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自作箱罠用 トリガー兼開き防止装置
自作箱罠用 トリガー兼開き防止装置
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¥14,000
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商品説明
原材料の高騰により箱罠の価格も値上がりが続いております。
パネル自体は簡単な溶接で作成が可能ですが、トリガーと開き防止の構造にはどうしても設計が必要となり、自作が難しいというお声へ応えるべく、外付け可能な兼用部品の販売を開始いたしました!
シンプルな構造で天面パネルに番線または溶接で設置するだけで箱罠が完成する優れモノです。
動作イメージ
◯外付けで簡単に動作が可能なトリガー兼開き防止装置です。
◯動作イメージは動画にて詳細をご確認いただけます。
取付パターン
◯番線での固定、または溶接での固定が可能な2タイプをご用意しています。
◯画像は番線での固定タイプとなります。溶接タイプは接地面の鉄棒がないため、直接箱罠上部へ溶接が必要となります。

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狩猟の際に着用するベストは、ハンティングに便利な機能が備わっているだけではなく、ハンターの安全を確保する意味でも狩猟には重要なアイテムといえます。 さまざまなハンティング用の狩猟ベストがありますが、使い勝手のいいもので自分に合うサイズを着用することが大切です。本記事では、狩猟ベストを着る理由や狩猟ベストの選び方について詳しく紹介します。 目次 1狩猟ベストとは?3つの用途を解説 2狩猟ベストを着る理由 1視認性を上げるため 2予備の弾をしまうため 3両手が自由に使えるようにするため 4万が一のときに保険が下りるように 5ローカルルールで義務付けられている 3狩猟ベストに必要な機能 1安全性を確保できる色 2ステルス性を高める柄 3収納力 4動きやすさ 4狩猟ベストの選び方 1ジャストサイズ 2視認性が高いもの 3収納が多いもの 4体温調節できるもの 5防水・透湿性の高いもの 6音がしにくい素材のもの 5狩猟ベストの価格相場 6狩猟ベストは機能性の高いものを選ぼう! 狩猟ベストとは 狩猟ベストとは、ハンティングのときに使うベストのことをいいます。複数のポケットがベストの至るところにあり、薬莢を入れたり狩猟で必要な携行品が収納できるようになっているものです。 一般的な狩猟ベストは目立つ赤やオレンジ色などのものが多いですが、実は狩猟べストには明確なガイドラインはなく、色の指定も着用の義務もありません。 日本で狩猟を行う際は、鳥獣保護管理法という法律を守る必要がありますが、この法律の中には、狩猟時の服装についての規定は一切書いていないのです。しかし、多くのハンターが狩猟のときに狩猟ベストを着ることには、利便性だけではなくさまざまな理由があります。 狩猟ベストを着る理由 ハンティングのときに狩猟ベストを着る理由には、次のようなものがあります。 ・視認性を上げるため・予備の弾をしまうため・両手が自由に使えるようにするため・万が一のときに保険が下りるように・ローカルルールで義務付けられている 1つずつ詳しく見ていきましょう。 視認性を上げるため 狩猟ベストというと、オレンジ色のものを思い浮かべる方も多いでしょう。多くの狩猟ベストに使われている色は、ブレイズオレンジと呼ばれる鮮やかなハンターカラーです。 狩猟ベストに目立つ色が使われているのは、視認性を上げるためです。森や林のような草木が生い茂った視界の良くない場所でも、明るい目立つ色の狩猟ベストを着ていれば、遠くから「あそこに別のハンターがいるな」と気づきやすくなり誤射を防げます。 視認性・ハンターの安全性を高めるために有効な狩猟ベストのオレンジ色ですが、獲物とする鹿やイノシシなどには視認できない点も採用されている理由の1つです。人間にとっては目立つ色ですが、四つ足の動物は周りのものを白黒で認識しています。 イノシシは青系の色は認識できるといわれていますが、狩猟する際に派手なオレンジ色のベストを着ていても、ハンターの安全性は高められますし、獲物を捉えるときに不自由はないのです。 予備の弾をしまうため 狩猟には、銃猟やなわ猟、網猟などさまざまなやり方がありますが、銃猟のときは、砲と弾が必要です。狩猟ベストには予備の弾を収納でき、必要なときにすぐに取り出せる機能が備わっています。 狩猟ベストを着用せず、そのままポケットに弾を入れてハンティングしてもよいですが、山の中を歩き回ったり獲物を追いかけたりしているときに紛失する可能性があります。また、いざというときにさっと取り出して使えなければ、追い詰めた獲物を逃してしまうこともあるでしょう。...

