本記事では、イノシシ対策のライト効果や具体的な対策法、ライト以外の方法などについても詳しく紹介します。
イノシシ対策にライトが効果的な理由
人が遭遇すると危害を加える恐れのあるイノシシは、実は見た目とは異なり臆病な性質があります。そのため、人間の気配がするところには基本的に近寄ろうとはしません。イノシシが住宅街に出没するのは主に夜間で、人がいない時間帯です。庭や農地を荒らすなどの被害をもたらしますが、敷地内にセンサー付きのライトを設置しておくとイノシシが近づいたときに驚いて逃げる効果が期待できます。ライトによる対策は、イノシシだけではなくそれ以外の害獣にも有効と考えられます。
ライトでイノシシを追い払う際は、1つだけではなく複数のライトを設置しましょう。1本だけだと、死角ができてしまいイノシシが侵入する場ができてしまいます。
イノシシ対策に有効なライトの種類
イノシシ対策でライトを使う場合は、イノシシを驚かせる種類を選びましょう。一般的に常時点灯しているライトよりも点滅するライトの方が効果的です。また、イノシシは青・青緑と紫の1部について明瞭に識別ができ、色が赤や緑に移行するにつれ見えにくくなると言われています。認識できる強い明るさのライトがよいでしょう。
ライトの明るさは、居住地近くの場合は明るさを抑えたり、遠隔地に設置する際は明るめにしたりとライトを設置する場所や周辺の環境などを考慮して変えます。
白色LED照射ライト
白色LED照射ライトは、明るい白色で夜間でも目立つため、臆病なイノシシへの対策に適しています。特に、300ルーメン以上の高輝度のLEDライトなら明るさが際立つでしょう。白色LED照射ライトの料金相場は、約1万円です。ライトに超音波や威嚇音を出す機能などがあると、より効果的でしょう。
赤外線センサーライト
赤外線センサーライトは、カメラに搭載された赤外線センサーが動物などの動く熱源を感知すると、自動的にその対象物を照らし出すものです。赤外線は通常は人間の目では確認できませんが、侵入物を感知しセンサーが働くとLEDランプが赤く発光されるため、何が侵入してきたかチェックできます。イノシシが赤外線センサーライトに照らされると驚いて逃げることが多いですが、感知できる距離は約3~10mまでです。
害獣専門の赤外線センサーライトも売られていて、手頃なものであれば2,000円〜、高額なものでは1万円以上しますが、太陽光ソーラーパネルを使った充電式のものならば、電池が長持ちします。
ただし、赤外線ライトの点滅だけでは驚かずに敷地内へ侵入するイノシシもいるので、感知したときにライト点灯とともに超音波や警告音を発するものを選ぶとより効果的でしょう。
白色ストロボライト
白色ストロボライトは、侵入物を感知すると白色のストロボを発します。イノシシを威嚇するのに十分な効果を発揮します。1つだけではなく、複数の白色ストロボライトをランダム設定にしておくと定期的に強い光を発するので、イノシシが驚いて逃げていく可能性は高いです。しかし、白色ストロボライトの光に慣れてしまうと、再び侵入してくるようになります。
イノシシをライトで撃退するときのメリット
イノシシ対策にライトを使うメリットは次のようなものです。
コスパが良い
農作物の被害を減らせる
防犯効果がある
コスパが良い
イノシシ対策で使用するライトは、その他のイノシシ対策の商品と比べると価格が手頃で設置の仕方も簡単です。イノシシ対策用のライトには、乾電池式・ソーラー式・バッテリー式の3種類があります。ソーラー式のライトは、乾電池式やバッテリー式に比べると電池代や電気代がかからないため、ランニングコストを抑えられます。
農作物の被害を減らせる
イノシシのような夜行性の動物は、光に弱いため点滅ライトや動く光のライトなどを設置すると、驚いて農作物に近寄りません。人間が寝ている間の時間帯も、農作物への被害を最小限に食い止められるでしょう。防犯効果がある
ライトを設置することで、イノシシだけではなく農作物の盗難などの被害も防ぐ効果が期待できます。侵入したときに周辺が明るくなれば、不審者を警戒させられるでしょう。イノシシをライトで撃退するときのデメリット
イノシシ対策にライトを使うデメリットもあります。
効果の範囲が狭い
イノシシが慣れてしまう
効果の範囲が狭い
ライトは設置した場所の周辺しか照らせません。そのため、ライトを設置していない場所からイノシシが侵入する可能性があります。ライトを設置する際には、あらかじめイノシシの侵入経路を把握しておいて設置するとよいでしょう。イノシシが慣れてしまう
ライトによるイノシシ撃退法は、長期間同じライトを同じ場所で利用するとイノシシがライトに慣れてしまう場合があります。そのため、設置した当初のような効果は発揮できなくなることがあります。ライトでイノシシ対策を取るときの注意点
ライトによるイノシシ対策を取る際には、ライトを設置する高さや障害物、近隣住民との調整などが必要です。
ライトの高さ
