鳥獣被害対策マガジン
【イノシシ捕獲】空ハジキ(から弾き)を減らすための、くくり罠テクニック。
くくり罠を使って獣を捕獲するにあたり、2つのハードルがあります。 まず1つ目のハードルは、獣にしっかりとくくり罠を踏んでもらうこと。 獣の足の運びを予想して、踏み込むであろう位置にピンポイントでくくり罠を埋めるわけですが、初心者のうちはどこに埋めれば良いのか読み取れません(参考記事:くくり罠の成果を上げるためのコツ)。 獣の動きが読めるようになって、板を踏ませられるようになってくると、2つ目のハードルとして「空ハジキ」が見られるようになります。 「空ハジキ」とは、くくり罠が作動したにも関わらず捕獲できないことです。仕掛けた側からすると「ちゃんと踏ませることができたのに、なぜ?」となりますが、工夫によって空ハジキを減らすことは可能です。 今回は、空ハジキを減らすための、くくり罠テクニックについて説明します。 空ハジキの要因 くくり罠を使った捕獲においては、空ハジキはどうしても起こるものです。空ハジキが起こる要因はさまざまですが、考えられる要因はできる限り対策しておくことが重要になります。 代表的な要因と対策を以下に紹介します。 要因1:罠の動作は正常だが、逃げられているケース 特にターゲットがイノシシの場合は、他の動物に比べて俊敏かつ警戒心が高いです。そのため、空ハジキも他の動物と比べると多くなってしまいます。 イノシシは足場が不安定と感じると、サッと足を引っ込めます。 しっかりと踏み込んでもらうためには、仕掛けた際にガタつきが出ないように工夫する必要があります。台座があるタイプの場合、設置の際に台座がグラグラしないように気を付けます。台座をセットして上から手で押さえた際に、台座が沈んだり動いたりしないようにすることが大切です。台座を杭や板などでガッチリ固定されている方もいらっしゃいます。 また、穴を掘るタイプのくくり罠の場合は、踏み板の下の穴は出来るだけ深い方が望ましいです。 動作荷重が軽すぎる場合も空ハジキが起こる要因になります。ターゲットがしっかりと踏み込んだ場合に罠が動作するよう、動作荷重をテスト・調整しておくと良いでしょう。イノシシであれば、20kg以下では作動しないような荷重調整とすることが多いです。 使用する罠の構造にもよりますが、竹串や爪楊枝は色々な調整に使えるのでおススメです。 ★跳ね上げ式くくり罠の場合のワンポイントアドバイス 以下の図のように、獣道(オレンジの線)に対してアームが横側に上がるようにし、かつ くくり金具がアームの付け根(蝶番)近くになるようにして配置すると、空弾きが少なくなる傾向があります。 アームが獣道の前後に上がるようになる設置方法は、獣の脚が邪魔になり、空弾きの原因になりやすいようです。 ターゲットとなる獣がよく通っているであろう道を探し、その通い道をよくチェックして、どのような足の運びをしているか予測したうえで設置場所を決めます。よく観察すると、右足と左足をどの位置に置くか読めるようになります。 後ろ足にワイヤーが掛かった場合は足が切れたり、ワイヤーが切れたりしやすいので、前足を狙いましょう。また、シカやイノシシの脚は、先端に主蹄、かかとの位置に副蹄が付いており、ワイヤーがそのどちらかの上部を括ることができれば、ワイヤーは抜けにくくなります。 要因2:罠は正常だが、うまく作動していない 踏み板の端のほうを踏まれた場合、荷重のバランスが偏るため正常に動作しなかったり逃げられたりしやすくなります。そのため、踏み板の中央部を踏ませる確率を高くする工夫が必要です。 障害物(木の枝や石など)で周囲の部分を踏みにくいようにして、踏み板の中央部を踏ませるように誘導すると良いでしょう。 カモフラージュの土や葉っぱが多すぎると、罠の動作が阻害される場合もあります。また、くくり罠の周りの土が崩れやすい場所だと、崩れて作動不良となることもあるため、できるだけ崩れにくい場所に仕掛けるようにします。 やむを得ない場合には、設置の際に周囲の土を固めて、獣が踏んでもくくり罠の周りが崩れにくいようにしておくこともあります。 罠が凍結してしまい不作動となったり、雨で土が重くなってしまい作動が遅くなったりするケースもあります。 作動不良の要因となるものができるだけ少ない場所を選んで設置することも重要です。 要因3:仕掛けに起因して、うまく動作していない...
【イノシシ捕獲】空ハジキ(から弾き)を減らすための、くくり罠テクニック。
くくり罠を使って獣を捕獲するにあたり、2つのハードルがあります。 まず1つ目のハードルは、獣にしっかりとくくり罠を踏んでもらうこと。 獣の足の運びを予想して、踏み込むであろう位置にピンポイントでくくり罠を埋めるわけですが、初心者のうちはどこに埋めれば良いのか読み取れません(参考記事:くくり罠の成果を上げるためのコツ)。 獣の動きが読めるようになって、板を踏ませられるようになってくると、2つ目のハードルとして「空ハジキ」が見られるようになります。 「空ハジキ」とは、くくり罠が作動したにも関わらず捕獲できないことです。仕掛けた側からすると「ちゃんと踏ませることができたのに、なぜ?」となりますが、工夫によって空ハジキを減らすことは可能です。 今回は、空ハジキを減らすための、くくり罠テクニックについて説明します。 空ハジキの要因 くくり罠を使った捕獲においては、空ハジキはどうしても起こるものです。空ハジキが起こる要因はさまざまですが、考えられる要因はできる限り対策しておくことが重要になります。 代表的な要因と対策を以下に紹介します。 要因1:罠の動作は正常だが、逃げられているケース 特にターゲットがイノシシの場合は、他の動物に比べて俊敏かつ警戒心が高いです。そのため、空ハジキも他の動物と比べると多くなってしまいます。 イノシシは足場が不安定と感じると、サッと足を引っ込めます。 しっかりと踏み込んでもらうためには、仕掛けた際にガタつきが出ないように工夫する必要があります。台座があるタイプの場合、設置の際に台座がグラグラしないように気を付けます。台座をセットして上から手で押さえた際に、台座が沈んだり動いたりしないようにすることが大切です。台座を杭や板などでガッチリ固定されている方もいらっしゃいます。 また、穴を掘るタイプのくくり罠の場合は、踏み板の下の穴は出来るだけ深い方が望ましいです。 動作荷重が軽すぎる場合も空ハジキが起こる要因になります。ターゲットがしっかりと踏み込んだ場合に罠が動作するよう、動作荷重をテスト・調整しておくと良いでしょう。イノシシであれば、20kg以下では作動しないような荷重調整とすることが多いです。 使用する罠の構造にもよりますが、竹串や爪楊枝は色々な調整に使えるのでおススメです。 ★跳ね上げ式くくり罠の場合のワンポイントアドバイス 以下の図のように、獣道(オレンジの線)に対してアームが横側に上がるようにし、かつ くくり金具がアームの付け根(蝶番)近くになるようにして配置すると、空弾きが少なくなる傾向があります。 アームが獣道の前後に上がるようになる設置方法は、獣の脚が邪魔になり、空弾きの原因になりやすいようです。 ターゲットとなる獣がよく通っているであろう道を探し、その通い道をよくチェックして、どのような足の運びをしているか予測したうえで設置場所を決めます。よく観察すると、右足と左足をどの位置に置くか読めるようになります。 後ろ足にワイヤーが掛かった場合は足が切れたり、ワイヤーが切れたりしやすいので、前足を狙いましょう。また、シカやイノシシの脚は、先端に主蹄、かかとの位置に副蹄が付いており、ワイヤーがそのどちらかの上部を括ることができれば、ワイヤーは抜けにくくなります。 要因2:罠は正常だが、うまく作動していない 踏み板の端のほうを踏まれた場合、荷重のバランスが偏るため正常に動作しなかったり逃げられたりしやすくなります。そのため、踏み板の中央部を踏ませる確率を高くする工夫が必要です。 障害物(木の枝や石など)で周囲の部分を踏みにくいようにして、踏み板の中央部を踏ませるように誘導すると良いでしょう。 カモフラージュの土や葉っぱが多すぎると、罠の動作が阻害される場合もあります。また、くくり罠の周りの土が崩れやすい場所だと、崩れて作動不良となることもあるため、できるだけ崩れにくい場所に仕掛けるようにします。 やむを得ない場合には、設置の際に周囲の土を固めて、獣が踏んでもくくり罠の周りが崩れにくいようにしておくこともあります。 罠が凍結してしまい不作動となったり、雨で土が重くなってしまい作動が遅くなったりするケースもあります。 作動不良の要因となるものができるだけ少ない場所を選んで設置することも重要です。 要因3:仕掛けに起因して、うまく動作していない...
糞害に悩まされる前に。ソーラーパネルの鳩対策
昨今、屋根に太陽光パネルを設置した建物が多く見られるようになりましたが、屋根と太陽光パネルのあいだの隙間は鳥達にとって格好の巣作り場所です。カラス、スズメ、セキレイ、ムクドリなど様々な鳥が住み着き、糞や鳴き声による騒音等の被害につながります。 中でも、もっとも被害の相談が多いのが、鳩です。鳩の羽、糞、巣材などが電気系統の内部に入り込むと故障の原因になりますし、太陽光パネル表面が糞で汚れると発電効率も下がります。 せっかくの新築なのに屋根の上は毎日糞だらけ、鳴き声もうるさく、鳩に怯える毎日という深刻なケースもあります。 なぜソーラーパネルに鳩が? 鳩(ドバト)が巣作りの場所として好むのは、天敵である猫・蛇・カラス・タカ等が襲ってこない高所。マンションのベランダ、屋上の室外機、梁の下等に鳩が住み着いているのを見かけたことがある人も多いでしょう。 こうした場所は外敵から襲われにくく、雛にエサを運搬するためにアクセスしやすいという理由から、格好の巣作りの場所に選ばれます。 その中でも、鳩にとって最も優良立地といえるのが、屋根に設置された太陽光パネルの下です。 まず、屋根の上なのでには滅多に人間が来ない。また水場となる雨桶や餌場がすぐ近くにある。何より、太陽光パネルが外敵や雨風からのシールドの役割になる。鳩にとって最高に生活しやすい快適な場所というわけです。 さらに、厄介なのが彼らの「帰巣本能」。巣がある場所に帰ろうとする執着が非常に強いのです。巣を撤去したとしても必ず元巣があった場所に帰ろうとし、早くて2週間長い場合は1ヶ月以上この行動を繰り返します(諦めると別の場所に巣を作ってその場所への帰巣本能が生まれるため、元巣のあった場所には帰らなくなります)。 また、鳩被害のある家の近隣は、同じく鳩被害が発生しやすい傾向があります。鳩たちは快適な場所を探すのがとても得意です。太陽光パネルの隙間の快適空間から何らかの理由で追い出された場合は、そこから近所の太陽光パネルの隙間を優先的に探します。 このことにより、鳩被害がある太陽光パネルのご近所には、同じような被害のある場所が点在していることが多いのです。 鳩にとっての優良物件には、鳩がどんどん集まってきます。鳩の数に比例して加速度的に被害が進行します。 知っておきたいソーラーパネルの鳩対策 上記の鳩の習性を知ったうえで、重要なポイントは、住み着かせないということ。 一旦住み着かれてしまうと、帰巣本能によって鳩がその場所に執着するため、簡単には鳩対策ができなくなります。 オーナー様が被害を認識しだしたころには、既にパネルの裏側で鳥たちが巣を作っていたり、ヒナ鳥がいたりすることが多いです。そうなる前のタイミングで、できることならこれから新規でパネルを設置するというタイミングで、対策をしておくことが望ましいです。 また、糞や羽根の掃除や巣の撤去などには大変な労力がかかります。対策が遅れると、パネルを全て取り外して、対策しなければいけないのでコストが非常に高くなります。 鳩が卵を産んでしまうと事態はさらに深刻になります。「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)」の対象となるため、卵やヒナのいる巣を無許可で撤去することは法律違反となります。 こうなってしまうと、巣立ちを待つか自治体に許可を得た上で巣を撤去し、その後で巣を作りづらい環境にする方法しかありません。 では、太陽光パネルに鳩が住み着かないようにするにはどうすれば良いか。それは鳩が隙間に侵入できなくするよう、物理的にブロックすることです。 それ以外の方法は、効果が一時的であったり全く効果が無かったりするため、無駄な労力やコストがかかってしまいます。 また、物理的にブロックするとしても、安価な鳥よけネットはおすすめしません。 「とにかく安く済ませたい」という相談をいただくことも多いですし、コストを気にするのは至極当然だと思います。しかしながら、経年劣化等によってネットが破れ、そこから侵入されて巣を作られてしまったり、酷い場合では破れた箇所から侵入した鳥が出られなくなって、そのまま死んでしまうという事案もあります。 重要なのは以下の3項目。これを満たすことが結局、長い目で見ても費用が安くつくと思われます。 1:耐久性が信頼できる物理的な侵入防止策を選ぶ 2:きちんとした工事で1を設置する 3:できるだけ早期に対策しておく イノホイのおすすめ侵入防止策:専用特殊フェンス イノホイがおすすめするのは、太陽光パネルの鳩よけ・営巣対策として特別に開発された専用特殊フェンスです。 おススメポイントその1:高耐久のオールステンレス...
