猟師にとってはおなじみのイノシシ肉ですが、その食べ方は一般の方にとってはそれほど馴染みがないものかもしれません。一般的な豚肉と比べると個体差が大きいですが、良質なシシ肉はまさに絶品の一言につきます。
この記事では、猪肉をおいしくいただくための料理レシピを紹介します。
まず、猪肉の特徴から
高たんぱく低カロリーであることが大きな特徴です。江戸時代には猪肉は薬とされたほどで、良質のたんぱく質やビタミンが豊富に含まれています。
豚肉における同じ部位で比較すると、ミネラル・タンパク質は猪肉の方が多いです。脂肪やビタミンB1は豚肉の方が多く、猪肉の脂肪は豚肉の半分以下ともいわれます。若い個体のほうが加熱後も肉質が柔らかく肉汁の量が多い傾向があります。 肉の質を左右するのが、と殺時の放血(血抜き)です。
血抜きをいかに丁寧にするかによって、臭みが全く変わってきます(※参考記事:イノシシの解体・捌き方)。さらに、料理で使用する前に、塩水につけてもみこんでおくと臭みが弱まります。
なお、猪肉にはいくつかの別称があります。「獅子に牡丹(取り合わせのよいもののたとえ)」の、「獅子」を「猪」にいい換えたことを語源として「牡丹肉(ぼたんにく)」と呼ばれたり、江戸時代に獣肉を食べることを良しとしない風潮が強かったことを名残として「山鯨(やまくじら)」と呼ばれたりもします。
もちろん、部位によっても、肉質に特徴があります。
ロース:脂肪の乗り、肉質共にバランスの取れた部位。肉の柔らかさに加え脂肪の旨みが濃いのが特徴。
バラ肉:一般的に三枚肉とも呼ばれる部位。もっとも脂肪の比率の多い部位です。脂肪の美味しさを堪能したいのであれば、バラ肉がおすすめです。
モモ肉:白身より赤身比率が多いのが特徴です。赤身の旨みを味わいたいのであれば、この部位がおすすめです。バラ肉と併せて盛付けると、赤白濃淡がはっきりした美しい盛付になります。
絶品イノシシ肉ジビエレシピ5選
うんちくも述べたところで、ここからは絶品イノシシ料理レシピを紹介してまいります。
その1:シシ鍋(牡丹鍋)
猪肉料理として、真っ先に挙げられるのが牡丹鍋。美味であることはもちろん、たっぷりの野菜と猪肉パワーで滋養強壮効果も抜群です。ちなみに、俳人・与謝蕪村が「静々に五徳にすえにけり薬食」と詠んでいますが、ここでいう薬食とは牡丹鍋のことです。
2~3人前でしし肉300gほど、薄切りにしたものを使います。具材としてベーシックなのは、豆腐・にんじん・ごぼう・長ねぎ・しめじ・白菜・もやし・水菜といったところです。薬味としてにんにくや生姜も少々加えます。
水は800cc程度で、味付けはお好みで。味噌味の場合、和風だしの素大さじ1、昆布・酒・みりん・味噌大さじ2、塩小さじ1/4を加えます。 しし肉と固めの野菜(にんじん・ごぼうなど)を煮込み、肉が柔らかくなったら水菜以外を入れ、火が通ったらさらに味噌で味を整えます。その後、ひと煮立ちしたら水菜を入れてさらにひと煮立ちしてから、いただきます。
その2:炭火焼き
レシピも何も、猪肉をただ炭火で焼くだけなのですが、とにかく美味しいです。塩コショウで味付けするだけでも十分いけますが、焼いた肉と梅ニンニクを一緒に食べると最高です。イノシシパワーとニンニクパワーの合体技で、猟期の山歩きも元気いっぱいにこなすことができます。その3:
猪肉チャーシュー(焼猪) 猪肉(バラ肉)350gで2~3人前になります。下準備として、猪肉全体をフォークで刺し、味の染み込みと火の通りをよくさせておきます。その後、型崩れを防ぐためにタコ糸で巻きます。お店に売っているようなチャーシューにしたければ、巻きチャーシューに挑戦するのも良いでしょう。
タコ糸で肉を巻いたら、強火のフライパンで猪肉に焦げ目をつけます。
その後、圧力鍋に猪肉を入れ、生姜スライス、白ネギ、砂糖、しょうゆ、酒、水を入れ、圧力をかけ、蒸気がでてきたら、強火のまま10分、中火で10分、火を止め余熱で15分ほど煮込みます。 フタをあけ猪肉に竹串を刺してみて、透明な肉汁が出てくればOKです。後はフタをせず、ふたたび火にかけ、時々、猪肉を裏表転がしながら煮詰めていきます。
その4:猪肉のカツ(シシカツ)
トンカツならぬ、シシカツです。猪ロース肉を使いますが、あらかじめ筋や大きな脂身を取り除いておきます。また、衣をつける前に、肉をビールやワインに長時間漬け込んでおくと、臭みもばっちり取れます。
その後、小麦粉→卵→パン粉の順に衣をつけていき、180℃ほどの油で揚げます。中までしっかり火が通るまで揚げれば出来上がりです。
その5:シシコツラーメン
トンコツラーメンではなく、シシコツラーメンです。一般家庭でトンコツのラーメンスープを骨から作る時点でかなりの強者ですが、シシコツラーメンを作っている動画がありますので、こちらを参考に一度チャレンジしてみるのもありかも?ちなみに、専門店で食べる猪骨ラーメンはかなりおいしいです。やはり一度は味わってみたい。プロの味
専門店で出される猪肉料理は、間違いがありません。ジビエ料理に対して苦手なイメージを持っている方も、イメージを覆すほどクセのない美味に驚くはずです。まとめ
11月(一部地域では10月)には猪猟が解禁となりますので、まさにこれからが猪肉の季節です。自分で仕留めた猪の肉を美味しく料理するのも良し、猪肉の仕入・加工・調理法などを知り尽くしたプロの味に舌鼓を打つのもよし。
喰わず嫌いでチャレンジしたことが無い方も、是非一度ご賞味あれ。
こちらの記事もどうぞ>>猟師メシが教えてくれる滋味豊かなジビエの味
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