鳥獣被害対策マガジン
狩猟解禁!今年の猟の状況は?
多くの地域にて、今月15日に狩猟が解禁されました。キジやカモ、イノシシ、シカといった鳥獣をターゲットに、多くのハンターが活動を開始しており、「今年も始まったか!」と感じている方も多いと思います。今年の各地の猟の情報も入ってきており、一部紹介できればと思います。 秋田県 今年もツキノワグマ・イノシシ・ニホンジカの狩猟解禁が11月1日に前倒しとなり、カモ猟の解禁と重なりました。イノシシ目撃頭数が129頭と過去最多で被害も相次いでいるので、狩猟の成果も期待できるところです。狩猟期間は来年2月15日までですが、ニホンジカとイノシシ猟は3月15日までです。 宮城県 狩猟の解禁とともに、河川では車や徒歩で移動しながら猟をする「流し猟」でカルガモを仕留めている姿も。狩猟期間は2021年の2月15日まで。 千葉県 イノシシの行動が活発です。館山市では、2020年度のイノシシの捕獲数がすでに過去最高とのこと。豚熱陽性のイノシシが近県で確認されており防疫措置の協力と、昨年の台風によって猟場が荒れたままになっているところも残っているため十分な注意を。 群馬県 シカによる被害が目立ちます。甘楽町などではシカによるリンゴ食害が深刻化しているそうです。町内の捕獲頭数は本年度、既に過去最多の200頭余りに上っているとのこと。 富山県 主要な狩猟獣であるキジやヤマドリ、カルガモ、タヌキなどの生息数は平年並みとのこと。猟期は来年2月15日まで。※イノシシとニホンジカは農作物被害防止のため、猟銃、わな猟ともに3月31日まで。 長野県 「豚熱の影響かイノシシが少ない印象」という声を聞きます。※人の移動による豚熱(豚コレラ)ウイルス拡散を防ぐため、長靴や車両のタイヤの消毒などを呼び掛けています。狩猟期間は来年2月15日までですが、鹿とイノシシのわな猟は3月15日までです。 福井県 今秋はツキノワグマの出没や人身被害が相次いでいます。捕獲後に山で放獣したり、駆除したり猟友会が頑張っているとのこと。今年4〜10月の出没件数は953件で、統計を取り始めた04年度以降で3番目に多い状況です。捕獲数は嶺北153頭、嶺南31頭。うち、嶺北120頭、嶺南28頭の計148頭が駆除され、駆除率は全体で8割を超えているそうです。 愛知県 豚熱に対し、引き続き警戒体制が行われています。野生イノシシの豚熱陽性確認地点から半径10kmの区域を含む市町村が陽性エリアとされており、陽性エリアで狩猟する場合は、消毒などを実施するよう呼びかけられています。 陽性エリア:名古屋市、豊橋市、岡崎市、瀬戸市、春日井市、豊川市、豊田市、西尾市、蒲郡市、犬山市、小牧市、新城市、尾張旭市、日進市、みよし市、長久手市、幸田町、設楽町、東栄町、豊根村 山梨県 女性の狩猟免許取得者が急増しており、特にわな猟免許の取得が多いそう。一方でクマの目撃情報が多く、今月15日には北杜市の山林で狩猟中の男性がクマに襲われ顔などに軽いけがというニュースもありました。くれぐれも安全第一で。 和歌山県 夏場は、串本町と古座川町で、有害鳥獣駆除によるイノシシの捕獲数が大幅に増えていると聞きましたが、直近では「場所によっては、豚熱の影響でイノシシが全然いない」という声も。 10月中旬以降、奈良、大阪、和歌山の3府県で感染イノシシが初めて確認されており、農水省は封じ込めに向け、経口ワクチンベルトを設けて対策を進めてきたものの、西日本での一層の感染拡大が懸念されています。 兵庫県 2016年に再開されたツキノワグマの狩猟は、今年は生息数が狩猟解禁基準の800頭を下回ったとして再び禁止に。大物猟ではイノシシやシカをメインターゲットに活動するハンターも多いようです。初猟で早速イノシシを仕留めたとの声も。イノシシと二ホンジカの狩猟期間は3月15日までで、他の鳥獣は2月15日まで。 岡山県 山だけでなく、街でもイノシシが大暴れ。今月20日には岡山市南区のホームセンターにイノシシが出入り口のガラスを突き破って中に侵入。岡山南署員や地元猟友会員ら約40人が出て、約1時間後に店内で取り押さえたそうです。 福岡県 イノシシとシカの狩猟期間は、開始が一足早めの11月1日、終了は3月15日までです。スタートから多くの獲物に恵まれているとの声も。 その他の全国概況...
狩猟解禁!今年の猟の状況は?
多くの地域にて、今月15日に狩猟が解禁されました。キジやカモ、イノシシ、シカといった鳥獣をターゲットに、多くのハンターが活動を開始しており、「今年も始まったか!」と感じている方も多いと思います。今年の各地の猟の情報も入ってきており、一部紹介できればと思います。 秋田県 今年もツキノワグマ・イノシシ・ニホンジカの狩猟解禁が11月1日に前倒しとなり、カモ猟の解禁と重なりました。イノシシ目撃頭数が129頭と過去最多で被害も相次いでいるので、狩猟の成果も期待できるところです。狩猟期間は来年2月15日までですが、ニホンジカとイノシシ猟は3月15日までです。 宮城県 狩猟の解禁とともに、河川では車や徒歩で移動しながら猟をする「流し猟」でカルガモを仕留めている姿も。狩猟期間は2021年の2月15日まで。 千葉県 イノシシの行動が活発です。館山市では、2020年度のイノシシの捕獲数がすでに過去最高とのこと。豚熱陽性のイノシシが近県で確認されており防疫措置の協力と、昨年の台風によって猟場が荒れたままになっているところも残っているため十分な注意を。 群馬県 シカによる被害が目立ちます。甘楽町などではシカによるリンゴ食害が深刻化しているそうです。町内の捕獲頭数は本年度、既に過去最多の200頭余りに上っているとのこと。 富山県 主要な狩猟獣であるキジやヤマドリ、カルガモ、タヌキなどの生息数は平年並みとのこと。猟期は来年2月15日まで。※イノシシとニホンジカは農作物被害防止のため、猟銃、わな猟ともに3月31日まで。 長野県 「豚熱の影響かイノシシが少ない印象」という声を聞きます。※人の移動による豚熱(豚コレラ)ウイルス拡散を防ぐため、長靴や車両のタイヤの消毒などを呼び掛けています。狩猟期間は来年2月15日までですが、鹿とイノシシのわな猟は3月15日までです。 福井県 今秋はツキノワグマの出没や人身被害が相次いでいます。捕獲後に山で放獣したり、駆除したり猟友会が頑張っているとのこと。今年4〜10月の出没件数は953件で、統計を取り始めた04年度以降で3番目に多い状況です。捕獲数は嶺北153頭、嶺南31頭。うち、嶺北120頭、嶺南28頭の計148頭が駆除され、駆除率は全体で8割を超えているそうです。 愛知県 豚熱に対し、引き続き警戒体制が行われています。野生イノシシの豚熱陽性確認地点から半径10kmの区域を含む市町村が陽性エリアとされており、陽性エリアで狩猟する場合は、消毒などを実施するよう呼びかけられています。 陽性エリア:名古屋市、豊橋市、岡崎市、瀬戸市、春日井市、豊川市、豊田市、西尾市、蒲郡市、犬山市、小牧市、新城市、尾張旭市、日進市、みよし市、長久手市、幸田町、設楽町、東栄町、豊根村 山梨県 女性の狩猟免許取得者が急増しており、特にわな猟免許の取得が多いそう。一方でクマの目撃情報が多く、今月15日には北杜市の山林で狩猟中の男性がクマに襲われ顔などに軽いけがというニュースもありました。くれぐれも安全第一で。 和歌山県 夏場は、串本町と古座川町で、有害鳥獣駆除によるイノシシの捕獲数が大幅に増えていると聞きましたが、直近では「場所によっては、豚熱の影響でイノシシが全然いない」という声も。 10月中旬以降、奈良、大阪、和歌山の3府県で感染イノシシが初めて確認されており、農水省は封じ込めに向け、経口ワクチンベルトを設けて対策を進めてきたものの、西日本での一層の感染拡大が懸念されています。 兵庫県 2016年に再開されたツキノワグマの狩猟は、今年は生息数が狩猟解禁基準の800頭を下回ったとして再び禁止に。大物猟ではイノシシやシカをメインターゲットに活動するハンターも多いようです。初猟で早速イノシシを仕留めたとの声も。イノシシと二ホンジカの狩猟期間は3月15日までで、他の鳥獣は2月15日まで。 岡山県 山だけでなく、街でもイノシシが大暴れ。今月20日には岡山市南区のホームセンターにイノシシが出入り口のガラスを突き破って中に侵入。岡山南署員や地元猟友会員ら約40人が出て、約1時間後に店内で取り押さえたそうです。 福岡県 イノシシとシカの狩猟期間は、開始が一足早めの11月1日、終了は3月15日までです。スタートから多くの獲物に恵まれているとの声も。 その他の全国概況...
