当社がCSR活動の一環としてサポートしている「イノホイの森」(宮崎県国富町)は、「イノホイの森保全会」によって管理されています。今回は、2024年の活動報告や今後の活動予定について、会長の松元様にお話を伺いました。 インタビュイー:イノホイの森保全会 会長 松元 修 様 Index 1. イノホイの森について 2. 2024年の活動報告 3. 今年の活動予定について イノホイの森について ー「イノホイの森」について教えてください。この森はもともと、通学路に接しておりイノシシが出没することから、整備する必要があると考え、”里山再生”という形で活動していました。そこに「イノホイ(refactory)」が2023年4月よりネーミングライツスポンサーとして参画したことで、「イノホイの森」と名付けられ、森の保全活動をサポートしていただいています。現在は、12名の「イノホイの森保全会」の会員の皆さんと一緒に森の保全活動を行っています。 ー森の保全活動とはどのようなことを行っていますか?主な活動は、森の整備です。夏は蚊やマムシ、ヘビなどが出没し危険を伴うため、春・秋・冬に1~2回ずつ会員さんたちに集まっていただき、草刈りや木の伐採などを行っています。また毎年、草刈りやチェーンソーの取扱いに関する安全講習会を開き、安全管理にも徹底しています。さらに不定期でイベントも企画しており、子どもたちが自然に触れることができる体験の場を作りたいと考え活動しています。 2024年の活動報告 ー2024年はどのような活動をされたのか教えてください。昨年は、森の整備に加えて、以下のさまざまなイベントを開催することができ、地元の皆さんや多くの方々にご参加いただきました。 ① 二ホンミツバチの巣箱作りワークショップ② 椎茸の駒打ち体験③ 森の階段作り④ 竹のオカリナ作り⑤ たたき染め体験⑥ 森の色鉛筆作り ①二ホンミツバチの巣箱作りワークショップ 興味はあるものの独学ではなかなか踏み出せないという方向けに、経験豊富な養蜂家の指導のもと、二ホンミツバチの巣箱作りのワークショップを開催しました。このワークショップをきっかけに、参加者の皆さんと交流も深まり、体験イベントなどを一緒に企画したりしています。 ②椎茸の駒打ち体験 椎茸の駒打ち体験は、地元の子ども食堂とのコラボ企画だったこともあり、たくさんの子どもたちが参加してくれました。 また、近所で椎茸を栽培されている方のご厚意により、椎茸の収穫体験も行うことができ、参加した子どもたちは夢中になって袋いっぱいに椎茸を収穫していました。 ③森の階段作り 丸太を使って、森に階段を作りました。現在は、イノシシによって壊されてしまったところがあるため、これから修復していきたいと思っています。 ④竹のオカリナ作り 森で切った竹を使用し、自分だけの音色を作れる「竹のオカリナ作り」を体験しました。参加者の皆さんそれぞれの特徴的なオカリナが出来上がりました。 ⑤たたき染め体験 草の葉や木の葉っぱで作る「たたき染め体験」では、参加者の皆さんが各自で持ち寄った布やハンカチなどに、好みの葉っぱや花をたたいて染めるという体験をしました。どのように叩いたかによって染め上がりがそれぞれ違うのも魅力で、植物の名前を一緒に書いておくなど、子どもから大人まで楽しめる体験となっていました。 ⑥森の色鉛筆作り 「イノホイの森」にある、アカメガシワとセンダンの木で色鉛筆を作りました。不揃いな形や木ごとの凹凸を活かしたオリジナルの色鉛筆が出来上がりました。 今年の活動予定について ー今年の活動予定について教えてください。これから会員の皆さんと話し合いながら何をしていくかを考えていく予定ですが、昨年、子どもから大人まで大好評だった「たたき染め体験」は季節を問わずに実施できるため、また企画したいと思っています。さらに今年は、宮崎で木育の活動をされている方と一緒に、「森の色鉛筆作り」や「LIEN(リアン)作り」なども実施できればと考えています。「LIEN(リアン)」とは、杉の木をスライスしたものを8等分に切ったキーホルダーのようなもので、8つのピースがそろうと元の杉の木の形(年輪)が浮かび上がるのが特徴です。 ー宮崎県の伝統的工芸品である「法華嶽うずら車」と「イノホイの森」につながりがあるそうですが、そのつながりについて教えてください。「法華嶽うずら車」は、国富町で古くから伝わる郷土玩具で、タラの木を使って作られています。「イノホイの森」でもタラの木が生えているため、2年前から材料として提供しています。タラの木は非常に硬く、加工には技術と力が必要なため、高齢になって引退する人が後を絶たず、「法華嶽うずら車」を作れる人がたった一人だけとなっていました。そんな中、その唯一の制作者も高齢のため引退するという話を聞き、1200年も続いた歴史を途絶えさせてはいけないと、「法華嶽うずら車保存会」を立ち上げました。現在は、その制作者に弟子入りし、後継者として歴史をつなげられるように日々努めています。「イノホイの森」の活動をきっかけに始まった取り組みで、地域のために何かできることをしようという思いで活動しています。 ...