鳥獣被害対策マガジン

くくり罠に関連する死亡事故も発生。狩猟中の事故に気を付けましょう
狩猟シーズンまっただなかで、当店でも毎日のように捕獲のご報告をいただいております。その一方で、狩猟中の事故もニュース等で報道されており、捕獲者の皆様が安全に狩猟を行うにはどうするべきなのか思いをはせることが多くなる時期でもあります。 野生の獣の身体能力は人間が想像する以上に高く、捕獲するのは危険が伴う行為でもあります。捕獲者の皆様には今一度、安全面に関しての配慮をあらためてご確認いただけますと幸いです。 特に事故が多いのは、くくり罠の止め刺し時 毎年、狩猟による事故は全国的に発生しています。銃の暴発や滑落によって大怪我をするのは容易に想像できますが、中でも特に多いのは、くくり罠にかかった獲物を処理するときです。 くくり罠は獲物の足をワイヤーで括る(くくる)罠です。ワイヤーの括りが甘いと、足がすっぽ抜けます。 また、獣も生死がかかっているので、自らの足をちぎってでも逃げようとすることがあります。 例えば、仕掛けたくくり罠にイノシシがかかっていたが、止め刺しが難しそうだったので銃を使える猟師仲間を呼びに行き、戻ってきたら足だけ残してイノシシが逃げてしまっていた、なんていうこともあります。 また、人間の力では到底切れそうにないワイヤーも、条件によっては切れます。くくり罠にかかった獲物の止め刺しをしようとしたら、ワイヤーが切れて逆襲にあったという事例もあります。 くくり罠でとらえた獲物を熟練の猟師が素手で組み伏せて生け捕りにすることもありますが、それは多くの経験や知識があるからこそできる名人芸であり、簡単に挑戦しようとしないことです。 とにかく、獣をなめてはいけない クマはもちろん、イノシシやシカも暴れられると相当な力があります。各所で公開されている情報を見てみると、以下のような事例が報告されています。噛みつきや引っかき、イノシシなら牙によるしゃくり上げや、シカなら角によって怪我を負わされるリスクがあります。 クマによる事故事例 イノシシ狩中に子熊を連れた母熊に急襲された。身を守るためにライフルで反撃したところ母熊が倒れ込んでうずくまったため、確認のために近づいたところ、死に際の逆襲に遭い、顔を損傷した。 山林に仕掛けた狩猟用のわなを確認に行ったところ、クマがかかっており、そのクマに腕をかまれ、右腕を骨折した。 シカやイノシシの狩猟をしていたところ、親子とみられるクマ2頭と遭遇し子熊を射殺、搬出準備をしていたところ、親グマに襲われ、顔面を負傷。 イノシシによる事故事例 わなにかかったイノシシの止め刺しを行うため、近づいたところ、イノシシの前足が脱落し、体当たりされて左大腿部を負傷した。 イノシシ猟のわなを見回る途中、わなにかかっていたイノシシにかまれ、約100メートル引きずられた。水路に落ちたところを救出されたが、まもなく死亡が確認された。 くくり罠にかかった猪に近づいたら暴れて抜け出され、指を噛みちぎられた。 わなにかかっていたイノシシに襲われ、尻から腰のあたりをかまれた。襲われた直後は受け答えができたが、その後意識不明の重体に。 シカによる事故事例 半矢になったシカの角で手の甲を刺された。 畑の防護ネットに絡まったシカを一人で駆除しようとしたところ角が腹部に刺さってけがをした。 特にイノシシによる反撃事例は多く発生しており、予想もしないような身体能力を発揮する場合があります。筆者も「なんか遠まきにイノシシがいるな」と思っていたら、瞬きしている間に間近まで接近された経験があります。 全国的に、狩猟による事故件数は年間50件程度で推移しており、死亡事故も発生しています。事故にあわないために、もう一度基本に立ちかえって、野生動物をなめてはいけないという意識のもと日々の狩猟活動を行うようにしましょう。 道具のチェックは超重要 銃猟の場合の道具チェックは当然として、わな猟の場合の道具チェックも非常に重要です。使用する部材に破損や損傷があった場合は、ためらわず交換するようにしましょう。「販売のために、そう言っているんだろう?」と受け取られることもあるかもしれませんが、決してそうではなく、安全のため、また捕獲の効率を上げるためにそのようにお勧めしております。 特に注意したいのが、ワイヤーの劣化です。使用によってワイヤーがよじれたりキンク(折れ曲がり)したりすると、金属疲労によって切れるリスクが出てきます。一見、簡単には切れないように見えますが、切れるときは切れます。 ワイヤーは細かい素線によって編み込まれており、素線が少しでも切れると他の素線にかかる負担が増え、どんどん切れやすくなります。「傷んでいるけど、もうちょっと使えるかな?」と思っても、そこは消耗品と割り切って、新しいものに交換するようにしましょう。 特に、一度獲物がかかったワイヤーは殆どの場合素線が断裂していますので、再使用しないようにします。...
くくり罠に関連する死亡事故も発生。狩猟中の事故に気を付けましょう
狩猟シーズンまっただなかで、当店でも毎日のように捕獲のご報告をいただいております。その一方で、狩猟中の事故もニュース等で報道されており、捕獲者の皆様が安全に狩猟を行うにはどうするべきなのか思いをはせることが多くなる時期でもあります。 野生の獣の身体能力は人間が想像する以上に高く、捕獲するのは危険が伴う行為でもあります。捕獲者の皆様には今一度、安全面に関しての配慮をあらためてご確認いただけますと幸いです。 特に事故が多いのは、くくり罠の止め刺し時 毎年、狩猟による事故は全国的に発生しています。銃の暴発や滑落によって大怪我をするのは容易に想像できますが、中でも特に多いのは、くくり罠にかかった獲物を処理するときです。 くくり罠は獲物の足をワイヤーで括る(くくる)罠です。ワイヤーの括りが甘いと、足がすっぽ抜けます。 また、獣も生死がかかっているので、自らの足をちぎってでも逃げようとすることがあります。 例えば、仕掛けたくくり罠にイノシシがかかっていたが、止め刺しが難しそうだったので銃を使える猟師仲間を呼びに行き、戻ってきたら足だけ残してイノシシが逃げてしまっていた、なんていうこともあります。 また、人間の力では到底切れそうにないワイヤーも、条件によっては切れます。くくり罠にかかった獲物の止め刺しをしようとしたら、ワイヤーが切れて逆襲にあったという事例もあります。 くくり罠でとらえた獲物を熟練の猟師が素手で組み伏せて生け捕りにすることもありますが、それは多くの経験や知識があるからこそできる名人芸であり、簡単に挑戦しようとしないことです。 とにかく、獣をなめてはいけない クマはもちろん、イノシシやシカも暴れられると相当な力があります。各所で公開されている情報を見てみると、以下のような事例が報告されています。噛みつきや引っかき、イノシシなら牙によるしゃくり上げや、シカなら角によって怪我を負わされるリスクがあります。 クマによる事故事例 イノシシ狩中に子熊を連れた母熊に急襲された。身を守るためにライフルで反撃したところ母熊が倒れ込んでうずくまったため、確認のために近づいたところ、死に際の逆襲に遭い、顔を損傷した。 山林に仕掛けた狩猟用のわなを確認に行ったところ、クマがかかっており、そのクマに腕をかまれ、右腕を骨折した。 シカやイノシシの狩猟をしていたところ、親子とみられるクマ2頭と遭遇し子熊を射殺、搬出準備をしていたところ、親グマに襲われ、顔面を負傷。 イノシシによる事故事例 わなにかかったイノシシの止め刺しを行うため、近づいたところ、イノシシの前足が脱落し、体当たりされて左大腿部を負傷した。 イノシシ猟のわなを見回る途中、わなにかかっていたイノシシにかまれ、約100メートル引きずられた。水路に落ちたところを救出されたが、まもなく死亡が確認された。 くくり罠にかかった猪に近づいたら暴れて抜け出され、指を噛みちぎられた。 わなにかかっていたイノシシに襲われ、尻から腰のあたりをかまれた。襲われた直後は受け答えができたが、その後意識不明の重体に。 シカによる事故事例 半矢になったシカの角で手の甲を刺された。 畑の防護ネットに絡まったシカを一人で駆除しようとしたところ角が腹部に刺さってけがをした。 特にイノシシによる反撃事例は多く発生しており、予想もしないような身体能力を発揮する場合があります。筆者も「なんか遠まきにイノシシがいるな」と思っていたら、瞬きしている間に間近まで接近された経験があります。 全国的に、狩猟による事故件数は年間50件程度で推移しており、死亡事故も発生しています。事故にあわないために、もう一度基本に立ちかえって、野生動物をなめてはいけないという意識のもと日々の狩猟活動を行うようにしましょう。 道具のチェックは超重要 銃猟の場合の道具チェックは当然として、わな猟の場合の道具チェックも非常に重要です。使用する部材に破損や損傷があった場合は、ためらわず交換するようにしましょう。「販売のために、そう言っているんだろう?」と受け取られることもあるかもしれませんが、決してそうではなく、安全のため、また捕獲の効率を上げるためにそのようにお勧めしております。 特に注意したいのが、ワイヤーの劣化です。使用によってワイヤーがよじれたりキンク(折れ曲がり)したりすると、金属疲労によって切れるリスクが出てきます。一見、簡単には切れないように見えますが、切れるときは切れます。 ワイヤーは細かい素線によって編み込まれており、素線が少しでも切れると他の素線にかかる負担が増え、どんどん切れやすくなります。「傷んでいるけど、もうちょっと使えるかな?」と思っても、そこは消耗品と割り切って、新しいものに交換するようにしましょう。 特に、一度獲物がかかったワイヤーは殆どの場合素線が断裂していますので、再使用しないようにします。...

【手順で解説】くくり罠によるイノシシ捕獲から生け捕りまで
イノシシやシカをはじめとした野生獣の捕獲方法の1つである「くくり罠」。獣が罠を踏むと、ワイヤーが締まって脚を捕獲する方法です。 中でもイノシシは身体能力が高いため、罠の設置や捕獲後の対応の際に、押さえておきたいポイントがあります。捕獲率を高めるだけでなく、より安全にイノシシを仕留めるためのポイントを順を追ってご紹介します。 イノシシ用のくくり罠を設置する くくり罠の設置は、イノシシとの知恵比べといえます。 イノシシは環境の変化に敏感で、新しく掘り起こされた土や人間の痕跡があると、警戒してそこを避ける行動をとります。罠を設置した痕跡を残さないよう、慎重かつ狡猾に罠を設置することが大切です。 まず、罠を設置する場所を決めましょう。イノシシが行動しているであろうエリアを丁寧に観察し、イノシシのフンや足跡、獣道を探します。足跡や獣道をみつけたら、より具体的に罠を設置する場所を絞り込みましょう。 イノシシは足元が不安定な場所を避けるため、枝や石はよけて通る習性があります。獣道の途中に木の根っこなどがあれば、そこを跨いで足を降ろす可能性が高くなります。 また、段差がある場所なら、イノシシも踏ん張りやすい安定した部分に足を置こうとするでしょう。こうした場所はくくり罠を仕掛けるには絶好のポイントです。 このように、痕跡を追うだけでなく、さらに一歩踏み込んで、そこから読み取れるイノシシの行動まで予測することで罠の捕獲率を高めていきます。 こちらの記事もどうぞ 【徹底解説】くくり罠の特徴や成果の上げ方とは? 匂い対策やカモフラージュは念入りに くくり罠を設置する際は、匂い対策にも注意をはらいましょう。罠を設置するために掘り返した土は、表面の乾いた土と匂いに違いあります。イノシシの嗅覚は鋭敏で、わずかな匂いの変化にも気づきます。 掘り起こした土で余りが出たら、罠から少し離れた場所に置くようにしましょう。 これ以外にも、新品の罠は人工物の匂いがするため、一度雨にさらして匂いを落としておくテクニックもあります。 同じく作業に使う軍手などもビニール製やゴム製は匂いが残るため避ける人もいます。徹底して人の匂いの痕跡を残さないため、猟に使う作業着は洗わず1シーズン使うといった罠師もいるほどです。人間に慣れていないイノシシの場合は特に匂いに対する警戒心が高いことから、罠の性能を損なわない範囲で可能な限り対策をしておくとよいでしょう。 また、くくり罠を設置したら表面に土や枯れ葉などを使ってカモフラージュを行います。周囲の環境と同じようにすることで、イノシシに見破られないよう工夫することが大切です。ハケなどを持参しておくと、より自然で細かなカモフラージュができます。 罠の手前や両サイドに枯れ枝を置いて、イノシシが足を置く位置を限定し捕獲率を高める方法も効果的です。 一方で、昼間に人里に現れるような人間に慣れているイノシシの場合、人間の痕跡を避けないケースもあります。わざと足跡を手で消してみて、そのあと同じ場所に足跡があれば、イノシシがその場所を踏む可能性が非常に高くなります。 イノシシがくくり罠にかかっていたら 見回りの際、くくり罠にイノシシがかかっていたら、その後の対処が必要になります。罠にかかったイノシシは、なんとか逃れようと必死に暴れ、興奮していてとても危険です。 まずは遠巻きに状況を確認し、斜面の場合はイノシシよりも高い方向から近づきます。近付く際はゆっくりと、警戒心を緩めずに進みましょう。捕らえたイノシシの可動域の外から、くくり罠がが足にしっかり固定されているか確認します。 罠のかかりが甘い場合や、イノシシが激しく暴れまわると罠が外れる可能性があります。状況をしっかり把握して、作業の安全を確保しましょう。 こちらの記事もどうぞ 捕獲獣(イノシシ・シカ等)の止めさしについて 生け捕りにするのでなければ、くくり罠にかかったイノシシはその場で止め刺しします。 その場合、鈍器等による殴打や電気ショック、ナイフを使います。必要に応じて銃で止め刺しする場合もあります。接近戦が危険と判断した場合は、応援を呼んだり銃による対処ができるよう事前に段取りしておきましょう。 こちらの記事もどうぞ 万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力 保定具(鼻くくりなど)を使う場合...
【手順で解説】くくり罠によるイノシシ捕獲から生け捕りまで
イノシシやシカをはじめとした野生獣の捕獲方法の1つである「くくり罠」。獣が罠を踏むと、ワイヤーが締まって脚を捕獲する方法です。 中でもイノシシは身体能力が高いため、罠の設置や捕獲後の対応の際に、押さえておきたいポイントがあります。捕獲率を高めるだけでなく、より安全にイノシシを仕留めるためのポイントを順を追ってご紹介します。 イノシシ用のくくり罠を設置する くくり罠の設置は、イノシシとの知恵比べといえます。 イノシシは環境の変化に敏感で、新しく掘り起こされた土や人間の痕跡があると、警戒してそこを避ける行動をとります。罠を設置した痕跡を残さないよう、慎重かつ狡猾に罠を設置することが大切です。 まず、罠を設置する場所を決めましょう。イノシシが行動しているであろうエリアを丁寧に観察し、イノシシのフンや足跡、獣道を探します。足跡や獣道をみつけたら、より具体的に罠を設置する場所を絞り込みましょう。 イノシシは足元が不安定な場所を避けるため、枝や石はよけて通る習性があります。獣道の途中に木の根っこなどがあれば、そこを跨いで足を降ろす可能性が高くなります。 また、段差がある場所なら、イノシシも踏ん張りやすい安定した部分に足を置こうとするでしょう。こうした場所はくくり罠を仕掛けるには絶好のポイントです。 このように、痕跡を追うだけでなく、さらに一歩踏み込んで、そこから読み取れるイノシシの行動まで予測することで罠の捕獲率を高めていきます。 こちらの記事もどうぞ 【徹底解説】くくり罠の特徴や成果の上げ方とは? 匂い対策やカモフラージュは念入りに くくり罠を設置する際は、匂い対策にも注意をはらいましょう。罠を設置するために掘り返した土は、表面の乾いた土と匂いに違いあります。イノシシの嗅覚は鋭敏で、わずかな匂いの変化にも気づきます。 掘り起こした土で余りが出たら、罠から少し離れた場所に置くようにしましょう。 これ以外にも、新品の罠は人工物の匂いがするため、一度雨にさらして匂いを落としておくテクニックもあります。 同じく作業に使う軍手などもビニール製やゴム製は匂いが残るため避ける人もいます。徹底して人の匂いの痕跡を残さないため、猟に使う作業着は洗わず1シーズン使うといった罠師もいるほどです。人間に慣れていないイノシシの場合は特に匂いに対する警戒心が高いことから、罠の性能を損なわない範囲で可能な限り対策をしておくとよいでしょう。 また、くくり罠を設置したら表面に土や枯れ葉などを使ってカモフラージュを行います。周囲の環境と同じようにすることで、イノシシに見破られないよう工夫することが大切です。ハケなどを持参しておくと、より自然で細かなカモフラージュができます。 罠の手前や両サイドに枯れ枝を置いて、イノシシが足を置く位置を限定し捕獲率を高める方法も効果的です。 一方で、昼間に人里に現れるような人間に慣れているイノシシの場合、人間の痕跡を避けないケースもあります。わざと足跡を手で消してみて、そのあと同じ場所に足跡があれば、イノシシがその場所を踏む可能性が非常に高くなります。 イノシシがくくり罠にかかっていたら 見回りの際、くくり罠にイノシシがかかっていたら、その後の対処が必要になります。罠にかかったイノシシは、なんとか逃れようと必死に暴れ、興奮していてとても危険です。 まずは遠巻きに状況を確認し、斜面の場合はイノシシよりも高い方向から近づきます。近付く際はゆっくりと、警戒心を緩めずに進みましょう。捕らえたイノシシの可動域の外から、くくり罠がが足にしっかり固定されているか確認します。 罠のかかりが甘い場合や、イノシシが激しく暴れまわると罠が外れる可能性があります。状況をしっかり把握して、作業の安全を確保しましょう。 こちらの記事もどうぞ 捕獲獣(イノシシ・シカ等)の止めさしについて 生け捕りにするのでなければ、くくり罠にかかったイノシシはその場で止め刺しします。 その場合、鈍器等による殴打や電気ショック、ナイフを使います。必要に応じて銃で止め刺しする場合もあります。接近戦が危険と判断した場合は、応援を呼んだり銃による対処ができるよう事前に段取りしておきましょう。 こちらの記事もどうぞ 万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力 保定具(鼻くくりなど)を使う場合...

