イノシシによる農作物の被害に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
イノシシの被害は野生鳥獣の被害額から見ても、全体の約3割を占めており、早急な対策が求められています。
そこで今回は、イノシシ対策の中でもとくに効果を発揮する、捕獲についてご紹介します。具体的な捕獲方法や豆知識についても解説していますので、被害に頭を悩ませる方はぜひ参考にしてください。
イノシシ被害の現状は?
イノシシの捕獲について解説する前に、まずは被害の現状から見ておきましょう。
農林水産省が行った「全国の野生鳥獣による農作物被害状況(平成30年度)」によると、野生鳥獣による全国の農作物の被害は平成30年度で約158億円に達しています。平成29年度から約6億円の減少となっているものの、依然として高い水準で推移している状態です。
この中でもイノシシだけにフォーカスすると約47億円で、全体の約3割を占めています。これは鳥獣別に見てもシカの約54億円に次ぐ数字で、被害の大きさが窺えます。参考サイト:全国の野生鳥獣による農作物被害状況
イノシシ対策には捕獲が必要
イノシシは繁殖力が高いため個体数の年変動が大きく、対策が遅れると被害はすぐに深刻化します。柵を設置してイノシシを遠ざける対策や、イノシシが近寄りにくい環境を作るといった対策も効果がありますが、抜本的な対策としては、被害を引き起こすイノシシの数を捕獲によって減らす方法が効果的です。
個体数そのものを減らすことで、地域全体で広く対策を講じていくことが重要となります。
イノシシの捕獲方法
イノシシを捕獲する方法として一般的なのは、「箱罠」と「くくり罠」の2パターンになります。参考記事>>イノシシ対策~罠の種類
まずは、それぞれの罠の特徴について見ていきましょう。
箱罠による捕獲
箱罠は、檻を箱状にして、餌を使ってイノシシを箱の内部に誘引することによって捕獲する罠のことです。 餌を使うため捕獲率が高く、くくり罠ほど知識やテクニックを要しません。
一つの箱罠で一度に複数の捕獲ができることも期待できます。一方で、くくり罠に比べると高価である点や、大きくて重たいため設置や移動に労力がかかります。
イノホイの箱罠商品はこちらから>> 天井面が半分以上が解放されている罠を見かけますが、これは箱罠ではなく囲い罠に分類されます。間違えやすいことも多いため、覚えておくと安心です。くくり罠による捕獲
くくり罠は、ワイヤーを使って獣の足や胴を捕える罠のことです。ほとんどの場合が足くくり罠で、イノシシが歩く経路に予め仕掛けておき、イノシシが罠を踏むとバネの力でワイヤーが締まり、足を捕える仕組みになっています。イノホイのくくり罠商品はこちらから>>
箱罠と比べると、安価なので数多く設置することが可能ですが、効果を上げるには知識やテクニックを要します。また、捕獲後も獣の可動範囲が広いため、捕らえた獲物にとどめをさす時に危険を伴う場合があります。
イノシシの捕獲の前に知っておくべきルール
イノシシを捕獲するには、前もって押さえておくべきルールがあります。
まず、前提としてイノシシをはじめとする野生鳥獣は「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣保護法)で保護されており、法令やルールから外れて捕獲することはできません。違法な捕獲は罰せられますので注意しましょう。
1.わな猟免許の取得のルール
まず、罠を使用して野生鳥獣を捕獲するためには、原則として狩猟免許が必要になります。
狩猟免許の種類には、網猟免許・わな猟免許・第一種銃猟免許・第二種銃猟免許があり、箱罠やくくり罠を使うには、わな猟免許が必要です。また免許を取得したのち、実際に狩猟を行う前に、わな猟を行う都道府県で狩猟者登録をする必要があります。
参考記事>>害獣捕獲のための第一歩 ~必要な免許・許可について
狩猟免許の取得には試験があり、毎年4回程度、大体7月・8月・1月頃に実施されています。自治体によっては補助制度があるので、あらかじめ役所の担当課に問い合わせておくと良いでしょう。免許の有効期間は3年間で、3年ごとに更新が必要です。
2. 狩猟捕獲のルール
狩猟によって野生動物を捕獲できる期間、すなわち狩猟期間は11月15日から翌年2月15日となっており(北海道は10月1日から翌年1月31日まで)、狩猟期間中に捕獲を行う場合は「狩猟捕獲」を行うことになります。
イノシシ捕獲の場合は狩猟期間を広げている県もあり、狩猟期間の終了を延長していたり、開始を早めている場合もあります。
3.許可捕獲のルール
狩猟期間中はわな猟免許の取得と狩猟者登録をしておけば、罠を使った捕獲を行うことができますが、狩猟期間外に捕獲をする場合は「許可捕獲」の手続きを経て捕獲を行うことになります。
許可捕獲には、「有害鳥獣捕獲」と「個体数調整捕獲」の2つがあり、どちらも都道府県知事等の許可を受けて実施するものになります。※県によって市町村長に権限が移譲されています。
2-A. 有害鳥獣捕獲
