戸市では、2014年に東灘区・中央区で相次いで発生したイノシシによる人身事故を受けて、神戸市では餌付け行為を指導・禁止する取り組みを強化するため、公表の規定等を追加する条例の改正を行いました。 イノシシ条例(神戸市いのししからの危害の防止に関する条例) 庭やクリーンステーションを荒らされるといった生活環境への被害や、人が噛み付かれたり、イノシシが原因で交通事故が起こるなど、イノシシ問題は、地域の住民の方にとって重大な問題となり、2002年5月1日から施行されました。 しかし、一部の住民が餌付けをやめなかったことから、市街地でのイノシシ出没が止まらず、イノシシへの餌付け等を禁止する「規制区域」の指定や、悪質な条例違反者に対する措置を盛り込んだ条例改正が行われました。 条例の内容は以下の通りとなります。 1.市はイノシシによる被害の防止のため、積極的に啓発活動を行います。 2.市は住民の方の意見を聴いて、規制区域を定めます。 3.規制区域では、...
イノシシ被害について
イノシシによる被害は里山に住む人にとって身近な問題です。中でも農業を営む方にとっては、作物を育て食し、売っていかなくてはならない中で、そこにイノシシ被害を受けてしまうことは大きな打撃になります。 高齢化や過疎化の影響もあり農家の経営はただでさえ苦しいですが、田畑が荒らされることが追い打ちとなり、営農意欲まで奪い取られてしまいます。 農林水産省の発表によると、イノシシによる農林水産被害額は平成30年度で約47億円となっており、農業を営む人にとっては死活問題となる深刻な事態です。 イノシシ被害の例 全国の野生鳥獣による農作物被害額は平成30年度で158億円となっています。被害を与える鳥獣はある程度限定されており、全体の約7割がシカ、イノシシ、サルによるものです。 このうち、イノシシによる被害は全体の約3割に達しています。 ※公表等されている被害は限定的で、正確な情報が把握されていなかったり、被害が少ない・程度が軽い場合もあるため、未公表の被害も多々あると思われます。 農作物に係る被害 イノシシによって人間が被害を被る中で、もっとも深刻なのは農作物が荒らされるケースです。中でもイネの被害金額は非常に高く、全国で24億円に達しています。 イノシシは雑食であるため、被害作物は多岐にわたります。また、栄養価が高く比較的消化しやすい部位を好むため、季節ごとに状況の良い作物を選んで集中して食害する傾向があります。イネの他にも、果樹や野菜、いも類の被害が顕著となっています。 食害だけでなく、田畑を掘り返されたり踏み荒らされたりして駄目にされる被害もあります。 被害の面積でみると、イネで3600ヘクタール、果樹で1000ヘクタールに達しています。因みに、1000ヘクタール(ha)は、東京ドーム約213個分の広さです。 こちらの記事もどうぞ:イノシシの生態・行動を詳しく解説 人身被害 イノシシは身体能力が高く、襲われて人身被害を受けるケースもあります。市街地でも多く発生していますが、こう言った場所では罠を使った捕獲が難しかったり、銃器の使用ができなかったりするため、簡単に解決できないケースも散見されます。 環境省は平成28年から人身被害件数を集計していますが、それによると被害件数は毎年50件前後、被害人数は50~70人前後を推移しています(狩猟や捕獲作業にともなう人身被害は除いた数値です)。被害が多い地域は、兵庫県、香川県、栃木県です。 こういった被害が起こる背景として、市街地にイノシシが出没するようになり、ゴミや餌付けなどによってイノシシが人慣れしてしまったことが考えられます。 また、市街地でのイノシシ被害の場合、住民が自身ごととしてとらえる意識は低く、自分たちで対策等を行うのではなく行政へ対応を求める場合が多く、地域ぐるみでの対策が困難となりがちです。 こちらの記事もどうぞ:イノシシ対策~何をすればよいのか?【市街地編】 生活環境被害 人身被害以外にも、交通事故やゴミ集積場を荒らす、家屋侵入等といった生活環境被害を受けるケースもあります。 これも、餌付けやゴミの放置をおこなった結果、人慣れしたイノシシが人間の生活圏内で被害を起こすようになった背景があります。 こういった状況をふまえ、人身被害や生活環境被害が多く発生している神戸市では、2014年に東灘区・中央区で相次いで発生したイノシシによる人身事故を受けて、神戸市では餌付け行為を指導・禁止する取り組みを強化するため、公表の規定等を追加する条例の改正を行いました。 イノシシ条例(神戸市いのししからの危害の防止に関する条例) 庭やクリーンステーションを荒らされるといった生活環境への被害や、人が噛み付かれたり、イノシシが原因で交通事故が起こるなど、イノシシ問題は、地域の住民の方にとって重大な問題となり、2002年5月1日から施行されました。 しかし、一部の住民が餌付けをやめなかったことから、市街地でのイノシシ出没が止まらず、イノシシへの餌付け等を禁止する「規制区域」の指定や、悪質な条例違反者に対する措置を盛り込んだ条例改正が行われました。 条例の内容は以下の通りとなります。 1.市はイノシシによる被害の防止のため、積極的に啓発活動を行います。 2.市は住民の方の意見を聴いて、規制区域を定めます。 3.規制区域では、...
