鳥獣被害対策マガジン
イノシシ捕獲~箱罠の設置・見回りをしよう
目次 1箱罠の設置について 1設置場所の選定 2設置の際のワンポイントアドバイス 2設置後の見回り 3もし獲物がかかっていたら 4箱罠の設置例 檻でできた箱の中に、餌を使ってイノシシを誘因し、獲物が箱の内部に入ると扉が「ガシャン!」と閉まる。箱罠は、イノシシ捕獲方法として王道です。この記事では、箱罠の設置や見回りについて説明します。 箱罠を用意したはよいが、その後どうしたらよいか分からない場合や、いまいち獲れない場合の参考としていただけますと幸いです。 箱罠の設置について 設置場所の選定 設置の前に、場所決めをします。置く場所によって、捕獲率は大きく変わります。 また箱罠は一度設置すると移動が大変なので、設置場所の選定は非常に重要です。 箱罠が不安定な場合、餌を食べに箱罠に入ろうとした獣が警戒してしまいます。 また箱罠が傾いたりしていると、罠の作動が悪くなったりします。設置場所としては、極力グラグラしないような平らな場所を選んで設置しましょう。 また、獣道を見つけた場合、その周辺の葉っぱなどに泥が付着していれば、近くにぬた場(イノシシが水浴びをする場所)があると思われます。 他にも足跡や糞、食痕などイノシシの痕跡が多く見られる場所に箱罠を置くと良いでしょう。 設置の際のワンポイントアドバイス イノシシは、足場に違和感があると、その部分は避けて通ります。しかし、箱罠は構造上床面の檻によって足場が凸凹になっており、イノシシからすると違和感だらけです。 そのため、箱罠の床面の金属が見えないよう土で覆います。罠の入り口の段差も、できる限り無くするよう土で覆い、罠の入り口から内部まで自然な形で地面が続くようにすると良いでしょう。 参考記事:箱罠の仕掛け方について 設置が終わったら、住所・氏名・許可者・許可年月日・許可番号・捕獲目的・許可有効期限(狩猟の場合は狩猟者登録年度や登録番号等)を明記した標識を箱罠本体に装着し、有害鳥獣捕獲許可や狩猟者登録があることを明示しておきます。 また、誤って一般の人が箱罠に近づかないように、周囲に罠の設置を知らせる看板を設置しておきます。 設置後の見回り 箱罠を設置したら、餌付けによってイノシシを罠まで誘因しますが、餌を撒いたらそのまま放置するのではなく、一定頻度で見回りすることが大切です。1日1回は必ず見回りをしましょう。 幼獣(ウリ坊)のうちは警戒心が弱いため、比較的すぐに箱罠の内部に入って餌を食べるようになります。一方で、成獣が箱罠に入るには時間がかかります。幼獣が悠々と罠の内部で餌を食べていても、脇にいる成獣は罠の手前の方で警戒し、なかなか奥に入ろうとしません。 そのため、成獣を捕えるには十分に餌付けをして、箱罠に対する警戒心を解く必要があります。 最初は箱罠の外側にも餌を撒き、餌の食いつきを観察しましょう。見回りの際に食べられた痕跡を見て、獣の動きを予測し、徐々に罠の中に誘導するよう餌の撒き方を変えていきます。 イノシシが箱罠内の奥まで入ってこないうちは、扉が落ちない状態にしておく必要があります。十分に警戒が解ける前に扉を落とした結果として成獣を取り逃がしてしまうと、その個体は箱罠に対する警戒心が非常に強くなり、捕獲が難しくなるためです。 トレイルカメラを使えば、無人の状態での箱罠周辺の様子が観察でき、獣の動きを把握することができますのでおススメです。>>トレイルカメラについて。...
イノシシ捕獲~箱罠の設置・見回りをしよう
目次 1箱罠の設置について 1設置場所の選定 2設置の際のワンポイントアドバイス 2設置後の見回り 3もし獲物がかかっていたら 4箱罠の設置例 檻でできた箱の中に、餌を使ってイノシシを誘因し、獲物が箱の内部に入ると扉が「ガシャン!」と閉まる。箱罠は、イノシシ捕獲方法として王道です。この記事では、箱罠の設置や見回りについて説明します。 箱罠を用意したはよいが、その後どうしたらよいか分からない場合や、いまいち獲れない場合の参考としていただけますと幸いです。 箱罠の設置について 設置場所の選定 設置の前に、場所決めをします。置く場所によって、捕獲率は大きく変わります。 また箱罠は一度設置すると移動が大変なので、設置場所の選定は非常に重要です。 箱罠が不安定な場合、餌を食べに箱罠に入ろうとした獣が警戒してしまいます。 また箱罠が傾いたりしていると、罠の作動が悪くなったりします。設置場所としては、極力グラグラしないような平らな場所を選んで設置しましょう。 また、獣道を見つけた場合、その周辺の葉っぱなどに泥が付着していれば、近くにぬた場(イノシシが水浴びをする場所)があると思われます。 他にも足跡や糞、食痕などイノシシの痕跡が多く見られる場所に箱罠を置くと良いでしょう。 設置の際のワンポイントアドバイス イノシシは、足場に違和感があると、その部分は避けて通ります。しかし、箱罠は構造上床面の檻によって足場が凸凹になっており、イノシシからすると違和感だらけです。 そのため、箱罠の床面の金属が見えないよう土で覆います。罠の入り口の段差も、できる限り無くするよう土で覆い、罠の入り口から内部まで自然な形で地面が続くようにすると良いでしょう。 参考記事:箱罠の仕掛け方について 設置が終わったら、住所・氏名・許可者・許可年月日・許可番号・捕獲目的・許可有効期限(狩猟の場合は狩猟者登録年度や登録番号等)を明記した標識を箱罠本体に装着し、有害鳥獣捕獲許可や狩猟者登録があることを明示しておきます。 また、誤って一般の人が箱罠に近づかないように、周囲に罠の設置を知らせる看板を設置しておきます。 設置後の見回り 箱罠を設置したら、餌付けによってイノシシを罠まで誘因しますが、餌を撒いたらそのまま放置するのではなく、一定頻度で見回りすることが大切です。1日1回は必ず見回りをしましょう。 幼獣(ウリ坊)のうちは警戒心が弱いため、比較的すぐに箱罠の内部に入って餌を食べるようになります。一方で、成獣が箱罠に入るには時間がかかります。幼獣が悠々と罠の内部で餌を食べていても、脇にいる成獣は罠の手前の方で警戒し、なかなか奥に入ろうとしません。 そのため、成獣を捕えるには十分に餌付けをして、箱罠に対する警戒心を解く必要があります。 最初は箱罠の外側にも餌を撒き、餌の食いつきを観察しましょう。見回りの際に食べられた痕跡を見て、獣の動きを予測し、徐々に罠の中に誘導するよう餌の撒き方を変えていきます。 イノシシが箱罠内の奥まで入ってこないうちは、扉が落ちない状態にしておく必要があります。十分に警戒が解ける前に扉を落とした結果として成獣を取り逃がしてしまうと、その個体は箱罠に対する警戒心が非常に強くなり、捕獲が難しくなるためです。 トレイルカメラを使えば、無人の状態での箱罠周辺の様子が観察でき、獣の動きを把握することができますのでおススメです。>>トレイルカメラについて。...