イノシシやシカをはじめとした野生獣の捕獲方法の1つである「くくり罠」。獣が罠を踏むと、ワイヤーが締まって脚を捕獲する方法です。 中でもイノシシは身体能力が高いため、罠の設置や捕獲後の対応の際に、押さえておきたいポイントがあります。捕獲率を高めるだけでなく、より安全にイノシシを仕留めるためのポイントを順を追ってご紹介します。 イノシシ用のくくり罠を設置する くくり罠の設置は、イノシシとの知恵比べといえます。 イノシシは環境の変化に敏感で、新しく掘り起こされた土や人間の痕跡があると、警戒してそこを避ける行動をとります。罠を設置した痕跡を残さないよう、慎重かつ狡猾に罠を設置することが大切です。 まず、罠を設置する場所を決めましょう。イノシシが行動しているであろうエリアを丁寧に観察し、イノシシのフンや足跡、獣道を探します。足跡や獣道をみつけたら、より具体的に罠を設置する場所を絞り込みましょう。 イノシシは足元が不安定な場所を避けるため、枝や石はよけて通る習性があります。獣道の途中に木の根っこなどがあれば、そこを跨いで足を降ろす可能性が高くなります。 また、段差がある場所なら、イノシシも踏ん張りやすい安定した部分に足を置こうとするでしょう。こうした場所はくくり罠を仕掛けるには絶好のポイントです。 このように、痕跡を追うだけでなく、さらに一歩踏み込んで、そこから読み取れるイノシシの行動まで予測することで罠の捕獲率を高めていきます。 こちらの記事もどうぞ 【徹底解説】くくり罠の特徴や成果の上げ方とは? 匂い対策やカモフラージュは念入りに くくり罠を設置する際は、匂い対策にも注意をはらいましょう。罠を設置するために掘り返した土は、表面の乾いた土と匂いに違いあります。イノシシの嗅覚は鋭敏で、わずかな匂いの変化にも気づきます。 掘り起こした土で余りが出たら、罠から少し離れた場所に置くようにしましょう。 これ以外にも、新品の罠は人工物の匂いがするため、一度雨にさらして匂いを落としておくテクニックもあります。 同じく作業に使う軍手などもビニール製やゴム製は匂いが残るため避ける人もいます。徹底して人の匂いの痕跡を残さないため、猟に使う作業着は洗わず1シーズン使うといった罠師もいるほどです。人間に慣れていないイノシシの場合は特に匂いに対する警戒心が高いことから、罠の性能を損なわない範囲で可能な限り対策をしておくとよいでしょう。 また、くくり罠を設置したら表面に土や枯れ葉などを使ってカモフラージュを行います。周囲の環境と同じようにすることで、イノシシに見破られないよう工夫することが大切です。ハケなどを持参しておくと、より自然で細かなカモフラージュができます。 罠の手前や両サイドに枯れ枝を置いて、イノシシが足を置く位置を限定し捕獲率を高める方法も効果的です。 一方で、昼間に人里に現れるような人間に慣れているイノシシの場合、人間の痕跡を避けないケースもあります。わざと足跡を手で消してみて、そのあと同じ場所に足跡があれば、イノシシがその場所を踏む可能性が非常に高くなります。 イノシシがくくり罠にかかっていたら 見回りの際、くくり罠にイノシシがかかっていたら、その後の対処が必要になります。罠にかかったイノシシは、なんとか逃れようと必死に暴れ、興奮していてとても危険です。 まずは遠巻きに状況を確認し、斜面の場合はイノシシよりも高い方向から近づきます。近付く際はゆっくりと、警戒心を緩めずに進みましょう。捕らえたイノシシの可動域の外から、くくり罠がが足にしっかり固定されているか確認します。 罠のかかりが甘い場合や、イノシシが激しく暴れまわると罠が外れる可能性があります。状況をしっかり把握して、作業の安全を確保しましょう。 こちらの記事もどうぞ 捕獲獣(イノシシ・シカ等)の止めさしについて 生け捕りにするのでなければ、くくり罠にかかったイノシシはその場で止め刺しします。 その場合、鈍器等による殴打や電気ショック、ナイフを使います。必要に応じて銃で止め刺しする場合もあります。接近戦が危険と判断した場合は、応援を呼んだり銃による対処ができるよう事前に段取りしておきましょう。 こちらの記事もどうぞ 万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力 保定具(鼻くくりなど)を使う場合 捕獲したイノシシの肉をおいしくいただく目的で、別の場所で止め刺しから加工まで実施するのであれば、生け捕りにする必要があります。その場合、イノシシをできるだけ傷つけることなく体の自由を奪う必要があります。 参考動画:【里山狩猟生活#10】山で獲ったイノシシでチャーハン イノシシの武器は、突進。