クマの生態と被害防止対策
山に入る場合、危険な野生動物にはできる限り遭遇したくないもの。 中でも熊は襲われた場合に命にも関わります。毎日のように熊による被害が発生している中で、人身被害を未然に防止するためにも、できるかぎり対策しておくのが望ましいでしょう。 特に今秋は、ツキノワグマのエサになるブナなどの木の実の不作が予測される地域もあり、クマが人里に出没する可能性が例年よりも高くなるため、十分な注意が必要です。 日本にいる熊の種類 日本には2種類のクマがすんでいます。ひとつめは、「ヒグマ」、ふたつめは「ツキノワグマ」です。 どちらも鋭利なツメと大きな歯を持っていて、非常に力が強く、時速40~50キロメートルで走ることもできます。 日本の国土のおよそ4割にクマが生息しており、生息地のほとんどは森林です。 しかしながら、森林の木の実が不作の年は食物を求めて人里近くに近づくことがあります。テレビのキャラクターでは愛くるしく描かれていたりしますが、実際は人身被害の報告も多く、危険な動物であると認識しておくべきでしょう。 直近のニュースでも、数件の人身被害が発生しています。 ▶男性2人がクマ2頭に襲われけが/岩手・釜石市 ▶男性がクマにかまれる/栃木県・鹿沼市 ▶クマに襲われた男性「死ぬかと」/青森県・弘前市 ▶クマに襲われ福井県内で人身被害2件目/福井県小浜市 ヒグマ 日本国内では北海道の約半分の地域のみに生息しています。国内の生息数は、2,000~3,000頭といわれていて、とくに観光地として有名な北海道の知床半島は生息密度が高いことで知られています。 体長:220cm~230cm、体重:150kg~250kgの大型哺乳類です。 植物を主食とした雑食性で、季節の変化によっても食べるものを変えています。春から初夏にかけてはフキ(アキタブキ/オオブキ)を一番多く食べ、その他にもウドやイラクサ、ミズバショウなどの植物の若葉を食べます。 柔らかく消化しやすい植物が減る夏になると、植物性の食物不足を補うために、アリやハチなどの昆虫を食べます。また夏から秋にかけては、サルナシ、ヤマブドウ、マタタビなどのツル性の植物の果実、そしてミズナラのドングリ(渡島半島ではブナの実)を食べます。 ツキノワグマ 本州と四国(33都道府県)の山地を生息地としています。推定個体数は8,400~1万2,600頭。昔は九州にもツキノワグマが生息していましたが、50年ほど前から生息は確認されていません。 体長:110cm~150cm、体重:80~120kgの大型哺乳類です。 落葉広葉樹林のあるところを主な生息地としており、食物の9割以上は植物です。春には、芽吹いたブナの葉やさまざまな植物を食べます。 また夏はアリやハチなどの昆虫を多く食べます。秋になると、ブナ・コナラ・ミズナラなどの実をたくさん食べるようになります。 予期せぬ熊との遭遇を避けるには? ポイント①:熊を人里に近づかせないこと 人里に熊が気軽に近づかないよう、地域で協力して熊が利用しにくい環境を作ること、熊の好物を取り除くこと、餌付けをしない・ゴミを放置しないことを徹底しましょう。 特に餌付けやゴミについては、人間のことをエサの供給源であると熊が考えてしまいます。熊の生息地の近くでエサとなる家庭ゴミを捨てるなど、人のちょっとした不注意、不適切な行動が熊をおびきよせ、人身被害の発生など思わぬ結果をもたらすことになります。 ポイント②:熊に自分の存在を知らせる 個体によって差はあるものの、基本的に熊のほうが人間を避けます。そのため、鈴を着用することで人間がそこに居るという合図を熊に送る事が重要になります。着用した鈴本体が大きく振れるように取り付けると、効果が高まります(例えば、長めのキーホルダーに鈴を着用するなど)。 ★イノホイおすすめの熊鈴...
クマの生態と被害防止対策
山に入る場合、危険な野生動物にはできる限り遭遇したくないもの。 中でも熊は襲われた場合に命にも関わります。毎日のように熊による被害が発生している中で、人身被害を未然に防止するためにも、できるかぎり対策しておくのが望ましいでしょう。 特に今秋は、ツキノワグマのエサになるブナなどの木の実の不作が予測される地域もあり、クマが人里に出没する可能性が例年よりも高くなるため、十分な注意が必要です。 日本にいる熊の種類 日本には2種類のクマがすんでいます。ひとつめは、「ヒグマ」、ふたつめは「ツキノワグマ」です。 どちらも鋭利なツメと大きな歯を持っていて、非常に力が強く、時速40~50キロメートルで走ることもできます。 日本の国土のおよそ4割にクマが生息しており、生息地のほとんどは森林です。 しかしながら、森林の木の実が不作の年は食物を求めて人里近くに近づくことがあります。テレビのキャラクターでは愛くるしく描かれていたりしますが、実際は人身被害の報告も多く、危険な動物であると認識しておくべきでしょう。 直近のニュースでも、数件の人身被害が発生しています。 ▶男性2人がクマ2頭に襲われけが/岩手・釜石市 ▶男性がクマにかまれる/栃木県・鹿沼市 ▶クマに襲われた男性「死ぬかと」/青森県・弘前市 ▶クマに襲われ福井県内で人身被害2件目/福井県小浜市 ヒグマ 日本国内では北海道の約半分の地域のみに生息しています。国内の生息数は、2,000~3,000頭といわれていて、とくに観光地として有名な北海道の知床半島は生息密度が高いことで知られています。 体長:220cm~230cm、体重:150kg~250kgの大型哺乳類です。 植物を主食とした雑食性で、季節の変化によっても食べるものを変えています。春から初夏にかけてはフキ(アキタブキ/オオブキ)を一番多く食べ、その他にもウドやイラクサ、ミズバショウなどの植物の若葉を食べます。 柔らかく消化しやすい植物が減る夏になると、植物性の食物不足を補うために、アリやハチなどの昆虫を食べます。また夏から秋にかけては、サルナシ、ヤマブドウ、マタタビなどのツル性の植物の果実、そしてミズナラのドングリ(渡島半島ではブナの実)を食べます。 ツキノワグマ 本州と四国(33都道府県)の山地を生息地としています。推定個体数は8,400~1万2,600頭。昔は九州にもツキノワグマが生息していましたが、50年ほど前から生息は確認されていません。 体長:110cm~150cm、体重:80~120kgの大型哺乳類です。 落葉広葉樹林のあるところを主な生息地としており、食物の9割以上は植物です。春には、芽吹いたブナの葉やさまざまな植物を食べます。 また夏はアリやハチなどの昆虫を多く食べます。秋になると、ブナ・コナラ・ミズナラなどの実をたくさん食べるようになります。 予期せぬ熊との遭遇を避けるには? ポイント①:熊を人里に近づかせないこと 人里に熊が気軽に近づかないよう、地域で協力して熊が利用しにくい環境を作ること、熊の好物を取り除くこと、餌付けをしない・ゴミを放置しないことを徹底しましょう。 特に餌付けやゴミについては、人間のことをエサの供給源であると熊が考えてしまいます。熊の生息地の近くでエサとなる家庭ゴミを捨てるなど、人のちょっとした不注意、不適切な行動が熊をおびきよせ、人身被害の発生など思わぬ結果をもたらすことになります。 ポイント②:熊に自分の存在を知らせる 個体によって差はあるものの、基本的に熊のほうが人間を避けます。そのため、鈴を着用することで人間がそこに居るという合図を熊に送る事が重要になります。着用した鈴本体が大きく振れるように取り付けると、効果が高まります(例えば、長めのキーホルダーに鈴を着用するなど)。 ★イノホイおすすめの熊鈴...
