電気柵メーカー7選を比較!設置時の注意事項も紹介

電気柵メーカー7選を比較!設置時の注意事項も紹介
電気柵は害獣対策に役立つ製品です。数多くのメーカーから販売されており、種類も豊富なため、どの製品を購入すればよいか迷う方もいるでしょう。本記事では、電気柵を販売するメーカー7社の概要や特徴を紹介します。あわせて電気柵の選び方や事前準備について紹介するので、購入を検討している方は参考にしてください。

電気柵の仕組みと安全性


電気柵は、触れた動物に電気ショックを与えて、痛みと恐怖を覚えさせます。動物が電気柵を危険だと学習すると、警戒心が芽生えて近づかなくなる仕組みです。動物が電気柵のワイヤーに触れるとワイヤーから動物の体、地面へと電気が流れ、電気の回路ができることによって強いショックを与えます。

電気ショックと聞くと、人間にとっても危険なものであると感じる人もいるでしょう。しかし、市販の電気柵には安全対策が施されているため、人間が誤って触れてしまっても感電死といった大きな事故につながることはありません。

これまで、市販の電気柵による死亡を含めた重大事故は発生していないため、利用上の注意を守って設置すれば、危険は少ないといえるでしょう。市販の電気柵は、常に電気が流れっぱなしなわけではなく、通電間隔があるため、誤って触ってしまってもすぐに手が離せる仕様になっています。

電気柵を販売するメーカー7選の特徴を比較


こちらでは、電気柵の販売を行っているメーカーを7つ紹介します。目的にあったメーカー選びができるよう、特徴を捉えましょう。

メーカー名

特徴

ネクストアグリ株式会社

安価かつ高品質な電気柵商品を数多く扱っている

株式会社アポロ

数多くの鳥獣害防護機器を開発・製造・販売している

ニシデン産業株式会社

手ごろな価格で運転切り替えスイッチや減電圧アラーム、過放電防止など多彩な機能が搭載されている

タイガー株式会社

ネットやフェンス、捕獲器などさまざまな商品を精力的に開発している

株式会社末松電子製作所

数多くの知見や実績をもとに適切な設置方法など、手厚いフォローがある

未来のアグリ株式会社

施設園芸品、畜産酪農用品、金網フェンスなどさまざまな獣害対策商品を取り扱っている

株式会社スイデン

メインは工場やオフィス向けのエアコンや送風機などだが、安価で手に取りやすい電気柵も取り扱っている



ネクストアグリ株式会社

ネクストアグリ株式会社の設立年月は、2013年7月です。電気柵関連資材の製造や販売を行っており、そのほかにも鳥獣害対策商品や農業資材の販売、電気柵の設置・指導などにも対応しています。

2010年代の設立であり、電気柵メーカーとしては、後発組であるといえるでしょう。しかし、高品質な優れた電気柵商品を安価で数多く扱っているメーカーです。販売製品の機能面がシンプルなため、初めて電気柵を使用する方でも安心して使える特徴があります。

また、会社のWebサイトでは、電気柵の設置方法を詳細に紹介しています。電柵線の張り方やフックの取り付け方法、出入り口の作り方、設置後の管理などが写真付きで丁寧に解説されているため、電気柵購入後は参考にしてみるのもよいでしょう。

株式会社アポロ

株式会社アポロは、1977年4月に設立された会社です。野鳥からの農作物被害を防止するために、一定間隔で爆音を発生させる爆音気と呼ばれる製品があります。株式会社アポロでは、1968年にカーバイト式爆音機の製造販売を始め、1977年に日本で初めてエレクトロニクス・プロパン式爆音機を開発・販売しました。それをきっかけに、多くの農家の方々から大きな支持を得ています。

その後、農家の方々が深刻な鳥獣被害に悩まされていると知り、鳥獣害防護機器の開発や製造、販売を専門とする電気柵メーカーとしてスタートしました。現在も爆音機を製造販売していますが、メインは電気柵の製造販売です。