糞害に悩まされる前に。ソーラーパネルの鳩対策
昨今、屋根に太陽光パネルを設置した建物が多く見られるようになりましたが、屋根と太陽光パネルのあいだの隙間は鳥達にとって格好の巣作り場所です。カラス、スズメ、セキレイ、ムクドリなど様々な鳥が住み着き、糞や鳴き声による騒音等の被害につながります。 中でも、もっとも被害の相談が多いのが、鳩です。鳩の羽、糞、巣材などが電気系統の内部に入り込むと故障の原因になりますし、太陽光パネル表面が糞で汚れると発電効率も下がります。 せっかくの新築なのに屋根の上は毎日糞だらけ、鳴き声もうるさく、鳩に怯える毎日という深刻なケースもあります。 なぜソーラーパネルに鳩が? 鳩(ドバト)が巣作りの場所として好むのは、天敵である猫・蛇・カラス・タカ等が襲ってこない高所。マンションのベランダ、屋上の室外機、梁の下等に鳩が住み着いているのを見かけたことがある人も多いでしょう。 こうした場所は外敵から襲われにくく、雛にエサを運搬するためにアクセスしやすいという理由から、格好の巣作りの場所に選ばれます。 その中でも、鳩にとって最も優良立地といえるのが、屋根に設置された太陽光パネルの下です。 まず、屋根の上なのでには滅多に人間が来ない。また水場となる雨桶や餌場がすぐ近くにある。何より、太陽光パネルが外敵や雨風からのシールドの役割になる。鳩にとって最高に生活しやすい快適な場所というわけです。 さらに、厄介なのが彼らの「帰巣本能」。巣がある場所に帰ろうとする執着が非常に強いのです。巣を撤去したとしても必ず元巣があった場所に帰ろうとし、早くて2週間長い場合は1ヶ月以上この行動を繰り返します(諦めると別の場所に巣を作ってその場所への帰巣本能が生まれるため、元巣のあった場所には帰らなくなります)。 また、鳩被害のある家の近隣は、同じく鳩被害が発生しやすい傾向があります。鳩たちは快適な場所を探すのがとても得意です。太陽光パネルの隙間の快適空間から何らかの理由で追い出された場合は、そこから近所の太陽光パネルの隙間を優先的に探します。 このことにより、鳩被害がある太陽光パネルのご近所には、同じような被害のある場所が点在していることが多いのです。 鳩にとっての優良物件には、鳩がどんどん集まってきます。鳩の数に比例して加速度的に被害が進行します。 知っておきたいソーラーパネルの鳩対策 上記の鳩の習性を知ったうえで、重要なポイントは、住み着かせないということ。 一旦住み着かれてしまうと、帰巣本能によって鳩がその場所に執着するため、簡単には鳩対策ができなくなります。 オーナー様が被害を認識しだしたころには、既にパネルの裏側で鳥たちが巣を作っていたり、ヒナ鳥がいたりすることが多いです。そうなる前のタイミングで、できることならこれから新規でパネルを設置するというタイミングで、対策をしておくことが望ましいです。 また、糞や羽根の掃除や巣の撤去などには大変な労力がかかります。対策が遅れると、パネルを全て取り外して、対策しなければいけないのでコストが非常に高くなります。 鳩が卵を産んでしまうと事態はさらに深刻になります。「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)」の対象となるため、卵やヒナのいる巣を無許可で撤去することは法律違反となります。 こうなってしまうと、巣立ちを待つか自治体に許可を得た上で巣を撤去し、その後で巣を作りづらい環境にする方法しかありません。 では、太陽光パネルに鳩が住み着かないようにするにはどうすれば良いか。それは鳩が隙間に侵入できなくするよう、物理的にブロックすることです。 それ以外の方法は、効果が一時的であったり全く効果が無かったりするため、無駄な労力やコストがかかってしまいます。 また、物理的にブロックするとしても、安価な鳥よけネットはおすすめしません。 「とにかく安く済ませたい」という相談をいただくことも多いですし、コストを気にするのは至極当然だと思います。しかしながら、経年劣化等によってネットが破れ、そこから侵入されて巣を作られてしまったり、酷い場合では破れた箇所から侵入した鳥が出られなくなって、そのまま死んでしまうという事案もあります。 重要なのは以下の3項目。これを満たすことが結局、長い目で見ても費用が安くつくと思われます。 1:耐久性が信頼できる物理的な侵入防止策を選ぶ 2:きちんとした工事で1を設置する 3:できるだけ早期に対策しておく イノホイのおすすめ侵入防止策:専用特殊フェンス イノホイがおすすめするのは、太陽光パネルの鳩よけ・営巣対策として特別に開発された専用特殊フェンスです。 おススメポイントその1:高耐久のオールステンレス...
ハトやカラスの鳥害に負けない。どんな対策が効果ある?
鳥(ハト、カラス、ムクドリ等)によって人間が受ける被害のことを、「鳥害」といいます。鳥の種類によって鳥害の内容に違いはありますが、近年では都市部における糞害などが主な問題となっています。今回は、その対策についてお話します。 知っておきたい鳥害内容 鳥害は大きく分けて4タイプ。 1:鳴き声・羽・糞などによって不快な感覚を受ける 2:資産や器具・商品などが、汚されたり損傷を受けたりする 3:景観が損なわれる 4:衛生・健康被害が挙げられます。 「共同住宅に住んでいますが、鳩にベランダを糞だらけにされました・・・」 「オフィスの上の階のベランダに鳩が巣を作っている。鳴き声がうるさいし、悪臭がすごい・・・」 「工場にある倉庫の天井に鳩が住み着き、車両や商品、機械などへの糞の被害に悩まされています・・・」 「マンションの廊下や駐車場、公園や駅前の広場といった場所で、ハトの糞をよく見かけます。景観も汚いですし、感染症が心配です。」 鳥は行動範囲が広いうえ、特にカラスや鳩は学習能力が高く対策は難しいとされます。また帰巣本能によって必ず元巣があった場所に帰ろうとする等、しつこい性質もあります。そのため、一時的に被害が減ったとしても、後で元に戻る場合があります。 適切な鳥害対策とは 対策としては、1:防除、2:生息環境の管理、3:個体数管理が重要な3原則になります。 鳥害を受けないための防除 対策を立てて予防することを防除と言いますが、いくつかの種類があります。 防除策A 鳥の嗅覚や聴覚を利用した忌避 防鳥効果★★☆☆☆(2.0)コスト低 設置箇所付近への飛来を抑制するために、忌避剤・薬品・粘着シート等を設置する方法です。設置が簡単でお手軽という点がメリットです。 一方で、場所によっては全く効かない または持続が短い、雨(水)に弱い、設置場所周辺が汚れてしまうという点がデメリットになります。また、飛来してきて欲しくない範囲が広い場合には向きません。 他にも超音波・磁石を利用した忌避グッズがありますが、そもそも鳩やカラスなどの鳥の聴覚は人間と大差はなく、超音波自体に鳥の忌避効果はありません。磁石についても、鳥は主に視覚に頼って活動しているため磁石の意味は無いと思われます。 なお鳥の執着心がまだ強くない初期段階において、超音波・磁石による忌避効果というよりは、鳥が飛来して留まろうとした時に邪魔になって効果が出る可能性があります。 ディストレスコール(忌避声)による追い払いは、過去にムクドリ問題で各地の地方自治体が採用していました。結果、追い払いは可能だがすぐに慣れて戻ってきてしまうことが多く見られました。 また、大きな音が必要で、ディストレスコール自体の騒音が問題となることもありました。 防除策B 防鳥剣山 防鳥効果★★★★☆(4.0)コスト中 設置箇所への飛来を防ぐために、最も一般的な方法です。網やネットに比べて設置が楽であり、実績も多く安定した効果が期待できます。 現在いろいろなタイプの商品が販売されていますが、価格も品質も様々。商品によっては、「剣山の上に普通に鳩が乗ってきた」等そもそも効果が出なかったり、「尖っているので危ない」「見た目が痛々しい・・・」など予想しなかったデメリットが出てしまう場合があります。 価格だけでなく、品質や性能、購入者の声をよく調べたうえで商品を選定すると良いでしょう。 イノホイがオススメするのは、こちらの樹脂製防鳥剣山です。 1型:鳥が来る前の予防対策に最適...
ハトやカラスの鳥害に負けない。どんな対策が効果ある?
鳥(ハト、カラス、ムクドリ等)によって人間が受ける被害のことを、「鳥害」といいます。鳥の種類によって鳥害の内容に違いはありますが、近年では都市部における糞害などが主な問題となっています。今回は、その対策についてお話します。 知っておきたい鳥害内容 鳥害は大きく分けて4タイプ。 1:鳴き声・羽・糞などによって不快な感覚を受ける 2:資産や器具・商品などが、汚されたり損傷を受けたりする 3:景観が損なわれる 4:衛生・健康被害が挙げられます。 「共同住宅に住んでいますが、鳩にベランダを糞だらけにされました・・・」 「オフィスの上の階のベランダに鳩が巣を作っている。鳴き声がうるさいし、悪臭がすごい・・・」 「工場にある倉庫の天井に鳩が住み着き、車両や商品、機械などへの糞の被害に悩まされています・・・」 「マンションの廊下や駐車場、公園や駅前の広場といった場所で、ハトの糞をよく見かけます。景観も汚いですし、感染症が心配です。」 鳥は行動範囲が広いうえ、特にカラスや鳩は学習能力が高く対策は難しいとされます。また帰巣本能によって必ず元巣があった場所に帰ろうとする等、しつこい性質もあります。そのため、一時的に被害が減ったとしても、後で元に戻る場合があります。 適切な鳥害対策とは 対策としては、1:防除、2:生息環境の管理、3:個体数管理が重要な3原則になります。 鳥害を受けないための防除 対策を立てて予防することを防除と言いますが、いくつかの種類があります。 防除策A 鳥の嗅覚や聴覚を利用した忌避 防鳥効果★★☆☆☆(2.0)コスト低 設置箇所付近への飛来を抑制するために、忌避剤・薬品・粘着シート等を設置する方法です。設置が簡単でお手軽という点がメリットです。 一方で、場所によっては全く効かない または持続が短い、雨(水)に弱い、設置場所周辺が汚れてしまうという点がデメリットになります。また、飛来してきて欲しくない範囲が広い場合には向きません。 他にも超音波・磁石を利用した忌避グッズがありますが、そもそも鳩やカラスなどの鳥の聴覚は人間と大差はなく、超音波自体に鳥の忌避効果はありません。磁石についても、鳥は主に視覚に頼って活動しているため磁石の意味は無いと思われます。 なお鳥の執着心がまだ強くない初期段階において、超音波・磁石による忌避効果というよりは、鳥が飛来して留まろうとした時に邪魔になって効果が出る可能性があります。 ディストレスコール(忌避声)による追い払いは、過去にムクドリ問題で各地の地方自治体が採用していました。結果、追い払いは可能だがすぐに慣れて戻ってきてしまうことが多く見られました。 また、大きな音が必要で、ディストレスコール自体の騒音が問題となることもありました。 防除策B 防鳥剣山 防鳥効果★★★★☆(4.0)コスト中 設置箇所への飛来を防ぐために、最も一般的な方法です。網やネットに比べて設置が楽であり、実績も多く安定した効果が期待できます。 現在いろいろなタイプの商品が販売されていますが、価格も品質も様々。商品によっては、「剣山の上に普通に鳩が乗ってきた」等そもそも効果が出なかったり、「尖っているので危ない」「見た目が痛々しい・・・」など予想しなかったデメリットが出てしまう場合があります。 価格だけでなく、品質や性能、購入者の声をよく調べたうえで商品を選定すると良いでしょう。 イノホイがオススメするのは、こちらの樹脂製防鳥剣山です。 1型:鳥が来る前の予防対策に最適...
ネズミ被害に困った!種類や習性を知って、適切な対策を。
目次 1ネズミの種類と習性 1クマネズミ 2ドブネズミ 3ハツカネズミ 4スーパーラット 2どのような被害がもたらされるのか 1物的被害 2健康被害 3精神的被害 3ネズミ対策の種類 4物理的防除方法 1粘着シート 2箱罠(かご) 3毒えさ(殺鼠剤) 人間の生活圏に住み着くペット以外の動物のうち、身近なものとしてネズミが挙げられます。古くから人間の生活にさまざまな被害を与えてきたネズミですが、公衆衛生が格段に向上した現代においても、大都市のビル内部など都市の環境に巧みに適応して増加し、問題を引き起こしています。 最近では、新型コロナ感染拡大の影響を受けて多くの飲食店が休業となった結果、ネズミの被害が目立つようになったというニュースも。 東京都のネズミ類の相談件数を見ると、平成20年以降徐々に合計相談件数は減少傾向であるものの、未だ6000件以上の被害相談が寄せられています。近年の傾向としては、繁華街で増加したネズミが生息範囲を周辺の住宅街に広げており、繁華街の店舗だけでなく近隣の住民にもさまざまな被害を与えています。 また、高齢者世帯での被害が多くなっていることも近年みられる傾向の一つです。高齢者は加齢に伴って身体機能が低下してくるため、自力でのネズミ駆除が困難となります。家屋へのネズミ侵入を放置してしまい、被害が深刻化しても自力での解決が困難な状況となっているケースが散見されます。 ネズミの種類と習性 人間に被害をもたらす代表的なねずみは「クマネズミ」「ドブネズミ」「ハツカネズミ」の3種類です。それぞれの特徴をご紹介します。 クマネズミ 体長は15~20cmほど。ねずみの種類が分かっている相談のうち、ほとんどがクマネズミによるものです。種類の見分けがつかない場合は、クマネズミとして対処すると良いでしょう。 クマネズミは、高いところに登るのが得意です。戦後、高層ビルの発達にともない、気密性(保温性)が高く安全なビルの中で、垂直移動を得意とするクマネズミがごみ置き場の廃棄物や厨房の厨芥などを餌にして増加したと考えられています。 その後、繁華街の再開発工事が頻繁に行われるようになった1990年代に、取り壊される建物やその周辺から逃げて近隣の住宅地に移動したために、住宅街におけるクマネズミの被害が増えたと言われています。 クマネズミは警戒心が強く学習能力が高いことも特徴です。ドブネズミやハツカネズミは、比較的簡単に毒えさや罠にかかってくれますが、警戒心が強く賢いクマネズミにおいては難易度があがります。 クマネズミの尾長は15~26センチほどで、尻尾が頭胴長と同じかやや長い傾向があります。一方で、ドブネズミは、尾長が頭胴長よりやや短い傾向があります。耳は比較的大きく前に倒すと目が隠れるほどですが、一方でドブネズミは耳が比較的小さく、前に倒しても目に達しません。 腹部は黄褐色で尾は黒いです。泳ぎは苦手で、天井や屋根裏で見られるケースが多いです。 何でも食べますが、穀物や果実など植物質を好み、動物の肉や魚介類はあまり好まない傾向があります。昼間でも活動しますが、都会では主に夜行性です。 ドブネズミ...
