鳥獣被害対策マガジン
イノシシの罠について徹底解説!あなたに合った罠はどれ?
目次 1イノシシ罠その①:箱罠 1箱罠の長所 2箱罠の短所 3箱罠による捕獲の手順 2イノシシ罠その②:くくり罠 1くくり罠の長所 2くくり罠の短所 3くくり罠による捕獲の手順 3イノシシ罠その③:囲い罠 1囲い罠の長所 2囲い罠の短所 4まとめ イノシシ被害を減らすために捕獲をこれから始める方、ぼたん肉とも呼ばれる美味なイノシシ肉を味わうために捕獲をする方など、銃猟以外でイノシシの捕獲をするのに必須となるのが「罠」です。 日本では古くからイノシシによる農作物被害を防ぐために落とし穴などの罠が使われてきましたが、現代においては様々な観点から廃れたり禁止されている罠もあります。例えば、昔話などで出てくる「とらばさみ(獣の足をはさんで捕まえる)」は有名ですが、現在においては禁止猟具になります。 そのような中で、現在イノシシをターゲットとして使用できる罠の種類は、「箱罠」「くくり罠」「囲い罠」の3種類に区分されます。 これらの罠の長所・短所、捕獲のための手順について解説します。 罠の特徴を踏まえたうえで、設置場所の環境や予算、かけられる労力などを考慮し、適切な罠を選択しましょう。また、それぞれの罠には制限事項がありますので、その点についても予め留意しておくようにしましょう。 イノシシ罠その①:箱罠 色々な大きさ・形がありますが、全面とも金網や板等で囲われた箱状の罠のことを箱罠といいます。いずれも餌によって箱の内部に獲物を誘因します。 誘因された獲物が箱の内部に入り込むと、トリガーが作動して入口が閉じ、獲物が閉じ込められることによって捕獲が完了するという仕組みになっています。代表的なトリガーの方式としては、以下があります。 ◆蹴り糸方式:蹴り糸が獲物の体に触れることにより作動する。 ◆踏み板方式:獲物が踏み板を踏むことにより作動する。 ◆回転軸(回し棒)方式:軸が回転することにより作動する。 踏み板方式と回転軸方式はトリガーの位置を調節することが難しいため、トリガーの位置や感度を調節しやすい蹴り糸方式の箱罠がおすすめです(上の動画は蹴り糸方式です)。 また近年ではセンサーによって作動するタイプも登場しており、仕掛けの労力を低減させて捕獲率をアップさせる工夫が凝らされているため、導入数も徐々に伸びています。 ★イノホイオススメの箱罠用センサーはこちら。 箱罠の長所 そもそも餌で獲物を誘いこむ構造のため、餌を使わない罠とくらべると、捕獲率は高いです。複数の獲物を捕獲することも可能です。また、獲物の視線からすると、開放的な外観であるため、ブラックボックスとなっている罠(例えば、ドラム缶式罠など)よりも捕獲の効率が良い傾向にあります。 一目でわかる外観のため、人間が誤ってかかってしまうようなことはありません。ターゲットではない他の鳥獣を捕獲した場合も、簡単に逃がすことができ、怪我を負わせるリスクは低いです。...
イノシシの罠について徹底解説!あなたに合った罠はどれ?
目次 1イノシシ罠その①:箱罠 1箱罠の長所 2箱罠の短所 3箱罠による捕獲の手順 2イノシシ罠その②:くくり罠 1くくり罠の長所 2くくり罠の短所 3くくり罠による捕獲の手順 3イノシシ罠その③:囲い罠 1囲い罠の長所 2囲い罠の短所 4まとめ イノシシ被害を減らすために捕獲をこれから始める方、ぼたん肉とも呼ばれる美味なイノシシ肉を味わうために捕獲をする方など、銃猟以外でイノシシの捕獲をするのに必須となるのが「罠」です。 日本では古くからイノシシによる農作物被害を防ぐために落とし穴などの罠が使われてきましたが、現代においては様々な観点から廃れたり禁止されている罠もあります。例えば、昔話などで出てくる「とらばさみ(獣の足をはさんで捕まえる)」は有名ですが、現在においては禁止猟具になります。 そのような中で、現在イノシシをターゲットとして使用できる罠の種類は、「箱罠」「くくり罠」「囲い罠」の3種類に区分されます。 これらの罠の長所・短所、捕獲のための手順について解説します。 罠の特徴を踏まえたうえで、設置場所の環境や予算、かけられる労力などを考慮し、適切な罠を選択しましょう。また、それぞれの罠には制限事項がありますので、その点についても予め留意しておくようにしましょう。 イノシシ罠その①:箱罠 色々な大きさ・形がありますが、全面とも金網や板等で囲われた箱状の罠のことを箱罠といいます。いずれも餌によって箱の内部に獲物を誘因します。 誘因された獲物が箱の内部に入り込むと、トリガーが作動して入口が閉じ、獲物が閉じ込められることによって捕獲が完了するという仕組みになっています。代表的なトリガーの方式としては、以下があります。 ◆蹴り糸方式:蹴り糸が獲物の体に触れることにより作動する。 ◆踏み板方式:獲物が踏み板を踏むことにより作動する。 ◆回転軸(回し棒)方式:軸が回転することにより作動する。 踏み板方式と回転軸方式はトリガーの位置を調節することが難しいため、トリガーの位置や感度を調節しやすい蹴り糸方式の箱罠がおすすめです(上の動画は蹴り糸方式です)。 また近年ではセンサーによって作動するタイプも登場しており、仕掛けの労力を低減させて捕獲率をアップさせる工夫が凝らされているため、導入数も徐々に伸びています。 ★イノホイオススメの箱罠用センサーはこちら。 箱罠の長所 そもそも餌で獲物を誘いこむ構造のため、餌を使わない罠とくらべると、捕獲率は高いです。複数の獲物を捕獲することも可能です。また、獲物の視線からすると、開放的な外観であるため、ブラックボックスとなっている罠(例えば、ドラム缶式罠など)よりも捕獲の効率が良い傾向にあります。 一目でわかる外観のため、人間が誤ってかかってしまうようなことはありません。ターゲットではない他の鳥獣を捕獲した場合も、簡単に逃がすことができ、怪我を負わせるリスクは低いです。...
箱罠のメンテナンスに!パネルを一枚単位から交換可能!
当店が販売するイノシシ・シカ捕獲用の箱罠の最大の特徴は、異形鉄筋を利用した抜群の強度です。 市場に多く出回っているワイヤーメッシュ製の箱罠は、材料が安いため安価で入手できますが、異形鉄筋に比べると耐久面で劣ります。 ワイヤーメッシュとは、公園のフェンス等にも使われる格子状の網で、直径3~6ミリ程の丸鋼を溶接して作られています。一方、当社の箱罠は建築現場のコンクリート基礎等にも使われる直径9ミリ程の異形鉄筋です。 箱罠の場合、網の部分のせん断強さが重要になりますが、せん断強さは構成する鋼材の径に比例します。そのため、例えば6mm径を9mm径と比べると、9mm径のほうが1.5倍ほど強いということになります。 イノシシは身体能力が高く、その気になれば細いワイヤーメッシュは簡単に破壊するほどです。 箱罠に捕らえられたイノシシは生死がかかっているため必死に暴れますし、体重が重たいほど力が強くなり、当然破壊力も増してきます。 その点を考慮して、ワイヤーメッシュで製造している箱罠においては要所を鉄筋によって補強していたり、衝撃を緩和するための工夫を入れていることが多いですが、中には扉以外をほぼワイヤーメッシュのみで作って安価を前面に出して販売している箱罠もあり、注意が必要です。 当店のイノシシ・シカ用箱罠は、格子網を全箇所溶接することで、より頑丈さを高めています。また、捕らえた獲物が箱罠の内部から扉部分を持ち上げるのを防止するための機構もつけており、強度はもちろん、捕獲率を高めるための工夫も施しています。 イノホイの箱罠はパネル一枚単位から購入が可能 100kgを超えるような大型のイノシシとなると、獲物が暴れたり突進した衝撃で、丈夫な箱罠でも変形や破損してしまう恐れがあります。こうした予期せぬ事態に対応するために、イノホイでは交換用のパネルを販売しています。 箱罠を構成するパネルを、一枚単位から購入することが可能。従来までは箱罠が部分的に破損した場合でも、一式まるごと購入する必要がありましたが、交換用パネルを利用すれば、一枚単位での購入で済むため、メンテナンスコストを抑えることができます。 撤去や組立の労力も軽減できるため、継続的な捕獲活動を実施できます。ご検討の方は、こちらのページから詳細をご確認ください。 適合する箱罠は3タイプ 交換用のパネルは、イノホイで取り扱う「ファーレ旭式 箱罠」シリーズの3タイプでご使用いただけます。 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【片扉】 大型の獲物でも捕獲できるよう、幅1.0m×高さ1.0m×奥行2.0mの大きさを採用。片扉タイプは仕掛けの蹴り糸が1本で済むため、設置の手間が少なく済みます。また、罠の奥側が完全に閉まり逃げ道が限定されるため、取り逃がしのリスクを軽減できます。両扉に比べて価格面で安価な点もメリットです。 商品ページはこちらから>> ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【両扉】 両扉タイプの箱罠のメリットは、獲物の目線から見て、前方に遮る障害物がないということ。野生鳥獣は警戒心が強く、前方が塞がれていると内部まで侵入しないケースも見られます。その点両扉は視界前方の扉も開いているため、警戒心の強いターゲットを誘引しやすくなります。 商品ページはこちらから>> ファーレ旭式 箱罠ミディアムサイズ【片扉】奥深タイプ ビッグサイズより一回り小さい幅0.8m×高さ0.8m×奥行1.8mの大きさを採用。重量も30kg軽くなり、同シリーズの頑丈さをそのままに、運搬や設置の労力を軽減することができます。 商品ページはこちらから>>
箱罠のメンテナンスに!パネルを一枚単位から交換可能!
当店が販売するイノシシ・シカ捕獲用の箱罠の最大の特徴は、異形鉄筋を利用した抜群の強度です。 市場に多く出回っているワイヤーメッシュ製の箱罠は、材料が安いため安価で入手できますが、異形鉄筋に比べると耐久面で劣ります。 ワイヤーメッシュとは、公園のフェンス等にも使われる格子状の網で、直径3~6ミリ程の丸鋼を溶接して作られています。一方、当社の箱罠は建築現場のコンクリート基礎等にも使われる直径9ミリ程の異形鉄筋です。 箱罠の場合、網の部分のせん断強さが重要になりますが、せん断強さは構成する鋼材の径に比例します。そのため、例えば6mm径を9mm径と比べると、9mm径のほうが1.5倍ほど強いということになります。 イノシシは身体能力が高く、その気になれば細いワイヤーメッシュは簡単に破壊するほどです。 箱罠に捕らえられたイノシシは生死がかかっているため必死に暴れますし、体重が重たいほど力が強くなり、当然破壊力も増してきます。 その点を考慮して、ワイヤーメッシュで製造している箱罠においては要所を鉄筋によって補強していたり、衝撃を緩和するための工夫を入れていることが多いですが、中には扉以外をほぼワイヤーメッシュのみで作って安価を前面に出して販売している箱罠もあり、注意が必要です。 当店のイノシシ・シカ用箱罠は、格子網を全箇所溶接することで、より頑丈さを高めています。また、捕らえた獲物が箱罠の内部から扉部分を持ち上げるのを防止するための機構もつけており、強度はもちろん、捕獲率を高めるための工夫も施しています。 イノホイの箱罠はパネル一枚単位から購入が可能 100kgを超えるような大型のイノシシとなると、獲物が暴れたり突進した衝撃で、丈夫な箱罠でも変形や破損してしまう恐れがあります。こうした予期せぬ事態に対応するために、イノホイでは交換用のパネルを販売しています。 箱罠を構成するパネルを、一枚単位から購入することが可能。従来までは箱罠が部分的に破損した場合でも、一式まるごと購入する必要がありましたが、交換用パネルを利用すれば、一枚単位での購入で済むため、メンテナンスコストを抑えることができます。 撤去や組立の労力も軽減できるため、継続的な捕獲活動を実施できます。ご検討の方は、こちらのページから詳細をご確認ください。 適合する箱罠は3タイプ 交換用のパネルは、イノホイで取り扱う「ファーレ旭式 箱罠」シリーズの3タイプでご使用いただけます。 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【片扉】 大型の獲物でも捕獲できるよう、幅1.0m×高さ1.0m×奥行2.0mの大きさを採用。片扉タイプは仕掛けの蹴り糸が1本で済むため、設置の手間が少なく済みます。また、罠の奥側が完全に閉まり逃げ道が限定されるため、取り逃がしのリスクを軽減できます。両扉に比べて価格面で安価な点もメリットです。 商品ページはこちらから>> ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【両扉】 両扉タイプの箱罠のメリットは、獲物の目線から見て、前方に遮る障害物がないということ。野生鳥獣は警戒心が強く、前方が塞がれていると内部まで侵入しないケースも見られます。その点両扉は視界前方の扉も開いているため、警戒心の強いターゲットを誘引しやすくなります。 商品ページはこちらから>> ファーレ旭式 箱罠ミディアムサイズ【片扉】奥深タイプ ビッグサイズより一回り小さい幅0.8m×高さ0.8m×奥行1.8mの大きさを採用。重量も30kg軽くなり、同シリーズの頑丈さをそのままに、運搬や設置の労力を軽減することができます。 商品ページはこちらから>>
アライグマ箱罠と捕獲のコツ、その他捕獲グッズのご紹介
目次 1アライグマの捕獲におすすめの箱罠 1折り畳みタイプ 2頑強タイプ 2箱罠でアライグマを捕獲するコツ 1設置場所の選定 2箱罠の設置 3餌による誘引 4箱罠の見回り 5捕獲した場合の対応 3箱罠以外の捕獲器 特定外来生物であるアライグマの分布は日本国内でどんどん広がっており、農業被害や家屋への浸入は日常的に聞かれるようになってきています。 農作物被害は年間3憶円を超える規模に達しており、生息分布の広がりが止まらないという背景もあることから、多くの地域で「箱罠」を使った積極的な捕獲が進められています。 また、被害の深刻さと速やかな対応が望まれることから、捕獲に必要な制限を解除している地域もあります(例:茨城県・・・小型の箱罠に限り、狩猟免許が無い人でも捕獲可能。捕獲の許可も不要で、年間を通して捕獲可)。 アライグマは春から夏ごろに2 ~6 頭の子を出産するので、夏は被害が最も増えるシーズンです。今回は、アライグマの捕獲に適した箱罠や捕獲のコツ、箱罠以外の捕獲用品を紹介したいと思います。 アライグマの捕獲におすすめの箱罠 アライグマは頭胴長(体長)が40 ~~60センチメートル、体高20~30cmほどです。アライグマに限らず、このサイズの獣を捕獲する場合はおもに箱罠が用いられます。使用する箱罠はイノシシやシカの捕獲に用いるような大型サイズのものではなく、奥行は80センチ程度で、幅と高さが30センチ程度の小型タイプが多く使われます。当店でご用意しているアライグマ用の箱罠は以下の2タイプです。 折り畳みタイプ 折り畳まれた状態から広げて、補強用の棒を差し込めば組立完了というお手軽なタイプです。アライグマの原産である北米においても、アライグマを捕獲する際は同様の箱罠が広く用いられています。 箱罠の内部には踏み板が設置されており、踏み板と扉の金具が金属棒によって連結されている構造になっています。獣が箱罠の内部に入って踏み板を踏むと、扉が閉まって開かなくなる仕組みになっています(踏み板式)。 ※吊り餌方式の罠も見受けられますが、固形の餌でないと仕掛けることができないため、当店では踏み板式を採用しています。 サイズは以下の3タイプがあり、アライグマの捕獲であればミディアムサイズもしくはビッグサイズがお勧めです。 スモールサイズ 奥行:66cm×幅:23cm×高さ:26cm 対象例:ノネコ、ヌートリア、アナグマ、ノウサギ、ミンク、イタチ(オス)など ミディアムサイズ 奥行:79cm×幅:28cm×高さ:33cm...
