箱罠で捕らえた獣を逃さないようにするストッパー

イノシシ用箱罠ストッパー 扉開放防止装置

獣を箱状の檻の中におびき寄せて捕獲する箱罠ですが、単に捕らえる機構のみでは捕獲に成功しても簡単に逃げられてしまいます。

特に、イノシシは鼻で50キロほどの重さを持上げられるほど力が強く、箱罠で捕獲したとしても、内部から必死に扉を持上げようとします。

そのため、箱罠に求められる機能として、落ちた扉が持ち上がらないようにするための「ストッパー(扉開放防止装置)」が必要になります。

イノシシ用箱罠のストッパー例

扉が落ちた後に内部から持ち上げられないよう、何かしら落ちた扉が固定されるような仕組みがあれば良いので、工夫次第で様々な構造が考えられます。多く用いられているのは、扉が落ちたときにつっかえ棒が入るような仕組みです。例えば、以下の図を例にとってみてみましょう。※大きさや細かい部分は適当ですが、ご容赦ください。

ストッパー機構の例

この模式図でいうと、扉が上がっている状態ではストッパーが機能せず、扉を上下できる状態ですが、扉が下がってストッパーが入る隙間ができると、ばねの力によってストッパーが扉レール内に入ってつっかえ棒となる仕組みになっています。

図では分かりにくいと思うので、以下に動画で紹介します(動画の3:01~)。上の図とは若干仕組みは違うものの、原理は同様です。

また、バネを使わなくても、以下の図のように扉に穴を空けておき、あらかじめストッパーが自重で落ちるようにしておけば、扉が落ちると穴の中にストッパーが入って扉がロックされます。

ストッパー機構の例2

他にも、各社様々な工夫を凝らしており、多種多様なストッパー方式があります。その中で、当社の箱罠の場合は取っ手方式になっており、取っ手をひっくり返した状態で扉を持ち上げ、扉が落ちるとストッパー棒が網目の中に入って持上げを防止する仕組みになっています(動画の0:38~)。

 

ストッパーが無い箱罠は危険

ストッパーが無い箱罠を使うと、捕らえた獣が扉を持上げて逃げ出す場合があります。獣の逆襲を受ける可能性もあるので、大変危険です。以下の動画を見ると分かるのですが、扉を持ち上げて逃げようとしている姿が観察できます(動画の0:57~)。

また、市場に出回っている商品のなかには、激安であることを謳っているものの、実際は強度の弱いワイヤーメッシュを使用している箱罠もあります。一見似たような商品が多いですが、仕様の詳細を確認のうえ値段だけで選定しないよう注意が必要です。

もし箱罠に獣がかかっていたら

箱罠に獣がかかっていることが分かったら、いきなり近づくのではなく、まずは遠巻きに箱罠に破損がないか、ストッパーがきちんと機能しているか確認し、じわじわと近づいていきましょう。 大物の場合は一人で無理に対応しようとせず、銃による止め刺しが可能な人に増援を頼んだり、準備を万端にして対処するようにすることをお勧めします。

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