シカの行動や習性を知ろう
目次 1シカの行動と繁殖力 2シカの食性とそれによる被害 3被害を減らすには早期の対策を 全国の野生鳥獣による被害状況のうち、最も被害が深刻なのがシカによるものです。農林水産省の発表した令和元年の農作物被害金額は約53億円に達しており、平成29年度以降の3年間でほとんど被害が減っていない状況です(参考)。なぜシカの被害が減らないのか、その理由は彼らの行動や習性に起因します。 シカの行動と繁殖力 当店イノホイが所在する宮崎県には、えびの高原という鹿の群生地があります。ノリウツギ、イヌツゲ、ヤマウルシや、天然記念物のノカイドウなど自然植生からなる場所が多くあり、これらを好むシカにとって好条件の立地です。 この場所でシカを観察していると、シカは多くの場合、オスとメスは別々に行動していることが分かります。オスには角があってメスは角が無いので見た目で容易に判別できますが、オスの角は毎年春に生え変わるので、角が伸びるまでは体格の違い(オスはガッチリした体格、メスはやや細め)で見分けたりもします。 このうち、メスは群れを作って生活し、あまり行動範囲を広げず定住性が高い傾向があります。一方で、オスは生後1~2年は母親の群れの中で生活しますが、その後は母親のもとを離れます。若いオスが群れを形成する場合もありますが、多くは単独で行動するようになります。 オスは季節によって広く移動しますが、繁殖期(9月末~11月ごろ)を迎えるとメスを求めて群れ近くに出没するようになります。この時期のオスは縄張りを作るようになり、繁殖期特有の鳴き声をよく発したり、オス同士で角を突き合わせて争う光景が見られるようになります。 この争いに勝ったオスは縄張り内のメスの群れと合流して一夫多妻制の集団を形成します。そして繁殖期が終わると、再びオスはメスから離れていきます。 このような行動の結果、メスの群れは高い妊娠率となります。妊娠率は70%以上で、10才を超えても妊娠率が低下しないともいわれます。妊娠期間は約220日で、1回の出産で1頭の子どもを産みます。 雑に計算したとしても、10頭のメスのうち7頭が毎年妊娠するような状態なので、栄養条件が良ければどんどん増えていきます。森林野生動物研究会の研究によると自然増加率は年平均16~20%、3~4年で倍増するという非常に高い繁殖力です。 シカの食性とそれによる被害 シカは一般的に草食性です。地域や植生環境によって食べる植物の種類は変わってきますが、ほとんどの種類の植物を食べます。特に新芽ややわらかい葉っぱを好物としますが、そういった好物の植物が無くなると、それまで食べなかった種類の植物も食べるようになり、さらに植物が少なくなると落ち葉も食べるようになります。 そのため、人間が管理する農作物や雑木林においても被害を受けやすくなります。基本的に人間が植える農作物は栄養価が高いため、シカのターゲットにされやすくなります。田植え直後の苗の引き抜きや食害、収穫期頃の穂先食害、大豆など豆類の草が食べられたりします。 他にも、林業用の苗木が食べられてしまったり、樹齢の高い木においては樹皮や形成層が食べられたり、オスの角こすりによって樹皮が剥がされたりします。 シカは牛と同じで4つに分かれた胃袋(反芻胃)を持つため消化能力が高く、食べ物の質が悪くても十分な栄養を得ることができます。そのため、積雪がない地域においては滅多なことがなければ栄養状態は悪くなりません。上記の繁殖力ともあいまって、放っておくとどんどん被害が増えてしまいます。 被害を減らすには早期の対策を シカ被害は生息密度が高い地域で起こりやすく、また強い繁殖力によって上がった生息密度は容易に下げることができません。シカが多く生息する地域においては、とにかくシカを増やさないことを念頭に、捕獲を積極的に行うこと、柵の設置によって餌となる場所に近づかせないことが基本となります。 また、生息密度が低く被害が散発的であったとしても、個体数が急増する可能性があるため、対策を放棄・放置しないようにすることが重要です。シカ対策 商品一覧はこちら シカ対策 おすすめ商品 激安でも獲れます。くくり罠用踏み板イノシシホイホイ 完成品 年間数千個の出荷実績がある、大人気のくくり罠です。設置に必要なものが全てそろっており、届いてすぐに仕掛けることができます。 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【片扉】 異形鉄筋を使用。3分筋:約9mmを使用して格子網を全箇所溶接しております。さらに要所を4分鉄筋、5分鉄筋で補強、非常に頑強な構造です。...
シカの行動や習性を知ろう
目次 1シカの行動と繁殖力 2シカの食性とそれによる被害 3被害を減らすには早期の対策を 全国の野生鳥獣による被害状況のうち、最も被害が深刻なのがシカによるものです。農林水産省の発表した令和元年の農作物被害金額は約53億円に達しており、平成29年度以降の3年間でほとんど被害が減っていない状況です(参考)。なぜシカの被害が減らないのか、その理由は彼らの行動や習性に起因します。 シカの行動と繁殖力 当店イノホイが所在する宮崎県には、えびの高原という鹿の群生地があります。ノリウツギ、イヌツゲ、ヤマウルシや、天然記念物のノカイドウなど自然植生からなる場所が多くあり、これらを好むシカにとって好条件の立地です。 この場所でシカを観察していると、シカは多くの場合、オスとメスは別々に行動していることが分かります。オスには角があってメスは角が無いので見た目で容易に判別できますが、オスの角は毎年春に生え変わるので、角が伸びるまでは体格の違い(オスはガッチリした体格、メスはやや細め)で見分けたりもします。 このうち、メスは群れを作って生活し、あまり行動範囲を広げず定住性が高い傾向があります。一方で、オスは生後1~2年は母親の群れの中で生活しますが、その後は母親のもとを離れます。若いオスが群れを形成する場合もありますが、多くは単独で行動するようになります。 オスは季節によって広く移動しますが、繁殖期(9月末~11月ごろ)を迎えるとメスを求めて群れ近くに出没するようになります。この時期のオスは縄張りを作るようになり、繁殖期特有の鳴き声をよく発したり、オス同士で角を突き合わせて争う光景が見られるようになります。 この争いに勝ったオスは縄張り内のメスの群れと合流して一夫多妻制の集団を形成します。そして繁殖期が終わると、再びオスはメスから離れていきます。 このような行動の結果、メスの群れは高い妊娠率となります。妊娠率は70%以上で、10才を超えても妊娠率が低下しないともいわれます。妊娠期間は約220日で、1回の出産で1頭の子どもを産みます。 雑に計算したとしても、10頭のメスのうち7頭が毎年妊娠するような状態なので、栄養条件が良ければどんどん増えていきます。森林野生動物研究会の研究によると自然増加率は年平均16~20%、3~4年で倍増するという非常に高い繁殖力です。 シカの食性とそれによる被害 シカは一般的に草食性です。地域や植生環境によって食べる植物の種類は変わってきますが、ほとんどの種類の植物を食べます。特に新芽ややわらかい葉っぱを好物としますが、そういった好物の植物が無くなると、それまで食べなかった種類の植物も食べるようになり、さらに植物が少なくなると落ち葉も食べるようになります。 そのため、人間が管理する農作物や雑木林においても被害を受けやすくなります。基本的に人間が植える農作物は栄養価が高いため、シカのターゲットにされやすくなります。田植え直後の苗の引き抜きや食害、収穫期頃の穂先食害、大豆など豆類の草が食べられたりします。 他にも、林業用の苗木が食べられてしまったり、樹齢の高い木においては樹皮や形成層が食べられたり、オスの角こすりによって樹皮が剥がされたりします。 シカは牛と同じで4つに分かれた胃袋(反芻胃)を持つため消化能力が高く、食べ物の質が悪くても十分な栄養を得ることができます。そのため、積雪がない地域においては滅多なことがなければ栄養状態は悪くなりません。上記の繁殖力ともあいまって、放っておくとどんどん被害が増えてしまいます。 被害を減らすには早期の対策を シカ被害は生息密度が高い地域で起こりやすく、また強い繁殖力によって上がった生息密度は容易に下げることができません。シカが多く生息する地域においては、とにかくシカを増やさないことを念頭に、捕獲を積極的に行うこと、柵の設置によって餌となる場所に近づかせないことが基本となります。 また、生息密度が低く被害が散発的であったとしても、個体数が急増する可能性があるため、対策を放棄・放置しないようにすることが重要です。シカ対策 商品一覧はこちら シカ対策 おすすめ商品 激安でも獲れます。くくり罠用踏み板イノシシホイホイ 完成品 年間数千個の出荷実績がある、大人気のくくり罠です。設置に必要なものが全てそろっており、届いてすぐに仕掛けることができます。 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【片扉】 異形鉄筋を使用。3分筋:約9mmを使用して格子網を全箇所溶接しております。さらに要所を4分鉄筋、5分鉄筋で補強、非常に頑強な構造です。...