わな猟に必要な装備・道具とは
狩猟と聞いて、真っ先にイメージするのは、銃をつかった猟かと思います。しかしながら、狩猟の種類には装薬銃・空気銃を使った銃猟のほかに、網を使った「網猟」や、罠を使う「わな猟(罠猟)」などがあります。 そのうち、わな猟は、厳しい審査や管理が必要となる銃猟よりも手軽に始められ、銃猟に比べると猟具もそろえやすく、さらに近年のジビエ人気の流れとも相まって、獲った獲物の食肉活用に向いた猟であることから、近年注目を浴びるようになってきている猟法です。 しかしながら、わな猟は決して簡単なものではありません。獣が残した痕跡から獲物の動きを読み取ったり、仕掛けやメンテナンスの知識、止め刺しの技術など、必要とされるスキルは多岐にわたりますし、装備や道具についても罠さえ準備しておけばよいというものではありません。 この記事では、わな猟に必要な装備・道具について説明します。 わな猟の種類 わな猟の歴史は古く、旧石器時代の落とし穴猟、落石を用いた罠など、ある意味力業ともいえる方法に始まり、その後金属をつかった「とらばさみ」など機械仕掛けの罠に発展し、さらに時代を重ねるにつれ、現在ではICT(情報通信技術)を使った罠まで登場しています。 ※とらばさみの使用は、現在では禁止されています。 技術の進歩した現在においても、わな猟の主流になるのは「箱罠」と「くくり罠」です。これらは、効率的に獣を捕獲するための確立された方法といえます。 銃との違いは、殺傷能力の有無。罠自体に殺傷能力はありません。そのため、捕獲した獲物を絶命させる「止め刺し」のテクニックが必要になります。また、必要に応じて、獲物を解体することも予め考慮しておく必要があります。 ※参考記事: ・捕獲獣(イノシシ・シカ等)の止めさしについて ・シカの解体・捌き方【※閲覧注意】 ・イノシシの解体・捌き方【※閲覧注意】 箱罠とは 箱状もしくは檻状となっているものに入口がついており、餌で獣を誘因して、獲物が中に入ると入口が閉まって捕獲する罠のことです。 獲った獲物の動きを制限することができるので、止め刺しの安全性が高いこと、餌を使って罠の内部に強く誘因するため、獣に関する知識が少なくても捕獲が可能であることなどが長所です。 ※参考記事:箱罠について詳しく知りたい くくり罠とは 金属製のワイヤーロープでできた輪っか(スネア)を獣の通り道に設置し、獲物の体の一部を縛り上げて捕獲する罠を指します。 箱罠にくらべると安価で、小型で軽量なので複数の場所に仕掛けやすい点や、餌付けが不要な点などが長所として挙げられます。獣の習性や動きを読んで罠を設置するため、箱罠よりも捕獲の難易度は上がります。 わな猟に必要な装備・道具 前置きが長くなってしまいましたが、ここからわな猟に必要な装備・道具について説明します。 まずは服装から 服装は一番好みが分かれるところですが、猟銃による誤射の可能性がある場所で活動する場合は、オレンジ色などの明るい色のものを一番外側に着ておくことをお勧めします。 虫刺されや日焼け、怪我防止の観点から長袖は必須です。 道なき道を進む場合は、なるべく頑丈なものを選ぶとよいでしょう。また、猟期の始まったころは、まだ暖かい日も多いかと思いますが、そのような日でもなるべく防寒着は用意しておきましょう。汗をかいても体を冷やさないように、肌着は速乾性のものが良いです。 毎年、狩猟者登録の際に狩猟者記章(バッジ)が配布されますが、付け忘れや付け替え忘れがないようにしましょう。 念のためですが、携帯する狩猟登録証は濡れても大丈夫なようにジップロックなどに入れておくとよいでしょう。 靴については、こちらの記事で詳しく記載しております。わな猟では、ずっとかがんで作業することも多いので、くるぶし周りが硬い靴はなるべく避けたほうがよいでしょう。 仕掛けた罠には標札をつけておく必要があります...
わな猟に必要な装備・道具とは
狩猟と聞いて、真っ先にイメージするのは、銃をつかった猟かと思います。しかしながら、狩猟の種類には装薬銃・空気銃を使った銃猟のほかに、網を使った「網猟」や、罠を使う「わな猟(罠猟)」などがあります。 そのうち、わな猟は、厳しい審査や管理が必要となる銃猟よりも手軽に始められ、銃猟に比べると猟具もそろえやすく、さらに近年のジビエ人気の流れとも相まって、獲った獲物の食肉活用に向いた猟であることから、近年注目を浴びるようになってきている猟法です。 しかしながら、わな猟は決して簡単なものではありません。獣が残した痕跡から獲物の動きを読み取ったり、仕掛けやメンテナンスの知識、止め刺しの技術など、必要とされるスキルは多岐にわたりますし、装備や道具についても罠さえ準備しておけばよいというものではありません。 この記事では、わな猟に必要な装備・道具について説明します。 わな猟の種類 わな猟の歴史は古く、旧石器時代の落とし穴猟、落石を用いた罠など、ある意味力業ともいえる方法に始まり、その後金属をつかった「とらばさみ」など機械仕掛けの罠に発展し、さらに時代を重ねるにつれ、現在ではICT(情報通信技術)を使った罠まで登場しています。 ※とらばさみの使用は、現在では禁止されています。 技術の進歩した現在においても、わな猟の主流になるのは「箱罠」と「くくり罠」です。これらは、効率的に獣を捕獲するための確立された方法といえます。 銃との違いは、殺傷能力の有無。罠自体に殺傷能力はありません。そのため、捕獲した獲物を絶命させる「止め刺し」のテクニックが必要になります。また、必要に応じて、獲物を解体することも予め考慮しておく必要があります。 ※参考記事: ・捕獲獣(イノシシ・シカ等)の止めさしについて ・シカの解体・捌き方【※閲覧注意】 ・イノシシの解体・捌き方【※閲覧注意】 箱罠とは 箱状もしくは檻状となっているものに入口がついており、餌で獣を誘因して、獲物が中に入ると入口が閉まって捕獲する罠のことです。 獲った獲物の動きを制限することができるので、止め刺しの安全性が高いこと、餌を使って罠の内部に強く誘因するため、獣に関する知識が少なくても捕獲が可能であることなどが長所です。 ※参考記事:箱罠について詳しく知りたい くくり罠とは 金属製のワイヤーロープでできた輪っか(スネア)を獣の通り道に設置し、獲物の体の一部を縛り上げて捕獲する罠を指します。 箱罠にくらべると安価で、小型で軽量なので複数の場所に仕掛けやすい点や、餌付けが不要な点などが長所として挙げられます。獣の習性や動きを読んで罠を設置するため、箱罠よりも捕獲の難易度は上がります。 わな猟に必要な装備・道具 前置きが長くなってしまいましたが、ここからわな猟に必要な装備・道具について説明します。 まずは服装から 服装は一番好みが分かれるところですが、猟銃による誤射の可能性がある場所で活動する場合は、オレンジ色などの明るい色のものを一番外側に着ておくことをお勧めします。 虫刺されや日焼け、怪我防止の観点から長袖は必須です。 道なき道を進む場合は、なるべく頑丈なものを選ぶとよいでしょう。また、猟期の始まったころは、まだ暖かい日も多いかと思いますが、そのような日でもなるべく防寒着は用意しておきましょう。汗をかいても体を冷やさないように、肌着は速乾性のものが良いです。 毎年、狩猟者登録の際に狩猟者記章(バッジ)が配布されますが、付け忘れや付け替え忘れがないようにしましょう。 念のためですが、携帯する狩猟登録証は濡れても大丈夫なようにジップロックなどに入れておくとよいでしょう。 靴については、こちらの記事で詳しく記載しております。わな猟では、ずっとかがんで作業することも多いので、くるぶし周りが硬い靴はなるべく避けたほうがよいでしょう。 仕掛けた罠には標札をつけておく必要があります...
ハンターになるための手続き~狩猟者登録
狩猟免許を取ったら、「張り切って猟するぞ!」という気持ちになりますが、狩猟免許を取得して猟具を所持しただけでは狩猟はできません。猟具を使って狩猟(装薬銃猟、空気銃猟、わな猟、あみ猟)するためには、出猟する場所となる都道府県ごとに「狩猟者登録」と呼ばれる手続きを行い、狩猟税を納めなければならないのです。 今年初めて免許を取得した方は、是非一読ください。 狩猟者登録の流れ 狩猟者登録の受付は、都道府県によって受付開始時期は異なりますが、8~9月頃から始まります。申請の際に、必要書類を提出し、猟の免許区分に応じた狩猟税を納めます。 必要書類の提出 狩猟者登録では、以下4つの書類を狩猟担当窓口に提出します。窓口や手数料などは都道府県によって異なりますので、申請先の都道府県担当部局にあらかじめ確認しておきましょう。 2か所以上の都道府県で狩猟をする場合、以下の書類はそれぞれの都道府県ごとに提出する必要があります。 申請する都道府県内に在住か、都道府県外に在住するかによっても手続き方法が異なる場合がありますので注意が必要です。 なお、猟友会員の方は猟友会で登録申請手続きを代行してもらえます。 また、住んでいる場所とは別の都道府県に登録申請する場合でも、猟友会に代行してもらえる場合がありますので、会員で該当する方は確認してみると良いでしょう。 1. 狩猟者登録申請書 狩猟者登録では、狩猟者登録申請書を狩猟担当窓口に提出します。狩猟者登録申請書のフォーマットは全国ほぼ共通です(参考:東京都環境局ホームページ)。 a)住所、氏名、生年月日 申請日、登録する方の住所、氏名、生年月日を記入します。 また、あらかじめ縦3㎝×横2.4㎝の証明写真(申請前半年以内、無帽、正面の状態で、背景無しで撮影。※裏面に、氏名・撮影年月日を記載)を2枚準備しておき、うち1枚は申請書に貼ります。 注意しなければならないのは、狩猟免許の種類ごとにそれぞれ申請書が必要ということ。例えば、網・わな・第一種猟銃の3種類の免許を持っており、いずれも狩猟者登録をする場合は、3通の申請書、証明写真は2枚×3で計6枚が必要になります。 b)狩猟免許の種類、使用する猟具の種類、狩猟免状の番号・交付年月日 狩猟免許の種類、使用する猟具の種類、免許を取得した都道府県、狩猟免許番号と交付年月日を記載します。 c)猟銃の所持許可証の番号など 登録者の鉄砲所持許可用番号や交付日、職業、その他該当する箇所を記載します。 2. 狩猟免状(免許) そもそも、狩猟免許を受けていない方は、狩猟者登録はできません。登録申請時に、狩猟免状も提出する必要があります。都道府県によって、①原本を提出する ②狩猟者登録用として再交付したものを提出する ③直接提示する の3パターンがあります。 どのパターンになるかは、申請先の都道府県担当部局にご確認下さい。 3. 損害賠償能力(3,000万円以上の保障が可能であること)を証明するもの 3,000万円以上の保障が可能であることを証明する書類も提出が必要で、以下A~Cのいずれかになります。 A)一般社団法人大日本猟友会の共済事業の被共済者であることの証明書 B)損害賠償保険(ハンター保険※など)の被保険者であることの証明書...
