くくり罠とは、獲物の体を括る(くくる)ことによって捕獲する罠のことです。括る部位によって、「胴くくり(胴ではなく首をくくる場合もあります)」と「足くくり」に分かれます。このうち、多くの人が使っているのが「足くくり」です。
足くくり罠は、仕掛けておいた罠が作動した瞬間にワイヤーが締まり、足首を拘束する仕組みになっています。予め張っておいた蹴り糸に獲物が触れると作動する「蹴り糸タイプ」、地面に仕掛けておいた踏み板を獲物が踏むと作動する「踏み板タイプ」に大別されますが、この記事では、「踏み板タイプ」の構成部品について説明します。
※胴くくりの場合、罠の大きさの規制に引っかかること、構造上事故が起こるリスクが高いこと、捕獲した獲物は短時間で欝血死してしまうことから、足くくりを選択するケースが多いです。
ワイヤー
くくり罠に使用できるワイヤーの太さは、法令により4mm以上と規定されています。たった1mm太さが違うだけでも、くくり罠の作動の早さは大きく変わります。ワイヤー径が細いほうが作動が早く、獲物の脚をくくる確率が上がりますので、捕獲率は高くなります。一方で、径が細いほうがワイヤーは切れやすくなります。
当然、4ミリ系よりも5ミリのほうが、5ミリより6ミリのほうが丈夫さは大きく上回ります。 特に、傾斜がある場所で後ろ足を括っていた場合、獲物の体重と勢いでワイヤーが切れてしまうケースもあります。人間が思うよりも野生の力は強大です。安全のため、ワイヤーは都度交換されることをお勧めします。
なお、くくり罠に主に使用されるワイヤーは、複数の素線の束を組み合わせた構造の「ワイヤロープ」と呼ばれるものです。ロープ径だけではなく、素線の数と配置によって柔軟性や耐性が変化します。柔らかいワイヤーを選択すると作動のスピードが上がりますが、ねじれやすいので大物獣がかかると切れやすくなる傾向があります。スリーブ(クランプ管)
ワイヤロープのロック止め(加締め)に使用します。ワイヤー径に応じたサイズを選んで使用します。なお加締め作業は、アームスエージャー等の専用工具が必需になります。バネ
くくり罠が作動するための動力となるのがバネです。バネの性能によって罠の作動が大きく左右されます。押しバネ、引きバネ、松葉式バネ(ねじりバネ)等のタイプがあります。バネの力が強いと作動も早くなりますが、設置に難儀したり、意図せぬ作動によって怪我をする場合もあるので注意が必要です。押しバネ
圧縮したバネが元に戻る力を使ってワイヤーを締めるタイプです。塩ビ管等にバネを押し込むことで圧縮させます。安価で構造もシンプルであるため、製作や設置が簡単であるという点が長所です。初心者から上級者まで、幅広く採用されているタイプになります。引きバネ
押しバネとは逆で、引っ張られたバネが元に戻る力を使ってワイヤーを締めます。松葉式(ねじりバネ)
中心部がねじられてコイル形状になっており、それによる弾性力によって端末部(腕)が元に戻ろうとする力を使ってワイヤーを締めるタイプです。締め上げのスピードが速く捕獲率が高い事や、押しバネや引きバネと比べると強度がある点が長所として挙げられます。一方で、意図せぬ作動によって失明等の重篤な怪我をするケースも散見され、罠の扱いに慣れた中~上級者向けのバネといえます。より戻し
「猿環」(さるかん)や「スイベル」(Swivel)とも呼ばれます。捕獲した獣が暴れているうちに、くくり罠のワイヤーが捩れて(撚れて)、切れやすくなるおそれがあるため、撚りを戻すために使用するパーツになります。なお、より戻しを装着していないくくり罠は、法令により使用が禁止されています。くくり金具&締め付け防止金具
くくり金具(写真中の黒い金具)は括ったワイヤーから獲物の脚が抜けないようにするものです。獣が脚を引っ張るほど抜けにくくなります。また、これがあると容易にワイヤーの輪(スネア)を広げられるので、錯誤捕獲の場合も逃がしやくできます。
締め付け防止金具(写真中の蝶ネジがついた金具)は獲物を括るワイヤーが過度に締まりすぎないよう、輪の絞りを制限する金具です。過度に締め付けてしまうと、獣の脚が欝血を起こしたり、足をちぎって逃げたりしてしまいます。より戻しと同様、こちらも装着していないくくり罠は、法令により使用が禁止されています。 
ワイヤー止め
バネを締めた際などのワイヤー上の支点として使います。
シャックル
くくり罠の支柱となる立木などにワイヤーをくくり付ける際に使います。折れにくく、しっかりした木を選ぶと良いでしょう。見極めができるのであれば、しなりがあり、かつ折れにくい支柱にワイヤーをくくり付けておけば、捕獲した獣が引っ張ることによるワイヤーへの負荷を軽減することができます。踏み板
獲物が踏み板を踏むとバネの力でワイヤーが締まって、足を括ります。様々なタイプがありますが、踏み板を踏むとワイヤーガイドが上に上がり、水平より上になるとバネの力でワイヤーが締まる仕組みのものが多いです。獣の通り道の地面に設置します。※設置した際、ワイヤーの輪の直径が12cmを超える罠は使用が禁止されていますが、都道府県ごとに規制が緩和されています。予め、捕獲を行うエリアの規制がどのようなものになっているか、各自治体に確認しておくとよいでしょう。
上記のような、パーツを組み合わせて、パーツの選択次第で捕獲率は大きく左右されます。市販品は各メーカーが最適な組み合わせを考慮したうえで設計されているので、パーツ選択で試行錯誤する手間が省けます。自作の場合は、各々の経験や工夫を盛り込むことによって独自の仕掛けを作ることができる点が醍醐味です。
注意:くくり罠は直接獲物を拘束するため、各々の部品に大きな力がかかります。ワイヤーはもちろん、他の部品についても、くくり罠の構成パーツは基本的に消耗品であることを意識しておきましょう。
また、再利用する場合は、各パーツに疲労や損傷がないか、予めしっかりと確認しておきましょう。
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