【初心者必見!】くくり罠の禁止事項を理解して、違反を避けましょう
田畑を荒らす獣を捕獲するために多く使われているのが「くくり罠」です。獣道に仕掛けておき、仕掛けた場所に獣が踏み込むとワイヤーが締まって、獣の足を捕らえる構造になっています。 くくり罠の使用にあたっては、人の安全や野生鳥獣の保護の観点などから、様々なルールや規制があります。知らずに違反してしまうと、事故につながる可能性があるのはもちろん、法令違反によって罰則を受ける場合もあるので、しっかりと理解しておきましょう。 無免許でくくり罠を設置するのは違法 狩猟免許や狩猟者登録がない人がくくり罠を使用して狩猟鳥獣を捕獲した場合、法令違反となります。違反した場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられたり、使用した猟具等が没収されたりします。 まずは狩猟免許を取得しよう 野生鳥獣の捕獲には狩猟免許が必要です。狩猟免許には第一種銃猟、第二種銃猟、わな猟免許、網猟免許という種類があり、このうちくくり罠を使う場合はわな猟免許の取得が必要になります。 わな猟免許を取得するためには、試験に合格する必要があります。試験は年に数回実施されており、試験日の1ヵ月程前を期限に、受験申込をしなければなりません。試験日や申込期限のスケジュールは都道府県のホームページなどで確認できます。受験申込の際には証明写真や診断書が必要だったりしますので、受験する場合は狩猟を行う都道府県の担当課に必要な書類や申込について確認し、早めに準備しておくと良いでしょう。 ほとんどの場合、狩猟試験の事前に講習会が開かれています。事前講習は地域によって無料で開催されていたりしますので、是非参加しましょう。近所に銃砲店さんがある場合は、試験申込の代行や事前講習の取りまとめをしている場合もあるので、色々と話を聞いてみるのも良いでしょう。 また講習会に参加するにあたって、テキスト(狩猟読本と狩猟免許試験例題集)を購入することになるかと思います。わな猟免許試験の難易度は銃猟よりも低く、合格率も高い傾向がありますが、準備なしでは受かるのは難しいと思います。試験前にテキストの内容をしっかり覚えておきましょう。 テキストには、狩猟を行うにあたって禁止されている行為について記載されています。例えば、獲物を宙づりにする捕獲方法の禁止、鳥獣保護区や休猟区・公道・区域が明示された都市公園・社寺境内・墓地等における狩猟の禁止など。試験の問題にも多く出題される部分になりますので、実際に罠をしかけることを踏まえてきちんと頭に入れておく必要があります。 試験は1次試験(筆記)と2次試験(狩猟対象獣の識別、合法わなの見極め、わな設置実技)という構成になっており、1次試験に落ちると2次試験を受けることはできません。2次試験の内容は、事前講習会で説明があると思います。その内容を覚えておき、落ち着いて受験すれば問題ないと思います。 試験に合格すると、狩猟免許の免状が届きます。狩猟免許には有効期限があり、免許を受けてから3年後の9月14日までです(免状に記載されています)ので、すでに免許を持っている人も更新手続きを忘れることのないようにしましょう。 狩猟者登録も忘れずに 日本では狩猟制度が法によって定められており、狩猟ができる期間(狩猟期間)が決められています。狩猟期間は、原則11月15日~翌年2月15日(北海道は10月1日~翌年1月31日)となっています。 そのため、くくり罠による捕獲などの狩猟活動を期間外に行うと法律違反となり、罰則や狩猟免許取り消しとなる場合もあります。イノシシやシカの場合は地域によって期間が延長されている地域もありますので、事前に確認しておきましょう。 なお狩猟期間中に狩猟活動をする場合、狩猟を行う地域での狩猟者登録が毎年必要です。狩猟者登録では狩猟税の納付や登録手数料などが必要になります。 狩猟登録すると登録証が発行されますが、狩猟をする際はこの登録証を携帯し、国又は地方公共団体の職員、警察官その他関係者から提示を求められたときは、これを提示しなければならないと定められています。また、記章と呼ばれるバッジも帽子やベストなどに着用する必要があります。 ※狩猟による捕獲のほかに、有害鳥獣捕獲という制度もあります。市役所等からその地域を担当する有害鳥獣駆除班に有害鳥獣捕獲の依頼がくるような流れが一般的です。依頼を受けた捕獲従事者は捕獲許可の申請を行う必要があります。駆除班に参加するには、狩猟免許はもちろん捕獲経験や実績が求められることも多いです。 使う道具についても違反しないように注意 くくり罠はワイヤーの輪っかの中に獣が足を入れるとワイヤーが締まる構造になっていますが、この輪っかの直径には規制があり12cmを超えるものは使用できません。ただし、イノシシや鹿の被害が減らない現状を踏まえ、多くの地域で直径の規制は緩和されています。くくり罠を仕掛ける地域の自治体担当課に予め確認しておくと良いでしょう。 また、捕獲する獣の足を過度に締め付けることを防止するための金具をくくり罠に装着しておかなければなりません。 他にも、イノシシやシカの捕獲に関しては、ワイヤーの太さが4mm以上であることや、ワイヤーのよじれを防止するための「より戻し(サルカン)」をくくり罠に装着する必要があります。 罠を仕掛ける際にも規制があります くくり罠は他の罠に比べると手軽に仕掛けられるため、とにかく沢山しかければ捕獲率も上がると考えてしまいますが、法律では1人が仕掛けられるくくり罠の数は最大30個までと定められています。 くくり罠を仕掛けた後は、仕掛けた場所を基本的には毎日見回ることになると思いますので、多すぎると管理も大変になります。自身が適切に管理できる範囲でくくり罠を仕掛けるようにしましょう。 捕獲した場合は、獲物をそのまま放置することは禁止されています。弱らせて餓死させたりすると、法令違反と判断される場合もありますので、速やかに処分するようにしましょう。 また、もし対象獣以外を捕獲した場合(狩猟では狩猟獣以外を捕獲、有害捕獲等では許可 以外の動物を捕獲)は、速やかに放獣しなければなりません。 義務やルールを守って正しく罠を設置しましょう 他にも、くくり罠を仕掛ける土地の地権者に予め承諾を取っておくこと、わなの設置場所近くに仕掛けた人や連絡先がわかる標識をつけておくこと、...
【初心者必見!】くくり罠の禁止事項を理解して、違反を避けましょう
田畑を荒らす獣を捕獲するために多く使われているのが「くくり罠」です。獣道に仕掛けておき、仕掛けた場所に獣が踏み込むとワイヤーが締まって、獣の足を捕らえる構造になっています。 くくり罠の使用にあたっては、人の安全や野生鳥獣の保護の観点などから、様々なルールや規制があります。知らずに違反してしまうと、事故につながる可能性があるのはもちろん、法令違反によって罰則を受ける場合もあるので、しっかりと理解しておきましょう。 無免許でくくり罠を設置するのは違法 狩猟免許や狩猟者登録がない人がくくり罠を使用して狩猟鳥獣を捕獲した場合、法令違反となります。違反した場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられたり、使用した猟具等が没収されたりします。 まずは狩猟免許を取得しよう 野生鳥獣の捕獲には狩猟免許が必要です。狩猟免許には第一種銃猟、第二種銃猟、わな猟免許、網猟免許という種類があり、このうちくくり罠を使う場合はわな猟免許の取得が必要になります。 わな猟免許を取得するためには、試験に合格する必要があります。試験は年に数回実施されており、試験日の1ヵ月程前を期限に、受験申込をしなければなりません。試験日や申込期限のスケジュールは都道府県のホームページなどで確認できます。受験申込の際には証明写真や診断書が必要だったりしますので、受験する場合は狩猟を行う都道府県の担当課に必要な書類や申込について確認し、早めに準備しておくと良いでしょう。 ほとんどの場合、狩猟試験の事前に講習会が開かれています。事前講習は地域によって無料で開催されていたりしますので、是非参加しましょう。近所に銃砲店さんがある場合は、試験申込の代行や事前講習の取りまとめをしている場合もあるので、色々と話を聞いてみるのも良いでしょう。 また講習会に参加するにあたって、テキスト(狩猟読本と狩猟免許試験例題集)を購入することになるかと思います。わな猟免許試験の難易度は銃猟よりも低く、合格率も高い傾向がありますが、準備なしでは受かるのは難しいと思います。試験前にテキストの内容をしっかり覚えておきましょう。 テキストには、狩猟を行うにあたって禁止されている行為について記載されています。例えば、獲物を宙づりにする捕獲方法の禁止、鳥獣保護区や休猟区・公道・区域が明示された都市公園・社寺境内・墓地等における狩猟の禁止など。試験の問題にも多く出題される部分になりますので、実際に罠をしかけることを踏まえてきちんと頭に入れておく必要があります。 試験は1次試験(筆記)と2次試験(狩猟対象獣の識別、合法わなの見極め、わな設置実技)という構成になっており、1次試験に落ちると2次試験を受けることはできません。2次試験の内容は、事前講習会で説明があると思います。その内容を覚えておき、落ち着いて受験すれば問題ないと思います。 試験に合格すると、狩猟免許の免状が届きます。狩猟免許には有効期限があり、免許を受けてから3年後の9月14日までです(免状に記載されています)ので、すでに免許を持っている人も更新手続きを忘れることのないようにしましょう。 狩猟者登録も忘れずに 日本では狩猟制度が法によって定められており、狩猟ができる期間(狩猟期間)が決められています。狩猟期間は、原則11月15日~翌年2月15日(北海道は10月1日~翌年1月31日)となっています。 そのため、くくり罠による捕獲などの狩猟活動を期間外に行うと法律違反となり、罰則や狩猟免許取り消しとなる場合もあります。イノシシやシカの場合は地域によって期間が延長されている地域もありますので、事前に確認しておきましょう。 なお狩猟期間中に狩猟活動をする場合、狩猟を行う地域での狩猟者登録が毎年必要です。狩猟者登録では狩猟税の納付や登録手数料などが必要になります。 狩猟登録すると登録証が発行されますが、狩猟をする際はこの登録証を携帯し、国又は地方公共団体の職員、警察官その他関係者から提示を求められたときは、これを提示しなければならないと定められています。また、記章と呼ばれるバッジも帽子やベストなどに着用する必要があります。 ※狩猟による捕獲のほかに、有害鳥獣捕獲という制度もあります。市役所等からその地域を担当する有害鳥獣駆除班に有害鳥獣捕獲の依頼がくるような流れが一般的です。依頼を受けた捕獲従事者は捕獲許可の申請を行う必要があります。駆除班に参加するには、狩猟免許はもちろん捕獲経験や実績が求められることも多いです。 使う道具についても違反しないように注意 くくり罠はワイヤーの輪っかの中に獣が足を入れるとワイヤーが締まる構造になっていますが、この輪っかの直径には規制があり12cmを超えるものは使用できません。ただし、イノシシや鹿の被害が減らない現状を踏まえ、多くの地域で直径の規制は緩和されています。くくり罠を仕掛ける地域の自治体担当課に予め確認しておくと良いでしょう。 また、捕獲する獣の足を過度に締め付けることを防止するための金具をくくり罠に装着しておかなければなりません。 他にも、イノシシやシカの捕獲に関しては、ワイヤーの太さが4mm以上であることや、ワイヤーのよじれを防止するための「より戻し(サルカン)」をくくり罠に装着する必要があります。 罠を仕掛ける際にも規制があります くくり罠は他の罠に比べると手軽に仕掛けられるため、とにかく沢山しかければ捕獲率も上がると考えてしまいますが、法律では1人が仕掛けられるくくり罠の数は最大30個までと定められています。 くくり罠を仕掛けた後は、仕掛けた場所を基本的には毎日見回ることになると思いますので、多すぎると管理も大変になります。自身が適切に管理できる範囲でくくり罠を仕掛けるようにしましょう。 捕獲した場合は、獲物をそのまま放置することは禁止されています。弱らせて餓死させたりすると、法令違反と判断される場合もありますので、速やかに処分するようにしましょう。 また、もし対象獣以外を捕獲した場合(狩猟では狩猟獣以外を捕獲、有害捕獲等では許可 以外の動物を捕獲)は、速やかに放獣しなければなりません。 義務やルールを守って正しく罠を設置しましょう 他にも、くくり罠を仕掛ける土地の地権者に予め承諾を取っておくこと、わなの設置場所近くに仕掛けた人や連絡先がわかる標識をつけておくこと、...

くくり罠販売イノホイの人気商品「くくり罠ストロング」のご紹介
獲物が足で踏み込んだ際にワイヤーが締まって、足をくくることで捕獲するくくり罠。色々なタイプがありますが、狩猟や駆除の現場で近年多く使われるのは跳ね上げ式タイプです。イノホイでも複数タイプの跳ね上げ式くくり罠を販売しており、中でも当店人気の跳ね上げ式くくり罠「くくり罠ストロング」の特徴や商品情報についてご紹介します。 『安くて良く獲れる、しかも丈夫で長持ちする。イノホイのくくり罠ストロングの特徴を詳しく説明していきます!』 イノホイのイノシシ・シカ用くくり罠ストロングの3つの特徴 イノホイオリジナル商品「くくり罠ストロング」は、とても頑丈な作りが特徴で、長期間使用することができるのでコストパフォーマンスにも優れています。 特徴1.樹脂製の踏み板を使用した高い耐久力 くくり罠ストロングの踏板部分は、昔ながらの木製踏み板ではなく、より丈夫な樹脂素材を採用しています。 木製の踏み板は安価で加工しやすい特徴がありますが、水を吸うことによる膨張や剥離、湿気の多い環境で踏み板が反ってしまうなど、動作不良の心配がありました。 そこで、イノホイの「くくり罠ストロング」ではより耐久性に優れた樹脂製の踏み板を採用。動作不良の心配を大幅に軽減するだけでなく、丈夫で長く繰り返し使用することができるためコストパフォーマンスにも優れています。雨や雪といった環境下でも、安心してご使用いただます。 また、アーム部分はできるだけ丈夫な作りとなるようスチールを使用。アルミ素材に比べ製造の手間はかかりますが、より丈夫で長くお使いいただけます。※できるだけサビが発生しないよう、表面塗装を施しています。 特徴2.アームが動かないようにする安全装置(押さえ金具) くくり罠の動力部には強力な押しバネが使用されます。設置の際にはバネを圧縮する作業が必要になりますが、しっかりと力をかけて圧縮しないと、十分な性能を発揮できません。いろいろな制限がある設置現場で都度バネを圧縮するのも大変ですし、手間取っていると人間の痕跡が残りやすくなってしまいます。 イノホイのくくり罠ストロングには、アームが動かないようにする安全装置(押さえ金具)が備え付けられています。山に入る前に軽トラのフックなどに根づけしてバネを圧縮し、押さえ金具をセットしておけば、持ち運びが可能です。そうしておけば、いざ現場でくくり罠を設置する時間を短縮することができます。また、設置の際の暴発も防ぐことができるので、安心です。 特徴3.罠が作動する荷重を調整可能 くくり罠ストロングは、罠が作動する荷重を調節することができます。台座となる塩ビ管には爪楊枝を挿す穴が6個用意されており、爪楊枝の本数を増減することで罠が作動する荷重を調整することが可能です。 狙いとしている獲物の重量に応じて踏み板が落ちるタイミングを調整することが可能です。錯誤捕獲の防止や捕獲率アップの工夫を凝らすことができます。 くくり罠ストロングの商品ラインナップ くくり罠は輪の直径が12センチを超える罠は使用が禁止されていますが、地域によって規制が緩和もしくは解除されています。具体的には、15cm以下であれば使用が可能な地域や、規制が解除されている地域が多くあります。そのため、くくり罠ストロングの踏み板は以下の3サイズを用意しています。 Sサイズ:アーム短径12cm×長径18cm Mサイズ:アーム短径15cm×長径20cm Lサイズ:アーム短径18cm×長径22cm 跳ね上げ式のくくり罠の場合、使用可否はアームの短径で判断します。12cm規制がある地域はSサイズ、15cmに緩和されている地域はMサイズまで、規制が解除されている地域はLサイズまで使うことができます。 1.くくり罠 ストロング 完成品 一式が揃った商品をお探しの方は、「くくり罠ストロング完成品」をお買い求めください。組立済みのスプリング部分と踏み板部分がセットになっており、届いてすぐに仕掛けることができますので、特に人気が高いタイプです。 2.くくり罠 ストロング 踏み板+台座セット 「くくり罠ストロング 踏み板+台座セット」は、踏み板と台座のみがセットになった商品です。くくり罠のスプリング部分を自作される方や、踏み板が壊れて交換したい方からご好評をいただいています。...
くくり罠販売イノホイの人気商品「くくり罠ストロング」のご紹介
獲物が足で踏み込んだ際にワイヤーが締まって、足をくくることで捕獲するくくり罠。色々なタイプがありますが、狩猟や駆除の現場で近年多く使われるのは跳ね上げ式タイプです。イノホイでも複数タイプの跳ね上げ式くくり罠を販売しており、中でも当店人気の跳ね上げ式くくり罠「くくり罠ストロング」の特徴や商品情報についてご紹介します。 『安くて良く獲れる、しかも丈夫で長持ちする。イノホイのくくり罠ストロングの特徴を詳しく説明していきます!』 イノホイのイノシシ・シカ用くくり罠ストロングの3つの特徴 イノホイオリジナル商品「くくり罠ストロング」は、とても頑丈な作りが特徴で、長期間使用することができるのでコストパフォーマンスにも優れています。 特徴1.樹脂製の踏み板を使用した高い耐久力 くくり罠ストロングの踏板部分は、昔ながらの木製踏み板ではなく、より丈夫な樹脂素材を採用しています。 木製の踏み板は安価で加工しやすい特徴がありますが、水を吸うことによる膨張や剥離、湿気の多い環境で踏み板が反ってしまうなど、動作不良の心配がありました。 そこで、イノホイの「くくり罠ストロング」ではより耐久性に優れた樹脂製の踏み板を採用。動作不良の心配を大幅に軽減するだけでなく、丈夫で長く繰り返し使用することができるためコストパフォーマンスにも優れています。雨や雪といった環境下でも、安心してご使用いただます。 また、アーム部分はできるだけ丈夫な作りとなるようスチールを使用。アルミ素材に比べ製造の手間はかかりますが、より丈夫で長くお使いいただけます。※できるだけサビが発生しないよう、表面塗装を施しています。 特徴2.アームが動かないようにする安全装置(押さえ金具) くくり罠の動力部には強力な押しバネが使用されます。設置の際にはバネを圧縮する作業が必要になりますが、しっかりと力をかけて圧縮しないと、十分な性能を発揮できません。いろいろな制限がある設置現場で都度バネを圧縮するのも大変ですし、手間取っていると人間の痕跡が残りやすくなってしまいます。 イノホイのくくり罠ストロングには、アームが動かないようにする安全装置(押さえ金具)が備え付けられています。山に入る前に軽トラのフックなどに根づけしてバネを圧縮し、押さえ金具をセットしておけば、持ち運びが可能です。そうしておけば、いざ現場でくくり罠を設置する時間を短縮することができます。また、設置の際の暴発も防ぐことができるので、安心です。 特徴3.罠が作動する荷重を調整可能 くくり罠ストロングは、罠が作動する荷重を調節することができます。台座となる塩ビ管には爪楊枝を挿す穴が6個用意されており、爪楊枝の本数を増減することで罠が作動する荷重を調整することが可能です。 狙いとしている獲物の重量に応じて踏み板が落ちるタイミングを調整することが可能です。錯誤捕獲の防止や捕獲率アップの工夫を凝らすことができます。 くくり罠ストロングの商品ラインナップ くくり罠は輪の直径が12センチを超える罠は使用が禁止されていますが、地域によって規制が緩和もしくは解除されています。具体的には、15cm以下であれば使用が可能な地域や、規制が解除されている地域が多くあります。そのため、くくり罠ストロングの踏み板は以下の3サイズを用意しています。 Sサイズ:アーム短径12cm×長径18cm Mサイズ:アーム短径15cm×長径20cm Lサイズ:アーム短径18cm×長径22cm 跳ね上げ式のくくり罠の場合、使用可否はアームの短径で判断します。12cm規制がある地域はSサイズ、15cmに緩和されている地域はMサイズまで、規制が解除されている地域はLサイズまで使うことができます。 1.くくり罠 ストロング 完成品 一式が揃った商品をお探しの方は、「くくり罠ストロング完成品」をお買い求めください。組立済みのスプリング部分と踏み板部分がセットになっており、届いてすぐに仕掛けることができますので、特に人気が高いタイプです。 2.くくり罠 ストロング 踏み板+台座セット 「くくり罠ストロング 踏み板+台座セット」は、踏み板と台座のみがセットになった商品です。くくり罠のスプリング部分を自作される方や、踏み板が壊れて交換したい方からご好評をいただいています。...

