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シカの行動や習性を知ろう

シカの行動や習性を知ろう

 全国の野生鳥獣による被害状況のうち、最も被害が深刻なのがシカによるものです。農林水産省の発表した令和元年の農作物被害金額は約53億円に達しており、平成29年度以降の3年間でほとんど被害が減っていない状況です(参考)。なぜシカの被害が減らないのか、その理由は彼らの行動や習性に起因します。

シカの行動と繁殖力

当店イノホイが所在する宮崎県には、えびの高原という鹿の群生地があります。ノリウツギ、イヌツゲ、ヤマウルシや、天然記念物のノカイドウなど自然植生からなる場所が多くあり、これらを好むシカにとって好条件の立地です。

この場所でシカを観察していると、シカは多くの場合、オスとメスは別々に行動していることが分かります。オスには角があってメスは角が無いので見た目で容易に判別できますが、オスの角は毎年春に生え変わるので、角が伸びるまでは体格の違い(オスはガッチリした体格、メスはやや細め)で見分けたりもします。

このうち、メスは群れを作って生活し、あまり行動範囲を広げず定住性が高い傾向があります。一方で、オスは生後1~2年は母親の群れの中で生活しますが、その後は母親のもとを離れます。若いオスが群れを形成する場合もありますが、多くは単独で行動するようになります。

オスは季節によって広く移動しますが、繁殖期(9月末~11月ごろ)を迎えるとメスを求めて群れ近くに出没するようになります。この時期のオスは縄張りを作るようになり、繁殖期特有の鳴き声をよく発したり、オス同士で角を突き合わせて争う光景が見られるようになります。

この争いに勝ったオスは縄張り内のメスの群れと合流して一夫多妻制の集団を形成します。そして繁殖期が終わると、再びオスはメスから離れていきます。

このような行動の結果、メスの群れは高い妊娠率となります。妊娠率は70%以上で、10才を超えても妊娠率が低下しないともいわれます。妊娠期間は約220日で、1回の出産で1頭の子どもを産みます。

雑に計算したとしても、10頭のメスのうち7頭が毎年妊娠するような状態なので、栄養条件が良ければどんどん増えていきます。森林野生動物研究会の研究によると自然増加率は年平均16~20%、3~4年で倍増するという非常に高い繁殖力です。

シカの食性とそれによる被害

シカは一般的に草食性です。地域や植生環境によって食べる植物の種類は変わってきますが、ほとんどの種類の植物を食べます。特に新芽ややわらかい葉っぱを好物としますが、そういった好物の植物が無くなると、それまで食べなかった種類の植物も食べるようになり、さらに植物が少なくなると落ち葉も食べるようになります。

そのため、人間が管理する農作物や雑木林においても被害を受けやすくなります。基本的に人間が植える農作物は栄養価が高いため、シカのターゲットにされやすくなります。田植え直後の苗の引き抜きや食害、収穫期頃の穂先食害、大豆など豆類の草が食べられたりします。

他にも、林業用の苗木が食べられてしまったり、樹齢の高い木においては樹皮や形成層が食べられたり、オスの角こすりによって樹皮が剥がされたりします。

シカは牛と同じで4つに分かれた胃袋(反芻胃)を持つため消化能力が高く、食べ物の質が悪くても十分な栄養を得ることができます。そのため、積雪がない地域においては滅多なことがなければ栄養状態は悪くなりません。上記の繁殖力ともあいまって、放っておくとどんどん被害が増えてしまいます。

被害を減らすには早期の対策を

シカ被害は生息密度が高い地域で起こりやすく、また強い繁殖力によって上がった生息密度は容易に下げることができません。シカが多く生息する地域においては、とにかくシカを増やさないことを念頭に、捕獲を積極的に行うこと、柵の設置によって餌となる場所に近づかせないことが基本となります。

また、生息密度が低く被害が散発的であったとしても、個体数が急増する可能性があるため、対策を放棄・放置しないようにすることが重要です。

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