【これで解決!】電気柵の仕組みや設置方法、選び方のポイントまでまとめて解説

【これで解決!】電気柵の仕組みや設置方法、選び方のポイントまでまとめて解説
獣害対策用のグッズとして広く用いられている電気柵。電柵に触れた際の電気ショックで心理的恐怖を植え付け、野生動物を田畑に近づけないのが目的です。

野生動物から大切な農作物を守る頼りになる存在ですが、その仕組みや設置方法、どの商品を購入するかなど疑問をお持ちの方も多いのでは。
そこで本記事では、電気柵に関する疑問をまるごと解決できるよう、情報をまとめてお届けします。「電気柵の仕組み」「電気柵の種類やそれぞれの特徴」「電気柵の設置方法」「電気柵の選び方のポイント」について解説しています。

電気柵について知りたい情報がある方は、ぜひ参考にしてください。

電気柵の仕組みは?

電気柵とは、電柵(電気が流れている柵)に触れた際の電気ショックで野生動物に心理的恐怖を植え付け、田畑に近づけないようにする獣害対策アイテムです。


電気柵の仕組みは、次のとおりです。

電気柵では本体から出力された電流が、柵線(さく線)を伝って流れています。また地面にはアース棒を埋め込み、本体へとつながるよう設置されています。

この状態でイノシシの鼻先など通電しやすい対象が柵線に触れると、イノシシの体をつたって「電線→イノシシの体→アース→本体」という順序で電気の通り道ができます。この瞬間に流れる電気の衝撃が、電気ショックとなって動物に伝わる仕組みです。

理科の実験に出てくる豆電球の仕組みをイメージするとわかりやすいでしょう。電気柵本体が乾電池、柵線が導線、イノシシがスイッチの役割を果たします。イノシシの鼻に触れてスイッチが入ると、通電して豆電球が光る(電気ショックが起こる)といった仕組みです。

野生動物に「心理的な恐怖」を植え付けるのが狙い


電気柵の電気ショックは静電気のようにバチッと衝撃が走る程度のものです。

電気柵の目的は動物に対して恐怖心や警戒心を抱かせること。あくまでも心理的な恐怖を植え付け、「あの柵は危ない」「あの畑には近寄らないようにしよう」と学習させるのが狙いです。

よくある誤解に「電気柵で動物を駆除できる」というものが挙げられますが、電気柵はあくまでも心理的効果が狙いで、駆除を目的としていません。

そのため、商品の安全性も十分担保されており、正しい設置方法や使用方法を守れば安全に使用できます。誤って人間が触れてしまっても感電する恐れはありません。静電気のようなビリッとする程度の衝撃です。

電気柵の安全性や、事故を防ぐための正しい知識については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

【関連記事】
>>電気柵の電圧はどれぐらい?触れても大丈夫?
>>設置前に確認!電気柵での事故を防ぐための正しい知識

電気柵の種類とそれぞれの特徴は?

電気柵は、出力する電源の種類が複数あり、それぞれに特徴の違いがあります。ここでは4つの種類の特徴について見ていきましょう。

電源の種類

特徴

1.ソーラー式

ソーラーパネル発電した電力を使用

2.バッテリー式

本体内蔵バッテリーの電力を使用

3.乾電池式

乾電池の電力を使用

4.外部電源式

家屋のコンセントや車のバッテリーを使用


【関連記事】
>>電気柵の効果と電源の種類、ソーラー電源のメリットを解説

種類1.ソーラー式

ソーラーは太陽光を使って充電し電気を供給するタイプです。日当りが良い環境なら電気代がかからず、コストパフォーマンスが高いのが特徴。電源を確保しづらい場所でも設置できます。一方で日当たりの悪い場所ではパフォーマンスに影響が出る点がネックです。