くくり罠の材料って何が要るの?
イノシシやシカ等の野生動物を捕獲するために、多く用いられるのが「くくり罠」。その名の通り、獣の足をワイヤーで「くくる(括る)」ことによって捕獲します。 世の中には様々なタイプのくくり罠があり、市販のものを購入する方もいれば、材料を揃えて自作する方もいらっしゃいます。 市販のものはそれぞれの罠に合った材料が使われており適正なバランスで組み立てられているので、特に初心者の方は市販のものを選ぶのが良いでしょう。 一方で、自作のほうがコストが抑えることができて自分好みのチューニングがやりやすいので、ベテランの方は自作派の方も多くいらっしゃいます。ただし、材料を自分で選定して手配しなければならないのはもちろん、捕獲の経験値・工作の技術や機材が必要になります。 今回は、自作にチャレンジしてみたい方向けに、くくり罠に必要な材料を紹介したいと思います。 くくり罠に必要な材料 くくり罠を作成するには、まず材料と工具を揃える必要があります。罠のタイプによって必要となるものは異なりますが、ここでは跳ね上げ式のくくり罠を例にとって説明します。 跳ね上げ式のくくり罠は、大きく分けて「踏み板」部分と「スプリング」部分で構成されます。 スプリング部分に必要となる材料 スプリング部分は獲物を捉えるためのワイヤー部分とバネ、そして支柱に取り付けるためのワイヤー部分で構成されています。これらが一体となって、ばねの力でワイヤーの輪が締まるような仕掛けを作る必要があります。 ①押しバネ くくり罠に使用するバネ(押しバネ)は、捕獲率を大きく左右するパーツです。バネを圧縮させた状態で仕掛けておき、くくり罠が作動するとバネが元にもどる(伸びる)力によってワイヤーが締まり、獣の足を括ります。 バネの素材はステンレス製やメッキ製のもの等がありますが、錆による劣化を防ぎたいならステンレス製、強度を重視するならメッキ製を選びます。※なお、当店ではへたりの少ないステンレス線材を使用しており、塩ビパイプ内径φ13mmに適したサイズのものを取り扱っています。 ②ワイヤーロープ どのようなくくり罠においても、ワイヤーは必需品になります。 支柱となる立木などにワイヤーを固定する部分と、獣の足を括るための作動部分で計2本のワイヤーが必要になります。ワイヤーが長すぎると捩れやキンクが発生しやすくなり捕獲した獣の可動域も広くなってしまいますが、短いと支柱となる立木等から近い位置に仕掛けなければならなくなるため設置場所に制約がでてしまいます。 各ワイヤーの長さは標準で2メートルほど確保しておき、設置場所の状況や好みに応じて調整すると良いでしょう。切り売りにて少量準備しておくのも良いですが、くくり罠猟においてワイヤーは消耗品なので、100mロール巻き等まとめて購入しておくのも良いでしょう。 ③アルミスリーブ アルミスリーブは②のワイヤーロープで輪っかを作るために必ず必要になる材料になります。ワイヤーロープ径によって適合するスリーブのサイズが変わってくるので、注意しましょう。 くくり罠においては、おもに加工しやすいアルミ製のスリーブが使われます(ステンレススリーブも市販されていますが、アルミよりも高価になります)。輪を作る際は、ワイヤー2回(折り返し往復)通しの2回加締めで固縛します。 アルミクランプ内にワイヤーロープを通して、アームスエージャー等の加締め専用工具を使って締めることで、ワイヤーを固定することができます。 ④サルカン ワイヤーロープの撚れ、ねじれを防止することができることから、「より戻し」とも呼ばれる真鍮製の部品です。②のワイヤーロープの項目で記載したとおり、支柱にくくりつけるワイヤーと、イノシシの足を締めつけるワイヤーをサルカンで連結します。 サルカンで連結させることによって、撚れができにくくなるため、ワイヤーも切れにくくなります。 イノシシ及びニホンジカの捕獲には、サルカン未装着のくくり罠は使用禁止されています。 ⑤シャックル シャックルは、U字型の金具とネジが付いている、ワイヤーを支柱となる立木等に固定する際に使う便利な部品です。ワイヤーを支柱に巻き付けたあとに、シャックルを使って固定します。 ⑥くくり金具 一度ワイヤーが締まると戻りづらい構造になっていて、捕らえた獲物を逃がしにくくする為の部品がくくり金具です。捕獲した獣がワイヤーを引っ張るほど、緩みにくくなります。 なお、作動のスムーズさを優先させる場合は、くくり金具を使わずに組み立てる場合もあります。...
くくり罠の材料って何が要るの?
イノシシやシカ等の野生動物を捕獲するために、多く用いられるのが「くくり罠」。その名の通り、獣の足をワイヤーで「くくる(括る)」ことによって捕獲します。 世の中には様々なタイプのくくり罠があり、市販のものを購入する方もいれば、材料を揃えて自作する方もいらっしゃいます。 市販のものはそれぞれの罠に合った材料が使われており適正なバランスで組み立てられているので、特に初心者の方は市販のものを選ぶのが良いでしょう。 一方で、自作のほうがコストが抑えることができて自分好みのチューニングがやりやすいので、ベテランの方は自作派の方も多くいらっしゃいます。ただし、材料を自分で選定して手配しなければならないのはもちろん、捕獲の経験値・工作の技術や機材が必要になります。 今回は、自作にチャレンジしてみたい方向けに、くくり罠に必要な材料を紹介したいと思います。 くくり罠に必要な材料 くくり罠を作成するには、まず材料と工具を揃える必要があります。罠のタイプによって必要となるものは異なりますが、ここでは跳ね上げ式のくくり罠を例にとって説明します。 跳ね上げ式のくくり罠は、大きく分けて「踏み板」部分と「スプリング」部分で構成されます。 スプリング部分に必要となる材料 スプリング部分は獲物を捉えるためのワイヤー部分とバネ、そして支柱に取り付けるためのワイヤー部分で構成されています。これらが一体となって、ばねの力でワイヤーの輪が締まるような仕掛けを作る必要があります。 ①押しバネ くくり罠に使用するバネ(押しバネ)は、捕獲率を大きく左右するパーツです。バネを圧縮させた状態で仕掛けておき、くくり罠が作動するとバネが元にもどる(伸びる)力によってワイヤーが締まり、獣の足を括ります。 バネの素材はステンレス製やメッキ製のもの等がありますが、錆による劣化を防ぎたいならステンレス製、強度を重視するならメッキ製を選びます。※なお、当店ではへたりの少ないステンレス線材を使用しており、塩ビパイプ内径φ13mmに適したサイズのものを取り扱っています。 ②ワイヤーロープ どのようなくくり罠においても、ワイヤーは必需品になります。 支柱となる立木などにワイヤーを固定する部分と、獣の足を括るための作動部分で計2本のワイヤーが必要になります。ワイヤーが長すぎると捩れやキンクが発生しやすくなり捕獲した獣の可動域も広くなってしまいますが、短いと支柱となる立木等から近い位置に仕掛けなければならなくなるため設置場所に制約がでてしまいます。 各ワイヤーの長さは標準で2メートルほど確保しておき、設置場所の状況や好みに応じて調整すると良いでしょう。切り売りにて少量準備しておくのも良いですが、くくり罠猟においてワイヤーは消耗品なので、100mロール巻き等まとめて購入しておくのも良いでしょう。 ③アルミスリーブ アルミスリーブは②のワイヤーロープで輪っかを作るために必ず必要になる材料になります。ワイヤーロープ径によって適合するスリーブのサイズが変わってくるので、注意しましょう。 くくり罠においては、おもに加工しやすいアルミ製のスリーブが使われます(ステンレススリーブも市販されていますが、アルミよりも高価になります)。輪を作る際は、ワイヤー2回(折り返し往復)通しの2回加締めで固縛します。 アルミクランプ内にワイヤーロープを通して、アームスエージャー等の加締め専用工具を使って締めることで、ワイヤーを固定することができます。 ④サルカン ワイヤーロープの撚れ、ねじれを防止することができることから、「より戻し」とも呼ばれる真鍮製の部品です。②のワイヤーロープの項目で記載したとおり、支柱にくくりつけるワイヤーと、イノシシの足を締めつけるワイヤーをサルカンで連結します。 サルカンで連結させることによって、撚れができにくくなるため、ワイヤーも切れにくくなります。 イノシシ及びニホンジカの捕獲には、サルカン未装着のくくり罠は使用禁止されています。 ⑤シャックル シャックルは、U字型の金具とネジが付いている、ワイヤーを支柱となる立木等に固定する際に使う便利な部品です。ワイヤーを支柱に巻き付けたあとに、シャックルを使って固定します。 ⑥くくり金具 一度ワイヤーが締まると戻りづらい構造になっていて、捕らえた獲物を逃がしにくくする為の部品がくくり金具です。捕獲した獣がワイヤーを引っ張るほど、緩みにくくなります。 なお、作動のスムーズさを優先させる場合は、くくり金具を使わずに組み立てる場合もあります。...

対馬市におけるイノシシ・シカ対策のご紹介
長崎県対馬市は日本海の西に位置する島です。九州と韓国の間の対馬海峡に浮かび、「国境の島」とも呼ばれています。博多港までは航路で132キロ、韓国までは直線距離で49.5キロ。日本の中で朝鮮半島に最も近いという地理的条件から、大陸と日本の架け橋として数多くの文化・歴史が息づいています。 1.豊かな自然が残る対馬。島の89%が山林で占められている 特産品も多く、海鮮やしいたけ・地酒などをはじめ、縄文後期の原種そば「対州そば」など多くのグルメを味わうことができます。 また近年では、世界的に話題となった時代劇アクションゲーム「Ghost of Tsushima」(ゴーストオブツシマ)の舞台としても注目を集めました。 島の大きさは、南北82キロ・東西18キロ、面積は約708平方キロ。沖縄本島と北方四島を除けば、佐渡島・奄美大島に次ぐ大きさです。 山林が面積の89%を占める自然豊かな島ですが、一方でイノシシやシカによる農作物被害や林業被害、山の下草が無くなるといった生態系被害に悩まされています。 こうした被害を受け対馬市では、イノシシ・シカに対する対策を実施すると共に、イノシシ・シカに負けない地域づくり・人づくりに向けてさまざまな取り組みをしています。 今回は、対馬市役所 農林水産部の日高様に、対馬市におけるイノシシ・シカ対策についてお話を伺いましたので、ご紹介します(以下敬称略)。 対馬市でのイノシシ・シカ被害の現状 2.イノシシやシカが多く生息し農作物・森林被害が発生している -まずは、対馬でのイノシシ・シカ被害の現状からお聞かせください 日高:対馬市では現在、イノシシ・シカの増加により、食い荒らしや踏み倒しによる農作物被害、樹脂剥ぎによる森林被害、さらには下層植生減少や土砂流出によって生態系にも被害が及んでいるのが現状です。近年ではイノシシやシカが市街地付近でも出没しており、接触事故なども発生しています。 3.「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」対馬市公式HPより 対馬は今から約300年前に、イノシシによる農業被害に悩む百姓を助けるため、対馬藩で農業振興に尽力した陶山訥庵(すやま とつあん)が中心となって「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」が実施され、9年間の歳月をかけてイノシシを絶滅させたという歴史があります。 しかし、今から30年ほどまえに島外から持ち込まれたイノシシが野生化し、平成6年に一頭の成獣が捕獲されたことを皮切りに、被害が全島に及ぶようになりました。 シカによる被害も顕著になってきています。対馬に生息するシカは、対馬にのみ生息するキュシュウジカの亜種です。1960年代は、捕獲圧の上昇により個体数が減少したことを受け、県の天然記念物に指定され、一切の捕獲が禁止されました。しかしながら、その後個体数が増加し、農林業被害が発生するようになったため、1981年から有害捕獲が開始され、2006年に天然記念物指定が解除されるに至っています。 イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況 -イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況はいかがでしょうか? 日高:被害の拡大を受けて市では他の有害鳥獣捕獲地域と同様、被害を引き起こすイノシシやシカを捕獲した際には報奨金を交付する制度を導入しました。その効果もあり、2019年度の捕獲実績はシカが約8,236頭、イノシシは約5,367頭という結果になりました。1か月に最大1,000頭捕獲したという実績もあります。 しかし、依然として被害は減少しておらず、捕獲のペースが追いついていなのが現状です。とくに森林被害は深刻です。田畑への農作物被害に対しては防護柵やワイヤーメッシュを用いることで被害額が減少傾向にありますが、森林被害はカバーするエリアも広く、より捕獲圧を上げていかなければなりません。 森林被害の削減に向けての新しい対策 -被害を削減するために、今後を見据え新しい対策へ取り組んでいるとお伺いしました 日高:対馬市では全国に先駆け、主に森林被害を低減させるための補助事業として、シカ捕獲用のくくり罠を助成する事業を開始しました。 4.対馬市で導入するくくり罠 現在、捕獲方法の内訳としては、銃器を使った捕獲が約3割、罠を使った捕獲が約7割になっています。銃器による捕獲はどうしても許可・規制等の問題があることから限定的となり、猟友会の方へのご負担も大きくなってしまいます。そこで、ハードルが低い罠を使用することでも十分な捕獲実績を出せることに注目し、シカ捕獲用のくくり罠1,500個を助成することにしました。 5.猟友会の協力の元、助成用の罠を念入りにチェックする...
対馬市におけるイノシシ・シカ対策のご紹介
長崎県対馬市は日本海の西に位置する島です。九州と韓国の間の対馬海峡に浮かび、「国境の島」とも呼ばれています。博多港までは航路で132キロ、韓国までは直線距離で49.5キロ。日本の中で朝鮮半島に最も近いという地理的条件から、大陸と日本の架け橋として数多くの文化・歴史が息づいています。 1.豊かな自然が残る対馬。島の89%が山林で占められている 特産品も多く、海鮮やしいたけ・地酒などをはじめ、縄文後期の原種そば「対州そば」など多くのグルメを味わうことができます。 また近年では、世界的に話題となった時代劇アクションゲーム「Ghost of Tsushima」(ゴーストオブツシマ)の舞台としても注目を集めました。 島の大きさは、南北82キロ・東西18キロ、面積は約708平方キロ。沖縄本島と北方四島を除けば、佐渡島・奄美大島に次ぐ大きさです。 山林が面積の89%を占める自然豊かな島ですが、一方でイノシシやシカによる農作物被害や林業被害、山の下草が無くなるといった生態系被害に悩まされています。 こうした被害を受け対馬市では、イノシシ・シカに対する対策を実施すると共に、イノシシ・シカに負けない地域づくり・人づくりに向けてさまざまな取り組みをしています。 今回は、対馬市役所 農林水産部の日高様に、対馬市におけるイノシシ・シカ対策についてお話を伺いましたので、ご紹介します(以下敬称略)。 対馬市でのイノシシ・シカ被害の現状 2.イノシシやシカが多く生息し農作物・森林被害が発生している -まずは、対馬でのイノシシ・シカ被害の現状からお聞かせください 日高:対馬市では現在、イノシシ・シカの増加により、食い荒らしや踏み倒しによる農作物被害、樹脂剥ぎによる森林被害、さらには下層植生減少や土砂流出によって生態系にも被害が及んでいるのが現状です。近年ではイノシシやシカが市街地付近でも出没しており、接触事故なども発生しています。 3.「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」対馬市公式HPより 対馬は今から約300年前に、イノシシによる農業被害に悩む百姓を助けるため、対馬藩で農業振興に尽力した陶山訥庵(すやま とつあん)が中心となって「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」が実施され、9年間の歳月をかけてイノシシを絶滅させたという歴史があります。 しかし、今から30年ほどまえに島外から持ち込まれたイノシシが野生化し、平成6年に一頭の成獣が捕獲されたことを皮切りに、被害が全島に及ぶようになりました。 シカによる被害も顕著になってきています。対馬に生息するシカは、対馬にのみ生息するキュシュウジカの亜種です。1960年代は、捕獲圧の上昇により個体数が減少したことを受け、県の天然記念物に指定され、一切の捕獲が禁止されました。しかしながら、その後個体数が増加し、農林業被害が発生するようになったため、1981年から有害捕獲が開始され、2006年に天然記念物指定が解除されるに至っています。 イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況 -イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況はいかがでしょうか? 日高:被害の拡大を受けて市では他の有害鳥獣捕獲地域と同様、被害を引き起こすイノシシやシカを捕獲した際には報奨金を交付する制度を導入しました。その効果もあり、2019年度の捕獲実績はシカが約8,236頭、イノシシは約5,367頭という結果になりました。1か月に最大1,000頭捕獲したという実績もあります。 しかし、依然として被害は減少しておらず、捕獲のペースが追いついていなのが現状です。とくに森林被害は深刻です。田畑への農作物被害に対しては防護柵やワイヤーメッシュを用いることで被害額が減少傾向にありますが、森林被害はカバーするエリアも広く、より捕獲圧を上げていかなければなりません。 森林被害の削減に向けての新しい対策 -被害を削減するために、今後を見据え新しい対策へ取り組んでいるとお伺いしました 日高:対馬市では全国に先駆け、主に森林被害を低減させるための補助事業として、シカ捕獲用のくくり罠を助成する事業を開始しました。 4.対馬市で導入するくくり罠 現在、捕獲方法の内訳としては、銃器を使った捕獲が約3割、罠を使った捕獲が約7割になっています。銃器による捕獲はどうしても許可・規制等の問題があることから限定的となり、猟友会の方へのご負担も大きくなってしまいます。そこで、ハードルが低い罠を使用することでも十分な捕獲実績を出せることに注目し、シカ捕獲用のくくり罠1,500個を助成することにしました。 5.猟友会の協力の元、助成用の罠を念入りにチェックする...