ハンターになるための手続き~狩猟者登録
狩猟免許を取ったら、「張り切って猟するぞ!」という気持ちになりますが、狩猟免許を取得して猟具を所持しただけでは狩猟はできません。猟具を使って狩猟(装薬銃猟、空気銃猟、わな猟、あみ猟)するためには、出猟する場所となる都道府県ごとに「狩猟者登録」と呼ばれる手続きを行い、狩猟税を納めなければならないのです。 今年初めて免許を取得した方は、是非一読ください。 狩猟者登録の流れ 狩猟者登録の受付は、都道府県によって受付開始時期は異なりますが、8~9月頃から始まります。申請の際に、必要書類を提出し、猟の免許区分に応じた狩猟税を納めます。 必要書類の提出 狩猟者登録では、以下4つの書類を狩猟担当窓口に提出します。窓口や手数料などは都道府県によって異なりますので、申請先の都道府県担当部局にあらかじめ確認しておきましょう。 2か所以上の都道府県で狩猟をする場合、以下の書類はそれぞれの都道府県ごとに提出する必要があります。 申請する都道府県内に在住か、都道府県外に在住するかによっても手続き方法が異なる場合がありますので注意が必要です。 なお、猟友会員の方は猟友会で登録申請手続きを代行してもらえます。 また、住んでいる場所とは別の都道府県に登録申請する場合でも、猟友会に代行してもらえる場合がありますので、会員で該当する方は確認してみると良いでしょう。 1. 狩猟者登録申請書 狩猟者登録では、狩猟者登録申請書を狩猟担当窓口に提出します。狩猟者登録申請書のフォーマットは全国ほぼ共通です(参考:東京都環境局ホームページ)。 a)住所、氏名、生年月日 申請日、登録する方の住所、氏名、生年月日を記入します。 また、あらかじめ縦3㎝×横2.4㎝の証明写真(申請前半年以内、無帽、正面の状態で、背景無しで撮影。※裏面に、氏名・撮影年月日を記載)を2枚準備しておき、うち1枚は申請書に貼ります。 注意しなければならないのは、狩猟免許の種類ごとにそれぞれ申請書が必要ということ。例えば、網・わな・第一種猟銃の3種類の免許を持っており、いずれも狩猟者登録をする場合は、3通の申請書、証明写真は2枚×3で計6枚が必要になります。 b)狩猟免許の種類、使用する猟具の種類、狩猟免状の番号・交付年月日 狩猟免許の種類、使用する猟具の種類、免許を取得した都道府県、狩猟免許番号と交付年月日を記載します。 c)猟銃の所持許可証の番号など 登録者の鉄砲所持許可用番号や交付日、職業、その他該当する箇所を記載します。 2. 狩猟免状(免許) そもそも、狩猟免許を受けていない方は、狩猟者登録はできません。登録申請時に、狩猟免状も提出する必要があります。都道府県によって、①原本を提出する ②狩猟者登録用として再交付したものを提出する ③直接提示する の3パターンがあります。 どのパターンになるかは、申請先の都道府県担当部局にご確認下さい。 3. 損害賠償能力(3,000万円以上の保障が可能であること)を証明するもの 3,000万円以上の保障が可能であることを証明する書類も提出が必要で、以下A~Cのいずれかになります。 A)一般社団法人大日本猟友会の共済事業の被共済者であることの証明書 B)損害賠償保険(ハンター保険※など)の被保険者であることの証明書...
イノシシ等の捕獲檻(箱罠)の選びかた
目次 1ターゲットの大きさから箱罠を選ぶ 2トリガー方式から箱罠を選ぶ 3檻の素材や形状から箱罠を選ぶ イノシシ等を捕獲するための機材として、メインで選ばれるのはやはり捕獲檻(箱罠)です。箱罠とは、野生動物を捕獲する場合に用いられる箱状の檻のことで、餌を使って箱の中に獲物を引き寄せて、獲物が中に入ると扉が落ちて捕獲完了!という仕組みです。 くくり罠などの他の罠の場合、獣の動きを予測して設置方法を工夫しなければ、なかなか獲物を捕えることができません。一方、箱罠の場合は餌の力で誘因するので、獣の動きを多少読み違えても捕獲が可能であり、初心者にも向いています。 箱罠には、大きさや素材、トリガー方式が異なる様々なタイプがあり、どれを選んだらよいか判断がつかない場合もあるかと思います。そこで今回は、箱罠の選び方について解説します。 ターゲットの大きさから箱罠を選ぶ 箱罠の大きさは、どの獣がターゲットになるかによって、大まかに決めることができます。小型獣に対して大きすぎる罠を使ってもロスが多いですし、大型獣に対してはそもそも小さすぎる箱罠は使えません。 また、大きいほうが複数頭同時に捕獲できる可能性も高くなりますが、値段も高くなります。 イノシシ・シカなどの大型獣の捕獲に使われる箱罠の標準的なサイズは、高さと幅がそれぞれ1メートル、奥行きが2メートル程度です。 網目の大きさは、狭いほうのピッチが10cm未満のものがほとんどで、ウリボウなどの小型獣もあわせて捕獲することが想定されています。また、この大きさであれば、大型のイノシシの捕獲も可能です。※大型のイノシシは非常に力が強いため、なるべく頑強な構造の箱罠を選ぶことをお勧めします。 イノホイおすすめの大型箱罠はこちらをクリック>> これより一回り小さいサイズもイノシシ・シカ用として多く出回っています。上記サイズと比べると重量がやや軽くなるので、取り回しやすいというメリットがあります。近年関東方面で問題となっているキョンの捕獲にも使えます。 年配の方であまり重い箱罠の設置はしんどいという方や、女性のハンターにもお勧めできます。イノホイおすすめの中型箱罠はこちらをクリック>> サルをターゲットにする場合は、罠の外から網目に手をいれて餌を取ったりすることがあるので、その点も考慮した網目のものを選ぶと良いでしょう。 サルに対応する箱罠であれば、タヌキやハクビシン、アナグマ、ウリボウなどにも対応できます。イノシシ・シカ用ほど大きくなくても、幅と高さがそれぞれ0.8メートルほどの大きさがあれば、複数頭の捕獲が期待できます。 イノホイのサル用箱罠はこちらをクリック>> ハクビシンやアナグマなど、小型獣の個体をターゲットにするのであれば、より小さいサイズ(幅と高さがそれぞれ0.5メートル以下ほど)のものでよいでしょう。 このサイズの箱罠は値段も安く、ホームセンターなどで販売されていることもあります。外来種であるアライグマやヌートリアを捕獲する場合も、このあたりのサイズが使われます。 イノホイおすすめの小型箱罠はこちらをクリック>> さらに小さいイタチやテン、リスなどをターゲットにするのであれば、すり抜けを防止するために、網目が3センチ程度の細かいものを選ぶとよいでしょう。 トリガー方式から箱罠を選ぶ 箱罠を作動させる仕掛け(トリガー)にも、いくつか種類があります。例えば、「蹴り糸方式」はイノシシやシカなどの大型獣の捕獲に採用されることが多いです。箱罠の中に糸を張っておき、ここに力が加わるとトリガーが作動し、扉が落ちます。 罠内に置かれた板の上に足を置くと扉が落ちるのが「踏み板方式」、餌を箱罠内部にぶら下げておき獣がそれを取ろうとして動かすとトリガーが作動して扉が落ちる「餌吊り方式」などもあります。 アライグマやタヌキ、ヌートリア、ハクビシンなどの小型獣の場合は「踏み板方式」や「餌吊り方式」が採用されることが多いです。「蹴り糸方式」であれば、張った糸の上に板を置くなどして「踏み板方式」のように作用させることも可能です。 ※トリガー方式については、こちらの記事も参照ください。 檻の素材や形状から箱罠を選ぶ イノシシなど力が強い大型の獣を捕獲する際は、檻に鉄筋などの頑強な素材を使った箱罠を選ぶとよいでしょう。 構造が弱いせいで箱罠が破損し、獣が外に飛び出すと、重大な事故につながる恐れがあります。...
