電気柵の設置方法とは?害獣対策のポイントと注意点をご紹介

電気柵の設置方法とは?害獣対策のポイントと注意点をご紹介
農業を行っていると、イノシシやシカなどの害獣に田畑を荒らされて困ることが少なくありません。電気柵は、害獣から大切な田畑を守るために役立つ製品です。しかし、初めて購入する場合、適切な設置ができるか不安に感じる方も多いでしょう。

本記事では、電気柵を設置する際の流れや設置のコツ、メンテナンス時のチェック項目などを紹介します。電気柵によって害獣が近寄らない田畑にするためにも、適切な設置方法を身に付けましょう。

電気柵の設置方法を理解して害獣対策


こちらでは、電気柵を設置する際の手順を紹介します。電気柵を初めて購入する場合、適切な設置ができるか不安に感じる方もいるでしょう。電気柵は、設置に特別な資格は必要なく、手軽に設置できる害獣対策グッズです。設置の流れや方法を覚えて、田畑を守れるようにしましょう。

1.電気柵の設置に必要な道具を用意する

まずは、電気柵を設置するにあたって必要な製品や道具を紹介します。

本体

電気柵へ電気を供給するもとになる

支柱

電気柵のワイヤーを張るために必要な柱

クリップ

ワイヤーを支柱に引っかけるために必要でガイシとも呼ばれる

簡易緊張具

電気柵に張ったワイヤーを締めたり緩めたりする際に便利

ゲートハンドル

電気柵に田畑へ出入りするゲートを作るために必要

ワイヤー(柵線)

支柱に張って電気を流すために必要

アース

電気を通電させるために地面に埋める棒

本体設置杭

本体を地面から話した状態で固定するための杭

危険表示板

電気柵が設置されていると周囲の人々に知らせるための看板

検電器

電気柵に流れている電圧をチェックするための機器


設置作業をするにあたっては、支柱や杭を打ち込むためのハンマー、ワイヤーを切断するためのハサミまたはニッパー、作業用の軍手などを用意すると、作業が進めやすくなるでしょう。また、鉄ハンマーを使用すると支柱を傷つけてしまう可能性があるため、ゴムまたはプラハンマーがおすすめです。

2.対象の動物にあわせて設置の準備をする

実際に設置していく前に、設置場所の整備を行いましょう。雑草が生い茂っている場所だと、草が柵に触れてしまいます。漏電の原因となるため、電気柵を設置する周辺は草刈りをして邪魔にならないようにしましょう。草刈りをすると動物が身をひそめる場所をなくせるため、害獣が近寄りにくくもなります。また、地面が凸凹していると支柱を設置しにくいため、ならしておきましょう。

支柱を設置する間隔や柵の取り付け間隔は、対象動物によって変える必要があります。

対象動物

設置間隔

イノシシ

支柱間隔:4m以内 柵の間隔:20cmで2段または3段

シカ

支柱間隔:5~10m 柵の間隔:30~45cmで4段

ハクビシン

支柱間隔:4m以内 柵の間隔:10cmで4段

サル

支柱間隔:3m以内 柵の間隔:15~25cmで8段(地面に近い場所は潜り込めないよう間隔を狭くする)

クマ

支柱間隔:4m以内 柵の間隔:15cmで3段または4段


電気柵は、電気が通りやすい動物の皮膚にあたるように設置する必要があります。体毛に覆われている動物の場合、鼻先は皮膚が露出していてかつ湿っているため、電気が通りやすい特徴があります。そのため、動物のサイズにあわせてワイヤーが鼻先の高さになるように設置しましょう。

3.支柱と柵を設置する

設置の準備ができたら、実際に支柱と柵を設置していきます。

支柱の立て方:
設置場所の外周が四角形の場合、各コーナーと出入口にする場所の合計6か所へ支柱を設置します。支柱が不安定だと倒れてしまう危険があるため、ハンマーを使って地面に20~30cmは打ち込むようにしましょう。バランスを見ながらまっすぐ打ち込むよう意識します。

ワイヤーの張り方:
支柱が立てられたら、地面から一番近い場所のワイヤーを設置していきます。出入口部分から支柱の外側に向かって張っていきます。ワイヤーを引っかけるガイシは、支柱の上から通して、動物の種類にあわせた高さで固定しましょう。ガイシを使用せず支柱に直接ワイヤーを固定してしまうと、回収や調整がしにくくなってしまいます。また、ガイシを利用するとワイヤーに動物が引っかかった際も支柱を傷つけません。