シカによる被害と、捕獲するための罠について
シカによる農作物被害額は、過去数年にわたって横這い傾向となっているものの、平成30年度では約54億円に達しており、依然として深刻な状況です。イノシシの被害額である47億円を上回っており、最も被害を与える野生鳥獣となっています。 なお、被害があっても申告がないケースもあるため、上記の被害額は実態よりも少ないとも言われています。 また、長期にわたるシカの生息数の増加及び生息域の拡大によって、森林の被害も深刻な状況です。全国の森林の約2割でシカによる被害が確認されており、被害面積は全国で年間約3500ヘクタール(平成30年度)に達しており、野生鳥獣による森林被害の約3/4がシカによるものです。 ここまでシカの被害が広がった要因のひとつとして、シカの高い繁殖力が挙げられます。シカは生育環境がよければ1歳から妊娠し、ほぼ毎年子供を生みます。1度に産むのは1頭ですが、繁殖期には少数のオスが多数のメスを囲う(一夫多妻)であり、オスのまわりの妊娠可能なメスはほとんど妊娠します。 その結果、年率約20%で個体数が増え、4~5年で個体数は倍増するともいわれています。 環境省による推定では、全国で約244万頭のシカが生息(平成29年度末。北海道を除く)、平成26年度以降減少傾向となっていますが、平成初頭が約50万頭だったのに比べると、依然として高い水準で推移しており、捕獲による個体数の削減がまだまだ必要であることが示されています。 環境省はシカの生息頭数を令和5年度までに約150万頭まで減らすことを目標としており、捕獲等による対策の推進が実施されています。 直近の全国シカ被害 多くの地域で、シカによる被害が増えて深刻化しており、各自治体でも対応に苦慮している状況です。 奈良公園周辺 奈良公園(奈良市)は天然記念物のシカ約1300頭が生息しており、年間約1000万人が訪れる人気スポットです。しかしながら、今年は新型コロナウイルスによって観光客が減少し、シカが観光客から鹿せんべいをもらえなくなりました。 その結果、木の実などの餌を求め、シカが市街地や山林部に移動。商店の売り物が食べられたり、周辺の畑や花壇が荒らされるなどの被害が発生しています。 群馬県甘楽町 群馬県は関東地方では最大のりんご生産量を誇ります。甘楽町は豊かな自然を生かして化学農薬を抑えて、「陽光」や「ふじ」などの品種をはじめとした美味しいりんごが生産されています。 しかしながら、近年シカによるリンゴの食害が深刻化しており、今年は収穫が例年の3分の2程度に落ち込みそうな農家や、畑の約半分が被害に遭ったという生産者もいる状況です。 シカによる食害が広がるとともに、町内でのシカの捕獲頭数も右肩上がりとなっており、2015年度は31頭だったのが、本年度は11月4日時点で既に201頭に上っています。 静岡県伊豆半島 かつては、伊豆半島では国有林の中においてシカが保護されており、「鳥獣保護法」により、メスは捕獲禁止、オスは1日1頭と制限がかけられていました。 しかし、伊豆半島や富士山周辺でシカによる食害が深刻化。樹皮剥や下層植生の食害をはじめ、田畑にも被害が出ているため、本年度からメスジカを狙ってわなを集中的に仕掛け、繁殖を抑えるメスジカ重点捕獲を開始しています。 シカを捕獲するには? シカの食害を根本的に減らすには、捕獲による個体数の削減が必要になります。具体的には、「くくり罠」「箱罠」「囲い罠」といった罠を使って捕獲を行います。 以下のページにて、それぞれの罠の特徴や動作について説明していますので、参照くださいませ。※罠の設置には基本的に、「わな猟免許」が必要になります。 各種わな説明&販売ページ 箱罠 シカの捕獲に適した実績多数の箱罠です。出没する場所を選んで設置します。もっと詳しく>> くくり罠 初心者からベテランまで。安くて高捕獲率と好評のくくり罠です。もっと詳しく>> 囲い罠 天面の半分が開いており、条件を満たせば狩猟免許不要で設置できます。もっと詳しく>> よくある質問...
シカによる被害と、捕獲するための罠について
シカによる農作物被害額は、過去数年にわたって横這い傾向となっているものの、平成30年度では約54億円に達しており、依然として深刻な状況です。イノシシの被害額である47億円を上回っており、最も被害を与える野生鳥獣となっています。 なお、被害があっても申告がないケースもあるため、上記の被害額は実態よりも少ないとも言われています。 また、長期にわたるシカの生息数の増加及び生息域の拡大によって、森林の被害も深刻な状況です。全国の森林の約2割でシカによる被害が確認されており、被害面積は全国で年間約3500ヘクタール(平成30年度)に達しており、野生鳥獣による森林被害の約3/4がシカによるものです。 ここまでシカの被害が広がった要因のひとつとして、シカの高い繁殖力が挙げられます。シカは生育環境がよければ1歳から妊娠し、ほぼ毎年子供を生みます。1度に産むのは1頭ですが、繁殖期には少数のオスが多数のメスを囲う(一夫多妻)であり、オスのまわりの妊娠可能なメスはほとんど妊娠します。 その結果、年率約20%で個体数が増え、4~5年で個体数は倍増するともいわれています。 環境省による推定では、全国で約244万頭のシカが生息(平成29年度末。北海道を除く)、平成26年度以降減少傾向となっていますが、平成初頭が約50万頭だったのに比べると、依然として高い水準で推移しており、捕獲による個体数の削減がまだまだ必要であることが示されています。 環境省はシカの生息頭数を令和5年度までに約150万頭まで減らすことを目標としており、捕獲等による対策の推進が実施されています。 直近の全国シカ被害 多くの地域で、シカによる被害が増えて深刻化しており、各自治体でも対応に苦慮している状況です。 奈良公園周辺 奈良公園(奈良市)は天然記念物のシカ約1300頭が生息しており、年間約1000万人が訪れる人気スポットです。しかしながら、今年は新型コロナウイルスによって観光客が減少し、シカが観光客から鹿せんべいをもらえなくなりました。 その結果、木の実などの餌を求め、シカが市街地や山林部に移動。商店の売り物が食べられたり、周辺の畑や花壇が荒らされるなどの被害が発生しています。 群馬県甘楽町 群馬県は関東地方では最大のりんご生産量を誇ります。甘楽町は豊かな自然を生かして化学農薬を抑えて、「陽光」や「ふじ」などの品種をはじめとした美味しいりんごが生産されています。 しかしながら、近年シカによるリンゴの食害が深刻化しており、今年は収穫が例年の3分の2程度に落ち込みそうな農家や、畑の約半分が被害に遭ったという生産者もいる状況です。 シカによる食害が広がるとともに、町内でのシカの捕獲頭数も右肩上がりとなっており、2015年度は31頭だったのが、本年度は11月4日時点で既に201頭に上っています。 静岡県伊豆半島 かつては、伊豆半島では国有林の中においてシカが保護されており、「鳥獣保護法」により、メスは捕獲禁止、オスは1日1頭と制限がかけられていました。 しかし、伊豆半島や富士山周辺でシカによる食害が深刻化。樹皮剥や下層植生の食害をはじめ、田畑にも被害が出ているため、本年度からメスジカを狙ってわなを集中的に仕掛け、繁殖を抑えるメスジカ重点捕獲を開始しています。 シカを捕獲するには? シカの食害を根本的に減らすには、捕獲による個体数の削減が必要になります。具体的には、「くくり罠」「箱罠」「囲い罠」といった罠を使って捕獲を行います。 以下のページにて、それぞれの罠の特徴や動作について説明していますので、参照くださいませ。※罠の設置には基本的に、「わな猟免許」が必要になります。 各種わな説明&販売ページ 箱罠 シカの捕獲に適した実績多数の箱罠です。出没する場所を選んで設置します。もっと詳しく>> くくり罠 初心者からベテランまで。安くて高捕獲率と好評のくくり罠です。もっと詳しく>> 囲い罠 天面の半分が開いており、条件を満たせば狩猟免許不要で設置できます。もっと詳しく>> よくある質問...

くくり罠のバネについて
くくり罠は、文字通り獣の足をバネの力で括って(くくって)捕獲する罠です。バネによって罠が作動する際の瞬発力が変わってくるので、くくり罠を構成するパーツの中でも特に重要なものになります。 くくり罠に使用されるバネの種類 くくり罠に使われるバネの種類は押しバネ、引きバネ、ねじりバネ(松葉式ばね)です。 こちらの記事もどうぞ 跳ね上げ式の足くくり罠を使って捕獲率アップ> 押しバネ 押しバネを使ったくくり罠は、最もオーソドックスなものになります。押しバネは別名 圧縮バネとも呼ばれ、コイル状に巻かれたバネの事です。力がかかっていない状態では、コイルに隙間(ピッチ)があいています。 押しバネはボールペンを分解すると出てくるバネで、罠を使ったことが無くても見たことがある人は多いのではないでしょうか。くくり罠だけでなく、機械部品や車などにも幅広く使用されています。 くくり罠に使用する際は、罠を仕掛けるときにバネを圧縮しておき、作動時にバネが伸びる力を利用して捕獲します。 上記の動画にあるように、押しバネを圧縮した状態で固定してくくり罠を設置しますが、バネを圧縮するには結構力が要ります。※貧弱なバネだと獣の瞬発力に勝てないので、それなりに強いバネを使用します。 因みに押しバネは、軽荷重の場合には一般的にコイル径が細くピッチも小さめですが、重荷重の場合にはコイル径が太くピッチも大き目に作られている場合が多いです。 バネがむき出しになっていると、圧縮する際にバネが歪んだり、作動する際に土や草木が引っかかってしまう場合もあるので、上記動画のように塩ビパイプ等の容器の中にバネを圧縮する場合も多くあります。 引きバネ 引張バネとも呼ばれ、押しバネとは違ってコイルに隙間がなく密着した状態で巻かれています。両端にフックが付いていて、引っ張ると戻る動作を利用します。 自転車のスタンドにも使われていて、用途がとても幅広いバネです。また、フックの形状を工夫することで使い方に様々な応用をきかせることができます。 上の動画にあるように、バネが引っ張られた状態で罠を設置しておき、トリガーが作動するとフックが外れてバネが縮む力によってワイヤーが締まる仕組みになっています。 通常、縦引きタイプの押しバネや、ねじりバネを使ったくくり罠は、地面に埋めて使用します。一方で、引きバネの場合は、仕掛けにもよりますが、穴を掘らなくても罠を作動させることができますので、地形条件に左右されにくいのも特徴です。 ねじりバネ 巻き込まれた力を開放しようとする動力をいかしたバネをいいます。洗濯ばさみにも使われているバネですので、イメージがつきやすいかと思います。 コイル部分は、一般的にピッチ無し(密着巻)ですが、用途によってはピッチがあるものもあります。線材が太いものほど力が力が大きくなります。 非常に力が強いバネで、人間の手で圧縮できないほど強力なものもあります。また、先端の形状や腕の長さによっても性能が変わってきます。 くくり罠に使用する場合、他のバネに比べると、圧縮したりする必要がないため、セッティングがしやすいという特徴があります。 一方で、跳ね上がる力が非常に強く、暴発によって怪我をすることもあるので注意が必要です。 バネを選ぶポイント バネは使っていくうちに、必ずヘタり(コイルの力が衰え、弾力性が落ちること)が生じます。ヘタリが生じると、くくり罠の性能を十分に発揮することができず捕獲率も下がります。そのため、ヘタったバネは交換することになりますが、状況に応じて少しバネの仕様を変えるのも手です。 たとえば、「どうも空ハジキ※が多い」といった場合は、よりバネの力を強くすると発生率を下げることができるかもしれません。バネの力が強くなればなるほど瞬発も早まるので、捕獲率を上げることが期待できます。※力が強いほど仕掛けるのが大変になり暴発で怪我をするリスクも出てきます。 ※空ハジキ:くくり罠が作動したにも関わらず捕獲できないこと ちなみに当店では押しバネを使ったタイプの罠を販売していますが、バネの仕様についてお問合せいただくことも多くございます。 塩ビパイプ内に押しバネを圧縮させるタイプをお使いの場合、圧縮長やコイル外径は塩ビパイプによって決まるので、塩ビパイプを変えない場合は線径を少しだけ変えたり、材質を変えたりするなど軽微な変更にとどめておきます。あまり大きな変更を加えることおススメしません。...
くくり罠のバネについて
くくり罠は、文字通り獣の足をバネの力で括って(くくって)捕獲する罠です。バネによって罠が作動する際の瞬発力が変わってくるので、くくり罠を構成するパーツの中でも特に重要なものになります。 くくり罠に使用されるバネの種類 くくり罠に使われるバネの種類は押しバネ、引きバネ、ねじりバネ(松葉式ばね)です。 こちらの記事もどうぞ 跳ね上げ式の足くくり罠を使って捕獲率アップ> 押しバネ 押しバネを使ったくくり罠は、最もオーソドックスなものになります。押しバネは別名 圧縮バネとも呼ばれ、コイル状に巻かれたバネの事です。力がかかっていない状態では、コイルに隙間(ピッチ)があいています。 押しバネはボールペンを分解すると出てくるバネで、罠を使ったことが無くても見たことがある人は多いのではないでしょうか。くくり罠だけでなく、機械部品や車などにも幅広く使用されています。 くくり罠に使用する際は、罠を仕掛けるときにバネを圧縮しておき、作動時にバネが伸びる力を利用して捕獲します。 上記の動画にあるように、押しバネを圧縮した状態で固定してくくり罠を設置しますが、バネを圧縮するには結構力が要ります。※貧弱なバネだと獣の瞬発力に勝てないので、それなりに強いバネを使用します。 因みに押しバネは、軽荷重の場合には一般的にコイル径が細くピッチも小さめですが、重荷重の場合にはコイル径が太くピッチも大き目に作られている場合が多いです。 バネがむき出しになっていると、圧縮する際にバネが歪んだり、作動する際に土や草木が引っかかってしまう場合もあるので、上記動画のように塩ビパイプ等の容器の中にバネを圧縮する場合も多くあります。 引きバネ 引張バネとも呼ばれ、押しバネとは違ってコイルに隙間がなく密着した状態で巻かれています。両端にフックが付いていて、引っ張ると戻る動作を利用します。 自転車のスタンドにも使われていて、用途がとても幅広いバネです。また、フックの形状を工夫することで使い方に様々な応用をきかせることができます。 上の動画にあるように、バネが引っ張られた状態で罠を設置しておき、トリガーが作動するとフックが外れてバネが縮む力によってワイヤーが締まる仕組みになっています。 通常、縦引きタイプの押しバネや、ねじりバネを使ったくくり罠は、地面に埋めて使用します。一方で、引きバネの場合は、仕掛けにもよりますが、穴を掘らなくても罠を作動させることができますので、地形条件に左右されにくいのも特徴です。 ねじりバネ 巻き込まれた力を開放しようとする動力をいかしたバネをいいます。洗濯ばさみにも使われているバネですので、イメージがつきやすいかと思います。 コイル部分は、一般的にピッチ無し(密着巻)ですが、用途によってはピッチがあるものもあります。線材が太いものほど力が力が大きくなります。 非常に力が強いバネで、人間の手で圧縮できないほど強力なものもあります。また、先端の形状や腕の長さによっても性能が変わってきます。 くくり罠に使用する場合、他のバネに比べると、圧縮したりする必要がないため、セッティングがしやすいという特徴があります。 一方で、跳ね上がる力が非常に強く、暴発によって怪我をすることもあるので注意が必要です。 バネを選ぶポイント バネは使っていくうちに、必ずヘタり(コイルの力が衰え、弾力性が落ちること)が生じます。ヘタリが生じると、くくり罠の性能を十分に発揮することができず捕獲率も下がります。そのため、ヘタったバネは交換することになりますが、状況に応じて少しバネの仕様を変えるのも手です。 たとえば、「どうも空ハジキ※が多い」といった場合は、よりバネの力を強くすると発生率を下げることができるかもしれません。バネの力が強くなればなるほど瞬発も早まるので、捕獲率を上げることが期待できます。※力が強いほど仕掛けるのが大変になり暴発で怪我をするリスクも出てきます。 ※空ハジキ:くくり罠が作動したにも関わらず捕獲できないこと ちなみに当店では押しバネを使ったタイプの罠を販売していますが、バネの仕様についてお問合せいただくことも多くございます。 塩ビパイプ内に押しバネを圧縮させるタイプをお使いの場合、圧縮長やコイル外径は塩ビパイプによって決まるので、塩ビパイプを変えない場合は線径を少しだけ変えたり、材質を変えたりするなど軽微な変更にとどめておきます。あまり大きな変更を加えることおススメしません。...