牧場のアブ対策について
牧場において、牛はアブやハエ等といった害虫の攻撃を多く受けます。その結果、ストレスによって牛の餌の食いつきが減ったり、落ち着きが無くなったりして増体率や乳量が低下してしまいます。 特に、夏場は気温の上昇とともにアブが多く飛来する時期になりますので、安定した家畜の生産性を保つためにも、対策が必要になります。 アブの習性 卵は植物の葉裏などに産下され、約1週間で孵化します。孵化すると幼虫は水中または地上に落下します。 幼虫の時期のアブは、湿った土中で昆虫の幼虫やミミズなどを捕食しながらウジ虫状で生息しています(湿地などに素足で入ると幼虫によって刺咬被害を受けることもあります)。 幼虫の期間は長く、1~3年ほどにわたって脱皮を繰り返しながら成虫になります。※餌が不足したり、天候が不順であれば、幼虫の発育が遅延し、羽化する年が違ってきます。 アブの成虫はハチに似ていますが、羽が1対だけです。頭部には大きな複眼(数百~数万の小さな眼の集まり)とその間に短い触覚が生えており、それによって獲物を発見したり、天敵が襲ってきていることを察知したりします。 吸血するのは蚊などと同様にメスのみで、卵巣の発育に必要な栄養を得るために吸血しますが、オスは樹液や花蜜を吸います。 アブによる家畜の被害 メスのアブの口は大顎と小顎が剣状になっており、動物の皮膚を裂いてそこから滲み出す血液を吸血する構造になっています。そのため、吸血時は動物に強い痛みを与えます。 牛の場合、アブの攻撃に対して脚を蹴り上げたり、頭を背中等に激しく当てたり、尾を背骨より高い位置に振り上げたりと、様々な忌避行動をします。 その結果、牛の採食量が減ったり、ストレスにより乳量が減少したりしてしまいます。 牛白血病について 牛白血病は牛白血病ウイルスの感染で起こるリンパ球系細胞の癌で、治療法はありません。削痩、元気消失、食欲不振、乳量減少、下痢、便秘などの症状から始まり、最終的に全身のリンパ節の腫脹、眼球突出などがみられます。 非常に微量の血液でも感染が成立し、感染牛を吸血したアブが他の健康牛を吸血すること等によって感染が広がります。 代表的なアブの種類 吸血行動はアブの種類によって異なります。家畜をよく吸血する種類もいれば、人を好む種類もいます。成虫の出現時期は夏季に集中する傾向が見られますが、同じ種でも暖地では発生時期が早まり、寒地では遅れる傾向が見られます。 発生する期間は1か月前後のものが多いですが、メクラアブ、シロフアブなどはやや長めです。 多くの種は気温が18℃以上で活動が盛んになりますが、30℃以上の高い気温になると、活動はかえって抑制される傾向もあります。また、雨の日や風の日はアブの行動も抑制されます。 シロフアブ:体長2センチ内外、体は灰黒色で、胸背に灰色の5本の縦線がある。6月中旬〜9月中旬に発生し、日中に人や牛を好んで吸血する。 ゴマフアブ:体長0.8~1.2センチ内外、羽に点状の斑紋をもつ。胸背部は黒褐色で5本の縦線がある。7月から9月にかけて現れ、日中も夕方も激しく人や家畜を襲って吸血活動を行う。 アカアブ:体長2.5センチ内外、体は灰褐色または灰黒色で、胸背は青黒く、腹背中央に三角斑がある。 アカウシハブ:体長3センチ内外と大型で、頭部、触覚が橙色、胸背は黒褐色で5本の黄色い縦線がある。6月中旬〜9月上旬に発生し、7月中旬〜8月上旬がピークで、人や牛馬に対して日中に吸血活動を見せる。人では上半身を、ウシやウマでは背中の部分を襲う習性があり、1回の吸血量は0.6mlと多い。 メクラアブ:体長約1センチ、羽に大きな黒色の斑紋がある。胸部と腹背部は黒色、腹背に大きな黄色斑がある。5月から9月にかけて発生し、日中に吸血活動を行う。 イヨシロオビアブ:体長1.5センチ内外、体は黒色で、胸部は暗灰色、腹部は黒色で白色の横帯がある。7月上旬〜9月下旬に発生し、8月上旬〜中旬がピークで、日中よりも早朝や夕方の薄暮時に盛んに吸血行動をする。※無吸血で最初の産卵をし、その後激しく吸血するようになって2回目の産卵をする。 キンイロアブ:体長約1~1.3センチ、全体が黄金色で、眼は緑色である。7月上旬〜9月下旬に発生し、日中に人の頭部を集中的に襲う。 アブの防除方法 害虫の防除には、その発生源をなくすことが基本です。しかしながら、幼虫の時期のアブの生息場所は湿った土中で広い範囲に分布していることから、発生源に対する薬剤散布が難しく効果が期待できません。 幼虫時の効果的な防除方法はなく、成虫に対する防除が主になります。 薬剤(ポアオン・イヤタッグ等)の使用...