アライグマ箱罠と捕獲のコツ、その他捕獲グッズのご紹介
目次 1アライグマの捕獲におすすめの箱罠 1折り畳みタイプ 2頑強タイプ 2箱罠でアライグマを捕獲するコツ 1設置場所の選定 2箱罠の設置 3餌による誘引 4箱罠の見回り 5捕獲した場合の対応 3箱罠以外の捕獲器 特定外来生物であるアライグマの分布は日本国内でどんどん広がっており、農業被害や家屋への浸入は日常的に聞かれるようになってきています。 農作物被害は年間3憶円を超える規模に達しており、生息分布の広がりが止まらないという背景もあることから、多くの地域で「箱罠」を使った積極的な捕獲が進められています。 また、被害の深刻さと速やかな対応が望まれることから、捕獲に必要な制限を解除している地域もあります(例:茨城県・・・小型の箱罠に限り、狩猟免許が無い人でも捕獲可能。捕獲の許可も不要で、年間を通して捕獲可)。 アライグマは春から夏ごろに2 ~6 頭の子を出産するので、夏は被害が最も増えるシーズンです。今回は、アライグマの捕獲に適した箱罠や捕獲のコツ、箱罠以外の捕獲用品を紹介したいと思います。 アライグマの捕獲におすすめの箱罠 アライグマは頭胴長(体長)が40 ~~60センチメートル、体高20~30cmほどです。アライグマに限らず、このサイズの獣を捕獲する場合はおもに箱罠が用いられます。使用する箱罠はイノシシやシカの捕獲に用いるような大型サイズのものではなく、奥行は80センチ程度で、幅と高さが30センチ程度の小型タイプが多く使われます。当店でご用意しているアライグマ用の箱罠は以下の2タイプです。 折り畳みタイプ 折り畳まれた状態から広げて、補強用の棒を差し込めば組立完了というお手軽なタイプです。アライグマの原産である北米においても、アライグマを捕獲する際は同様の箱罠が広く用いられています。 箱罠の内部には踏み板が設置されており、踏み板と扉の金具が金属棒によって連結されている構造になっています。獣が箱罠の内部に入って踏み板を踏むと、扉が閉まって開かなくなる仕組みになっています(踏み板式)。 ※吊り餌方式の罠も見受けられますが、固形の餌でないと仕掛けることができないため、当店では踏み板式を採用しています。 サイズは以下の3タイプがあり、アライグマの捕獲であればミディアムサイズもしくはビッグサイズがお勧めです。 スモールサイズ 奥行:66cm×幅:23cm×高さ:26cm 対象例:ノネコ、ヌートリア、アナグマ、ノウサギ、ミンク、イタチ(オス)など ミディアムサイズ 奥行:79cm×幅:28cm×高さ:33cm...
箱罠の餌には何を選んだら良いんだろう?
箱罠を使って獣を捕獲する場合、罠の内部に入ってくるように餌で誘引することが必須になります。獣の種類によって好みが違うので、ターゲットに合わせて餌を選定したり、餌の撒き方を工夫する必要があります。 寄せ餌について 箱罠の外観は明らかに人工物で、しかも獣から丸見えの状態で設置する形となりますので、設置後すぐは必ず獣に警戒されます。誘引目的の撒き餌(寄せ餌)なしには、獣はまず近づこうとしません。獣からすると、突如現れた箱罠に対して恐怖心と警戒心しか無いわけです。そのため、餌を使って食欲という本能に訴えかけ、警戒心を解く作業が必要になってきます。 ここで重要なのは、箱罠を「ここは安全・安心な餌場だ」と獣に認識させることです。罠が作動しない(扉が落ちない)状態で根気よく餌を撒いておくと、警戒心が高い獣も徐々に警戒心を緩めて罠に近づくようになります(「慣らし」とも言います)。 慣らしをする場合は箱罠を中心に、やや広範囲に餌を撒きます。箱罠の位置から少し離れた位置にも餌を撒いておき、継続して食いつくようになってきたら、徐々に離れた位置の餌を減らしていき、箱罠の近くに誘導していきます。 設置した箱罠をトレイルカメラで観察するとよく分かるのですが、慣らしがほとんど必要ない個体もいれば、罠の内部になかなか入ろうとせず、入ったとしても浅い位置の餌を少しついばんですぐ逃げる個体もいます。また、箱罠のことを学習していない幼獣や好奇心の強い若い個体のほうが罠の内部に入ってきやすいです。 人間でも慎重なタイプの人もいれば、油断しやすい人などいろんな性格の人がいますが、獣も同じです。獣の種類や個体によって警戒心の強さが変わってきます。 イノシシ イノシシは他の動物とくらべて警戒心が高く、箱罠の内部になかなか入ろうとしないケースも少なくありません。仕掛けてすぐに獲れる場合もありますが、数か月かけてじっくり慣らす場合もあります。 イノシシの餌付け イノシシの場合、母親と子どもたちが一緒に行動することが多くあります。慣らしの時点で、幼獣はすぐに罠に入るようになるのですが、母親が警戒して箱罠になかなか入ろうとしないケースがよく見られます。 罠の奥に入ろうとしない状態で箱罠を作動させると、取り逃がしが起こります。一度逃げた個体や、箱罠に捕まった仲間を見て学習したイノシシは、撒き餌をしても箱罠に近づこうとしなくなります。 まずはイノシシが箱罠の扉まで来るようにするまでが第一段階、その後 罠の奥に入るようになるまでが第二段階です。第一段階をクリアしても、ターゲットが奥に入ろうとしない場合は根気よく餌付けを続けるとともに、獣が罠の奥まで入ってきやすいよう工夫をします(たとえば罠の奥に行くほど餌の量を多く撒き、手前に撒く餌は少なめにする等)。 重要なのは、獣の痕跡をきる限り観察し心理状態を読み取ること、奥に入るようになるまで焦らないことです。※箱罠周辺をトレイルカメラで撮影して、獣の動きをよく観察のするのがおすすめです。なぜ箱罠にかかってくれないのか、トレイルカメラの映像にはヒントがたくさんつまっています。 くくり罠の場合はそもそも獣から隠した状態で仕掛けるので、人間の痕跡ができるだけ残らないようにするのが鉄則ですが、箱罠の場合はそもそも人間の痕跡が丸分かりの状態です。継続的に毎日餌を撒くことによって、「人間=怖い」という認識から「人間=餌をくれる」という認識に変えていきます。 獣の警戒心が薄れ、安心して箱罠の奥の位置の餌をたべるようになってから、箱罠が作動する(扉が落ちる)ようセットして一網打尽を狙います。 餌の種類 イノシシをターゲットに誘引する場合、地域や人によって若干変わってきますが、最もベーシックなのは米ぬかです。誘引効果が高いという点、誘引比較的手に入れやすいという点と、粉状なのでスコップ等を使って作業しやすいという作業性の利点もあります。 ※米ぬかは雨などに流されやすく、濡れるとカビが発生しやすいので、罠の内部に撒いた米ぬかが濡れないよう、天井を雨避けシートなどで被っておくのも良いでしょう。古い米ぬかは何日かに一度掃除して、新しいものと入れ替えたりします。 他にも、食いつきを観察しながら古米やくず米、イモ類や野菜を混ぜたりしますが、食いつきが悪い場合は奥の手として発酵飼料や酒粕を混ぜたりもします。混ぜる際は、プラスチックフネ(トロ舟)を使うと便利です。 シカ シカもイノシシと同様、米ぬかや古米を使いますが、シカのみをターゲットにする場合は、アルファルファ(乾燥牧草)やヘイキューブ(アルファルファなどの乾草を固めたもの)を使います。 シカは塩分を好むので、鉱塩や醤油を使って誘因する場合もあります。また、最近ではシカ専用の誘引剤としてシカが好む鉄分を含有したものも販売されています。 タヌキ・アナグマ・アライグマなど これらの獣はイノシシやシカと比べると体が小さいので、箱罠のサイズもやや小さめのものを使います。雑食性のため、ハムやソーセージ、ピーナッツ、スナック菓子、揚げパン、ドッグフードなど、安価で油分が多いものを使うことが多いです。鶏肉で捕獲できることも多いですが、ターゲット以外の動物(例えばイタチやテン)が誤ってかかる場合もあります。 ハクビシン 果樹を好むので、熟した果実(柿やバナナ等)を使います。使用する箱罠はタヌキやアライグマ等と同じようなサイズです。※当社では、お手軽な折り畳み版と、頑強仕様版の2タイプの箱罠を用意しています。折り畳み版はとにかくお手軽に箱罠を設置したい方、頑強版は何度も使えるしっかりした仕様のものをお探しの方にお勧めしております。 動物ごとに餌付け方法や箱罠を使い分けよう 動物ごとに身体の特徴や好物は異なってきますので、ターゲットとなる動物ごとに餌や使用する箱罠を変える必要があります。大物ターゲットの場合は大きいサイズの箱罠を使いますが、ターゲットのサイズよりも箱罠が大きすぎると、網目の隙間を抜けて逃げられてしまいます。...
箱罠の餌には何を選んだら良いんだろう?