ネズミ被害に困った!種類や習性を知って、適切な対策を。
目次 1ネズミの種類と習性 1クマネズミ 2ドブネズミ 3ハツカネズミ 4スーパーラット 2どのような被害がもたらされるのか 1物的被害 2健康被害 3精神的被害 3ネズミ対策の種類 4物理的防除方法 1粘着シート 2箱罠(かご) 3毒えさ(殺鼠剤) 人間の生活圏に住み着くペット以外の動物のうち、身近なものとしてネズミが挙げられます。古くから人間の生活にさまざまな被害を与えてきたネズミですが、公衆衛生が格段に向上した現代においても、大都市のビル内部など都市の環境に巧みに適応して増加し、問題を引き起こしています。 最近では、新型コロナ感染拡大の影響を受けて多くの飲食店が休業となった結果、ネズミの被害が目立つようになったというニュースも。 東京都のネズミ類の相談件数を見ると、平成20年以降徐々に合計相談件数は減少傾向であるものの、未だ6000件以上の被害相談が寄せられています。近年の傾向としては、繁華街で増加したネズミが生息範囲を周辺の住宅街に広げており、繁華街の店舗だけでなく近隣の住民にもさまざまな被害を与えています。 また、高齢者世帯での被害が多くなっていることも近年みられる傾向の一つです。高齢者は加齢に伴って身体機能が低下してくるため、自力でのネズミ駆除が困難となります。家屋へのネズミ侵入を放置してしまい、被害が深刻化しても自力での解決が困難な状況となっているケースが散見されます。 ネズミの種類と習性 人間に被害をもたらす代表的なねずみは「クマネズミ」「ドブネズミ」「ハツカネズミ」の3種類です。それぞれの特徴をご紹介します。 クマネズミ 体長は15~20cmほど。ねずみの種類が分かっている相談のうち、ほとんどがクマネズミによるものです。種類の見分けがつかない場合は、クマネズミとして対処すると良いでしょう。 クマネズミは、高いところに登るのが得意です。戦後、高層ビルの発達にともない、気密性(保温性)が高く安全なビルの中で、垂直移動を得意とするクマネズミがごみ置き場の廃棄物や厨房の厨芥などを餌にして増加したと考えられています。 その後、繁華街の再開発工事が頻繁に行われるようになった1990年代に、取り壊される建物やその周辺から逃げて近隣の住宅地に移動したために、住宅街におけるクマネズミの被害が増えたと言われています。 クマネズミは警戒心が強く学習能力が高いことも特徴です。ドブネズミやハツカネズミは、比較的簡単に毒えさや罠にかかってくれますが、警戒心が強く賢いクマネズミにおいては難易度があがります。 クマネズミの尾長は15~26センチほどで、尻尾が頭胴長と同じかやや長い傾向があります。一方で、ドブネズミは、尾長が頭胴長よりやや短い傾向があります。耳は比較的大きく前に倒すと目が隠れるほどですが、一方でドブネズミは耳が比較的小さく、前に倒しても目に達しません。 腹部は黄褐色で尾は黒いです。泳ぎは苦手で、天井や屋根裏で見られるケースが多いです。 何でも食べますが、穀物や果実など植物質を好み、動物の肉や魚介類はあまり好まない傾向があります。昼間でも活動しますが、都会では主に夜行性です。 ドブネズミ...
200kg超えのイノシシを捕獲!巨大イノシシを仕留めたハンター・吉澤崇幸さんにインタビュー
2019年11月17日、神奈川県清川村煤ケ谷で巨大イノシシを仕留めたという一報がイノホイに入ってきました。 今回は、その巨大イノシシを仕留めた神奈川県在住の吉澤崇幸さんに、狩猟を始めたきっかけや、巨大イノシシを仕留めた際の様子などについてお話をお聞きしました。 ハンター塾をきっかけに狩猟の道へ ー狩猟はいつから、何がきっかけで始められたのですか? 吉澤さん:2014年に神奈川県で行われたハンター塾に参加したのがきっかけです。 もともと猟に興味はあったんですが、猟銃を使う狩猟はなんとなく敷居が高く、周りに猟をしている人もいなかったため、始めるきっかけを探していました。 そこで、神奈川県猟友会が企画する「ハンター塾」というハンター養成講座の第1回目が行われるというのをたまたま耳にして、幼馴染の同級生と参加したんです。 ハンター塾では、狩猟や猟銃の免許の取得方法、それに伴う手続きなど、狩猟を始めるまでの手順などを教えてもらいました。 せっかくの機会だし、時間はかかるけど自分にもできそうだなと思ったので、ハンター塾を受講した後、すぐに猟銃の免許を取得しました。 ただ、猟銃の免許を取得しても、周りに猟をしている人が誰もいなかったんで、どうやって猟を始めればいいのかわからず、神奈川県猟友会に電話で相談するところから始めました。 そして、稲田支部の会長さんがたまたま近所に住んでいることがわかり、紹介していただいて、仲間に入れていただきました。なので、猟自体を始めたのは5年くらい前からですね。 猟のグループって、特に大物猟は危険が伴うので、新参者を入れてくれるとこって少ないんですよ。だから射撃会に参加したり猟関連の会に参加したりして名前覚えてもらうことから始めなきゃだめだよっていうのも言われました。 千葉の猟もたまたま声をかけてもらって行ってますけど、声をかけてもらえなかったらそこも参加していなかった。そういう伝手みたいなのがないと、免許だけ取ったってなかなか猟に出ることはできないんです。 (▲写真の説明):普段はイノシシ猟を中心に狩りをしており、車で1時間半から2時間くらいで行ける範囲で活動を行っている。 ー普段はどの地域で、何人くらいで猟をされているのですか? 吉澤さん:神奈川、千葉、山梨で狩猟許可をもらっていて、イノシシ猟を中心に狩りをしているため、メインの猟場は千葉県木更津周辺です。車で1時間半から2時間くらいで行ける範囲の猟場でやっています。 基本的にイノシシを狙っているのですが、神奈川の猟区に入るときはシカが多いので、シカも出たら獲ります。 イノシシを獲りたいんですけど、イノシシだけを狙うのはなかなか難しいため、シカを10頭獲るよりイノシシを1頭獲りたいなっていう人が多いんです(笑) 特に神奈川の場合はイノシシよりシカが多く、逆に千葉はシカよりイノシシが多いため、千葉をメインに行くことが多いですね。 あと、千葉での猟と神奈川での猟はグループが違います。 神奈川でやるときは基本的にはグループ猟なので、大人数で巻き狩りをやりますが、千葉は人が集まらなくても、1人、2人でもやりますね。 (▲写真の説明):大物相手でもハンターをしっかりサポートする猟犬たち。 ー神奈川のグループ猟は何人くらいでされているのですか? 吉澤さん:神奈川って特殊な地域で、猟区がいくつかあり、猟区設定者の定める猟区管理規定により管理されています。 基本的には所属するグループがあるんですけど、あまり少ない人数だとグループ猟(巻き狩り)になりません。 最近は高齢化などの影響もあり猟をする人が減っているので、場所に応じていくつかのグループが共同で猟をしていましたが、今では1つのグループになって猟をしている感じですね。 猟期のときは、基本毎週土日に猟に行っています。平日はそれぞれ仕事をしているので、ほかのメンバーとかも予定が合いません。 年齢層的には下は20代から上は80代。うちのグループはやっと少しずつ若い人たちが入ってきて、それまでは自分が一番下くらいな感じでした。 その20代のメンバーは、ベテランのハンターがたまたま猟友会の狩猟の申し込みのときに見かけて声をかけて連れてきました(笑) 猟をしたいって自ら志願してくる人はなかなかいないので、勧誘活動しないと若い人は入ってこないですね。...
200kg超えのイノシシを捕獲!巨大イノシシを仕留めたハンター・吉澤崇幸さんにインタビュー
2019年11月17日、神奈川県清川村煤ケ谷で巨大イノシシを仕留めたという一報がイノホイに入ってきました。 今回は、その巨大イノシシを仕留めた神奈川県在住の吉澤崇幸さんに、狩猟を始めたきっかけや、巨大イノシシを仕留めた際の様子などについてお話をお聞きしました。 ハンター塾をきっかけに狩猟の道へ ー狩猟はいつから、何がきっかけで始められたのですか? 吉澤さん:2014年に神奈川県で行われたハンター塾に参加したのがきっかけです。 もともと猟に興味はあったんですが、猟銃を使う狩猟はなんとなく敷居が高く、周りに猟をしている人もいなかったため、始めるきっかけを探していました。 そこで、神奈川県猟友会が企画する「ハンター塾」というハンター養成講座の第1回目が行われるというのをたまたま耳にして、幼馴染の同級生と参加したんです。 ハンター塾では、狩猟や猟銃の免許の取得方法、それに伴う手続きなど、狩猟を始めるまでの手順などを教えてもらいました。 せっかくの機会だし、時間はかかるけど自分にもできそうだなと思ったので、ハンター塾を受講した後、すぐに猟銃の免許を取得しました。 ただ、猟銃の免許を取得しても、周りに猟をしている人が誰もいなかったんで、どうやって猟を始めればいいのかわからず、神奈川県猟友会に電話で相談するところから始めました。 そして、稲田支部の会長さんがたまたま近所に住んでいることがわかり、紹介していただいて、仲間に入れていただきました。なので、猟自体を始めたのは5年くらい前からですね。 猟のグループって、特に大物猟は危険が伴うので、新参者を入れてくれるとこって少ないんですよ。だから射撃会に参加したり猟関連の会に参加したりして名前覚えてもらうことから始めなきゃだめだよっていうのも言われました。 千葉の猟もたまたま声をかけてもらって行ってますけど、声をかけてもらえなかったらそこも参加していなかった。そういう伝手みたいなのがないと、免許だけ取ったってなかなか猟に出ることはできないんです。 (▲写真の説明):普段はイノシシ猟を中心に狩りをしており、車で1時間半から2時間くらいで行ける範囲で活動を行っている。 ー普段はどの地域で、何人くらいで猟をされているのですか? 吉澤さん:神奈川、千葉、山梨で狩猟許可をもらっていて、イノシシ猟を中心に狩りをしているため、メインの猟場は千葉県木更津周辺です。車で1時間半から2時間くらいで行ける範囲の猟場でやっています。 基本的にイノシシを狙っているのですが、神奈川の猟区に入るときはシカが多いので、シカも出たら獲ります。 イノシシを獲りたいんですけど、イノシシだけを狙うのはなかなか難しいため、シカを10頭獲るよりイノシシを1頭獲りたいなっていう人が多いんです(笑) 特に神奈川の場合はイノシシよりシカが多く、逆に千葉はシカよりイノシシが多いため、千葉をメインに行くことが多いですね。 あと、千葉での猟と神奈川での猟はグループが違います。 神奈川でやるときは基本的にはグループ猟なので、大人数で巻き狩りをやりますが、千葉は人が集まらなくても、1人、2人でもやりますね。 (▲写真の説明):大物相手でもハンターをしっかりサポートする猟犬たち。 ー神奈川のグループ猟は何人くらいでされているのですか? 吉澤さん:神奈川って特殊な地域で、猟区がいくつかあり、猟区設定者の定める猟区管理規定により管理されています。 基本的には所属するグループがあるんですけど、あまり少ない人数だとグループ猟(巻き狩り)になりません。 最近は高齢化などの影響もあり猟をする人が減っているので、場所に応じていくつかのグループが共同で猟をしていましたが、今では1つのグループになって猟をしている感じですね。 猟期のときは、基本毎週土日に猟に行っています。平日はそれぞれ仕事をしているので、ほかのメンバーとかも予定が合いません。 年齢層的には下は20代から上は80代。うちのグループはやっと少しずつ若い人たちが入ってきて、それまでは自分が一番下くらいな感じでした。 その20代のメンバーは、ベテランのハンターがたまたま猟友会の狩猟の申し込みのときに見かけて声をかけて連れてきました(笑) 猟をしたいって自ら志願してくる人はなかなかいないので、勧誘活動しないと若い人は入ってこないですね。...
ジビエの認知度向上と地域の雇用創出を目指す「美郷ジビエ工房」
宮崎県北部に位置する美郷町。人口約4800人、山林が約90%を占める自然豊かな町です。古くから狩猟文化が根付き、鳥獣と人間が上手に共存してきました。 しかし現在、人口減少や高齢化が進み、里山の利用や維持管理が難しくなるとともに、深刻な鳥獣被害に悩まされています。 今年4月、鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可(以下、鳥獣捕獲許可という)で捕獲したイノシシやシカの食肉としての新たな活用を図るため、美郷町ジビエ振興協議会を発足、県の補助金を活用し、南郷地区に「美郷ジビエ工房」を設立しました。 今回は、美郷町における鳥獣害の実態やジビエの活用法などについて、美郷町役場 農林振興課の小林雅朗さんと森本早美さんにお話を伺いました。 多くの関係者の思いが詰まった施設建設 ー「美郷ジビエ工房」とはどんな施設ですか? 森本さん 美郷町内で捕獲されたイノシシ、シカを精肉加工する施設です。この施設では、解体から精肉加工までを行っています。 施設は美郷町南郷の水清谷地区にあり、今年4月から稼働しています。 ー施設を作ったきっかけ、目的を教えてください。 小林さん 構想としては、もうずいぶん前からありました。 これまでは、イノシシやシカの肉は一部の方が個人間で楽しむ食材でした。しかしながら、それだと世の中に広くジビエの存在を知ってもらうことが難しく、普及は進まないだろうと考えていました。 また、鳥獣捕獲許可などで捕獲したイノシシやシカはほとんどが埋却処理されていたため、有害鳥獣を資源として有効活用する方法を模索していました。 そこで学校給食でのジビエ料理の提供やスーパーなどでの販売を視野に入れた、加工処理施設建設の計画が立ち上がりました。 施設建設が実現するまでには長い年月を要しましたが、賛同してくださる方のご協力も得てようやく稼働するまでに至りました。 深刻な鳥獣被害の実態 ー鳥獣被害の状況を教えてください。 森本さん 美郷町での昨年度の被害額は1192万円でした。鳥獣捕獲許可で捕獲した数はイノシシが1126頭、シカが1210頭。そのうち、イノシシ421頭、シカ850頭がこの南郷地区で捕獲されています。町内でも南郷地区は特に被害が深刻なんです。 小林さん 被害額といっても、自宅で消費するような出荷を目的としていない農作物は、被害が大きくても被害額として現れていない部分もあります。 また、ある地域の町有林は植林するたびに新芽がシカの食害に遭い、もう30年くらい木が育っていない状態です。 ーこの施設ではどのような流れで作業が行われるのですか? 森本さん この施設で扱えるのは、町内の猟師が捕獲した後、すぐに血抜きし、2時間以内に持ち込まれたシカ、イノシシのみです。 荷受室・解体室で個体をきれいに洗浄、剥皮、そして解体します。 その後、加工室にて枝肉をロースやモモなど部位ごとに分け真空パック処理し、冷凍保存します。 シカに関しては年中加工していますが、イノシシは狩猟延長期間の11月1日〜3月15日のみ加工し、6月頃まで販売しており、町内外の飲食店や宿泊施設など、主に業者向けに販売しています。 鮮度や衛生面・食の安全面は牛や豚などの家畜よりもかなり厳しく管理していますし、良い肉質を保つための工夫も行っています。 「ジビエで町全体を盛り上げたい」 ー今後の戦略・目標を教えてください。 小林さん 今は精肉加工までしか行っていませんが、いずれは一次処理から食品加工まで行い、ジビエを使ったメニューを学校給食などでも出せるといいなと思っています。 また、県内のほかの地域ではシカカレーやジャーキーなどジビエ加工品が出ていますが、新たな加工品の開発にも力を入れていきたいです。そうすることで、美郷町内で新たな雇用を生み出すことにつながると考えています。...