牧場のアブ対策について
牧場において、牛はアブやハエ等といった害虫の攻撃を多く受けます。その結果、ストレスによって牛の餌の食いつきが減ったり、落ち着きが無くなったりして増体率や乳量が低下してしまいます。 特に、夏場は気温の上昇とともにアブが多く飛来する時期になりますので、安定した家畜の生産性を保つためにも、対策が必要になります。 アブの習性 卵は植物の葉裏などに産下され、約1週間で孵化します。孵化すると幼虫は水中または地上に落下します。 幼虫の時期のアブは、湿った土中で昆虫の幼虫やミミズなどを捕食しながらウジ虫状で生息しています(湿地などに素足で入ると幼虫によって刺咬被害を受けることもあります)。 幼虫の期間は長く、1~3年ほどにわたって脱皮を繰り返しながら成虫になります。※餌が不足したり、天候が不順であれば、幼虫の発育が遅延し、羽化する年が違ってきます。 アブの成虫はハチに似ていますが、羽が1対だけです。頭部には大きな複眼(数百~数万の小さな眼の集まり)とその間に短い触覚が生えており、それによって獲物を発見したり、天敵が襲ってきていることを察知したりします。 吸血するのは蚊などと同様にメスのみで、卵巣の発育に必要な栄養を得るために吸血しますが、オスは樹液や花蜜を吸います。 アブによる家畜の被害 メスのアブの口は大顎と小顎が剣状になっており、動物の皮膚を裂いてそこから滲み出す血液を吸血する構造になっています。そのため、吸血時は動物に強い痛みを与えます。 牛の場合、アブの攻撃に対して脚を蹴り上げたり、頭を背中等に激しく当てたり、尾を背骨より高い位置に振り上げたりと、様々な忌避行動をします。 その結果、牛の採食量が減ったり、ストレスにより乳量が減少したりしてしまいます。 牛白血病について 牛白血病は牛白血病ウイルスの感染で起こるリンパ球系細胞の癌で、治療法はありません。削痩、元気消失、食欲不振、乳量減少、下痢、便秘などの症状から始まり、最終的に全身のリンパ節の腫脹、眼球突出などがみられます。 非常に微量の血液でも感染が成立し、感染牛を吸血したアブが他の健康牛を吸血すること等によって感染が広がります。 代表的なアブの種類 吸血行動はアブの種類によって異なります。家畜をよく吸血する種類もいれば、人を好む種類もいます。成虫の出現時期は夏季に集中する傾向が見られますが、同じ種でも暖地では発生時期が早まり、寒地では遅れる傾向が見られます。 発生する期間は1か月前後のものが多いですが、メクラアブ、シロフアブなどはやや長めです。 多くの種は気温が18℃以上で活動が盛んになりますが、30℃以上の高い気温になると、活動はかえって抑制される傾向もあります。また、雨の日や風の日はアブの行動も抑制されます。 シロフアブ:体長2センチ内外、体は灰黒色で、胸背に灰色の5本の縦線がある。6月中旬〜9月中旬に発生し、日中に人や牛を好んで吸血する。 ゴマフアブ:体長0.8~1.2センチ内外、羽に点状の斑紋をもつ。胸背部は黒褐色で5本の縦線がある。7月から9月にかけて現れ、日中も夕方も激しく人や家畜を襲って吸血活動を行う。 アカアブ:体長2.5センチ内外、体は灰褐色または灰黒色で、胸背は青黒く、腹背中央に三角斑がある。 アカウシハブ:体長3センチ内外と大型で、頭部、触覚が橙色、胸背は黒褐色で5本の黄色い縦線がある。6月中旬〜9月上旬に発生し、7月中旬〜8月上旬がピークで、人や牛馬に対して日中に吸血活動を見せる。人では上半身を、ウシやウマでは背中の部分を襲う習性があり、1回の吸血量は0.6mlと多い。 メクラアブ:体長約1センチ、羽に大きな黒色の斑紋がある。胸部と腹背部は黒色、腹背に大きな黄色斑がある。5月から9月にかけて発生し、日中に吸血活動を行う。 イヨシロオビアブ:体長1.5センチ内外、体は黒色で、胸部は暗灰色、腹部は黒色で白色の横帯がある。7月上旬〜9月下旬に発生し、8月上旬〜中旬がピークで、日中よりも早朝や夕方の薄暮時に盛んに吸血行動をする。※無吸血で最初の産卵をし、その後激しく吸血するようになって2回目の産卵をする。 キンイロアブ:体長約1~1.3センチ、全体が黄金色で、眼は緑色である。7月上旬〜9月下旬に発生し、日中に人の頭部を集中的に襲う。 アブの防除方法 害虫の防除には、その発生源をなくすことが基本です。しかしながら、幼虫の時期のアブの生息場所は湿った土中で広い範囲に分布していることから、発生源に対する薬剤散布が難しく効果が期待できません。 幼虫時の効果的な防除方法はなく、成虫に対する防除が主になります。 薬剤(ポアオン・イヤタッグ等)の使用...