さらにオスの場合はそこから牙を突き上げてきたりします(しゃくりあげ)。何もなしに近づくと、足を払われたり刺し傷を負わせられたりします。 足くくり罠によってイノシシの動きが制限されていても、軽い気持ちで近づくのは非常に危険です。 大きな成獣の場合は、保定具を使ってイノシシの動きを封じる必要が出てきます。保定具のなかでも最近人気があるのが「鼻くくり」です。 鼻くくりの原理はくくり罠とほぼ同じです。延長棒の先に仕掛け部分があり、イノシシの鼻がそこにぶつかるとイノシシの鼻がワイヤーでくくられるような仕組みになっています。 まずは捕獲したイノシシの可動域を確認し、可動域の外から鼻くくりを先導させ、イノシシと対峙するような形でじりじり近づきます(斜面の場合は、低いほうから近づかないよう注意しましょう)。くくり罠の空ハジキと同様、鼻がぶつかっても保定失敗となる場合もあるので、細心の注意が必要です。 他のタイプでは、先端がワイヤーの輪っかになっており、イノシシが噛みついたタイミングでワイヤーを締める仕組みになっているものもあります。イノシシの鼻イノシシが噛みつこうとした際にロープが締まって鼻を縛るタイプもあります。 鼻くくりがかかったら、ロープを引っ張り周囲の木に固定します。足くくり罠と鼻くくりがそれぞれ逆方向に引っ張られることで、イノシシが自由に動けない状態を作ります。 ロープがたわまないよう体重をかけてしっかり張り、イノシシの動きを封じ込めるようにしましょう。ロープを固定する木も、簡単には折れないものを選ぶようにします。...

鳥インフルエンザや口蹄疫、豚熱(CSF)といった特定家畜伝染病は、生産者の皆様にとってはもちろん、報道等によって一般消費者にも広く認知されるようになりました。 これらの伝染病が発生すると、生産者は多大な経済的損失を受けるとともに、風評被害のリスクも生じます。特定家畜伝染病以外の病気においても、増体量や繁殖成績の低下などによる経営への影響は決して無視できるものではありません。 家畜の伝染病による被害をできる限り減らすために、私たちは何を知っておくべきなのでしょうか?家畜衛生分野の研究を行い防疫の専門家である、宮崎大学農学部獣医学科の末吉益雄教授にお話を伺いました。 末吉 益雄(すえよし ますお)教授 プロフィール 2012年4月、宮崎大学農学部獣医学科の教授に着任。家畜衛生分野の研究に長年携わり、同分野の第一人者として家畜伝染病のモニタリングや情報提供を通じて防疫の重要性を発信する。 教壇に立ち人材育成に携わるだけでなく、防疫へのリテラシー向上に取り組むべく、現場レベルでも精力的な活動を続けている。 ※宮崎大学農学部獣医学科 産業動物衛生学研究室ホームページはこちら 病気になってから治療・対処するのではなく、その前の段階で予防する 今回は、当社リファクトリーの安田が聞き手となり、国内の伝染病の現状をはじめ、防疫のポイントや今後の防疫体制への提言などを対談形式でお伺いしました。 ※本体談中は感染症対策のためマスク着用にて実施いたしました。撮影時のみマスクを外しております。 ◎末吉教授は長年防疫に関する研究に取り組まれてきたと伺いましたが、まずは現在取り組んでいる研究内容からお聞かせください。 末吉教授:私の研究は、動物を病気から衛ること、例えるならば人間の保健所の役割のように「定期健康診断」をベースに動物の健康保持に務めることです。広く認知されている高病原性鳥インフルエンザや豚熱などの家畜の悪性伝染病はまん延防止のため、そもそも治療対象となっておらず殺処分措置がとられますが、それ以外の動物の疾病についても病気になってから治療するのではなく、その前の段階で予防することで動物の健康を衛っていくことが究極の目的です。 具体的には、モニタリングを通じて、病気が起きる前の段階で「病原因子はないか」「防疫上の欠点はないか」といったことを数値化・見える化して発表・啓発していくことに取り組んでいます。悪性伝染病が発生してしまった場合は、まん延防止のために、申し訳ないけれども殺処分をしなければなりません。そうなる前の段階で、できる限り防疫をすることで、動物はもちろん生産者の方の生活を守ることに繋げていくのが、私の研究です。 ただ、防疫や予防という考え方は、治療に比べてなかなか周知していくことが難しい側面があります。例えば、新型コロナウイルスのワクチン接種に関する議論は、予防という考え方を伝える難しさがよく現れた事例ではないでしょうか。 ワクチンを打つことで重症化のリスクは下げることができますが、それは感染防止ではありません。しかし、ワクチンを打てば感染しないと間違って理解している方が少なくありません。 