野生動物管理業界の方、必見!イベントやお役立ちサイトのご紹介
本気の獣害対策を知りたい方へ。けもの塾2019 初級編・中級編・現場技術編などプログラム盛りだくさん!現場の熱い実践者たちが、リアルな実体験による「学び」や「コツ」を提供します。 以下に該当する方には、特におすすめのイベントです。 ◆地域で獣害に関するソーシャルビジネスを始めたい人 ◆野生動物に関わる仕事がしたい人 ◆退職後の地域貢献をしたい人 初級編 テーマ:獣害対策で食っていく入門道場 日 時:2019年10/24(木)~10/27(日) 場 所:佐賀県三養基郡上峰町 定 員:30名(先着順) 研修負担金:50,000円(別途宿泊費:30,000円程度3泊8食) 内 容:各獣類の生態講義(イノシシ、シカ、サル、アライグマ)、鳥獣害対策理論、防除手法(電気柵)、捕獲手法(くくり罠等)、集落環境診断、法規法令講義。 自治体担当者編 テーマ:地域にあった獣害対策の進め方~効果的施策立案法~ 日 時:2020年1/11(土)~1/12(日) 場 所:東京学院ビル本館3F教室(東京都千代田区神田三崎町3-6-15) 定 員:50名(先着順) 研修負担金:20,000円(内訳 研修費15,000円+テキスト代5,000円) 詳細は、こちらのパンフレットをご覧ください。 ※鳥獣被害防止総合対策交付金事業の補助対象科目「研修」でお申込みいただけます。 獣害対策・野生動物管理業界専門のキャリアイベント「ふるけもジョブ活2019」...
野生動物管理業界の方、必見!イベントやお役立ちサイトのご紹介
本気の獣害対策を知りたい方へ。けもの塾2019 初級編・中級編・現場技術編などプログラム盛りだくさん!現場の熱い実践者たちが、リアルな実体験による「学び」や「コツ」を提供します。 以下に該当する方には、特におすすめのイベントです。 ◆地域で獣害に関するソーシャルビジネスを始めたい人 ◆野生動物に関わる仕事がしたい人 ◆退職後の地域貢献をしたい人 初級編 テーマ:獣害対策で食っていく入門道場 日 時:2019年10/24(木)~10/27(日) 場 所:佐賀県三養基郡上峰町 定 員:30名(先着順) 研修負担金:50,000円(別途宿泊費:30,000円程度3泊8食) 内 容:各獣類の生態講義(イノシシ、シカ、サル、アライグマ)、鳥獣害対策理論、防除手法(電気柵)、捕獲手法(くくり罠等)、集落環境診断、法規法令講義。 自治体担当者編 テーマ:地域にあった獣害対策の進め方~効果的施策立案法~ 日 時:2020年1/11(土)~1/12(日) 場 所:東京学院ビル本館3F教室(東京都千代田区神田三崎町3-6-15) 定 員:50名(先着順) 研修負担金:20,000円(内訳 研修費15,000円+テキスト代5,000円) 詳細は、こちらのパンフレットをご覧ください。 ※鳥獣被害防止総合対策交付金事業の補助対象科目「研修」でお申込みいただけます。 獣害対策・野生動物管理業界専門のキャリアイベント「ふるけもジョブ活2019」...
【注意喚起】豚コレラの発生について
今月はじめ、岐阜市の養豚場で国内では26年ぶりとなる豚(とん)コレラウイルスが検出されました。豚コレラは、豚やイノシシが感染する病気であり、強い伝染力と高い致死率が特徴です。 ※豚コレラが人に感染することはありません。 また、今回の豚コレラは、中国で発生しているアフリカ豚コレラではないことが確認されています。根拠のない噂などによって混乱が生じないよう、こちらの記事でも案内させていただきます。 これまでの経緯 まず、今月3日に飼養豚が死亡しているのが確認され、県の検査が実施されましたが、当初は豚コレラが否定されました。 そのため、ひとまずは経過観察とされていましたが、事態が収束しないことから7日に県が改めて検査を実施したところ、豚コレラを否定できない結果が得られました。それを受け、8日に国の研究機関で精密検査をした結果、豚コレラの感染が確認されたという経緯になります。 その後、養豚場付近において、野生のイノシシでも感染が確認されています。1頭目は13日に養豚場から約7キロ北西の水路で死んでいました。2頭目は15日に約3.5キロ北東の住宅の庭で死体で見つかっています。 18日に発見された3~5頭目は、約7~9キロ離れた畑や公園などで死亡している状態で発見されました。いずれも養豚場から半径10キロメートル圏内で見つかっています。 9月29日追記:養豚場から北西に約8キロ離れた同市椿洞の山地で死んでいたイノシシを遺伝子検査したところ、陽性でした。これで野生イノシシの感染は7頭目となりました。 10月5日追記:さらに野生イノシシの感染確認は続き、現在12頭目。12頭目は、養豚場から北西に約8キロ離れた山中で生きたまま捕獲されたもの。 野生のイノシシに対する調査も開始 感染した野生のイノシシが移動することによる感染エリアの拡大が懸念されるため、岐阜市と市猟友会は22日から、周辺の山中で野生イノシシの生態調査を始めました。 イノシシの通り道やエサを食べた跡を探索し、生息範囲を特定するための調査を行っています。 また、岐阜県と県猟友会も、豚コレラに感染した野生のイノシシの死骸が見つかった岐阜市内の地区周辺で、イノシシへの感染状況の把握や個体数の削減を目的とした調査捕獲を25日から開始しています。 豚コレラの症状 豚コレラに感染した個体との直接接触や、その体液や排せつ物に接触することによって他の個体への感染が広がります。 強い伝染力があるため、体液や排泄物の飛沫や付着物と間接的に接触することでも感染が成立します。 豚の場合、感染すると、はじめのうちは発熱、食欲不振、うづくまり、元気消失、豚舎の場合は個体同士で体を寄せ合うパイルアップなどがみられます。 その後、結膜炎による目やにや、リンパ節の腫脹、呼吸障害、便秘に次ぐ下痢がみられるようになります。その後、運動失調や後躯(体の後方)まひなどの神経症状を起こし、耳介・尾・下腹部等に紫斑が見られるようになり、最後は起立困難となって死亡します。 発症から死亡するまでの期間が10~20日以内のものを急性豚コレラといい、発症と回復を繰り返した後に30日程度で死亡するものを慢性豚コレラといいます。経過期間が半年以上と長い遅発性の豚コレラもあります。 もし豚コレラが疑われたら?イノシシ等、野生動物に対する措置 まず、豚等が患畜または疑似患畜であると判定された場合、発生農場を中心とした半径3キロ以内の区域が、家畜等の移動を禁止する区域(移動制限区域)となります。 移動制限区域内の豚等の所有者に対しては、関係者以外の者の出入り自粛や、消毒の徹底、野生イノシシと豚等の接触が想定される場合、接触防止のための畜舎出入口の囲障を設置することなどが指導されます。 また、都道府県によって、野生動物における感染確認検査が行われます。具体的には、移動制限区域内における野生イノシシの死体や、猟友会等の協力を得て捕獲した野生イノシシに対する抗原検査や、血清抗体検査を実施するための検体採取が行われます。 これらの検査で陽性が確認された場合は、その野生イノシシを確保した地点の消毒や通行の制限・遮断が実施されます。また、野生イノシシがいた地点から半径10キロ圏内の豚所有者に対する注意喚起、飼養している豚等の異状の有無の確認が行われます。 死亡した野生のイノシシを見つけた場合は? 岐阜県内で野生のイノシシの死亡個体を発見した場合は、以下の事務所へご連絡ください。連絡の際、詳しい場所や、死んでいる頭数を伝えてください。また、死亡したイノシシは、触らないようにしてください。 担当課 所在地 電話番号...