本当は怖い。鳩の糞害について
目次 1安全と思うところに糞をする生態 2糞を放っておくと起こるかもしれない健康被害 1クリプトコッカス症 2オウム病 3アレルギー 3金属の腐食も起こします 4早期発見・早期対策を 多くの人にとって特に珍しいものでもない鳩の糞ですが、身近な場所に巣をつくられると相当に悩まされます。 ガレージに巣を作られて車を糞まみれにされたり、新築の家のソーラーパネルに巣をつくられて屋根がひどいことになったり、ベランダに巣を作られて悪臭がひどくなったり。一般家庭から工場、役場、学校などでも幅広く被害が発生しています。 安全と思うところに糞をする生態 鳩は毎日体重の10分の1ほどの餌を食べるので、他の鳥にくらべて糞が非常に多くなります。安全だと思ったところに糞をする性質があり、糞があるところに居座ろうとします。 居座ろうとする鳩の執着心は、段階的に強くなります。 ①最初のうちは羽休めの休憩所に使っている場所。視界が良好となる明るい時間にやってきて、すぐいなくなる。たまに糞が落ちていたり、鳴き声が聞こえる程度。 ②その場所が気に入ってきたので、徐々に多くの時間を過ごすようになる。このタイミングで一定の場所に多くの糞を見かけるようになる。 ③安全な場所と認識したので、ねぐらにして住み着きだす。鳴き声がうるさく、糞も大量になるため、人間が被る被害も重篤になっていく。 ④繁殖する場所として、巣をつくる。 一般家庭で鳩による被害を認識しだすのは、②~③の段階ですが、居つかれないためにはなるべく早い段階のうちに糞の掃除をこまめにしておく必要があります。 ③の場所は、ベランダや室外機の後ろ、ソーラーパネルと屋根のあいだの隙間だったり、入り組んだ複雑な場所です。こういった場所の掃除は、高所作業で危険がともなったり、スペース的に作業が大変だったりします。 外敵であるカラスや猫から身を守るため、人間からするとあえてこんな場所を選ばなくても・・・と思うような場所が鳩のお気に入りとなるわけです。鳩の執着心も強くなっているので、掃除だけでなく飛来や侵入を防ぐ対策が必要になってきます。 ④になると鳩は帰巣本能と縄張り意識が強いため、なかなか動こうとしません。糞も大量となりますが鳴き声による騒音被害も大きくなります。また、そこで繁殖も行うため、放っておくと被害はどんどん増えていきます。 糞を放っておくと起こるかもしれない健康被害 大量の鳩の糞を放置しておくと、乾燥した糞が空気中に舞い上がりやすくなります。舞い上がった鳩糞の粒子は人間の体にも入ります。こうなると、健康被害が起こる場合があります。 クリプトコッカス症 吸入したクリプトコッカス真菌(カビ)が肺の中で増殖して起こります。症状が出ない人もいますが、せきや胸痛がみられる場合や、髄膜炎を引き起こす重篤な場合もあります。免疫が正常な人の場合に重症化することは稀ですが、免疫機能が低下している人は感染しやすくなります。 特に、HIV/AIDSを代表とした細胞性免疫不全の患者にとっては、一般的に死に至る可能性がある真菌感染症です。 オウム病 オウム病クラミジアを含んだ糞を吸入することによって起こります。悪寒を伴う高熱、頭痛、全身倦怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛などがみられ、咳や痰などがみられます。軽い場合は風邪程度の症状ですが、高齢者などでは重症になりやすくなります。 重症になると、呼吸困難、意識障害などがみられ、診断が遅れると死亡する場合もあります。 アレルギー...
本当は怖い。鳩の糞害について
目次 1安全と思うところに糞をする生態 2糞を放っておくと起こるかもしれない健康被害 1クリプトコッカス症 2オウム病 3アレルギー 3金属の腐食も起こします 4早期発見・早期対策を 多くの人にとって特に珍しいものでもない鳩の糞ですが、身近な場所に巣をつくられると相当に悩まされます。 ガレージに巣を作られて車を糞まみれにされたり、新築の家のソーラーパネルに巣をつくられて屋根がひどいことになったり、ベランダに巣を作られて悪臭がひどくなったり。一般家庭から工場、役場、学校などでも幅広く被害が発生しています。 安全と思うところに糞をする生態 鳩は毎日体重の10分の1ほどの餌を食べるので、他の鳥にくらべて糞が非常に多くなります。安全だと思ったところに糞をする性質があり、糞があるところに居座ろうとします。 居座ろうとする鳩の執着心は、段階的に強くなります。 ①最初のうちは羽休めの休憩所に使っている場所。視界が良好となる明るい時間にやってきて、すぐいなくなる。たまに糞が落ちていたり、鳴き声が聞こえる程度。 ②その場所が気に入ってきたので、徐々に多くの時間を過ごすようになる。このタイミングで一定の場所に多くの糞を見かけるようになる。 ③安全な場所と認識したので、ねぐらにして住み着きだす。鳴き声がうるさく、糞も大量になるため、人間が被る被害も重篤になっていく。 ④繁殖する場所として、巣をつくる。 一般家庭で鳩による被害を認識しだすのは、②~③の段階ですが、居つかれないためにはなるべく早い段階のうちに糞の掃除をこまめにしておく必要があります。 ③の場所は、ベランダや室外機の後ろ、ソーラーパネルと屋根のあいだの隙間だったり、入り組んだ複雑な場所です。こういった場所の掃除は、高所作業で危険がともなったり、スペース的に作業が大変だったりします。 外敵であるカラスや猫から身を守るため、人間からするとあえてこんな場所を選ばなくても・・・と思うような場所が鳩のお気に入りとなるわけです。鳩の執着心も強くなっているので、掃除だけでなく飛来や侵入を防ぐ対策が必要になってきます。 ④になると鳩は帰巣本能と縄張り意識が強いため、なかなか動こうとしません。糞も大量となりますが鳴き声による騒音被害も大きくなります。また、そこで繁殖も行うため、放っておくと被害はどんどん増えていきます。 糞を放っておくと起こるかもしれない健康被害 大量の鳩の糞を放置しておくと、乾燥した糞が空気中に舞い上がりやすくなります。舞い上がった鳩糞の粒子は人間の体にも入ります。こうなると、健康被害が起こる場合があります。 クリプトコッカス症 吸入したクリプトコッカス真菌(カビ)が肺の中で増殖して起こります。症状が出ない人もいますが、せきや胸痛がみられる場合や、髄膜炎を引き起こす重篤な場合もあります。免疫が正常な人の場合に重症化することは稀ですが、免疫機能が低下している人は感染しやすくなります。 特に、HIV/AIDSを代表とした細胞性免疫不全の患者にとっては、一般的に死に至る可能性がある真菌感染症です。 オウム病 オウム病クラミジアを含んだ糞を吸入することによって起こります。悪寒を伴う高熱、頭痛、全身倦怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛などがみられ、咳や痰などがみられます。軽い場合は風邪程度の症状ですが、高齢者などでは重症になりやすくなります。 重症になると、呼吸困難、意識障害などがみられ、診断が遅れると死亡する場合もあります。 アレルギー...