株式会社アポロで製造販売されている電気柵は、アポロエリアシステムといい、短・中・長距離と、設置場所の規模にあわせてさまざまなサイズの電気柵を販売しています。

ニシデン産業株式会社

ニシデン産業株式会社は、2013年2月設立の三重県松阪市の電気柵メーカーです。電柵機器開発や販売、農業資材、園芸資材などを取り扱っています。電気柵は、乾電池式のものやソーラーパネル付随のバッテリータイプなどを販売しています。

手ごろな価格でありながら、運転切り替えスイッチや減電圧アラーム、過放電防止機能など充実した機能が搭載されている点が魅力です。使いやすい機能が揃っているため、多くの顧客から支持を受けています。また、防獣ネットや電柵コード巻取器、危険表示板、ビニールカバーなど、防獣対策に役立つグッズも販売しています。

タイガー株式会社

タイガー株式会社は、1949年に日本で初めて爆音機を製造販売しました。1951年1月の創業後、鳥獣被害対策の分野において、ネットやフェンス、捕獲器などを製造販売しています。さまざまな商品を精力的に開発しているメーカーです。

鳥獣被害対策グッズは、製品の効果を長期的に持続させるために定期的なメンテナンスが必要です。タイガー株式会社では、担当者が代理店とともに施工後もサポートを行っています。会社のWebサイトには鳥獣被害対策グッズの使用事例が掲載されています。対策グッズをどのように使えばよいかイメージが付きにくいという方は、使用例を参考にしましょう。

また、タイガー株式会社は日本電気さく協議会に加盟しています。日本電気さく協議会とは、日本国内の電気柵や関連機材メーカー、輸入元などが結集した団体で、電気柵の安全基準を発信しています。

株式会社末松電子製作所

株式会社末松電子製作所は、1975年2月創立の熊本県に本社を置く電気柵の専門メーカーです。電気柵関連資材一式の開発・製造・販売や、パルスパワー関連機器開発製造などを行っています。また、日本電気さく協議会に加盟しています。

株式会社末松電子製作所では、現場経験で培ったノウハウに裏付けされた独自の技術力を生かして、企画から製造、品質管理までを一貫して行っているのも特徴です。また、数多くの知見や実績をもとに、適切な設置方法など、販売後の手厚いフォローもあります。

販売だけではなく、製造も自社工場にて行っていることから、商品の改善なども精力的に行える体制が整っている点が魅力です。創立から今にいたるまで、そしてこれからもコツコツ技術を磨き、顧客に満足してもらえる製品作りに努めています。

未来のアグリ株式会社

未来のアグリ株式会社は、1953年12月設立の会社です。施設園芸品、畜産酪農用品、金網フェンスなど、さまざまな獣害対策商品を取り扱っているメーカーです。また、販売だけではなく製造も行っています。

未来のアグリ株式会社は、前田工繊株式会社の完全子会社であった農業関連の3社、北原電牧株式会社(札幌市)・エスケー電気工業株式会社(苫小牧市)・株式会社グリーンシステム(福島市)が一つになり誕生した会社です。現在、日本電気さく協議会に加盟しています。

基本的な電気柵や物理柵、各種罠の販売をメインに、ICTを組み合わせた効率的な捕獲や、人の生活圏に出没するクマへの対策などにも取り組んでいます。

株式会社スイデン

株式会社スイデンは、1947年3月創立の電気機器の製造および販売を行う会社です。工場やオフィス向けのエアコンや送風機、掃除機などで有名なメーカーです。農業向け製品として、電気柵も安価で取り扱っています。乾電池、ソーラーパネル、バッテリー、ACアダプターの4種類の電源を選んで利用できる電気柵を販売しています。場所を選ばず利用できる製品といえるでしょう。

会社Webサイトでは、田んぼへの電気柵導入実績を紹介しているため、活用方法のイメージを明確にしたい方は、参考にしてみましょう。

電気柵の選び方


電気柵を選ぶ際は、下記の3つをチェックしましょう。

・コードの長さ
・電源の種類
・柵線の段数

電気柵は設置場所や規模によって、必要なコードの長さが異なります。コードの長さが足りず害獣の侵入経路ができてしまうと、電気柵の効果を十分に発揮できないため、コードの長さを正確に測り、適切なコードの長さを選びましょう。

