檻でできた箱の中に、餌を使ってイノシシを誘因し、獲物が箱の内部に入ると扉が「ガシャン!」と閉まる。箱罠は、イノシシ捕獲方法として王道です。この記事では、箱罠の設置や見回りについて説明します。
箱罠を用意したはよいが、その後どうしたらよいか分からない場合や、いまいち獲れない場合の参考としていただけますと幸いです。
箱罠の設置について
設置場所の選定
設置の前に、場所決めをします。置く場所によって、捕獲率は大きく変わります。
また箱罠は一度設置すると移動が大変なので、設置場所の選定は非常に重要です。 箱罠が不安定な場合、餌を食べに箱罠に入ろうとした獣が警戒してしまいます。
また箱罠が傾いたりしていると、罠の作動が悪くなったりします。設置場所としては、極力グラグラしないような平らな場所を選んで設置しましょう。 また、獣道を見つけた場合、その周辺の葉っぱなどに泥が付着していれば、近くにぬた場(イノシシが水浴びをする場所)があると思われます。
他にも足跡や糞、食痕などイノシシの痕跡が多く見られる場所に箱罠を置くと良いでしょう。
設置の際のワンポイントアドバイス
イノシシは、足場に違和感があると、その部分は避けて通ります。しかし、箱罠は構造上床面の檻によって足場が凸凹になっており、イノシシからすると違和感だらけです。
そのため、箱罠の床面の金属が見えないよう土で覆います。罠の入り口の段差も、できる限り無くするよう土で覆い、罠の入り口から内部まで自然な形で地面が続くようにすると良いでしょう。
参考記事:箱罠の仕掛け方について
設置が終わったら、住所・氏名・許可者・許可年月日・許可番号・捕獲目的・許可有効期限(狩猟の場合は狩猟者登録年度や登録番号等)を明記した標識を箱罠本体に装着し、有害鳥獣捕獲許可や狩猟者登録があることを明示しておきます。
また、誤って一般の人が箱罠に近づかないように、周囲に罠の設置を知らせる看板を設置しておきます。
設置後の見回り
箱罠を設置したら、餌付けによってイノシシを罠まで誘因しますが、餌を撒いたらそのまま放置するのではなく、一定頻度で見回りすることが大切です。1日1回は必ず見回りをしましょう。
幼獣(ウリ坊)のうちは警戒心が弱いため、比較的すぐに箱罠の内部に入って餌を食べるようになります。一方で、成獣が箱罠に入るには時間がかかります。幼獣が悠々と罠の内部で餌を食べていても、脇にいる成獣は罠の手前の方で警戒し、なかなか奥に入ろうとしません。
そのため、成獣を捕えるには十分に餌付けをして、箱罠に対する警戒心を解く必要があります。
最初は箱罠の外側にも餌を撒き、餌の食いつきを観察しましょう。見回りの際に食べられた痕跡を見て、獣の動きを予測し、徐々に罠の中に誘導するよう餌の撒き方を変えていきます。
イノシシが箱罠内の奥まで入ってこないうちは、扉が落ちない状態にしておく必要があります。十分に警戒が解ける前に扉を落とした結果として成獣を取り逃がしてしまうと、その個体は箱罠に対する警戒心が非常に強くなり、捕獲が難しくなるためです。
トレイルカメラを使えば、無人の状態での箱罠周辺の様子が観察でき、獣の動きを把握することができますのでおススメです。>>トレイルカメラについて。
また、見回りの際には、交換用の餌、スコップ、交換・メンテナンス用の蹴り糸やパーツ等を持っていきます。
もし獲物がかかっていたら
見回りの際、遠巻きから確認して獲物がかかっていることが分かったら、いきなり近づいて確認せずに、まずは遠くから状況確認しましょう。
獣の興奮度合いはどのくらいか、衰弱していないか、箱罠に破損はないか、獣が逃げ出す恐れはないかなど、目視にて確認します。罠内の獣の動きがいまいち分かりにくい場合は、わざと音をたてたりして反応を見てみるのも良いでしょう。
最もトラブルが起きやすいのが止め刺しのタイミングです。慣れないうちはできるだけ複数人で行動し、無理のないよう対処しましょう。そのまま止め刺しを行う場合は、捕獲獣の動きを制限するため保定具を使って脚や鼻を保定すると、止め刺しが楽になります。
他にも、箱罠の網の隙間から角材等を差し込むことによって、獣が罠の内部で動ける領域を制限することができます。
止め刺しに銃を使用するのであれば、そのエリアにおいて銃による止め刺しが許可されているかどうか予め確認しておきましょう。また、もし錯誤捕獲(捕獲対象ではない動物の捕獲)していた場合は、速やかに放獣してください。
箱罠の設置例
最後に、イノホイが取り扱う箱罠の設置例を紹介します。下の動画の箱罠は、設置して何年も経つものですが、場所を変えなくても毎年何匹か獲れます。近くには獣道が多くあり、ヌタうちをしたと思われる痕跡もありました。
餌の種類は今のところ、米とさつまいも、時々とうもろこしです。他の餌を使う場合もあります。
毎日スタッフが見回りをしていますが、この場所はなんだかんだでよく獲れます。この写真を撮った時の見回りでは餌の食いつきがイマイチ見られませんでしたが、もうじきしてイノシシが腹を空かせだすと、罠にかかるようになるでしょう。
蹴り糸は黒い紐を使っており、獣から見えにくいようにしています。罠の中に枝を置いて、枝に触れただけでも罠が作動するよう蹴り糸の仕掛け方を工夫したりもします。 同じ商品をご覧になりたい場合は、こちらのページをご覧ください。
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