箱罠を使って獣を捕獲する場合、罠の内部に入ってくるように餌で誘引することが必須になります。獣の種類によって好みが違うので、ターゲットに合わせて餌を選定したり、餌の撒き方を工夫する必要があります。 寄せ餌について 箱罠の外観は明らかに人工物で、しかも獣から丸見えの状態で設置する形となりますので、設置後すぐは必ず獣に警戒されます。誘引目的の撒き餌(寄せ餌)なしには、獣はまず近づこうとしません。獣からすると、突如現れた箱罠に対して恐怖心と警戒心しか無いわけです。そのため、餌を使って食欲という本能に訴えかけ、警戒心を解く作業が必要になってきます。 ここで重要なのは、箱罠を「ここは安全・安心な餌場だ」と獣に認識させることです。罠が作動しない(扉が落ちない)状態で根気よく餌を撒いておくと、警戒心が高い獣も徐々に警戒心を緩めて罠に近づくようになります(「慣らし」とも言います)。 慣らしをする場合は箱罠を中心に、やや広範囲に餌を撒きます。箱罠の位置から少し離れた位置にも餌を撒いておき、継続して食いつくようになってきたら、徐々に離れた位置の餌を減らしていき、箱罠の近くに誘導していきます。 設置した箱罠をトレイルカメラで観察するとよく分かるのですが、慣らしがほとんど必要ない個体もいれば、罠の内部になかなか入ろうとせず、入ったとしても浅い位置の餌を少しついばんですぐ逃げる個体もいます。また、箱罠のことを学習していない幼獣や好奇心の強い若い個体のほうが罠の内部に入ってきやすいです。 人間でも慎重なタイプの人もいれば、油断しやすい人などいろんな性格の人がいますが、獣も同じです。獣の種類や個体によって警戒心の強さが変わってきます。 イノシシ イノシシは他の動物とくらべて警戒心が高く、箱罠の内部になかなか入ろうとしないケースも少なくありません。仕掛けてすぐに獲れる場合もありますが、数か月かけてじっくり慣らす場合もあります。 イノシシの餌付け イノシシの場合、母親と子どもたちが一緒に行動することが多くあります。慣らしの時点で、幼獣はすぐに罠に入るようになるのですが、母親が警戒して箱罠になかなか入ろうとしないケースがよく見られます。 罠の奥に入ろうとしない状態で箱罠を作動させると、取り逃がしが起こります。一度逃げた個体や、箱罠に捕まった仲間を見て学習したイノシシは、撒き餌をしても箱罠に近づこうとしなくなります。 まずはイノシシが箱罠の扉まで来るようにするまでが第一段階、その後 罠の奥に入るようになるまでが第二段階です。第一段階をクリアしても、ターゲットが奥に入ろうとしない場合は根気よく餌付けを続けるとともに、獣が罠の奥まで入ってきやすいよう工夫をします(たとえば罠の奥に行くほど餌の量を多く撒き、手前に撒く餌は少なめにする等)。 重要なのは、獣の痕跡をきる限り観察し心理状態を読み取ること、奥に入るようになるまで焦らないことです。※箱罠周辺をトレイルカメラで撮影して、獣の動きをよく観察のするのがおすすめです。なぜ箱罠にかかってくれないのか、トレイルカメラの映像にはヒントがたくさんつまっています。 くくり罠の場合はそもそも獣から隠した状態で仕掛けるので、人間の痕跡ができるだけ残らないようにするのが鉄則ですが、箱罠の場合はそもそも人間の痕跡が丸分かりの状態です。継続的に毎日餌を撒くことによって、「人間=怖い」という認識から「人間=餌をくれる」という認識に変えていきます。 獣の警戒心が薄れ、安心して箱罠の奥の位置の餌をたべるようになってから、箱罠が作動する(扉が落ちる)ようセットして一網打尽を狙います。 餌の種類 イノシシをターゲットに誘引する場合、地域や人によって若干変わってきますが、最もベーシックなのは米ぬかです。誘引効果が高いという点、誘引比較的手に入れやすいという点と、粉状なのでスコップ等を使って作業しやすいという作業性の利点もあります。 ※米ぬかは雨などに流されやすく、濡れるとカビが発生しやすいので、罠の内部に撒いた米ぬかが濡れないよう、天井を雨避けシートなどで被っておくのも良いでしょう。古い米ぬかは何日かに一度掃除して、新しいものと入れ替えたりします。 他にも、食いつきを観察しながら古米やくず米、イモ類や野菜を混ぜたりしますが、食いつきが悪い場合は奥の手として発酵飼料や酒粕を混ぜたりもします。混ぜる際は、プラスチックフネ(トロ舟)を使うと便利です。 シカ シカもイノシシと同様、米ぬかや古米を使いますが、シカのみをターゲットにする場合は、アルファルファ(乾燥牧草)やヘイキューブ(アルファルファなどの乾草を固めたもの)を使います。 シカは塩分を好むので、鉱塩や醤油を使って誘因する場合もあります。また、最近ではシカ専用の誘引剤としてシカが好む鉄分を含有したものも販売されています。 タヌキ・アナグマ・アライグマなど これらの獣はイノシシやシカと比べると体が小さいので、箱罠のサイズもやや小さめのものを使います。雑食性のため、ハムやソーセージ、ピーナッツ、スナック菓子、揚げパン、ドッグフードなど、安価で油分が多いものを使うことが多いです。鶏肉で捕獲できることも多いですが、ターゲット以外の動物(例えばイタチやテン)が誤ってかかる場合もあります。 ハクビシン 果樹を好むので、熟した果実(柿やバナナ等)を使います。使用する箱罠はタヌキやアライグマ等と同じようなサイズです。※当社では、お手軽な折り畳み版と、頑強仕様版の2タイプの箱罠を用意しています。折り畳み版はとにかくお手軽に箱罠を設置したい方、頑強版は何度も使えるしっかりした仕様のものをお探しの方にお勧めしております。 動物ごとに餌付け方法や箱罠を使い分けよう 動物ごとに身体の特徴や好物は異なってきますので、ターゲットとなる動物ごとに餌や使用する箱罠を変える必要があります。大物ターゲットの場合は大きいサイズの箱罠を使いますが、ターゲットのサイズよりも箱罠が大きすぎると、網目の隙間を抜けて逃げられてしまいます。...
箱罠で捕らえた獣を逃さないようにするストッパー
目次 1イノシシ用箱罠のストッパー例 2ストッパーが無い箱罠は危険 3もし箱罠に獣がかかっていたら 獣を箱状の檻の中におびき寄せて捕獲する箱罠ですが、単に捕らえる機構のみでは捕獲に成功しても簡単に逃げられてしまいます。 特に、イノシシは鼻で50キロほどの重さを持上げられるほど力が強く、箱罠で捕獲したとしても、内部から必死に扉を持上げようとします。 そのため、箱罠に求められる機能として、落ちた扉が持ち上がらないようにするための「ストッパー(扉開放防止装置)」が必要になります。 イノシシ用箱罠のストッパー例 扉が落ちた後に内部から持ち上げられないよう、何かしら落ちた扉が固定されるような仕組みがあれば良いので、工夫次第で様々な構造が考えられます。多く用いられているのは、扉が落ちたときにつっかえ棒が入るような仕組みです。例えば、以下の図を例にとってみてみましょう。※大きさや細かい部分は適当ですが、ご容赦ください。 この模式図でいうと、扉が上がっている状態ではストッパーが機能せず、扉を上下できる状態ですが、扉が下がってストッパーが入る隙間ができると、ばねの力によってストッパーが扉レール内に入ってつっかえ棒となる仕組みになっています。 図では分かりにくいと思うので、以下に動画で紹介します(動画の3:01~)。上の図とは若干仕組みは違うものの、原理は同様です。 また、バネを使わなくても、以下の図のように扉に穴を空けておき、あらかじめストッパーが自重で落ちるようにしておけば、扉が落ちると穴の中にストッパーが入って扉がロックされます。 他にも、各社様々な工夫を凝らしており、多種多様なストッパー方式があります。その中で、当社の箱罠の場合は取っ手方式になっており、取っ手をひっくり返した状態で扉を持ち上げ、扉が落ちるとストッパー棒が網目の中に入って持上げを防止する仕組みになっています(動画の0:38~)。 ストッパーが無い箱罠は危険 ストッパーが無い箱罠を使うと、捕らえた獣が扉を持上げて逃げ出す場合があります。獣の逆襲を受ける可能性もあるので、大変危険です。以下の動画を見ると分かるのですが、扉を持ち上げて逃げようとしている姿が観察できます(動画の0:57~)。 また、市場に出回っている商品のなかには、激安であることを謳っているものの、実際は強度の弱いワイヤーメッシュを使用している箱罠もあります。一見似たような商品が多いですが、仕様の詳細を確認のうえ値段だけで選定しないよう注意が必要です。 もし箱罠に獣がかかっていたら 箱罠に獣がかかっていることが分かったら、いきなり近づくのではなく、まずは遠巻きに箱罠に破損がないか、ストッパーがきちんと機能しているか確認し、じわじわと近づいていきましょう。 大物の場合は一人で無理に対応しようとせず、銃による止め刺しが可能な人に増援を頼んだり、準備を万端にして対処するようにすることをお勧めします。 イノホイの箱罠商品一覧はこちら>> イノシシ対策 おすすめ商品 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【両扉】 落とし扉が両側に備わっている【両扉】タイプで、獣の目線から見たときに奥行が遮られないので、罠の内部に誘因しやすいという特徴があります。 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【片扉】 異形鉄筋を使用。3分筋:約9mmを使用して格子網を全箇所溶接しております。さらに要所を4分鉄筋、5分鉄筋で補強、非常に頑強な構造です。 ファーレ旭式...
箱罠で捕らえた獣を逃さないようにするストッパー
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箱罠で捕獲した後の止め刺しについて
目次 1箱罠捕獲後の止め刺し手順 1刃物を用いて直接止め刺す 2電殺器(電気止め刺し)を使用する 3銃による止め刺し 4窒息させる 箱罠を使って獲物を捕獲したあとは、獲物にとどめを刺す「止め刺し」を行います。 くくり罠で捕獲した場合、捕獲後もワイヤー長のぶんだけ獣は動けますが、箱罠の場合は獣の動きが檻の内部に制限されます。 また、くくり罠の場合は、捕らえた獲物の足が何らかの原因でワイヤーから抜けてしまう場合があります。一方で箱罠の場合は、捕獲後に獲物が逃げ出す可能性は低くなりますので、くくり罠よりも止め刺しの難易度は下がるといえるでしょう。 とはいえ、野生を相手に行うものですので箱罠でもリスクがまったくない訳ではありません。 とくに大型のイノシシなどは捕獲後は興奮状態にあり、体当たりして箱罠が動かしてしまうほどパワーがあります。 止め刺しを行う前に、遠巻きに罠の状態をよく観察し、箱罠に破損等の異常がないか確認したうえで、油断せず安全第一で作業にとりかかりましょう。 こちらの記事もどうぞ イノシシ捕獲~箱罠の設置・見回りをしよう 箱罠捕獲後の止め刺し手順 では、具体的に箱罠で捕獲した獲物の止め刺し方法を解説します。 1.刃物を用いて直接止め刺す 刃物を用いる止め刺しは、心臓や頸動脈をナイフなどで刺し放血させる方法です。 他の止め刺し方法と比べると制限が少ないので、古くからポピュラーな止め刺し方法として採用されています。ただし、急所に刃物を刺す必要があるため、物理的にも精神的にもハードルが高い方法でもあります。 難関となるのが急所部分となる胸元(心臓の付け根部分)を露出させることです。イノシシなどの四足獣は、胸元が地面側を向いており、そのままでは急所を的確に狙うことができません。そこで、獲物の胸元が見えるような状態にする必要があります。 一つの方法としては、ロープなどの保定具を使って獣の鼻や前足を垂直に吊り上げて拘束することです。 例としてイノシシを想定し、解説しましょう。 まず、保定具を輪の状態にします。このとき、保定具を引くと輪が締まるような結び方をしておきます(例:わな結びなど)。 上記の輪を箱罠天井のすき間から入れます。イノシシの鼻先で輪をプラプラさせると噛みついてきますので、その瞬間にロープを引いてイノシシの首や上アゴを括ります。 または、輪を地面に置き、輪の中に前足が入った瞬間に引き上げたりもします。 うまく輪を締めることができたら、持ち手側のロープに体重をかけて引っ張ります。 こうすることで、保定した部分が箱罠から離れられないようになります。なお、重量のある個体の場合は、近くの木の枝などに引っ掛けてから体重をかけると、持ち上がりやすくなります。 この状態になると獲物の前足が浮いて後ろ足だけで立ち上がるような体勢となるため、胸元が露出して急所を狙いやすくなります。この状態にして、リーチの長い槍状の刃物などで止め刺しするのがリスクの少ない方法です。 こちらの記事もどうぞ 万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力...
箱罠で捕獲した後の止め刺しについて
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箱罠のセンサー(電子トリガー)をお探しの方へ
イノシシやシカの捕獲に広く用いられている箱罠。物理的な仕組みで作動させるものが一般的ですが、近年はセンサーを使った捕獲の仕組みが注目をあびており、多くの地域で導入されるようになってきています。 すでに各社から様々なタイプが販売されていますが、従来の箱罠に慣れている人にとっては、とっつきにくく感じるかもしれません。しかしながら、うまく使えば捕獲率の向上や作業効率を良くすることが可能です。 ※箱罠の傍に設置しておき罠の様子を録画する、「トレイルカメラ」とは今回は区別して説明します。 箱罠+センサーを使った捕獲 箱罠は餌を使って獣を檻の内部に誘引し、獣が檻の中に入ったら仕組みが作動して扉が落ちる仕組みになっています。 こちらの記事もどうぞ 箱罠について詳しく知りたい 一般的な箱罠は、罠の内部にある仕掛け(蹴り糸や踏み板など)に獣が触れると扉が落ちるといった、物理的な仕組みになっています。 たとえば、蹴り糸を使った方式の場合、箱罠内部に張った糸に獣が触れると、扉を吊っているワイヤーや紐が外れて扉が閉まる仕組みになっています。 一方で、センサーをつかった仕掛けの場合、獣が罠の内部に入ったことを赤外線などのセンサーによって感知します。蹴り糸などを用意する必要がなく、またそれが無いことで獣の警戒心を弱めることが可能になります。さらに、仕掛けの労力を減らすことにもつながります。 センサーによって扉が自動で落ちる仕組み この仕組みには、主に赤外線センサーが用いられます。センサー筐体と扉を吊る紐が連結できるようになっており、センサー筐体を箱罠の上面や側面に取り付ける形で仕掛けるのが一般的です。 因みに赤外線とは、熱をもっている物体や生き物が発している電磁波の一種です。これを肉眼で見ることはできませんが、赤外線センサーの内部は入射した赤外線を電気信号に変えるような仕組みとなっています。この仕組みは、人感センサーなど各種センサーとして幅広く用いられています。 これを箱罠の仕掛けに応用し、周囲温度と比べて温度差のあるものがセンサー感知範囲内で動くと、センサーがこれを感知して、扉を吊る紐がセンサー筐体から外れることにより、扉が自動で落ちる仕組みになっています。 IoTを活用した応用例も 最近では、センサー+IoTを組み合わせて捕獲に役立てる試みも進んでいます。IoTとは、今までインターネットにつながっていなかったモノをインターネットにつなぐことです。 例えば、獣が罠の内部に入ったことを赤外線センサーが感知、そのタイミングでカメラ撮影を開始。カメラで撮影された映像を、インターネット経由でパソコンやスマートフォンなどによって遠隔で確認するといったことが可能になります。 さらに、遠隔で人が監視する労力を省くために、獣の種類や頭数を画像で自動判別して、狙った獲物だけを自動で捕獲できるようにするための試みも行われています。 また、赤外線センサーが感知したタイミングで、自動でメール通知を携帯電話等に配信したり、GPSと連携して捕獲場所をマッピングすることによって生息密度が高い場所を割り出したりする応用例もあります。 ただし、高度な機能を有するほどシステムの導入に費用や労力がかかる点、必要に応じてネットワーク接続のためのSIMカード等を別途用意しなければならなかったり、回線電波が届かないような中山間地においては導入が難しいといった側面もあります。 イノホイおすすめのセンサー箱罠 上記を踏まえ、これからセンサー+箱罠による箱罠を導入してみたいという方には、IoTを活用するタイプではなく、赤外線センサーで自動で扉が閉まるタイプを当店ではおすすめしています。 こちらの商品は、ベテラン猟師が監修したセンサーで、設定方法がシンプルかつ実績が多いセンサー商品になります。もちろん、当店のファーレ旭式箱罠にも対応します。 当店のイノシシ・シカ用箱罠は蹴り糸方式ですが、蹴り糸のセッティングは意外に奥が深く、警戒心の高い成獣だと捕獲が難しいことがあります。獣との駆け引きが重要になるため、 熟練者の場合は、ターゲット個体に合わせて蹴り糸の素材や張り方を調整することで対応しますが、初心者の場合はなかなか難しいかと思います。 そういった場合、上記のセンサーをおすすめしており、導入によって捕獲率が上がったという報告もいただいています(参考事例)。 一番の特徴は、あらかじめセンサーが反応する高さを設定できる点です。 例えば、当店の箱罠ビッグサイズ片扉(高さ1.0メートル)と組み合わせて使う場合、天井からの距離60cmの位置でセンサーが反応するように予め設定しておけば、高さ40cm未満の場合は反応せず、40cm以上の肩高の獣が入った時だけ、扉が閉まります。 そのため、体の大きな成獣が入ったときのみ扉を落とすよう設定することが可能、またタヌキなど他の小さい動物を捕獲してしまうことを防ぐこともできます。 被害を減らすには成獣の捕獲を...
