鳥獣被害対策マガジン
捕獲獣(イノシシ・シカ等)の止めさしについて
目次 1止めさしの前に 2止めさしの種類 1銃器を使用する方法 2ナイフや槍といった刃物を使用する方法 3電流で感電させる方法 4炭酸ガスなどを用いた化学的な処理 3まとめ ※注意:この記事は、狩猟や鳥獣被害に理解のある方のみ閲覧ください。いわゆる動物愛護観点からのコメントには応じかねます。 近年、鳥獣被害対策として箱罠やくくり罠、囲い罠等を用いて、イノシシやシカ等を捕獲する取り組みが広がってきています。 それに伴い、捕獲するまでのノウハウや、食肉活用についての事例紹介は多く目にするようになりましたが、実際に獣が罠にかかった場合、どのような処理が必要となるかについては、あまり議論が多くないように感じます。 野生獣は想像以上に身体能力が高く(特にイノシシ)、捕獲した獣は生死がかかっているので、予想外の動きを取ることもあります。例えば、くくり罠において足をくくっているワイヤーが獣が動いた拍子に外れ、逆襲されたことによる死亡事故も発生しています。 この記事では、捕獲した獣にできる限り苦痛を与えず、安全かつ速やかに「止めさし」を行う技術について、説明いたします。 止めさしの前に まずは、獣が罠にかかっている現場の状況をしっかりと確認することが重要です。イノシシの捕獲では、わなの見回りや捕獲個体の止めさしの際に、最も事故が発生する確率が高くなります。 いきなり近づいて確認せずに、まずは遠くから双眼鏡などを用いてチェックするのがベストです。遠くからゆっくりと近づき、傾斜のある場合は高いほうから徐々に近づくことが基本です。 くくり罠の場合は、以下がチェックポイントになります。 ▶ワイヤーが獣のどの部位を括っているか ▶括った箇所が抜けかかっていたり、切れかけたりしていないか ▶括った部分の体の部位が、ちぎれかけていないか ▶支点にしている部分からワイヤーが抜けたりしないか ▶獣の可動範囲はどの程度か 箱罠の場合は、以下がチェックポイントになります。 ▶箱罠に破損はないか ▶獣が逃げ出す恐れはないか(扉やストッパーの確認) 離れた場所から、手をたたいたり、大きな声を出して、捕獲された獣の反応を観察するとともに、捕獲された個体の近くに他の個体が潜んでいないかも確認しましょう。 止めさしの種類 止め刺しの種類としては、大きく分けて4つあります。 >1....
捕獲獣(イノシシ・シカ等)の止めさしについて
目次 1止めさしの前に 2止めさしの種類 1銃器を使用する方法 2ナイフや槍といった刃物を使用する方法 3電流で感電させる方法 4炭酸ガスなどを用いた化学的な処理 3まとめ ※注意:この記事は、狩猟や鳥獣被害に理解のある方のみ閲覧ください。いわゆる動物愛護観点からのコメントには応じかねます。 近年、鳥獣被害対策として箱罠やくくり罠、囲い罠等を用いて、イノシシやシカ等を捕獲する取り組みが広がってきています。 それに伴い、捕獲するまでのノウハウや、食肉活用についての事例紹介は多く目にするようになりましたが、実際に獣が罠にかかった場合、どのような処理が必要となるかについては、あまり議論が多くないように感じます。 野生獣は想像以上に身体能力が高く(特にイノシシ)、捕獲した獣は生死がかかっているので、予想外の動きを取ることもあります。例えば、くくり罠において足をくくっているワイヤーが獣が動いた拍子に外れ、逆襲されたことによる死亡事故も発生しています。 この記事では、捕獲した獣にできる限り苦痛を与えず、安全かつ速やかに「止めさし」を行う技術について、説明いたします。 止めさしの前に まずは、獣が罠にかかっている現場の状況をしっかりと確認することが重要です。イノシシの捕獲では、わなの見回りや捕獲個体の止めさしの際に、最も事故が発生する確率が高くなります。 いきなり近づいて確認せずに、まずは遠くから双眼鏡などを用いてチェックするのがベストです。遠くからゆっくりと近づき、傾斜のある場合は高いほうから徐々に近づくことが基本です。 くくり罠の場合は、以下がチェックポイントになります。 ▶ワイヤーが獣のどの部位を括っているか ▶括った箇所が抜けかかっていたり、切れかけたりしていないか ▶括った部分の体の部位が、ちぎれかけていないか ▶支点にしている部分からワイヤーが抜けたりしないか ▶獣の可動範囲はどの程度か 箱罠の場合は、以下がチェックポイントになります。 ▶箱罠に破損はないか ▶獣が逃げ出す恐れはないか(扉やストッパーの確認) 離れた場所から、手をたたいたり、大きな声を出して、捕獲された獣の反応を観察するとともに、捕獲された個体の近くに他の個体が潜んでいないかも確認しましょう。 止めさしの種類 止め刺しの種類としては、大きく分けて4つあります。 >1....
イノシシ対策を徹底解説!様々な方法を分かりやすく解説
目次 1対策1.防護柵 1有刺鉄線 2ワイヤーメッシュ 3防獣ネット・魚網 4トタン板 5金網・フェンス 6電気柵 2防護柵の効果を上げるには 1異なる柵を組み合わせて防護する 2定期的に点検・補修・改善を行う 3周囲をすき間なく囲い、藪があれば刈る 3対策2.忌避剤 1トウガラシ・ハーブ 2オオカミ尿(ウルフピー) 4忌避剤の効果を上げるには 1イノシシの鼻の高さに設置する 2物理的な対策とセットで利用する 5対策3.罠による駆除 1箱罠 2くくり罠 6罠による防除の効果を上げるには 1箱罠の場合 2くくり罠の場合 7対策4.その他の対策 1音による対策 2周辺環境の整備 イノシシによる農業被害は、経済的・精神的にも打撃を与える深刻な問題です。それだけに、被害を軽減させるための対策が重要となってきます。 今回は、イノシシ被害に立ち向かうための対策について、具体的な方法をご紹介します。 対策1.防護柵...
イノシシ対策を徹底解説!様々な方法を分かりやすく解説
目次 1対策1.防護柵 1有刺鉄線 2ワイヤーメッシュ 3防獣ネット・魚網 4トタン板 5金網・フェンス 6電気柵 2防護柵の効果を上げるには 1異なる柵を組み合わせて防護する 2定期的に点検・補修・改善を行う 3周囲をすき間なく囲い、藪があれば刈る 3対策2.忌避剤 1トウガラシ・ハーブ 2オオカミ尿(ウルフピー) 4忌避剤の効果を上げるには 1イノシシの鼻の高さに設置する 2物理的な対策とセットで利用する 5対策3.罠による駆除 1箱罠 2くくり罠 6罠による防除の効果を上げるには 1箱罠の場合 2くくり罠の場合 7対策4.その他の対策 1音による対策 2周辺環境の整備 イノシシによる農業被害は、経済的・精神的にも打撃を与える深刻な問題です。それだけに、被害を軽減させるための対策が重要となってきます。 今回は、イノシシ被害に立ち向かうための対策について、具体的な方法をご紹介します。 対策1.防護柵...
【手順で解説】くくり罠によるイノシシ捕獲から生け捕りまで
イノシシやシカをはじめとした野生獣の捕獲方法の1つである「くくり罠」。獣が罠を踏むと、ワイヤーが締まって脚を捕獲する方法です。 中でもイノシシは身体能力が高いため、罠の設置や捕獲後の対応の際に、押さえておきたいポイントがあります。捕獲率を高めるだけでなく、より安全にイノシシを仕留めるためのポイントを順を追ってご紹介します。 イノシシ用のくくり罠を設置する くくり罠の設置は、イノシシとの知恵比べといえます。 イノシシは環境の変化に敏感で、新しく掘り起こされた土や人間の痕跡があると、警戒してそこを避ける行動をとります。罠を設置した痕跡を残さないよう、慎重かつ狡猾に罠を設置することが大切です。 まず、罠を設置する場所を決めましょう。イノシシが行動しているであろうエリアを丁寧に観察し、イノシシのフンや足跡、獣道を探します。足跡や獣道をみつけたら、より具体的に罠を設置する場所を絞り込みましょう。 イノシシは足元が不安定な場所を避けるため、枝や石はよけて通る習性があります。獣道の途中に木の根っこなどがあれば、そこを跨いで足を降ろす可能性が高くなります。 また、段差がある場所なら、イノシシも踏ん張りやすい安定した部分に足を置こうとするでしょう。こうした場所はくくり罠を仕掛けるには絶好のポイントです。 このように、痕跡を追うだけでなく、さらに一歩踏み込んで、そこから読み取れるイノシシの行動まで予測することで罠の捕獲率を高めていきます。 こちらの記事もどうぞ 【徹底解説】くくり罠の特徴や成果の上げ方とは? 匂い対策やカモフラージュは念入りに くくり罠を設置する際は、匂い対策にも注意をはらいましょう。罠を設置するために掘り返した土は、表面の乾いた土と匂いに違いあります。イノシシの嗅覚は鋭敏で、わずかな匂いの変化にも気づきます。 掘り起こした土で余りが出たら、罠から少し離れた場所に置くようにしましょう。 これ以外にも、新品の罠は人工物の匂いがするため、一度雨にさらして匂いを落としておくテクニックもあります。 同じく作業に使う軍手などもビニール製やゴム製は匂いが残るため避ける人もいます。徹底して人の匂いの痕跡を残さないため、猟に使う作業着は洗わず1シーズン使うといった罠師もいるほどです。人間に慣れていないイノシシの場合は特に匂いに対する警戒心が高いことから、罠の性能を損なわない範囲で可能な限り対策をしておくとよいでしょう。 また、くくり罠を設置したら表面に土や枯れ葉などを使ってカモフラージュを行います。周囲の環境と同じようにすることで、イノシシに見破られないよう工夫することが大切です。ハケなどを持参しておくと、より自然で細かなカモフラージュができます。 罠の手前や両サイドに枯れ枝を置いて、イノシシが足を置く位置を限定し捕獲率を高める方法も効果的です。 一方で、昼間に人里に現れるような人間に慣れているイノシシの場合、人間の痕跡を避けないケースもあります。わざと足跡を手で消してみて、そのあと同じ場所に足跡があれば、イノシシがその場所を踏む可能性が非常に高くなります。 イノシシがくくり罠にかかっていたら 見回りの際、くくり罠にイノシシがかかっていたら、その後の対処が必要になります。罠にかかったイノシシは、なんとか逃れようと必死に暴れ、興奮していてとても危険です。 まずは遠巻きに状況を確認し、斜面の場合はイノシシよりも高い方向から近づきます。近付く際はゆっくりと、警戒心を緩めずに進みましょう。捕らえたイノシシの可動域の外から、くくり罠がが足にしっかり固定されているか確認します。 罠のかかりが甘い場合や、イノシシが激しく暴れまわると罠が外れる可能性があります。状況をしっかり把握して、作業の安全を確保しましょう。 こちらの記事もどうぞ 捕獲獣(イノシシ・シカ等)の止めさしについて 生け捕りにするのでなければ、くくり罠にかかったイノシシはその場で止め刺しします。 その場合、鈍器等による殴打や電気ショック、ナイフを使います。必要に応じて銃で止め刺しする場合もあります。接近戦が危険と判断した場合は、応援を呼んだり銃による対処ができるよう事前に段取りしておきましょう。 こちらの記事もどうぞ 万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力 保定具(鼻くくりなど)を使う場合...