イノシシ等の捕獲檻(箱罠)の選びかた
目次 1ターゲットの大きさから箱罠を選ぶ 2トリガー方式から箱罠を選ぶ 3檻の素材や形状から箱罠を選ぶ イノシシ等を捕獲するための機材として、メインで選ばれるのはやはり捕獲檻(箱罠)です。箱罠とは、野生動物を捕獲する場合に用いられる箱状の檻のことで、餌を使って箱の中に獲物を引き寄せて、獲物が中に入ると扉が落ちて捕獲完了!という仕組みです。 くくり罠などの他の罠の場合、獣の動きを予測して設置方法を工夫しなければ、なかなか獲物を捕えることができません。一方、箱罠の場合は餌の力で誘因するので、獣の動きを多少読み違えても捕獲が可能であり、初心者にも向いています。 箱罠には、大きさや素材、トリガー方式が異なる様々なタイプがあり、どれを選んだらよいか判断がつかない場合もあるかと思います。そこで今回は、箱罠の選び方について解説します。 ターゲットの大きさから箱罠を選ぶ 箱罠の大きさは、どの獣がターゲットになるかによって、大まかに決めることができます。小型獣に対して大きすぎる罠を使ってもロスが多いですし、大型獣に対してはそもそも小さすぎる箱罠は使えません。 また、大きいほうが複数頭同時に捕獲できる可能性も高くなりますが、値段も高くなります。 イノシシ・シカなどの大型獣の捕獲に使われる箱罠の標準的なサイズは、高さと幅がそれぞれ1メートル、奥行きが2メートル程度です。 網目の大きさは、狭いほうのピッチが10cm未満のものがほとんどで、ウリボウなどの小型獣もあわせて捕獲することが想定されています。また、この大きさであれば、大型のイノシシの捕獲も可能です。※大型のイノシシは非常に力が強いため、なるべく頑強な構造の箱罠を選ぶことをお勧めします。 イノホイおすすめの大型箱罠はこちらをクリック>> これより一回り小さいサイズもイノシシ・シカ用として多く出回っています。上記サイズと比べると重量がやや軽くなるので、取り回しやすいというメリットがあります。近年関東方面で問題となっているキョンの捕獲にも使えます。 年配の方であまり重い箱罠の設置はしんどいという方や、女性のハンターにもお勧めできます。イノホイおすすめの中型箱罠はこちらをクリック>> サルをターゲットにする場合は、罠の外から網目に手をいれて餌を取ったりすることがあるので、その点も考慮した網目のものを選ぶと良いでしょう。 サルに対応する箱罠であれば、タヌキやハクビシン、アナグマ、ウリボウなどにも対応できます。イノシシ・シカ用ほど大きくなくても、幅と高さがそれぞれ0.8メートルほどの大きさがあれば、複数頭の捕獲が期待できます。 イノホイのサル用箱罠はこちらをクリック>> ハクビシンやアナグマなど、小型獣の個体をターゲットにするのであれば、より小さいサイズ(幅と高さがそれぞれ0.5メートル以下ほど)のものでよいでしょう。 このサイズの箱罠は値段も安く、ホームセンターなどで販売されていることもあります。外来種であるアライグマやヌートリアを捕獲する場合も、このあたりのサイズが使われます。 イノホイおすすめの小型箱罠はこちらをクリック>> さらに小さいイタチやテン、リスなどをターゲットにするのであれば、すり抜けを防止するために、網目が3センチ程度の細かいものを選ぶとよいでしょう。 トリガー方式から箱罠を選ぶ 箱罠を作動させる仕掛け(トリガー)にも、いくつか種類があります。例えば、「蹴り糸方式」はイノシシやシカなどの大型獣の捕獲に採用されることが多いです。箱罠の中に糸を張っておき、ここに力が加わるとトリガーが作動し、扉が落ちます。 罠内に置かれた板の上に足を置くと扉が落ちるのが「踏み板方式」、餌を箱罠内部にぶら下げておき獣がそれを取ろうとして動かすとトリガーが作動して扉が落ちる「餌吊り方式」などもあります。 アライグマやタヌキ、ヌートリア、ハクビシンなどの小型獣の場合は「踏み板方式」や「餌吊り方式」が採用されることが多いです。「蹴り糸方式」であれば、張った糸の上に板を置くなどして「踏み板方式」のように作用させることも可能です。 ※トリガー方式については、こちらの記事も参照ください。 檻の素材や形状から箱罠を選ぶ イノシシなど力が強い大型の獣を捕獲する際は、檻に鉄筋などの頑強な素材を使った箱罠を選ぶとよいでしょう。 構造が弱いせいで箱罠が破損し、獣が外に飛び出すと、重大な事故につながる恐れがあります。...
狩猟の様々なシチュエーションに。お役立ちウインチ
「ウインチ」という機械をご存知でしょうか? ウィンチは、ワイヤーやロープなどを巻き取りながら重い物を引っ張ったり、引き上げたりすることのできる機材です。工場や建設現場、林業現場等での重量物の上げ下ろしや車の牽引、また狩猟現場においては仕留めた獲物の運搬に使用したりもします。 イノホイおすすめのウインチはこちら>> ウインチなしで大物を回収するのは結構つらい イノシシやシカは、中型になると50kgを超えてきます。さらに大物になると100kgを超えてきます。クマであれば体重100kgを超える場合も多くあります。このような獲物を苦労して仕留めたは良いが、車まで運搬して荷台に運び上げるのは数人がかりでも結構大変です。 舗装された道で重い機材を運ぶのであれば力もかけやすいのですが、機材とちがって獣の体はクネクネと動くので、足場の悪い山道ではなかなかの重労働になるのです。 山の恵みに感謝しながら人力で運ぶのも良いのですが、若い頃と違って体が言うことを聞かず、人力だけではどうにもならない場合もあるでしょう。そんなときに出番となるのがウインチです。 ウインチの種類 ハンドルを回すことによってロープの巻取り・巻き戻しをおこなう「回転式ウインチ」や、ハンドルを往復させてロープの巻取り・巻き戻しをおこなう「ラチェット式ウインチ」があります。 回転式の場合は荷物の横引きに使うことも多いですが、ラチェット式の場合は主に吊り上げ・吊り下げに使用します。 動力には手動と電動があり、電動の場合はモーター駆動によってロープの巻取り・巻き戻しをおこないます。 電動タイプは様々なシーンで活躍します。例えば、車で広範囲を探索する流し猟の場合は、車両から獲物までの距離は近いことが多いですが、獲物にロープを結んでウインチの巻取りをスタートさせれば、比較的楽に車両の荷台に運び上げることができます。 狩猟現場で使われるウインチ さて、ここからは狩猟現場で使われるウインチのメーカーやモデルを紹介してまいります。 オーストラリア発。T-MAX オーストラリアには多くのウインチメーカーがありますが、価格の割に良いと定評のあるのがT-MAX社のウインチ。獲物の回収はもちろんのこと、猟場に向かう悪路で脱輪したり沼地にはまったりしたときも活躍します。 小型軽量モデルのATW PROシリーズ、より牽引力のあるEWシリーズなど、様々なラインナップがあります。リモコン仕様となっているモデルもあるので、丈夫な木などにウインチのワイヤーを巻いてから、あとはリモコンをポチっとすれば引き上げ開始、なんてことも可能です。 >>T-MAXホームページはこちらをクリック アメリカ発。WARN(ウォーン) ウインチといえばWARN社といわれるほど、これまで様々なウインチをリリースしてきた1944年創業の歴史あるメーカーです。T-MAXと比べるとそれなりにお値段はしますが、品質やカスタム性には定評があり、日本でも多くのオフロード愛好家に支持されています。 因みに、WARNのウインチに限らず、電動タイプのモーターは12Vと24Vが主流です。モデルによっても差がありますが、12Vのモーターによる最大牽引力は1トン弱、24Vのモーターであれば4トン前後の最大牽引力があります。 また、スナッチブロック(滑車)や補助ロープ、ツリープリテクタ等のアクセサリを使用することによって、対処できるシチュエーションの幅を広げることができます。広く出回っているWARN社製のウインチであれば、適合するアクセサリーも多くあるので、その点でも魅力ですね。 >>WARNホームページはこちらをクリック ポータブルウインチならホンダウォーク 忍び猟などでは、歩いて山奥まで入っていくため、獲った獲物を運び出すのは非常に労力がかかります。そんなときに役立つ商品をホンダウォーク社がリリースしています。その名は「ポータブルウィンチPCW-3000」、世界のHONDAの4サイクル・ガソリンエンジンを動力とする背負えるロープウィンチです。 このウインチの特徴は本体重量が9.5kgと軽量・ポータブルにもかかわらず、最大牽引荷重700kgの能力があります。木材の搬出、動けなくなった車両の牽引、レスキュー、ハンティングで仕留めた大物の搬送、などアイディア次第で様々なシーンで活躍します。 >>ホンダウォークホームページはこちらをクリック まとめ 本格的なオフロード車両にするなら、ぜひとも積んでおきたいウインチ。狩猟における獲物の回収にはもちろんのこと、仲間の車両を助けるときにも使えます。様々なシチュエーションを想像すると、ワクワクしますね。...
