10月26日の早朝、秋田県北秋田市阿仁伏影の山あいの集落で、84歳の男性が自宅裏のりんご畑でクマに襲われ、あごの骨を折るなどの大けがを負った。
北秋田署によると、男性の自宅裏のリンゴ畑でクマによる食害が多発していたため、仕掛けていたわなの様子を見に行ったところ、体長約80センチの子グマが掛かっているのを発見。その直後に杉林から現れた親とみられるクマに襲われ、顔や首などを負傷したとのこと。なお命に別状はない模様。
今回男性が被害にあった地区では、クマの目撃情報や農作物の食害が続いていたため、先月2日から県の許可を受けて市がオリを設置し、これまでに6頭を捕獲している。また、男性を襲ったクマは見つかっておらず、警察や市の職員が住民に注意を呼びかけている。
秋田県自然保護課によると、今月の目撃件数は10月24日時点で121件に上り、過去10年の平均(21件)を大きく上回っているとのこと。今年に入ってからの人身被害は17件(18人)に上り、10月は7日に鹿角市の農作業所で1件発生したほか、25日にも人身被害が起きていた。
今年はブナやナラなどクマの餌となる木の実が凶作で、今後も人里周辺への出没が予想されるという。これらを受け、秋田県は10月27日、県内全域を対象に今月末まで発令していたツキノワグマの出没警報を、12月20日まで延長すると発表した。延長は7、8月に続き3回目である。
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