【注意喚起】豚コレラの発生について
今月はじめ、岐阜市の養豚場で国内では26年ぶりとなる豚(とん)コレラウイルスが検出されました。豚コレラは、豚やイノシシが感染する病気であり、強い伝染力と高い致死率が特徴です。 ※豚コレラが人に感染することはありません。 また、今回の豚コレラは、中国で発生しているアフリカ豚コレラではないことが確認されています。根拠のない噂などによって混乱が生じないよう、こちらの記事でも案内させていただきます。 これまでの経緯 まず、今月3日に飼養豚が死亡しているのが確認され、県の検査が実施されましたが、当初は豚コレラが否定されました。 そのため、ひとまずは経過観察とされていましたが、事態が収束しないことから7日に県が改めて検査を実施したところ、豚コレラを否定できない結果が得られました。それを受け、8日に国の研究機関で精密検査をした結果、豚コレラの感染が確認されたという経緯になります。 その後、養豚場付近において、野生のイノシシでも感染が確認されています。1頭目は13日に養豚場から約7キロ北西の水路で死んでいました。2頭目は15日に約3.5キロ北東の住宅の庭で死体で見つかっています。 18日に発見された3~5頭目は、約7~9キロ離れた畑や公園などで死亡している状態で発見されました。いずれも養豚場から半径10キロメートル圏内で見つかっています。 9月29日追記:養豚場から北西に約8キロ離れた同市椿洞の山地で死んでいたイノシシを遺伝子検査したところ、陽性でした。これで野生イノシシの感染は7頭目となりました。 10月5日追記:さらに野生イノシシの感染確認は続き、現在12頭目。12頭目は、養豚場から北西に約8キロ離れた山中で生きたまま捕獲されたもの。 野生のイノシシに対する調査も開始 感染した野生のイノシシが移動することによる感染エリアの拡大が懸念されるため、岐阜市と市猟友会は22日から、周辺の山中で野生イノシシの生態調査を始めました。 イノシシの通り道やエサを食べた跡を探索し、生息範囲を特定するための調査を行っています。 また、岐阜県と県猟友会も、豚コレラに感染した野生のイノシシの死骸が見つかった岐阜市内の地区周辺で、イノシシへの感染状況の把握や個体数の削減を目的とした調査捕獲を25日から開始しています。 豚コレラの症状 豚コレラに感染した個体との直接接触や、その体液や排せつ物に接触することによって他の個体への感染が広がります。 強い伝染力があるため、体液や排泄物の飛沫や付着物と間接的に接触することでも感染が成立します。 豚の場合、感染すると、はじめのうちは発熱、食欲不振、うづくまり、元気消失、豚舎の場合は個体同士で体を寄せ合うパイルアップなどがみられます。 その後、結膜炎による目やにや、リンパ節の腫脹、呼吸障害、便秘に次ぐ下痢がみられるようになります。その後、運動失調や後躯(体の後方)まひなどの神経症状を起こし、耳介・尾・下腹部等に紫斑が見られるようになり、最後は起立困難となって死亡します。 発症から死亡するまでの期間が10~20日以内のものを急性豚コレラといい、発症と回復を繰り返した後に30日程度で死亡するものを慢性豚コレラといいます。経過期間が半年以上と長い遅発性の豚コレラもあります。 もし豚コレラが疑われたら?イノシシ等、野生動物に対する措置 まず、豚等が患畜または疑似患畜であると判定された場合、発生農場を中心とした半径3キロ以内の区域が、家畜等の移動を禁止する区域(移動制限区域)となります。 移動制限区域内の豚等の所有者に対しては、関係者以外の者の出入り自粛や、消毒の徹底、野生イノシシと豚等の接触が想定される場合、接触防止のための畜舎出入口の囲障を設置することなどが指導されます。 また、都道府県によって、野生動物における感染確認検査が行われます。具体的には、移動制限区域内における野生イノシシの死体や、猟友会等の協力を得て捕獲した野生イノシシに対する抗原検査や、血清抗体検査を実施するための検体採取が行われます。 これらの検査で陽性が確認された場合は、その野生イノシシを確保した地点の消毒や通行の制限・遮断が実施されます。また、野生イノシシがいた地点から半径10キロ圏内の豚所有者に対する注意喚起、飼養している豚等の異状の有無の確認が行われます。 死亡した野生のイノシシを見つけた場合は? 岐阜県内で野生のイノシシの死亡個体を発見した場合は、以下の事務所へご連絡ください。連絡の際、詳しい場所や、死んでいる頭数を伝えてください。また、死亡したイノシシは、触らないようにしてください。 担当課 所在地 電話番号...
【イベント紹介:岐阜】平成30年度 生物多様性に配慮した地域づくりシンポジウム
日時 平成30年7月29日(日) 13:00 ~ 16:30 場所 岐阜県立図書館 多目的ホール(岐阜県岐阜市宇佐4-2-1) 定員 300名 (参加費無料) 申込方法 氏名・所属及び連絡先を下記へお知らせください。 岐阜県 環境企画課 FAX:058-278-2610 メール:c11265@pref.gifu.lg.jp 内容 講演1 「生物多様性に与える外来種の影響・なぜ外来種が問題なのか?」 淺野 玄 氏(岐阜大学 応用生物科学部 共同獣医学科 准教授) 講演2 「里山の水辺再生に向けた外来魚対策」 角田 裕志 氏(埼玉県環境科学国際センター自然環境担当 主任) 活動報告1 「アルゼンチンアリの対策」 各務原市環境政策課 活動報告2 「天生県立自然公園における外来種駆除等の取り組み」 NPO法人 飛騨市・白川郷自然案内人協会 活動報告3 「ヌートリアの研究」 岐阜県立岐阜農林高等学校 動物科学科...
【イベント紹介:岐阜】平成30年度 生物多様性に配慮した地域づくりシンポジウム
日時 平成30年7月29日(日) 13:00 ~ 16:30 場所 岐阜県立図書館 多目的ホール(岐阜県岐阜市宇佐4-2-1) 定員 300名 (参加費無料) 申込方法 氏名・所属及び連絡先を下記へお知らせください。 岐阜県 環境企画課 FAX:058-278-2610 メール:c11265@pref.gifu.lg.jp 内容 講演1 「生物多様性に与える外来種の影響・なぜ外来種が問題なのか?」 淺野 玄 氏(岐阜大学 応用生物科学部 共同獣医学科 准教授) 講演2 「里山の水辺再生に向けた外来魚対策」 角田 裕志 氏(埼玉県環境科学国際センター自然環境担当 主任) 活動報告1 「アルゼンチンアリの対策」 各務原市環境政策課 活動報告2 「天生県立自然公園における外来種駆除等の取り組み」 NPO法人 飛騨市・白川郷自然案内人協会 活動報告3 「ヌートリアの研究」 岐阜県立岐阜農林高等学校 動物科学科...