跳ね上げ式の足くくり罠を使って捕獲率アップ
獣の足をワイヤーでくくることによって捕らえる「くくり罠」ですが、いくつかのタイプに分かれます。今回は、その中の「跳ね上げ式」タイプについて説明します。 跳ね上げ式のくくり罠って? くくり罠には基本的にバネが使われます。使われるバネの種類は押しバネ、引きバネ、ねじりバネ(松葉式ばね)です。 このうち押しバネは、罠を仕掛けるときにバネを圧縮しておき、作動時にバネが伸びる力を利用して捕獲します。押しバネを使ったバネの場合、くくり罠が作動する方向によって「横引き式」か「縦引き式」、または「跳ね上げ式」に分かれます。 A:横引き式 作動時に押しバネが伸びる方向が横方向(地面と平行)になる方式です。 縦引き式と比べると作動時に高さが出ないため、足をくくるワイヤーの輪っか(スネア)が足の先のほうにかかりやすい傾向があります。そのため、捕獲率は縦引きより低くなり、空ハジキが生じやすいです。 括ったワイヤーの位置が足の先っぽのほうだと、ワイヤーから足が抜けやすくなって危険ということもあり、縦引き式のほうを好む方もいらっしゃいます。 一方で横引き式は仕掛けがシンプルで作るのが簡単、手間がかからないという点が長所です。「色々と試したけれども、横引き式が一番シンプルでやりやすい」という方も多くいらっしゃいます。 B:縦引き式 作動時に押しバネが伸びる方向が縦方向(地面と垂直)になる方式です。作動時に高さが出せるのでワイヤーのかかりが深くなり、罠にかかった足が抜けにくいという長所がありますので、熟練者に好まれる傾向があります。 足をくくる位置の高さは、一般的に、縦引き式≧跳ね上げ式>横引き式の順になります。※もちろん仕掛けや設置条件でも大きく変わります。 一方で、縦引き式は諸々の仕掛けを地中に埋めなければならないため、穴を掘るのに手間がかかってしまいます。 特に、地面が固くて掘りにくい場合や、木の根が多くて深く掘れない場合、土が崩れやすい地質の場合など、非常に手間がかかります。そのため、設置場所が限定されるということが難点です。 また、設置に時間がかかるので、人間の気配が残りやすく獣に警戒されてしまうこともあります。 シカはそれほどでもないのですが、イノシシは頭がよくて警戒心が非常に高い個体がいます。そういったイノシシの場合、罠の位置に気づいて通り道を変えたり、回避したり、中には掘り起こしたりする個体もいます。※もちろん個体差が大きいです。 C:跳ね上げ式 ワイヤーの輪っか(スネア)を取り付ける枠が付いた「踏み板」とセットにして使う方式です。 バネの作動方向は横引き式と同じですが、作動時に枠が立ち上がって足の上部を括ることが可能になっています。以下の動画が分かりやすいので、ご覧ください。 一般的に、跳ね上げ式も穴掘り作業が必要になるタイプが多いですが、バネの稼働部分は地中に埋める必要がないので、縦引き式よりも仕掛ける場所の制約が少なく、手間がかかりません。 短所としては、枠の動きが阻害されると罠が正常に作動しなくなる点です。 それを防ぐため、踏み板は完全に地中に埋めずに、土や葉っぱで少し覆う程度になります。ただ、そうすると仕掛けた痕跡を完全に隠すのが難しくなるため、警戒心が高い個体に気づかれるリスクも出てきます。 とはいえ、初心者に馴染みやすいという長所もあり、師匠・先生から跳ね上げ式を使ってレクチャーを受けたという方も多くいらっしゃいます。 結局、どのタイプがおすすめなの? 上記のとおり、くくり罠にも色々なタイプがあり一長一短あるわけですが、どのタイプを選んだらよいのでしょう。 結論から言うと一番良いのは、タイプ問わず使い慣れた罠を使うことです。どのようなタイプでも、使っていくうちに、クセやコツが分かってきます。また、経験に応じて改善のためのカスタマイズをしたり、そういった罠が一番捕獲率が高くなると思います。 初心者の場合や、特にこだわりはないけど別の罠を使ってみたいという場合は、上記3タイプの中でも一番バランスの良い、跳ね上げ式をお勧めします。様々なタイプの跳ね上げ式くくり罠が販売されていますが、仕掛けがなるべくシンプルで単価が高すぎないものを選ぶとよろしいかと思います。 既製品を購入する場合は、インターネット等で販売されているページに捕獲実績や使った感想が掲載されている場合もありますので、検討の際の参考になると思います。 イノホイおすすめの跳ね上げ式くくり罠 当店では、昔ながらのスタンダードな木板を使ったくくり罠と、コスパが良く多数設置にもおすすめな樹脂製くくり罠の、2タイプを用意しています。...