狩猟の様々なシチュエーションに。お役立ちウインチ
「ウインチ」という機械をご存知でしょうか? ウィンチは、ワイヤーやロープなどを巻き取りながら重い物を引っ張ったり、引き上げたりすることのできる機材です。工場や建設現場、林業現場等での重量物の上げ下ろしや車の牽引、また狩猟現場においては仕留めた獲物の運搬に使用したりもします。 イノホイおすすめのウインチはこちら>> ウインチなしで大物を回収するのは結構つらい イノシシやシカは、中型になると50kgを超えてきます。さらに大物になると100kgを超えてきます。クマであれば体重100kgを超える場合も多くあります。このような獲物を苦労して仕留めたは良いが、車まで運搬して荷台に運び上げるのは数人がかりでも結構大変です。 舗装された道で重い機材を運ぶのであれば力もかけやすいのですが、機材とちがって獣の体はクネクネと動くので、足場の悪い山道ではなかなかの重労働になるのです。 山の恵みに感謝しながら人力で運ぶのも良いのですが、若い頃と違って体が言うことを聞かず、人力だけではどうにもならない場合もあるでしょう。そんなときに出番となるのがウインチです。 ウインチの種類 ハンドルを回すことによってロープの巻取り・巻き戻しをおこなう「回転式ウインチ」や、ハンドルを往復させてロープの巻取り・巻き戻しをおこなう「ラチェット式ウインチ」があります。 回転式の場合は荷物の横引きに使うことも多いですが、ラチェット式の場合は主に吊り上げ・吊り下げに使用します。 動力には手動と電動があり、電動の場合はモーター駆動によってロープの巻取り・巻き戻しをおこないます。 電動タイプは様々なシーンで活躍します。例えば、車で広範囲を探索する流し猟の場合は、車両から獲物までの距離は近いことが多いですが、獲物にロープを結んでウインチの巻取りをスタートさせれば、比較的楽に車両の荷台に運び上げることができます。 狩猟現場で使われるウインチ さて、ここからは狩猟現場で使われるウインチのメーカーやモデルを紹介してまいります。 オーストラリア発。T-MAX オーストラリアには多くのウインチメーカーがありますが、価格の割に良いと定評のあるのがT-MAX社のウインチ。獲物の回収はもちろんのこと、猟場に向かう悪路で脱輪したり沼地にはまったりしたときも活躍します。 小型軽量モデルのATW PROシリーズ、より牽引力のあるEWシリーズなど、様々なラインナップがあります。リモコン仕様となっているモデルもあるので、丈夫な木などにウインチのワイヤーを巻いてから、あとはリモコンをポチっとすれば引き上げ開始、なんてことも可能です。 >>T-MAXホームページはこちらをクリック アメリカ発。WARN(ウォーン) ウインチといえばWARN社といわれるほど、これまで様々なウインチをリリースしてきた1944年創業の歴史あるメーカーです。T-MAXと比べるとそれなりにお値段はしますが、品質やカスタム性には定評があり、日本でも多くのオフロード愛好家に支持されています。 因みに、WARNのウインチに限らず、電動タイプのモーターは12Vと24Vが主流です。モデルによっても差がありますが、12Vのモーターによる最大牽引力は1トン弱、24Vのモーターであれば4トン前後の最大牽引力があります。 また、スナッチブロック(滑車)や補助ロープ、ツリープリテクタ等のアクセサリを使用することによって、対処できるシチュエーションの幅を広げることができます。広く出回っているWARN社製のウインチであれば、適合するアクセサリーも多くあるので、その点でも魅力ですね。 >>WARNホームページはこちらをクリック ポータブルウインチならホンダウォーク 忍び猟などでは、歩いて山奥まで入っていくため、獲った獲物を運び出すのは非常に労力がかかります。そんなときに役立つ商品をホンダウォーク社がリリースしています。その名は「ポータブルウィンチPCW-3000」、世界のHONDAの4サイクル・ガソリンエンジンを動力とする背負えるロープウィンチです。 このウインチの特徴は本体重量が9.5kgと軽量・ポータブルにもかかわらず、最大牽引荷重700kgの能力があります。木材の搬出、動けなくなった車両の牽引、レスキュー、ハンティングで仕留めた大物の搬送、などアイディア次第で様々なシーンで活躍します。 >>ホンダウォークホームページはこちらをクリック まとめ 本格的なオフロード車両にするなら、ぜひとも積んでおきたいウインチ。狩猟における獲物の回収にはもちろんのこと、仲間の車両を助けるときにも使えます。様々なシチュエーションを想像すると、ワクワクしますね。...
持っておくと心強い。「熊よけ」スプレー
各地で熊の出没が相次いでいます。最近は特に東北地方を中心にツキノワグマの目撃情報が多く、人身事故もたびたび起こっています。 昨年2017年度の秋田県における熊目撃件数は、前年度比434件増の1303件に上りました。うち人身被害は19件20人で、いずれも過去最多でした。 岩手県でも、ニホンジカやイノシシの狩猟現場において、それらと生息域が重複するツキノワグマと遭遇するケースが増えており、ツキノワグマの狩猟開始日を現行の11月15日ではなく、ニホンジカやイノシシと同じ11月1日に前倒しすることも検討されています。 猟期期間前の11月1日~14日にハンターがツキノワグマと遭遇したものの、猟期期間前のため発砲できず、何度か危険な場面があったという報告もあります。 熊と出会いたくなくても、突然出くわすことがあるかもしれません。そんなときに持っておくと心強いのが「熊よけ」スプレーです。 熊よけスプレーとは 熊よけスプレーは、いわゆる催涙スプレーの一種です。催涙スプレーは、暴漢や野生動物の顔面に向けて催涙ガスを噴射することにより、対象がひるんだ隙に逃げるための護身用品です。 熊よけスプレーの場合、唐辛子から抽出される成分が含まれており、クマが数メートル先まで近づいてきたときに顔面に向かって噴射することを想定しています。 噴射されると、唐辛子成分が熊の目や鼻、喉などの粘膜を強烈に刺激するため、焼けつくような激痛が走り、さらにその効果は数時間続きます。クマを致死させる程の威力はありませんが、人を襲う意欲を減退させ、その場から退散させることが期待できます。 ※絶対に人へ向けて発射しないでください。 熊よけスプレーを選ぶ際にチェックすること 1.スプレーの到達距離 スプレーの到達距離は短いもので2メートルほど、長いものでは10メートルほど届くものがあります(メーカー発表値)。 メーカー発表値は、室内無風状態での実験データであり、実際のフィールドで使用した場合と異なる場合があるので、注意が必要です。相手がクマであることを考えると、少々心もとない到達距離といえます。 ヒグマは時速50キロで走ることが可能で、最高時速は60km/hに達すると言われています。また、ツキノワグマも走る速度は40km/h以上といわれています。素早さで人間に勝ち目はないので、到達距離はなるべく長いものを選ぶのが良いでしょう。 2. 辛さ評価度(SHU) SHU(Scoville Heat Unitsスコヴィル・ヒート・ユニット)という単位があります。これは、唐辛子の辛さの度合いを数値化したもので、1912年に化学者のスコヴィル氏が、トウガラシ抽出物の辛みを感じなくなるまで砂糖水で薄めた時の希釈倍率で辛さを表したことに由来する数値です。 現在では、計測機器によってカプサイシンの量を直接測定し、これをSHU値に換算することで算出されます。 SHUの数値は、軍事用として数値を表記する際は、食品用検査結果の10分の1で表します。 食品用としての検査結果が100万SHUだった場合、軍事用の表現では10万SHUとなります。軍用表記で実効値が15万SHU以上あれば、熊よけとして十分効果はあります。 3. 溶剤の違い 催涙スプレーの中には、ヒグマなど大型熊に対して使うことを想定した超強力なスプレー(ベアスプレー)もあります。ベアスプレーは、原液をうすめる溶剤が油性です。油性溶剤のスプレーは粘着性があり、洗い流すことが比較的困難な性質があります。そのために長時間に渡り苦痛を与えます。 一方、水性溶剤の催涙スプレーは、近場の川や池、携帯する水などで比較的容易に洗い流すことが出来ます。油性と比較すると格段に安全です。ツキノワグマ用であれば、水性溶剤のものを使用しましょう。 注意点 油性のベアスプレーは強力な分、対象に対して過剰な苦痛を与えてしまったり、誤噴射等が起こった場合の被害が大きくなります。ベアスプレーをヒグマ以外に使うことは避けてください。 熊よけスプレーの使い方...