【イベント紹介:北海道】平成30年度 森と人を育てるコンクールの実施
趣旨 全道の各地域において適切な森林整備を実践し模範となる優良林分を育てている森林所有者及び木育の実施団体等を評価、表彰し、林業技術の向上や森林づくりに対する道民の意識高揚と参加促進を図る。 主催 森と人を育てる実行委員会 (公益社団法人北海道森と緑の会、一般財団法人北海道造林協会、北海道森林組合連合会、北海道の4者で構成) 部門ごとに詳細内容を紹介しています。 ◆「森林所有者部門」の詳細はこちら >>>http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/sky/fukyu/H30moritohitowosodaterukonkuru.pdf ◆「木育部門」の詳細はこちら >>>http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/sky/homepage/midori/midori-homepage/24vc_oshirase.htm
【イベント紹介:北海道】平成30年度 森と人を育てるコンクールの実施
趣旨 全道の各地域において適切な森林整備を実践し模範となる優良林分を育てている森林所有者及び木育の実施団体等を評価、表彰し、林業技術の向上や森林づくりに対する道民の意識高揚と参加促進を図る。 主催 森と人を育てる実行委員会 (公益社団法人北海道森と緑の会、一般財団法人北海道造林協会、北海道森林組合連合会、北海道の4者で構成) 部門ごとに詳細内容を紹介しています。 ◆「森林所有者部門」の詳細はこちら >>>http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/sky/fukyu/H30moritohitowosodaterukonkuru.pdf ◆「木育部門」の詳細はこちら >>>http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/sky/homepage/midori/midori-homepage/24vc_oshirase.htm
2017年の鳥獣被害関連ニュース
2017年も残すところあと僅かとなってきましたが、今年も全国で様々な鳥獣被害関連のニュースがありました。その中でも特に目立ったニュースをダイジェストで紹介させていただきます。 市街地でのイノシシ出没が頻発 今年は市街地でのイノシシ出没が相次ぎました。 例えば、京都市の市街地では今年10頭のイノシシが確認されており、6月には京都大の学生寮「熊野寮」に出現。11月には平安神宮近くで体当たりされた男性が腕の骨を折るといった事故も発生しています。さらに、12月には左京区永観堂町の東山中学・高校校内に2頭が出現したというニュースも。 これまで人間の生活エリアとは距離を置いていたイノシシが市街地の中心部に出没するケースは年々増えてきており、市街地に住む一般の人も、イノシシに遭遇した際にどうしたら良いのか知っておく必要が出てきています。 万が一市街地でイノシシに遭遇した場合は、静かにゆっくりその場を離れること、無理に追い払おうとしたり攻撃を加えようとしたりしないこと、興奮させないようにすることが大切です。 参考記事: イノシシ対策~何をすればよいのか?【市街地編】 名所における鳥獣被害の現状 高松市のショッピングモールにイノシシが侵入 5人けが 鳥獣被害対策にICTやAI導入 今年は情報通信技術(ICT)を活用した獣害防除対策の事例をよく目にしました。 農水省による調査の結果、ICTを駆使した鳥獣害対策に42道府県312市町村が取り組んでいることが分かりました。鳥獣害対策としてのドローン導入や、遠隔監視によって設置した罠の捕獲状況を確認する手間を削減したり、おりに獣が入ったら遠隔操作で閉める等、作業の効率化が期待され、今後ICT活用はさらに広がる見通しです。 参考記事:ICTを活用した鳥獣害対策 さらには、AI(人工知能)を鳥獣被害対策に活かすという動きも出てきています。今年は、人工知能の深層学習(ディープラーニング)を使って暗視カメラで撮った害獣を検知する手法をNTTドコモが開発したというニュースがありました。 撮影した動画から切り取った連続する複数の画像を入力して特徴を抽出することで、イノシシなどの大きい動物からタヌキなどの小さい動物まで、8割の精度で検知できたとのこと。 近い将来、自宅に居ながら鳥獣対策が完結できるという時代がくるかもしれません。 イノシシ捕獲数証明で尻尾の提出義務付け(農林水産省) 来年4月以降、イノシシ捕獲の証明方法が変更されます。変更内容としては、写真と尻尾をそろえて提出することを義務化されることとなります。写真は頭を右向きにし、スプレーで体に日付などを入れて撮るよう統一することが求められます。 この変更にいたった背景として、駆除した猟師が、自治体から報酬を不正に受け取るケースが相次いことが挙げられます。これまで明らかとなっている不正の手口は、同じ個体を角度を変えて撮影した写真を別の個体として申請したりするもので、確認の緩さを突く内容であったため、今回のルール改正によって改善が期待されます。 狩猟者と自治体担当者双方の負荷が増えてしまう可能性もありますが、駆除の内容はルールに則ってしっかり証明することが重要になります。 参考記事:イノシシ捕獲数証明で尻尾の提出義務付けへ 捕獲獣の食肉活用が進む 今年は、捕獲したイノシシやシカを食資源として活用する試みが広がってきたことを実感した年でした。飲食店での活用や観光に生かそうと、解体処理施設や食肉流通システムの整備を進めたり、ブランド化する取り組みについてニュースで目にする機会が多かったように思います。 12月22日に閣議決定された2018年度政府予算案では、農林水産省が新たな「ジビエ倍増モデル整備事業」として五億五千万円を計上しています。交付金を出し、ジビエが安定供給されてビジネスとして成り立つのを支援するというものです。 個人的には、獲れた獣を資源として有効活用することは非常にポジティブな動きであると考えます。ビジネスとして成り立たせるためにはまだまだ課題が多いですが、鳥獣被害対策を行う人にとって食肉活用は一つのモチベーション源になるのではないでしょうか。 まとめ 上記のダイジェストを鑑みると、市街地における鳥獣被害対策や、ICTの活用は来年ますます重要になってくると予想されます。また、害獣駆除について正確な知識を習得することや、関係機関と地域が連携して継続的した取り組みを行っていくことは必須になります。 来る年が、皆さまにとって幸多き一年でありますよう。
2017年の鳥獣被害関連ニュース
2017年も残すところあと僅かとなってきましたが、今年も全国で様々な鳥獣被害関連のニュースがありました。その中でも特に目立ったニュースをダイジェストで紹介させていただきます。 市街地でのイノシシ出没が頻発 今年は市街地でのイノシシ出没が相次ぎました。 例えば、京都市の市街地では今年10頭のイノシシが確認されており、6月には京都大の学生寮「熊野寮」に出現。11月には平安神宮近くで体当たりされた男性が腕の骨を折るといった事故も発生しています。さらに、12月には左京区永観堂町の東山中学・高校校内に2頭が出現したというニュースも。 これまで人間の生活エリアとは距離を置いていたイノシシが市街地の中心部に出没するケースは年々増えてきており、市街地に住む一般の人も、イノシシに遭遇した際にどうしたら良いのか知っておく必要が出てきています。 万が一市街地でイノシシに遭遇した場合は、静かにゆっくりその場を離れること、無理に追い払おうとしたり攻撃を加えようとしたりしないこと、興奮させないようにすることが大切です。 参考記事: イノシシ対策~何をすればよいのか?【市街地編】 名所における鳥獣被害の現状 高松市のショッピングモールにイノシシが侵入 5人けが 鳥獣被害対策にICTやAI導入 今年は情報通信技術(ICT)を活用した獣害防除対策の事例をよく目にしました。 農水省による調査の結果、ICTを駆使した鳥獣害対策に42道府県312市町村が取り組んでいることが分かりました。鳥獣害対策としてのドローン導入や、遠隔監視によって設置した罠の捕獲状況を確認する手間を削減したり、おりに獣が入ったら遠隔操作で閉める等、作業の効率化が期待され、今後ICT活用はさらに広がる見通しです。 参考記事:ICTを活用した鳥獣害対策 さらには、AI(人工知能)を鳥獣被害対策に活かすという動きも出てきています。今年は、人工知能の深層学習(ディープラーニング)を使って暗視カメラで撮った害獣を検知する手法をNTTドコモが開発したというニュースがありました。 撮影した動画から切り取った連続する複数の画像を入力して特徴を抽出することで、イノシシなどの大きい動物からタヌキなどの小さい動物まで、8割の精度で検知できたとのこと。 近い将来、自宅に居ながら鳥獣対策が完結できるという時代がくるかもしれません。 イノシシ捕獲数証明で尻尾の提出義務付け(農林水産省) 来年4月以降、イノシシ捕獲の証明方法が変更されます。変更内容としては、写真と尻尾をそろえて提出することを義務化されることとなります。写真は頭を右向きにし、スプレーで体に日付などを入れて撮るよう統一することが求められます。 この変更にいたった背景として、駆除した猟師が、自治体から報酬を不正に受け取るケースが相次いことが挙げられます。これまで明らかとなっている不正の手口は、同じ個体を角度を変えて撮影した写真を別の個体として申請したりするもので、確認の緩さを突く内容であったため、今回のルール改正によって改善が期待されます。 狩猟者と自治体担当者双方の負荷が増えてしまう可能性もありますが、駆除の内容はルールに則ってしっかり証明することが重要になります。 参考記事:イノシシ捕獲数証明で尻尾の提出義務付けへ 捕獲獣の食肉活用が進む 今年は、捕獲したイノシシやシカを食資源として活用する試みが広がってきたことを実感した年でした。飲食店での活用や観光に生かそうと、解体処理施設や食肉流通システムの整備を進めたり、ブランド化する取り組みについてニュースで目にする機会が多かったように思います。 12月22日に閣議決定された2018年度政府予算案では、農林水産省が新たな「ジビエ倍増モデル整備事業」として五億五千万円を計上しています。交付金を出し、ジビエが安定供給されてビジネスとして成り立つのを支援するというものです。 個人的には、獲れた獣を資源として有効活用することは非常にポジティブな動きであると考えます。ビジネスとして成り立たせるためにはまだまだ課題が多いですが、鳥獣被害対策を行う人にとって食肉活用は一つのモチベーション源になるのではないでしょうか。 まとめ 上記のダイジェストを鑑みると、市街地における鳥獣被害対策や、ICTの活用は来年ますます重要になってくると予想されます。また、害獣駆除について正確な知識を習得することや、関係機関と地域が連携して継続的した取り組みを行っていくことは必須になります。 来る年が、皆さまにとって幸多き一年でありますよう。