箱罠のセンサー(電子トリガー)をお探しの方へ
イノシシやシカの捕獲に広く用いられている箱罠。物理的な仕組みで作動させるものが一般的ですが、近年はセンサーを使った捕獲の仕組みが注目をあびており、多くの地域で導入されるようになってきています。 すでに各社から様々なタイプが販売されていますが、従来の箱罠に慣れている人にとっては、とっつきにくく感じるかもしれません。しかしながら、うまく使えば捕獲率の向上や作業効率を良くすることが可能です。 ※箱罠の傍に設置しておき罠の様子を録画する、「トレイルカメラ」とは今回は区別して説明します。 箱罠+センサーを使った捕獲 箱罠は餌を使って獣を檻の内部に誘引し、獣が檻の中に入ったら仕組みが作動して扉が落ちる仕組みになっています。 こちらの記事もどうぞ 箱罠について詳しく知りたい 一般的な箱罠は、罠の内部にある仕掛け(蹴り糸や踏み板など)に獣が触れると扉が落ちるといった、物理的な仕組みになっています。 たとえば、蹴り糸を使った方式の場合、箱罠内部に張った糸に獣が触れると、扉を吊っているワイヤーや紐が外れて扉が閉まる仕組みになっています。 一方で、センサーをつかった仕掛けの場合、獣が罠の内部に入ったことを赤外線などのセンサーによって感知します。蹴り糸などを用意する必要がなく、またそれが無いことで獣の警戒心を弱めることが可能になります。さらに、仕掛けの労力を減らすことにもつながります。 センサーによって扉が自動で落ちる仕組み この仕組みには、主に赤外線センサーが用いられます。センサー筐体と扉を吊る紐が連結できるようになっており、センサー筐体を箱罠の上面や側面に取り付ける形で仕掛けるのが一般的です。 因みに赤外線とは、熱をもっている物体や生き物が発している電磁波の一種です。これを肉眼で見ることはできませんが、赤外線センサーの内部は入射した赤外線を電気信号に変えるような仕組みとなっています。この仕組みは、人感センサーなど各種センサーとして幅広く用いられています。 これを箱罠の仕掛けに応用し、周囲温度と比べて温度差のあるものがセンサー感知範囲内で動くと、センサーがこれを感知して、扉を吊る紐がセンサー筐体から外れることにより、扉が自動で落ちる仕組みになっています。 IoTを活用した応用例も 最近では、センサー+IoTを組み合わせて捕獲に役立てる試みも進んでいます。IoTとは、今までインターネットにつながっていなかったモノをインターネットにつなぐことです。 例えば、獣が罠の内部に入ったことを赤外線センサーが感知、そのタイミングでカメラ撮影を開始。カメラで撮影された映像を、インターネット経由でパソコンやスマートフォンなどによって遠隔で確認するといったことが可能になります。 さらに、遠隔で人が監視する労力を省くために、獣の種類や頭数を画像で自動判別して、狙った獲物だけを自動で捕獲できるようにするための試みも行われています。 また、赤外線センサーが感知したタイミングで、自動でメール通知を携帯電話等に配信したり、GPSと連携して捕獲場所をマッピングすることによって生息密度が高い場所を割り出したりする応用例もあります。 ただし、高度な機能を有するほどシステムの導入に費用や労力がかかる点、必要に応じてネットワーク接続のためのSIMカード等を別途用意しなければならなかったり、回線電波が届かないような中山間地においては導入が難しいといった側面もあります。 イノホイおすすめのセンサー箱罠 上記を踏まえ、これからセンサー+箱罠による箱罠を導入してみたいという方には、IoTを活用するタイプではなく、赤外線センサーで自動で扉が閉まるタイプを当店ではおすすめしています。 こちらの商品は、ベテラン猟師が監修したセンサーで、設定方法がシンプルかつ実績が多いセンサー商品になります。もちろん、当店のファーレ旭式箱罠にも対応します。 当店のイノシシ・シカ用箱罠は蹴り糸方式ですが、蹴り糸のセッティングは意外に奥が深く、警戒心の高い成獣だと捕獲が難しいことがあります。獣との駆け引きが重要になるため、 熟練者の場合は、ターゲット個体に合わせて蹴り糸の素材や張り方を調整することで対応しますが、初心者の場合はなかなか難しいかと思います。 そういった場合、上記のセンサーをおすすめしており、導入によって捕獲率が上がったという報告もいただいています(参考事例)。 一番の特徴は、あらかじめセンサーが反応する高さを設定できる点です。 例えば、当店の箱罠ビッグサイズ片扉(高さ1.0メートル)と組み合わせて使う場合、天井からの距離60cmの位置でセンサーが反応するように予め設定しておけば、高さ40cm未満の場合は反応せず、40cm以上の肩高の獣が入った時だけ、扉が閉まります。 そのため、体の大きな成獣が入ったときのみ扉を落とすよう設定することが可能、またタヌキなど他の小さい動物を捕獲してしまうことを防ぐこともできます。 被害を減らすには成獣の捕獲を...
ヌートリアの特徴と対策について
ヌートリアは南アメリカ原産の大ネズミで、特定外来生物です。特定外来生物とは、元々日本にいなかった外来生物のうち、生態系などに被害を及ぼすものとして政府が指定した動物のことです。 見た目はカピバラやビーバーにも似ており可愛いとも言われますが、水辺の植物を旺盛に食べることから、西日本を中心に稲などへの農業被害が報告されています。その被害額は、全国で年間およそ5,400万円にのぼります(※農林水産省による公表値はこちら)。 ヌートリアの特徴 ヌートリアはネズミ目に属する動物で、頭胴長は約55~63cm、体重は約6~10kgほどで、ネコよりもやや大きいくらいです。 西日本を中心に、岡山県、愛知県、三重県、岐阜県、京都府、大阪府、兵庫県、香川県などで生息が確認されています。寒さに弱いため、冬場は活動が鈍り、氷結がみられるような寒冷地では生息できません。 見た目の特徴や生態 見た目の特徴としては、まず暗褐色の毛皮をもつこと、齧歯類でありオレンジ色の大きな前歯をもつことが挙げられます。 尻尾は長く、体と違ってあまり毛が生えていません。 後ろ足の第1指から第4指までには水かきがあり、水泳や潜水が得意です。足跡が特徴的(後ろ足のほうが前足よりも大きく、後ろ足だけに水かきの痕跡、尾を引きずったような跡)なので、他の動物の痕跡と区別しやすいです。 平野部の河川や水路、池などの水辺に生息しており、土手や畔(あぜ)などに長い巣穴を掘って、雌雄のペアで生活することが多くあります。 雄・雌で見た目に大きな違いはありませんが、雄のほうがやや大きな体つきをしています。 雌は春に出産する個体が多いですが、季節を問わず繁殖し、年に2・3回、平均5匹の子を産みます。また、妊娠期間は約130日で、生後半年ほどですぐに性成熟し、繁殖が可能となります。これらのことから、繁殖力は非常に強いといえます。 食性や性格 食性としては、ハスやマコモ、ヨシ、ヒシなど水生植物の茎や根茎を好んで食べます。また農作物では水稲の苗をよく食べ、ニンジン、サツマイモなども食べます。基本的には草食性ですが、貝などの動物質の餌も食べることがあります。 基本的には夜行性で明け方と夕方に餌を求めて活発に行動しますが、日中に排水溝の中を隠れながら移動するケースも報告されています。 アライグマ等と比べると、性格は温厚ですが、追い詰められると激しく噛み付く事があります。 ヌートリアが繁殖した原因 先日公表された環境省の生息分布調査結果によると、ヌートリアの生息分布域は以前よりも大きく拡大しています。 2002 年以前のヌートリアの分布と比較すると、東海地方以西に分布するという基本的なパターンに変化はありませんが、特に近畿・中国地方での分布域拡大が目立っています。 また、淡路島、小豆島のような瀬戸内海の島嶼でも分布が確認されています。 そもそもヌートリアが日本で生息するきっかけとなったのは、毛皮増産を目的として1939年にフランスから移入され養育されたことです。 戦争の勝利を連想させる「沼狸」(しょうり)という名称がつけられ、毛皮を兵隊用の防寒着として利用するために日本全国で飼育されていました。 しかしながら、戦後その需要がなくなると放逐されるようになり、逃げ出した個体が野生化・繁殖した結果、現在は生態系を破壊する外来種として扱われるようになりました。 ヌートリアによる被害を防ぐために 現在、ヌートリアの生息密度が高い地域では餌としての農作物被害が発生しているほか、寝床を確保するため、稲を倒してしまう被害も見られます。土手が巣穴だらけにされることで田畑の畔や堤防の強度が低下するといった治水上の問題も懸念されています。実際、2019年夏の西日本豪雨では、岡山県で、ヌートリアの巣穴を原因とするため池の部分崩落が確認されています。 また、兵庫県のため池では水生植物を食害し、在来種であるベッコウトンボの生息環境を壊滅させるなどの生態系への被害も発生しています。そのため、被害金額の高い地域では特に積極的な防除が行われるようになっています。 基本となるのは環境管理 他の害獣対策でも共通していえることですが、基本となるのは被害を防ぐための環境管理です。 食害が懸念される田畑まわりや耕作放棄地、巣穴周辺などの草を刈り払い・焼き払いすることにより、ヌートリアが生息しずらい環境にすることが有効です。地域の各農家が自衛の共通意識を持ち、各々が積極的に除草を行うと良いでしょう。...
ヌートリアの特徴と対策について
ヌートリアは南アメリカ原産の大ネズミで、特定外来生物です。特定外来生物とは、元々日本にいなかった外来生物のうち、生態系などに被害を及ぼすものとして政府が指定した動物のことです。 見た目はカピバラやビーバーにも似ており可愛いとも言われますが、水辺の植物を旺盛に食べることから、西日本を中心に稲などへの農業被害が報告されています。その被害額は、全国で年間およそ5,400万円にのぼります(※農林水産省による公表値はこちら)。 ヌートリアの特徴 ヌートリアはネズミ目に属する動物で、頭胴長は約55~63cm、体重は約6~10kgほどで、ネコよりもやや大きいくらいです。 西日本を中心に、岡山県、愛知県、三重県、岐阜県、京都府、大阪府、兵庫県、香川県などで生息が確認されています。寒さに弱いため、冬場は活動が鈍り、氷結がみられるような寒冷地では生息できません。 見た目の特徴や生態 見た目の特徴としては、まず暗褐色の毛皮をもつこと、齧歯類でありオレンジ色の大きな前歯をもつことが挙げられます。 尻尾は長く、体と違ってあまり毛が生えていません。 後ろ足の第1指から第4指までには水かきがあり、水泳や潜水が得意です。足跡が特徴的(後ろ足のほうが前足よりも大きく、後ろ足だけに水かきの痕跡、尾を引きずったような跡)なので、他の動物の痕跡と区別しやすいです。 平野部の河川や水路、池などの水辺に生息しており、土手や畔(あぜ)などに長い巣穴を掘って、雌雄のペアで生活することが多くあります。 雄・雌で見た目に大きな違いはありませんが、雄のほうがやや大きな体つきをしています。 雌は春に出産する個体が多いですが、季節を問わず繁殖し、年に2・3回、平均5匹の子を産みます。また、妊娠期間は約130日で、生後半年ほどですぐに性成熟し、繁殖が可能となります。これらのことから、繁殖力は非常に強いといえます。 食性や性格 食性としては、ハスやマコモ、ヨシ、ヒシなど水生植物の茎や根茎を好んで食べます。また農作物では水稲の苗をよく食べ、ニンジン、サツマイモなども食べます。基本的には草食性ですが、貝などの動物質の餌も食べることがあります。 基本的には夜行性で明け方と夕方に餌を求めて活発に行動しますが、日中に排水溝の中を隠れながら移動するケースも報告されています。 アライグマ等と比べると、性格は温厚ですが、追い詰められると激しく噛み付く事があります。 ヌートリアが繁殖した原因 先日公表された環境省の生息分布調査結果によると、ヌートリアの生息分布域は以前よりも大きく拡大しています。 2002 年以前のヌートリアの分布と比較すると、東海地方以西に分布するという基本的なパターンに変化はありませんが、特に近畿・中国地方での分布域拡大が目立っています。 また、淡路島、小豆島のような瀬戸内海の島嶼でも分布が確認されています。 そもそもヌートリアが日本で生息するきっかけとなったのは、毛皮増産を目的として1939年にフランスから移入され養育されたことです。 戦争の勝利を連想させる「沼狸」(しょうり)という名称がつけられ、毛皮を兵隊用の防寒着として利用するために日本全国で飼育されていました。 しかしながら、戦後その需要がなくなると放逐されるようになり、逃げ出した個体が野生化・繁殖した結果、現在は生態系を破壊する外来種として扱われるようになりました。 ヌートリアによる被害を防ぐために 現在、ヌートリアの生息密度が高い地域では餌としての農作物被害が発生しているほか、寝床を確保するため、稲を倒してしまう被害も見られます。土手が巣穴だらけにされることで田畑の畔や堤防の強度が低下するといった治水上の問題も懸念されています。実際、2019年夏の西日本豪雨では、岡山県で、ヌートリアの巣穴を原因とするため池の部分崩落が確認されています。 また、兵庫県のため池では水生植物を食害し、在来種であるベッコウトンボの生息環境を壊滅させるなどの生態系への被害も発生しています。そのため、被害金額の高い地域では特に積極的な防除が行われるようになっています。 基本となるのは環境管理 他の害獣対策でも共通していえることですが、基本となるのは被害を防ぐための環境管理です。 食害が懸念される田畑まわりや耕作放棄地、巣穴周辺などの草を刈り払い・焼き払いすることにより、ヌートリアが生息しずらい環境にすることが有効です。地域の各農家が自衛の共通意識を持ち、各々が積極的に除草を行うと良いでしょう。...
