10月19日午前6時43分ごろ、列車が「シカ」と衝突し、その影響で遅延が生じた。遅延したのはJR青梅線で、青梅~立川の上り線の一部列車に最大10分程度の遅れが生じた。
シカやイノシシなどと列車との衝突事故は、山間部を中心に年々増加してきており、鉄道会社の悩みの種となっている。このうち、電車とシカの衝突件数は年間で5000件とも言われる。
JR東日本八王子支社は、東京多摩地区や山梨、埼玉にまたがる中央線、青梅線、八高線、五日市線、横浜線、南武線、武蔵野線を管轄しているが、管轄内での動物衝突事故件数は2013年度に約60件、2014年度は約90件、2015年度は約100件と増え続けていた。
そのため、今年1月にわなの設置で対策を強化していた。 シカの推定個体数は増加傾向であり、平成25年度末では、全国(本州以南)のニホンジカの推定個体数は中央値約305万頭となっている。さらに、現状の捕獲率を維持したままだと、平成35年度には中央値で約453万頭(平成25年度の個体数の約1.5倍)まで増加すると予測されている(環境省ホームページ)。
シカは鉄分を好む習性があり、線路に近づくのは電車の車輪や線路に含まれる鉄分を求めることが理由といわれている。このまま個体数が増加すれば、衝突事故も増えていくことが予想される。