名所における鳥獣被害の現状
近年、野生鳥獣が人間の生活エリアに侵入することが多くなり、名所においても鳥獣被害が頻発するようになりました。 通行人との接触が起きたり、予定していたイベントが中止されたり、食害によって景観が損なわれてしまう事例が発生しています。また、特定外来生物も生息域を広げており、人間が入り込まないようなエリアにおいても確認されるようになってきています。 琵琶湖疏水 京都 京都市山科区の琵琶湖疏水沿いでは、菜の花と桜が春の風物詩となっています。菜の花と桜のコントラストによって、美しい景観が楽しめる名所として広く知られており、近年では外国人観光客も増えています。 この名所を支えるのが、近隣住民でつくる「なの花ボランティアグループ」。JR山科駅から北へ500メートルほどの疏水両岸に、20年以上前から菜の花を毎年丹精込めて育てています。 来春からは、観光船も本格運航する予定です。 しかしながら、数年前から獣害に悩まされており、特に今年は被害が深刻と言います。イノシシが地面を掘り返したり、シカが苗を食べたような痕跡や足跡が、種まき以来相次いで見つかっており、例年の5~6割ほどしか咲かないかもしれないと危惧されています。 防護ネットを張ったり、忌避剤を散布していますが、被害は収まっていないのが現状です。 文化財指定庭園 兼六園 石川 石川県金沢市にある日本庭園、兼六園。岡山市の後楽園と水戸市の偕楽園と並んで日本三名園の一つに数えられている名所で、2009年のミシュラン観光ガイドにおいて最高評価の3つ星に選ばれたこともあります。 四季折々、色々な表情を見せてくれる兼六園ですが、四季ごとに実施されるライトアップのイベントが特に人気で、幻想的な情景が楽しめるため多くの人が訪れる催事となっています。 今年12月6日午後7時ごろ、兼六園職員がイノシシを目撃し、ライトアップイベント中に園が閉鎖され、観光客らが避難するという事態になりました。金沢中署によると、隣接する金沢城公園でも同様にイノシシが目撃されているようで、事故を防ぐために注意喚起を行っている状況です。 平安神宮 京都 名所の多い京都府ですが、平安神宮でも獣害が報告されています。平安神宮は、幕末の動乱や遷都に対する復興事業として、明治時代に建設された神社です。 参拝者数にくらべて境内が広い平安神宮ですが、今年11月に体長約1メートル程のイノシシが現れ、逃走。逃走中に平安神宮西側の建設現場で作業中の50代男性に衝突したという事故が発生しています。男性は左腕を骨折しました。 イノシシはそのまま西へ逃走を続け、最後は中京区の二条城西側の堀に飛び込み、溺死しました。他にも京都市では、観光客に人気の寺などが多くある東部の東山のふもとでイノシシの目撃が相次いだり、市内の高校にイノシシが侵入したりする事件が発生しています。 知床の世界遺産域 北海道 知床は、北半球において流氷が接岸する場所の最南端です。海洋生態系と陸上生態系の相関によって特異な生態系が見られることや、動植物とも北方系と南方系の両種が混在する多様性が見られ、希少種の生息地や越冬地になっていることから、2005年に自然遺産に登録されました。 しかし、昨年設置されたエゾジカ調査用のカメラを回収し確認したところ、縞模様の尾を持つ動物が映っており、特定外来生物アライグマであると特定。世界自然遺産区域にまで生息域を広げていることが確認されたため、絶滅危惧種のシマフクロウなど、知床の生態系が脅かされる可能性が危惧されています。 参考記事:アライグマの生態・対策・駆除について 国指定史跡 伊勢堂岱遺跡 秋田 伊勢堂岱遺跡(いせどうたいいせき)は、秋田県北秋田市脇神にある縄文時代後期前半の遺跡です。 昨年環境整備を終え、ガイダンス施設「伊勢堂岱縄文館」も新たにオープンし、伊勢堂岱遺跡をはじめとした北秋田市内の縄文遺跡の出土品を展示した展示室や、遺跡をわかりやすく解説した映像を上映していました。 しかし今年はクマの目撃が伊勢堂岱遺跡周辺で相次いだため、6月から一般公開を中止していました。7月15日から公開を部分的に再開する予定で、前日に職員が見回りを行っていたところ、50代の男性職員がクマに襲われ、額や手にけがをしました。 そのため、閉鎖延長が決定され、2018年4月の公開を目指して遺跡周辺の立木伐採など環境整備を進めている状況です。 このような現状を打開するために 名所においては、害獣対策を実施することが他の場所よりも困難になります。人身事故が起こる可能性を極力排除しつつ、害獣の生態・行動を理解した対策を講じる必要があります。 突然獣が出現した場合、捕獲を無理に行うことはやめましょう。また、捕獲作業中、危険が生じた場合はただちに作業を中止すること。捕獲の実施が不可能な場合には、追い払い対応に移行しましょう。...
名所における鳥獣被害の現状
近年、野生鳥獣が人間の生活エリアに侵入することが多くなり、名所においても鳥獣被害が頻発するようになりました。 通行人との接触が起きたり、予定していたイベントが中止されたり、食害によって景観が損なわれてしまう事例が発生しています。また、特定外来生物も生息域を広げており、人間が入り込まないようなエリアにおいても確認されるようになってきています。 琵琶湖疏水 京都 京都市山科区の琵琶湖疏水沿いでは、菜の花と桜が春の風物詩となっています。菜の花と桜のコントラストによって、美しい景観が楽しめる名所として広く知られており、近年では外国人観光客も増えています。 この名所を支えるのが、近隣住民でつくる「なの花ボランティアグループ」。JR山科駅から北へ500メートルほどの疏水両岸に、20年以上前から菜の花を毎年丹精込めて育てています。 来春からは、観光船も本格運航する予定です。 しかしながら、数年前から獣害に悩まされており、特に今年は被害が深刻と言います。イノシシが地面を掘り返したり、シカが苗を食べたような痕跡や足跡が、種まき以来相次いで見つかっており、例年の5~6割ほどしか咲かないかもしれないと危惧されています。 防護ネットを張ったり、忌避剤を散布していますが、被害は収まっていないのが現状です。 文化財指定庭園 兼六園 石川 石川県金沢市にある日本庭園、兼六園。岡山市の後楽園と水戸市の偕楽園と並んで日本三名園の一つに数えられている名所で、2009年のミシュラン観光ガイドにおいて最高評価の3つ星に選ばれたこともあります。 四季折々、色々な表情を見せてくれる兼六園ですが、四季ごとに実施されるライトアップのイベントが特に人気で、幻想的な情景が楽しめるため多くの人が訪れる催事となっています。 今年12月6日午後7時ごろ、兼六園職員がイノシシを目撃し、ライトアップイベント中に園が閉鎖され、観光客らが避難するという事態になりました。金沢中署によると、隣接する金沢城公園でも同様にイノシシが目撃されているようで、事故を防ぐために注意喚起を行っている状況です。 平安神宮 京都 名所の多い京都府ですが、平安神宮でも獣害が報告されています。平安神宮は、幕末の動乱や遷都に対する復興事業として、明治時代に建設された神社です。 参拝者数にくらべて境内が広い平安神宮ですが、今年11月に体長約1メートル程のイノシシが現れ、逃走。逃走中に平安神宮西側の建設現場で作業中の50代男性に衝突したという事故が発生しています。男性は左腕を骨折しました。 イノシシはそのまま西へ逃走を続け、最後は中京区の二条城西側の堀に飛び込み、溺死しました。他にも京都市では、観光客に人気の寺などが多くある東部の東山のふもとでイノシシの目撃が相次いだり、市内の高校にイノシシが侵入したりする事件が発生しています。 知床の世界遺産域 北海道 知床は、北半球において流氷が接岸する場所の最南端です。海洋生態系と陸上生態系の相関によって特異な生態系が見られることや、動植物とも北方系と南方系の両種が混在する多様性が見られ、希少種の生息地や越冬地になっていることから、2005年に自然遺産に登録されました。 しかし、昨年設置されたエゾジカ調査用のカメラを回収し確認したところ、縞模様の尾を持つ動物が映っており、特定外来生物アライグマであると特定。世界自然遺産区域にまで生息域を広げていることが確認されたため、絶滅危惧種のシマフクロウなど、知床の生態系が脅かされる可能性が危惧されています。 参考記事:アライグマの生態・対策・駆除について 国指定史跡 伊勢堂岱遺跡 秋田 伊勢堂岱遺跡(いせどうたいいせき)は、秋田県北秋田市脇神にある縄文時代後期前半の遺跡です。 昨年環境整備を終え、ガイダンス施設「伊勢堂岱縄文館」も新たにオープンし、伊勢堂岱遺跡をはじめとした北秋田市内の縄文遺跡の出土品を展示した展示室や、遺跡をわかりやすく解説した映像を上映していました。 しかし今年はクマの目撃が伊勢堂岱遺跡周辺で相次いだため、6月から一般公開を中止していました。7月15日から公開を部分的に再開する予定で、前日に職員が見回りを行っていたところ、50代の男性職員がクマに襲われ、額や手にけがをしました。 そのため、閉鎖延長が決定され、2018年4月の公開を目指して遺跡周辺の立木伐採など環境整備を進めている状況です。 このような現状を打開するために 名所においては、害獣対策を実施することが他の場所よりも困難になります。人身事故が起こる可能性を極力排除しつつ、害獣の生態・行動を理解した対策を講じる必要があります。 突然獣が出現した場合、捕獲を無理に行うことはやめましょう。また、捕獲作業中、危険が生じた場合はただちに作業を中止すること。捕獲の実施が不可能な場合には、追い払い対応に移行しましょう。...