電源の種類を確認することも大切です。電源の種類は主に乾電池式・バッテリー式・ソーラー式・AC電源式の4つです。それぞれに特徴があるため、設置場所やランニングコストを加味して電源方式を決定するのがおすすめです。

また害獣によって体の大きさが異なるため、対策したい害獣にあわせて柵線の段数も変える必要があります。イノシシやシカなどの動物は、全身がかたい毛で覆われているため、鼻先などの皮膚が露出した部分にしか電気が流れません。対策したい動物の鼻先の高さにあわせて設置する柵線の段数を選択しましょう。

電気柵の選び方をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
<内部リンク>

電気柵を使用しない期間の対応方法


電気柵を使用しない期間は、柵の撤去をおすすめします。電気を流さないまま柵を放置すると、周辺の動物たちが柵に危険がないと学習し、電気柵自体を怖がらなくなってしまう可能性があります。もし撤去が難しい場合は、使用しない期間でも電気を流しっぱなしにしておきましょう。

電気柵を購入する前にやっておくべきこと


こちらでは、電気柵の購入を検討している方に向けて、購入前にやっておきたい準備を紹介します。設置場所にあった電気柵を購入するためにも、事前にチェックしておきましょう。

侵入を防ぎたい害獣の種類の確認

電気柵を購入する前に、対策したい害獣の種類を明確にしましょう。電気柵の支柱のサイズやガイシ(ワイヤーを支柱に固定する器具)の数などは、対象動物を考慮して選ぶ必要があります。

対策したい動物の種類は、足跡やフンから見分けられます。たとえばイノシシの場合、細長い蹄が2本あるのが特徴です。また、かかとには小さな副蹄があり、1本の足で合計4つに分かれた蹄の跡がつきます。

イノシシ対策では支柱の高さを90cm程度にするのが一般的です。地上から20cmの高さでガイシは2か所に設置し、ワイヤーを2段に張るのがおすすめです。

設置場所の外周と電気柵のサイズ確認

設置したい場所に適した電気柵を選ぶためには、まず電柵線の長さを確認しましょう。電柵線は目的や使用する場所によって必要な長さが変わります。

また、設置する場所の広さを事前に計測する必要があります。畑や家庭菜園など設置場所の大きさや形状はさまざまです。メジャーを使って実際に計測するのがおすすめです。

設置場所にあった電源方式の確認

購入前に、設置する場所にあった特徴を持つ電源の種類を確認しましょう。電源を確保できる場所があるのかないのか、使用期間はどれくらいかなどにより、適切な電源方式が異なります。

電気柵の電源の種類は、主に以下の4タイプです。
・乾電池タイプ
・バッテリータイプ
・ソーラータイプ
・ACアダプタータイプ
手軽かつあまり場所を選ばず利用できる電気柵を購入したい場合は、乾電池やバッテリータイプが適しています。長期間利用し続けたい場合は、バッテリーが内蔵されたソーラータイプやACアダプタータイプが使いやすいでしょう。

まとめ|電気柵は設置場所の特徴にあったものを選ぶ


イノシシやシカなどの獣から田畑を守るためには、電気柵の設置が欠かせません。現在、電気柵はさまざまなメーカーから販売されています。初めての電気柵設置で、適切な設置ができるか、メンテナンスはどうしたらよいかなど不安が多い場合は、設置前に丁寧な説明を受けられたり定期的なサポートを行ってくれたりするメーカーがおすすめです。

また、電気柵以外の鳥獣被害対策グッズを幅広く扱っているメーカーもあるため、さまざまな対策を試してみたい方は、扱う製品の多いメーカーを選びましょう。電気柵を設置する際は、事前に設置場所の広さや立地、対策する動物の種類などを確認して、設置場所にあった電源方式の電気柵を購入する必要があります。本記事でご紹介した選び方を参考に自分にあった電気柵を見つけましょう。

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