ライトを適切な高さに設置しましょう。ライトの位置が高すぎたり、低すぎたりするとセンサーが反応しなかったり、イノシシが光に気づかずに侵入したりしてしまう可能性があります。イノシシ対策のライトの高さは、1.5m〜2mが効果的です。障害物がないか
ライトが照らす範囲の中に障害物がないか確認しましょう。ライトの光が木や建物などの障害物に遮られるとイノシシ対策の効果が低くなってしまいます。ライトを設置する際は、夜間に一度照らして見て周辺に障害物がないか確認することが大切です。
近隣住民との話し合い
ライトを設置する場所の近くに住宅がある場合は、事前に近隣住民と話し合い、調整が必要です。後でトラブルにならないようライトの設置場所や個数、明るさなどについて話し合っておきましょう。メンテナンス
イノシシ対策のライトは、通常屋外に設置するケースが多いため雨風にさらされます。ライトの効果を維持するためにも定期的なメンテナンスが必要です。半年から1年に1回程度は、ライトの照明部分を拭いたり、錆びや故障がないか、電球が切れていないかなどのチェックをするようにしましょう。ライト以外にイノシシに使えるもの
ライト以外のイノシシの対策法は、次のようなものがあります。
フェンス
電気柵
トタン板を設置する
犬を飼う
警戒音装置
匂い
人的対策
フェンス
イノシシに侵入されたくない場所を囲うようにフェンスを設置するとイノシシによる被害を抑えられます。ライトの場合は、設置した周辺にしか効果がありませんが、フェンスなら物理的に侵入できなくなります。ただし、イノシシは体格が大きいですが平らな体型なので、わずか20cmの隙間があれば侵入してきます。イノシシの子供であるウリ坊ならなおさらです。そのため、フェンスを二重にしたり、網目の細かいものにしたりすると効果が上がるでしょう。
さらに、フェンスの下部が半円になっているものや、スカート状に広がる形のフェンスは地面を掘って侵入してくるイノシシにも効果的です。
フェンスの価格はさまざまで、数千円〜1万円以上するものもあります。軽くて頑丈なワイヤーメッシュフェンスなどは市販で手に入り、大人一人でも設置できます。
電気柵
電気柵は、電気が流れているフェンスをいいます。電気柵に触れると感電してイノシシはおどろいて逃げます。イノシシは鼻の先でものを確認するため、鼻先が電気柵に触れればそれ以上は近寄りません。電気柵は、設置したまま放置すると火災の原因になる場合もあるため、定期的なメンテナンスが必要です。また、設置する場所は、あらかじめ木や草が触れないよう除したり防草シートを敷いたりしましょう。
電気柵の価格相場は、100mで2~3万円程度、高額なものになると5万円以上します。設置する範囲が広くなるとそれだけコストもかかります。ただし、農林水産省による電気柵設置の補助金制度があるので、申請すれば費用を削減することも可能です。
トタン板を設置する
フェンスではなく、トタン板を使って敷地内を取り囲む方法もあります。イノシシは飛ぶ力も強いため、トタン板はなるべく高いものを用意しましょう。エサの存在が見えなくなれば、イノシシを撃退できます。犬を飼う
害獣対策として、犬を飼う家庭もあります。犬は嗅覚に優れているため、イノシシが近づいてくると敏感に匂いを感じ取って吠えて教えてくれます。もし、侵入してきた場合は、犬を放せば追い立ててくれるでしょう。犬を散歩させる時には、害獣が出没する地域を犬と一緒に歩いてみます。犬が獣の気配を察知した場合は、そこに石を投げ込んだりすると潜んでいるイノシシや害獣を遠ざけることができます。
警戒音装置
イノシシは音に敏感です。そのため、大きい音がする場所には近寄りません。警戒音装置を設置すればイノシシの侵入を防げます。また、超音波装置も有効です。超音波装置とは、動物にしか聞こえない超音波を出す装置で、周囲に大きな音を立てずにイノシシを遠ざけることが可能です。ただし、超音波装置は子供には聞こえる可能性があります。通学路など子供が多く通る場所では注意が必要です。
匂い
イノシシは匂いの強い植物を嫌う傾向があります。ハーブや唐辛子のような植物の匂いによる対策も有効です。ただし、匂いの対策は一時的なものと考えましょう。フェンスや電気柵などと併用して行ってください。人的対策
人の力でイノシシの侵入を予防する方法もあります。イノシシは湿地や野菜くずが捨てられた場所などを好んで寄ってきます。やぶ対策を取り、野菜くずは残さずすぐに処分するなど農地を整備し、イノシシが好む環境を作らないことも大切です。ただし、これらは予防のための方法で対策ではないので、イノシシが来るようになってしまった場合は、他の対策方法を取る必要があります。イノシシの捕獲行為は、鳥獣愛護法に違反するので、適切な対策を取りましょう。
イノシシの対策で効果を出すならライトがおすすめ
イノシシの対策には、ライトを使うとコスパを抑えて撃退できます。光だけではなく音を一緒に発するものなどもあるので、適切な場所に複数個設置してみるとよいでしょう。
ただし、イノシシがライトに慣れてしまう可能性があります。効果が薄れてきたと感じたら、フェンスや電気柵など別の対策方法も合わせて検討してみてください。