タヌキの生態を理解して対策を学ぼう
古くから日本人にとって身近な動物であるタヌキ。里山付近はもちろん、住宅街にも出没し、野生のタヌキを目にしたことがある人も多いかと思います。 都市部に住んでいるとなかなか想像がつきませんが、タヌキは田畑や家庭菜園に侵入して作物を食べたり、糞を落としたりするため、厄介者でもあります。 イノシシやシカに比べると被害件数は少ないものの、毎年全国で1.5億円ほどの農作物被害を出しています(農林水産省発表ー平成30年度 全国の野生鳥獣による農作物被害状況)。 そんなタヌキの生態や被害対策について、今回は説明します。 タヌキの特徴・生態 日本には本州・四国・九州に生息しているニホンタヌキ(ホンドタヌキ)と、北海道に生息するエゾタヌキの2種類が生息しています。北海道は生息域は少ないですが、本州では特に近畿地方において生息域の割合が高いです。 体の大きさは、頭胴長で50~60センチメートル、尻尾を入れると60~80センチメートル程です。体重は3~5キロほど。 イヌ科に属するため、鼻の長い顔つきや足跡がなんとなくイヌに似ています。 単独または家族単位で行動し、縄張りは持ちません。また複数のタヌキが一定の場所に「ため糞」をするという習性があります。 昆虫やミミズ、果実・堅果、種子類や穀物のほかに、爬虫類や甲殻類、小動物、死骸や生ごみ・ドックフード等も食べます。 田畑を荒らす犯人はタヌキ?それとも・・・ タヌキは見た目や体の大きさがハクビシンやアライグマ、アナグマに似ているため、よく見間違えます。またいずれも雑食性で、色々なものを食べるという点でも似ています。 対策動物を間違えて対策をすると、効果が薄れる場合もあるので、まずはターゲットの動物がタヌキなのか、それとも他の動物なのか調べることが重要です。 見分け方としては、アライグマは尾に縞模様がありますが、タヌキの尾に縞模様はありません。他にも、特徴としてアライグマは手先が器用なので、スイカ等の皮に穴をあけて、くりぬいて中身を食べたりします。食痕を見ればアライグマが犯人だと比較的分かりやすいです。 また、ハクビシンだと鼻がピンク色で額から鼻にかけて白いラインが入っていますが、タヌキにはそれがありません。またハクビシンは尻尾がかなり長く、ジャコウネコ科なのでなんとなく動きもネコっぽいです。 アナグマはイタチ科に属し、指が五本で鋭い爪があります。一方でタヌキは4本指なので、足跡に違いが出てきます。また、タヌキが茶色の頭に黒い頬で、茶色+黒が混じった毛が多いのに対し、アナグマは目の上下が黒く、茶色+白っぽい毛が生えています。タヌキよりアナグマのほうが足が短く、ずんぐりむっくりしているのも特徴です。 ハクビシンやアライグマは高いところに登るのが得意で、高くて細い足場でも器用に移動します。そのため、好物である木の上の果実などを食べたり、雨どいから屋根裏に侵入したりします。 一方でタヌキは果実は好物であるものの木登りは苦手で、樹上の果実などを荒らすことはありませんが、落ちた果実を食べたりします。 参考記事 アライグマの生態・対策・駆除について>> ハクビシン対策について>> アナグマの特徴と対策について>> 知っておきたいタヌキ対策 まず、上記のような雑食性のため、生ごみやドッグフード、クズ野菜や落下した果実も放置しないように注意しなければなりません。タヌキに餌場として認識されないよう地域ぐるみで取り組むこと。また放置された果樹があれば、落ちた果実に獣が寄ってくるのを防ぐために、できるだけ伐採しておくと未然に被害を防ぐことができます。 物理柵による防護 タヌキは登ることが不得手で大型獣に比べると強くないので、物理的に侵入経路を塞げば、被害を大幅に減らすことができます。 タヌキを対象とした物理防護柵としては、 ①噛み切られたり押し広げられたりしないよう、金属製のフェンスであること ②地面と柵の間に隙間がないこと...
タヌキの生態を理解して対策を学ぼう
古くから日本人にとって身近な動物であるタヌキ。里山付近はもちろん、住宅街にも出没し、野生のタヌキを目にしたことがある人も多いかと思います。 都市部に住んでいるとなかなか想像がつきませんが、タヌキは田畑や家庭菜園に侵入して作物を食べたり、糞を落としたりするため、厄介者でもあります。 イノシシやシカに比べると被害件数は少ないものの、毎年全国で1.5億円ほどの農作物被害を出しています(農林水産省発表ー平成30年度 全国の野生鳥獣による農作物被害状況)。 そんなタヌキの生態や被害対策について、今回は説明します。 タヌキの特徴・生態 日本には本州・四国・九州に生息しているニホンタヌキ(ホンドタヌキ)と、北海道に生息するエゾタヌキの2種類が生息しています。北海道は生息域は少ないですが、本州では特に近畿地方において生息域の割合が高いです。 体の大きさは、頭胴長で50~60センチメートル、尻尾を入れると60~80センチメートル程です。体重は3~5キロほど。 イヌ科に属するため、鼻の長い顔つきや足跡がなんとなくイヌに似ています。 単独または家族単位で行動し、縄張りは持ちません。また複数のタヌキが一定の場所に「ため糞」をするという習性があります。 昆虫やミミズ、果実・堅果、種子類や穀物のほかに、爬虫類や甲殻類、小動物、死骸や生ごみ・ドックフード等も食べます。 田畑を荒らす犯人はタヌキ?それとも・・・ タヌキは見た目や体の大きさがハクビシンやアライグマ、アナグマに似ているため、よく見間違えます。またいずれも雑食性で、色々なものを食べるという点でも似ています。 対策動物を間違えて対策をすると、効果が薄れる場合もあるので、まずはターゲットの動物がタヌキなのか、それとも他の動物なのか調べることが重要です。 見分け方としては、アライグマは尾に縞模様がありますが、タヌキの尾に縞模様はありません。他にも、特徴としてアライグマは手先が器用なので、スイカ等の皮に穴をあけて、くりぬいて中身を食べたりします。食痕を見ればアライグマが犯人だと比較的分かりやすいです。 また、ハクビシンだと鼻がピンク色で額から鼻にかけて白いラインが入っていますが、タヌキにはそれがありません。またハクビシンは尻尾がかなり長く、ジャコウネコ科なのでなんとなく動きもネコっぽいです。 アナグマはイタチ科に属し、指が五本で鋭い爪があります。一方でタヌキは4本指なので、足跡に違いが出てきます。また、タヌキが茶色の頭に黒い頬で、茶色+黒が混じった毛が多いのに対し、アナグマは目の上下が黒く、茶色+白っぽい毛が生えています。タヌキよりアナグマのほうが足が短く、ずんぐりむっくりしているのも特徴です。 ハクビシンやアライグマは高いところに登るのが得意で、高くて細い足場でも器用に移動します。そのため、好物である木の上の果実などを食べたり、雨どいから屋根裏に侵入したりします。 一方でタヌキは果実は好物であるものの木登りは苦手で、樹上の果実などを荒らすことはありませんが、落ちた果実を食べたりします。 参考記事 アライグマの生態・対策・駆除について>> ハクビシン対策について>> アナグマの特徴と対策について>> 知っておきたいタヌキ対策 まず、上記のような雑食性のため、生ごみやドッグフード、クズ野菜や落下した果実も放置しないように注意しなければなりません。タヌキに餌場として認識されないよう地域ぐるみで取り組むこと。また放置された果樹があれば、落ちた果実に獣が寄ってくるのを防ぐために、できるだけ伐採しておくと未然に被害を防ぐことができます。 物理柵による防護 タヌキは登ることが不得手で大型獣に比べると強くないので、物理的に侵入経路を塞げば、被害を大幅に減らすことができます。 タヌキを対象とした物理防護柵としては、 ①噛み切られたり押し広げられたりしないよう、金属製のフェンスであること ②地面と柵の間に隙間がないこと...
イノシシ捕獲のための虎の巻
イノシシによる農作物の被害に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。 イノシシの被害は野生鳥獣の被害額から見ても、全体の約3割を占めており、早急な対策が求められています。 そこで今回は、イノシシ対策の中でもとくに効果を発揮する、捕獲についてご紹介します。具体的な捕獲方法や豆知識についても解説していますので、被害に頭を悩ませる方はぜひ参考にしてください。 イノシシ被害の現状は? イノシシの捕獲について解説する前に、まずは被害の現状から見ておきましょう。 農林水産省が行った「全国の野生鳥獣による農作物被害状況(平成30年度)」によると、野生鳥獣による全国の農作物の被害は平成30年度で約158億円に達しています。平成29年度から約6億円の減少となっているものの、依然として高い水準で推移している状態です。 この中でもイノシシだけにフォーカスすると約47億円で、全体の約3割を占めています。これは鳥獣別に見てもシカの約54億円に次ぐ数字で、被害の大きさが窺えます。 参考サイト:全国の野生鳥獣による農作物被害状況 イノシシ対策には捕獲が必要 イノシシは繁殖力が高いため個体数の年変動が大きく、対策が遅れると被害はすぐに深刻化します。柵を設置してイノシシを遠ざける対策や、イノシシが近寄りにくい環境を作るといった対策も効果がありますが、抜本的な対策としては、被害を引き起こすイノシシの数を捕獲によって減らす方法が効果的です。 個体数そのものを減らすことで、地域全体で広く対策を講じていくことが重要となります。 イノシシの捕獲方法 イノシシを捕獲する方法として一般的なのは、「箱罠」と「くくり罠」の2パターンになります。参考記事>>イノシシ対策~罠の種類 まずは、それぞれの罠の特徴について見ていきましょう。 箱罠による捕獲 箱罠は、檻を箱状にして、餌を使ってイノシシを箱の内部に誘引することによって捕獲する罠のことです。 餌を使うため捕獲率が高く、くくり罠ほど知識やテクニックを要しません。 一つの箱罠で一度に複数の捕獲ができることも期待できます。一方で、くくり罠に比べると高価である点や、大きくて重たいため設置や移動に労力がかかります。 イノホイの箱罠商品はこちらから>> 天井面が半分以上が解放されている罠を見かけますが、これは箱罠ではなく囲い罠に分類されます。間違えやすいことも多いため、覚えておくと安心です。 くくり罠による捕獲 くくり罠は、ワイヤーを使って獣の足や胴を捕える罠のことです。ほとんどの場合が足くくり罠で、イノシシが歩く経路に予め仕掛けておき、イノシシが罠を踏むとバネの力でワイヤーが締まり、足を捕える仕組みになっています。イノホイのくくり罠商品はこちらから>> 箱罠と比べると、安価なので数多く設置することが可能ですが、効果を上げるには知識やテクニックを要します。また、捕獲後も獣の可動範囲が広いため、捕らえた獲物にとどめをさす時に危険を伴う場合があります。 イノシシの捕獲の前に知っておくべきルール イノシシを捕獲するには、前もって押さえておくべきルールがあります。 まず、前提としてイノシシをはじめとする野生鳥獣は「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣保護法)で保護されており、法令やルールから外れて捕獲することはできません。違法な捕獲は罰せられますので注意しましょう。 1.わな猟免許の取得のルール まず、罠を使用して野生鳥獣を捕獲するためには、原則として狩猟免許が必要になります。 狩猟免許の種類には、網猟免許・わな猟免許・第一種銃猟免許・第二種銃猟免許があり、箱罠やくくり罠を使うには、わな猟免許が必要です。また免許を取得したのち、実際に狩猟を行う前に、わな猟を行う都道府県で狩猟者登録をする必要があります。 参考記事>>害獣捕獲のための第一歩...