ワイヤーを下から上まで、動物の種類にあわせた間隔で張り終えたら、中間の支柱をワイヤーの位置にあわせて打ち込んでいきます。コーナーと出入口の支柱は負担が大きいため、添え木で補強すると倒れにくくなります。

ゲートハンドルの取り付け:
出入口部分のワイヤーにゲートハンドルを取り付けます。ワイヤーをハンドルにつなぎ、ハンドルのフックを出入口のガイシにかければ完成です。最後に簡易緊張具をワイヤーにかけます。緊張具により、ワイヤーを締めたり緩めたりの調整がしやすくなり、高さも変えやすくなります。

看板の設置方法:
電気柵自体の設置が完了したら、最後に目立つ場所のワイヤーに危険表示板を取り付けましょう。目安は100mに1か所以上の設置です。危険表示板の設置は義務のため、忘れないよう注意してください。

4.本体とアースを設置する

電気柵に電気を流すための本体とアースを設置していきます。囲った電気柵の内側に本体用の杭を打ち込み本体を取り付けます。本体は地面につかない位置に設置してください。ソーラーパネルのあるものは、日光があたりやすい方向に設置しましょう。

アースは地中深くかつ垂直に埋め込んでいきます。湿り気のある場所がおすすめです。完全に地面に埋まるようにするのがポイントです。また、アースが複数の場合は間隔をできるだけ空けて埋めましょう。アースと本体と電気柵を端子でつないだら設置完了です。

5.電圧テストを行う

設置作業がすべて完了したら、電圧テストを行います。すべての電源を入れ、検電器を用いて複数か所の電圧をチェックしましょう。少なくとも4,000V以上あるのを確認してください。もし電圧が低い場合は、柵周辺の点検を行い、草や木、金属などが柵に触れて漏電していないか確認しましょう。柵に接触物がある場合は、取り除いて電圧をチェックしなおします。電圧に問題がなければ電気柵を稼働させましょう。

電気柵設置時の注意点


こちらでは、電気柵を適切に設置するために注意しておきたいポイントを紹介します。電気柵が適切に稼働し、害獣による被害を減らすためにも、設置方法に気を配りましょう。

支柱や本体を必ず固定する

支柱や本体を取り付けている杭は、必ず固定しましょう。支柱が倒れてしまうと電気柵の破損や故障につながります。また、倒れている状態に気づかず放置してしまえば、電気柵としての役目を果たせず、動物が侵入してしまいます。メンテナンスの頻度を減らし、電気柵としての効果を発揮させるためには、必ず設置段階で不備がないようにしましょう。

斜面から2mほど離して設置する

電気柵を傾斜地の近くに設置すると、動物が斜面を利用して柵を跳び越えてしまうおそれがあります。下り坂の下に電気柵を設置する場合は、斜面から2mほど離れた場所がおすすめです。また、上り坂の上に設置する場合も同様に斜面から2mほど離しましょう。上り坂を駆け上がってきた勢いのまま、電気柵を突き抜けてしまう可能性があります。上り下りにかかわらず、電気柵の設置場所は斜面から離すよう意識しましょう。

道路からは50cm以上離して設置する

電気柵のワイヤーと土中を流れる電流を害獣に流すためには、通電材となる土に害獣が触れている状態でなければいけません。アスファルトの道路近くに設置してしまうと、害獣が通電性のない道路にいる状態で電気柵に触れてしまい、電流が流れない可能性があります。害獣が電気柵を怖がらなくなってしまうため、害獣対策としての効果が薄れるでしょう。

害獣が電気柵に触れた際に電気がしっかり流れるよう、道路の近くに設置する場合は50cm以上道路から離します。距離を取るのが難しい場合は、通電性のあるトタン板を地面に敷きましょう。

電気柵を設置した日から電気を流す

電気柵の設置が完了したその日から電気を流しましょう。まだ作物を育て始めておらず、柵内を守る必要がない場合でも、電源を入れておきます。電気が流れていない状態で柵を放置してしまうと、害獣が触れたときに電気ショックが発生せず、危険なものだと認識できません。電気柵に対する警戒心が薄れてしまい、思うように効果を発揮できなくなってしまいます。