【手順で解説】くくり罠によるイノシシ捕獲から生け捕りまで
イノシシやシカをはじめとした野生獣の捕獲方法の1つである「くくり罠」。獣が罠を踏むと、ワイヤーが締まって脚を捕獲する方法です。 中でもイノシシは身体能力が高いため、罠の設置や捕獲後の対応の際に、押さえておきたいポイントがあります。捕獲率を高めるだけでなく、より安全にイノシシを仕留めるためのポイントを順を追ってご紹介します。 イノシシ用のくくり罠を設置する くくり罠の設置は、イノシシとの知恵比べといえます。 イノシシは環境の変化に敏感で、新しく掘り起こされた土や人間の痕跡があると、警戒してそこを避ける行動をとります。罠を設置した痕跡を残さないよう、慎重かつ狡猾に罠を設置することが大切です。 まず、罠を設置する場所を決めましょう。イノシシが行動しているであろうエリアを丁寧に観察し、イノシシのフンや足跡、獣道を探します。足跡や獣道をみつけたら、より具体的に罠を設置する場所を絞り込みましょう。 イノシシは足元が不安定な場所を避けるため、枝や石はよけて通る習性があります。獣道の途中に木の根っこなどがあれば、そこを跨いで足を降ろす可能性が高くなります。 また、段差がある場所なら、イノシシも踏ん張りやすい安定した部分に足を置こうとするでしょう。こうした場所はくくり罠を仕掛けるには絶好のポイントです。 このように、痕跡を追うだけでなく、さらに一歩踏み込んで、そこから読み取れるイノシシの行動まで予測することで罠の捕獲率を高めていきます。 こちらの記事もどうぞ 【徹底解説】くくり罠の特徴や成果の上げ方とは? 匂い対策やカモフラージュは念入りに くくり罠を設置する際は、匂い対策にも注意をはらいましょう。罠を設置するために掘り返した土は、表面の乾いた土と匂いに違いあります。イノシシの嗅覚は鋭敏で、わずかな匂いの変化にも気づきます。 掘り起こした土で余りが出たら、罠から少し離れた場所に置くようにしましょう。 これ以外にも、新品の罠は人工物の匂いがするため、一度雨にさらして匂いを落としておくテクニックもあります。 同じく作業に使う軍手などもビニール製やゴム製は匂いが残るため避ける人もいます。徹底して人の匂いの痕跡を残さないため、猟に使う作業着は洗わず1シーズン使うといった罠師もいるほどです。人間に慣れていないイノシシの場合は特に匂いに対する警戒心が高いことから、罠の性能を損なわない範囲で可能な限り対策をしておくとよいでしょう。 また、くくり罠を設置したら表面に土や枯れ葉などを使ってカモフラージュを行います。周囲の環境と同じようにすることで、イノシシに見破られないよう工夫することが大切です。ハケなどを持参しておくと、より自然で細かなカモフラージュができます。 罠の手前や両サイドに枯れ枝を置いて、イノシシが足を置く位置を限定し捕獲率を高める方法も効果的です。 一方で、昼間に人里に現れるような人間に慣れているイノシシの場合、人間の痕跡を避けないケースもあります。わざと足跡を手で消してみて、そのあと同じ場所に足跡があれば、イノシシがその場所を踏む可能性が非常に高くなります。 イノシシがくくり罠にかかっていたら 見回りの際、くくり罠にイノシシがかかっていたら、その後の対処が必要になります。罠にかかったイノシシは、なんとか逃れようと必死に暴れ、興奮していてとても危険です。 まずは遠巻きに状況を確認し、斜面の場合はイノシシよりも高い方向から近づきます。近付く際はゆっくりと、警戒心を緩めずに進みましょう。捕らえたイノシシの可動域の外から、くくり罠がが足にしっかり固定されているか確認します。 罠のかかりが甘い場合や、イノシシが激しく暴れまわると罠が外れる可能性があります。状況をしっかり把握して、作業の安全を確保しましょう。 こちらの記事もどうぞ 捕獲獣(イノシシ・シカ等)の止めさしについて 生け捕りにするのでなければ、くくり罠にかかったイノシシはその場で止め刺しします。 その場合、鈍器等による殴打や電気ショック、ナイフを使います。必要に応じて銃で止め刺しする場合もあります。接近戦が危険と判断した場合は、応援を呼んだり銃による対処ができるよう事前に段取りしておきましょう。 こちらの記事もどうぞ 万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力 保定具(鼻くくりなど)を使う場合...
イノシシの生態・行動を詳しく解説
目次 1イノシシの生態 1日本に生息するイノシシの種類と生息域 2食べ物 3身体能力 4生育や寿命 2イノシシの性格や行動 1性格 2行動 3生態や行動を考慮した被害対策 日本人とイノシシの関係は、稲作よりも古いものであり、農耕が広がるにつれてイノシシ被害も増えていきました。猪垣などにもみられるように、日本人は古くからイノシシ被害に悩まされてきましたが、近年では農業が継続できない程深刻な事態に至るケースも見受けられます。 特に、山間地・山麓地ではイノシシによる農作物被害が深刻で、大きな問題となっています。 では対策としてイノシシを根絶するべきでしょうか?答えは「No」です。生態系への影響など様々な観点から選択すべき対策ではありません。 しかし、消極的な防除だけでは被害を減らすことは困難です。イノシシによる農林被害を効果的に防ぐためには、イノシシの生態や行動を詳しく理解し、共存・共生するための総合的な対策を練る必要があります。 この記事では、イノシシの生態や行動に対する誤解によって、意味のない対策を実施することのないよう、イノシシの生態・行動を詳しく解説します。 イノシシの生態 日本に生息するイノシシの種類と生息域 日本に生息するイノシシは、本州・四国・九州に広く分布するニホンイノシシと、奄美大島から南のエリアや沖縄に分布するリュウキュウイノシシの2つの亜種に分類されます。他に、豚とイノシシの交配によって生まれたイノブタという雑種は日本中に広く生息しています。 常緑広葉樹林、落葉広葉樹林、水田放棄地や竹林などに生息し、これらに隣接する水田や農耕地に出没して、作物を荒らすケースが多いです。また、市街地に現れる場合もあります。 食物や水のある場所、茂みなど隠れるところのある場所や、人間活動の少ない場所が好みです。 その分布は年々広がってきており、1978年から2014年までの36年間でイノシシの生息域は約1.7倍に拡大しています。 上図:イノシシの分布とその拡大予測(環境省ホームページから抜粋) イノシシは冬眠をしないことから、寒い地域の分布は少ないですが、温暖化に伴い、年々分布の北限が広がっている傾向です。 食べ物 イノシシは雑食性で基本的には何でも食べますが、多くは植物質のものを食べます。ブナの果実であるドングリや栗の実、キノコ、柔らかい植物の新芽や根などを好んで食べます。 また、地中の芋やタケノコ、ワラビなども掘って食べます。また、サツマイモを掘り集め、カヤをかぶせて貯蔵したりすることもあります。農作物の被害として多いのは、稲やサツマイモ、豆類、サトウキビなどです。一晩で稲が全滅された事例も報告されています。 ほかにヘビやカエル、昆虫類、サワガニ、ミミズなども食べます。畑や芝生に発生したミミズをイノシシが食べることによって土地が荒らされる事例もあります。市街地に出没するイノシシは生ゴミも食べます。 これまで数年被害を受けていなかった作物や植物も、突如として食べだす場合もあり、油断は禁物です。 身体能力...
イノシシの生態・行動を詳しく解説
目次 1イノシシの生態 1日本に生息するイノシシの種類と生息域 2食べ物 3身体能力 4生育や寿命 2イノシシの性格や行動 1性格 2行動 3生態や行動を考慮した被害対策 日本人とイノシシの関係は、稲作よりも古いものであり、農耕が広がるにつれてイノシシ被害も増えていきました。猪垣などにもみられるように、日本人は古くからイノシシ被害に悩まされてきましたが、近年では農業が継続できない程深刻な事態に至るケースも見受けられます。 特に、山間地・山麓地ではイノシシによる農作物被害が深刻で、大きな問題となっています。 では対策としてイノシシを根絶するべきでしょうか?答えは「No」です。生態系への影響など様々な観点から選択すべき対策ではありません。 しかし、消極的な防除だけでは被害を減らすことは困難です。イノシシによる農林被害を効果的に防ぐためには、イノシシの生態や行動を詳しく理解し、共存・共生するための総合的な対策を練る必要があります。 この記事では、イノシシの生態や行動に対する誤解によって、意味のない対策を実施することのないよう、イノシシの生態・行動を詳しく解説します。 イノシシの生態 日本に生息するイノシシの種類と生息域 日本に生息するイノシシは、本州・四国・九州に広く分布するニホンイノシシと、奄美大島から南のエリアや沖縄に分布するリュウキュウイノシシの2つの亜種に分類されます。他に、豚とイノシシの交配によって生まれたイノブタという雑種は日本中に広く生息しています。 常緑広葉樹林、落葉広葉樹林、水田放棄地や竹林などに生息し、これらに隣接する水田や農耕地に出没して、作物を荒らすケースが多いです。また、市街地に現れる場合もあります。 食物や水のある場所、茂みなど隠れるところのある場所や、人間活動の少ない場所が好みです。 その分布は年々広がってきており、1978年から2014年までの36年間でイノシシの生息域は約1.7倍に拡大しています。 上図:イノシシの分布とその拡大予測(環境省ホームページから抜粋) イノシシは冬眠をしないことから、寒い地域の分布は少ないですが、温暖化に伴い、年々分布の北限が広がっている傾向です。 食べ物 イノシシは雑食性で基本的には何でも食べますが、多くは植物質のものを食べます。ブナの果実であるドングリや栗の実、キノコ、柔らかい植物の新芽や根などを好んで食べます。 また、地中の芋やタケノコ、ワラビなども掘って食べます。また、サツマイモを掘り集め、カヤをかぶせて貯蔵したりすることもあります。農作物の被害として多いのは、稲やサツマイモ、豆類、サトウキビなどです。一晩で稲が全滅された事例も報告されています。 ほかにヘビやカエル、昆虫類、サワガニ、ミミズなども食べます。畑や芝生に発生したミミズをイノシシが食べることによって土地が荒らされる事例もあります。市街地に出没するイノシシは生ゴミも食べます。 これまで数年被害を受けていなかった作物や植物も、突如として食べだす場合もあり、油断は禁物です。 身体能力...
箱罠のメンテナンスに!パネルを一枚単位から交換可能!