イノシシ捕獲のための虎の巻
イノシシによる農作物の被害に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。 イノシシの被害は野生鳥獣の被害額から見ても、全体の約3割を占めており、早急な対策が求められています。 そこで今回は、イノシシ対策の中でもとくに効果を発揮する、捕獲についてご紹介します。具体的な捕獲方法や豆知識についても解説していますので、被害に頭を悩ませる方はぜひ参考にしてください。 イノシシ被害の現状は? イノシシの捕獲について解説する前に、まずは被害の現状から見ておきましょう。 農林水産省が行った「全国の野生鳥獣による農作物被害状況(平成30年度)」によると、野生鳥獣による全国の農作物の被害は平成30年度で約158億円に達しています。平成29年度から約6億円の減少となっているものの、依然として高い水準で推移している状態です。 この中でもイノシシだけにフォーカスすると約47億円で、全体の約3割を占めています。これは鳥獣別に見てもシカの約54億円に次ぐ数字で、被害の大きさが窺えます。 参考サイト:全国の野生鳥獣による農作物被害状況 イノシシ対策には捕獲が必要 イノシシは繁殖力が高いため個体数の年変動が大きく、対策が遅れると被害はすぐに深刻化します。柵を設置してイノシシを遠ざける対策や、イノシシが近寄りにくい環境を作るといった対策も効果がありますが、抜本的な対策としては、被害を引き起こすイノシシの数を捕獲によって減らす方法が効果的です。 個体数そのものを減らすことで、地域全体で広く対策を講じていくことが重要となります。 イノシシの捕獲方法 イノシシを捕獲する方法として一般的なのは、「箱罠」と「くくり罠」の2パターンになります。参考記事>>イノシシ対策~罠の種類 まずは、それぞれの罠の特徴について見ていきましょう。 箱罠による捕獲 箱罠は、檻を箱状にして、餌を使ってイノシシを箱の内部に誘引することによって捕獲する罠のことです。 餌を使うため捕獲率が高く、くくり罠ほど知識やテクニックを要しません。 一つの箱罠で一度に複数の捕獲ができることも期待できます。一方で、くくり罠に比べると高価である点や、大きくて重たいため設置や移動に労力がかかります。 イノホイの箱罠商品はこちらから>> 天井面が半分以上が解放されている罠を見かけますが、これは箱罠ではなく囲い罠に分類されます。間違えやすいことも多いため、覚えておくと安心です。 くくり罠による捕獲 くくり罠は、ワイヤーを使って獣の足や胴を捕える罠のことです。ほとんどの場合が足くくり罠で、イノシシが歩く経路に予め仕掛けておき、イノシシが罠を踏むとバネの力でワイヤーが締まり、足を捕える仕組みになっています。イノホイのくくり罠商品はこちらから>> 箱罠と比べると、安価なので数多く設置することが可能ですが、効果を上げるには知識やテクニックを要します。また、捕獲後も獣の可動範囲が広いため、捕らえた獲物にとどめをさす時に危険を伴う場合があります。 イノシシの捕獲の前に知っておくべきルール イノシシを捕獲するには、前もって押さえておくべきルールがあります。 まず、前提としてイノシシをはじめとする野生鳥獣は「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣保護法)で保護されており、法令やルールから外れて捕獲することはできません。違法な捕獲は罰せられますので注意しましょう。 1.わな猟免許の取得のルール まず、罠を使用して野生鳥獣を捕獲するためには、原則として狩猟免許が必要になります。 狩猟免許の種類には、網猟免許・わな猟免許・第一種銃猟免許・第二種銃猟免許があり、箱罠やくくり罠を使うには、わな猟免許が必要です。また免許を取得したのち、実際に狩猟を行う前に、わな猟を行う都道府県で狩猟者登録をする必要があります。 参考記事>>害獣捕獲のための第一歩...
コスパ抜群の箱罠!!ファーレ旭式箱罠
箱罠とは、野生動物を捕獲する場合に用いられる箱状の罠のことです。餌を使って箱の中に獲物を引き寄せて、獲物が中に入ると扉が落ちて捕獲完了!という仕組みです。 商品も色々なものがありますが、いくつかの猟友会や自治体から「安くて良く獲れる箱罠がある」と評判の箱罠があります。 その名は「ファーレ旭式 箱罠」。これまで多くの金属加工を手掛けてきており、幼い頃から狩猟に慣れ親しんできたベテランのハンター兼エンジニアが設計した箱罠です。 まずは、ファーレ旭式箱罠のトリガーの発動シーンをご覧ください。※YOUTUBEの字幕設定を日本語にすれば、脚注がご覧いただけます。 仕様・値段 ウリボウから大型のイノシシ、シカにも対応します。150キロのイノシシを捕獲した実績もあります。分解式で、各パネルをワイヤークリップで固定します。 寸法:幅1.0m×奥行2.0m×高さ1.0m 重量:扉15~35kg前後、総重量約120kg 塗装:錆止め塗装一回塗り(グレー) ※ワイヤークリップの六角ナットを締めるための工具と、蹴り糸のみお客様にてご準備いただければ、すぐに仕掛けることができます。 ※購入はオンラインショップからでも承っております。サル、キョン、アライグマ、アナグマ等、体の小さい獣に対応した箱罠も取り揃えています。 ファーレ旭式箱罠の特徴 まず、ファーレ旭式と他の箱罠との違いを説明します。 安全性・耐久性 最も特徴的なのは、異形鉄筋全溶接で強度が抜群という点です。この価格帯の箱罠は、強度の劣るワイヤーメッシュを使っていたり、金属の溶接が甘かったりするので、耐久性を考えるとあまりお勧めしないのですが、ファーレ旭式は違う。力の強い獲物が暴れても耐えられる異形鉄筋に、しっかりとした全溶接が施されています。 側壁の鉄筋が細いものや、溶接がしっかりしていない場合、耐用期間が短くなります。野生の獣の力は想像以上に強いです。 安全性の観点からも、罠の耐久性は是非比較・チェックしていただきたいポイントです。非常に力の強いイノシシが何百回もぶつかることを想像してみてください。壊れかけのわなでの捕獲は、深刻な事故を引き起こす恐れがあり、非常に危険です。 ※以下は参考動画。なおファーレ旭式ではありません▼ 計算され尽くした構造 販売開始は約10年前、これまでのシリーズ累計販売台数10,000台以上です。デビュー以降、日々改良・改善を加えていき、この構造に到達しました。 経験に裏打ちされた絶妙な網目の設計や、害獣の特性を考慮した補強も加えられており、過酷な猟の環境に十分耐えうる仕様になっています。 そして、10年たった今でも、日々研究やユーザーからのフィードバックを得て改善を続けています。※そのため、予告なく細かい仕様が変わることがあります。 上の写真は、落とし扉ストッパー(誤落下防止の安全装置)、下の写真は工場にある製造装置の一部。 市町村や猟友会への納入も九州から北海道まで、数多くあります。知り合いの方が購入したファーレ旭式箱罠を見て、「これは、良くできた箱罠だ。」ということでご自身も購入されたという声を多くいただきます。 驚きのコストパフォーマンス 箱罠を選ぶとき、コスト面でどうしてもジレンマが出てしまいます。既製品は製造元のノウハウがしっかり詰まっているので、捕獲効率も高いのですが、結構お値段がします。 特に、鹿・イノシシ対策にも安心して使えるスペックとなると、既製品は10万円を超えてきます。 じゃあ、既製品は高いから自作で、という手もあるのですが、罠製作のノウハウや溶接技術がないと、結構ハードルは高い。材料費や消耗品、溶接機レンタルなどの費用もかかりますから。 自作で獲れず、試行錯誤してたら、結局既製品買ったほうが早かった、なんて事も。...
コスパ抜群の箱罠!!ファーレ旭式箱罠
箱罠とは、野生動物を捕獲する場合に用いられる箱状の罠のことです。餌を使って箱の中に獲物を引き寄せて、獲物が中に入ると扉が落ちて捕獲完了!という仕組みです。 商品も色々なものがありますが、いくつかの猟友会や自治体から「安くて良く獲れる箱罠がある」と評判の箱罠があります。 その名は「ファーレ旭式 箱罠」。これまで多くの金属加工を手掛けてきており、幼い頃から狩猟に慣れ親しんできたベテランのハンター兼エンジニアが設計した箱罠です。 まずは、ファーレ旭式箱罠のトリガーの発動シーンをご覧ください。※YOUTUBEの字幕設定を日本語にすれば、脚注がご覧いただけます。 仕様・値段 ウリボウから大型のイノシシ、シカにも対応します。150キロのイノシシを捕獲した実績もあります。分解式で、各パネルをワイヤークリップで固定します。 寸法:幅1.0m×奥行2.0m×高さ1.0m 重量:扉15~35kg前後、総重量約120kg 塗装:錆止め塗装一回塗り(グレー) ※ワイヤークリップの六角ナットを締めるための工具と、蹴り糸のみお客様にてご準備いただければ、すぐに仕掛けることができます。 ※購入はオンラインショップからでも承っております。サル、キョン、アライグマ、アナグマ等、体の小さい獣に対応した箱罠も取り揃えています。 ファーレ旭式箱罠の特徴 まず、ファーレ旭式と他の箱罠との違いを説明します。 安全性・耐久性 最も特徴的なのは、異形鉄筋全溶接で強度が抜群という点です。この価格帯の箱罠は、強度の劣るワイヤーメッシュを使っていたり、金属の溶接が甘かったりするので、耐久性を考えるとあまりお勧めしないのですが、ファーレ旭式は違う。力の強い獲物が暴れても耐えられる異形鉄筋に、しっかりとした全溶接が施されています。 側壁の鉄筋が細いものや、溶接がしっかりしていない場合、耐用期間が短くなります。野生の獣の力は想像以上に強いです。 安全性の観点からも、罠の耐久性は是非比較・チェックしていただきたいポイントです。非常に力の強いイノシシが何百回もぶつかることを想像してみてください。壊れかけのわなでの捕獲は、深刻な事故を引き起こす恐れがあり、非常に危険です。 ※以下は参考動画。なおファーレ旭式ではありません▼ 計算され尽くした構造 販売開始は約10年前、これまでのシリーズ累計販売台数10,000台以上です。デビュー以降、日々改良・改善を加えていき、この構造に到達しました。 経験に裏打ちされた絶妙な網目の設計や、害獣の特性を考慮した補強も加えられており、過酷な猟の環境に十分耐えうる仕様になっています。 そして、10年たった今でも、日々研究やユーザーからのフィードバックを得て改善を続けています。※そのため、予告なく細かい仕様が変わることがあります。 上の写真は、落とし扉ストッパー(誤落下防止の安全装置)、下の写真は工場にある製造装置の一部。 市町村や猟友会への納入も九州から北海道まで、数多くあります。知り合いの方が購入したファーレ旭式箱罠を見て、「これは、良くできた箱罠だ。」ということでご自身も購入されたという声を多くいただきます。 驚きのコストパフォーマンス 箱罠を選ぶとき、コスト面でどうしてもジレンマが出てしまいます。既製品は製造元のノウハウがしっかり詰まっているので、捕獲効率も高いのですが、結構お値段がします。 特に、鹿・イノシシ対策にも安心して使えるスペックとなると、既製品は10万円を超えてきます。 じゃあ、既製品は高いから自作で、という手もあるのですが、罠製作のノウハウや溶接技術がないと、結構ハードルは高い。材料費や消耗品、溶接機レンタルなどの費用もかかりますから。 自作で獲れず、試行錯誤してたら、結局既製品買ったほうが早かった、なんて事も。...
箱罠の仕掛けテクニック
目次 1まずは状況・行動観察から 2警戒の程度を推し量る 3警戒を弱める工夫をする 1箱罠の底面には土を被せ、網を見えなくする 2両扉の場合、最初は両方の扉を開けておく 3撒き餌の劣化防止のために、箱罠の上にコンパネ等をかぶせる 4仕掛け応用例 獲物が罠に対してスレていない(学習していない)場合は、罠を使って多く捕獲できるチャンスです。しかしイノシシは他の動物に比べて警戒心が強く、神経質。そして学習能力も高いため、明らかに自然のものではない箱罠を使用する場合にかかりやすいのは、スレていない子イノシシが中心となります。 特に、スレたイノシシが多いエリアでは、箱罠を設置したが一ヵ月近く何もない、というケースも多くあります。この記事では、そのようなシチュエーションにおいても箱罠で捕獲するにはどうしたら良いか、考察してみます。 まずは状況・行動観察から 体重が50キロを超えてくるようなイノシシは、罠や人間について色々と学習しているため、箱罠に入りにくくなる傾向があります。 罠の状態を目で見て、獲物がどのような行動をしているか推測することも大切ですが、「確かに居る痕跡があるのに、なんで箱罠に入らない?」となった場合は、人間の目が無いときにどのような彼らが行動をしているか、トレイルカメラを使って録画してみることも一つの手です。 トレイルカメラをセットすることにより、昼間でも罠付近に人間がいない時間や、夜間のイノシシの姿を確認することができますし、イノシシ以外の動物の行動を見ることができたり、ワナや掛かったイノシシの盗難を検挙できたりすることができます(カメラを仕掛けた位置はカモフラージュして、見つけにくくすると良いでしょう。大抵のトレイルカメラは迷彩柄などになっており、野外で目立たない色になっています)。 警戒の程度を推し量る トレイルカメラで撮影された映像を見ると、様々なヒントを得ることができます。 例えば、上のトレイルカメラ映像では、多くの子イノシシと、メスの成獣イノシシが数匹写っていますが、設置間もない箱罠のようで、警戒して中には入らない状況です。 カメラの映像を見ながら、イノシシの警戒の程度を推し量り、「先に子イノシシを獲ると、成獣が学習してしまって捕獲まで相当な時間がかかりそうだな・・・まずは成獣狙いで、しばらく根気比べで成獣の警戒心をじっくり解こう」など作戦を立てることができます。 警戒を弱める工夫をする 箱罠による捕獲をする場合、イノシシの警戒心を解いて罠に近づけさせることが最初のステップになりますので、彼らが慣れて中に入るようになるまでは罠の扉が落ちないようロックしておきます。 こちらの記事にもある通り、日々見回りをして様々なサインを読み取ることが重要です。そして、罠の奥までイノシシが入り、エサを頻繁に食べるようになるのを待つわけです。 細かいテクニックは人によって様々ですが、代表的なものをいくつか紹介します。 1. 箱罠の底面には土を被せ、網を見えなくする 以下の動画の箱罠は、何年も移動させることなく設置しているものですが、毎年しっかり捕獲できています。設置の際に、底面に土を被せ、網を見えなくしたのですが、月日が経ち、周りの自然と一体化しています。このような箱罠は捕獲率が高い傾向にあります。 2. 両扉の場合、最初は両方の扉を開けておく 両扉タイプの箱罠の場合、最初は両方の扉を開けておくと、警戒心が解けて箱罠の中の餌を食べるようになるまでの期間が短い傾向にあります。箱罠の中の餌を食べるようになったら、片方の扉を閉じてトリガーを作動させるようにしておくとよいでしょう。 3. 撒き餌の劣化防止のために、箱罠の上にコンパネ等をかぶせる 雨が降ったりして餌が流れてしまうと、せっかくの慣らしがまた一からやり直しになったりする場合もあります。罠の内部に餌を置く場合、箱罠の上にコンパネなどをおいておくと、カラス等が餌を見つけて荒らすことを防げたり、雨が降っても餌が濡れないようにできます。 仕掛け応用例 下記のような応用ができるため、蹴り糸方式の箱罠がおすすめです。蹴り糸は、丈夫で見えにくいヒモが良いです。皆さま様々な工夫をされています。...
