農林業に害を及ぼす鳥獣を駆除した猟師が、自治体から報酬を不正に受け取るケースが相次いでいることを受け、農林水産省は来年4月から運用を厳しくする。
これまでは支給の窓口となる自治体において、尻尾や耳、牙など獲物の証明方法はばらつきがあったが、来年4月以降は証明方法を統一し、書類申請の場合には尻尾の提出を義務付けることとなった。
国は平成25(2013)年度から、農作物の被害を減らそうと、鳥獣駆除への交付金を開始した。イノシシやシカ、クマだと1頭当たり最大8千円を出し、これを元手に市町村が猟師へ報酬を支払う。独自に単価を上乗せする所もある。
現状は、支給申請は市町村などの職員による現地確認がなくても認められ、約8割の自治体が写真や個体の一部といった証拠品で確認していたが、尻尾や耳などの提出部位や撮影ルールはばらつきがあった。 来年4月以降の証明方法としては、写真と尻尾をそろえて提出することを義務化。
写真は頭を右向きにし、スプレーで体に日付などを入れて撮るよう統一する。 これまで明らかとなっている不正の手口は、同じ個体を角度を変えて撮影した写真を別の個体として申請したりするもので、鹿児島県霧島市や兵庫県佐用町で確認の緩さを突く内容であったため、今回のルール改正によって改善が期待される。