跳ね上げ式の足くくり罠を使って捕獲率アップ
獣の足をワイヤーでくくることによって捕らえる「くくり罠」ですが、いくつかのタイプに分かれます。今回は、その中の「跳ね上げ式」タイプについて説明します。 跳ね上げ式のくくり罠って? くくり罠には基本的にバネが使われます。使われるバネの種類は押しバネ、引きバネ、ねじりバネ(松葉式ばね)です。 このうち押しバネは、罠を仕掛けるときにバネを圧縮しておき、作動時にバネが伸びる力を利用して捕獲します。押しバネを使ったバネの場合、くくり罠が作動する方向によって「横引き式」か「縦引き式」、または「跳ね上げ式」に分かれます。 A:横引き式 作動時に押しバネが伸びる方向が横方向(地面と平行)になる方式です。 縦引き式と比べると作動時に高さが出ないため、足をくくるワイヤーの輪っか(スネア)が足の先のほうにかかりやすい傾向があります。そのため、捕獲率は縦引きより低くなり、空ハジキが生じやすいです。 括ったワイヤーの位置が足の先っぽのほうだと、ワイヤーから足が抜けやすくなって危険ということもあり、縦引き式のほうを好む方もいらっしゃいます。 一方で横引き式は仕掛けがシンプルで作るのが簡単、手間がかからないという点が長所です。「色々と試したけれども、横引き式が一番シンプルでやりやすい」という方も多くいらっしゃいます。 B:縦引き式 作動時に押しバネが伸びる方向が縦方向(地面と垂直)になる方式です。作動時に高さが出せるのでワイヤーのかかりが深くなり、罠にかかった足が抜けにくいという長所がありますので、熟練者に好まれる傾向があります。 足をくくる位置の高さは、一般的に、縦引き式≧跳ね上げ式>横引き式の順になります。※もちろん仕掛けや設置条件でも大きく変わります。 一方で、縦引き式は諸々の仕掛けを地中に埋めなければならないため、穴を掘るのに手間がかかってしまいます。 特に、地面が固くて掘りにくい場合や、木の根が多くて深く掘れない場合、土が崩れやすい地質の場合など、非常に手間がかかります。そのため、設置場所が限定されるということが難点です。 また、設置に時間がかかるので、人間の気配が残りやすく獣に警戒されてしまうこともあります。 シカはそれほどでもないのですが、イノシシは頭がよくて警戒心が非常に高い個体がいます。そういったイノシシの場合、罠の位置に気づいて通り道を変えたり、回避したり、中には掘り起こしたりする個体もいます。※もちろん個体差が大きいです。 C:跳ね上げ式 ワイヤーの輪っか(スネア)を取り付ける枠が付いた「踏み板」とセットにして使う方式です。 バネの作動方向は横引き式と同じですが、作動時に枠が立ち上がって足の上部を括ることが可能になっています。以下の動画が分かりやすいので、ご覧ください。 一般的に、跳ね上げ式も穴掘り作業が必要になるタイプが多いですが、バネの稼働部分は地中に埋める必要がないので、縦引き式よりも仕掛ける場所の制約が少なく、手間がかかりません。 短所としては、枠の動きが阻害されると罠が正常に作動しなくなる点です。 それを防ぐため、踏み板は完全に地中に埋めずに、土や葉っぱで少し覆う程度になります。ただ、そうすると仕掛けた痕跡を完全に隠すのが難しくなるため、警戒心が高い個体に気づかれるリスクも出てきます。 とはいえ、初心者に馴染みやすいという長所もあり、師匠・先生から跳ね上げ式を使ってレクチャーを受けたという方も多くいらっしゃいます。 結局、どのタイプがおすすめなの? 上記のとおり、くくり罠にも色々なタイプがあり一長一短あるわけですが、どのタイプを選んだらよいのでしょう。 結論から言うと一番良いのは、タイプ問わず使い慣れた罠を使うことです。どのようなタイプでも、使っていくうちに、クセやコツが分かってきます。また、経験に応じて改善のためのカスタマイズをしたり、そういった罠が一番捕獲率が高くなると思います。 初心者の場合や、特にこだわりはないけど別の罠を使ってみたいという場合は、上記3タイプの中でも一番バランスの良い、跳ね上げ式をお勧めします。様々なタイプの跳ね上げ式くくり罠が販売されていますが、仕掛けがなるべくシンプルで単価が高すぎないものを選ぶとよろしいかと思います。 既製品を購入する場合は、インターネット等で販売されているページに捕獲実績や使った感想が掲載されている場合もありますので、検討の際の参考になると思います。 イノホイおすすめの跳ね上げ式くくり罠 当店では、昔ながらのスタンダードな木板を使ったくくり罠と、コスパが良く多数設置にもおすすめな樹脂製くくり罠の、2タイプを用意しています。...