ソーラー式の電気柵については別記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。

【関連記事】
>>ソーラー式電気柵の仕組みと3つのメリットを解説

種類2.バッテリー式

バッテリータイプは本体に内蔵されたバッテリーから電気が供給され、長期間安定して稼動できます。ソーラー同様、電源の確保が難しい場所にもおすすめです。やや費用が高い点や、こまめにバッテリー切れの有無を確認する必要がある点がネックです。

種類3.乾電池式

手軽に導入できるのが乾電池タイプです。乾電池は手軽に入手可能で、設置場所を選びません。一方でバッテリー切れをこまめに点検する必要がある点や、乾電池を購入するランニングコストが発生します。

種類4.外部電源式

外部電源式(コンセントタイプ)は、自宅や作業小屋など家庭内のコンセントから電源を確保するタイプです。手軽に接続して電気を供給できますが、電源ケーブルの距離に限度があるため設置できる場所が限られます。購入前には設置場所と電源までの距離を測り、ケーブルの長さが足りるのか確認するのを忘れないようにしてください。

電気柵の設置方法は?

次に電気柵の設置方法を見ていきましょう。

電気柵は野生動物の被害に対して効果が高い対策です。しかし正しい設置方法を理解していないと、電流が流れず効果が得られなくなります。
とくに設置初期に電流が流れず、「この柵は怖くない」と動物が学習してしまうと、心理的な恐怖心を植え付けられず対策が無駄となってしまいます。電気柵の効果をフルに発揮するためにも、正しい設置方法を押さえておきましょう。

基本的な設置方法は5つの手順で取り組む


電気柵の設置は次の5つの手順で進めていきましょう。
  1. 必要な機材や道具を揃える
  2. 設置前の準備をする
  3. 支柱と柵を設置する
  4. 本体とアースを設置する
  5. 電気を通してテスターで確認する
1)まずは必要な機材や道具を揃えます。電気柵は本体だけでなく、支柱や電柵線、アースなど必要な機材が豊富です。

ホームセンター等で各パーツの購入も可能ですが、必要な機材がまとめて揃うセット商品を購入すると購入の手間が省けます。またセット商品は販売価格もお得なので、購入を迷った場合はセット商品を選んでみましょう。

2)次に設置前の準備をします。雑草が電気柵に触れると漏電が発生し正常に作動しないため、設置箇所はあらかじめ下草をしっかり刈り取っておきましょう。また、支柱を打ち込む部分はなるべく高低差が生まれないよう、きれいに整地しておきます。

3)続いて、支柱と柵を設置していきます。ポイントとなるのが、柵の間隔と段数です。対象とする動物の大きさや特徴によって、柵の間隔や段数を調整していきます。

動物

イノシシ

シカ

サル

柵の間隔

20cm間隔

30cm間隔

20cm間隔

段数

2~3段

4段

8段

支柱の間隔

200~400cm

300~400cm

300~400cm


たとえばイノシシの皮膚はかたい毛で覆われているため、電気柵に触れても反応しない可能性があります。そこで電気が通電しやすいイノシシの鼻に狙いを定め、柵の高さを20~30cm程度に調整します。
>>イノシシ対策に効果のある電気柵の設置方法

4)次に本体とアースを設置していきます。重要なのがアースの設置方法。アースの設置がうまくできていないと、電気柵がきちんと作動しない恐れがあります。石場を避け、湿り気のある場所に埋めるのがポイントです。下記の記事ではアースの設置に関して詳細に解説していますので、参考にしてください。

>>電気柵の運用時はアース不足に注意!

5)最後に、電気を通してテスターで確認をおこないます。複数箇所で確認し、きちんと電気が流れているかチェックしてください。また、通電していない時間に動物が柵に触れると、「電気柵は怖くない」と学習してしまいます。一晩でも稼動しない日がないように、電気柵の設置はその日のうちに作業を完了しましょう。

設置方法に関するより詳細な内容は、下記の記事でご紹介しています。より具体的に解説していますので、こちらの記事も参考にしてください。

【関連記事】
>>電気柵の設置方法を解説!事前の準備や動物別のポイントも紹介

電気柵の選び方のポイントは?