持っておくと心強い。「熊よけ」スプレー
各地で熊の出没が相次いでいます。最近は特に東北地方を中心にツキノワグマの目撃情報が多く、人身事故もたびたび起こっています。 昨年2017年度の秋田県における熊目撃件数は、前年度比434件増の1303件に上りました。うち人身被害は19件20人で、いずれも過去最多でした。 岩手県でも、ニホンジカやイノシシの狩猟現場において、それらと生息域が重複するツキノワグマと遭遇するケースが増えており、ツキノワグマの狩猟開始日を現行の11月15日ではなく、ニホンジカやイノシシと同じ11月1日に前倒しすることも検討されています。 猟期期間前の11月1日~14日にハンターがツキノワグマと遭遇したものの、猟期期間前のため発砲できず、何度か危険な場面があったという報告もあります。 熊と出会いたくなくても、突然出くわすことがあるかもしれません。そんなときに持っておくと心強いのが「熊よけ」スプレーです。 熊よけスプレーとは 熊よけスプレーは、いわゆる催涙スプレーの一種です。催涙スプレーは、暴漢や野生動物の顔面に向けて催涙ガスを噴射することにより、対象がひるんだ隙に逃げるための護身用品です。 熊よけスプレーの場合、唐辛子から抽出される成分が含まれており、クマが数メートル先まで近づいてきたときに顔面に向かって噴射することを想定しています。 噴射されると、唐辛子成分が熊の目や鼻、喉などの粘膜を強烈に刺激するため、焼けつくような激痛が走り、さらにその効果は数時間続きます。クマを致死させる程の威力はありませんが、人を襲う意欲を減退させ、その場から退散させることが期待できます。 ※絶対に人へ向けて発射しないでください。 熊よけスプレーを選ぶ際にチェックすること 1.スプレーの到達距離 スプレーの到達距離は短いもので2メートルほど、長いものでは10メートルほど届くものがあります(メーカー発表値)。 メーカー発表値は、室内無風状態での実験データであり、実際のフィールドで使用した場合と異なる場合があるので、注意が必要です。相手がクマであることを考えると、少々心もとない到達距離といえます。 ヒグマは時速50キロで走ることが可能で、最高時速は60km/hに達すると言われています。また、ツキノワグマも走る速度は40km/h以上といわれています。素早さで人間に勝ち目はないので、到達距離はなるべく長いものを選ぶのが良いでしょう。 2. 辛さ評価度(SHU) SHU(Scoville Heat Unitsスコヴィル・ヒート・ユニット)という単位があります。これは、唐辛子の辛さの度合いを数値化したもので、1912年に化学者のスコヴィル氏が、トウガラシ抽出物の辛みを感じなくなるまで砂糖水で薄めた時の希釈倍率で辛さを表したことに由来する数値です。 現在では、計測機器によってカプサイシンの量を直接測定し、これをSHU値に換算することで算出されます。 SHUの数値は、軍事用として数値を表記する際は、食品用検査結果の10分の1で表します。 食品用としての検査結果が100万SHUだった場合、軍事用の表現では10万SHUとなります。軍用表記で実効値が15万SHU以上あれば、熊よけとして十分効果はあります。 3. 溶剤の違い 催涙スプレーの中には、ヒグマなど大型熊に対して使うことを想定した超強力なスプレー(ベアスプレー)もあります。ベアスプレーは、原液をうすめる溶剤が油性です。油性溶剤のスプレーは粘着性があり、洗い流すことが比較的困難な性質があります。そのために長時間に渡り苦痛を与えます。 一方、水性溶剤の催涙スプレーは、近場の川や池、携帯する水などで比較的容易に洗い流すことが出来ます。油性と比較すると格段に安全です。ツキノワグマ用であれば、水性溶剤のものを使用しましょう。 注意点 油性のベアスプレーは強力な分、対象に対して過剰な苦痛を与えてしまったり、誤噴射等が起こった場合の被害が大きくなります。ベアスプレーをヒグマ以外に使うことは避けてください。 熊よけスプレーの使い方...
本当は怖い。マダニの感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」
獣を相手にする猟師や、山歩きをする人にとってはおなじみのマダニ。家庭内に生息するダニとは全く種類が異なります。 マダニは固い外皮に覆われた比較的大型のダニで、主に森林や草地等の屋外に生息しています。他に、市街地周辺でも見られ、樹木や藪が多い公園でも普通にマダニが生息しています。 この記事では、マダニの特徴や種類、媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について説明します。 マダニに咬まれたこと、ありますか? マダニは基本的に、野生動物を待ち構えるために地面の落葉層の間に潜んでいたり、葉っぱの先端で動物が来るのを待伏せしたりします。 マダニはハーラー器官と呼ばれる感覚器を持っており、哺乳類が発する二酸化炭素や体温、体臭、物理的振動などに反応します。 動物が通りがかると、それを感知して上に飛び降り、くっついて吸血を行います。大きい個体になると、厚手の衣類の上からでも喰いつきます。 獣道をよく歩く猟師にとって、マダニに狙われることはある意味宿命かもしれません。 マダニによる吸血は、蚊などのように短時間ではなく、数日〜2週間に及ぶことがあります。そのため、マダニの吸血行動を「咬着(こうちゃく)」と呼んで区別することもあります。 マダニの大きさは、種類にもよりますが吸血前で3~8mm、吸血後は膨らんで10~20mm程度にもなります。 マダニが咬着する場所は種類によって傾向がありますが、人の場合は膝の裏、陰部、胸、脇などがやられます。 マダニの唾液には麻酔物質が含まれており、吸血されていても気付かないことも多いです。人にもよりますが、マダニに咬着された場所は非常にかゆくなり、数週間続きます。水疱ができたり、化膿したりする場合もあります。 ちなみに、咬着したマダニを自分でむしり取ると、口器がちぎれて皮膚内に残ってしまうことがあります。 口器が皮膚の中に残ると、体が異物に対する防御反応として炎症を起こし、腫れます。その状態で皮膚科を受診すると、場合によっては局部麻酔+切開で異物除去となります。 マダニの種類 日本では、2科8属47種のマダニが確認されています。そのうちの代表種を紹介します。 キチマダニ 体色が薄く、やや黄色みがかって見えるため、この名前がついた。関東以西の温暖な平地では真冬でも採集される。体長は3mmくらい、ふくらむと8mmほど。 フタトゲチマダニ 独特なフォルムをしており、大きさは大体2~3mm、ふくらむと5~20mmほど。シカやクマなどの大型野生哺乳類や放牧牛に多数寄生する。野生動物以外にも、犬の散歩中に犬に取り付く場合があり、屋内で検出される例もしばしば見受けられる。 ヤマトマダニ 人寄生例が最も多いマダニで、マダニ属の中では最も分布が広いといわれる。家ネズミなどにも寄生し、住宅周辺でも見られる。 本当に怖いのは、感染症SFTS かゆみや切除だけで済むならそこまで大きな問題ではないのですが、ごく稀に感染症ウイルスを保有するマダニによって、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症するケースがあります。 患者の報告は毎年4月~11月に多くなっており、日本全国では現時点までに23府県355例が確認されています(うち63例で死亡)。先月も広島県尾道市の80代の男性がSFTSに感染し、死亡しています。 なお、国立感染症研究所の調査によると、山口県で捕獲されたイノシシ(370頭)とシカ(502頭)におけるSFTSウイルス抗体保有率を調査した結果、イノシシは8.6%、シカは43.2%の陽性率であったとのこと。 SFTSの症状 主な症状は「発熱」と「消化器症状」です。先にも述べたとおり、重症化し死亡することもあります。日本でのSFTSの致命率※は約20%とされており、特に高齢者は重症化しやすいと考えられています。 ※致命率とは、ある特定の病気にかかったと診断され、報告された患者のうち、一定の期間内に死亡した患者の割合を指します。 マダニに咬まれてから6日から2週間程度の潜伏期間を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が出現します。また、時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など),出血症状(紫斑,下血)を起こします。初期症状は急性胃腸炎、インフルエンザと似ていますが、ワクチンはありません。...
本当は怖い。マダニの感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」
獣を相手にする猟師や、山歩きをする人にとってはおなじみのマダニ。家庭内に生息するダニとは全く種類が異なります。 マダニは固い外皮に覆われた比較的大型のダニで、主に森林や草地等の屋外に生息しています。他に、市街地周辺でも見られ、樹木や藪が多い公園でも普通にマダニが生息しています。 この記事では、マダニの特徴や種類、媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について説明します。 マダニに咬まれたこと、ありますか? マダニは基本的に、野生動物を待ち構えるために地面の落葉層の間に潜んでいたり、葉っぱの先端で動物が来るのを待伏せしたりします。 マダニはハーラー器官と呼ばれる感覚器を持っており、哺乳類が発する二酸化炭素や体温、体臭、物理的振動などに反応します。 動物が通りがかると、それを感知して上に飛び降り、くっついて吸血を行います。大きい個体になると、厚手の衣類の上からでも喰いつきます。 獣道をよく歩く猟師にとって、マダニに狙われることはある意味宿命かもしれません。 マダニによる吸血は、蚊などのように短時間ではなく、数日〜2週間に及ぶことがあります。そのため、マダニの吸血行動を「咬着(こうちゃく)」と呼んで区別することもあります。 マダニの大きさは、種類にもよりますが吸血前で3~8mm、吸血後は膨らんで10~20mm程度にもなります。 マダニが咬着する場所は種類によって傾向がありますが、人の場合は膝の裏、陰部、胸、脇などがやられます。 マダニの唾液には麻酔物質が含まれており、吸血されていても気付かないことも多いです。人にもよりますが、マダニに咬着された場所は非常にかゆくなり、数週間続きます。水疱ができたり、化膿したりする場合もあります。 ちなみに、咬着したマダニを自分でむしり取ると、口器がちぎれて皮膚内に残ってしまうことがあります。 口器が皮膚の中に残ると、体が異物に対する防御反応として炎症を起こし、腫れます。その状態で皮膚科を受診すると、場合によっては局部麻酔+切開で異物除去となります。 マダニの種類 日本では、2科8属47種のマダニが確認されています。そのうちの代表種を紹介します。 キチマダニ 体色が薄く、やや黄色みがかって見えるため、この名前がついた。関東以西の温暖な平地では真冬でも採集される。体長は3mmくらい、ふくらむと8mmほど。 フタトゲチマダニ 独特なフォルムをしており、大きさは大体2~3mm、ふくらむと5~20mmほど。シカやクマなどの大型野生哺乳類や放牧牛に多数寄生する。野生動物以外にも、犬の散歩中に犬に取り付く場合があり、屋内で検出される例もしばしば見受けられる。 ヤマトマダニ 人寄生例が最も多いマダニで、マダニ属の中では最も分布が広いといわれる。家ネズミなどにも寄生し、住宅周辺でも見られる。 本当に怖いのは、感染症SFTS かゆみや切除だけで済むならそこまで大きな問題ではないのですが、ごく稀に感染症ウイルスを保有するマダニによって、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症するケースがあります。 患者の報告は毎年4月~11月に多くなっており、日本全国では現時点までに23府県355例が確認されています(うち63例で死亡)。先月も広島県尾道市の80代の男性がSFTSに感染し、死亡しています。 なお、国立感染症研究所の調査によると、山口県で捕獲されたイノシシ(370頭)とシカ(502頭)におけるSFTSウイルス抗体保有率を調査した結果、イノシシは8.6%、シカは43.2%の陽性率であったとのこと。 SFTSの症状 主な症状は「発熱」と「消化器症状」です。先にも述べたとおり、重症化し死亡することもあります。日本でのSFTSの致命率※は約20%とされており、特に高齢者は重症化しやすいと考えられています。 ※致命率とは、ある特定の病気にかかったと診断され、報告された患者のうち、一定の期間内に死亡した患者の割合を指します。 マダニに咬まれてから6日から2週間程度の潜伏期間を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が出現します。また、時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など),出血症状(紫斑,下血)を起こします。初期症状は急性胃腸炎、インフルエンザと似ていますが、ワクチンはありません。...