ジビエの認知度向上と地域の雇用創出を目指す「美郷ジビエ工房」
宮崎県北部に位置する美郷町。人口約4800人、山林が約90%を占める自然豊かな町です。古くから狩猟文化が根付き、鳥獣と人間が上手に共存してきました。 しかし現在、人口減少や高齢化が進み、里山の利用や維持管理が難しくなるとともに、深刻な鳥獣被害に悩まされています。 今年4月、鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可(以下、鳥獣捕獲許可という)で捕獲したイノシシやシカの食肉としての新たな活用を図るため、美郷町ジビエ振興協議会を発足、県の補助金を活用し、南郷地区に「美郷ジビエ工房」を設立しました。 今回は、美郷町における鳥獣害の実態やジビエの活用法などについて、美郷町役場 農林振興課の小林雅朗さんと森本早美さんにお話を伺いました。 多くの関係者の思いが詰まった施設建設 ー「美郷ジビエ工房」とはどんな施設ですか? 森本さん 美郷町内で捕獲されたイノシシ、シカを精肉加工する施設です。この施設では、解体から精肉加工までを行っています。 施設は美郷町南郷の水清谷地区にあり、今年4月から稼働しています。 ー施設を作ったきっかけ、目的を教えてください。 小林さん 構想としては、もうずいぶん前からありました。 これまでは、イノシシやシカの肉は一部の方が個人間で楽しむ食材でした。しかしながら、それだと世の中に広くジビエの存在を知ってもらうことが難しく、普及は進まないだろうと考えていました。 また、鳥獣捕獲許可などで捕獲したイノシシやシカはほとんどが埋却処理されていたため、有害鳥獣を資源として有効活用する方法を模索していました。 そこで学校給食でのジビエ料理の提供やスーパーなどでの販売を視野に入れた、加工処理施設建設の計画が立ち上がりました。 施設建設が実現するまでには長い年月を要しましたが、賛同してくださる方のご協力も得てようやく稼働するまでに至りました。 深刻な鳥獣被害の実態 ー鳥獣被害の状況を教えてください。 森本さん 美郷町での昨年度の被害額は1192万円でした。鳥獣捕獲許可で捕獲した数はイノシシが1126頭、シカが1210頭。そのうち、イノシシ421頭、シカ850頭がこの南郷地区で捕獲されています。町内でも南郷地区は特に被害が深刻なんです。 小林さん 被害額といっても、自宅で消費するような出荷を目的としていない農作物は、被害が大きくても被害額として現れていない部分もあります。 また、ある地域の町有林は植林するたびに新芽がシカの食害に遭い、もう30年くらい木が育っていない状態です。 ーこの施設ではどのような流れで作業が行われるのですか? 森本さん この施設で扱えるのは、町内の猟師が捕獲した後、すぐに血抜きし、2時間以内に持ち込まれたシカ、イノシシのみです。 荷受室・解体室で個体をきれいに洗浄、剥皮、そして解体します。 その後、加工室にて枝肉をロースやモモなど部位ごとに分け真空パック処理し、冷凍保存します。 シカに関しては年中加工していますが、イノシシは狩猟延長期間の11月1日〜3月15日のみ加工し、6月頃まで販売しており、町内外の飲食店や宿泊施設など、主に業者向けに販売しています。 鮮度や衛生面・食の安全面は牛や豚などの家畜よりもかなり厳しく管理していますし、良い肉質を保つための工夫も行っています。 「ジビエで町全体を盛り上げたい」 ー今後の戦略・目標を教えてください。 小林さん 今は精肉加工までしか行っていませんが、いずれは一次処理から食品加工まで行い、ジビエを使ったメニューを学校給食などでも出せるといいなと思っています。 また、県内のほかの地域ではシカカレーやジャーキーなどジビエ加工品が出ていますが、新たな加工品の開発にも力を入れていきたいです。そうすることで、美郷町内で新たな雇用を生み出すことにつながると考えています。...
野生動物管理業界の方、必見!イベントやお役立ちサイトのご紹介
本気の獣害対策を知りたい方へ。けもの塾2019 初級編・中級編・現場技術編などプログラム盛りだくさん!現場の熱い実践者たちが、リアルな実体験による「学び」や「コツ」を提供します。 以下に該当する方には、特におすすめのイベントです。 ◆地域で獣害に関するソーシャルビジネスを始めたい人 ◆野生動物に関わる仕事がしたい人 ◆退職後の地域貢献をしたい人 初級編 テーマ:獣害対策で食っていく入門道場 日 時:2019年10/24(木)~10/27(日) 場 所:佐賀県三養基郡上峰町 定 員:30名(先着順) 研修負担金:50,000円(別途宿泊費:30,000円程度3泊8食) 内 容:各獣類の生態講義(イノシシ、シカ、サル、アライグマ)、鳥獣害対策理論、防除手法(電気柵)、捕獲手法(くくり罠等)、集落環境診断、法規法令講義。 自治体担当者編 テーマ:地域にあった獣害対策の進め方~効果的施策立案法~ 日 時:2020年1/11(土)~1/12(日) 場 所:東京学院ビル本館3F教室(東京都千代田区神田三崎町3-6-15) 定 員:50名(先着順) 研修負担金:20,000円(内訳 研修費15,000円+テキスト代5,000円) 詳細は、こちらのパンフレットをご覧ください。 ※鳥獣被害防止総合対策交付金事業の補助対象科目「研修」でお申込みいただけます。 獣害対策・野生動物管理業界専門のキャリアイベント「ふるけもジョブ活2019」...
野生動物管理業界の方、必見!イベントやお役立ちサイトのご紹介
本気の獣害対策を知りたい方へ。けもの塾2019 初級編・中級編・現場技術編などプログラム盛りだくさん!現場の熱い実践者たちが、リアルな実体験による「学び」や「コツ」を提供します。 以下に該当する方には、特におすすめのイベントです。 ◆地域で獣害に関するソーシャルビジネスを始めたい人 ◆野生動物に関わる仕事がしたい人 ◆退職後の地域貢献をしたい人 初級編 テーマ:獣害対策で食っていく入門道場 日 時:2019年10/24(木)~10/27(日) 場 所:佐賀県三養基郡上峰町 定 員:30名(先着順) 研修負担金:50,000円(別途宿泊費:30,000円程度3泊8食) 内 容:各獣類の生態講義(イノシシ、シカ、サル、アライグマ)、鳥獣害対策理論、防除手法(電気柵)、捕獲手法(くくり罠等)、集落環境診断、法規法令講義。 自治体担当者編 テーマ:地域にあった獣害対策の進め方~効果的施策立案法~ 日 時:2020年1/11(土)~1/12(日) 場 所:東京学院ビル本館3F教室(東京都千代田区神田三崎町3-6-15) 定 員:50名(先着順) 研修負担金:20,000円(内訳 研修費15,000円+テキスト代5,000円) 詳細は、こちらのパンフレットをご覧ください。 ※鳥獣被害防止総合対策交付金事業の補助対象科目「研修」でお申込みいただけます。 獣害対策・野生動物管理業界専門のキャリアイベント「ふるけもジョブ活2019」...
アライグマの生態・対策・駆除について
目次 1アライグマを駆除しなければならない3つの理由 1理由1.経済的な被害が深刻なため 2理由2.感染症を媒介するリスクがある 3理由3.日本の生態系へ影響を与えてしまう 2アライグマの対策や駆除方法について 1アライグマを見かけたら 2餌付けは絶対にしない 3捕獲による対策 4許可なしでの捕獲は法律違反。まずは自治体に相談 3アライグマの特徴や生態 1生息地や分布 2特徴や生態 4まとめ こどものアライグマは非常に愛くるしく、テレビアニメの影響もあり非常に人気があります。しかしアライグマは本来日本には生息しない外来種。見た目とは異なり気性は荒く、農業被害や人への危害、感染症をもたらす可能性もあることから、対策や駆除を行わなければなりません。 今回は、アライグマ被害に頭を悩ませる方に向けて、対策や駆除の方法、生態について解説します。被害にお困りの方はぜひ参考にしてください。 アライグマを駆除しなければならない3つの理由 まずは、アライグマを害獣として駆除されなければならない理由から見ていきましょう。理由は大きく3つ挙げられます。 理由1.経済的な被害が深刻なため 1つ目の理由は、経済的な被害が深刻なためです。 農林水産長の報告によると、アライグマによる農作物への被害は2003年時点で1億2,600万程度でしたが、年々近畿地方や北海道を中心に被害が急増。2016年には農業被害額が約3億3千万円と3倍以上の増加を見せるなど、その後も増加傾向が続いています。 アライグマは雑食性のため、被害の対象となる作物は様々ですが、特にトウモロコシ、メロン、スイカ、イチゴなどの野菜・果樹や、家畜飼料などの被害が深刻です。また、畜産業・養殖業では、被害牧草のロールやパックの破壊。乳牛の乳首を噛み切る、鶏を食べるなどの畜産業被害、養魚場での魚の捕食といった漁業被害も報告されています。 これに加えて、家屋や文化財への被害も問題となっています。ハクビシンやアライグマが民家・社寺などへ侵入し、天井裏での糞尿や、建造物や美術工芸品を傷つけたりすることが報告されています。アライグマが営巣を目的として建物を探査する時や、建造物への侵入する時、建造物での営巣および住着時に被害が発生します。平等院鳳凰堂や清水寺で爪痕が見つかるなど、文化財への被害も報告されています。 参照文献:農林水産省「野生鳥獣被害防止マニュアル」 理由2.感染症を媒介するリスクがある 2つ目は、感染症を媒介するリスクがあるということです。 アライグマはヒトにも重篤な症状を与える感染症を引き起こすことがあります。最も重篤なリスクとして考えられるのはヒトとアライグマの共通感染症。 これまで日本国内で確認されていなかったアライグマ糞線虫などの寄生虫が、野生のアライグマから発見されていることから、他にも国内に存在しなかった新たな共通感染症をアライグマが持ち込む可能性が高いといえます。また、野生化したアライグマからは、日本脳炎ウイルス、カンピロバクターやサルモネラなどの細菌、タヌキ回虫など、以前から国内に存在する共通感染症がしばしば確認されています。 これ以外にも、日本ではヒトでの発症例がないアライグマ回虫症や、1957年以降動物での発生がない狂犬病など、重篤な感染症の媒介動物となるリスクも考えられ、十分な対策を講じておくことが必要です。 以下では代表的なアライグマの感染症について解説しています。...
アライグマの生態・対策・駆除について
目次 1アライグマを駆除しなければならない3つの理由 1理由1.経済的な被害が深刻なため 2理由2.感染症を媒介するリスクがある 3理由3.日本の生態系へ影響を与えてしまう 2アライグマの対策や駆除方法について 1アライグマを見かけたら 2餌付けは絶対にしない 3捕獲による対策 4許可なしでの捕獲は法律違反。まずは自治体に相談 3アライグマの特徴や生態 1生息地や分布 2特徴や生態 4まとめ こどものアライグマは非常に愛くるしく、テレビアニメの影響もあり非常に人気があります。しかしアライグマは本来日本には生息しない外来種。見た目とは異なり気性は荒く、農業被害や人への危害、感染症をもたらす可能性もあることから、対策や駆除を行わなければなりません。 今回は、アライグマ被害に頭を悩ませる方に向けて、対策や駆除の方法、生態について解説します。被害にお困りの方はぜひ参考にしてください。 アライグマを駆除しなければならない3つの理由 まずは、アライグマを害獣として駆除されなければならない理由から見ていきましょう。理由は大きく3つ挙げられます。 理由1.経済的な被害が深刻なため 1つ目の理由は、経済的な被害が深刻なためです。 農林水産長の報告によると、アライグマによる農作物への被害は2003年時点で1億2,600万程度でしたが、年々近畿地方や北海道を中心に被害が急増。2016年には農業被害額が約3億3千万円と3倍以上の増加を見せるなど、その後も増加傾向が続いています。 アライグマは雑食性のため、被害の対象となる作物は様々ですが、特にトウモロコシ、メロン、スイカ、イチゴなどの野菜・果樹や、家畜飼料などの被害が深刻です。また、畜産業・養殖業では、被害牧草のロールやパックの破壊。乳牛の乳首を噛み切る、鶏を食べるなどの畜産業被害、養魚場での魚の捕食といった漁業被害も報告されています。 これに加えて、家屋や文化財への被害も問題となっています。ハクビシンやアライグマが民家・社寺などへ侵入し、天井裏での糞尿や、建造物や美術工芸品を傷つけたりすることが報告されています。アライグマが営巣を目的として建物を探査する時や、建造物への侵入する時、建造物での営巣および住着時に被害が発生します。平等院鳳凰堂や清水寺で爪痕が見つかるなど、文化財への被害も報告されています。 参照文献:農林水産省「野生鳥獣被害防止マニュアル」 理由2.感染症を媒介するリスクがある 2つ目は、感染症を媒介するリスクがあるということです。 アライグマはヒトにも重篤な症状を与える感染症を引き起こすことがあります。最も重篤なリスクとして考えられるのはヒトとアライグマの共通感染症。 これまで日本国内で確認されていなかったアライグマ糞線虫などの寄生虫が、野生のアライグマから発見されていることから、他にも国内に存在しなかった新たな共通感染症をアライグマが持ち込む可能性が高いといえます。また、野生化したアライグマからは、日本脳炎ウイルス、カンピロバクターやサルモネラなどの細菌、タヌキ回虫など、以前から国内に存在する共通感染症がしばしば確認されています。 これ以外にも、日本ではヒトでの発症例がないアライグマ回虫症や、1957年以降動物での発生がない狂犬病など、重篤な感染症の媒介動物となるリスクも考えられ、十分な対策を講じておくことが必要です。 以下では代表的なアライグマの感染症について解説しています。...