くくり罠の作り方
目次 1準備するもの 1必要な工具等 2くくり罠のパーツを用意する 2くくり罠の作り方 1ワイヤーを切る 2塩ビパイプを準備する 3支柱側のワイヤーを作る 4スネア部分を作る 5塩ビ管とバネ、ストッパーを準備する 6サルカンを装着する 7最終チェック 8踏み板部分も自作してみたい方へ 3当店のくくり罠のご紹介 1くくり罠完成品 2くくり罠自作キット 3踏み板 イノシシやシカをはじめ、野生鳥獣を捕獲するために使用される「くくり罠」。今年の狩猟解禁日も近づいてきており、「今期は自作にチャレンジしてみたい!」という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、くくり罠の作成方法を説明しようと思います。 準備するもの くくり罠を組み立てるにあたって、必要な工具・道具を紹介します。今回は、くくり罠の中で最もポピュラーな、押しバネを使用した「跳ね上げ式タイプ」で説明します。 ①必要な工具等 1:ワイヤーロープを切断するカッター ワイヤーロープを切断するために、専用のカッターを用意します。必ず、切断するワイヤー径に適合したものを準備しましょう。 ワイヤーロープ切断に適さないペンチ等で無理やり切断しようとすると、刃こぼれしたり、ワイヤーロープの素線がグチャグチャになったり、うまく切断できなかったりするので、必ずワイヤーロープ切断用の工具を使いましょう。 2:スリーブ(クランプ)を加締めするスエージャー くくり罠を作る際、ワイヤーロープの断端を処理したり、輪っかを作ったりする個所が出てきます。そういった場合は、スリーブ(クランプ)を用いてワイヤーロープを加締める作業が必要になります。 こちらも、加締めるワイヤー径に適応したものを使用します。 カッターとスエージャーと一体化されているタイプもあり、便利です(販売ページはこちら)。 3:ドリル 圧縮したバネを納めるための塩ビ管を加工するためのドリルになります。ワイヤーを通す穴を塩ビキャップに開けたりする作業に使います。ハンディタイプの電動ドリルでも良いですが、ブレてケガをする恐れがあるので、卓上ボール盤がベストです。...
くくり罠の作り方
目次 1準備するもの 1必要な工具等 2くくり罠のパーツを用意する 2くくり罠の作り方 1ワイヤーを切る 2塩ビパイプを準備する 3支柱側のワイヤーを作る 4スネア部分を作る 5塩ビ管とバネ、ストッパーを準備する 6サルカンを装着する 7最終チェック 8踏み板部分も自作してみたい方へ 3当店のくくり罠のご紹介 1くくり罠完成品 2くくり罠自作キット 3踏み板 イノシシやシカをはじめ、野生鳥獣を捕獲するために使用される「くくり罠」。今年の狩猟解禁日も近づいてきており、「今期は自作にチャレンジしてみたい!」という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、くくり罠の作成方法を説明しようと思います。 準備するもの くくり罠を組み立てるにあたって、必要な工具・道具を紹介します。今回は、くくり罠の中で最もポピュラーな、押しバネを使用した「跳ね上げ式タイプ」で説明します。 ①必要な工具等 1:ワイヤーロープを切断するカッター ワイヤーロープを切断するために、専用のカッターを用意します。必ず、切断するワイヤー径に適合したものを準備しましょう。 ワイヤーロープ切断に適さないペンチ等で無理やり切断しようとすると、刃こぼれしたり、ワイヤーロープの素線がグチャグチャになったり、うまく切断できなかったりするので、必ずワイヤーロープ切断用の工具を使いましょう。 2:スリーブ(クランプ)を加締めするスエージャー くくり罠を作る際、ワイヤーロープの断端を処理したり、輪っかを作ったりする個所が出てきます。そういった場合は、スリーブ(クランプ)を用いてワイヤーロープを加締める作業が必要になります。 こちらも、加締めるワイヤー径に適応したものを使用します。 カッターとスエージャーと一体化されているタイプもあり、便利です(販売ページはこちら)。 3:ドリル 圧縮したバネを納めるための塩ビ管を加工するためのドリルになります。ワイヤーを通す穴を塩ビキャップに開けたりする作業に使います。ハンディタイプの電動ドリルでも良いですが、ブレてケガをする恐れがあるので、卓上ボール盤がベストです。...

【徹底解説】くくり罠の特徴や成果の上げ方とは?
イノシシやシカをはじめとした野生鳥獣を捕獲するために、よく使われるのが罠です。ひとくちに罠といっても世の中には色々な種類のものがありますが、代表的なのが獣の足などをワイヤーで括る(くくる)ことによって捕らえる「くくり罠」です。 とはいえ、くくり罠は獣の動きを読んで設置しなければならないため、初心者にとってはハードルが高く、分からないことも多いのではないでしょうか? 当店では年間数千個程くくり罠を製造・販売しており、多くのユーザー様から様々なフィードバックをいただいています。その経験を基に、これまでも多くの情報発信をさせていただいておりますので、今回はそれら過去に発信させていただいた情報をダイジェストでご紹介したいと思います。くくり罠について知りたい方はぜひ参考にしてください。 そもそも、くくり罠って? くくり罠とは、イノシシやシカなど野生鳥獣を捕獲するための罠の1種です。具体的には、獲物が通りそうな獣道にあらかじめ罠を仕掛けておき、獲物が足で罠を踏み抜くとバネの力で罠が作動。ワイヤーが獣の足を括り(くくり)捕獲する仕組みです。獲物の胴体や首を括る「胴くくり」という方法もありますが、一般的には足を括る「足くくり」が多く使用されています。 くくり罠の特徴 他の罠と比べた時のくくり罠の特徴としては、小型で軽量な点が挙げられます。檻の中に餌をおいて捕獲する箱罠だと、重量が100Kgを超えるものもあり、設置や運搬に労力がかかってしまいますが、その点くくり罠なら小型で持ち運びも手軽なことから、他の種類の罠と比較すると場所をえらばず設置や撤去も簡単です。 一度に多くの数を設置することもできるので、効率よく捕獲することができます。また、明らかに人工物である箱罠と比べると、くくり罠は獣に気づかれないよう仕掛けるので、警戒心が高い獣に対しても有効な捕獲手段となります。 初心者でも仕掛けてすぐに捕まえることができる人もいれば、なかなか難しいと仰るかたもいらっしゃいます。※余談ですが、魚釣りが上手な方はくくり罠も得意な方が多い傾向があるように思います。 当店のくくり罠は、「簡単設置で安くて良く獲れる」をモットーに、踏み板+スプリングをセットにして仕掛ける跳ね上げ式のくくり罠です。 動作の原理としては、 ①獣の通り道に台座となる塩ビ管を地中に埋めます。②踏み板(獣が踏む部分)に付属のレールに、獣の足をくくるワイヤーの輪っか(スネア)を巻き付けます。③押しバネを押し込み、圧縮した状態で固定します。④踏み板を①の台座の上に置き、薄く土や葉っぱをかぶせます。⑤獣が踏み板を踏み抜くと、バネの力でスネアが上に跳ね上がり、スネアが締まって獣の足を捕らえます。 以下の動画にて、くくり罠の動作を分かりやすく撮影していますので、ご参考ください。 こちらの記事もどうぞ 年間300頭の捕獲事例も!ファーレ旭式くくり罠の紹介>> 構成部品やパーツをご紹介 では、くくり罠を構成する部品やパーツについて見ていきましょう。くくり罠は主に次のパーツから構成されています。 くくり罠の構成部品 01:押しバネ 02:ワイヤーロープ 03:アルミスリーブ 04:サルカン 05:シャックル 06:くくり金具 07:ストッパー(シングル) 08:ストッパー(ダブル) 09:塩ビ管セット 10:踏み板 まず「ワイヤー」ですが、獲物の足をくくる役割や、支柱となる立木に固定するなどくくり罠には欠かせないパーツです。キンク(ワイヤーが折れ曲がって元に戻らない状態)が生じるとワイヤーの強度が著しく下がりますので、交換頻度が最も高いパーツになります。 ワイヤーについては以下の記事でも詳しく説明していますので、ご一読ください。 こちらの記事もどうぞ くくり罠のワイヤーについて詳しく知りたい>> 「スリーブ」は、ワイヤーを結束する際に使用するパーツです。ワイヤーをスリーブの中に2回通して、専用の工具をつかってかしめる(加締める)ことによって固定します。ワイヤー端部の処理や、輪っかを作ったりする際に、必ず必要になるパーツです。 くくり罠の動力となるのが、「バネ」部分。このバネの性能は罠の作動を大きく左右する部分で、押しバネや引きバネ、松葉式(ねじりバネ)など複数の種類があります。 押しバネを使っている方が最も多く、圧縮させたバネが伸びる力を利用して罠スネアが締まります。逆に引きバネは、バネが縮む力でワイヤーのスネアが締まります。ねじりバネは、折り畳んだ状態からバネが開くことによってスネアが締まります。 バネの力が強いほど、罠の作動は早くなりますが、仕掛ける際に強い力が必要だったり、暴発でケガをするリスクも出てきますので、自分に合ったバネを使うのがポイントです。 ※ねじりバネが最も力が強いですが、罠を仕掛ける際に誤って開いたバネが顔面に直撃して失明した事例などもあり、当店では押しバネ構造を採用しています。...
【徹底解説】くくり罠の特徴や成果の上げ方とは?
イノシシやシカをはじめとした野生鳥獣を捕獲するために、よく使われるのが罠です。ひとくちに罠といっても世の中には色々な種類のものがありますが、代表的なのが獣の足などをワイヤーで括る(くくる)ことによって捕らえる「くくり罠」です。 とはいえ、くくり罠は獣の動きを読んで設置しなければならないため、初心者にとってはハードルが高く、分からないことも多いのではないでしょうか? 当店では年間数千個程くくり罠を製造・販売しており、多くのユーザー様から様々なフィードバックをいただいています。その経験を基に、これまでも多くの情報発信をさせていただいておりますので、今回はそれら過去に発信させていただいた情報をダイジェストでご紹介したいと思います。くくり罠について知りたい方はぜひ参考にしてください。 そもそも、くくり罠って? くくり罠とは、イノシシやシカなど野生鳥獣を捕獲するための罠の1種です。具体的には、獲物が通りそうな獣道にあらかじめ罠を仕掛けておき、獲物が足で罠を踏み抜くとバネの力で罠が作動。ワイヤーが獣の足を括り(くくり)捕獲する仕組みです。獲物の胴体や首を括る「胴くくり」という方法もありますが、一般的には足を括る「足くくり」が多く使用されています。 くくり罠の特徴 他の罠と比べた時のくくり罠の特徴としては、小型で軽量な点が挙げられます。檻の中に餌をおいて捕獲する箱罠だと、重量が100Kgを超えるものもあり、設置や運搬に労力がかかってしまいますが、その点くくり罠なら小型で持ち運びも手軽なことから、他の種類の罠と比較すると場所をえらばず設置や撤去も簡単です。 一度に多くの数を設置することもできるので、効率よく捕獲することができます。また、明らかに人工物である箱罠と比べると、くくり罠は獣に気づかれないよう仕掛けるので、警戒心が高い獣に対しても有効な捕獲手段となります。 初心者でも仕掛けてすぐに捕まえることができる人もいれば、なかなか難しいと仰るかたもいらっしゃいます。※余談ですが、魚釣りが上手な方はくくり罠も得意な方が多い傾向があるように思います。 当店のくくり罠は、「簡単設置で安くて良く獲れる」をモットーに、踏み板+スプリングをセットにして仕掛ける跳ね上げ式のくくり罠です。 動作の原理としては、 ①獣の通り道に台座となる塩ビ管を地中に埋めます。②踏み板(獣が踏む部分)に付属のレールに、獣の足をくくるワイヤーの輪っか(スネア)を巻き付けます。③押しバネを押し込み、圧縮した状態で固定します。④踏み板を①の台座の上に置き、薄く土や葉っぱをかぶせます。⑤獣が踏み板を踏み抜くと、バネの力でスネアが上に跳ね上がり、スネアが締まって獣の足を捕らえます。 以下の動画にて、くくり罠の動作を分かりやすく撮影していますので、ご参考ください。 こちらの記事もどうぞ 年間300頭の捕獲事例も!ファーレ旭式くくり罠の紹介>> 構成部品やパーツをご紹介 では、くくり罠を構成する部品やパーツについて見ていきましょう。くくり罠は主に次のパーツから構成されています。 くくり罠の構成部品 01:押しバネ 02:ワイヤーロープ 03:アルミスリーブ 04:サルカン 05:シャックル 06:くくり金具 07:ストッパー(シングル) 08:ストッパー(ダブル) 09:塩ビ管セット 10:踏み板 まず「ワイヤー」ですが、獲物の足をくくる役割や、支柱となる立木に固定するなどくくり罠には欠かせないパーツです。キンク(ワイヤーが折れ曲がって元に戻らない状態)が生じるとワイヤーの強度が著しく下がりますので、交換頻度が最も高いパーツになります。 ワイヤーについては以下の記事でも詳しく説明していますので、ご一読ください。 こちらの記事もどうぞ くくり罠のワイヤーについて詳しく知りたい>> 「スリーブ」は、ワイヤーを結束する際に使用するパーツです。ワイヤーをスリーブの中に2回通して、専用の工具をつかってかしめる(加締める)ことによって固定します。ワイヤー端部の処理や、輪っかを作ったりする際に、必ず必要になるパーツです。 くくり罠の動力となるのが、「バネ」部分。このバネの性能は罠の作動を大きく左右する部分で、押しバネや引きバネ、松葉式(ねじりバネ)など複数の種類があります。 押しバネを使っている方が最も多く、圧縮させたバネが伸びる力を利用して罠スネアが締まります。逆に引きバネは、バネが縮む力でワイヤーのスネアが締まります。ねじりバネは、折り畳んだ状態からバネが開くことによってスネアが締まります。 バネの力が強いほど、罠の作動は早くなりますが、仕掛ける際に強い力が必要だったり、暴発でケガをするリスクも出てきますので、自分に合ったバネを使うのがポイントです。 ※ねじりバネが最も力が強いですが、罠を仕掛ける際に誤って開いたバネが顔面に直撃して失明した事例などもあり、当店では押しバネ構造を採用しています。...