狩猟に使う靴はどれが良いのか考えてみる
狩猟の際の靴はどのようなものを選ばれていますか?荒れた山道を銃を持って歩いたり、重い獲物を持ち運んだり、川のなかをジャブジャブ進んだり、滑りやすい雪道を歩いたり。 猟場によっては足元のおぼつかない道を進んでいくことが多々あるわけです。 そこで重要になるのがが、靴選び。靴選びを適当にしてしまうと、足を滑らせたりして大きな怪我をしてしまう可能性があります。 靴選びに失敗して、痛い目を見てしまったハンターも中にはいらっしゃるでしょう。この記事では、狩猟に使う靴はどれが良いのか考察してみます。 狩猟靴のタイプ まず、狩猟に使われる靴のタイプは大きく分けて三つあります。一つ目は長靴、二つ目は地下足袋(タビ)、三つ目は登山靴です。では、それぞれのタイプの特徴を挙げていきます。 1. 長靴タイプの特徴 最もオーソドックスな狩猟靴といえるでしょう。長靴なので、ある程度の水深の沢歩き等においても防水性は完璧です。また、猟期が冬であることを考えると、防寒性が高いことも長所の一つです。 逆に、有害駆除等の夏場の作業では、蒸れてしまうことが短所ともいえます。 長靴タイプの場合、同じサイズでもフィット感が人によって異なります。フィット感が悪いと、意図せぬところで脱げてしまったり、靴の中で足が動いてしまったり、歩きやすさを損なうことになります。 対策としては、例えば、実際に履いてブカブカであった場合、中敷きや靴下でうまく調整すると良いでしょう。 また、プレートの入った安全長靴であれば、防護性も抜群。意図せず竹や枝を踏み抜いてしまうなどの怪我も防ぐことができます。 普通の長靴 山歩きをしない平地中心の行動範囲であれば、スリップにそこまで気をつかうことなく、スパイク無しの長靴を使うのも良いでしょう。 その場合は安価で済ますことができるので、コストパフォーマンスも良いと言えます。ただし、安すぎるのは、芯が折れたり、ゴムが薄くてすぐに破けたりしますので注意が必要です。 スパイク長靴 靴底にスパイク(金属のピン)が付いているタイプは、特にグリップ性が良好で滑りにくいです。一方で、歩いた時のスパイクの突き上げ感が嫌、という人もいます。 また、金属スパイク靴特有の歩いた時にカチカチする音を獲物が嫌うという理由から、金属スパイクを避ける人もいます。 底がフェルト素材の長靴もあります。ゴム底タイプは苔がついた凹凸の無い岩では滑りますが、フェルト素材は非常に滑りにくいです。 一方で、フェルトは泥や草地では滑りやすくなりますので、状況に応じた使い分けが必要です。フェルトの靴底にスパイクがついているタイプもあります。 2. 足袋タイプの特徴 足袋はつま先が親指と他の指で分かれています。そのため、足元を親指×2、他の指×2の四点で支えることができます。足袋タイプはこの記事で紹介している3タイプの中で、最も安定感があると言えるでしょう。 長靴タイプと同様、スパイクがついているタイプも多くあります。グリップ力抜群の金属スパイクと、グリップ力はやや劣るものの砂利や舗装された道の上を歩いた時にカチカチ音が出ないゴムスパイクがあります。 コハゼ※やマジックテープによって足を固定するため、フィット感は長靴より優れており、特にマジックテープで固定するタイプのものであれば、靴の中で足がブレたり、すっぽ抜けたりすることはないでしょう。 ※コハゼ(甲馳)・・・足首の後ろについている爪型の金具のこと。 一方で、ゴム素材で覆われている長靴タイプと比べると、防水性や防寒性能は劣ります。特に、沢を歩いたり、雪が多い地域での猟においては、長靴のほうが向いているといえます。 例えば、雪が降る前のシーズンは足袋を使って、雪が降りだすシーズンは長靴を使うなど、使い分けているハンターもいらっしゃいます。 地下足袋タイプは林業で使われることが多いので、つま先に芯の入った安全靴タイプや、甲部に切創防止・耐衝撃のための甲ガードがついているものも多くあります。 なお、足袋タイプを履く場合、当然ながら普通の靴下ではなく、足袋用靴下を用意する必要があります。 3. 登山靴・ブーツタイプの特徴...
狩猟に使う靴はどれが良いのか考えてみる
狩猟の際の靴はどのようなものを選ばれていますか?荒れた山道を銃を持って歩いたり、重い獲物を持ち運んだり、川のなかをジャブジャブ進んだり、滑りやすい雪道を歩いたり。 猟場によっては足元のおぼつかない道を進んでいくことが多々あるわけです。 そこで重要になるのがが、靴選び。靴選びを適当にしてしまうと、足を滑らせたりして大きな怪我をしてしまう可能性があります。 靴選びに失敗して、痛い目を見てしまったハンターも中にはいらっしゃるでしょう。この記事では、狩猟に使う靴はどれが良いのか考察してみます。 狩猟靴のタイプ まず、狩猟に使われる靴のタイプは大きく分けて三つあります。一つ目は長靴、二つ目は地下足袋(タビ)、三つ目は登山靴です。では、それぞれのタイプの特徴を挙げていきます。 1. 長靴タイプの特徴 最もオーソドックスな狩猟靴といえるでしょう。長靴なので、ある程度の水深の沢歩き等においても防水性は完璧です。また、猟期が冬であることを考えると、防寒性が高いことも長所の一つです。 逆に、有害駆除等の夏場の作業では、蒸れてしまうことが短所ともいえます。 長靴タイプの場合、同じサイズでもフィット感が人によって異なります。フィット感が悪いと、意図せぬところで脱げてしまったり、靴の中で足が動いてしまったり、歩きやすさを損なうことになります。 対策としては、例えば、実際に履いてブカブカであった場合、中敷きや靴下でうまく調整すると良いでしょう。 また、プレートの入った安全長靴であれば、防護性も抜群。意図せず竹や枝を踏み抜いてしまうなどの怪我も防ぐことができます。 普通の長靴 山歩きをしない平地中心の行動範囲であれば、スリップにそこまで気をつかうことなく、スパイク無しの長靴を使うのも良いでしょう。 その場合は安価で済ますことができるので、コストパフォーマンスも良いと言えます。ただし、安すぎるのは、芯が折れたり、ゴムが薄くてすぐに破けたりしますので注意が必要です。 スパイク長靴 靴底にスパイク(金属のピン)が付いているタイプは、特にグリップ性が良好で滑りにくいです。一方で、歩いた時のスパイクの突き上げ感が嫌、という人もいます。 また、金属スパイク靴特有の歩いた時にカチカチする音を獲物が嫌うという理由から、金属スパイクを避ける人もいます。 底がフェルト素材の長靴もあります。ゴム底タイプは苔がついた凹凸の無い岩では滑りますが、フェルト素材は非常に滑りにくいです。 一方で、フェルトは泥や草地では滑りやすくなりますので、状況に応じた使い分けが必要です。フェルトの靴底にスパイクがついているタイプもあります。 2. 足袋タイプの特徴 足袋はつま先が親指と他の指で分かれています。そのため、足元を親指×2、他の指×2の四点で支えることができます。足袋タイプはこの記事で紹介している3タイプの中で、最も安定感があると言えるでしょう。 長靴タイプと同様、スパイクがついているタイプも多くあります。グリップ力抜群の金属スパイクと、グリップ力はやや劣るものの砂利や舗装された道の上を歩いた時にカチカチ音が出ないゴムスパイクがあります。 コハゼ※やマジックテープによって足を固定するため、フィット感は長靴より優れており、特にマジックテープで固定するタイプのものであれば、靴の中で足がブレたり、すっぽ抜けたりすることはないでしょう。 ※コハゼ(甲馳)・・・足首の後ろについている爪型の金具のこと。 一方で、ゴム素材で覆われている長靴タイプと比べると、防水性や防寒性能は劣ります。特に、沢を歩いたり、雪が多い地域での猟においては、長靴のほうが向いているといえます。 例えば、雪が降る前のシーズンは足袋を使って、雪が降りだすシーズンは長靴を使うなど、使い分けているハンターもいらっしゃいます。 地下足袋タイプは林業で使われることが多いので、つま先に芯の入った安全靴タイプや、甲部に切創防止・耐衝撃のための甲ガードがついているものも多くあります。 なお、足袋タイプを履く場合、当然ながら普通の靴下ではなく、足袋用靴下を用意する必要があります。 3. 登山靴・ブーツタイプの特徴...