原則として、予防はその疾病が起きる前の措置です。なので、「予防したから発生しないのか、予防しなくても発生しなかったのではないか」と、されてしまいがちです。発生後のワクチンによる予防の成果も治療と違い、すぐには見えづらいため、直接的評価は難しいです。 ◎たしかに、人間心理としてどうしても何かが起こってからでないと危機感が高まらない側面はありますね。 末吉教授:そうした意識をどう変えていくのかは、大切な部分だと考えています。 私は、生産者の方や防疫に携わる方にお話をさせていただく際に、そもそも、消毒と滅菌の違いをご存知ですか?という質問をさせていただきます。 滅菌とは、存在する微生物をすべて除去してしまうことを言います。一方の消毒は、微生物の数を減らし、感染症を引き起こさない水準にまで病原微生物を殺菌や減少させることを言います。 つまり消毒をしたからといって、すべての微生物が除去される訳ではないということです。このことが分かっていると「消毒マットを踏んだらもう大丈夫」という考え方ではなく、より本質的な防疫に取り組む気付きを与えることができます。 こういった部分を、データやエビデンスを使って丁寧に説明していくことも私の役目だと考えいます。積極的に情報を公開して、信頼関係を築くことで、防疫への意識を高めるきっかけにしてもらえればと思っています。 これからの時代は自分たちから積極的に防疫に取り組んでいく姿勢が大切 ◎ここから、国内の家畜伝染病の動向についてお聞きしたいと思います。先日(2021年11月12日に対談)、秋田県で鳥インフルエンザが発生しましたが、日本国内での鳥インフルエンザの傾向について伺えますか。 末吉教授:日本の高病原性鳥インフルエンザのまん延は、人やトラックを介してのものはほとんど発生していません。この防疫力は世界でも抜きん出ています。 例えば、過去にオランダでは3,000万羽の鶏が処分されたことがありましたが、これはトラックなどを介してウイルスがまん延・拡散したことが大きな一つの要因です。 日本では高病原性鳥インフルエンザが発生した場合でも、各個撃破ができており「人」や「車」を介しての伝播防止の部分はしっかり対応が行き届いています。ただ、油断禁物です。これはしっかりしているからできているわけで、しなくても出ないのではないかと止めてしまうと、とんでもない事態となるリスクがあります。 さらに注意しておきたいのが、カモや野生動物からのウイルスの農場内/鶏舎内への持ち込みです。人や車を介してのまん延だけではく、侵入防護柵の設置やメンテナンス、環境整備に力を入れることで、ウイルスの持ち込みを防止していくことが大切となります。 例えば、カモが飛来する沼や池等の水辺が近い場合、そこを訪れるイタチやテン、タヌキやイノシシなどの野生動物がウイルスを養鶏場に持ち込む恐れがあります。こうした野生動物の侵入を防ぐことが、国内での鳥インフルエンザ対策では重要なポイントでしょう。 ◎末吉教授がその他に懸念している伝染病はありますか? 末吉教授:国内では豚熱が依然として拡大しており、油断できない状況にあり、まだまだ対策やデータの分析を進めていく必要があります。 それから、アフリカ豚熱の状況は特に注視しています。ヨーロッパでは10年かけてまん延しましたが、アジアではわずか2年でほとんどの国に感染が拡大しました。 まだ国内での感染は確認されていませんが、動物検疫所ではウイルスの遺伝子や生きたウイルスが海外旅行客の手荷物から確認されています。いつ国内で感染が発生してもおかしくない状況です。 現在は新型コロナウイルスの影響でインバウンドが止まっていますが、今後海外渡航や入国規制が解除されればリスクが一気に高まるのではないかと懸念しています。もし感染が確認された場合、それが養豚場で早期発見できれば、封じ込めができますが、野生のイノシシで発生した場合は豚熱のように感染が広がる恐れがあります。アフリカ豚熱は豚熱と比べて、致死率が非常に高いのが特徴です。確実に感染拡大しますが、厄介なのが、感染速度が遅いということ。一気に感染が拡大しない分、発見が遅れてしまう恐れがあります。その場合、気付かないうちに静かに感染が広がり、国内に定着してしまう可能性も考えられます。 それから、アフリカではダニがアフリカ豚熱を媒介している事例が報告されています。もし、感染ダニが定着すれば、風土病になる恐れも否定できません。そうなると、野生動物対策以上にコントロールが難しくなってしまうでしょう。 ◎そうした海外からのリスクをしっかり認識して、対策や予防を講じておくことが重要となる訳ですね。...