当店が販売するイノシシ・シカ捕獲用の箱罠の最大の特徴は、異形鉄筋を利用した抜群の強度です。 市場に多く出回っているワイヤーメッシュ製の箱罠は、材料が安いため安価で入手できますが、異形鉄筋に比べると耐久面で劣ります。 ワイヤーメッシュとは、公園のフェンス等にも使われる格子状の網で、直径3~6ミリ程の丸鋼を溶接して作られています。一方、当社の箱罠は建築現場のコンクリート基礎等にも使われる直径9ミリ程の異形鉄筋です。 箱罠の場合、網の部分のせん断強さが重要になりますが、せん断強さは構成する鋼材の径に比例します。そのため、例えば6mm径を9mm径と比べると、9mm径のほうが1.5倍ほど強いということになります。 イノシシは身体能力が高く、その気になれば細いワイヤーメッシュは簡単に破壊するほどです。 箱罠に捕らえられたイノシシは生死がかかっているため必死に暴れますし、体重が重たいほど力が強くなり、当然破壊力も増してきます。 その点を考慮して、ワイヤーメッシュで製造している箱罠においては要所を鉄筋によって補強していたり、衝撃を緩和するための工夫を入れていることが多いですが、中には扉以外をほぼワイヤーメッシュのみで作って安価を前面に出して販売している箱罠もあり、注意が必要です。 当店のイノシシ・シカ用箱罠は、格子網を全箇所溶接することで、より頑丈さを高めています。また、捕らえた獲物が箱罠の内部から扉部分を持ち上げるのを防止するための機構もつけており、強度はもちろん、捕獲率を高めるための工夫も施しています。 イノホイの箱罠はパネル一枚単位から購入が可能 100kgを超えるような大型のイノシシとなると、獲物が暴れたり突進した衝撃で、丈夫な箱罠でも変形や破損してしまう恐れがあります。こうした予期せぬ事態に対応するために、イノホイでは交換用のパネルを販売しています。 箱罠を構成するパネルを、一枚単位から購入することが可能。従来までは箱罠が部分的に破損した場合でも、一式まるごと購入する必要がありましたが、交換用パネルを利用すれば、一枚単位での購入で済むため、メンテナンスコストを抑えることができます。 撤去や組立の労力も軽減できるため、継続的な捕獲活動を実施できます。ご検討の方は、こちらのページから詳細をご確認ください。 適合する箱罠は3タイプ 交換用のパネルは、イノホイで取り扱う「ファーレ旭式 箱罠」シリーズの3タイプでご使用いただけます。 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【片扉】 大型の獲物でも捕獲できるよう、幅1.0m×高さ1.0m×奥行2.0mの大きさを採用。片扉タイプは仕掛けの蹴り糸が1本で済むため、設置の手間が少なく済みます。また、罠の奥側が完全に閉まり逃げ道が限定されるため、取り逃がしのリスクを軽減できます。両扉に比べて価格面で安価な点もメリットです。 商品ページはこちらから>> ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【両扉】 両扉タイプの箱罠のメリットは、獲物の目線から見て、前方に遮る障害物がないということ。野生鳥獣は警戒心が強く、前方が塞がれていると内部まで侵入しないケースも見られます。その点両扉は視界前方の扉も開いているため、警戒心の強いターゲットを誘引しやすくなります。 商品ページはこちらから>> ファーレ旭式 箱罠ミディアムサイズ【片扉】奥深タイプ ビッグサイズより一回り小さい幅0.8m×高さ0.8m×奥行1.8mの大きさを採用。重量も30kg軽くなり、同シリーズの頑丈さをそのままに、運搬や設置の労力を軽減することができます。 商品ページはこちらから>>
箱罠のメンテナンスに!パネルを一枚単位から交換可能!
当店が販売するイノシシ・シカ捕獲用の箱罠の最大の特徴は、異形鉄筋を利用した抜群の強度です。 市場に多く出回っているワイヤーメッシュ製の箱罠は、材料が安いため安価で入手できますが、異形鉄筋に比べると耐久面で劣ります。 ワイヤーメッシュとは、公園のフェンス等にも使われる格子状の網で、直径3~6ミリ程の丸鋼を溶接して作られています。一方、当社の箱罠は建築現場のコンクリート基礎等にも使われる直径9ミリ程の異形鉄筋です。 箱罠の場合、網の部分のせん断強さが重要になりますが、せん断強さは構成する鋼材の径に比例します。そのため、例えば6mm径を9mm径と比べると、9mm径のほうが1.5倍ほど強いということになります。 イノシシは身体能力が高く、その気になれば細いワイヤーメッシュは簡単に破壊するほどです。 箱罠に捕らえられたイノシシは生死がかかっているため必死に暴れますし、体重が重たいほど力が強くなり、当然破壊力も増してきます。 その点を考慮して、ワイヤーメッシュで製造している箱罠においては要所を鉄筋によって補強していたり、衝撃を緩和するための工夫を入れていることが多いですが、中には扉以外をほぼワイヤーメッシュのみで作って安価を前面に出して販売している箱罠もあり、注意が必要です。 当店のイノシシ・シカ用箱罠は、格子網を全箇所溶接することで、より頑丈さを高めています。また、捕らえた獲物が箱罠の内部から扉部分を持ち上げるのを防止するための機構もつけており、強度はもちろん、捕獲率を高めるための工夫も施しています。 イノホイの箱罠はパネル一枚単位から購入が可能 100kgを超えるような大型のイノシシとなると、獲物が暴れたり突進した衝撃で、丈夫な箱罠でも変形や破損してしまう恐れがあります。こうした予期せぬ事態に対応するために、イノホイでは交換用のパネルを販売しています。 箱罠を構成するパネルを、一枚単位から購入することが可能。従来までは箱罠が部分的に破損した場合でも、一式まるごと購入する必要がありましたが、交換用パネルを利用すれば、一枚単位での購入で済むため、メンテナンスコストを抑えることができます。 撤去や組立の労力も軽減できるため、継続的な捕獲活動を実施できます。ご検討の方は、こちらのページから詳細をご確認ください。 適合する箱罠は3タイプ 交換用のパネルは、イノホイで取り扱う「ファーレ旭式 箱罠」シリーズの3タイプでご使用いただけます。 ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【片扉】 大型の獲物でも捕獲できるよう、幅1.0m×高さ1.0m×奥行2.0mの大きさを採用。片扉タイプは仕掛けの蹴り糸が1本で済むため、設置の手間が少なく済みます。また、罠の奥側が完全に閉まり逃げ道が限定されるため、取り逃がしのリスクを軽減できます。両扉に比べて価格面で安価な点もメリットです。 商品ページはこちらから>> ファーレ旭式 箱罠ビッグサイズ【両扉】 両扉タイプの箱罠のメリットは、獲物の目線から見て、前方に遮る障害物がないということ。野生鳥獣は警戒心が強く、前方が塞がれていると内部まで侵入しないケースも見られます。その点両扉は視界前方の扉も開いているため、警戒心の強いターゲットを誘引しやすくなります。 商品ページはこちらから>> ファーレ旭式 箱罠ミディアムサイズ【片扉】奥深タイプ ビッグサイズより一回り小さい幅0.8m×高さ0.8m×奥行1.8mの大きさを採用。重量も30kg軽くなり、同シリーズの頑丈さをそのままに、運搬や設置の労力を軽減することができます。 商品ページはこちらから>>
電気柵に必要な部品って?
田畑に害獣を侵入させないために使われる電気柵ですが、今まで取り扱ったことがない人にとっては、どんな部品が必要なのか分かりにくいかと思います。今回は、電気柵を導入するにあたって必要な部品について説明します。 ★おすすめ電気柵 イノホイおすすめの電気柵はこちら。 電気柵の設置に必要な部品 電気柵の一般的な構造や仕組みは、以下の図の通りとなります。田畑の周りに支柱を立てて、柵線(電線)を張っておき、本体(図中赤色の器具。本機とも呼びます)に柵線が接続された状態になっています。 本体(本機) 電気柵に流れる電気ショックの電源となる装置です。各社から様々な商品が販売されています。選ぶポイントとなるのは、「有効距離」です。これは、どの程度の柵線の長さまで対応できるかという本体能力の目安となります。 実際に張る柵線の距離が、有効距離の範囲ギリギリだと、十分な電気ショックを与えられない可能性が出てきます。理由は、わずかな漏電でも電気柵全体に影響を与えやすくなってしまうからです。※電気柵において漏電はしょっちゅう起こる現象です。例えば、草木が柵線に触れている場合は、漏電が生じてしまって電圧は大きく低下します。 柵線の距離は、電気柵を設置する敷地の広さに応じて変わってきます。式であらわすと、周囲長さ×段数が柵線の距離という計算になります。 例として、周囲1000mの畑で電気柵を設置する例で考えてみましょう。 まず、イノシシ対策を例に考えます。イノシシ対策における柵線張り方として一般的なのは、2段張りです。そのため柵線の総距離は1000m×2段=2000mということになります。 次に、シカ対策を例として考えてみます。シカ対策の場合、下段はシカがくぐり抜けないように、また上段はシカが飛び越えられないような高さに設置する必要があります。そのため、30cm程度の間隔で4段張りにしたりします。この場合の柵線の総距離は1000m×4段=4000mということになります。 仮に本体の規格として有効距離が3000mとされている場合は、上記イノシシ対策の張り方であれば対応できますが、上記シカ対策だと 有効距離が実際の柵線の距離よりも短くなってしまいます。 こういった場合は、よりハイパワーな本体を選ぶか、囲うエリアを複数に分けて、本体をそれぞれ設置すると良いでしょう。 本体への電源供給について 電気柵の本体を稼働させるには、電源が必要になります。乾電池やバッテリーで稼働するタイプ、家庭用電源とACアダプタで接続するタイプ、ソーラーパネルで発電した電気をバッテリーに蓄えて稼働するタイプなど、様々なものがあります。 こちらの記事もどうぞ。 電気柵の効果と電源の種類、ソーラー電源のメリットを解説 ほとんどの場合、本体の仕様としてどれだけの時間稼働させられるか、目安が記載されています。例えば、こちらの機種の場合、乾電池駆動にて約30日(1日12時間稼働設定)となります。※使用状況により変動します。 一般的に、有効距離が長いほど出力が高く電力消費が大きくなりますので、稼働時間は短くなります。もちろん、一日何時間稼働させるかによっても、稼働時間は変わってきます。 電池消耗が高ければ、その分電池交換の回数が増えたり、電池消耗によって電圧がかからない時間が生じるリスクがでてきますので、事前にチェックしておくと良いでしょう。 本体を固定するための杭 ほとんどの機種の場合、漏電や転倒・水没などを避けるために、本体を地面から浮かせた状態で本体を設置することが推奨させれています。 そのためには、ホームセンター等で販売されている木杭等を別途で用意する必要があります。 ※支柱としても機能するアース棒が付属しているタイプもあります。 出力高圧線 本体と柵線は直接つなげるのではなく、あいだに出力高圧線を接続します。 アース 本体と地面でアースを取るためのアース線です。アース棒は製品によって形状が異なります。...
電気柵に必要な部品って?
