頭から鼻にかけて白いラインが通っていることが特徴のハクビシン(白鼻芯)ですが、農作物や人間の生活環境に対して様々な被害を与えることがあります(参考記事:ハクビシン対策について)。
環境省の調査によると、平成30年度のハクビシンによる農作物被害金額は全国で約4億円(前年度より1500万円減少)となっており、おもな対策として有害駆除・捕獲が実施されています。中には被害が深刻化している地域もあり、駆除・捕獲をサポートするための対応を始める自治体も出てきています。
たとえば栃木県宇都宮市では、市が貸し出ししている罠で住民がハクビシンを捕獲した場合、無償で回収処分する対応を本年度から始めました(これまでは捕獲者が処分費用を負担)。同市の2019年度のハクビシン捕獲数が過去最高の166匹、農業被害額は約1千万円、また市街地での住宅被害も増えていたことが背景です。
ハクビシンを捕獲・駆除するために必要なこと
ハクビシンをはじめとする野生鳥獣は「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣保護法)で保護されており、許可なく捕獲することはできません。
ハクビシンを捕獲する場合も、事前に役所への捕獲許可の申請が必要となります。違法な捕獲は罰則の対象となりますので、まずは役所の担当課に問合せましょう。
※ハクビシンは狩猟対象鳥獣に該当しますので、狩猟期間中(11月15日~2月15日)は狩猟に必要な要件を満たしていれば役所での捕獲許可は不要です。
一般的な流れ
以下は、捕獲許可申請手続きの一般的な流れになります。
①捕獲許可申請
各自治体によってそれぞれ指定されている申請書があるので、そちらに必要事項を記入し、窓口に提出します。
捕獲には基本的に箱罠をもちいるため、わな猟免許が必要になります。なお、自宅敷地内で害獣による被害防止が目的とする場合などに限り、狩猟免許が不要な場合もありますので、役所に問合せる際にその点も併せて確認しておきましょう。
②審査
申請された内容を役所が確認し、捕獲が必要かどうかが審査されます。わな猟免許をもっている方が申請した場合は、前年度に狩猟者登録があったか、狩猟災害共済等に加入しているか、過去に鳥獣関係法令に違反していないか等が確認される場合もあります。
③許可証交付
申請者に捕獲許可証が交付されます。申請から許可まで時間がかかることもあるため、被害が見られたら早めに申請しておくと良いでしょう。
④捕獲の実施
捕獲許可の期間が定められていますので、その期間内に捕獲作業を実施します。なお、捕獲したハクビシンは別の場所に放獣せず、申請者が責任をもって処分しなければならない場合がほとんどです。
⑤捕獲結果報告
捕獲許可証を役所に返却する際に、捕獲結果の報告が求められます。
自治体のサポート
上記で紹介した宇都宮市のように、自治体によって様々なサポートがありますので、必要に応じて是非活用してみましょう。いくつかを以下に紹介しますので、ご参考ください。※詳細は、各自治体窓口にお問合せください。
専門業者による箱罠設置:東京都板橋区
以下の全てに該当する場合、区が委託した専門業者が箱わなの設置を行います。 ・被害のある建造物の所有者または管理者の方からの依頼であること。
・事前調査や箱わな設置・回収時の立ち会いができること。
・毎日の箱わなの見回りが可能であること。
・箱わなに入れるエサの準備・必要に応じて交換ができること。
・捕獲された場合は、速やかに板橋区や専門業者に連絡できること。
市の負担によるハクビシン捕獲:横浜市
家屋に棲みついたり、敷地内農作物に被害を与えるハクビシンの捕獲を行っています(費用は市負担)。※農地や山林、法人の管理施設など、家屋敷地外の被害は対象となりません。 詳しくはこちら>>
捕獲関連機材の貸し出し:岩手県北上市
捕獲したハクビシンを安楽死させる機材(アンラクーン)の貸し出しが行われています。 詳しくはこちら>>
ハクビシン捕獲用 おすすめ箱罠
ハクビシンの捕獲には箱罠が用いられる場合がほとんどです。箱罠の大きさに制約はありませんが、搬送や設置が容易なものを使用すると良いでしょう。一方で、小さすぎると捕獲率が下がりますので、目安として箱の大きさは約40cm × 40cm × 80cmほどが適しています。
納入実績多数の頑強箱罠
「安くて良く獲れる箱罠」と多くの業者様、猟友会や自治体から評判を得ています。トリガーは蹴り糸タイプで、色々な応用ができます。格子網 線径4mm×マス目50mm、格子網パネルの補強 3分筋(9mm)で縁取り補強しています。耐久性抜群で耐用期間が長く、コストパフォーマンスに優れた箱罠です。
大人気。お手軽設置の折り畳みタイプ箱罠
折り畳みが可能で、サクっと仕掛けられるお手軽さとお求めやすい価格が特徴です。トリガーは踏み板タイプで、ターゲットとなる動物を餌で誘因し、内部のプレートを踏めば捕獲完了です。持ち手の下部分に鉄板を付けているため、網の中から危害を加えられても怪我をしにくい設計になっています。
捕獲方法
侵入経路や食痕や足跡、糞などがあった場所を探し、箱罠を設置します。トリガーが正しく作動することを確認し、箱罠が転倒しないようにしっかりと固定しておくと良いでしょう。場所ターゲットの動きを予測して、獣が接近してくる方向に箱罠の入り口を向けて設置し、餌で誘因します。
ハクビシンは植物食中心の雑食性ですが、中でも熟した果実や野菜などを好みます。誘因餌も主に果物類(バナナ、ブドウ、ウリ、メロン、リンゴ等)が使用されます。箱罠を作動しない状態で設置して、餌を少し撒いて慣らしの期間をおいて、しっかり餌を食べることを確認した後に罠を作動させるようにすると、捕獲率を高くすることが期待できます。
箱罠設置中は、少なくとも1日に1回は罠の状態を確認するようにしましょう。ターゲット以外の獣が誤って捕まった場合は、速やかに放しましょう。捕獲期間終了後は、箱罠をすぐに撤去しましょう。
捕獲完了後の二次被害防止対策
捕獲・駆除後は、二次被害や再発防止対策が必要になる場合もあります。具体的には、侵入口の封鎖、糞尿の清掃、病原菌やダニなどの消毒・殺菌、床の腐敗を防ぐ防腐処理等になりますが、特に家屋の場合は専門の業者に対応を依頼するのが確実です。
信頼できると思われる業者を複数選び、その中からより適正な価格・サービスを提供できると判断できる業者を選ぶと良いでしょう。
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