イノシシ捕獲数証明で尻尾の提出義務付けへ
農林業に害を及ぼす鳥獣を駆除した猟師が、自治体から報酬を不正に受け取るケースが相次いでいることを受け、農林水産省は来年4月から運用を厳しくする。 これまでは支給の窓口となる自治体において、尻尾や耳、牙など獲物の証明方法はばらつきがあったが、来年4月以降は証明方法を統一し、書類申請の場合には尻尾の提出を義務付けることとなった。 国は平成25(2013)年度から、農作物の被害を減らそうと、鳥獣駆除への交付金を開始した。イノシシやシカ、クマだと1頭当たり最大8千円を出し、これを元手に市町村が猟師へ報酬を支払う。独自に単価を上乗せする所もある。 現状は、支給申請は市町村などの職員による現地確認がなくても認められ、約8割の自治体が写真や個体の一部といった証拠品で確認していたが、尻尾や耳などの提出部位や撮影ルールはばらつきがあった。 来年4月以降の証明方法としては、写真と尻尾をそろえて提出することを義務化。 写真は頭を右向きにし、スプレーで体に日付などを入れて撮るよう統一する。 これまで明らかとなっている不正の手口は、同じ個体を角度を変えて撮影した写真を別の個体として申請したりするもので、鹿児島県霧島市や兵庫県佐用町で確認の緩さを突く内容であったため、今回のルール改正によって改善が期待される。
イノシシ捕獲数証明で尻尾の提出義務付けへ
農林業に害を及ぼす鳥獣を駆除した猟師が、自治体から報酬を不正に受け取るケースが相次いでいることを受け、農林水産省は来年4月から運用を厳しくする。 これまでは支給の窓口となる自治体において、尻尾や耳、牙など獲物の証明方法はばらつきがあったが、来年4月以降は証明方法を統一し、書類申請の場合には尻尾の提出を義務付けることとなった。 国は平成25(2013)年度から、農作物の被害を減らそうと、鳥獣駆除への交付金を開始した。イノシシやシカ、クマだと1頭当たり最大8千円を出し、これを元手に市町村が猟師へ報酬を支払う。独自に単価を上乗せする所もある。 現状は、支給申請は市町村などの職員による現地確認がなくても認められ、約8割の自治体が写真や個体の一部といった証拠品で確認していたが、尻尾や耳などの提出部位や撮影ルールはばらつきがあった。 来年4月以降の証明方法としては、写真と尻尾をそろえて提出することを義務化。 写真は頭を右向きにし、スプレーで体に日付などを入れて撮るよう統一する。 これまで明らかとなっている不正の手口は、同じ個体を角度を変えて撮影した写真を別の個体として申請したりするもので、鹿児島県霧島市や兵庫県佐用町で確認の緩さを突く内容であったため、今回のルール改正によって改善が期待される。
クマに襲われ84歳男性大けが。秋田のりんご畑
10月26日の早朝、秋田県北秋田市阿仁伏影の山あいの集落で、84歳の男性が自宅裏のりんご畑でクマに襲われ、あごの骨を折るなどの大けがを負った。 北秋田署によると、男性の自宅裏のリンゴ畑でクマによる食害が多発していたため、仕掛けていたわなの様子を見に行ったところ、体長約80センチの子グマが掛かっているのを発見。その直後に杉林から現れた親とみられるクマに襲われ、顔や首などを負傷したとのこと。なお命に別状はない模様。 今回男性が被害にあった地区では、クマの目撃情報や農作物の食害が続いていたため、先月2日から県の許可を受けて市がオリを設置し、これまでに6頭を捕獲している。また、男性を襲ったクマは見つかっておらず、警察や市の職員が住民に注意を呼びかけている。 秋田県自然保護課によると、今月の目撃件数は10月24日時点で121件に上り、過去10年の平均(21件)を大きく上回っているとのこと。今年に入ってからの人身被害は17件(18人)に上り、10月は7日に鹿角市の農作業所で1件発生したほか、25日にも人身被害が起きていた。 今年はブナやナラなどクマの餌となる木の実が凶作で、今後も人里周辺への出没が予想されるという。これらを受け、秋田県は10月27日、県内全域を対象に今月末まで発令していたツキノワグマの出没警報を、12月20日まで延長すると発表した。延長は7、8月に続き3回目である。
クマに襲われ84歳男性大けが。秋田のりんご畑
10月26日の早朝、秋田県北秋田市阿仁伏影の山あいの集落で、84歳の男性が自宅裏のりんご畑でクマに襲われ、あごの骨を折るなどの大けがを負った。 北秋田署によると、男性の自宅裏のリンゴ畑でクマによる食害が多発していたため、仕掛けていたわなの様子を見に行ったところ、体長約80センチの子グマが掛かっているのを発見。その直後に杉林から現れた親とみられるクマに襲われ、顔や首などを負傷したとのこと。なお命に別状はない模様。 今回男性が被害にあった地区では、クマの目撃情報や農作物の食害が続いていたため、先月2日から県の許可を受けて市がオリを設置し、これまでに6頭を捕獲している。また、男性を襲ったクマは見つかっておらず、警察や市の職員が住民に注意を呼びかけている。 秋田県自然保護課によると、今月の目撃件数は10月24日時点で121件に上り、過去10年の平均(21件)を大きく上回っているとのこと。今年に入ってからの人身被害は17件(18人)に上り、10月は7日に鹿角市の農作業所で1件発生したほか、25日にも人身被害が起きていた。 今年はブナやナラなどクマの餌となる木の実が凶作で、今後も人里周辺への出没が予想されるという。これらを受け、秋田県は10月27日、県内全域を対象に今月末まで発令していたツキノワグマの出没警報を、12月20日まで延長すると発表した。延長は7、8月に続き3回目である。
高松市のショッピングモールにイノシシが侵入 5人けが
10月23日午後6時50分ごろ、香川県高松市香西本町の「イオンモール高松」に体長1.1mのメスのイノシシが出没。出入口から一階のアウトドア用品店に入っていき、その後来店していた客や従業員の足に噛みつくなどしたという。 「イノシシ1頭が店内1階を徘徊している」と客から110番通報を受け、駆け付けた警察も手を噛まれたが、その後10名程の警察官が網を使って捕獲した。 香川県警高松北署によると、買い物に来ていた14歳男子中学生が、イノシシとぶつかって倒れた商品棚に足をぶつけたほか、店員と警備員の計3人(20代~30代)が足を噛まれ、警察官1人も手を噛まれたが、いずれも軽症。 イオンモール高松は海と川に面した市街地の大型店舗だが、南西に1.5kmほど離れた位置にイノシシが生息する勝賀山があり、南東には高松市峰山公園がある。 峰山公園付近では今年8月下旬、イノシシが計10頭捕獲されており、高松市内全域においても最近イノシシの出没情報が数多く寄せられている。またイノシシが市街地に出没し車と接触したり、噛みつかれたりする事故が多数発生している状況である。 >>こちらの記事もどうぞ。イノシシ対策~何をすればよいのか?【市街地編】
高松市のショッピングモールにイノシシが侵入 5人けが
10月23日午後6時50分ごろ、香川県高松市香西本町の「イオンモール高松」に体長1.1mのメスのイノシシが出没。出入口から一階のアウトドア用品店に入っていき、その後来店していた客や従業員の足に噛みつくなどしたという。 「イノシシ1頭が店内1階を徘徊している」と客から110番通報を受け、駆け付けた警察も手を噛まれたが、その後10名程の警察官が網を使って捕獲した。 香川県警高松北署によると、買い物に来ていた14歳男子中学生が、イノシシとぶつかって倒れた商品棚に足をぶつけたほか、店員と警備員の計3人(20代~30代)が足を噛まれ、警察官1人も手を噛まれたが、いずれも軽症。 イオンモール高松は海と川に面した市街地の大型店舗だが、南西に1.5kmほど離れた位置にイノシシが生息する勝賀山があり、南東には高松市峰山公園がある。 峰山公園付近では今年8月下旬、イノシシが計10頭捕獲されており、高松市内全域においても最近イノシシの出没情報が数多く寄せられている。またイノシシが市街地に出没し車と接触したり、噛みつかれたりする事故が多数発生している状況である。 >>こちらの記事もどうぞ。イノシシ対策~何をすればよいのか?【市街地編】
補助金を使った鳥獣被害対策の電気柵、全国200か所以上で機能せず
イノシシやシカなど野生動物に田畑を荒らされることによる農作物の被害額は、全国で年間およそ200億円に上っている。そのため、農林水産省は山間部に近い自治体などに交付金を出し、動物が田畑に侵入するのを防ぐ「電気柵」等の柵を設置する補助事業を実施している。 この事業は、電気柵やワイヤを張った柵を田畑に設置するなどした場合、最大で全額が補助される「鳥獣被害防止総合対策交付金事業」。 事業の始まった2008年度から2017年度までの間、東京都を除く46道府県に約840億円が交付された。 この交付金による対策が適切に実施されているか、会計検査院が全国10余りの道府県を抽出して柵の設置状況を調べたところ、200か所以上で動物が容易に田畑に侵入できるような状態であることがわかった。 維持管理や設置方法に問題があったことが原因で、不具合によって計約5億円分の農作物被害が出ていた。 自治体が設置場所の地権者の合意を得ることができず、田畑を囲うように柵を設置できなかったケースや、柵が倒れて動物の侵入を防げない状態になっていたケース、さらに柵が倒れていた場所の中には、設置後1年以上点検していなかったケースもあったとのこと。 電気柵は、防護柵に通電することで、侵入しようとする野生動物に電気ショックを与え、物理的な遮断というよりは、心理的な遮断効果を狙うものである。適正に設置・管理できれば、高い効果が期待できるが、そもそも田畑を囲うことができないと意味がない。また設置後も、漏電防止などのメンテナンスが必要なこと、費用が割高であることがデメリットである。 今回の調査結果は、そもそも柵の設置時点で不備があったこと、設置後のメンテナンスが適正に行われていなかったことが浮き彫りになった形だ。会計検査院は、農林水産省に対し改善を求めることにしている。 参考記事:効果的な柵の設置方法について