箱罠の仕掛けテクニック
目次 1まずは状況・行動観察から 2警戒の程度を推し量る 3警戒を弱める工夫をする 1箱罠の底面には土を被せ、網を見えなくする 2両扉の場合、最初は両方の扉を開けておく 3撒き餌の劣化防止のために、箱罠の上にコンパネ等をかぶせる 4仕掛け応用例 獲物が罠に対してスレていない(学習していない)場合は、罠を使って多く捕獲できるチャンスです。しかしイノシシは他の動物に比べて警戒心が強く、神経質。そして学習能力も高いため、明らかに自然のものではない箱罠を使用する場合にかかりやすいのは、スレていない子イノシシが中心となります。 特に、スレたイノシシが多いエリアでは、箱罠を設置したが一ヵ月近く何もない、というケースも多くあります。この記事では、そのようなシチュエーションにおいても箱罠で捕獲するにはどうしたら良いか、考察してみます。 まずは状況・行動観察から 体重が50キロを超えてくるようなイノシシは、罠や人間について色々と学習しているため、箱罠に入りにくくなる傾向があります。 罠の状態を目で見て、獲物がどのような行動をしているか推測することも大切ですが、「確かに居る痕跡があるのに、なんで箱罠に入らない?」となった場合は、人間の目が無いときにどのような彼らが行動をしているか、トレイルカメラを使って録画してみることも一つの手です。 トレイルカメラをセットすることにより、昼間でも罠付近に人間がいない時間や、夜間のイノシシの姿を確認することができますし、イノシシ以外の動物の行動を見ることができたり、ワナや掛かったイノシシの盗難を検挙できたりすることができます(カメラを仕掛けた位置はカモフラージュして、見つけにくくすると良いでしょう。大抵のトレイルカメラは迷彩柄などになっており、野外で目立たない色になっています)。 警戒の程度を推し量る トレイルカメラで撮影された映像を見ると、様々なヒントを得ることができます。 例えば、上のトレイルカメラ映像では、多くの子イノシシと、メスの成獣イノシシが数匹写っていますが、設置間もない箱罠のようで、警戒して中には入らない状況です。 カメラの映像を見ながら、イノシシの警戒の程度を推し量り、「先に子イノシシを獲ると、成獣が学習してしまって捕獲まで相当な時間がかかりそうだな・・・まずは成獣狙いで、しばらく根気比べで成獣の警戒心をじっくり解こう」など作戦を立てることができます。 警戒を弱める工夫をする 箱罠による捕獲をする場合、イノシシの警戒心を解いて罠に近づけさせることが最初のステップになりますので、彼らが慣れて中に入るようになるまでは罠の扉が落ちないようロックしておきます。 日々見回りをして様々なサインを読み取ることが重要です。そして、罠の奥までイノシシが入り、エサを頻繁に食べるようになるのを待つわけです。 細かいテクニックは人によって様々ですが、代表的なものをいくつか紹介します。 1. 箱罠の底面には土を被せ、網を見えなくする 以下の動画の箱罠は、何年も移動させることなく設置しているものですが、毎年しっかり捕獲できています。設置の際に、底面に土を被せ、網を見えなくしたのですが、月日が経ち、周りの自然と一体化しています。このような箱罠は捕獲率が高い傾向にあります。 2. 両扉の場合、最初は両方の扉を開けておく 両扉タイプの箱罠の場合、最初は両方の扉を開けておくと、警戒心が解けて箱罠の中の餌を食べるようになるまでの期間が短い傾向にあります。箱罠の中の餌を食べるようになったら、片方の扉を閉じてトリガーを作動させるようにしておくとよいでしょう。 3. 撒き餌の劣化防止のために、箱罠の上にコンパネ等をかぶせる 雨が降ったりして餌が流れてしまうと、せっかくの慣らしがまた一からやり直しになったりする場合もあります。罠の内部に餌を置く場合、箱罠の上にコンパネなどをおいておくと、カラス等が餌を見つけて荒らすことを防げたり、雨が降っても餌が濡れないようにできます。 仕掛け応用例 下記のような応用ができるため、蹴り糸方式の箱罠がおすすめです。蹴り糸は、丈夫で見えにくいヒモが良いです。皆さま様々な工夫をされています。...
箱罠の仕掛けテクニック
目次 1まずは状況・行動観察から 2警戒の程度を推し量る 3警戒を弱める工夫をする 1箱罠の底面には土を被せ、網を見えなくする 2両扉の場合、最初は両方の扉を開けておく 3撒き餌の劣化防止のために、箱罠の上にコンパネ等をかぶせる 4仕掛け応用例 獲物が罠に対してスレていない(学習していない)場合は、罠を使って多く捕獲できるチャンスです。しかしイノシシは他の動物に比べて警戒心が強く、神経質。そして学習能力も高いため、明らかに自然のものではない箱罠を使用する場合にかかりやすいのは、スレていない子イノシシが中心となります。 特に、スレたイノシシが多いエリアでは、箱罠を設置したが一ヵ月近く何もない、というケースも多くあります。この記事では、そのようなシチュエーションにおいても箱罠で捕獲するにはどうしたら良いか、考察してみます。 まずは状況・行動観察から 体重が50キロを超えてくるようなイノシシは、罠や人間について色々と学習しているため、箱罠に入りにくくなる傾向があります。 罠の状態を目で見て、獲物がどのような行動をしているか推測することも大切ですが、「確かに居る痕跡があるのに、なんで箱罠に入らない?」となった場合は、人間の目が無いときにどのような彼らが行動をしているか、トレイルカメラを使って録画してみることも一つの手です。 トレイルカメラをセットすることにより、昼間でも罠付近に人間がいない時間や、夜間のイノシシの姿を確認することができますし、イノシシ以外の動物の行動を見ることができたり、ワナや掛かったイノシシの盗難を検挙できたりすることができます(カメラを仕掛けた位置はカモフラージュして、見つけにくくすると良いでしょう。大抵のトレイルカメラは迷彩柄などになっており、野外で目立たない色になっています)。 警戒の程度を推し量る トレイルカメラで撮影された映像を見ると、様々なヒントを得ることができます。 例えば、上のトレイルカメラ映像では、多くの子イノシシと、メスの成獣イノシシが数匹写っていますが、設置間もない箱罠のようで、警戒して中には入らない状況です。 カメラの映像を見ながら、イノシシの警戒の程度を推し量り、「先に子イノシシを獲ると、成獣が学習してしまって捕獲まで相当な時間がかかりそうだな・・・まずは成獣狙いで、しばらく根気比べで成獣の警戒心をじっくり解こう」など作戦を立てることができます。 警戒を弱める工夫をする 箱罠による捕獲をする場合、イノシシの警戒心を解いて罠に近づけさせることが最初のステップになりますので、彼らが慣れて中に入るようになるまでは罠の扉が落ちないようロックしておきます。 日々見回りをして様々なサインを読み取ることが重要です。そして、罠の奥までイノシシが入り、エサを頻繁に食べるようになるのを待つわけです。 細かいテクニックは人によって様々ですが、代表的なものをいくつか紹介します。 1. 箱罠の底面には土を被せ、網を見えなくする 以下の動画の箱罠は、何年も移動させることなく設置しているものですが、毎年しっかり捕獲できています。設置の際に、底面に土を被せ、網を見えなくしたのですが、月日が経ち、周りの自然と一体化しています。このような箱罠は捕獲率が高い傾向にあります。 2. 両扉の場合、最初は両方の扉を開けておく 両扉タイプの箱罠の場合、最初は両方の扉を開けておくと、警戒心が解けて箱罠の中の餌を食べるようになるまでの期間が短い傾向にあります。箱罠の中の餌を食べるようになったら、片方の扉を閉じてトリガーを作動させるようにしておくとよいでしょう。 3. 撒き餌の劣化防止のために、箱罠の上にコンパネ等をかぶせる 雨が降ったりして餌が流れてしまうと、せっかくの慣らしがまた一からやり直しになったりする場合もあります。罠の内部に餌を置く場合、箱罠の上にコンパネなどをおいておくと、カラス等が餌を見つけて荒らすことを防げたり、雨が降っても餌が濡れないようにできます。 仕掛け応用例 下記のような応用ができるため、蹴り糸方式の箱罠がおすすめです。蹴り糸は、丈夫で見えにくいヒモが良いです。皆さま様々な工夫をされています。...
野生動物との共存を目指す鳥獣害対策のプロ集団|株式会社うぃるこ/山本麻希さん
新潟県のほぼ中心部に位置する長岡市に2018年5月、長岡技術科学大学発のソーシャルベンチャー企業として、鳥獣獣害対策専門のコンサルティングを行う「株式会社うぃるこ」が設立されました。 今回は、その代表を務める山本麻希さんにお話を伺いました。 株式会社うぃるこ 代表取締役 山本麻希さん 長岡技術科学大学准教授、理学博士。野生動物の生態学が専門。 ー鳥獣害対策専門のコンサルティングを行う会社を立ち上げた経緯を教えてください。 獣害対策に関する取り組み自体は、長岡技術科学大学の教員となった11年前から行っております。 当時、新潟県は猿の被害が多く、野生動物の生態学が専門だった私に声がかかり、農水省のアドバイザーや環境審議員として県からの依頼を受けて、獣害対策の講演会などを実施していました。 年間80回くらいの講演を行っていたのですが、一人での活動に限界を感じ始めていたころ、新潟大学や国際自然環境アウトドア専門学校などで野生動物の生態学を専門とする教員や学生さんも加わり、組織的に獣害対策に取り組んでいくために、2011年に任意団体(現 NPO法人新潟ワイルドライフリサーチ)を設立しました。 団体にしたことで、研修会なども継続的に実施できるようになり、獣害対策も行えるようになってきたため、県も獣害対策にきちんと予算をとってくれるようになりました。また、きちんとした専門家に指導してほしいという行政も現れるようになりました。 一方で、岐阜や山梨、千葉など全国には少ない人数で、NPOや小さい会社で苦労しながら獣害対策事業を行っている団体がたくさんありましたので、全国の獣害対策の民間業者が協力して「一般社団法人ふるさとけものネットワーク」という全国で初めての獣害対策の業界団体を立ち上げ、獣害対策の専門家を育てる「けもの塾」を運営するなど、さまざまな活動をしてきました。 新潟ワイルドライフリサーチはその後法人資格を取得し、きちんと収益をあげられる団体になってきたのですが、私は国立大学の教員ということもあり、ボランティアでやっているような状態。私がいなくてもきちんと仕事が回せるくらいの会社の規模にすることで、若い人材が獣害対策支援を生業としてきちんと生活していける会社づくりをしていきたいと考えるようになりました。 そこで、長岡技術科学大学がベンチャー企業立ち上げを推進していることもあり、きちんと経営指導・投資を受けて株式会社を立ち上げることになりました。その結果、同大学初のソーシャルベンチャー企業として、昨年5月に株式会社うぃるこを設立しました。 ー山本さん自身が獣害対策に取り組み始めたきっかけは? 結婚を期に新潟に移住し、6年間、高校の教師をしていましたが、教師を辞めて、獣害対策の専門家の道に進むきっかけとなった出来事が、2006年に新潟県で起きたクマの大量出没でした。 1年に1000件以上のクマの出没事件があり、そのうち500頭以上が殺されたという事実を目の当たりにしたのです。 その対応に関して疑問を感じ、クマの管理状況を調べてみると、きちんとした管理計画もないまま出てきたクマが処分されているという状況でした。 人間と動物が共存するためには、野生動物の生態を知っている専門家がきちんと管理し、正しい獣害対策をやらないと、ただ殺しているだけでは解決しないと考えるようになりました。 例えば、クマは縄張りがないため、出てきたクマを殺しても別のクマが来るだけで、根本的な解決にはなりません。 だからクマを寄せつけている原因(エサなど)をきちんと把握し、電気柵などを設置してその原因となるものに寄せ付けないような対策を集落ごとにしていかなければ、最後の一頭になるまで延々と熊は降りてきてしまいます。 サルに関しては、猟銃等で撃つと群れが分裂し、かえって管理がしにくくなります。 このように動物はそれぞれ生態が異なるため、その動物にあった対策ができるよう、専門家がきちんと啓発をして、正しい獣害対策を行っていくことが大切です。私は一般の人にわかりやすい言葉で獣害対策の正しい知識について説明するのが有識者の務めなんじゃないかと思うのです。 ー 実際にうぃるこではどういった流れで仕事をしているのですか? 獣害対策は基本的に市町村単位で行われていますが、獣害対策の専門家というのは行政担当者にはいません。そこでまず私たちが一番力を入れているのは、異動してきたばかりの県や市町村の新規行政担当者向けに行う初任研修です。年4回、野生動物の生態や調査、被害対策や利活用など最低限の獣害対策の基礎知識を教える研修を行っています。 行政担当者の方にある程度野生動物に関する知識を身につけていただいたうえで、それぞれ被害を出している動物も作っている作物も環境もすべて市町村ごとに異なりますので、被害状況に応じた対策に適切な予算が組めるよう、科学的データに基づいて各市町村の状況に合わせた対策を提案しています。 そして、それぞれの対策事業をプロとして私たちが業務委託を受け、行政と地元住民の方や猟友会の方々の間に入って技術を教える活動をしています。 具体的には、野生動物の生態調査やデータ分析業務、捕獲や防除柵の設置や集落の環境整備に関する実習や勉強会など、獣害対策に関わる事業はすべて行います。...