田畑に害獣を侵入させないために使われる電気柵ですが、今まで取り扱ったことがない人にとっては、どんな部品が必要なのか分かりにくいかと思います。今回は、電気柵を導入するにあたって必要な部品について説明します。 ★おすすめ電気柵 イノホイおすすめの電気柵はこちら。 電気柵の設置に必要な部品 電気柵の一般的な構造や仕組みは、以下の図の通りとなります。田畑の周りに支柱を立てて、柵線(電線)を張っておき、本体(図中赤色の器具。本機とも呼びます)に柵線が接続された状態になっています。 本体(本機) 電気柵に流れる電気ショックの電源となる装置です。各社から様々な商品が販売されています。選ぶポイントとなるのは、「有効距離」です。これは、どの程度の柵線の長さまで対応できるかという本体能力の目安となります。 実際に張る柵線の距離が、有効距離の範囲ギリギリだと、十分な電気ショックを与えられない可能性が出てきます。理由は、わずかな漏電でも電気柵全体に影響を与えやすくなってしまうからです。※電気柵において漏電はしょっちゅう起こる現象です。例えば、草木が柵線に触れている場合は、漏電が生じてしまって電圧は大きく低下します。 柵線の距離は、電気柵を設置する敷地の広さに応じて変わってきます。式であらわすと、周囲長さ×段数が柵線の距離という計算になります。 例として、周囲1000mの畑で電気柵を設置する例で考えてみましょう。 まず、イノシシ対策を例に考えます。イノシシ対策における柵線張り方として一般的なのは、2段張りです。そのため柵線の総距離は1000m×2段=2000mということになります。 次に、シカ対策を例として考えてみます。シカ対策の場合、下段はシカがくぐり抜けないように、また上段はシカが飛び越えられないような高さに設置する必要があります。そのため、30cm程度の間隔で4段張りにしたりします。この場合の柵線の総距離は1000m×4段=4000mということになります。 仮に本体の規格として有効距離が3000mとされている場合は、上記イノシシ対策の張り方であれば対応できますが、上記シカ対策だと 有効距離が実際の柵線の距離よりも短くなってしまいます。 こういった場合は、よりハイパワーな本体を選ぶか、囲うエリアを複数に分けて、本体をそれぞれ設置すると良いでしょう。 本体への電源供給について 電気柵の本体を稼働させるには、電源が必要になります。乾電池やバッテリーで稼働するタイプ、家庭用電源とACアダプタで接続するタイプ、ソーラーパネルで発電した電気をバッテリーに蓄えて稼働するタイプなど、様々なものがあります。 こちらの記事もどうぞ。 電気柵の効果と電源の種類、ソーラー電源のメリットを解説 ほとんどの場合、本体の仕様としてどれだけの時間稼働させられるか、目安が記載されています。例えば、こちらの機種の場合、乾電池駆動にて約30日(1日12時間稼働設定)となります。※使用状況により変動します。 一般的に、有効距離が長いほど出力が高く電力消費が大きくなりますので、稼働時間は短くなります。もちろん、一日何時間稼働させるかによっても、稼働時間は変わってきます。 電池消耗が高ければ、その分電池交換の回数が増えたり、電池消耗によって電圧がかからない時間が生じるリスクがでてきますので、事前にチェックしておくと良いでしょう。 本体を固定するための杭 ほとんどの機種の場合、漏電や転倒・水没などを避けるために、本体を地面から浮かせた状態で本体を設置することが推奨させれています。 そのためには、ホームセンター等で販売されている木杭等を別途で用意する必要があります。 ※支柱としても機能するアース棒が付属しているタイプもあります。 出力高圧線 本体と柵線は直接つなげるのではなく、あいだに出力高圧線を接続します。 アース 本体と地面でアースを取るためのアース線です。アース棒は製品によって形状が異なります。...
電気柵の効果と電源の種類、ソーラー電源のメリットを解説
獣の田畑への侵入対策として電気柵は有効な手段の1つですが、電源の供給方法や特徴は商品によって異なります。 本記事では、電気柵の電源の種類やソーラータイプのメリットについてご紹介します。あわせて、電気柵を設置する際のポイントについても解説しています。 電気柵とは?3つの電源の種類 電気柵は、侵入を防止したい敷地の周りに電気を通した柵線を張っておき、獣の侵入を防ぐものです。獣が柵線に触れると、獣の体と電気柵のあいだに電気の経路が形成され、電気ショックが生じる仕組みになっています。電気ショックによって獣に恐怖心を植え付け、農作物に近付かせないようにすることが狙いです。 電気柵には電気を流すための電源が欠かせませんが、電源の種類は大きく3つ挙げられます。 1.乾電池 電源として多く使われているのが、乾電池です。 乾電池は誰でも手軽に入手することができ、導入が容易である点がメリットといえます。田畑の周辺には電源が確保されていることのほうが珍しいですが、乾電池タイプであれば場所を選びません。 デメリットとしては、残量をこまめにチェックして電池切れを起こさないようにする手間がかかることです。多くの機種では、電池の残量が少なくなると資格や音でアラートが出るようになっていますが、日々の作業に追われてついつい後回しにしてしまうことも。 24時間電気柵を稼働させる場合は電池交換の頻度も高くなるため、事前にメーカー公表の稼働時間をチェックしておき、コスト面を試算しておくとよいでしょう。 2.外部電源 2つ目は外部電源です。 自動車用のバッテリー等、電気柵本体の規格に適合する市販のバッテリーを接続したり、家庭用電源を接続するためのACアダプターを接続したりします。 電池の場合は設置場所を選びませんが、外部から電源を引っ張ってくるためには場所の制約が出てしまいます。田畑の周辺には電源が無いことが多いので、そもそも電源を確保できないということがあります。 購入前に、設置予定の場所に電源が届くか予め確認しておく必要があります。また、各メーカーが定める規格に適合しない電源を使うのは、重篤な事故が起こる可能性があるため避けましょう。 3.ソーラー 3つ目は、ソーラーパネルによって発電した電気をバッテリーに溜めて使うタイプです。仮にソーラーパネル無しのタイプをお使いの場合も、後付けできるものがほとんどです。 ソーラーパネルの出力(W=ワット)とバッテリー容量の兼ね合いによって稼働時間が変わってきます。それぞれのメーカーで推奨バッテリーが販売されているので、それを選んだほうが無難です。 コンパクトなタイプだと、5Wのソーラーパネルが一般的です。発電能力が低いため、夜間のみの電気柵を稼働させる場合に適しています。 一方で、昼夜連続の運転や、日照不足の季節、梅雨や降雪が多い時期に稼働させる場合は、電力不足に陥る心配があるため、5Wよりも大きいタイプを選ぶとよいでしょう。 12W程のソーラーパネルであれば比較的発電量が大きくなるので、昼夜連続の仕様でも問題ありません(※設置条件によっても異なります)。 メーカー推奨以外のバッテリーを使う場合は、ソーラーパネルの出力とバッテリーの容量の相性が悪い場合もあるので注意が必要です。 ソーラーパネルが選ばれる理由 電気柵の電源の中でもソーラーパネルが選ばれる理由はいくつか存在します。 まず、電池交換のコストが減る点は大きなメリットです。ソーラーパネル付きタイプのほうが本体価格が高いため、初期導入コストは電池タイプよりも大きくなってしまいますが、長い目でみるとソーラータイプのほうがお得になってきます。 また、電池交換忘れによって不通電となるリスクも減らすことができます。電気柵は動物に物理的なショックを与えるのではなく、心理的な恐怖を植え付け農作物に近付かせないことがポイントになると解説しました。しかし、電気柵に電気が流れていない状態で触れてしまうと、動物が慣れてしまい恐怖感を抱くなくなってしまいます。 電池交換が必要なタイプでは、電池切れにより電気が流れない空白の時間が発生してしまいますが、ソーラーパネルならその心配がありません。 また、ソーラーからの充電が十分でない場合も、電池やバッテリーと併用できるタイプなら自動で切り替えが行えるため、電気が流れない時間をゼロにすることができます。 イノホイで販売している電気柵はソーラー・乾電池・バッテリーの3種類にすべて対応しており、自動で電圧がもっとも高い電源に切り換えます。 ...
電気柵の効果と電源の種類、ソーラー電源のメリットを解説
獣の田畑への侵入対策として電気柵は有効な手段の1つですが、電源の供給方法や特徴は商品によって異なります。 本記事では、電気柵の電源の種類やソーラータイプのメリットについてご紹介します。あわせて、電気柵を設置する際のポイントについても解説しています。 電気柵とは?3つの電源の種類 電気柵は、侵入を防止したい敷地の周りに電気を通した柵線を張っておき、獣の侵入を防ぐものです。獣が柵線に触れると、獣の体と電気柵のあいだに電気の経路が形成され、電気ショックが生じる仕組みになっています。電気ショックによって獣に恐怖心を植え付け、農作物に近付かせないようにすることが狙いです。 電気柵には電気を流すための電源が欠かせませんが、電源の種類は大きく3つ挙げられます。 1.乾電池 電源として多く使われているのが、乾電池です。 乾電池は誰でも手軽に入手することができ、導入が容易である点がメリットといえます。田畑の周辺には電源が確保されていることのほうが珍しいですが、乾電池タイプであれば場所を選びません。 デメリットとしては、残量をこまめにチェックして電池切れを起こさないようにする手間がかかることです。多くの機種では、電池の残量が少なくなると資格や音でアラートが出るようになっていますが、日々の作業に追われてついつい後回しにしてしまうことも。 24時間電気柵を稼働させる場合は電池交換の頻度も高くなるため、事前にメーカー公表の稼働時間をチェックしておき、コスト面を試算しておくとよいでしょう。 2.外部電源 2つ目は外部電源です。 自動車用のバッテリー等、電気柵本体の規格に適合する市販のバッテリーを接続したり、家庭用電源を接続するためのACアダプターを接続したりします。 電池の場合は設置場所を選びませんが、外部から電源を引っ張ってくるためには場所の制約が出てしまいます。田畑の周辺には電源が無いことが多いので、そもそも電源を確保できないということがあります。 購入前に、設置予定の場所に電源が届くか予め確認しておく必要があります。また、各メーカーが定める規格に適合しない電源を使うのは、重篤な事故が起こる可能性があるため避けましょう。 3.ソーラー 3つ目は、ソーラーパネルによって発電した電気をバッテリーに溜めて使うタイプです。仮にソーラーパネル無しのタイプをお使いの場合も、後付けできるものがほとんどです。 ソーラーパネルの出力(W=ワット)とバッテリー容量の兼ね合いによって稼働時間が変わってきます。それぞれのメーカーで推奨バッテリーが販売されているので、それを選んだほうが無難です。 コンパクトなタイプだと、5Wのソーラーパネルが一般的です。発電能力が低いため、夜間のみの電気柵を稼働させる場合に適しています。 一方で、昼夜連続の運転や、日照不足の季節、梅雨や降雪が多い時期に稼働させる場合は、電力不足に陥る心配があるため、5Wよりも大きいタイプを選ぶとよいでしょう。 12W程のソーラーパネルであれば比較的発電量が大きくなるので、昼夜連続の仕様でも問題ありません(※設置条件によっても異なります)。 メーカー推奨以外のバッテリーを使う場合は、ソーラーパネルの出力とバッテリーの容量の相性が悪い場合もあるので注意が必要です。 ソーラーパネルが選ばれる理由 電気柵の電源の中でもソーラーパネルが選ばれる理由はいくつか存在します。 まず、電池交換のコストが減る点は大きなメリットです。ソーラーパネル付きタイプのほうが本体価格が高いため、初期導入コストは電池タイプよりも大きくなってしまいますが、長い目でみるとソーラータイプのほうがお得になってきます。 また、電池交換忘れによって不通電となるリスクも減らすことができます。電気柵は動物に物理的なショックを与えるのではなく、心理的な恐怖を植え付け農作物に近付かせないことがポイントになると解説しました。しかし、電気柵に電気が流れていない状態で触れてしまうと、動物が慣れてしまい恐怖感を抱くなくなってしまいます。 電池交換が必要なタイプでは、電池切れにより電気が流れない空白の時間が発生してしまいますが、ソーラーパネルならその心配がありません。 また、ソーラーからの充電が十分でない場合も、電池やバッテリーと併用できるタイプなら自動で切り替えが行えるため、電気が流れない時間をゼロにすることができます。 イノホイで販売している電気柵はソーラー・乾電池・バッテリーの3種類にすべて対応しており、自動で電圧がもっとも高い電源に切り換えます。 ...