補助金を使った鳥獣被害対策の電気柵、全国200か所以上で機能せず
イノシシやシカなど野生動物に田畑を荒らされることによる農作物の被害額は、全国で年間およそ200億円に上っている。そのため、農林水産省は山間部に近い自治体などに交付金を出し、動物が田畑に侵入するのを防ぐ「電気柵」等の柵を設置する補助事業を実施している。 この事業は、電気柵やワイヤを張った柵を田畑に設置するなどした場合、最大で全額が補助される「鳥獣被害防止総合対策交付金事業」。 事業の始まった2008年度から2017年度までの間、東京都を除く46道府県に約840億円が交付された。 この交付金による対策が適切に実施されているか、会計検査院が全国10余りの道府県を抽出して柵の設置状況を調べたところ、200か所以上で動物が容易に田畑に侵入できるような状態であることがわかった。 維持管理や設置方法に問題があったことが原因で、不具合によって計約5億円分の農作物被害が出ていた。 自治体が設置場所の地権者の合意を得ることができず、田畑を囲うように柵を設置できなかったケースや、柵が倒れて動物の侵入を防げない状態になっていたケース、さらに柵が倒れていた場所の中には、設置後1年以上点検していなかったケースもあったとのこと。 電気柵は、防護柵に通電することで、侵入しようとする野生動物に電気ショックを与え、物理的な遮断というよりは、心理的な遮断効果を狙うものである。適正に設置・管理できれば、高い効果が期待できるが、そもそも田畑を囲うことができないと意味がない。また設置後も、漏電防止などのメンテナンスが必要なこと、費用が割高であることがデメリットである。 今回の調査結果は、そもそも柵の設置時点で不備があったこと、設置後のメンテナンスが適正に行われていなかったことが浮き彫りになった形だ。会計検査院は、農林水産省に対し改善を求めることにしている。 参考記事:効果的な柵の設置方法について
JR青梅線、シカと衝突で遅延
10月19日午前6時43分ごろ、列車が「シカ」と衝突し、その影響で遅延が生じた。遅延したのはJR青梅線で、青梅~立川の上り線の一部列車に最大10分程度の遅れが生じた。 シカやイノシシなどと列車との衝突事故は、山間部を中心に年々増加してきており、鉄道会社の悩みの種となっている。このうち、電車とシカの衝突件数は年間で5000件とも言われる。 JR東日本八王子支社は、東京多摩地区や山梨、埼玉にまたがる中央線、青梅線、八高線、五日市線、横浜線、南武線、武蔵野線を管轄しているが、管轄内での動物衝突事故件数は2013年度に約60件、2014年度は約90件、2015年度は約100件と増え続けていた。 そのため、今年1月にわなの設置で対策を強化していた。 シカの推定個体数は増加傾向であり、平成25年度末では、全国(本州以南)のニホンジカの推定個体数は中央値約305万頭となっている。さらに、現状の捕獲率を維持したままだと、平成35年度には中央値で約453万頭(平成25年度の個体数の約1.5倍)まで増加すると予測されている(環境省ホームページ)。 シカは鉄分を好む習性があり、線路に近づくのは電車の車輪や線路に含まれる鉄分を求めることが理由といわれている。このまま個体数が増加すれば、衝突事故も増えていくことが予想される。
JR青梅線、シカと衝突で遅延
10月19日午前6時43分ごろ、列車が「シカ」と衝突し、その影響で遅延が生じた。遅延したのはJR青梅線で、青梅~立川の上り線の一部列車に最大10分程度の遅れが生じた。 シカやイノシシなどと列車との衝突事故は、山間部を中心に年々増加してきており、鉄道会社の悩みの種となっている。このうち、電車とシカの衝突件数は年間で5000件とも言われる。 JR東日本八王子支社は、東京多摩地区や山梨、埼玉にまたがる中央線、青梅線、八高線、五日市線、横浜線、南武線、武蔵野線を管轄しているが、管轄内での動物衝突事故件数は2013年度に約60件、2014年度は約90件、2015年度は約100件と増え続けていた。 そのため、今年1月にわなの設置で対策を強化していた。 シカの推定個体数は増加傾向であり、平成25年度末では、全国(本州以南)のニホンジカの推定個体数は中央値約305万頭となっている。さらに、現状の捕獲率を維持したままだと、平成35年度には中央値で約453万頭(平成25年度の個体数の約1.5倍)まで増加すると予測されている(環境省ホームページ)。 シカは鉄分を好む習性があり、線路に近づくのは電車の車輪や線路に含まれる鉄分を求めることが理由といわれている。このまま個体数が増加すれば、衝突事故も増えていくことが予想される。
農林水産省 平成29(2017)年度 鳥獣被害対策優良活動表彰の候補を募集
野生鳥獣による農林水産業被害が全国的に深刻化しているのをうけ、農林水産省は野生鳥獣被害の対策に取り組む個人や団体を表彰している。今年(平成29(2017)年度)も表彰候補の募集が開示されたので、鳥獣被害対策に取り組む個人や団体は参考にしていただきたい。 応募方法と期限 応募方法は以下の2通りで、それぞれ期限が異なる。 1. 都道府県による推薦 応募者は、自薦・他薦を問わず、応募用紙に必要事項を記入し、都道府県鳥獣被害対策担当部署に平成29年12月4日(月)までに提出。その後、都道府県の推薦により、農村振興局農村政策部農村環境課に提出される。 <<応募用紙のダウンロードはこちらをクリック>> 2. 農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーによる推薦 農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー※が表彰の候補を推薦する。この場合、アドバイザーが、上記応募用紙と彰推薦調書を農林水産省農村振興局農村政策部農村環境課に平成29年12月8日(金)までに提出する。 <<詳しくはこちらの表彰実施要領をダウンロードして参照。>> ※農林水産省では、野生鳥獣による農作物被害の防除に関する専門的な知識及び経験を有し、地域における被害防止対策の実施に際し、助言等を行うことができる者を「農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー」として登録し、地域の要請に応じて紹介する「農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー制度」を設けている。 表彰内容 個人の場合は、地域の鳥獣被害対策への的確な指導・助言又は継続的な参加により、地域への貢献が顕著であると認められる者(行政担当者を含む。)が表彰対象となる。団体については、他の模範となるような鳥獣被害対策に継続的に取り組んでいる団体が対象。なお平成29年度の表彰式については、平成30年2月頃を予定。 ・農林水産大臣賞 2点以内・・・被害防止部門(個人・団体)または捕獲鳥獣利活用部門(個人・団体) ・農林水産省農村振興局長賞 6点以内・・・被害防止部門(個人・団体)または捕獲鳥獣利活用部門(個人・団体) 過去の受賞例 過去の受賞内容概要を以下に紹介するので、参考にしていただきたい(クリックで概要をダウンロード)。 <<平成28年度(2016年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成27年度(2015年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成26年度(2014年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成25年度(2013年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成24年度(2012年)受賞者概要PDFファイル>> 審査基準 鳥獣被害対策に関し学識経験等を有する委員で構成する審査委員会が設置され、都道府県及びアドバイザーからの推薦内容を以下の基準に照らして審査し、表彰の候補を選定する。 地域一体的な活動 ・地域住民の合意形成の下、被害防止やジビエ利活用等の活動が行われている。 ・鳥獣被害対策実施隊の設置が行われ、活動の強化に対して貢献している。...