野生動物との共存を目指す鳥獣害対策のプロ集団|株式会社うぃるこ/山本麻希さん
新潟県のほぼ中心部に位置する長岡市に2018年5月、長岡技術科学大学発のソーシャルベンチャー企業として、鳥獣獣害対策専門のコンサルティングを行う「株式会社うぃるこ」が設立されました。 今回は、その代表を務める山本麻希さんにお話を伺いました。 株式会社うぃるこ 代表取締役 山本麻希さん 長岡技術科学大学准教授、理学博士。野生動物の生態学が専門。 ー鳥獣害対策専門のコンサルティングを行う会社を立ち上げた経緯を教えてください。 獣害対策に関する取り組み自体は、長岡技術科学大学の教員となった11年前から行っております。 当時、新潟県は猿の被害が多く、野生動物の生態学が専門だった私に声がかかり、農水省のアドバイザーや環境審議員として県からの依頼を受けて、獣害対策の講演会などを実施していました。 年間80回くらいの講演を行っていたのですが、一人での活動に限界を感じ始めていたころ、新潟大学や国際自然環境アウトドア専門学校などで野生動物の生態学を専門とする教員や学生さんも加わり、組織的に獣害対策に取り組んでいくために、2011年に任意団体(現 NPO法人新潟ワイルドライフリサーチ)を設立しました。 団体にしたことで、研修会なども継続的に実施できるようになり、獣害対策も行えるようになってきたため、県も獣害対策にきちんと予算をとってくれるようになりました。また、きちんとした専門家に指導してほしいという行政も現れるようになりました。 一方で、岐阜や山梨、千葉など全国には少ない人数で、NPOや小さい会社で苦労しながら獣害対策事業を行っている団体がたくさんありましたので、全国の獣害対策の民間業者が協力して「一般社団法人ふるさとけものネットワーク」という全国で初めての獣害対策の業界団体を立ち上げ、獣害対策の専門家を育てる「けもの塾」を運営するなど、さまざまな活動をしてきました。 新潟ワイルドライフリサーチはその後法人資格を取得し、きちんと収益をあげられる団体になってきたのですが、私は国立大学の教員ということもあり、ボランティアでやっているような状態。私がいなくてもきちんと仕事が回せるくらいの会社の規模にすることで、若い人材が獣害対策支援を生業としてきちんと生活していける会社づくりをしていきたいと考えるようになりました。 そこで、長岡技術科学大学がベンチャー企業立ち上げを推進していることもあり、きちんと経営指導・投資を受けて株式会社を立ち上げることになりました。その結果、同大学初のソーシャルベンチャー企業として、昨年5月に株式会社うぃるこを設立しました。 ー山本さん自身が獣害対策に取り組み始めたきっかけは? 結婚を期に新潟に移住し、6年間、高校の教師をしていましたが、教師を辞めて、獣害対策の専門家の道に進むきっかけとなった出来事が、2006年に新潟県で起きたクマの大量出没でした。 1年に1000件以上のクマの出没事件があり、そのうち500頭以上が殺されたという事実を目の当たりにしたのです。 その対応に関して疑問を感じ、クマの管理状況を調べてみると、きちんとした管理計画もないまま出てきたクマが処分されているという状況でした。 人間と動物が共存するためには、野生動物の生態を知っている専門家がきちんと管理し、正しい獣害対策をやらないと、ただ殺しているだけでは解決しないと考えるようになりました。 例えば、クマは縄張りがないため、出てきたクマを殺しても別のクマが来るだけで、根本的な解決にはなりません。 だからクマを寄せつけている原因(エサなど)をきちんと把握し、電気柵などを設置してその原因となるものに寄せ付けないような対策を集落ごとにしていかなければ、最後の一頭になるまで延々と熊は降りてきてしまいます。 サルに関しては、猟銃等で撃つと群れが分裂し、かえって管理がしにくくなります。 このように動物はそれぞれ生態が異なるため、その動物にあった対策ができるよう、専門家がきちんと啓発をして、正しい獣害対策を行っていくことが大切です。私は一般の人にわかりやすい言葉で獣害対策の正しい知識について説明するのが有識者の務めなんじゃないかと思うのです。 ー 実際にうぃるこではどういった流れで仕事をしているのですか? 獣害対策は基本的に市町村単位で行われていますが、獣害対策の専門家というのは行政担当者にはいません。そこでまず私たちが一番力を入れているのは、異動してきたばかりの県や市町村の新規行政担当者向けに行う初任研修です。年4回、野生動物の生態や調査、被害対策や利活用など最低限の獣害対策の基礎知識を教える研修を行っています。 行政担当者の方にある程度野生動物に関する知識を身につけていただいたうえで、それぞれ被害を出している動物も作っている作物も環境もすべて市町村ごとに異なりますので、被害状況に応じた対策に適切な予算が組めるよう、科学的データに基づいて各市町村の状況に合わせた対策を提案しています。 そして、それぞれの対策事業をプロとして私たちが業務委託を受け、行政と地元住民の方や猟友会の方々の間に入って技術を教える活動をしています。 具体的には、野生動物の生態調査やデータ分析業務、捕獲や防除柵の設置や集落の環境整備に関する実習や勉強会など、獣害対策に関わる事業はすべて行います。...
くくり罠の構成部品・パーツについて
目次 1ワイヤー 2スリーブ(クランプ管) 3バネ 1押しバネ 2引きバネ 3松葉式(ねじりバネ) 4より戻し 5くくり金具&締め付け防止金具 6ワイヤー止め 7シャックル 8踏み板 くくり罠とは、獲物の体を括る(くくる)ことによって捕獲する罠のことです。括る部位によって、「胴くくり(胴ではなく首をくくる場合もあります)」と「足くくり」に分かれます。このうち、多くの人が使っているのが「足くくり」です。 足くくり罠は、仕掛けておいた罠が作動した瞬間にワイヤーが締まり、足首を拘束する仕組みになっています。予め張っておいた蹴り糸に獲物が触れると作動する「蹴り糸タイプ」、地面に仕掛けておいた踏み板を獲物が踏むと作動する「踏み板タイプ」に大別されますが、この記事では、「踏み板タイプ」の構成部品について説明します。 ※胴くくりの場合、罠の大きさの規制に引っかかること、構造上事故が起こるリスクが高いこと、捕獲した獲物は短時間で欝血死してしまうことから、足くくりを選択するケースが多いです。 ワイヤー くくり罠に使用できるワイヤーの太さは、法令により4mm以上と規定されています。たった1mm太さが違うだけでも、くくり罠の作動の早さは大きく変わります。ワイヤー径が細いほうが作動が早く、獲物の脚をくくる確率が上がりますので、捕獲率は高くなります。一方で、径が細いほうがワイヤーは切れやすくなります。 当然、4ミリ系よりも5ミリのほうが、5ミリより6ミリのほうが丈夫さは大きく上回ります。 特に、傾斜がある場所で後ろ足を括っていた場合、獲物の体重と勢いでワイヤーが切れてしまうケースもあります。人間が思うよりも野生の力は強大です。安全のため、ワイヤーは都度交換されることをお勧めします。 なお、くくり罠に主に使用されるワイヤーは、複数の素線の束を組み合わせた構造の「ワイヤロープ」と呼ばれるものです。ロープ径だけではなく、素線の数と配置によって柔軟性や耐性が変化します。柔らかいワイヤーを選択すると作動のスピードが上がりますが、ねじれやすいので大物獣がかかると切れやすくなる傾向があります。 スリーブ(クランプ管) ワイヤロープのロック止め(加締め)に使用します。ワイヤー径に応じたサイズを選んで使用します。なお加締め作業は、アームスエージャー等の専用工具が必需になります。 バネ くくり罠が作動するための動力となるのがバネです。バネの性能によって罠の作動が大きく左右されます。押しバネ、引きバネ、松葉式バネ(ねじりバネ)等のタイプがあります。バネの力が強いと作動も早くなりますが、設置に難儀したり、意図せぬ作動によって怪我をする場合もあるので注意が必要です。 押しバネ 圧縮したバネが元に戻る力を使ってワイヤーを締めるタイプです。塩ビ管等にバネを押し込むことで圧縮させます。安価で構造もシンプルであるため、製作や設置が簡単であるという点が長所です。初心者から上級者まで、幅広く採用されているタイプになります。 引きバネ 押しバネとは逆で、引っ張られたバネが元に戻る力を使ってワイヤーを締めます。 松葉式(ねじりバネ) 中心部がねじられてコイル形状になっており、それによる弾性力によって端末部(腕)が元に戻ろうとする力を使ってワイヤーを締めるタイプです。締め上げのスピードが速く捕獲率が高い事や、押しバネや引きバネと比べると強度がある点が長所として挙げられます。一方で、意図せぬ作動によって失明等の重篤な怪我をするケースも散見され、罠の扱いに慣れた中~上級者向けのバネといえます。...
くくり罠の構成部品・パーツについて
目次 1ワイヤー 2スリーブ(クランプ管) 3バネ 1押しバネ 2引きバネ 3松葉式(ねじりバネ) 4より戻し 5くくり金具&締め付け防止金具 6ワイヤー止め 7シャックル 8踏み板 くくり罠とは、獲物の体を括る(くくる)ことによって捕獲する罠のことです。括る部位によって、「胴くくり(胴ではなく首をくくる場合もあります)」と「足くくり」に分かれます。このうち、多くの人が使っているのが「足くくり」です。 足くくり罠は、仕掛けておいた罠が作動した瞬間にワイヤーが締まり、足首を拘束する仕組みになっています。予め張っておいた蹴り糸に獲物が触れると作動する「蹴り糸タイプ」、地面に仕掛けておいた踏み板を獲物が踏むと作動する「踏み板タイプ」に大別されますが、この記事では、「踏み板タイプ」の構成部品について説明します。 ※胴くくりの場合、罠の大きさの規制に引っかかること、構造上事故が起こるリスクが高いこと、捕獲した獲物は短時間で欝血死してしまうことから、足くくりを選択するケースが多いです。 ワイヤー くくり罠に使用できるワイヤーの太さは、法令により4mm以上と規定されています。たった1mm太さが違うだけでも、くくり罠の作動の早さは大きく変わります。ワイヤー径が細いほうが作動が早く、獲物の脚をくくる確率が上がりますので、捕獲率は高くなります。一方で、径が細いほうがワイヤーは切れやすくなります。 当然、4ミリ系よりも5ミリのほうが、5ミリより6ミリのほうが丈夫さは大きく上回ります。 特に、傾斜がある場所で後ろ足を括っていた場合、獲物の体重と勢いでワイヤーが切れてしまうケースもあります。人間が思うよりも野生の力は強大です。安全のため、ワイヤーは都度交換されることをお勧めします。 なお、くくり罠に主に使用されるワイヤーは、複数の素線の束を組み合わせた構造の「ワイヤロープ」と呼ばれるものです。ロープ径だけではなく、素線の数と配置によって柔軟性や耐性が変化します。柔らかいワイヤーを選択すると作動のスピードが上がりますが、ねじれやすいので大物獣がかかると切れやすくなる傾向があります。 スリーブ(クランプ管) ワイヤロープのロック止め(加締め)に使用します。ワイヤー径に応じたサイズを選んで使用します。なお加締め作業は、アームスエージャー等の専用工具が必需になります。 バネ くくり罠が作動するための動力となるのがバネです。バネの性能によって罠の作動が大きく左右されます。押しバネ、引きバネ、松葉式バネ(ねじりバネ)等のタイプがあります。バネの力が強いと作動も早くなりますが、設置に難儀したり、意図せぬ作動によって怪我をする場合もあるので注意が必要です。 押しバネ 圧縮したバネが元に戻る力を使ってワイヤーを締めるタイプです。塩ビ管等にバネを押し込むことで圧縮させます。安価で構造もシンプルであるため、製作や設置が簡単であるという点が長所です。初心者から上級者まで、幅広く採用されているタイプになります。 引きバネ 押しバネとは逆で、引っ張られたバネが元に戻る力を使ってワイヤーを締めます。 松葉式(ねじりバネ) 中心部がねじられてコイル形状になっており、それによる弾性力によって端末部(腕)が元に戻ろうとする力を使ってワイヤーを締めるタイプです。締め上げのスピードが速く捕獲率が高い事や、押しバネや引きバネと比べると強度がある点が長所として挙げられます。一方で、意図せぬ作動によって失明等の重篤な怪我をするケースも散見され、罠の扱いに慣れた中~上級者向けのバネといえます。...
「ジビエ肉をもっと日常に」~若草hutte&co-ba miyazaki 店長・山師 今西 正...
宮崎県宮崎市の中心部にある若草通商店街は、アパレルショップやレストラン、雑貨屋など、それぞれ独自の魅力が光る個店が立ち並ぶ場所である。そのメインストリートから北側の脇道に入って少し行くと、どことなく「山」の雰囲気を感じるカフェが見つかる。 そのカフェの名前は「若草hutte(ヒュッテ) & co-ba miyazaki」。 軒先には薪が積んであり、「美郷ジビエ」と書かれたのぼりが立っている。夕食時を少し過ぎた時間の店内を覗くと、友人との会話を楽しむ女性、コーヒーを飲んでほっと一息ついている男性、レジ前で持ち帰り用のスイーツを選ぶ女性、皆それぞれの時間を楽しんでいる様子が伺える。 (▲写真(上)):若草hutte & co-ba miyazaki外観。若草通りの脇には、車が通れない細い路地があり、そこを進むと穴場的なお店が多く見つかる。 店内に入ってカウンター席に座る。そして、注文したコーヒーを待ちながらお店の様子を眺めてみる。木を基調とした造りの店内は暖かな光にゆったりとした雰囲気。お酒を注文する人もおり、どうやら今はバータイムのようだ。決して騒がしくはなく、少し飲んだ後の2軒目に友人や同僚とゆっくりと語らいたいときにも使えそうである。 (▲写真(上)):店内は落ち着いた雰囲気で、ゆったりとした時間が流れる。ランチタイムは11時半~14時半、カフェタイム10時~23時半、バータイム17時~23時半。 出てきたコーヒーを飲みながら、ふと外にある「美郷ジビエ」と書かれたのぼりが気になり、マスターに尋ねてみる。 「お店のランチメニューやbarのおつまみ、イベントメニュー等で宮崎産のジビエ肉を出しています。初めてジビエを召し上がった方にも『臭くない。クセが無い。おいしい。』と好評です。特に鹿肉はヘルシーで、女性のお客様が多く注文されます。鉄分豊富で低カロリーなので、糖質制限されているお客様が注文することも最近は多いですね。」 気さくなマスターは私の問いかけに丁寧に答えてくれる。聞くと、家は宮崎県美郷町で林業を営まれており、マスターの肩書は山師。林業に従事する傍ら、シカやイノシシによる被害が多いことを目の当たりにしてきたという。 (▲写真(上)):店舗を切り盛りするのは、パーマが特徴の山師・今西 正さん。 店舗をオープンしたのは2017年8月11日「山の日」。ジビエや椎茸、野菜などの山の恵みを店舗で提供し、「山と街をつなぐ場所」としてHUTTEを運営してきた。 近年の鳥獣害の増加を受け、全国で捕獲されるシカやイノシシの数は大幅に増加している。 猟期だけでなく年間を通して有害駆除による捕獲が行われているケースも多い。 環境省の直近の発表によると、平成29年度のニホンジカ捕獲数は601,200頭、イノシシの捕獲数は545,400頭、合計で1,146,600頭に達している。 これだけの数の捕獲が行われているのだから、それらの肉がもっと多く流通しても良いはずだが、実際には一般消費者の食卓にあがる機会はそうそうない。ハンターの場合は、狩猟によって捕獲した獲物の肉を有効活用することが多いものの、それ以外のケースでは、ほとんどが廃棄物として焼却・埋設処分されているのが現状なのである。 (▲写真(上)):レジ前には持ち帰り・お土産用のジビエ商品や、山師ならではの椎茸、ケーキや大福などのスイーツなども展開している。 最近でこそ、ジビエ肉としてメディア等で取り上げられるようになってはきたものの、一般消費者にとっては馴染みが薄く、まだまだ取り扱う店舗は少ない。そもそも店舗で使うジビエ肉は、基準を満たした加工施設で製造されたものでなければならないが、各地の獣肉処理の仕組みはまだまだ整備の途上であり、安定供給にはほど遠い。 「僕は猟師ではありませんが、店舗で提供するメニューを通じて、多くの人にジビエ肉の魅力を知ってもらうことはできると思い、ジビエメニューはお店を始めてから毎日出しています。使用する肉は、宮崎県内の加工施設から仕入れる高品質のものです。これらの肉を当たり前に食べてもらうようにならないと、現状は変わりません。」と今西さんは語る。 (▲写真(上)):HUTTEには様々な人が集まる。もちろんカフェ利用の人も多いが、仕事終わりにコワーキングスペースで勉強利用する人、イベントを主催して情報発信する人など、使い方は人それぞれ。当然、美味いジビエを求めてやってくる人も。 また、山と街をつなぐ場所というコンセプトのもと、カフェの2階3階はコワーキングスペース※となっている。仕事スペースとしての利用だけでなく、商品の展示発表会やセミナー、ワークショップなど、各種イベントにも利用され、様々な人が交流する場となっている。それらの交流から新たな価値が生まれる手助けをすることを目指しているそうだ。 ※コワーキングスペース:おもに同一の団体ではない人たちが、仕事を行うスペースを共有している空間のこと。 (▲写真(上)):2階のコワーキングスペース。冷暖房やプリンター、Wi-fi完備。貸し切りで講演会や各種イベントに利用されることも多い。3階はプレミアムスペースで、契約者のみが利用できる。 特に地方ではシャッター商店街が増え続けている現状がある。そういった中で、独自の魅力を持ち、あらたな価値を発信できるHUTTEのようなお店が商店街の中に増えることで、地域の活性化につなげることができるのではないだろうか。...