箱罠で捕獲した後の止め刺しについて
目次 1箱罠捕獲後の止め刺し手順 1刃物を用いて直接止め刺す 2電殺器(電気止め刺し)を使用する 3銃による止め刺し 4窒息させる 箱罠を使って獲物を捕獲したあとは、獲物にとどめを刺す「止め刺し」を行います。 くくり罠で捕獲した場合、捕獲後もワイヤー長のぶんだけ獣は動けますが、箱罠の場合は獣の動きが檻の内部に制限されます。 また、くくり罠の場合は、捕らえた獲物の足が何らかの原因でワイヤーから抜けてしまう場合があります。一方で箱罠の場合は、捕獲後に獲物が逃げ出す可能性は低くなりますので、くくり罠よりも止め刺しの難易度は下がるといえるでしょう。 とはいえ、野生を相手に行うものですので箱罠でもリスクがまったくない訳ではありません。 とくに大型のイノシシなどは捕獲後は興奮状態にあり、体当たりして箱罠が動かしてしまうほどパワーがあります。 止め刺しを行う前に、遠巻きに罠の状態をよく観察し、箱罠に破損等の異常がないか確認したうえで、油断せず安全第一で作業にとりかかりましょう。 こちらの記事もどうぞ イノシシ捕獲~箱罠の設置・見回りをしよう 箱罠捕獲後の止め刺し手順 では、具体的に箱罠で捕獲した獲物の止め刺し方法を解説します。 1.刃物を用いて直接止め刺す 刃物を用いる止め刺しは、心臓や頸動脈をナイフなどで刺し放血させる方法です。 他の止め刺し方法と比べると制限が少ないので、古くからポピュラーな止め刺し方法として採用されています。ただし、急所に刃物を刺す必要があるため、物理的にも精神的にもハードルが高い方法でもあります。 難関となるのが急所部分となる胸元(心臓の付け根部分)を露出させることです。イノシシなどの四足獣は、胸元が地面側を向いており、そのままでは急所を的確に狙うことができません。そこで、獲物の胸元が見えるような状態にする必要があります。 一つの方法としては、ロープなどの保定具を使って獣の鼻や前足を垂直に吊り上げて拘束することです。 例としてイノシシを想定し、解説しましょう。 まず、保定具を輪の状態にします。このとき、保定具を引くと輪が締まるような結び方をしておきます(例:わな結びなど)。 上記の輪を箱罠天井のすき間から入れます。イノシシの鼻先で輪をプラプラさせると噛みついてきますので、その瞬間にロープを引いてイノシシの首や上アゴを括ります。 または、輪を地面に置き、輪の中に前足が入った瞬間に引き上げたりもします。 うまく輪を締めることができたら、持ち手側のロープに体重をかけて引っ張ります。 こうすることで、保定した部分が箱罠から離れられないようになります。なお、重量のある個体の場合は、近くの木の枝などに引っ掛けてから体重をかけると、持ち上がりやすくなります。 この状態になると獲物の前足が浮いて後ろ足だけで立ち上がるような体勢となるため、胸元が露出して急所を狙いやすくなります。この状態にして、リーチの長い槍状の刃物などで止め刺しするのがリスクの少ない方法です。止め刺し用のナイフはカタログ販売のみで取扱いしております。こちらよりお問い合わせください。 こちらの記事もどうぞ 万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力...
箱罠で捕獲した後の止め刺しについて
目次 1箱罠捕獲後の止め刺し手順 1刃物を用いて直接止め刺す 2電殺器(電気止め刺し)を使用する 3銃による止め刺し 4窒息させる 箱罠を使って獲物を捕獲したあとは、獲物にとどめを刺す「止め刺し」を行います。 くくり罠で捕獲した場合、捕獲後もワイヤー長のぶんだけ獣は動けますが、箱罠の場合は獣の動きが檻の内部に制限されます。 また、くくり罠の場合は、捕らえた獲物の足が何らかの原因でワイヤーから抜けてしまう場合があります。一方で箱罠の場合は、捕獲後に獲物が逃げ出す可能性は低くなりますので、くくり罠よりも止め刺しの難易度は下がるといえるでしょう。 とはいえ、野生を相手に行うものですので箱罠でもリスクがまったくない訳ではありません。 とくに大型のイノシシなどは捕獲後は興奮状態にあり、体当たりして箱罠が動かしてしまうほどパワーがあります。 止め刺しを行う前に、遠巻きに罠の状態をよく観察し、箱罠に破損等の異常がないか確認したうえで、油断せず安全第一で作業にとりかかりましょう。 こちらの記事もどうぞ イノシシ捕獲~箱罠の設置・見回りをしよう 箱罠捕獲後の止め刺し手順 では、具体的に箱罠で捕獲した獲物の止め刺し方法を解説します。 1.刃物を用いて直接止め刺す 刃物を用いる止め刺しは、心臓や頸動脈をナイフなどで刺し放血させる方法です。 他の止め刺し方法と比べると制限が少ないので、古くからポピュラーな止め刺し方法として採用されています。ただし、急所に刃物を刺す必要があるため、物理的にも精神的にもハードルが高い方法でもあります。 難関となるのが急所部分となる胸元(心臓の付け根部分)を露出させることです。イノシシなどの四足獣は、胸元が地面側を向いており、そのままでは急所を的確に狙うことができません。そこで、獲物の胸元が見えるような状態にする必要があります。 一つの方法としては、ロープなどの保定具を使って獣の鼻や前足を垂直に吊り上げて拘束することです。 例としてイノシシを想定し、解説しましょう。 まず、保定具を輪の状態にします。このとき、保定具を引くと輪が締まるような結び方をしておきます(例:わな結びなど)。 上記の輪を箱罠天井のすき間から入れます。イノシシの鼻先で輪をプラプラさせると噛みついてきますので、その瞬間にロープを引いてイノシシの首や上アゴを括ります。 または、輪を地面に置き、輪の中に前足が入った瞬間に引き上げたりもします。 うまく輪を締めることができたら、持ち手側のロープに体重をかけて引っ張ります。 こうすることで、保定した部分が箱罠から離れられないようになります。なお、重量のある個体の場合は、近くの木の枝などに引っ掛けてから体重をかけると、持ち上がりやすくなります。 この状態になると獲物の前足が浮いて後ろ足だけで立ち上がるような体勢となるため、胸元が露出して急所を狙いやすくなります。この状態にして、リーチの長い槍状の刃物などで止め刺しするのがリスクの少ない方法です。止め刺し用のナイフはカタログ販売のみで取扱いしております。こちらよりお問い合わせください。 こちらの記事もどうぞ 万能山刀、フクロナガサ(叉鬼山刀)の魅力...
対馬市におけるイノシシ・シカ対策のご紹介
長崎県対馬市は日本海の西に位置する島です。九州と韓国の間の対馬海峡に浮かび、「国境の島」とも呼ばれています。博多港までは航路で132キロ、韓国までは直線距離で49.5キロ。日本の中で朝鮮半島に最も近いという地理的条件から、大陸と日本の架け橋として数多くの文化・歴史が息づいています。 1.豊かな自然が残る対馬。島の89%が山林で占められている 特産品も多く、海鮮やしいたけ・地酒などをはじめ、縄文後期の原種そば「対州そば」など多くのグルメを味わうことができます。 また近年では、世界的に話題となった時代劇アクションゲーム「Ghost of Tsushima」(ゴーストオブツシマ)の舞台としても注目を集めました。 島の大きさは、南北82キロ・東西18キロ、面積は約708平方キロ。沖縄本島と北方四島を除けば、佐渡島・奄美大島に次ぐ大きさです。 山林が面積の89%を占める自然豊かな島ですが、一方でイノシシやシカによる農作物被害や林業被害、山の下草が無くなるといった生態系被害に悩まされています。 こうした被害を受け対馬市では、イノシシ・シカに対する対策を実施すると共に、イノシシ・シカに負けない地域づくり・人づくりに向けてさまざまな取り組みをしています。 今回は、対馬市役所 農林水産部の日高様に、対馬市におけるイノシシ・シカ対策についてお話を伺いましたので、ご紹介します(以下敬称略)。 対馬市でのイノシシ・シカ被害の現状 2.イノシシやシカが多く生息し農作物・森林被害が発生している -まずは、対馬でのイノシシ・シカ被害の現状からお聞かせください 日高:対馬市では現在、イノシシ・シカの増加により、食い荒らしや踏み倒しによる農作物被害、樹脂剥ぎによる森林被害、さらには下層植生減少や土砂流出によって生態系にも被害が及んでいるのが現状です。近年ではイノシシやシカが市街地付近でも出没しており、接触事故なども発生しています。 3.「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」対馬市公式HPより 対馬は今から約300年前に、イノシシによる農業被害に悩む百姓を助けるため、対馬藩で農業振興に尽力した陶山訥庵(すやま とつあん)が中心となって「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」が実施され、9年間の歳月をかけてイノシシを絶滅させたという歴史があります。 しかし、今から30年ほどまえに島外から持ち込まれたイノシシが野生化し、平成6年に一頭の成獣が捕獲されたことを皮切りに、被害が全島に及ぶようになりました。 シカによる被害も顕著になってきています。対馬に生息するシカは、対馬にのみ生息するキュシュウジカの亜種です。1960年代は、捕獲圧の上昇により個体数が減少したことを受け、県の天然記念物に指定され、一切の捕獲が禁止されました。しかしながら、その後個体数が増加し、農林業被害が発生するようになったため、1981年から有害捕獲が開始され、2006年に天然記念物指定が解除されるに至っています。 イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況 -イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況はいかがでしょうか? 日高:被害の拡大を受けて市では他の有害鳥獣捕獲地域と同様、被害を引き起こすイノシシやシカを捕獲した際には報奨金を交付する制度を導入しました。その効果もあり、2019年度の捕獲実績はシカが約8,236頭、イノシシは約5,367頭という結果になりました。1か月に最大1,000頭捕獲したという実績もあります。 しかし、依然として被害は減少しておらず、捕獲のペースが追いついていなのが現状です。とくに森林被害は深刻です。田畑への農作物被害に対しては防護柵やワイヤーメッシュを用いることで被害額が減少傾向にありますが、森林被害はカバーするエリアも広く、より捕獲圧を上げていかなければなりません。 森林被害の削減に向けての新しい対策 -被害を削減するために、今後を見据え新しい対策へ取り組んでいるとお伺いしました 日高:対馬市では全国に先駆け、主に森林被害を低減させるための補助事業として、シカ捕獲用のくくり罠を助成する事業を開始しました。 4.対馬市で導入するくくり罠 現在、捕獲方法の内訳としては、銃器を使った捕獲が約3割、罠を使った捕獲が約7割になっています。銃器による捕獲はどうしても許可・規制等の問題があることから限定的となり、猟友会の方へのご負担も大きくなってしまいます。そこで、ハードルが低い罠を使用することでも十分な捕獲実績を出せることに注目し、シカ捕獲用のくくり罠1,500個を助成することにしました。 5.猟友会の協力の元、助成用の罠を念入りにチェックする...