農林水産省 平成29(2017)年度 鳥獣被害対策優良活動表彰の候補を募集
野生鳥獣による農林水産業被害が全国的に深刻化しているのをうけ、農林水産省は野生鳥獣被害の対策に取り組む個人や団体を表彰している。今年(平成29(2017)年度)も表彰候補の募集が開示されたので、鳥獣被害対策に取り組む個人や団体は参考にしていただきたい。 応募方法と期限 応募方法は以下の2通りで、それぞれ期限が異なる。 1. 都道府県による推薦 応募者は、自薦・他薦を問わず、応募用紙に必要事項を記入し、都道府県鳥獣被害対策担当部署に平成29年12月4日(月)までに提出。その後、都道府県の推薦により、農村振興局農村政策部農村環境課に提出される。 <<応募用紙のダウンロードはこちらをクリック>> 2. 農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーによる推薦 農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー※が表彰の候補を推薦する。この場合、アドバイザーが、上記応募用紙と彰推薦調書を農林水産省農村振興局農村政策部農村環境課に平成29年12月8日(金)までに提出する。 <<詳しくはこちらの表彰実施要領をダウンロードして参照。>> ※農林水産省では、野生鳥獣による農作物被害の防除に関する専門的な知識及び経験を有し、地域における被害防止対策の実施に際し、助言等を行うことができる者を「農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー」として登録し、地域の要請に応じて紹介する「農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー制度」を設けている。 表彰内容 個人の場合は、地域の鳥獣被害対策への的確な指導・助言又は継続的な参加により、地域への貢献が顕著であると認められる者(行政担当者を含む。)が表彰対象となる。団体については、他の模範となるような鳥獣被害対策に継続的に取り組んでいる団体が対象。なお平成29年度の表彰式については、平成30年2月頃を予定。 ・農林水産大臣賞 2点以内・・・被害防止部門(個人・団体)または捕獲鳥獣利活用部門(個人・団体) ・農林水産省農村振興局長賞 6点以内・・・被害防止部門(個人・団体)または捕獲鳥獣利活用部門(個人・団体) 過去の受賞例 過去の受賞内容概要を以下に紹介するので、参考にしていただきたい(クリックで概要をダウンロード)。 <<平成28年度(2016年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成27年度(2015年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成26年度(2014年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成25年度(2013年)受賞者概要PDFファイル>> <<平成24年度(2012年)受賞者概要PDFファイル>> 審査基準 鳥獣被害対策に関し学識経験等を有する委員で構成する審査委員会が設置され、都道府県及びアドバイザーからの推薦内容を以下の基準に照らして審査し、表彰の候補を選定する。 地域一体的な活動 ・地域住民の合意形成の下、被害防止やジビエ利活用等の活動が行われている。 ・鳥獣被害対策実施隊の設置が行われ、活動の強化に対して貢献している。...
富山県でイノシシの出没が相次ぐ
10月7日、富山県西部の南砺市と砺波市でイノシシの目撃が相次いだことを受け、警察などは8日朝からパトロールを強化し注意を呼びかけている。 7日午後2時半ごろ、南砺市で走行中の軽乗用車や大型トラックがイノシシと衝突。 さらに、事故から30分後には現場から3キロほど離れた砺波市の民家の敷地内にイノシシが浸入。 8日朝から警察が目撃現場周辺をパトロールするもイノシシは確認されておらず、注意を呼びかけている。 また、10日未明、富山市で道路に飛び出してきたイノシシが乗用車に衝突する事故が発生。 成獣のイノシシ1頭と子どもとみられる2頭のイノシシが一列に並んで道路を横切っていたところ乗用車と衝突したとみられる。 衝突後、体長およそ50センチの子どものイノシシが見つかり、その場で死んだ。 さらに、昼過ぎには現場近くで同じ車に衝突したとみられる子どものイノシシがみつかった。右足をケガして動けない状態であり、10日午後4時ごろにこのイノシシを捕獲したが、回復が見込めないことから殺処分することとなった。 警察は、成獣のイノシシがまだ見つかっていないことから、近くにいる可能性があるとして注意を呼びかけている。
富山県でイノシシの出没が相次ぐ
10月7日、富山県西部の南砺市と砺波市でイノシシの目撃が相次いだことを受け、警察などは8日朝からパトロールを強化し注意を呼びかけている。 7日午後2時半ごろ、南砺市で走行中の軽乗用車や大型トラックがイノシシと衝突。 さらに、事故から30分後には現場から3キロほど離れた砺波市の民家の敷地内にイノシシが浸入。 8日朝から警察が目撃現場周辺をパトロールするもイノシシは確認されておらず、注意を呼びかけている。 また、10日未明、富山市で道路に飛び出してきたイノシシが乗用車に衝突する事故が発生。 成獣のイノシシ1頭と子どもとみられる2頭のイノシシが一列に並んで道路を横切っていたところ乗用車と衝突したとみられる。 衝突後、体長およそ50センチの子どものイノシシが見つかり、その場で死んだ。 さらに、昼過ぎには現場近くで同じ車に衝突したとみられる子どものイノシシがみつかった。右足をケガして動けない状態であり、10日午後4時ごろにこのイノシシを捕獲したが、回復が見込めないことから殺処分することとなった。 警察は、成獣のイノシシがまだ見つかっていないことから、近くにいる可能性があるとして注意を呼びかけている。
イノシシが佐世保市内の住宅地に現れ、住民を襲う
10月1日、午前7時55分ごろ、長崎県佐世保市の住宅地にイノシシが現れ、2人が手などをかまれた。被害を受けたのは、車いすに乗っていた59歳の男性と、89歳の女性で、指の骨を折る大けがであった。 他にも、原付バイクや車に衝突し、警察や猟友会が警戒していたところ、午後になって2人を襲ったと見られるイノシシが市内で発見され、駆除された。体長約1.2メートル、推定体重70~79kgのメスのイノシシであった。 上記被害発生後、目撃者から通報を受けた警察と消防は、佐世保市に速やかに情報提供し、市が捕獲のため猟友会に連絡。現場付近では防災行政無線やチラシで住民に注意を呼び掛けていたという。 長崎県内でイノシシによる人身被害の報告は本年度初めてであったが、2015年度と16年度の被害報告はともに2件だった。 長崎県はこれを受け、10月5日、関係部署の連絡会議を開き、今後イノシシなど野生動物の出現に備え、関係機関の連絡体制や役割を定めたマニュアルを作成する方針を確認した。会議には県警の担当部署も参加した。
イノシシが佐世保市内の住宅地に現れ、住民を襲う
10月1日、午前7時55分ごろ、長崎県佐世保市の住宅地にイノシシが現れ、2人が手などをかまれた。被害を受けたのは、車いすに乗っていた59歳の男性と、89歳の女性で、指の骨を折る大けがであった。 他にも、原付バイクや車に衝突し、警察や猟友会が警戒していたところ、午後になって2人を襲ったと見られるイノシシが市内で発見され、駆除された。体長約1.2メートル、推定体重70~79kgのメスのイノシシであった。 上記被害発生後、目撃者から通報を受けた警察と消防は、佐世保市に速やかに情報提供し、市が捕獲のため猟友会に連絡。現場付近では防災行政無線やチラシで住民に注意を呼び掛けていたという。 長崎県内でイノシシによる人身被害の報告は本年度初めてであったが、2015年度と16年度の被害報告はともに2件だった。 長崎県はこれを受け、10月5日、関係部署の連絡会議を開き、今後イノシシなど野生動物の出現に備え、関係機関の連絡体制や役割を定めたマニュアルを作成する方針を確認した。会議には県警の担当部署も参加した。