最後に、電気柵の費用や選び方のポイントについて解説します。

電気柵の選び方のポイントは3つです。

  1. 電源の種類から選ぶ
  2. メーカーや機能から選ぶ
  3. セット購入か単体購入かで選ぶ

1.電源の種類から選ぶ

電気柵を選ぶ際は、まず本体の種類(電源)から選びましょう。「電気柵の種類とそれぞれの特徴は?」の部分でも解説しましたが、電気柵は電源の種類によって特徴に違いがあります。

実際に柵を設置する環境やメンテナンスの手間、費用感などを参考にしながら最適な種類を選んでいきましょう。

さて、電気柵を購入するとなると気になるのが費用です。

電気柵の費用は、電気を供給する電源の種類によって違ってきます。メーカーや種類によって販売価格に上下はありますが、一般的には下記のような具合となっています。

電源(電気柵の種類)

費用の目安

特徴

ソーラー

太陽光で充電できコスパ◎

バッテリー

大容量で長期間電源が持続

乾電池

乾電池で手軽に管理が可能

コンセント(外部電源)

家屋から直接電源を確保でき安定稼動


本体の価格はソーラーとコンセント(外部電源)がもっとも高めです。しかしソーラーは太陽光で発電できるため、コストパフォーマンスに優れています。長期的にみるとランニングコストを抑えられ、購入時の費用を回収できます。

バッテリータイプの費用は、電気柵としては中間程度の費用感となってきます。乾電池は本体価格は低いですが、乾電池を購入するランニングコストが発生する点がネックです。

この他にも「本体の最大有効柵線距離」や「枠線の段数」など、価格に関連する要素は複数あります。下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

【関連記事】
>>電気柵の購入費用はどれくらい?本体の目安や費用が変化する要素を解説

2.メーカーや機能から選ぶ

次にメーカーや機能に注目してみましょう。家電製品と同様に、電気柵も製品によって機能や特色に違いがあります。またメーカーによって機能や操作パネルのデザインに違いがあるため、「ほしい機能が備わっている」「パネルの表示が分かりやすいか」といった基準も判断材料にしてください。
メーカーの特徴は下記の表を参考にしてください。

メーカー

特徴

ネクストアグリ

電気柵メーカーとしては後発ながら、安価且つ高品質な電気柵商品を数多く扱う

アポロ

昭和52年に日本で初めてエレクトロニクス・プロパン式爆音機を開発販売。数多くの鳥獣害防護機器を取り扱う

ニシデン

三重県松阪市の電気柵メーカー。手頃な価格でさまざまな機能を搭載した電気柵を販売


セット購入か単体購入かで選ぶ

電気柵を選ぶ際は、セット購入か単体購入かも大切なポイントになります。
セット品は、電気柵本体だけでなく支柱や電柵線など必要な機材がセットになった商品です。初めて電気柵を設置する場合や、新たな田畑に電気柵を設置するならセット品を選んでみましょう。
単体購入は、すでに電気柵を設置している方や本体以外の部品が揃っている方、本体の買い替えを検討している方におすすめです。
【関連記事】
>>電気柵に必要な部品って?

セット商品から単体商品まで電気柵グッズがまるごと揃うイノホイ

今回は電気柵の仕組みや設置方法をはじめ、電気柵に関する疑問をまとめてご紹介しました。

電気柵は、電柵(電気が流れている柵)に触れた際の電気ショックで野生動物に心理的恐怖を植え付け、田畑に近づけないようにする獣害対策アイテムです。大切な農作物を野生動物から守る定番の対策で、初心者から上級者まで幅広い層から人気を集めています。

イノホイは鳥獣対策グッズを販売する専門店です。セット商品や単体商品、各種部品にいたるまで、電気柵に関するグッズを豊富に取り扱っています。野生動物の被害にお悩みなら、ぜひイノホイまでご相談ください。 電気柵おすすめ商品
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