対馬市におけるイノシシ・シカ対策のご紹介
長崎県対馬市は日本海の西に位置する島です。九州と韓国の間の対馬海峡に浮かび、「国境の島」とも呼ばれています。博多港までは航路で132キロ、韓国までは直線距離で49.5キロ。日本の中で朝鮮半島に最も近いという地理的条件から、大陸と日本の架け橋として数多くの文化・歴史が息づいています。 1.豊かな自然が残る対馬。島の89%が山林で占められている 特産品も多く、海鮮やしいたけ・地酒などをはじめ、縄文後期の原種そば「対州そば」など多くのグルメを味わうことができます。 また近年では、世界的に話題となった時代劇アクションゲーム「Ghost of Tsushima」(ゴーストオブツシマ)の舞台としても注目を集めました。 島の大きさは、南北82キロ・東西18キロ、面積は約708平方キロ。沖縄本島と北方四島を除けば、佐渡島・奄美大島に次ぐ大きさです。 山林が面積の89%を占める自然豊かな島ですが、一方でイノシシやシカによる農作物被害や林業被害、山の下草が無くなるといった生態系被害に悩まされています。 こうした被害を受け対馬市では、イノシシ・シカに対する対策を実施すると共に、イノシシ・シカに負けない地域づくり・人づくりに向けてさまざまな取り組みをしています。 今回は、対馬市役所 農林水産部の日高様に、対馬市におけるイノシシ・シカ対策についてお話を伺いましたので、ご紹介します(以下敬称略)。 対馬市でのイノシシ・シカ被害の現状 2.イノシシやシカが多く生息し農作物・森林被害が発生している -まずは、対馬でのイノシシ・シカ被害の現状からお聞かせください 日高:対馬市では現在、イノシシ・シカの増加により、食い荒らしや踏み倒しによる農作物被害、樹脂剥ぎによる森林被害、さらには下層植生減少や土砂流出によって生態系にも被害が及んでいるのが現状です。近年ではイノシシやシカが市街地付近でも出没しており、接触事故なども発生しています。 3.「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」対馬市公式HPより 対馬は今から約300年前に、イノシシによる農業被害に悩む百姓を助けるため、対馬藩で農業振興に尽力した陶山訥庵(すやま とつあん)が中心となって「猪鹿追詰(ちょろくおいつめ)」が実施され、9年間の歳月をかけてイノシシを絶滅させたという歴史があります。 しかし、今から30年ほどまえに島外から持ち込まれたイノシシが野生化し、平成6年に一頭の成獣が捕獲されたことを皮切りに、被害が全島に及ぶようになりました。 シカによる被害も顕著になってきています。対馬に生息するシカは、対馬にのみ生息するキュシュウジカの亜種です。1960年代は、捕獲圧の上昇により個体数が減少したことを受け、県の天然記念物に指定され、一切の捕獲が禁止されました。しかしながら、その後個体数が増加し、農林業被害が発生するようになったため、1981年から有害捕獲が開始され、2006年に天然記念物指定が解除されるに至っています。 イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況 -イノシシ・シカ被害への対策や捕獲の状況はいかがでしょうか? 日高:被害の拡大を受けて市では他の有害鳥獣捕獲地域と同様、被害を引き起こすイノシシやシカを捕獲した際には報奨金を交付する制度を導入しました。その効果もあり、2019年度の捕獲実績はシカが約8,236頭、イノシシは約5,367頭という結果になりました。1か月に最大1,000頭捕獲したという実績もあります。 しかし、依然として被害は減少しておらず、捕獲のペースが追いついていなのが現状です。とくに森林被害は深刻です。田畑への農作物被害に対しては防護柵やワイヤーメッシュを用いることで被害額が減少傾向にありますが、森林被害はカバーするエリアも広く、より捕獲圧を上げていかなければなりません。 森林被害の削減に向けての新しい対策 -被害を削減するために、今後を見据え新しい対策へ取り組んでいるとお伺いしました 日高:対馬市では全国に先駆け、主に森林被害を低減させるための補助事業として、シカ捕獲用のくくり罠を助成する事業を開始しました。 4.対馬市で導入するくくり罠 現在、捕獲方法の内訳としては、銃器を使った捕獲が約3割、罠を使った捕獲が約7割になっています。銃器による捕獲はどうしても許可・規制等の問題があることから限定的となり、猟友会の方へのご負担も大きくなってしまいます。そこで、ハードルが低い罠を使用することでも十分な捕獲実績を出せることに注目し、シカ捕獲用のくくり罠1,500個を助成することにしました。 5.猟友会の協力の元、助成用の罠を念入りにチェックする...
箱罠のセンサー(電子トリガー)をお探しの方へ
イノシシやシカの捕獲に広く用いられている箱罠。物理的な仕組みで作動させるものが一般的ですが、近年はセンサーを使った捕獲の仕組みが注目をあびており、多くの地域で導入されるようになってきています。 すでに各社から様々なタイプが販売されていますが、従来の箱罠に慣れている人にとっては、とっつきにくく感じるかもしれません。しかしながら、うまく使えば捕獲率の向上や作業効率を良くすることが可能です。 ※箱罠の傍に設置しておき罠の様子を録画する、「トレイルカメラ」とは今回は区別して説明します。 箱罠+センサーを使った捕獲 箱罠は餌を使って獣を檻の内部に誘引し、獣が檻の中に入ったら仕組みが作動して扉が落ちる仕組みになっています。 こちらの記事もどうぞ 箱罠について詳しく知りたい 一般的な箱罠は、罠の内部にある仕掛け(蹴り糸や踏み板など)に獣が触れると扉が落ちるといった、物理的な仕組みになっています。 たとえば、蹴り糸を使った方式の場合、箱罠内部に張った糸に獣が触れると、扉を吊っているワイヤーや紐が外れて扉が閉まる仕組みになっています。 一方で、センサーをつかった仕掛けの場合、獣が罠の内部に入ったことを赤外線などのセンサーによって感知します。蹴り糸などを用意する必要がなく、またそれが無いことで獣の警戒心を弱めることが可能になります。さらに、仕掛けの労力を減らすことにもつながります。 センサーによって扉が自動で落ちる仕組み この仕組みには、主に赤外線センサーが用いられます。センサー筐体と扉を吊る紐が連結できるようになっており、センサー筐体を箱罠の上面や側面に取り付ける形で仕掛けるのが一般的です。 因みに赤外線とは、熱をもっている物体や生き物が発している電磁波の一種です。これを肉眼で見ることはできませんが、赤外線センサーの内部は入射した赤外線を電気信号に変えるような仕組みとなっています。この仕組みは、人感センサーなど各種センサーとして幅広く用いられています。 これを箱罠の仕掛けに応用し、周囲温度と比べて温度差のあるものがセンサー感知範囲内で動くと、センサーがこれを感知して、扉を吊る紐がセンサー筐体から外れることにより、扉が自動で落ちる仕組みになっています。 IoTを活用した応用例も 最近では、センサー+IoTを組み合わせて捕獲に役立てる試みも進んでいます。IoTとは、今までインターネットにつながっていなかったモノをインターネットにつなぐことです。 例えば、獣が罠の内部に入ったことを赤外線センサーが感知、そのタイミングでカメラ撮影を開始。カメラで撮影された映像を、インターネット経由でパソコンやスマートフォンなどによって遠隔で確認するといったことが可能になります。 さらに、遠隔で人が監視する労力を省くために、獣の種類や頭数を画像で自動判別して、狙った獲物だけを自動で捕獲できるようにするための試みも行われています。 また、赤外線センサーが感知したタイミングで、自動でメール通知を携帯電話等に配信したり、GPSと連携して捕獲場所をマッピングすることによって生息密度が高い場所を割り出したりする応用例もあります。 ただし、高度な機能を有するほどシステムの導入に費用や労力がかかる点、必要に応じてネットワーク接続のためのSIMカード等を別途用意しなければならなかったり、回線電波が届かないような中山間地においては導入が難しいといった側面もあります。 イノホイおすすめのセンサー箱罠 上記を踏まえ、これからセンサー+箱罠による箱罠を導入してみたいという方には、IoTを活用するタイプではなく、赤外線センサーで自動で扉が閉まるタイプを当店ではおすすめしています。 こちらの商品は、ベテラン猟師が監修したセンサーで、設定方法がシンプルかつ実績が多いセンサー商品になります。もちろん、当店のファーレ旭式箱罠にも対応します。 当店のイノシシ・シカ用箱罠は蹴り糸方式ですが、蹴り糸のセッティングは意外に奥が深く、警戒心の高い成獣だと捕獲が難しいことがあります。獣との駆け引きが重要になるため、 熟練者の場合は、ターゲット個体に合わせて蹴り糸の素材や張り方を調整することで対応しますが、初心者の場合はなかなか難しいかと思います。 そういった場合、上記のセンサーをおすすめしており、導入によって捕獲率が上がったという報告もいただいています(参考事例)。 一番の特徴は、あらかじめセンサーが反応する高さを設定できる点です。 例えば、当店の箱罠ビッグサイズ片扉(高さ1.0メートル)と組み合わせて使う場合、天井からの距離60cmの位置でセンサーが反応するように予め設定しておけば、高さ40cm未満の場合は反応せず、40cm以上の肩高の獣が入った時だけ、扉が閉まります。 そのため、体の大きな成獣が入ったときのみ扉を落とすよう設定することが可能、またタヌキなど他の小さい動物を捕獲してしまうことを防ぐこともできます。 被害を減らすには成獣の捕獲を...