イノシシ捕獲のための虎の巻
イノシシによる農作物の被害に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。 イノシシの被害は野生鳥獣の被害額から見ても、全体の約3割を占めており、早急な対策が求められています。 そこで今回は、イノシシ対策の中でもとくに効果を発揮する、捕獲についてご紹介します。具体的な捕獲方法や豆知識についても解説していますので、被害に頭を悩ませる方はぜひ参考にしてください。 イノシシ被害の現状は? イノシシの捕獲について解説する前に、まずは被害の現状から見ておきましょう。 農林水産省が行った「全国の野生鳥獣による農作物被害状況(平成30年度)」によると、野生鳥獣による全国の農作物の被害は平成30年度で約158億円に達しています。平成29年度から約6億円の減少となっているものの、依然として高い水準で推移している状態です。 この中でもイノシシだけにフォーカスすると約47億円で、全体の約3割を占めています。これは鳥獣別に見てもシカの約54億円に次ぐ数字で、被害の大きさが窺えます。 参考サイト:全国の野生鳥獣による農作物被害状況 イノシシ対策には捕獲が必要 イノシシは繁殖力が高いため個体数の年変動が大きく、対策が遅れると被害はすぐに深刻化します。柵を設置してイノシシを遠ざける対策や、イノシシが近寄りにくい環境を作るといった対策も効果がありますが、抜本的な対策としては、被害を引き起こすイノシシの数を捕獲によって減らす方法が効果的です。 個体数そのものを減らすことで、地域全体で広く対策を講じていくことが重要となります。 イノシシの捕獲方法 イノシシを捕獲する方法として一般的なのは、「箱罠」と「くくり罠」の2パターンになります。参考記事>>イノシシ対策~罠の種類 まずは、それぞれの罠の特徴について見ていきましょう。 箱罠による捕獲 箱罠は、檻を箱状にして、餌を使ってイノシシを箱の内部に誘引することによって捕獲する罠のことです。 餌を使うため捕獲率が高く、くくり罠ほど知識やテクニックを要しません。 一つの箱罠で一度に複数の捕獲ができることも期待できます。一方で、くくり罠に比べると高価である点や、大きくて重たいため設置や移動に労力がかかります。 イノホイの箱罠商品はこちらから>> 天井面が半分以上が解放されている罠を見かけますが、これは箱罠ではなく囲い罠に分類されます。間違えやすいことも多いため、覚えておくと安心です。 くくり罠による捕獲 くくり罠は、ワイヤーを使って獣の足や胴を捕える罠のことです。ほとんどの場合が足くくり罠で、イノシシが歩く経路に予め仕掛けておき、イノシシが罠を踏むとバネの力でワイヤーが締まり、足を捕える仕組みになっています。イノホイのくくり罠商品はこちらから>> 箱罠と比べると、安価なので数多く設置することが可能ですが、効果を上げるには知識やテクニックを要します。また、捕獲後も獣の可動範囲が広いため、捕らえた獲物にとどめをさす時に危険を伴う場合があります。 イノシシの捕獲の前に知っておくべきルール イノシシを捕獲するには、前もって押さえておくべきルールがあります。 まず、前提としてイノシシをはじめとする野生鳥獣は「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣保護法)で保護されており、法令やルールから外れて捕獲することはできません。違法な捕獲は罰せられますので注意しましょう。 1.わな猟免許の取得のルール まず、罠を使用して野生鳥獣を捕獲するためには、原則として狩猟免許が必要になります。 狩猟免許の種類には、網猟免許・わな猟免許・第一種銃猟免許・第二種銃猟免許があり、箱罠やくくり罠を使うには、わな猟免許が必要です。また免許を取得したのち、実際に狩猟を行う前に、わな猟を行う都道府県で狩猟者登録をする必要があります。 参考記事>>害獣捕獲のための第一歩...
イノシシ捕獲のための虎の巻
イノシシによる農作物の被害に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。 イノシシの被害は野生鳥獣の被害額から見ても、全体の約3割を占めており、早急な対策が求められています。 そこで今回は、イノシシ対策の中でもとくに効果を発揮する、捕獲についてご紹介します。具体的な捕獲方法や豆知識についても解説していますので、被害に頭を悩ませる方はぜひ参考にしてください。 イノシシ被害の現状は? イノシシの捕獲について解説する前に、まずは被害の現状から見ておきましょう。 農林水産省が行った「全国の野生鳥獣による農作物被害状況(平成30年度)」によると、野生鳥獣による全国の農作物の被害は平成30年度で約158億円に達しています。平成29年度から約6億円の減少となっているものの、依然として高い水準で推移している状態です。 この中でもイノシシだけにフォーカスすると約47億円で、全体の約3割を占めています。これは鳥獣別に見てもシカの約54億円に次ぐ数字で、被害の大きさが窺えます。 参考サイト:全国の野生鳥獣による農作物被害状況 イノシシ対策には捕獲が必要 イノシシは繁殖力が高いため個体数の年変動が大きく、対策が遅れると被害はすぐに深刻化します。柵を設置してイノシシを遠ざける対策や、イノシシが近寄りにくい環境を作るといった対策も効果がありますが、抜本的な対策としては、被害を引き起こすイノシシの数を捕獲によって減らす方法が効果的です。 個体数そのものを減らすことで、地域全体で広く対策を講じていくことが重要となります。 イノシシの捕獲方法 イノシシを捕獲する方法として一般的なのは、「箱罠」と「くくり罠」の2パターンになります。参考記事>>イノシシ対策~罠の種類 まずは、それぞれの罠の特徴について見ていきましょう。 箱罠による捕獲 箱罠は、檻を箱状にして、餌を使ってイノシシを箱の内部に誘引することによって捕獲する罠のことです。 餌を使うため捕獲率が高く、くくり罠ほど知識やテクニックを要しません。 一つの箱罠で一度に複数の捕獲ができることも期待できます。一方で、くくり罠に比べると高価である点や、大きくて重たいため設置や移動に労力がかかります。 イノホイの箱罠商品はこちらから>> 天井面が半分以上が解放されている罠を見かけますが、これは箱罠ではなく囲い罠に分類されます。間違えやすいことも多いため、覚えておくと安心です。 くくり罠による捕獲 くくり罠は、ワイヤーを使って獣の足や胴を捕える罠のことです。ほとんどの場合が足くくり罠で、イノシシが歩く経路に予め仕掛けておき、イノシシが罠を踏むとバネの力でワイヤーが締まり、足を捕える仕組みになっています。イノホイのくくり罠商品はこちらから>> 箱罠と比べると、安価なので数多く設置することが可能ですが、効果を上げるには知識やテクニックを要します。また、捕獲後も獣の可動範囲が広いため、捕らえた獲物にとどめをさす時に危険を伴う場合があります。 イノシシの捕獲の前に知っておくべきルール イノシシを捕獲するには、前もって押さえておくべきルールがあります。 まず、前提としてイノシシをはじめとする野生鳥獣は「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣保護法)で保護されており、法令やルールから外れて捕獲することはできません。違法な捕獲は罰せられますので注意しましょう。 1.わな猟免許の取得のルール まず、罠を使用して野生鳥獣を捕獲するためには、原則として狩猟免許が必要になります。 狩猟免許の種類には、網猟免許・わな猟免許・第一種銃猟免許・第二種銃猟免許があり、箱罠やくくり罠を使うには、わな猟免許が必要です。また免許を取得したのち、実際に狩猟を行う前に、わな猟を行う都道府県で狩猟者登録をする必要があります。 参考記事>>害獣捕獲のための第一歩...