「ジビエ肉をもっと日常に」~若草hutte&co-ba miyazaki 店長・山師 今西 正...
宮崎県宮崎市の中心部にある若草通商店街は、アパレルショップやレストラン、雑貨屋など、それぞれ独自の魅力が光る個店が立ち並ぶ場所である。そのメインストリートから北側の脇道に入って少し行くと、どことなく「山」の雰囲気を感じるカフェが見つかる。 そのカフェの名前は「若草hutte(ヒュッテ) & co-ba miyazaki」。 軒先には薪が積んであり、「美郷ジビエ」と書かれたのぼりが立っている。夕食時を少し過ぎた時間の店内を覗くと、友人との会話を楽しむ女性、コーヒーを飲んでほっと一息ついている男性、レジ前で持ち帰り用のスイーツを選ぶ女性、皆それぞれの時間を楽しんでいる様子が伺える。 (▲写真(上)):若草hutte & co-ba miyazaki外観。若草通りの脇には、車が通れない細い路地があり、そこを進むと穴場的なお店が多く見つかる。 店内に入ってカウンター席に座る。そして、注文したコーヒーを待ちながらお店の様子を眺めてみる。木を基調とした造りの店内は暖かな光にゆったりとした雰囲気。お酒を注文する人もおり、どうやら今はバータイムのようだ。決して騒がしくはなく、少し飲んだ後の2軒目に友人や同僚とゆっくりと語らいたいときにも使えそうである。 (▲写真(上)):店内は落ち着いた雰囲気で、ゆったりとした時間が流れる。ランチタイムは11時半~14時半、カフェタイム10時~23時半、バータイム17時~23時半。 出てきたコーヒーを飲みながら、ふと外にある「美郷ジビエ」と書かれたのぼりが気になり、マスターに尋ねてみる。 「お店のランチメニューやbarのおつまみ、イベントメニュー等で宮崎産のジビエ肉を出しています。初めてジビエを召し上がった方にも『臭くない。クセが無い。おいしい。』と好評です。特に鹿肉はヘルシーで、女性のお客様が多く注文されます。鉄分豊富で低カロリーなので、糖質制限されているお客様が注文することも最近は多いですね。」 気さくなマスターは私の問いかけに丁寧に答えてくれる。聞くと、家は宮崎県美郷町で林業を営まれており、マスターの肩書は山師。林業に従事する傍ら、シカやイノシシによる被害が多いことを目の当たりにしてきたという。 (▲写真(上)):店舗を切り盛りするのは、パーマが特徴の山師・今西 正さん。 店舗をオープンしたのは2017年8月11日「山の日」。ジビエや椎茸、野菜などの山の恵みを店舗で提供し、「山と街をつなぐ場所」としてHUTTEを運営してきた。 近年の鳥獣害の増加を受け、全国で捕獲されるシカやイノシシの数は大幅に増加している。 猟期だけでなく年間を通して有害駆除による捕獲が行われているケースも多い。 環境省の直近の発表によると、平成29年度のニホンジカ捕獲数は601,200頭、イノシシの捕獲数は545,400頭、合計で1,146,600頭に達している。 これだけの数の捕獲が行われているのだから、それらの肉がもっと多く流通しても良いはずだが、実際には一般消費者の食卓にあがる機会はそうそうない。ハンターの場合は、狩猟によって捕獲した獲物の肉を有効活用することが多いものの、それ以外のケースでは、ほとんどが廃棄物として焼却・埋設処分されているのが現状なのである。 (▲写真(上)):レジ前には持ち帰り・お土産用のジビエ商品や、山師ならではの椎茸、ケーキや大福などのスイーツなども展開している。 最近でこそ、ジビエ肉としてメディア等で取り上げられるようになってはきたものの、一般消費者にとっては馴染みが薄く、まだまだ取り扱う店舗は少ない。そもそも店舗で使うジビエ肉は、基準を満たした加工施設で製造されたものでなければならないが、各地の獣肉処理の仕組みはまだまだ整備の途上であり、安定供給にはほど遠い。 「僕は猟師ではありませんが、店舗で提供するメニューを通じて、多くの人にジビエ肉の魅力を知ってもらうことはできると思い、ジビエメニューはお店を始めてから毎日出しています。使用する肉は、宮崎県内の加工施設から仕入れる高品質のものです。これらの肉を当たり前に食べてもらうようにならないと、現状は変わりません。」と今西さんは語る。 (▲写真(上)):HUTTEには様々な人が集まる。もちろんカフェ利用の人も多いが、仕事終わりにコワーキングスペースで勉強利用する人、イベントを主催して情報発信する人など、使い方は人それぞれ。当然、美味いジビエを求めてやってくる人も。 また、山と街をつなぐ場所というコンセプトのもと、カフェの2階3階はコワーキングスペース※となっている。仕事スペースとしての利用だけでなく、商品の展示発表会やセミナー、ワークショップなど、各種イベントにも利用され、様々な人が交流する場となっている。それらの交流から新たな価値が生まれる手助けをすることを目指しているそうだ。 ※コワーキングスペース:おもに同一の団体ではない人たちが、仕事を行うスペースを共有している空間のこと。 (▲写真(上)):2階のコワーキングスペース。冷暖房やプリンター、Wi-fi完備。貸し切りで講演会や各種イベントに利用されることも多い。3階はプレミアムスペースで、契約者のみが利用できる。 特に地方ではシャッター商店街が増え続けている現状がある。そういった中で、独自の魅力を持ち、あらたな価値を発信できるHUTTEのようなお店が商店街の中に増えることで、地域の活性化につなげることができるのではないだろうか。...
イノシシ・シカ・アライグマ・ハクビシン対策!特許取得済み・忌避シートのご紹介
近年の鳥獣被害は非常に多岐にわたり、深刻なケースも多く見られます。時間をかけて丹精こめて作った作物が、獣に荒らされ食べられてしまう・・・。また、ゴルフ場の芝を掘られたり、中には高速道路での獣との接触事故など人命にかかわるケースもあります。 その被害を食い止めるために、大変な苦労をされている方も多くいらっしゃいます。人間の生活エリアに獣が近づかないようできれば良いのですが、簡単な方法はなかなか無いもの。そこで、この記事では柵などに装着することで簡単に防獣対策ができる、忌避シートを紹介します。 忌避シートの特徴 一番の特徴は、イノシシやシカ、ハクビシン、アライグマなどが嫌う臭い(カプサイシン・カレー・シナモン・ハーブ等20種類)を独自の比率で調合した特殊シートであることです。以下の動画をご覧いただくと、その忌避効果が顕著にお分かりになるかと思います。 電気柵や牧柵をはじめ、果樹や屋根裏など、場所を選ばずお手軽に設置できます。他にも、例えば獣が局所的に侵入する場合はその箇所に集中して吊るすなど、それぞれの状況に応じて工夫することができます。 単体での利用はもちろんですが、他の防獣対策と併用して利用するとより効果的です。 対象となる獣ごとにタイプが選べるようになっており、例えばイノシシ用は青色となります。 青色にしている点にも理由があり、イノシシは青色は区別できるものの、赤色や灰色は区別できないためです。またシートの揺れによって視覚的に警戒させるような工夫もなされており、それぞれの獣の特性に応じた調整がされていることも、特徴の一つです。 忌避シートの設置事例 忌避シートは、鳥獣被害の忌避資材に該当するため、鳥獣被害防止交付金の対象になります。また、全国の高速道路やJR、市町村、ゴルフ場に導入実績があり、高い評価を得ています(過去にテレビ番組でも取り上げられました)。 NEXCO西日本 高速道路においてシカやイノシシによる事故予防のために導入。ネットにイノシシ用とシカ用の両方を設置。 JR西日本 路線へのイノシシ侵入防止のため導入。 一般家屋 田畑へのイノシシ・シカ侵入防止のため導入。 仕様と設置方法 それぞれの獣タイプごとに色が異なります。※イノシシタイプとイノブタタイプで分かれています。 【タイプA】イノシシ用・・・色は青色。長さ9.5cm×50cm 【タイプB】イノブタ用(鈴つき)・・・色は紫色。長さ9.5cm×50cm 【タイプC】シカ用・・・色は赤色。長さ9.5cm×100cm 【タイプD】アライグマ/ハクビシン・・・色は赤色。9.5cm×10cm(屋内用)、9.5cm×50cm(屋外用) イノシシとイノブタは1メートル以内、シカは1.5メートル以内の間隔で設置します。取り付け高さの目安は、イノシシやイノブタが60cm~70cm、シカが110cm~120cmとなります(個体の大きさに応じて調整してください)。 また、地面から10cm~30cm離れて設定されていることが理想です。 商品には取付用のバンドが付属しており、柵やネット、ロープ等にしっかりと固定します。また、屋内用の場合は、巣がある場所に畳一畳あたり1枚を目安においてください。 ★豆知識:イノシシとイノブタの違い イノシシを食肉として利用する目的で、イノシシとブタを交配させたのがイノブタです。サイズはイノブタの方が大きいと言われます。またイノシシの繁殖期は1年1度だけであるのに対し、イノブタは年中繁殖できるため繁殖力が旺盛という違いがありますが、見た目で判断することは困難な場合が多いです。 イノシシ用の禁忌シートで効果が見られない場合は、イノブタ用をお試しください。 使用した感想 ◆「使用したところは被害にあいませんでした。手軽に簡単に取り付けられるのも良いと思います。」...
イノシシ・シカ・アライグマ・ハクビシン対策!特許取得済み・忌避シートのご紹介
近年の鳥獣被害は非常に多岐にわたり、深刻なケースも多く見られます。時間をかけて丹精こめて作った作物が、獣に荒らされ食べられてしまう・・・。また、ゴルフ場の芝を掘られたり、中には高速道路での獣との接触事故など人命にかかわるケースもあります。 その被害を食い止めるために、大変な苦労をされている方も多くいらっしゃいます。人間の生活エリアに獣が近づかないようできれば良いのですが、簡単な方法はなかなか無いもの。そこで、この記事では柵などに装着することで簡単に防獣対策ができる、忌避シートを紹介します。 忌避シートの特徴 一番の特徴は、イノシシやシカ、ハクビシン、アライグマなどが嫌う臭い(カプサイシン・カレー・シナモン・ハーブ等20種類)を独自の比率で調合した特殊シートであることです。以下の動画をご覧いただくと、その忌避効果が顕著にお分かりになるかと思います。 電気柵や牧柵をはじめ、果樹や屋根裏など、場所を選ばずお手軽に設置できます。他にも、例えば獣が局所的に侵入する場合はその箇所に集中して吊るすなど、それぞれの状況に応じて工夫することができます。 単体での利用はもちろんですが、他の防獣対策と併用して利用するとより効果的です。 対象となる獣ごとにタイプが選べるようになっており、例えばイノシシ用は青色となります。 青色にしている点にも理由があり、イノシシは青色は区別できるものの、赤色や灰色は区別できないためです。またシートの揺れによって視覚的に警戒させるような工夫もなされており、それぞれの獣の特性に応じた調整がされていることも、特徴の一つです。 忌避シートの設置事例 忌避シートは、鳥獣被害の忌避資材に該当するため、鳥獣被害防止交付金の対象になります。また、全国の高速道路やJR、市町村、ゴルフ場に導入実績があり、高い評価を得ています(過去にテレビ番組でも取り上げられました)。 NEXCO西日本 高速道路においてシカやイノシシによる事故予防のために導入。ネットにイノシシ用とシカ用の両方を設置。 JR西日本 路線へのイノシシ侵入防止のため導入。 一般家屋 田畑へのイノシシ・シカ侵入防止のため導入。 仕様と設置方法 それぞれの獣タイプごとに色が異なります。※イノシシタイプとイノブタタイプで分かれています。 【タイプA】イノシシ用・・・色は青色。長さ9.5cm×50cm 【タイプB】イノブタ用(鈴つき)・・・色は紫色。長さ9.5cm×50cm 【タイプC】シカ用・・・色は赤色。長さ9.5cm×100cm 【タイプD】アライグマ/ハクビシン・・・色は赤色。9.5cm×10cm(屋内用)、9.5cm×50cm(屋外用) イノシシとイノブタは1メートル以内、シカは1.5メートル以内の間隔で設置します。取り付け高さの目安は、イノシシやイノブタが60cm~70cm、シカが110cm~120cmとなります(個体の大きさに応じて調整してください)。 また、地面から10cm~30cm離れて設定されていることが理想です。 商品には取付用のバンドが付属しており、柵やネット、ロープ等にしっかりと固定します。また、屋内用の場合は、巣がある場所に畳一畳あたり1枚を目安においてください。 ★豆知識:イノシシとイノブタの違い イノシシを食肉として利用する目的で、イノシシとブタを交配させたのがイノブタです。サイズはイノブタの方が大きいと言われます。またイノシシの繁殖期は1年1度だけであるのに対し、イノブタは年中繁殖できるため繁殖力が旺盛という違いがありますが、見た目で判断することは困難な場合が多いです。 イノシシ用の禁忌シートで効果が見られない場合は、イノブタ用をお試しください。 使用した感想 ◆「使用したところは被害にあいませんでした。手軽に簡単に取り付けられるのも良いと思います。」...