熱中症対策のススメ。
記録的な猛暑の2018年 今年は猛暑ではなく、酷暑であるといわれます。梅雨明け後に全国的な猛暑が始まり、先月23日に埼玉県熊谷市で最高気温41.1度を記録、国内記録を5年ぶりに更新しました。 先月に観測史上最高気温を塗り替えた観測地点は、全体の1割強の113地点に上るそうです。 日本だけでなく世界でも記録的な猛暑が観測されています。 アメリカでは、先月8日にカリフォルニア州デスバレー国立公園で最高気温52度となったほか、ロサンゼルス近郊のチノでも48.9度を記録したとのこと。もはや、人間が気合や根性で耐えられるレベルを完全に超えています。 酷暑による健康被害 記録的な猛暑が続くなかで、熱中症による健康被害が深刻化しています。総務省消防庁によると、先月9日から15日の間で、国内で救急車搬送された熱中症患者数は9956人、うち12人が死亡したとのこと。 熱中症には様々な症状があり、初期~中期症状としてめまい、ふらつき、頭痛などがあります。さらに症状が進むと重症化し、ひどい発汗やけいれん(こむらがえり)、吐き気などが出たり、熱で意識がもうろうとして、自分の状態を判断できないまま急に意識を失う場合もあります。 熱中症のメカニズム 人間を含む恒温動物の体には、体温調節機能が備わっています。体温が上がり過ぎたときには、体の表面(皮膚)に流れる血液の量を増やし、熱を体の外へ逃がしやすい状態にします。 しかしながら、このメカニズムのバランスが崩れて血液が足りなくなると、血圧が低下して脳に十分な血液が送られなくなります。その結果、めまいやふらつき、意識消失が起こります。 人間は体温が上がったら汗をかき、その汗が蒸発するときにからだの表面から熱を奪うことで、上がった体温を下げようする仕組みを持っていますが、発汗によって水分を失い脱水症状が続くと倦怠感、嘔吐、頭痛などが生じます。 また、発汗によって血液中の電解質(塩分)が不足すると、筋肉の収縮を調整する電解質が足りなくなり、けいれん、こむらがえりが起こりやすくなります。 さらに症状が進むと、脳内の温度が上昇することで中枢神経に異常が起こり、からだのさまざまな臓器に障害が出て、命を落とすこともある危険な状態になります。 そして、上記のいかなる症状においても、まずは身体を冷やすことが大切です。 ハンターにおすすめの熱中症対策 その1:冷却ベスト/クールベスト 繰り返しになりますが、熱中症にならないためには、体を冷やすことが大切です。 しかしながら、狩猟活動(有害駆除)は野外で行うもの。炎天下での作業はどうしても発生しますが、作業の都度いちいち体を冷やすわけにもいきません。 そこで是非ともおすすめしたいのが、冷却ベスト(クールベスト)です。 冷やし方としては、注水することにより気化熱で冷やすパターン、氷を入れて溶けた水の気化熱で冷やすパターン、保冷材によって冷やすパターンなどがあります。 着用の際に、衣服を濡らしたくない場合は、保冷材を使用するパターンを選ぶと良いでしょう。 冷却ベストの上に上着を着て、その上から猟友会の蛍光オレンジベストを組み合わせれば、ばっちりです。 各社から様々なタイプが出ていますが、接触面積が大きく密着度が高いものを選ぶと、より保冷効果を体感することができます。また、蒸れを考慮すると、メッシュタイプがおすすめです。 冷却ベストを通販で探す>> その2:空調服 上記の冷却ベストに、空調服と組み合わせると、最強の熱中症対策ウェアになります。空調服とは、一言でいうと「電動ファン内蔵服」です。 服に付いた小型ファンで服の中に外気を取入れ、体の表面に大量の風を流すことにより汗を気化させます。気化熱によって体温が奪われ、暖かく湿った空気は襟元と袖口から排出されます。 なお、ジャケット(空調服専用)・ファン・バッテリーをそろえる必要があります。価格の目安としては、メーカーや素材によっても異なりますが、すべて合わせて2万円ほどです。 購入の前にジャケットのサイズ感や、バッテリーの稼働時間をあらかじめ確認しておきましょう。ピッタリなサイズよりも、1サイズ余裕を持たせるほうが良いと思います。...
熱中症対策のススメ。
記録的な猛暑の2018年 今年は猛暑ではなく、酷暑であるといわれます。梅雨明け後に全国的な猛暑が始まり、先月23日に埼玉県熊谷市で最高気温41.1度を記録、国内記録を5年ぶりに更新しました。 先月に観測史上最高気温を塗り替えた観測地点は、全体の1割強の113地点に上るそうです。 日本だけでなく世界でも記録的な猛暑が観測されています。 アメリカでは、先月8日にカリフォルニア州デスバレー国立公園で最高気温52度となったほか、ロサンゼルス近郊のチノでも48.9度を記録したとのこと。もはや、人間が気合や根性で耐えられるレベルを完全に超えています。 酷暑による健康被害 記録的な猛暑が続くなかで、熱中症による健康被害が深刻化しています。総務省消防庁によると、先月9日から15日の間で、国内で救急車搬送された熱中症患者数は9956人、うち12人が死亡したとのこと。 熱中症には様々な症状があり、初期~中期症状としてめまい、ふらつき、頭痛などがあります。さらに症状が進むと重症化し、ひどい発汗やけいれん(こむらがえり)、吐き気などが出たり、熱で意識がもうろうとして、自分の状態を判断できないまま急に意識を失う場合もあります。 熱中症のメカニズム 人間を含む恒温動物の体には、体温調節機能が備わっています。体温が上がり過ぎたときには、体の表面(皮膚)に流れる血液の量を増やし、熱を体の外へ逃がしやすい状態にします。 しかしながら、このメカニズムのバランスが崩れて血液が足りなくなると、血圧が低下して脳に十分な血液が送られなくなります。その結果、めまいやふらつき、意識消失が起こります。 人間は体温が上がったら汗をかき、その汗が蒸発するときにからだの表面から熱を奪うことで、上がった体温を下げようする仕組みを持っていますが、発汗によって水分を失い脱水症状が続くと倦怠感、嘔吐、頭痛などが生じます。 また、発汗によって血液中の電解質(塩分)が不足すると、筋肉の収縮を調整する電解質が足りなくなり、けいれん、こむらがえりが起こりやすくなります。 さらに症状が進むと、脳内の温度が上昇することで中枢神経に異常が起こり、からだのさまざまな臓器に障害が出て、命を落とすこともある危険な状態になります。 そして、上記のいかなる症状においても、まずは身体を冷やすことが大切です。 ハンターにおすすめの熱中症対策 その1:冷却ベスト/クールベスト 繰り返しになりますが、熱中症にならないためには、体を冷やすことが大切です。 しかしながら、狩猟活動(有害駆除)は野外で行うもの。炎天下での作業はどうしても発生しますが、作業の都度いちいち体を冷やすわけにもいきません。 そこで是非ともおすすめしたいのが、冷却ベスト(クールベスト)です。 冷やし方としては、注水することにより気化熱で冷やすパターン、氷を入れて溶けた水の気化熱で冷やすパターン、保冷材によって冷やすパターンなどがあります。 着用の際に、衣服を濡らしたくない場合は、保冷材を使用するパターンを選ぶと良いでしょう。 冷却ベストの上に上着を着て、その上から猟友会の蛍光オレンジベストを組み合わせれば、ばっちりです。 各社から様々なタイプが出ていますが、接触面積が大きく密着度が高いものを選ぶと、より保冷効果を体感することができます。また、蒸れを考慮すると、メッシュタイプがおすすめです。 冷却ベストを通販で探す>> その2:空調服 上記の冷却ベストに、空調服と組み合わせると、最強の熱中症対策ウェアになります。空調服とは、一言でいうと「電動ファン内蔵服」です。 服に付いた小型ファンで服の中に外気を取入れ、体の表面に大量の風を流すことにより汗を気化させます。気化熱によって体温が奪われ、暖かく湿った空気は襟元と袖口から排出されます。 なお、ジャケット(空調服専用)・ファン・バッテリーをそろえる必要があります。価格の目安としては、メーカーや素材によっても異なりますが、すべて合わせて2万円ほどです。 購入の前にジャケットのサイズ感や、バッテリーの稼働時間をあらかじめ確認しておきましょう。ピッタリなサイズよりも、1サイズ余裕を持たせるほうが良いと思います。...