本記事では、狩猟免許の取得方法や必要書類、受験の流れ、合格後の手続きなどについて詳しく紹介します。
目次
狩猟免許の種類
狩猟免許は、次の4つがあります。
免許の種類 |
行える狩猟 |
わな猟免許 |
罠を使った猟 |
網猟免許 |
網を使った猟 |
第一種銃猟免許 |
・散弾銃、ライフルを使った猟 ・空気銃(エアライフル)を使った猟 |
第二種銃猟免許 |
空気銃(エアライフル)を使った猟 |
狩猟免許は、網猟・わな猟免許が18歳以上、銃猟免許は20歳以上であれば受験可能です。
狩猟免許の取得方法
狩猟免許の取得方法について見ていきましょう。狩猟免許は年に数回ほど開催されています。各都道府県で受験する
狩猟免許は、住んでいる地域の都道府県で受験しなければいけません。試験に合格し、各知事が発行する狩猟免許を取得すれば狩猟が可能となります。狩猟免許は全国で有効のため、取得していればどこでも狩猟ができるようになります。3種類の試験を受ける
狩猟免許の試験内容は3種類あります。それぞれ4つの免許で試験問題の内容は変わりますが、3種類の試験自体は同じです。知識試験
午前中に知識試験が行われます。3択の選択式の問題30問を、制限時間90分の間に解きます。知識試験は、21問以上70%正解すれば合格です。知識試験で問われるのは、法令や狩猟免許制度、猟具の種類や取り扱いに関する知識、狩猟鳥獣や狩猟鳥についてです。また、獣と間違われやすい鳥獣の生態や個体数管理の概念および鳥獣の保護管理などに関する知識の問題も出題されます。
適性試験
適性試験では、視力や聴力、運動能力のテストを受けます。視力は、取得する免許によって異なる基準が設定されています。
わな猟・網猟 |
両眼0.5以上(1眼が見えない場合は、他眼の視野が左右150度以上かつ視力0.5以上) |
第一種、第二種銃猟 |
両眼0.7以上、片眼0.3以上(1眼が見えない、もしくは0.3に満たない場合は他眼の視野が左右150度以上かつ視力0.5以上) |
聴力テストは、補聴器の使用が可能で受験する会場によってやり方が異なります。基準は10メートルの距離で、90デシベルの警音器の音が聞こえれば合格です。運動能力も補助具の使用が可能で、四肢の屈伸や挙手、手指の運動ができることが基準となります。
適性試験は、狩猟を行ううえで身体的に問題がないか確認するためのものです。身体的なハンディキャップがなければ、ほとんど合格します。適性試験の結果はその場で伝えられ、合格すれば技能試験に進めます。
技能試験
技能試験は、受験する免許の種類によって内容が異なります。技能試験で落ちる人はもっとも多く、減点方式で30点マイナスとなると失格です。鳥獣判別テストはすべての試験に共通するテストで、判別を間違えると1種類につき2点減点です。狩猟鳥獣と非狩猟鳥獣16種類を判別します。ただし、対象になる狩猟鳥獣は免許の種類によって変わります。たとえば、わな猟の場合は獣類のみの出題です。
【猟具の取り扱い】
猟具の取り扱いテストでは、猟具の取り扱いができなかった場合は最大で31点の減点となります。
わな猟、網猟 |
・使用可能猟具と禁止猟具の判別 ・使用可能猟具1種類を捕獲可能な状態に組み立てる |
第一種銃猟 |
・銃器の点検 ・分解と結合 ・ 模造弾の装填 ・射撃姿勢 ・脱包操作 ・ 団体行動する場合の銃器の保持 ・銃器の受け渡し ・休憩する際の銃器の取り扱い ・空気銃の操作 |
第二種銃猟 |
・圧縮操作 ・装填 ・射撃姿勢 |
【目測】
目測テストは、第一種銃猟と第二種銃猟の試験のみで実施されます。間違えると1種類につき5点減点です。
第一種銃猟 |
300m、50m、30m、10mの目測 |
第二種銃猟 |
300m、30m、10mの目測 |
これら3つの試験をすべてパスすれば、狩猟免許を取得できます。結果は郵送で2週間程度で通知され、合格した場合は狩猟免許が同封されています。
狩猟免許取得の流れ
狩猟免許取得の流れは、次の通りです。- 自治体に狩猟免許申請書を提出する
- 狩猟免許予備講習会を受ける(任意)
- 試験会場で狩猟免許試験を受ける
- 合格すればその後の手続きを行う
特に、練習せずに技能試験に受かることは大変難しいため、講習会に参加する方が合格率が上がります。
狩猟免許取得に必要なもの
狩猟免許取得に必要なものは、以下になります。
狩猟免許申請書 |
住所、氏名、生年月日のほか、受験しようとする狩猟免許の種類や猟銃や空気銃の所持許可証の番号と交付年月日などを記入 |
医師の診断書 |
統合失調症や そううつ病、てんかん、麻薬や覚せい剤の中毒者でないことを証明するもの |
写真 |
1枚。縦3㎝×横2.4㎝の大きさで無帽、正面、上三分身、無背景、申請前の6ヶ月以内に撮影した写真を受験票の所定欄に貼る |
狩猟免許申請手数料 |
免許1種類につき5,200円(同時に2種類の免許を申請する場合は10,400円)を現金または収入証紙で納付 |
返信用封筒 |
1通(都道府県によっては不要) |
このほかに、猟銃または空気銃所持許可を取得している場合は、許可証の写し1枚を用意しましょう。
狩猟免許取得の費用
狩猟免許受験の申請手数料は5,200円です。再受験の場合は3,900円となります。また、医師の診断書は約5,000円、講習を受ける場合は費用が13,000円別途かかります。狩猟免許の有効期間は、受験した日から3年を経過した日が属する年の9月14日までとなっており、その後は3年ごとに更新が必要です。更新申請する際の手数料は2,900円です。
狩猟免許を取得したら
狩猟免許を取得したら、さらにいくつかの登録や許可を取得しなければ狩猟はできません。免許取得後に行うことを紹介します。狩猟者登録を行う
狩猟者登録を各都道府県に行いましょう。登録をすると狩猟者バッジがもらえるので、そのバッジをつければ狩猟が行えるようになります。狩猟者登録の際には、登録申請手数料と狩猟税の合計を収入印紙で支払う必要があります。
免許の種類 |
登録申請手数料 |
狩猟税 |
合計金額 |
網猟・わな猟 |
1,800円 |
8,200円 |
10,000円 |
第一種銃猟 |
1,800円 |
16,500円 |
18,300円 |
第二種銃猟 |
1,800円 |
5,500円 |
7,300円 |
銃の所持許可を取る
銃の所持許可を取りましょう。狩猟免許試験の前でも申請可能です。許可を得るまでに時間とお金がかかるので、早めに取得しておく方がよいでしょう。また、銃の所持許可を得る際に、弾を購入するための火薬類譲受許可の申請が必要な場合もあります。
狩猟免許は猟法にあったものを取得しよう
狩猟免許は、猟法によって4つの免許があり、3種類の試験に合格する必要があります。居住地の都道府県で年に数回実施されているので、都合のよい日程を選べます。
狩猟免許予備講習会を受けずに受験することも可能ですが、合格率を上げるためには事前に講習会を受けることをおすすめします。
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