箱罠のセンサー(電子トリガー)をお探しの方へ
イノシシやシカの捕獲に広く用いられている箱罠。物理的な仕組みで作動させるものが一般的ですが、近年はセンサーを使った捕獲の仕組みが注目をあびており、多くの地域で導入されるようになってきています。 すでに各社から様々なタイプが販売されていますが、従来の箱罠に慣れている人にとっては、とっつきにくく感じるかもしれません。しかしながら、うまく使えば捕獲率の向上や作業効率を良くすることが可能です。 ※箱罠の傍に設置しておき罠の様子を録画する、「トレイルカメラ」とは今回は区別して説明します。 箱罠+センサーを使った捕獲 箱罠は餌を使って獣を檻の内部に誘引し、獣が檻の中に入ったら仕組みが作動して扉が落ちる仕組みになっています。 こちらの記事もどうぞ 箱罠について詳しく知りたい 一般的な箱罠は、罠の内部にある仕掛け(蹴り糸や踏み板など)に獣が触れると扉が落ちるといった、物理的な仕組みになっています。 たとえば、蹴り糸を使った方式の場合、箱罠内部に張った糸に獣が触れると、扉を吊っているワイヤーや紐が外れて扉が閉まる仕組みになっています。 一方で、センサーをつかった仕掛けの場合、獣が罠の内部に入ったことを赤外線などのセンサーによって感知します。蹴り糸などを用意する必要がなく、またそれが無いことで獣の警戒心を弱めることが可能になります。さらに、仕掛けの労力を減らすことにもつながります。 センサーによって扉が自動で落ちる仕組み この仕組みには、主に赤外線センサーが用いられます。センサー筐体と扉を吊る紐が連結できるようになっており、センサー筐体を箱罠の上面や側面に取り付ける形で仕掛けるのが一般的です。 因みに赤外線とは、熱をもっている物体や生き物が発している電磁波の一種です。これを肉眼で見ることはできませんが、赤外線センサーの内部は入射した赤外線を電気信号に変えるような仕組みとなっています。この仕組みは、人感センサーなど各種センサーとして幅広く用いられています。 これを箱罠の仕掛けに応用し、周囲温度と比べて温度差のあるものがセンサー感知範囲内で動くと、センサーがこれを感知して、扉を吊る紐がセンサー筐体から外れることにより、扉が自動で落ちる仕組みになっています。 IoTを活用した応用例も 最近では、センサー+IoTを組み合わせて捕獲に役立てる試みも進んでいます。IoTとは、今までインターネットにつながっていなかったモノをインターネットにつなぐことです。 例えば、獣が罠の内部に入ったことを赤外線センサーが感知、そのタイミングでカメラ撮影を開始。カメラで撮影された映像を、インターネット経由でパソコンやスマートフォンなどによって遠隔で確認するといったことが可能になります。 さらに、遠隔で人が監視する労力を省くために、獣の種類や頭数を画像で自動判別して、狙った獲物だけを自動で捕獲できるようにするための試みも行われています。 また、赤外線センサーが感知したタイミングで、自動でメール通知を携帯電話等に配信したり、GPSと連携して捕獲場所をマッピングすることによって生息密度が高い場所を割り出したりする応用例もあります。 ただし、高度な機能を有するほどシステムの導入に費用や労力がかかる点、必要に応じてネットワーク接続のためのSIMカード等を別途用意しなければならなかったり、回線電波が届かないような中山間地においては導入が難しいといった側面もあります。 イノホイおすすめのセンサー箱罠 上記を踏まえ、これからセンサー+箱罠による箱罠を導入してみたいという方には、IoTを活用するタイプではなく、赤外線センサーで自動で扉が閉まるタイプを当店ではおすすめしています。 こちらの商品は、ベテラン猟師が監修したセンサーで、設定方法がシンプルかつ実績が多いセンサー商品になります。もちろん、当店のファーレ旭式箱罠にも対応します。 当店のイノシシ・シカ用箱罠は蹴り糸方式ですが、蹴り糸のセッティングは意外に奥が深く、警戒心の高い成獣だと捕獲が難しいことがあります。獣との駆け引きが重要になるため、 熟練者の場合は、ターゲット個体に合わせて蹴り糸の素材や張り方を調整することで対応しますが、初心者の場合はなかなか難しいかと思います。 そういった場合、上記のセンサーをおすすめしており、導入によって捕獲率が上がったという報告もいただいています(参考事例)。 一番の特徴は、あらかじめセンサーが反応する高さを設定できる点です。 例えば、当店の箱罠ビッグサイズ片扉(高さ1.0メートル)と組み合わせて使う場合、天井からの距離60cmの位置でセンサーが反応するように予め設定しておけば、高さ40cm未満の場合は反応せず、40cm以上の肩高の獣が入った時だけ、扉が閉まります。 そのため、体の大きな成獣が入ったときのみ扉を落とすよう設定することが可能、またタヌキなど他の小さい動物を捕獲してしまうことを防ぐこともできます。 被害を減らすには成獣の捕獲を...
イノシシの防除・駆除の基本を説明します。
目次 1イノシシ防除・駆除の事前知識~イノシシによる被害の現状~ 2イノシシ防除・駆除の基本となる3つのポイント 1体制の整備 2環境の整備 3防除・駆除 3イノシシ防除・駆除の具体的な方法 1電気柵 2駆除 3忌避剤 4音を使った対策 5その他のイノシシ対策 4まとめ 近年、都市部においても身近な害獣として認知が広がってきているイノシシ。被害が深刻になる前に防除や駆除を中心とした対策が必要となりますが、具体的にどのような手順で進めていけばよいのでしょうか? 今回はイノシシ対策に着手するにあたって重要となるポイントや、具体的な防除・駆除方法について解説します。 イノシシ防除・駆除の事前知識~イノシシによる被害の現状~ 農林水産省が調査したデータによると、野生鳥獣による農作物への被害金額は年間で約158億円に達しています(平成30年度)。 自治体が主体となった本格的な野生鳥獣への対策が効果を見せ、年々この数字は減少傾向にありますが被害規模はまだまだ甚大で、継続的な対策が重要となっています。 イノシシによる農作物の被害は年間約47億円 中でもイノシシによる農作物への被害は深刻です。年間での被害額は約47億円。これはシカの約54億円に次いで大きい被害額で、全体の3割以上を占めています。 出典:農林水産省ホームページ 丹精込めて作った作物を収穫前に一夜にして駄目にされ、営農意欲を無くすほどの重篤なケースも少なくありません。 イノシシ対策商品ページはこちら>>。 イノシシ防除・駆除の基本となる3つのポイント イノシシ被害に対する施策は、「防除」と「駆除」に大別されます。 防除とは、被害を防いで取り除くこと。駆除とは、害になるものを追い払う、または捕殺して取り除くことをいいます。イノシシへの対策には、この2つを両立して進めていくことが大切です。 では、具体的に防除・駆除の基本となる3つのポイントを見ていきましょう。 1.体制の整備 1つ目は、体制の整備です。 体制の整備とは、イノシシ被害を自分たちの問題と考えることができるメンバーを増やすことをいいます。獣害対策は1人で取り組むより、グループで取り組むことでより効果を発揮します。個別の対策では、イノシシが移動して被害が分散するリスクも考えれることから、できる限り対策に取り組む「仲間」を増やしていきましょう。...
イノシシの防除・駆除の基本を説明します。
目次 1イノシシ防除・駆除の事前知識~イノシシによる被害の現状~ 2イノシシ防除・駆除の基本となる3つのポイント 1体制の整備 2環境の整備 3防除・駆除 3イノシシ防除・駆除の具体的な方法 1電気柵 2駆除 3忌避剤 4音を使った対策 5その他のイノシシ対策 4まとめ 近年、都市部においても身近な害獣として認知が広がってきているイノシシ。被害が深刻になる前に防除や駆除を中心とした対策が必要となりますが、具体的にどのような手順で進めていけばよいのでしょうか? 今回はイノシシ対策に着手するにあたって重要となるポイントや、具体的な防除・駆除方法について解説します。 イノシシ防除・駆除の事前知識~イノシシによる被害の現状~ 農林水産省が調査したデータによると、野生鳥獣による農作物への被害金額は年間で約158億円に達しています(平成30年度)。 自治体が主体となった本格的な野生鳥獣への対策が効果を見せ、年々この数字は減少傾向にありますが被害規模はまだまだ甚大で、継続的な対策が重要となっています。 イノシシによる農作物の被害は年間約47億円 中でもイノシシによる農作物への被害は深刻です。年間での被害額は約47億円。これはシカの約54億円に次いで大きい被害額で、全体の3割以上を占めています。 出典:農林水産省ホームページ 丹精込めて作った作物を収穫前に一夜にして駄目にされ、営農意欲を無くすほどの重篤なケースも少なくありません。 イノシシ対策商品ページはこちら>>。 イノシシ防除・駆除の基本となる3つのポイント イノシシ被害に対する施策は、「防除」と「駆除」に大別されます。 防除とは、被害を防いで取り除くこと。駆除とは、害になるものを追い払う、または捕殺して取り除くことをいいます。イノシシへの対策には、この2つを両立して進めていくことが大切です。 では、具体的に防除・駆除の基本となる3つのポイントを見ていきましょう。 1.体制の整備 1つ目は、体制の整備です。 体制の整備とは、イノシシ被害を自分たちの問題と考えることができるメンバーを増やすことをいいます。獣害対策は1人で取り組むより、グループで取り組むことでより効果を発揮します。個別の対策では、イノシシが移動して被害が分散するリスクも考えれることから、できる限り対策に取り組む「仲間」を増やしていきましょう。...
イノシシ対策に効果のある電気柵の設置方法
イノシシは学習能力が高く警戒心の強い動物です。農作物被害の対策として電気柵を設置する場合も、効果を上げるために設置方法を工夫する必要があります。 本記事では、イノシシ向けの電気柵の仕組みと、効果的な設置方法を7つのポイントから解説しています。防御の効果をできるだけ上げられるよう、適切な設置方法を確認していきましょう。 イノシシ対策として電気柵はどう使う? イノシシ対策として電気柵を用いる場合、農作物を囲む防護柵に電気を通しておき、侵入を試みるイノシシに電気ショックを与えます。 電気ショックによって身体的にダメージを与えるというよりも、恐怖心を学習させることにより、イノシシが柵を避けるようにすることが目的になります。 イノシシは警戒心が強く、自分が生活するエリアを注意深く観察する習性を持っています。その際、おもに鼻を使って様々な情報を取得しようとしますが、電気柵の電線が鼻の部分に触れたときに電気ショックが走ります。 この電気ショックによる「痛み」や「恐怖」が目的で、『この場所は危ないから近付かないでおこう』とイノシシに学習させ、農作物から遠ざけることで被害をくい止めるのです。 電気柵の仕組み 電線に何も触れていない状態では、電気柵の本体から出力された電流(+)が電線を伝って流れている状態となります。また、本体から地面にアース(-)が取られています。 ※電流は常時流れているわけではなく、通電時間が1秒ごとに0.01秒以下という断続的なパルス電流になっていますので、動物を殺傷するほどの能力はありません。人間が誤って触れてしまった場合でも重篤な事故を避けることができます。 この状態でイノシシの鼻先など通電しやすいものが電線に触れると、イノシシの体をつたって電線→イノシシの体→アース→本体という順序で電気の通り道ができます。これによってイノシシが電気ショックを受けるわけですが、痛みの程度としては、「バチッ」と強い静電気を受けたくらいです。電気ショックを受けると、イノシシは驚いて逃げる行動をとります。 イメージとしては、理科の実験でよく見かける豆電球のような仕組みです。電気柵本体が乾電池、電線が導線、イノシシがスイッチの役割を果たします。イノシシの鼻が触れてスイッチが入ると、通電して豆電球が光る(電気ショックが起こる)といった仕組みです。 そのため、電気がきちんと通電するように設置場所や方法を工夫することがとても重要な意味を持ちます。 効果の上がる電気柵の設置方法7つのポイント 電気柵を使ったイノシシ対策では、効果を上げるために設置のポイントをしっかり押さえておくことが大切です。ここでは、設置方法の7つのポイントをご紹介します。 1.適切な通電状態を確保する 電気柵を設置する際は、適切な通電状態を確保することが重要です。電線部分に漏電がないか、また地面の導電性に問題がないか確認する必要があります。 漏電がないかよく確認する よくあるのが、ガードレールやトタンなど導電性があるものに電線が触れており漏電が発生しているパターンです。ほかにも気づかないうちに電線が草や木や石に触れてしまっており、漏電が発生していることがあります。漏電があると、電気柵全体の電圧が下がってしまうので、イノシシに十分な電気ショックを与えることができません。 また、ガイシを使わずに支柱に直接電線を巻き付けるのは避けましょう。傍目は通電性が無い材質だとしても、電気柵は高電圧であるため、漏電が起こります。ガイシを使っていても、電線が適切に取り付けられておらず金属個所に触れてしまっている場合もあるので、設置の際によく確認しましょう。 地面の通電性に注意 先ほど電気柵の仕組みの部分でも触れましたが、電気柵は豆電球のような仕組みでイノシシが触れることで地面(アース)との間に回路ができることで電気が流れます。 しかし、柵を設置する場所の地面が通電しにくい状態の場合、十分な効果が得られません。 具体的には、コンクリートやアスファルト、石畳といった場所は避けるようにしましょう。 また、乾燥した土壌など、地質や土壌条件によっては通電が悪くアースが取りにくい場合があります。 柵を設置しようとする場所とコンクリートやアスファルトが近い場合は、柵がコンクリート等からできるだけ離れるよう設置場所を調整するか、通電性の良いトタン板などを敷くことによってアースとして機能させるという手もあります。 またアース棒を使って地面と本体のあいだにアースを取る場合は、アース棒がきちんと設置場所の地面に埋まっているか、断線していないか確認します。 設置時に適切な通電状態を確認するのはもちろん、設置後も定期的にチェックすることが重要です。 2.傾斜地から離す 電気柵を設置する場合は傾斜地から離すようにしましょう。...