抜群のコスパと捕獲効率!!ファーレ旭式 囲い罠
囲い罠は、囲い状の構造物の中に入った野生動物を閉じ込めて捕獲する罠のことを指します。そのタイプは、以下の2つがあります。 A・・・常設を前提とした大がかりなタイプ。大掛かりなものも多く、総周囲長が300mを超える場合も。 B・・・一見箱罠ですが、天面が半分以上開放されている移動可のタイプ。 ファーレ旭式の囲い罠は後者Bのほうで、一般的な箱罠と使い勝手は変わりません。 箱罠と同様、餌を使って罠の内部に獲物を誘因し、獲物が中に入ると扉が落ちて捕獲完了!という仕組みです。 >>箱罠タイプの紹介ページはこちらをクリック。 仕様・値段 箱罠シリーズと同様、ウリボウから大型のイノシシ、シカにも対応します。 製造国:日本 寸法:幅1.0m×奥行2.0m×高さ1.0m(忍び返し部分を含めると、高さ1.3m) 重量:総重量約120kg 錆止め塗装一回塗り 片扉タイプ ※落とし扉が片側一つだけのタイプ 両扉タイプ ※落とし扉が両側二つのタイプ ※購入はオンラインショップからどうぞ。 捕獲率が高い理由 まず、以下の2つの写真を見比べてみてください。 一つ目は、通常の箱罠を獣の視点から見た写真です。 そして、二つ目は囲い罠を獣の視点から見た写真です。 天面が解放されているため、後者の囲い罠のほうが圧迫感が少ないと感じませんか? この違いが、捕獲率の高さの理由です。箱罠・囲い罠による捕獲は、いかにターゲットの警戒心を弱めて罠の内部に誘い込むかが重要です。 囲い罠の製造を始めた経緯 農林業に従事する方にとって、狩猟許可などの手間や負担はなるべく無くしたいもの。 囲い罠は、条件を満たせば免許が不要という背景があり、イノシシによる食害に悩む農家の方の要望に応える形で開発に着手しました。 結果、囲い罠1基で一度に5頭も捕獲できるなど、通常の箱罠と比べると、どうも捕獲率が高いことに気づいたのです。 イノシシの場合、長年人間の手から逃れてきた大物は警戒心が非常に強く、捕獲の難易度も上がりますが、天面が開放されていると大物も捕獲しやすい傾向があるようです。 ファーレ旭式 囲い罠の特徴 まず、分解組み立て式なので、持ち運びが楽で、自動車が入り込めない場所でもパーツごとに運んで組立・設置が可能という特徴があります。 天面の柵の上部は忍び返し構造になっています。この忍び返しは、上部30センチを、イノシシのいる側に(罠の内側)に向けて20~30度、角度をつけたものです。獣の目線(低い目線)から見ると、折り曲げた柵の上部が覆いかぶさるようになるため、実際よりも柵の高さを高く感じさせる効果があります。 そのため、捕獲した獣が柵を飛び越えないようにできるというわけです。...
抜群のコスパと捕獲効率!!ファーレ旭式 囲い罠
囲い罠は、囲い状の構造物の中に入った野生動物を閉じ込めて捕獲する罠のことを指します。そのタイプは、以下の2つがあります。 A・・・常設を前提とした大がかりなタイプ。大掛かりなものも多く、総周囲長が300mを超える場合も。 B・・・一見箱罠ですが、天面が半分以上開放されている移動可のタイプ。 ファーレ旭式の囲い罠は後者Bのほうで、一般的な箱罠と使い勝手は変わりません。 箱罠と同様、餌を使って罠の内部に獲物を誘因し、獲物が中に入ると扉が落ちて捕獲完了!という仕組みです。 >>箱罠タイプの紹介ページはこちらをクリック。 仕様・値段 箱罠シリーズと同様、ウリボウから大型のイノシシ、シカにも対応します。 製造国:日本 寸法:幅1.0m×奥行2.0m×高さ1.0m(忍び返し部分を含めると、高さ1.3m) 重量:総重量約120kg 錆止め塗装一回塗り 片扉タイプ ※落とし扉が片側一つだけのタイプ 両扉タイプ ※落とし扉が両側二つのタイプ ※購入はオンラインショップからどうぞ。 捕獲率が高い理由 まず、以下の2つの写真を見比べてみてください。 一つ目は、通常の箱罠を獣の視点から見た写真です。 そして、二つ目は囲い罠を獣の視点から見た写真です。 天面が解放されているため、後者の囲い罠のほうが圧迫感が少ないと感じませんか? この違いが、捕獲率の高さの理由です。箱罠・囲い罠による捕獲は、いかにターゲットの警戒心を弱めて罠の内部に誘い込むかが重要です。 囲い罠の製造を始めた経緯 農林業に従事する方にとって、狩猟許可などの手間や負担はなるべく無くしたいもの。 囲い罠は、条件を満たせば免許が不要という背景があり、イノシシによる食害に悩む農家の方の要望に応える形で開発に着手しました。 結果、囲い罠1基で一度に5頭も捕獲できるなど、通常の箱罠と比べると、どうも捕獲率が高いことに気づいたのです。 イノシシの場合、長年人間の手から逃れてきた大物は警戒心が非常に強く、捕獲の難易度も上がりますが、天面が開放されていると大物も捕獲しやすい傾向があるようです。 ファーレ旭式 囲い罠の特徴 まず、分解組み立て式なので、持ち運びが楽で、自動車が入り込めない場所でもパーツごとに運んで組立・設置が可能という特徴があります。 天面の柵の上部は忍び返し構造になっています。この忍び返しは、上部30センチを、イノシシのいる側に(罠の内側)に向けて20~30度、角度をつけたものです。獣の目線(低い目線)から見ると、折り曲げた柵の上部が覆いかぶさるようになるため、実際よりも柵の高さを高く感じさせる効果があります。 そのため、捕獲した獣が柵を飛び越えないようにできるというわけです。...
「大きな猪を仕留めてみたい」~ 若き猟師にインタビュー 黒田勇気さん(宮崎県)
宮崎県北部の自然豊かな山あいの集落、美郷町南郷。面積の約9割が山林というこの地域。 過疎化で若者が町から離れていく一方、この地域に残り、山の恩恵を身近に感じながら生活している若者もいます。 美郷町で林業に従事している黒田勇気さん(23歳)もその一人。苗木の植栽や下草の刈払作業などを行い木の成長を手助けする「造林」が本業ですが、休日などには狩猟も行っています。 大人になったら猟に行くのが当たり前だと思っていた ー狩猟は何歳のときに始めたんですか? 猟銃の免許をとったのが20歳のときなので、そのときからですかね。 写真:猟師である父親の背中を見て育ち、幼い頃から狩猟は生活の一部であった。狩猟もごく自然な流れで始めた。 ーなぜ狩りをしようと思ったんですか? 父も狩りをしていて、それを幼い頃から見ていたので、自分も狩猟免許が取れる年齢になったら猟銃の免許を取らないといけない、そして猟をしないといけないんだろうなと、当たり前のように思っていました。 なので、20歳になったらごく自然な流れで始めていましたね。 ーお父様の狩りをする姿をこれまでに見たことがあると思いますが、逆に嫌だとは思わなかったんですか? 確かに、子どものときはいろいろ手伝わされたりして、よだきい(面倒くさい)としか思わなかったですけど、うーん、なんでしょうね。鉄砲が撃ってみたかったんですよね。父が持っている鉄砲がかっこよくて、子どもの頃から鉄砲のおもちゃで真似ごとみたいなことはしてましたね。 ーでは、猟銃の免許を取得して、一番最初に行った狩りのことは覚えていますか? 覚えてます。そのときは、確か鹿を仕留めたと思います。 鹿が2頭出てきて、狙って撃って当たらなかったんですけど、その鹿が父のところに行って、1頭は父が仕留めて、俺の近くに戻ってきた1頭をようやく仕留めました。 ー初めて自分が撃った弾で獲物を仕留めたとき、どんな心境でした? 足が震えましたね、興奮して(笑) 痩せてたけど、結構大きかったんですよ。それは自分でさばきました。 ーさばくのも自分でやるんですね。さばき方はどうやって身につけたんですか? 子どもの頃から見てましたし、狩りをする前から手伝っていたので自然と覚えました。 (▲写真):慣れた手つきで獲れたイノシシの毛抜きをする黒田さん。子どもの頃から何度もやってきた作業だ。 ー年間、どのくらい狩りに行くんですか? 仕事もありますし、子どももまだ小さいので、月に2回くらいですかね。最近はあまり行けてないですね。 (▲写真):獲れた獲物は余すことなく。自分で獲った獲物を自分で捌き、山の恵みに感謝すると共に、美味しくいただく。 スリルやドキドキ感が狩りの醍醐味 ―今までの狩りで一番思い出に残るシーンを教えてください。 去年ですかね。民家の庭先で猪と猟犬がけんかしていて、それを仕留めたときが一番印象に残ってますね。犬がある程度猪を弱らせていたので自分に向かってくることはなかったんですが、猪がすぐそばにいたので恐かったです。だからこそ仕留めたときはすごく嬉しかったですね。 ー一方で、嫌だったシーンはありますか? 狩りの途中で雨が降り出したので、もう今日はやめようってことになって、山の中に入った猟犬を探しに行ったんですよ。 犬探しだけなので鉄砲を持たずに山に入ったんですけど、そしたらちょうど探していた犬と猪が一対一でやり合っていて、急いで鉄砲を取りに行って戻ったらもう猪はいなくなってて、犬はやられていて…。...
「大きな猪を仕留めてみたい」~ 若き猟師にインタビュー 黒田勇気さん(宮崎県)
宮崎県北部の自然豊かな山あいの集落、美郷町南郷。面積の約9割が山林というこの地域。 過疎化で若者が町から離れていく一方、この地域に残り、山の恩恵を身近に感じながら生活している若者もいます。 美郷町で林業に従事している黒田勇気さん(23歳)もその一人。苗木の植栽や下草の刈払作業などを行い木の成長を手助けする「造林」が本業ですが、休日などには狩猟も行っています。 大人になったら猟に行くのが当たり前だと思っていた ー狩猟は何歳のときに始めたんですか? 猟銃の免許をとったのが20歳のときなので、そのときからですかね。 写真:猟師である父親の背中を見て育ち、幼い頃から狩猟は生活の一部であった。狩猟もごく自然な流れで始めた。 ーなぜ狩りをしようと思ったんですか? 父も狩りをしていて、それを幼い頃から見ていたので、自分も狩猟免許が取れる年齢になったら猟銃の免許を取らないといけない、そして猟をしないといけないんだろうなと、当たり前のように思っていました。 なので、20歳になったらごく自然な流れで始めていましたね。 ーお父様の狩りをする姿をこれまでに見たことがあると思いますが、逆に嫌だとは思わなかったんですか? 確かに、子どものときはいろいろ手伝わされたりして、よだきい(面倒くさい)としか思わなかったですけど、うーん、なんでしょうね。鉄砲が撃ってみたかったんですよね。父が持っている鉄砲がかっこよくて、子どもの頃から鉄砲のおもちゃで真似ごとみたいなことはしてましたね。 ーでは、猟銃の免許を取得して、一番最初に行った狩りのことは覚えていますか? 覚えてます。そのときは、確か鹿を仕留めたと思います。 鹿が2頭出てきて、狙って撃って当たらなかったんですけど、その鹿が父のところに行って、1頭は父が仕留めて、俺の近くに戻ってきた1頭をようやく仕留めました。 ー初めて自分が撃った弾で獲物を仕留めたとき、どんな心境でした? 足が震えましたね、興奮して(笑) 痩せてたけど、結構大きかったんですよ。それは自分でさばきました。 ーさばくのも自分でやるんですね。さばき方はどうやって身につけたんですか? 子どもの頃から見てましたし、狩りをする前から手伝っていたので自然と覚えました。 (▲写真):慣れた手つきで獲れたイノシシの毛抜きをする黒田さん。子どもの頃から何度もやってきた作業だ。 ー年間、どのくらい狩りに行くんですか? 仕事もありますし、子どももまだ小さいので、月に2回くらいですかね。最近はあまり行けてないですね。 (▲写真):獲れた獲物は余すことなく。自分で獲った獲物を自分で捌き、山の恵みに感謝すると共に、美味しくいただく。 スリルやドキドキ感が狩りの醍醐味 ―今までの狩りで一番思い出に残るシーンを教えてください。 去年ですかね。民家の庭先で猪と猟犬がけんかしていて、それを仕留めたときが一番印象に残ってますね。犬がある程度猪を弱らせていたので自分に向かってくることはなかったんですが、猪がすぐそばにいたので恐かったです。だからこそ仕留めたときはすごく嬉しかったですね。 ー一方で、嫌だったシーンはありますか? 狩りの途中で雨が降り出したので、もう今日はやめようってことになって、山の中に入った猟犬を探しに行ったんですよ。 犬探しだけなので鉄砲を持たずに山に入ったんですけど、そしたらちょうど探していた犬と猪が一対一でやり合っていて、急いで鉄砲を取りに行って戻ったらもう猪はいなくなってて、犬はやられていて…。...