くくり罠のワイヤーについて詳しく知りたい
獣の足をワイヤーで「括る(くくる)」ことによって捕獲する、くくり罠。構成する部品のなかでも、ワイヤーは必ず必要になる部品です。現在は「ワイヤーロープ」といって、金属の素線を編み合わせたロープを使うのが一般的です。 理由としては、ワイヤーロープは普通のロープよりも引張強度が高く、かつある程度柔軟性があるため、イノシシやシカなど力が強い獣を捕獲するための罠に向いているからです。 外見上は一見どれも一緒に見えるワイヤーロープですが、実は様々な種類があり、罠に使用するために知っておいたほうが良いことがいくつかあります。 使える太さにも決まりがある イノシシやシカを捕獲するためには、径が4ミリより小さいワイヤーロープは使用が禁止されています。狩猟に馴染みがない人からすると、径が3ミリのものでも十分に強度があるように見えますが、野生の力は思った以上に強いもの。 生死がかかっているので、彼らも必死です。捕獲した状態でも、大き目の獣が下り坂で勢いをつけたりするとワイヤーが切れてしまうことがあります。 キンクに気を付けよう くくり罠を現場で使っていると、キンク(折れ曲がりによって元の形状に戻らない)や形くずれ(ストランドが浮き上がったり、撚りが崩れたりする)が生じます。キンクや形くずれが生じてしまうと、元には戻りません。 外観上はキンクが直ったように見えても、実際は損傷は戻っておらず、その部分が起点となってロープが早く傷んでいきます。キンクが生じてしまうと、強度が6割近く低下する場合もありますので、ワイヤーロープに損傷が見られた場合は消耗品と割り切って新しいものに交換しましょう。 キンクが生じる原因は、ワイヤーが捩れた状態で引っ張られることです。くくり罠を使う場面ではどうしても避けられないシチュエーションですが、できるだけ捩れが生じないようにするため、より戻し(サルカン)を必ず装着するようにしましょう。 ワイヤーロープの構造 ワイヤーロープの径は、とにかく太いのを使えばよいのか?答えは「NO」です。ワイヤーが太くなると、その分硬さも出てしまいます。そのため、締め付けが甘くなったり、くくり罠の作動が鈍くなったりもします。 そこで、考慮するべきポイントがあります。それが素線やストランドの本数と、芯の素材です。 ワイヤーロープは細い「素線」が編みこまれた構造になっています。この素線を複数撚り合わせたものを「ストランド」と呼び、それが「芯」のまわりに複数撚り合わされることでワイヤーロープを構成しています。 芯の種類も複数あり、繊維芯タイプと金芯(鋼芯)タイプがあります。繊維芯タイプは柔軟性が高いため、捕獲率は上がります。繊維芯の素材は、天然繊維である麻やポリプロピレンを撚り合わせたものが使われています。 一方で金芯タイプは柔軟性が乏しくなってしまい罠の作動が悪くなってしまいますが、強度は強くなります。 ストランドを構成する素線の本数と、芯の周りのストランド本数によって、「6×24」と表現したり、「6×19」と表現したりします。例えば芯の周りに6本のストランドがあり、ストランドが24本の素線で構成されている場合は「6×24」と表現します。 同じワイヤーロープの太さなら、素線の本数が多いほうが柔らかくなりますが、その分ねじれてしまってキンクが生じやすくなります。キンクが生じたワイヤーロープで大物獣がかかると、ワイヤーが切れてしまいますので注意しましょう。 当店では、罠の作動と強度のバランス等を鑑み、4ミリ径 6×19の繊維芯タイプを主に使用しています。 油抜きかどうかも考慮するべき ワイヤーロープは柔軟性をもたせるために、一般的に潤滑油(グリース)が塗布されています。しかしながら、油の匂いは野生の獣にとって異質であり、特にイノシシは犬並みの嗅覚の鋭さを持つことから、忌避される恐れがあります。 そのため、くくり罠に使用するワイヤーロープを選ぶ際は、油抜きのものを選ぶことをおすすめします。 罠に獲物がかかっていたら 大物のイノシシは力が強く、ワイヤーロープにキンクがあると切ってしまうことも少なくありません。また、足がちぎれかかっている場合や、足の先のほうをワイヤーが括っている場合もあります。こういった場合は、ワイヤーロープが切れたり、ワイヤーが抜けたりして、逃げた獲物がこちらに向かって来ることを想定しつつ、くれぐれも怪我がないよう注意しましょう。 獲物がかかっていることを確認したら、まずは遠巻きから括っている位置や状態を確認し、坂になっている場所では高いほうから獲物に近づくようにしましょう。くくり罠用ワイヤーの商品一覧はこちら くくり罠の構成部品 自作の工具などをお持ちでない方には、組立済みスプリングセットもおすすめです。 01:押しバネ 02:ワイヤーロープ 03:アルミスリーブ 04:サルカン...
くくり罠のワイヤーについて詳しく知りたい
獣の足をワイヤーで「括る(くくる)」ことによって捕獲する、くくり罠。構成する部品のなかでも、ワイヤーは必ず必要になる部品です。現在は「ワイヤーロープ」といって、金属の素線を編み合わせたロープを使うのが一般的です。 理由としては、ワイヤーロープは普通のロープよりも引張強度が高く、かつある程度柔軟性があるため、イノシシやシカなど力が強い獣を捕獲するための罠に向いているからです。 外見上は一見どれも一緒に見えるワイヤーロープですが、実は様々な種類があり、罠に使用するために知っておいたほうが良いことがいくつかあります。 使える太さにも決まりがある イノシシやシカを捕獲するためには、径が4ミリより小さいワイヤーロープは使用が禁止されています。狩猟に馴染みがない人からすると、径が3ミリのものでも十分に強度があるように見えますが、野生の力は思った以上に強いもの。 生死がかかっているので、彼らも必死です。捕獲した状態でも、大き目の獣が下り坂で勢いをつけたりするとワイヤーが切れてしまうことがあります。 キンクに気を付けよう くくり罠を現場で使っていると、キンク(折れ曲がりによって元の形状に戻らない)や形くずれ(ストランドが浮き上がったり、撚りが崩れたりする)が生じます。キンクや形くずれが生じてしまうと、元には戻りません。 外観上はキンクが直ったように見えても、実際は損傷は戻っておらず、その部分が起点となってロープが早く傷んでいきます。キンクが生じてしまうと、強度が6割近く低下する場合もありますので、ワイヤーロープに損傷が見られた場合は消耗品と割り切って新しいものに交換しましょう。 キンクが生じる原因は、ワイヤーが捩れた状態で引っ張られることです。くくり罠を使う場面ではどうしても避けられないシチュエーションですが、できるだけ捩れが生じないようにするため、より戻し(サルカン)を必ず装着するようにしましょう。 ワイヤーロープの構造 ワイヤーロープの径は、とにかく太いのを使えばよいのか?答えは「NO」です。ワイヤーが太くなると、その分硬さも出てしまいます。そのため、締め付けが甘くなったり、くくり罠の作動が鈍くなったりもします。 そこで、考慮するべきポイントがあります。それが素線やストランドの本数と、芯の素材です。 ワイヤーロープは細い「素線」が編みこまれた構造になっています。この素線を複数撚り合わせたものを「ストランド」と呼び、それが「芯」のまわりに複数撚り合わされることでワイヤーロープを構成しています。 芯の種類も複数あり、繊維芯タイプと金芯(鋼芯)タイプがあります。繊維芯タイプは柔軟性が高いため、捕獲率は上がります。繊維芯の素材は、天然繊維である麻やポリプロピレンを撚り合わせたものが使われています。 一方で金芯タイプは柔軟性が乏しくなってしまい罠の作動が悪くなってしまいますが、強度は強くなります。 ストランドを構成する素線の本数と、芯の周りのストランド本数によって、「6×24」と表現したり、「6×19」と表現したりします。例えば芯の周りに6本のストランドがあり、ストランドが24本の素線で構成されている場合は「6×24」と表現します。 同じワイヤーロープの太さなら、素線の本数が多いほうが柔らかくなりますが、その分ねじれてしまってキンクが生じやすくなります。キンクが生じたワイヤーロープで大物獣がかかると、ワイヤーが切れてしまいますので注意しましょう。 当店では、罠の作動と強度のバランス等を鑑み、4ミリ径 6×19の繊維芯タイプを主に使用しています。 油抜きかどうかも考慮するべき ワイヤーロープは柔軟性をもたせるために、一般的に潤滑油(グリース)が塗布されています。しかしながら、油の匂いは野生の獣にとって異質であり、特にイノシシは犬並みの嗅覚の鋭さを持つことから、忌避される恐れがあります。 そのため、くくり罠に使用するワイヤーロープを選ぶ際は、油抜きのものを選ぶことをおすすめします。 罠に獲物がかかっていたら 大物のイノシシは力が強く、ワイヤーロープにキンクがあると切ってしまうことも少なくありません。また、足がちぎれかかっている場合や、足の先のほうをワイヤーが括っている場合もあります。こういった場合は、ワイヤーロープが切れたり、ワイヤーが抜けたりして、逃げた獲物がこちらに向かって来ることを想定しつつ、くれぐれも怪我がないよう注意しましょう。 獲物がかかっていることを確認したら、まずは遠巻きから括っている位置や状態を確認し、坂になっている場所では高いほうから獲物に近づくようにしましょう。くくり罠用ワイヤーの商品一覧はこちら くくり罠の構成部品 自作の工具などをお持ちでない方には、組立済みスプリングセットもおすすめです。 01:押しバネ 02:ワイヤーロープ 03:アルミスリーブ 04:サルカン...

跳ね上げ式の足くくり罠を使って捕獲率アップ
獣の足をワイヤーでくくることによって捕らえる「くくり罠」ですが、いくつかのタイプに分かれます。今回は、その中の「跳ね上げ式」タイプについて説明します。 跳ね上げ式のくくり罠って? くくり罠には基本的にバネが使われます。使われるバネの種類は押しバネ、引きバネ、ねじりバネ(松葉式ばね)です。 このうち押しバネは、罠を仕掛けるときにバネを圧縮しておき、作動時にバネが伸びる力を利用して捕獲します。押しバネを使ったバネの場合、くくり罠が作動する方向によって「横引き式」か「縦引き式」、または「跳ね上げ式」に分かれます。 A:横引き式 作動時に押しバネが伸びる方向が横方向(地面と平行)になる方式です。 縦引き式と比べると作動時に高さが出ないため、足をくくるワイヤーの輪っか(スネア)が足の先のほうにかかりやすい傾向があります。そのため、捕獲率は縦引きより低くなり、空ハジキが生じやすいです。 括ったワイヤーの位置が足の先っぽのほうだと、ワイヤーから足が抜けやすくなって危険ということもあり、縦引き式のほうを好む方もいらっしゃいます。 一方で横引き式は仕掛けがシンプルで作るのが簡単、手間がかからないという点が長所です。「色々と試したけれども、横引き式が一番シンプルでやりやすい」という方も多くいらっしゃいます。 B:縦引き式 作動時に押しバネが伸びる方向が縦方向(地面と垂直)になる方式です。作動時に高さが出せるのでワイヤーのかかりが深くなり、罠にかかった足が抜けにくいという長所がありますので、熟練者に好まれる傾向があります。 足をくくる位置の高さは、一般的に、縦引き式≧跳ね上げ式>横引き式の順になります。※もちろん仕掛けや設置条件でも大きく変わります。 一方で、縦引き式は諸々の仕掛けを地中に埋めなければならないため、穴を掘るのに手間がかかってしまいます。 特に、地面が固くて掘りにくい場合や、木の根が多くて深く掘れない場合、土が崩れやすい地質の場合など、非常に手間がかかります。そのため、設置場所が限定されるということが難点です。 また、設置に時間がかかるので、人間の気配が残りやすく獣に警戒されてしまうこともあります。 シカはそれほどでもないのですが、イノシシは頭がよくて警戒心が非常に高い個体がいます。そういったイノシシの場合、罠の位置に気づいて通り道を変えたり、回避したり、中には掘り起こしたりする個体もいます。※もちろん個体差が大きいです。 C:跳ね上げ式 ワイヤーの輪っか(スネア)を取り付ける枠が付いた「踏み板」とセットにして使う方式です。 バネの作動方向は横引き式と同じですが、作動時に枠が立ち上がって足の上部を括ることが可能になっています。以下の動画が分かりやすいので、ご覧ください。 一般的に、跳ね上げ式も穴掘り作業が必要になるタイプが多いですが、バネの稼働部分は地中に埋める必要がないので、縦引き式よりも仕掛ける場所の制約が少なく、手間がかかりません。 短所としては、枠の動きが阻害されると罠が正常に作動しなくなる点です。 それを防ぐため、踏み板は完全に地中に埋めずに、土や葉っぱで少し覆う程度になります。ただ、そうすると仕掛けた痕跡を完全に隠すのが難しくなるため、警戒心が高い個体に気づかれるリスクも出てきます。 とはいえ、初心者に馴染みやすいという長所もあり、師匠・先生から跳ね上げ式を使ってレクチャーを受けたという方も多くいらっしゃいます。 結局、どのタイプがおすすめなの? 上記のとおり、くくり罠にも色々なタイプがあり一長一短あるわけですが、どのタイプを選んだらよいのでしょう。 結論から言うと一番良いのは、タイプ問わず使い慣れた罠を使うことです。どのようなタイプでも、使っていくうちに、クセやコツが分かってきます。また、経験に応じて改善のためのカスタマイズをしたり、そういった罠が一番捕獲率が高くなると思います。 初心者の場合や、特にこだわりはないけど別の罠を使ってみたいという場合は、上記3タイプの中でも一番バランスの良い、跳ね上げ式をお勧めします。様々なタイプの跳ね上げ式くくり罠が販売されていますが、仕掛けがなるべくシンプルで単価が高すぎないものを選ぶとよろしいかと思います。 既製品を購入する場合は、インターネット等で販売されているページに捕獲実績や使った感想が掲載されている場合もありますので、検討の際の参考になると思います。 イノホイおすすめの跳ね上げ式くくり罠 当店では、昔ながらのスタンダードな木板を使ったくくり罠と、コスパが良く多数設置にもおすすめな樹脂製くくり罠の、2タイプを用意しています。...
跳ね上げ式の足くくり罠を使って捕獲率アップ
獣の足をワイヤーでくくることによって捕らえる「くくり罠」ですが、いくつかのタイプに分かれます。今回は、その中の「跳ね上げ式」タイプについて説明します。 跳ね上げ式のくくり罠って? くくり罠には基本的にバネが使われます。使われるバネの種類は押しバネ、引きバネ、ねじりバネ(松葉式ばね)です。 このうち押しバネは、罠を仕掛けるときにバネを圧縮しておき、作動時にバネが伸びる力を利用して捕獲します。押しバネを使ったバネの場合、くくり罠が作動する方向によって「横引き式」か「縦引き式」、または「跳ね上げ式」に分かれます。 A:横引き式 作動時に押しバネが伸びる方向が横方向(地面と平行)になる方式です。 縦引き式と比べると作動時に高さが出ないため、足をくくるワイヤーの輪っか(スネア)が足の先のほうにかかりやすい傾向があります。そのため、捕獲率は縦引きより低くなり、空ハジキが生じやすいです。 括ったワイヤーの位置が足の先っぽのほうだと、ワイヤーから足が抜けやすくなって危険ということもあり、縦引き式のほうを好む方もいらっしゃいます。 一方で横引き式は仕掛けがシンプルで作るのが簡単、手間がかからないという点が長所です。「色々と試したけれども、横引き式が一番シンプルでやりやすい」という方も多くいらっしゃいます。 B:縦引き式 作動時に押しバネが伸びる方向が縦方向(地面と垂直)になる方式です。作動時に高さが出せるのでワイヤーのかかりが深くなり、罠にかかった足が抜けにくいという長所がありますので、熟練者に好まれる傾向があります。 足をくくる位置の高さは、一般的に、縦引き式≧跳ね上げ式>横引き式の順になります。※もちろん仕掛けや設置条件でも大きく変わります。 一方で、縦引き式は諸々の仕掛けを地中に埋めなければならないため、穴を掘るのに手間がかかってしまいます。 特に、地面が固くて掘りにくい場合や、木の根が多くて深く掘れない場合、土が崩れやすい地質の場合など、非常に手間がかかります。そのため、設置場所が限定されるということが難点です。 また、設置に時間がかかるので、人間の気配が残りやすく獣に警戒されてしまうこともあります。 シカはそれほどでもないのですが、イノシシは頭がよくて警戒心が非常に高い個体がいます。そういったイノシシの場合、罠の位置に気づいて通り道を変えたり、回避したり、中には掘り起こしたりする個体もいます。※もちろん個体差が大きいです。 C:跳ね上げ式 ワイヤーの輪っか(スネア)を取り付ける枠が付いた「踏み板」とセットにして使う方式です。 バネの作動方向は横引き式と同じですが、作動時に枠が立ち上がって足の上部を括ることが可能になっています。以下の動画が分かりやすいので、ご覧ください。 一般的に、跳ね上げ式も穴掘り作業が必要になるタイプが多いですが、バネの稼働部分は地中に埋める必要がないので、縦引き式よりも仕掛ける場所の制約が少なく、手間がかかりません。 短所としては、枠の動きが阻害されると罠が正常に作動しなくなる点です。 それを防ぐため、踏み板は完全に地中に埋めずに、土や葉っぱで少し覆う程度になります。ただ、そうすると仕掛けた痕跡を完全に隠すのが難しくなるため、警戒心が高い個体に気づかれるリスクも出てきます。 とはいえ、初心者に馴染みやすいという長所もあり、師匠・先生から跳ね上げ式を使ってレクチャーを受けたという方も多くいらっしゃいます。 結局、どのタイプがおすすめなの? 上記のとおり、くくり罠にも色々なタイプがあり一長一短あるわけですが、どのタイプを選んだらよいのでしょう。 結論から言うと一番良いのは、タイプ問わず使い慣れた罠を使うことです。どのようなタイプでも、使っていくうちに、クセやコツが分かってきます。また、経験に応じて改善のためのカスタマイズをしたり、そういった罠が一番捕獲率が高くなると思います。 初心者の場合や、特にこだわりはないけど別の罠を使ってみたいという場合は、上記3タイプの中でも一番バランスの良い、跳ね上げ式をお勧めします。様々なタイプの跳ね上げ式くくり罠が販売されていますが、仕掛けがなるべくシンプルで単価が高すぎないものを選ぶとよろしいかと思います。 既製品を購入する場合は、インターネット等で販売されているページに捕獲実績や使った感想が掲載されている場合もありますので、検討の際の参考になると思います。 イノホイおすすめの跳ね上げ式くくり罠 当店では、昔ながらのスタンダードな木板を使ったくくり罠と、コスパが良く多数設置にもおすすめな樹脂製くくり罠の、2タイプを用意しています。...