箱罠の仕掛けテクニック
目次 1まずは状況・行動観察から 2警戒の程度を推し量る 3警戒を弱める工夫をする 1箱罠の底面には土を被せ、網を見えなくする 2両扉の場合、最初は両方の扉を開けておく 3撒き餌の劣化防止のために、箱罠の上にコンパネ等をかぶせる 4仕掛け応用例 獲物が罠に対してスレていない(学習していない)場合は、罠を使って多く捕獲できるチャンスです。しかしイノシシは他の動物に比べて警戒心が強く、神経質。そして学習能力も高いため、明らかに自然のものではない箱罠を使用する場合にかかりやすいのは、スレていない子イノシシが中心となります。 特に、スレたイノシシが多いエリアでは、箱罠を設置したが一ヵ月近く何もない、というケースも多くあります。この記事では、そのようなシチュエーションにおいても箱罠で捕獲するにはどうしたら良いか、考察してみます。 まずは状況・行動観察から 体重が50キロを超えてくるようなイノシシは、罠や人間について色々と学習しているため、箱罠に入りにくくなる傾向があります。 罠の状態を目で見て、獲物がどのような行動をしているか推測することも大切ですが、「確かに居る痕跡があるのに、なんで箱罠に入らない?」となった場合は、人間の目が無いときにどのような彼らが行動をしているか、トレイルカメラを使って録画してみることも一つの手です。 トレイルカメラをセットすることにより、昼間でも罠付近に人間がいない時間や、夜間のイノシシの姿を確認することができますし、イノシシ以外の動物の行動を見ることができたり、ワナや掛かったイノシシの盗難を検挙できたりすることができます(カメラを仕掛けた位置はカモフラージュして、見つけにくくすると良いでしょう。大抵のトレイルカメラは迷彩柄などになっており、野外で目立たない色になっています)。 警戒の程度を推し量る トレイルカメラで撮影された映像を見ると、様々なヒントを得ることができます。 例えば、上のトレイルカメラ映像では、多くの子イノシシと、メスの成獣イノシシが数匹写っていますが、設置間もない箱罠のようで、警戒して中には入らない状況です。 カメラの映像を見ながら、イノシシの警戒の程度を推し量り、「先に子イノシシを獲ると、成獣が学習してしまって捕獲まで相当な時間がかかりそうだな・・・まずは成獣狙いで、しばらく根気比べで成獣の警戒心をじっくり解こう」など作戦を立てることができます。 警戒を弱める工夫をする 箱罠による捕獲をする場合、イノシシの警戒心を解いて罠に近づけさせることが最初のステップになりますので、彼らが慣れて中に入るようになるまでは罠の扉が落ちないようロックしておきます。 こちらの記事にもある通り、日々見回りをして様々なサインを読み取ることが重要です。そして、罠の奥までイノシシが入り、エサを頻繁に食べるようになるのを待つわけです。 細かいテクニックは人によって様々ですが、代表的なものをいくつか紹介します。 1. 箱罠の底面には土を被せ、網を見えなくする 以下の動画の箱罠は、何年も移動させることなく設置しているものですが、毎年しっかり捕獲できています。設置の際に、底面に土を被せ、網を見えなくしたのですが、月日が経ち、周りの自然と一体化しています。このような箱罠は捕獲率が高い傾向にあります。 2. 両扉の場合、最初は両方の扉を開けておく 両扉タイプの箱罠の場合、最初は両方の扉を開けておくと、警戒心が解けて箱罠の中の餌を食べるようになるまでの期間が短い傾向にあります。箱罠の中の餌を食べるようになったら、片方の扉を閉じてトリガーを作動させるようにしておくとよいでしょう。 3. 撒き餌の劣化防止のために、箱罠の上にコンパネ等をかぶせる 雨が降ったりして餌が流れてしまうと、せっかくの慣らしがまた一からやり直しになったりする場合もあります。罠の内部に餌を置く場合、箱罠の上にコンパネなどをおいておくと、カラス等が餌を見つけて荒らすことを防げたり、雨が降っても餌が濡れないようにできます。 仕掛け応用例 下記のような応用ができるため、蹴り糸方式の箱罠がおすすめです。蹴り糸は、丈夫で見えにくいヒモが良いです。皆さま様々な工夫をされています。...
イノシシ捕獲~箱罠の設置・見回りをしよう
目次 1箱罠の設置について 1設置場所の選定 2設置の際のワンポイントアドバイス 2設置後の見回り 3もし獲物がかかっていたら 4箱罠の設置例 檻でできた箱の中に、餌を使ってイノシシを誘因し、獲物が箱の内部に入ると扉が「ガシャン!」と閉まる。箱罠は、イノシシ捕獲方法として王道です。この記事では、箱罠の設置や見回りについて説明します。 箱罠を用意したはよいが、その後どうしたらよいか分からない場合や、いまいち獲れない場合の参考としていただけますと幸いです。 箱罠の設置について 設置場所の選定 設置の前に、場所決めをします。置く場所によって、捕獲率は大きく変わります。 また箱罠は一度設置すると移動が大変なので、設置場所の選定は非常に重要です。 箱罠が不安定な場合、餌を食べに箱罠に入ろうとした獣が警戒してしまいます。 また箱罠が傾いたりしていると、罠の作動が悪くなったりします。設置場所としては、極力グラグラしないような平らな場所を選んで設置しましょう。 また、獣道を見つけた場合、その周辺の葉っぱなどに泥が付着していれば、近くにぬた場(イノシシが水浴びをする場所)があると思われます。 他にも足跡や糞、食痕などイノシシの痕跡が多く見られる場所に箱罠を置くと良いでしょう。 設置の際のワンポイントアドバイス イノシシは、足場に違和感があると、その部分は避けて通ります。しかし、箱罠は構造上床面の檻によって足場が凸凹になっており、イノシシからすると違和感だらけです。 そのため、箱罠の床面の金属が見えないよう土で覆います。罠の入り口の段差も、できる限り無くするよう土で覆い、罠の入り口から内部まで自然な形で地面が続くようにすると良いでしょう。 参考記事:箱罠の仕掛け方について 設置が終わったら、住所・氏名・許可者・許可年月日・許可番号・捕獲目的・許可有効期限(狩猟の場合は狩猟者登録年度や登録番号等)を明記した標識を箱罠本体に装着し、有害鳥獣捕獲許可や狩猟者登録があることを明示しておきます。 また、誤って一般の人が箱罠に近づかないように、周囲に罠の設置を知らせる看板を設置しておきます。 設置後の見回り 箱罠を設置したら、餌付けによってイノシシを罠まで誘因しますが、餌を撒いたらそのまま放置するのではなく、一定頻度で見回りすることが大切です。1日1回は必ず見回りをしましょう。 幼獣(ウリ坊)のうちは警戒心が弱いため、比較的すぐに箱罠の内部に入って餌を食べるようになります。一方で、成獣が箱罠に入るには時間がかかります。幼獣が悠々と罠の内部で餌を食べていても、脇にいる成獣は罠の手前の方で警戒し、なかなか奥に入ろうとしません。 そのため、成獣を捕えるには十分に餌付けをして、箱罠に対する警戒心を解く必要があります。 最初は箱罠の外側にも餌を撒き、餌の食いつきを観察しましょう。見回りの際に食べられた痕跡を見て、獣の動きを予測し、徐々に罠の中に誘導するよう餌の撒き方を変えていきます。 イノシシが箱罠内の奥まで入ってこないうちは、扉が落ちない状態にしておく必要があります。十分に警戒が解ける前に扉を落とした結果として成獣を取り逃がしてしまうと、その個体は箱罠に対する警戒心が非常に強くなり、捕獲が難しくなるためです。 トレイルカメラを使えば、無人の状態での箱罠周辺の様子が観察でき、獣の動きを把握することができますのでおススメです。>>トレイルカメラについて。...
イノシシ捕獲~箱罠の設置・見回りをしよう
目次 1箱罠の設置について 1設置場所の選定 2設置の際のワンポイントアドバイス 2設置後の見回り 3もし獲物がかかっていたら 4箱罠の設置例 檻でできた箱の中に、餌を使ってイノシシを誘因し、獲物が箱の内部に入ると扉が「ガシャン!」と閉まる。箱罠は、イノシシ捕獲方法として王道です。この記事では、箱罠の設置や見回りについて説明します。 箱罠を用意したはよいが、その後どうしたらよいか分からない場合や、いまいち獲れない場合の参考としていただけますと幸いです。 箱罠の設置について 設置場所の選定 設置の前に、場所決めをします。置く場所によって、捕獲率は大きく変わります。 また箱罠は一度設置すると移動が大変なので、設置場所の選定は非常に重要です。 箱罠が不安定な場合、餌を食べに箱罠に入ろうとした獣が警戒してしまいます。 また箱罠が傾いたりしていると、罠の作動が悪くなったりします。設置場所としては、極力グラグラしないような平らな場所を選んで設置しましょう。 また、獣道を見つけた場合、その周辺の葉っぱなどに泥が付着していれば、近くにぬた場(イノシシが水浴びをする場所)があると思われます。 他にも足跡や糞、食痕などイノシシの痕跡が多く見られる場所に箱罠を置くと良いでしょう。 設置の際のワンポイントアドバイス イノシシは、足場に違和感があると、その部分は避けて通ります。しかし、箱罠は構造上床面の檻によって足場が凸凹になっており、イノシシからすると違和感だらけです。 そのため、箱罠の床面の金属が見えないよう土で覆います。罠の入り口の段差も、できる限り無くするよう土で覆い、罠の入り口から内部まで自然な形で地面が続くようにすると良いでしょう。 参考記事:箱罠の仕掛け方について 設置が終わったら、住所・氏名・許可者・許可年月日・許可番号・捕獲目的・許可有効期限(狩猟の場合は狩猟者登録年度や登録番号等)を明記した標識を箱罠本体に装着し、有害鳥獣捕獲許可や狩猟者登録があることを明示しておきます。 また、誤って一般の人が箱罠に近づかないように、周囲に罠の設置を知らせる看板を設置しておきます。 設置後の見回り 箱罠を設置したら、餌付けによってイノシシを罠まで誘因しますが、餌を撒いたらそのまま放置するのではなく、一定頻度で見回りすることが大切です。1日1回は必ず見回りをしましょう。 幼獣(ウリ坊)のうちは警戒心が弱いため、比較的すぐに箱罠の内部に入って餌を食べるようになります。一方で、成獣が箱罠に入るには時間がかかります。幼獣が悠々と罠の内部で餌を食べていても、脇にいる成獣は罠の手前の方で警戒し、なかなか奥に入ろうとしません。 そのため、成獣を捕えるには十分に餌付けをして、箱罠に対する警戒心を解く必要があります。 最初は箱罠の外側にも餌を撒き、餌の食いつきを観察しましょう。見回りの際に食べられた痕跡を見て、獣の動きを予測し、徐々に罠の中に誘導するよう餌の撒き方を変えていきます。 イノシシが箱罠内の奥まで入ってこないうちは、扉が落ちない状態にしておく必要があります。十分に警戒が解ける前に扉を落とした結果として成獣を取り逃がしてしまうと、その個体は箱罠に対する警戒心が非常に強くなり、捕獲が難しくなるためです。 トレイルカメラを使えば、無人の状態での箱罠周辺の様子が観察でき、獣の動きを把握することができますのでおススメです。>>トレイルカメラについて。...
