くくり罠を使って獣を捕獲するにあたり、2つのハードルがあります。 まず1つ目のハードルは、獣にしっかりとくくり罠を踏んでもらうこと。
獣の足の運びを予想して、踏み込むであろう位置にピンポイントでくくり罠を埋めるわけですが、初心者のうちはどこに埋めれば良いのか読み取れません(参考記事:くくり罠の成果を上げるためのコツ)。
獣の動きが読めるようになって、板を踏ませられるようになってくると、2つ目のハードルとして「空ハジキ」が見られるようになります。
「空ハジキ」とは、くくり罠が作動したにも関わらず捕獲できないことです。仕掛けた側からすると「ちゃんと踏ませることができたのに、なぜ?」となりますが、工夫によって空ハジキを減らすことは可能です。
今回は、空ハジキを減らすための、くくり罠テクニックについて説明します。
空ハジキの要因
くくり罠を使った捕獲においては、空ハジキはどうしても起こるものです。空ハジキが起こる要因はさまざまですが、考えられる要因はできる限り対策しておくことが重要になります。
代表的な要因と対策を以下に紹介します。
要因1:罠の動作は正常だが、逃げられているケース
特にターゲットがイノシシの場合は、他の動物に比べて俊敏かつ警戒心が高いです。そのため、空ハジキも他の動物と比べると多くなってしまいます。 イノシシは足場が不安定と感じると、サッと足を引っ込めます。
しっかりと踏み込んでもらうためには、仕掛けた際にガタつきが出ないように工夫する必要があります。台座があるタイプの場合、設置の際に台座がグラグラしないように気を付けます。台座をセットして上から手で押さえた際に、台座が沈んだり動いたりしないようにすることが大切です。台座を杭や板などでガッチリ固定されている方もいらっしゃいます。
また、穴を掘るタイプのくくり罠の場合は、踏み板の下の穴は出来るだけ深い方が望ましいです。 動作荷重が軽すぎる場合も空ハジキが起こる要因になります。ターゲットがしっかりと踏み込んだ場合に罠が動作するよう、動作荷重をテスト・調整しておくと良いでしょう。イノシシであれば、20kg以下では作動しないような荷重調整とすることが多いです。
使用する罠の構造にもよりますが、竹串や爪楊枝は色々な調整に使えるのでおススメです。
★跳ね上げ式くくり罠の場合のワンポイントアドバイス
以下の図のように、獣道(オレンジの線)に対してアームが横側に上がるようにし、かつ くくり金具がアームの付け根(蝶番)近くになるようにして配置すると、空弾きが少なくなる傾向があります。
アームが獣道の前後に上がるようになる設置方法は、獣の脚が邪魔になり、空弾きの原因になりやすいようです。

ターゲットとなる獣がよく通っているであろう道を探し、その通い道をよくチェックして、どのような足の運びをしているか予測したうえで設置場所を決めます。よく観察すると、右足と左足をどの位置に置くか読めるようになります。
後ろ足にワイヤーが掛かった場合は足が切れたり、ワイヤーが切れたりしやすいので、前足を狙いましょう。また、シカやイノシシの脚は、先端に主蹄、かかとの位置に副蹄が付いており、ワイヤーがそのどちらかの上部を括ることができれば、ワイヤーは抜けにくくなります。
要因2:罠は正常だが、うまく作動していない
踏み板の端のほうを踏まれた場合、荷重のバランスが偏るため正常に動作しなかったり逃げられたりしやすくなります。そのため、踏み板の中央部を踏ませる確率を高くする工夫が必要です。
障害物(木の枝や石など)で周囲の部分を踏みにくいようにして、踏み板の中央部を踏ませるように誘導すると良いでしょう。
カモフラージュの土や葉っぱが多すぎると、罠の動作が阻害される場合もあります。また、くくり罠の周りの土が崩れやすい場所だと、崩れて作動不良となることもあるため、できるだけ崩れにくい場所に仕掛けるようにします。
やむを得ない場合には、設置の際に周囲の土を固めて、獣が踏んでもくくり罠の周りが崩れにくいようにしておくこともあります。 罠が凍結してしまい不作動となったり、雨で土が重くなってしまい作動が遅くなったりするケースもあります。
作動不良の要因となるものができるだけ少ない場所を選んで設置することも重要です。
要因3:仕掛けに起因して、うまく動作していない
罠の部品が原因でワイヤーの動きが鈍くなる場合もあります。たとえば、ワイヤーに癖が付いていたり、折れ曲がり(キンク)がる状態だと、抵抗が生じて動きが阻害されます。
大物が1回かかるとワイヤーはほぼ使い物にならなくなるため、ワイヤーは消耗品と捉えておくと良いでしょう。他にも、パーツの損傷や変形によって罠の動きが阻害されそうな場合は、安全上の観点からも、迷わず新しいものに交換しましょう。
また、締まるときに部品による抵抗がなくなるよう色々と仕掛けを工夫すると良いでしょう。罠猟はよく魚釣りに例えられます。釣果の良い釣り人は、釣れなくても仕掛けの状態をよく観察しています。
そして試行錯誤のうえ色々な工夫をしています。魚釣りが上手な人は、罠猟も上手なことが多いです。 お使いの罠の構造をよく観察したり、上手な人に話を聞いてみたり、インターネット等で情報を集めてみるのも、空ハジキ解決のためのヒントが多く得られると思います。
要因4:ターゲット以外によって、くくり罠が作動している
ターゲットではない他の動物によって、くくり罠が作動させられていたというケースがあります。例えば、イノシシをターゲットにしているものの、タヌキによって罠が作動させられてしまった等。動物ではなく、その他の要因で作動させられていることもあります。空ハジキが起きた場所や、周囲の状況をしっかりと観察し、必要に応じてトレイルカメラ等を使うのも良いでしょう。
まとめ
罠を設置すると、獣がその通い道を通らなくなったり、罠のある箇所を避けて迂回路を作られることもあります。基礎として、人間の匂いや痕跡をなるべく残さないように罠を設置することが重要です。
それに加え、今回解説したような空ハジキの原因となるものを事前に排除しておくことにより捕獲率を上げることができます。罠のコンディションは事前にしっかりとチェックしておくことをお勧めします。
上記以外にも様々な捕獲失敗パターンがありますが、概ね上記に該当することが多いかと思います。空ハジキにお悩みの方は是非参考にしていただけると幸いです。
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