イノシシ捕獲のための虎の巻
イノシシによる農作物の被害に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。 イノシシの被害は野生鳥獣の被害額から見ても、全体の約3割を占めており、早急な対策が求められています。 そこで今回は、イノシシ対策の中でもとくに効果を発揮する、捕獲についてご紹介します。具体的な捕獲方法や豆知識についても解説していますので、被害に頭を悩ませる方はぜひ参考にしてください。 イノシシ被害の現状は? イノシシの捕獲について解説する前に、まずは被害の現状から見ておきましょう。 農林水産省が行った「全国の野生鳥獣による農作物被害状況(平成30年度)」によると、野生鳥獣による全国の農作物の被害は平成30年度で約158億円に達しています。平成29年度から約6億円の減少となっているものの、依然として高い水準で推移している状態です。 この中でもイノシシだけにフォーカスすると約47億円で、全体の約3割を占めています。これは鳥獣別に見てもシカの約54億円に次ぐ数字で、被害の大きさが窺えます。 参考サイト:全国の野生鳥獣による農作物被害状況 イノシシ対策には捕獲が必要 イノシシは繁殖力が高いため個体数の年変動が大きく、対策が遅れると被害はすぐに深刻化します。柵を設置してイノシシを遠ざける対策や、イノシシが近寄りにくい環境を作るといった対策も効果がありますが、抜本的な対策としては、被害を引き起こすイノシシの数を捕獲によって減らす方法が効果的です。 個体数そのものを減らすことで、地域全体で広く対策を講じていくことが重要となります。 イノシシの捕獲方法 イノシシを捕獲する方法として一般的なのは、「箱罠」と「くくり罠」の2パターンになります。参考記事>>イノシシ対策~罠の種類 まずは、それぞれの罠の特徴について見ていきましょう。 箱罠による捕獲 箱罠は、檻を箱状にして、餌を使ってイノシシを箱の内部に誘引することによって捕獲する罠のことです。 餌を使うため捕獲率が高く、くくり罠ほど知識やテクニックを要しません。 一つの箱罠で一度に複数の捕獲ができることも期待できます。一方で、くくり罠に比べると高価である点や、大きくて重たいため設置や移動に労力がかかります。 イノホイの箱罠商品はこちらから>> 天井面が半分以上が解放されている罠を見かけますが、これは箱罠ではなく囲い罠に分類されます。間違えやすいことも多いため、覚えておくと安心です。 くくり罠による捕獲 くくり罠は、ワイヤーを使って獣の足や胴を捕える罠のことです。ほとんどの場合が足くくり罠で、イノシシが歩く経路に予め仕掛けておき、イノシシが罠を踏むとバネの力でワイヤーが締まり、足を捕える仕組みになっています。イノホイのくくり罠商品はこちらから>> 箱罠と比べると、安価なので数多く設置することが可能ですが、効果を上げるには知識やテクニックを要します。また、捕獲後も獣の可動範囲が広いため、捕らえた獲物にとどめをさす時に危険を伴う場合があります。 イノシシの捕獲の前に知っておくべきルール イノシシを捕獲するには、前もって押さえておくべきルールがあります。 まず、前提としてイノシシをはじめとする野生鳥獣は「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣保護法)で保護されており、法令やルールから外れて捕獲することはできません。違法な捕獲は罰せられますので注意しましょう。 1.わな猟免許の取得のルール まず、罠を使用して野生鳥獣を捕獲するためには、原則として狩猟免許が必要になります。 狩猟免許の種類には、網猟免許・わな猟免許・第一種銃猟免許・第二種銃猟免許があり、箱罠やくくり罠を使うには、わな猟免許が必要です。また免許を取得したのち、実際に狩猟を行う前に、わな猟を行う都道府県で狩猟者登録をする必要があります。 参考記事>>害獣捕獲のための第一歩...
イノシシ捕獲のための虎の巻
イノシシによる農作物の被害に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。 イノシシの被害は野生鳥獣の被害額から見ても、全体の約3割を占めており、早急な対策が求められています。 そこで今回は、イノシシ対策の中でもとくに効果を発揮する、捕獲についてご紹介します。具体的な捕獲方法や豆知識についても解説していますので、被害に頭を悩ませる方はぜひ参考にしてください。 イノシシ被害の現状は? イノシシの捕獲について解説する前に、まずは被害の現状から見ておきましょう。 農林水産省が行った「全国の野生鳥獣による農作物被害状況(平成30年度)」によると、野生鳥獣による全国の農作物の被害は平成30年度で約158億円に達しています。平成29年度から約6億円の減少となっているものの、依然として高い水準で推移している状態です。 この中でもイノシシだけにフォーカスすると約47億円で、全体の約3割を占めています。これは鳥獣別に見てもシカの約54億円に次ぐ数字で、被害の大きさが窺えます。 参考サイト:全国の野生鳥獣による農作物被害状況 イノシシ対策には捕獲が必要 イノシシは繁殖力が高いため個体数の年変動が大きく、対策が遅れると被害はすぐに深刻化します。柵を設置してイノシシを遠ざける対策や、イノシシが近寄りにくい環境を作るといった対策も効果がありますが、抜本的な対策としては、被害を引き起こすイノシシの数を捕獲によって減らす方法が効果的です。 個体数そのものを減らすことで、地域全体で広く対策を講じていくことが重要となります。 イノシシの捕獲方法 イノシシを捕獲する方法として一般的なのは、「箱罠」と「くくり罠」の2パターンになります。参考記事>>イノシシ対策~罠の種類 まずは、それぞれの罠の特徴について見ていきましょう。 箱罠による捕獲 箱罠は、檻を箱状にして、餌を使ってイノシシを箱の内部に誘引することによって捕獲する罠のことです。 餌を使うため捕獲率が高く、くくり罠ほど知識やテクニックを要しません。 一つの箱罠で一度に複数の捕獲ができることも期待できます。一方で、くくり罠に比べると高価である点や、大きくて重たいため設置や移動に労力がかかります。 イノホイの箱罠商品はこちらから>> 天井面が半分以上が解放されている罠を見かけますが、これは箱罠ではなく囲い罠に分類されます。間違えやすいことも多いため、覚えておくと安心です。 くくり罠による捕獲 くくり罠は、ワイヤーを使って獣の足や胴を捕える罠のことです。ほとんどの場合が足くくり罠で、イノシシが歩く経路に予め仕掛けておき、イノシシが罠を踏むとバネの力でワイヤーが締まり、足を捕える仕組みになっています。イノホイのくくり罠商品はこちらから>> 箱罠と比べると、安価なので数多く設置することが可能ですが、効果を上げるには知識やテクニックを要します。また、捕獲後も獣の可動範囲が広いため、捕らえた獲物にとどめをさす時に危険を伴う場合があります。 イノシシの捕獲の前に知っておくべきルール イノシシを捕獲するには、前もって押さえておくべきルールがあります。 まず、前提としてイノシシをはじめとする野生鳥獣は「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣保護法)で保護されており、法令やルールから外れて捕獲することはできません。違法な捕獲は罰せられますので注意しましょう。 1.わな猟免許の取得のルール まず、罠を使用して野生鳥獣を捕獲するためには、原則として狩猟免許が必要になります。 狩猟免許の種類には、網猟免許・わな猟免許・第一種銃猟免許・第二種銃猟免許があり、箱罠やくくり罠を使うには、わな猟免許が必要です。また免許を取得したのち、実際に狩猟を行う前に、わな猟を行う都道府県で狩猟者登録をする必要があります。 参考記事>>害獣捕獲のための第一歩...

年間300頭の捕獲事例も!ファーレ旭式くくり罠の紹介
くくり罠は、獲物が通りそうな獣道に仕掛け、獲物が足で罠を踏み込んだ際に仕掛けが作動し、文字通り足を「くくる」ことによって捕獲する罠です。 利点としては、箱罠などに比べて、小型・軽量のため設置と撤去が簡単で安価であることが挙げられます。 宮崎県にイノシシ・シカ合わせて年間300頭をくくり罠で捕えたことがあるという達人がおり、その達人が使う罠はどのようなものか聞いたところ、ファーレ旭式を使っているとのことでした。 百聞は一見に如かず、まずは動画にてその性能をご確認ください。イノシシ・シカ両方に対応します。※YOUTUBEの字幕設定を日本語にすれば、脚注がご覧いただけます。 ファーレ旭式くくり罠の特徴 くくり罠は自作される方も多いですが、ファーレ旭式のくくり罠の製作は専用の機械が必要で、誰でも簡単には作ることができない構造になっています。 また、独自の製造ノウハウにより、他のくくり罠よりもコストパフォーマンスに優れています(10%税込みで¥6,110。購入はこちらのページから>>)。 商品の構成 ファーレ旭式のくくり罠は、「A.踏み板セット」と「B.スプリングセット」の2つで構成されます。 A.踏み板(落とし板)セット カットした塩ビ管と、木製の踏み板にガイドレール(くくりワイヤーの輪を巻くための金属の輪)が付属したものがセットになっています。獲物が踏み板を踏み落とすと、ワイヤロープがスプリングの力で締まる構造です。 ファーレ旭式踏み板の特徴 その1:荷重の調整が可能 地面の中に設置する塩ビ管には爪楊枝が6本まで刺せるようになっています。この爪楊枝の上に踏み板を乗せるのですが、刺す爪楊枝の本数に応じて踏み込み荷重の調整ができます。 爪楊枝の本数が少なければ、踏込荷重が軽くても踏み板が落ちて罠が作動します。逆に、本数が多ければ、踏込荷重が重めでないと踏み抜けなくなります。大体、4本で70kgほどの体重の獣に対応します。 過信はできませんが、本数の調節によって、猟犬が誤って踏み板に乗っても落ちないような細工もできます。 ファーレ旭式踏み板の特徴 その2:豊富なサイズ展開 罠の大きさは、 S:短径12cm×長径18cm M:短径16cm×長径20cm L:短径18cm×長径22cm の3サイズ展開。ニーズや規制状況に合わせてお選びいただけます。 径が大きいほうが踏み抜く確率は増えますが、径が小さいほうがピンポイントで狙えるため使いやすいという声もあります。 ※罠の直径(短径)が12cmを超えるくくり罠は基本的に使用が禁止されていますが、知事判断で緩和されます。都道府県によってルールが異なるので、詳しくは各自治体にお問合せください。 ファーレ旭式踏み板の特徴 その3:設置が簡単 上の動画の収録時間はノーカットで一分弱。わずかな時間で設置完了です。実際には、これに加えて穴を掘ったりする時間がかかりますが、初心者でも簡単に設置することができます。罠の設置に時間がかからないということは、人の痕跡が残りにくくなるということなので、当然捕獲率もアップします。 ファーレ旭式踏み板の特徴 その4:安全装置付き...
年間300頭の捕獲事例も!ファーレ旭式くくり罠の紹介
くくり罠は、獲物が通りそうな獣道に仕掛け、獲物が足で罠を踏み込んだ際に仕掛けが作動し、文字通り足を「くくる」ことによって捕獲する罠です。 利点としては、箱罠などに比べて、小型・軽量のため設置と撤去が簡単で安価であることが挙げられます。 宮崎県にイノシシ・シカ合わせて年間300頭をくくり罠で捕えたことがあるという達人がおり、その達人が使う罠はどのようなものか聞いたところ、ファーレ旭式を使っているとのことでした。 百聞は一見に如かず、まずは動画にてその性能をご確認ください。イノシシ・シカ両方に対応します。※YOUTUBEの字幕設定を日本語にすれば、脚注がご覧いただけます。 ファーレ旭式くくり罠の特徴 くくり罠は自作される方も多いですが、ファーレ旭式のくくり罠の製作は専用の機械が必要で、誰でも簡単には作ることができない構造になっています。 また、独自の製造ノウハウにより、他のくくり罠よりもコストパフォーマンスに優れています(10%税込みで¥6,110。購入はこちらのページから>>)。 商品の構成 ファーレ旭式のくくり罠は、「A.踏み板セット」と「B.スプリングセット」の2つで構成されます。 A.踏み板(落とし板)セット カットした塩ビ管と、木製の踏み板にガイドレール(くくりワイヤーの輪を巻くための金属の輪)が付属したものがセットになっています。獲物が踏み板を踏み落とすと、ワイヤロープがスプリングの力で締まる構造です。 ファーレ旭式踏み板の特徴 その1:荷重の調整が可能 地面の中に設置する塩ビ管には爪楊枝が6本まで刺せるようになっています。この爪楊枝の上に踏み板を乗せるのですが、刺す爪楊枝の本数に応じて踏み込み荷重の調整ができます。 爪楊枝の本数が少なければ、踏込荷重が軽くても踏み板が落ちて罠が作動します。逆に、本数が多ければ、踏込荷重が重めでないと踏み抜けなくなります。大体、4本で70kgほどの体重の獣に対応します。 過信はできませんが、本数の調節によって、猟犬が誤って踏み板に乗っても落ちないような細工もできます。 ファーレ旭式踏み板の特徴 その2:豊富なサイズ展開 罠の大きさは、 S:短径12cm×長径18cm M:短径16cm×長径20cm L:短径18cm×長径22cm の3サイズ展開。ニーズや規制状況に合わせてお選びいただけます。 径が大きいほうが踏み抜く確率は増えますが、径が小さいほうがピンポイントで狙えるため使いやすいという声もあります。 ※罠の直径(短径)が12cmを超えるくくり罠は基本的に使用が禁止されていますが、知事判断で緩和されます。都道府県によってルールが異なるので、詳しくは各自治体にお問合せください。 ファーレ旭式踏み板の特徴 その3:設置が簡単 上の動画の収録時間はノーカットで一分弱。わずかな時間で設置完了です。実際には、これに加えて穴を掘ったりする時間がかかりますが、初心者でも簡単に設置することができます。罠の設置に時間がかからないということは、人の痕跡が残りにくくなるということなので、当然捕獲率もアップします。 ファーレ旭式踏み板の特徴 その4:安全装置付き...