一度危険ではないと学習してしまうと、その後電流を流している状態でも平気で侵入するおそれがあるため、設置した日から電気を流す意識を持ちましょう。

そのほか細かな注意点

電気柵設置時の細かな注意点をいくつか紹介します。

・高圧線コードと接続線は、電気が確実に流れるようしっかり結ぶ
・設置場所が平らではなく、くぼみのある土地の場合は、害獣が下から潜り込まないよう、すき間を埋めるように設置する
・すき間が発生する場合は部分的に段数を増やして、すき間を埋める
・防草シートに乗った状態で害獣が電気柵に触れると、電気が流れない可能性があるため、防草シートを敷く際は電気柵の内側に敷く

電気柵の効果を継続させるコツ


電気柵が効果を発揮し続けるためのコツを紹介します。

・ワイヤーが緩んで地面に触れないようにする
・周辺の草がワイヤーに触れて漏電しないよう草刈りをする
・ワイヤーに触れている金属物は撤去する
・周辺のガードレールに触れない場所に電気柵を設置する
・ワイヤーメッシュの金属部分がワイヤーに触れないようにする
・支柱にワイヤーが触れないようにする
・ワイヤーが劣化してステンレス線が断線していないか確認する
・ワイヤーのつなぎ目がズレて放電していないか確認する

電気柵のメンテナンスでチェックする項目


害獣対策のためには、定期的にメンテナンスを行い、電気が流れている状態であるか確認する必要があります。

・電圧が十分にあるか確認する。4,000V以上の電圧があると望ましい
・漏電していないか確認する。接触物がないか見回りをする
・アースやバッテリーのコードが切れていないか確認する。草刈りの際に誤って切ってしまわないように気を付ける
・支柱の破損がないか確認する。支柱が不安定な場合は角材で補強する

チェック項目を把握して、メンテナンス時に確認を行いましょう。

電気柵を設置する際にチェックしておきたいポイント


こちらでは、電気柵を適切に設置するためのポイントを紹介します。効果的な害獣対策を行うためにも意識しましょう。

通電の良い場所を探す

電気柵は通電の良い場所に設置しましょう。通電の悪い場所に張ってしまうと、害獣が触れても電流が流れないおそれがあります。たとえば、コンクリートやアスファルトは通電性が悪い特徴があります。また、砂地といった乾燥している地面も通電しづらいといえるでしょう。

そのため、湿り気のある土の上に設置するよう意識します。どうしてもアスファルト道路の近くに設置しなければいけない環境条件の場合は、トタン板を地面に敷き通電性を上げる工夫をしましょう。

アースは湿り気のある地面に深く打ち込む

電気柵は、アースがしっかり機能しないと電気がうまく流れません。湿り気のある地面に深く打ち込みましょう。理想はアース棒全体が地面に埋まるくらいの深さです。また、アース棒は垂直に埋めましょう。複数のアースを設置する際は、間隔を空ける必要があります。1m以上のアース棒の場合は、間隔を2m以上空けて打ち込んでください。

定期的な草刈りで漏電を防ぐ

漏電して電気柵の電圧が下がらないよう、草刈りを定期的に行いましょう。電気柵の電流は、ワイヤーから害獣の鼻先を通して地面に伝わりアースに流れる仕組みです。ワイヤーと雑草が接触していると、その場所に電気が流れてしまいます。害獣が触れたときに流れる電気が弱まってしまう可能性があるため、定期的な草刈りが必要です。

ワイヤーを動物の鼻の高さに設置する

電気柵のワイヤーは、動物の鼻先から通電するように高さを調整して設置します。動物のサイズによって鼻先の高さは異なるため、対策を行う動物の種類を把握する必要があります。また、ワイヤーの下から動物が潜り込まないよう、足元への設置も重要です。

農地は四方八方を囲う

電気柵は、害獣がやってくるであろう山際にだけ設置するのではなく、四方向を囲うように設置します。一か所でも侵入できる場所があると、害獣が周囲を歩き回って入れる場所を発見してしまうため、電気柵の効果を発揮できません。自分が作業するために出入りするゲートを付けて、田畑の周りを必ず囲いましょう。

まとめ|電気柵の適切な設置方法を理解して害獣対策を行いましょう


電気柵は手軽に設置できる害獣対策グッズです。初めて購入する方でも大まかな設置の流れを理解し、製品の説明書に沿って設置を進めれば、適切に利用できるでしょう。現在多くのメーカーから、電気柵を設置するための道具がすべてセットになった製品が販売されています。電気柵の設置に慣れていない方は、1セットで設置まで完了できるタイプの製品を選ぶのがおすすめです。設置時の注意点やメンテナンスのポイントを把握して、効果的な害獣対策を行いましょう。

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