イノシシ等の捕獲檻(箱罠)の選びかた
目次 1ターゲットの大きさから箱罠を選ぶ 2トリガー方式から箱罠を選ぶ 3檻の素材や形状から箱罠を選ぶ イノシシ等を捕獲するための機材として、メインで選ばれるのはやはり捕獲檻(箱罠)です。箱罠とは、野生動物を捕獲する場合に用いられる箱状の檻のことで、餌を使って箱の中に獲物を引き寄せて、獲物が中に入ると扉が落ちて捕獲完了!という仕組みです。 くくり罠などの他の罠の場合、獣の動きを予測して設置方法を工夫しなければ、なかなか獲物を捕えることができません。一方、箱罠の場合は餌の力で誘因するので、獣の動きを多少読み違えても捕獲が可能であり、初心者にも向いています。 箱罠には、大きさや素材、トリガー方式が異なる様々なタイプがあり、どれを選んだらよいか判断がつかない場合もあるかと思います。そこで今回は、箱罠の選び方について解説します。 ターゲットの大きさから箱罠を選ぶ 箱罠の大きさは、どの獣がターゲットになるかによって、大まかに決めることができます。小型獣に対して大きすぎる罠を使ってもロスが多いですし、大型獣に対してはそもそも小さすぎる箱罠は使えません。 また、大きいほうが複数頭同時に捕獲できる可能性も高くなりますが、値段も高くなります。 イノシシ・シカなどの大型獣の捕獲に使われる箱罠の標準的なサイズは、高さと幅がそれぞれ1メートル、奥行きが2メートル程度です。 網目の大きさは、狭いほうのピッチが10cm未満のものがほとんどで、ウリボウなどの小型獣もあわせて捕獲することが想定されています。また、この大きさであれば、大型のイノシシの捕獲も可能です。※大型のイノシシは非常に力が強いため、なるべく頑強な構造の箱罠を選ぶことをお勧めします。 イノホイおすすめの大型箱罠はこちらをクリック>> これより一回り小さいサイズもイノシシ・シカ用として多く出回っています。上記サイズと比べると重量がやや軽くなるので、取り回しやすいというメリットがあります。近年関東方面で問題となっているキョンの捕獲にも使えます。 年配の方であまり重い箱罠の設置はしんどいという方や、女性のハンターにもお勧めできます。イノホイおすすめの中型箱罠はこちらをクリック>> サルをターゲットにする場合は、罠の外から網目に手をいれて餌を取ったりすることがあるので、その点も考慮した網目のものを選ぶと良いでしょう。 サルに対応する箱罠であれば、タヌキやハクビシン、アナグマ、ウリボウなどにも対応できます。イノシシ・シカ用ほど大きくなくても、幅と高さがそれぞれ0.8メートルほどの大きさがあれば、複数頭の捕獲が期待できます。 イノホイのサル用箱罠はこちらをクリック>> ハクビシンやアナグマなど、小型獣の個体をターゲットにするのであれば、より小さいサイズ(幅と高さがそれぞれ0.5メートル以下ほど)のものでよいでしょう。 このサイズの箱罠は値段も安く、ホームセンターなどで販売されていることもあります。外来種であるアライグマやヌートリアを捕獲する場合も、このあたりのサイズが使われます。 イノホイおすすめの小型箱罠はこちらをクリック>> さらに小さいイタチやテン、リスなどをターゲットにするのであれば、すり抜けを防止するために、網目が3センチ程度の細かいものを選ぶとよいでしょう。 トリガー方式から箱罠を選ぶ 箱罠を作動させる仕掛け(トリガー)にも、いくつか種類があります。例えば、「蹴り糸方式」はイノシシやシカなどの大型獣の捕獲に採用されることが多いです。箱罠の中に糸を張っておき、ここに力が加わるとトリガーが作動し、扉が落ちます。 罠内に置かれた板の上に足を置くと扉が落ちるのが「踏み板方式」、餌を箱罠内部にぶら下げておき獣がそれを取ろうとして動かすとトリガーが作動して扉が落ちる「餌吊り方式」などもあります。 アライグマやタヌキ、ヌートリア、ハクビシンなどの小型獣の場合は「踏み板方式」や「餌吊り方式」が採用されることが多いです。「蹴り糸方式」であれば、張った糸の上に板を置くなどして「踏み板方式」のように作用させることも可能です。 ※トリガー方式については、こちらの記事も参照ください。 檻の素材や形状から箱罠を選ぶ イノシシなど力が強い大型の獣を捕獲する際は、檻に鉄筋などの頑強な素材を使った箱罠を選ぶとよいでしょう。 構造が弱いせいで箱罠が破損し、獣が外に飛び出すと、重大な事故につながる恐れがあります。...
イノシシ等の捕獲檻(箱罠)の選びかた
目次 1ターゲットの大きさから箱罠を選ぶ 2トリガー方式から箱罠を選ぶ 3檻の素材や形状から箱罠を選ぶ イノシシ等を捕獲するための機材として、メインで選ばれるのはやはり捕獲檻(箱罠)です。箱罠とは、野生動物を捕獲する場合に用いられる箱状の檻のことで、餌を使って箱の中に獲物を引き寄せて、獲物が中に入ると扉が落ちて捕獲完了!という仕組みです。 くくり罠などの他の罠の場合、獣の動きを予測して設置方法を工夫しなければ、なかなか獲物を捕えることができません。一方、箱罠の場合は餌の力で誘因するので、獣の動きを多少読み違えても捕獲が可能であり、初心者にも向いています。 箱罠には、大きさや素材、トリガー方式が異なる様々なタイプがあり、どれを選んだらよいか判断がつかない場合もあるかと思います。そこで今回は、箱罠の選び方について解説します。 ターゲットの大きさから箱罠を選ぶ 箱罠の大きさは、どの獣がターゲットになるかによって、大まかに決めることができます。小型獣に対して大きすぎる罠を使ってもロスが多いですし、大型獣に対してはそもそも小さすぎる箱罠は使えません。 また、大きいほうが複数頭同時に捕獲できる可能性も高くなりますが、値段も高くなります。 イノシシ・シカなどの大型獣の捕獲に使われる箱罠の標準的なサイズは、高さと幅がそれぞれ1メートル、奥行きが2メートル程度です。 網目の大きさは、狭いほうのピッチが10cm未満のものがほとんどで、ウリボウなどの小型獣もあわせて捕獲することが想定されています。また、この大きさであれば、大型のイノシシの捕獲も可能です。※大型のイノシシは非常に力が強いため、なるべく頑強な構造の箱罠を選ぶことをお勧めします。 イノホイおすすめの大型箱罠はこちらをクリック>> これより一回り小さいサイズもイノシシ・シカ用として多く出回っています。上記サイズと比べると重量がやや軽くなるので、取り回しやすいというメリットがあります。近年関東方面で問題となっているキョンの捕獲にも使えます。 年配の方であまり重い箱罠の設置はしんどいという方や、女性のハンターにもお勧めできます。イノホイおすすめの中型箱罠はこちらをクリック>> サルをターゲットにする場合は、罠の外から網目に手をいれて餌を取ったりすることがあるので、その点も考慮した網目のものを選ぶと良いでしょう。 サルに対応する箱罠であれば、タヌキやハクビシン、アナグマ、ウリボウなどにも対応できます。イノシシ・シカ用ほど大きくなくても、幅と高さがそれぞれ0.8メートルほどの大きさがあれば、複数頭の捕獲が期待できます。 イノホイのサル用箱罠はこちらをクリック>> ハクビシンやアナグマなど、小型獣の個体をターゲットにするのであれば、より小さいサイズ(幅と高さがそれぞれ0.5メートル以下ほど)のものでよいでしょう。 このサイズの箱罠は値段も安く、ホームセンターなどで販売されていることもあります。外来種であるアライグマやヌートリアを捕獲する場合も、このあたりのサイズが使われます。 イノホイおすすめの小型箱罠はこちらをクリック>> さらに小さいイタチやテン、リスなどをターゲットにするのであれば、すり抜けを防止するために、網目が3センチ程度の細かいものを選ぶとよいでしょう。 トリガー方式から箱罠を選ぶ 箱罠を作動させる仕掛け(トリガー)にも、いくつか種類があります。例えば、「蹴り糸方式」はイノシシやシカなどの大型獣の捕獲に採用されることが多いです。箱罠の中に糸を張っておき、ここに力が加わるとトリガーが作動し、扉が落ちます。 罠内に置かれた板の上に足を置くと扉が落ちるのが「踏み板方式」、餌を箱罠内部にぶら下げておき獣がそれを取ろうとして動かすとトリガーが作動して扉が落ちる「餌吊り方式」などもあります。 アライグマやタヌキ、ヌートリア、ハクビシンなどの小型獣の場合は「踏み板方式」や「餌吊り方式」が採用されることが多いです。「蹴り糸方式」であれば、張った糸の上に板を置くなどして「踏み板方式」のように作用させることも可能です。 ※トリガー方式については、こちらの記事も参照ください。 檻の素材や形状から箱罠を選ぶ イノシシなど力が強い大型の獣を捕獲する際は、檻に鉄筋などの頑強な素材を使った箱罠を選ぶとよいでしょう。 構造が弱いせいで箱罠が破損し、獣が外に飛び出すと、重大な事故につながる恐れがあります。...
箱罠について詳しく知りたい
目次 1箱罠とは 2箱罠の構造・仕組み 1箱罠のトリガーについて 2箱罠の檻について 3箱罠の設置や仕掛け方 1罠の設置の前に 2設置場所 3設置方法 4餌付け 5設置期間 6捕獲後の処理 鳥獣被害に悩まされる中で、罠による捕獲・駆除を行わなければならないことがあります。特に害獣の個体数が多い地域では、罠によって捕獲圧を高めることは必須です。 罠の種類には、主に「箱罠」「くくり罠」「囲い罠」の3種類がありますが、この記事では「箱罠」について詳しく説明します。 箱罠とは 箱罠とは、檻などで作られた箱の中に獲物が入ってトリガーが作動すると、出入口が閉まって獲物を閉じ込める罠のことです。なお、天井面の半分以上が開口しているものは箱罠ではなく囲い罠として扱われます。 箱罠のメリットは初心者にも比較的扱いやすいという点です。くくり罠の場合、罠の設置やかかった獲物の処理に技術・経験が必要ですが、それに比べると、箱罠は組み立てしまえば設置完了です。 また捕獲後の処理も、獲物の動きが限定されるため、くくり罠や大きめの囲い罠と比べると難易度は下がります。そのため初心者には、より安全な箱わなの使用が向いているといえます。 初心者でなくても、人間の活動が多い場所で罠を設置する場合は事故を避けるため、くくり罠よりも安全な箱わなが用いられることが多くあります。 箱罠の構造・仕組み 一口に箱罠といっても様々な種類がありますが、いずれもエサを使って獲物を箱の中に誘因します。箱内に獲物が入ることでトリガーが作動し、出入口の落とし戸が閉まります。 箱罠のトリガーについて トリガーとは、落とし戸が落ちる動作を開始するためのきっかけとなる機構のことです。多種多様なタイプがありますが、大まかには以下に分類されます。 蹴り糸方式 中にトリガーライン(仕掛け線)となるワイヤーを張り、獲物がそれに触れたらゲートが落ちる方式です。箱罠のトリガー方式の中では最も一般的なものです。獲物の体高に合わせて位置や高さを調節します。 踏み板方式 床面に設置した踏み板に、獲物の体重が乗った瞬間に、トリガーが外れて扉が閉まる仕組みです。踏み板方式は、アナグマ、アライグマ、ハクビシンなど小型獣をターゲットとした箱罠に使用されることが多いです。獲物の体重に合わせてトリガーを調節します。 吊り餌方式 金属棒やワイヤーなどのトリガーラインが箱罠の上面からぶら下がっている形状で、先端に餌をつけます。獣が餌を食べようと、餌やトリガーラインを咥えたり、前足でつかんだりすると扉が閉まる仕組みです。 回し棒(回転軸)方式...
箱罠について詳しく知りたい
目次 1箱罠とは 2箱罠の構造・仕組み 1箱罠のトリガーについて 2箱罠の檻について 3箱罠の設置や仕掛け方 1罠の設置の前に 2設置場所 3設置方法 4餌付け 5設置期間 6捕獲後の処理 鳥獣被害に悩まされる中で、罠による捕獲・駆除を行わなければならないことがあります。特に害獣の個体数が多い地域では、罠によって捕獲圧を高めることは必須です。 罠の種類には、主に「箱罠」「くくり罠」「囲い罠」の3種類がありますが、この記事では「箱罠」について詳しく説明します。 箱罠とは 箱罠とは、檻などで作られた箱の中に獲物が入ってトリガーが作動すると、出入口が閉まって獲物を閉じ込める罠のことです。なお、天井面の半分以上が開口しているものは箱罠ではなく囲い罠として扱われます。 箱罠のメリットは初心者にも比較的扱いやすいという点です。くくり罠の場合、罠の設置やかかった獲物の処理に技術・経験が必要ですが、それに比べると、箱罠は組み立てしまえば設置完了です。 また捕獲後の処理も、獲物の動きが限定されるため、くくり罠や大きめの囲い罠と比べると難易度は下がります。そのため初心者には、より安全な箱わなの使用が向いているといえます。 初心者でなくても、人間の活動が多い場所で罠を設置する場合は事故を避けるため、くくり罠よりも安全な箱わなが用いられることが多くあります。 箱罠の構造・仕組み 一口に箱罠といっても様々な種類がありますが、いずれもエサを使って獲物を箱の中に誘因します。箱内に獲物が入ることでトリガーが作動し、出入口の落とし戸が閉まります。 箱罠のトリガーについて トリガーとは、落とし戸が落ちる動作を開始するためのきっかけとなる機構のことです。多種多様なタイプがありますが、大まかには以下に分類されます。 蹴り糸方式 中にトリガーライン(仕掛け線)となるワイヤーを張り、獲物がそれに触れたらゲートが落ちる方式です。箱罠のトリガー方式の中では最も一般的なものです。獲物の体高に合わせて位置や高さを調節します。 踏み板方式 床面に設置した踏み板に、獲物の体重が乗った瞬間に、トリガーが外れて扉が閉まる仕組みです。踏み板方式は、アナグマ、アライグマ、ハクビシンなど小型獣をターゲットとした箱罠に使用されることが多いです。獲物の体重に合わせてトリガーを調節します。 吊り餌方式 金属棒やワイヤーなどのトリガーラインが箱罠の上面からぶら下がっている形状で、先端に餌をつけます。獣が餌を食べようと、餌やトリガーラインを咥えたり、前足でつかんだりすると扉が閉まる仕組みです。 回し棒(回転軸)方式...