有害鳥獣捕獲は、鳥獣被害が実際に生じている、もしくはその恐れがある場合に、被害の防止や軽減を図るために行うものです。原則として、防除対策によっても被害が防止できないと認められるときに実施します。 有害鳥獣捕獲を実施する場合、事前に申請書等を窓口に提出して、捕獲許可証を発行してもらうことが必要です。許可証を持たずに有害鳥獣を捕獲することはできません。具体的な流れや手続きの方法は、各役所の担当窓口に問合せましょう。 自治体によっては捕獲器を貸し出していたり、その他サポートを行っている場合もあります。2-B. 個体数調整捕獲
都道府県が自ら計画を立てて(特定鳥獣保護管理計画)、計画的な野生鳥獣管理を実施する仕組みのことです。 例:宮崎県のイノシシ管理計画
対象地域において特定鳥獣の個体数調整を行う際には、特定鳥獣の数の調整の目的として捕獲許可を受ける必要があります。
イノシシを捕獲するためのコツ
イノシシを効率的に捕獲するには、そのための知識やテクニックを知っておく必要があります。コツその1:イノシシの生息情報や行動を把握する
罠の設置場所を選ぶにあたって、イノシシの出没状況を見極める必要があります。足跡や糞、体に泥をこすりつけた跡、食痕、被害・目撃情報などをもとに、イノシシの行動を把握しましょう。
参考記事>>くくり罠の成果を上げるためのコツ
近くにぬた場(イノシシが水浴びをした場所)がある場所や、獣道が多く存在する場所にはイノシシが頻繁に出没すると考えられるため、この付近に罠を設置すると良いでしょう。
参考記事>>箱罠の仕掛けテクニック
コツその2:シチュエーションに合った捕獲器を選ぶ
イノシシ捕獲用の罠は、初心者向けのタイプから上級者向けのタイプまで、様々なものが市販されています。くくり罠の構成品であるバネひとつをとっても、固さや長さに様々なものがあります。
例えば、バネが強じんなタイプは捕獲率は高いですが、パイプにセットする際に力を要するため女性や高齢の方では設置に苦労する場合があります。きちんと使いこなせないとせっかく罠を設置しても捕獲率が下がるため、自分に合った最適な罠を選ぶことが大切です。
コツその3:捕獲率が高い場所を探す
くくり罠の場合、罠を踏ませるまでに熟練が必要になります。イノシシは馴染んだ道を好んで通う習性があり、道を歩くとときは足の置き場所まで毎回同じというケースも多く見られます。
この習性を利用して、イノシシの足跡を見つけたら、あえてその足跡を消してみて反応をうかがってみましょう。消した後にまた新しい足跡ができていたら、その道は非常に捕獲率が高い場所と考えられます。そこにくくり罠を配置することで、すぐに捕らえることができたケースもあります。 こういった「場所の見極め」テクニックを学んでいくことが、捕獲率アップのための近道になります。
イノホイおすすめの箱罠をご紹介
イノシシの捕獲向けの罠を購入するにも、どれを選べばよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。イノホイでは、イノシシをはじめとした鳥獣捕獲向けの箱罠やくくり罠を幅広く取り揃えています。
ここでは、とくにおすすめの罠を4つご紹介します。
イノホイおすすめの箱罠
累計販売実績1万台を超える評判の箱罠が「ファーレ旭式★箱罠ビッグサイズ」です。
市場で多く出回るワイヤーメッシュ製ではなく、異形鉄筋を使用することで大型サイズ獣にも負けない頑丈な構造を実現。捕らえた獲物が箱罠の内部から持ち上げられないよう防止機構を設けることで、高い捕獲率をほこります。また、初心者の方でも組み立てやすく、設置しやすい点も人気の秘密。
全国の自治体様や、猟友会様、農協様、農家様からも「頑丈で、安くてよく獲れる」との評判をいただいています。
商品は落とし扉が片側のタイプと両側のタイプを用意していますので、用途にあわせてお選びください。
イノホイおすすめのくくり罠
くくり罠には、昔ながらのベーシックなタイプの「ファーレ旭式★くくり罠 完成品」と、初心者からベテランまで広く人気がある踏み板「くくり罠用踏み板イノシシホイホイ」を用意しています。
「ファーレ旭式★くくり罠 完成品」は、獣が踏み板を踏み抜くと、ワイヤーが獣の脚の上部を括る仕組みで、初心者でも設置しやすく頑丈な商品に仕上がっています。また、誤作動を防ぐ押さえ金具を取り付けることで、万が一の事故リスクを軽減できるため、安全性が高い点も特徴です。
「くくり罠用踏み板イノシシホイホイ」は、熟練の猟師監修の元で型取りを行い、樹脂成型を採用することでコストダウンを実現。水を吸わないため、天候による動作不良を軽減することもできます。
ワイヤーやバネ等をカスタマイズし、踏み板と組み合わせて使っているベテランの方も多く、一度に大量の罠を設置したい方にとってはコストパフォーマンスにも優れている商品です。
まとめ
今回はイノシシの捕獲方法や豆知識、おすすめの罠についてご紹介しました。
イノシシによる農作物への被害額は年間で約47億円。これは鳥獣による被害額全体の約3割にも達します。イノシシは繁殖力が高く個体数の年変動も大きいため、対策が遅れると被害はすぐに深刻化します。
抜本的な対策として捕獲は効果的なため、地域と連携して対策を講じていきましょう。
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