イノシシ対策に効果のある電気柵の設置方法
イノシシは学習能力が高く警戒心の強い動物です。農作物被害の対策として電気柵を設置する場合も、効果を上げるために設置方法を工夫する必要があります。 本記事では、イノシシ向けの電気柵の仕組みと、効果的な設置方法を7つのポイントから解説しています。防御の効果をできるだけ上げられるよう、適切な設置方法を確認していきましょう。 イノシシ対策として電気柵はどう使う? イノシシ対策として電気柵を用いる場合、農作物を囲む防護柵に電気を通しておき、侵入を試みるイノシシに電気ショックを与えます。 電気ショックによって身体的にダメージを与えるというよりも、恐怖心を学習させることにより、イノシシが柵を避けるようにすることが目的になります。 イノシシは警戒心が強く、自分が生活するエリアを注意深く観察する習性を持っています。その際、おもに鼻を使って様々な情報を取得しようとしますが、電気柵の電線が鼻の部分に触れたときに電気ショックが走ります。 この電気ショックによる「痛み」や「恐怖」が目的で、『この場所は危ないから近付かないでおこう』とイノシシに学習させ、農作物から遠ざけることで被害をくい止めるのです。 電気柵の仕組み 電線に何も触れていない状態では、電気柵の本体から出力された電流(+)が電線を伝って流れている状態となります。また、本体から地面にアース(-)が取られています。 ※電流は常時流れているわけではなく、通電時間が1秒ごとに0.01秒以下という断続的なパルス電流になっていますので、動物を殺傷するほどの能力はありません。人間が誤って触れてしまった場合でも重篤な事故を避けることができます。 この状態でイノシシの鼻先など通電しやすいものが電線に触れると、イノシシの体をつたって電線→イノシシの体→アース→本体という順序で電気の通り道ができます。これによってイノシシが電気ショックを受けるわけですが、痛みの程度としては、「バチッ」と強い静電気を受けたくらいです。電気ショックを受けると、イノシシは驚いて逃げる行動をとります。 イメージとしては、理科の実験でよく見かける豆電球のような仕組みです。電気柵本体が乾電池、電線が導線、イノシシがスイッチの役割を果たします。イノシシの鼻が触れてスイッチが入ると、通電して豆電球が光る(電気ショックが起こる)といった仕組みです。 そのため、電気がきちんと通電するように設置場所や方法を工夫することがとても重要な意味を持ちます。 効果の上がる電気柵の設置方法7つのポイント 電気柵を使ったイノシシ対策では、効果を上げるために設置のポイントをしっかり押さえておくことが大切です。ここでは、設置方法の7つのポイントをご紹介します。 1.適切な通電状態を確保する 電気柵を設置する際は、適切な通電状態を確保することが重要です。電線部分に漏電がないか、また地面の導電性に問題がないか確認する必要があります。 漏電がないかよく確認する よくあるのが、ガードレールやトタンなど導電性があるものに電線が触れており漏電が発生しているパターンです。ほかにも気づかないうちに電線が草や木や石に触れてしまっており、漏電が発生していることがあります。漏電があると、電気柵全体の電圧が下がってしまうので、イノシシに十分な電気ショックを与えることができません。 また、ガイシを使わずに支柱に直接電線を巻き付けるのは避けましょう。傍目は通電性が無い材質だとしても、電気柵は高電圧であるため、漏電が起こります。ガイシを使っていても、電線が適切に取り付けられておらず金属個所に触れてしまっている場合もあるので、設置の際によく確認しましょう。 地面の通電性に注意 先ほど電気柵の仕組みの部分でも触れましたが、電気柵は豆電球のような仕組みでイノシシが触れることで地面(アース)との間に回路ができることで電気が流れます。 しかし、柵を設置する場所の地面が通電しにくい状態の場合、十分な効果が得られません。 具体的には、コンクリートやアスファルト、石畳といった場所は避けるようにしましょう。 また、乾燥した土壌など、地質や土壌条件によっては通電が悪くアースが取りにくい場合があります。 柵を設置しようとする場所とコンクリートやアスファルトが近い場合は、柵がコンクリート等からできるだけ離れるよう設置場所を調整するか、通電性の良いトタン板などを敷くことによってアースとして機能させるという手もあります。 またアース棒を使って地面と本体のあいだにアースを取る場合は、アース棒がきちんと設置場所の地面に埋まっているか、断線していないか確認します。 設置時に適切な通電状態を確認するのはもちろん、設置後も定期的にチェックすることが重要です。 2.傾斜地から離す 電気柵を設置する場合は傾斜地から離すようにしましょう。...
オオカミの尿を使った鳥獣対策について
農林水産省が令和2年11月に発表した「鳥獣被害の現状と対策」によると、平成30年度の野生鳥獣による農作物被害額は158億円に上りました。年度単位の推移では減少傾向にあるものの、依然として被害額は大きく継続的な鳥獣対策が不可欠となっています。 そのため、被害を引き起こす獣に対して様々な対策品が登場していますが、その中で自然環境や景観を壊さず、自然や動物に優しい鳥獣対策として開発されたのが、オオカミの尿を使った忌避対策です。 オオカミの尿(ウルフピー)を使った対策とは? 太古からオオカミは野生動物にとって天敵として恐れられてきました。オオカミの捕食対象となるイノシシやシカなどの動物はとくに警戒心が強く、生き残るために捕食者の気配や匂いを忌避する本能をもっています。 こうした習性を野生動物対策に利用したのが、オオカミの尿(ウルフピー)を使う対策です。オオカミが尿や体の匂いで自分のなわばりを主張する「マーキング」を害獣対策に応用したもので、具体的にはオオカミから採取した尿を専用の容器を使って設置します。 イノシシやシカ等の野生動物は、この匂いを警戒しエリアに近付かなくなるため、田畑においても害獣を忌避させる効果を期待することができます。 またウルフピーは人工の添加物を使わないため、使用するエリアの環境に影響を与えることがありません。 例えば、無農薬栽培に取り組む場合や、農作物に利用する水を汚染するといった心配がないため「自然や動物に優しい」野生動物対策といえます。設置する手間が比較的容易な点もウルフピーの特徴です。 ウルフピーには恐怖を誘起する特徴がある では、どうして野生動物はウルフピーを警戒するのでしょうか。この理由に関しては研究論文が発表されています。 2015年に発表された『恐怖の匂い : オオカミ尿由来の恐怖を誘起するピラジン誘導体カクテルP-mix』(柏柳誠、長田和実、宮園貞治)では、ウルフピーに動物が忌避行動や強い恐怖行動(不動化)を引き起こす物質が含まれていることを突き止めました。 P-mixと呼ばれるこの物質は、動物の嗅覚を刺激し恐怖行動を誘起。動物は周囲にオオカミがいるという危険を本能的に察知し、忌避行動を取ります。これがウルフピーを野生動物が警戒する理由です。 忌避効果がないという研究結果もある 一方で、ウルフピーは忌避効果がないという研究も発表されています。 農研機構が発表した『イノシシ対策に使われているオオカミ尿には忌避効果がない』によると、ウルフピーを吸収させたワラを使ってイノシシの忌避効果を検証したところ、大きな有意性は見られませんでした。 理由としては諸説あり、当初は忌避効果があるものの動物が慣れてしまう、ウルフピーの設置方法が適切でなかった、日本にはオオカミが生息していないため獣がオオカミの縄張りを認知しない、といった可能性も考えられます。とはいえ、獣の行動を見て確認するしか確かめる術がないため、証明が難しいところです。 ただ、実際に導入した結果として、効果が見られたという声も多くあるため、忌避行動や強い恐怖行動を引き起こす物質はたしかに存在するが、野生動物対策において「絶対的な効果を保証するものではない」という点を押さえておくことが重要です。 効果的なウルフピーの活用方法は? ここまで、ウルフピーの効果をご紹介しました。ここからは、より効果的にウルフピーを活用するための方法について見ていきましょう。 物理的な防御と併用して使用する ウルフピーを使用する場合は、防護柵やネット等、物理的な防御と組み合わせて使用するのがおすすめです。 すでにご紹介したように、ウルフピーには忌避行動や強い恐怖行動を引き起こす物質が含まれており、一定の忌避効果がみられます。しかし、動物の慣れや種類によっては効果が認められない(低い)ケースもあることから、物理的な防御を併用して使うことで、より効果を高めることができます。 ウルフピーと物理的な防御を上手に組み合わせることで、対策効果を高めていきましょう。 設置場所の間隔幅や高さを細かく調整する 設置場所を細かく調整することも、ウルフピーの効果を高める方法の1つです。具体的には、被害をくい止めたいエリアを囲むようにしてウルフピーを設置します。また、動物のサイズによって設置する間隔幅を調整してみましょう。 〇イノシシ、シカ、クマなどの大型動物:約5~6mごとに設置 〇サル、ハクビシンなどの小型動物:約3~4mごとに設置 とくに侵入が多い箇所は間隔幅を狭めると効果が高まります。あわせて、ウルフピーを設置する高さも、対象動物の鼻の高さを意識して設置するのがおすすめです。...
オオカミの尿を使った鳥獣対策について
農林水産省が令和2年11月に発表した「鳥獣被害の現状と対策」によると、平成30年度の野生鳥獣による農作物被害額は158億円に上りました。年度単位の推移では減少傾向にあるものの、依然として被害額は大きく継続的な鳥獣対策が不可欠となっています。 そのため、被害を引き起こす獣に対して様々な対策品が登場していますが、その中で自然環境や景観を壊さず、自然や動物に優しい鳥獣対策として開発されたのが、オオカミの尿を使った忌避対策です。 オオカミの尿(ウルフピー)を使った対策とは? 太古からオオカミは野生動物にとって天敵として恐れられてきました。オオカミの捕食対象となるイノシシやシカなどの動物はとくに警戒心が強く、生き残るために捕食者の気配や匂いを忌避する本能をもっています。 こうした習性を野生動物対策に利用したのが、オオカミの尿(ウルフピー)を使う対策です。オオカミが尿や体の匂いで自分のなわばりを主張する「マーキング」を害獣対策に応用したもので、具体的にはオオカミから採取した尿を専用の容器を使って設置します。 イノシシやシカ等の野生動物は、この匂いを警戒しエリアに近付かなくなるため、田畑においても害獣を忌避させる効果を期待することができます。 またウルフピーは人工の添加物を使わないため、使用するエリアの環境に影響を与えることがありません。 例えば、無農薬栽培に取り組む場合や、農作物に利用する水を汚染するといった心配がないため「自然や動物に優しい」野生動物対策といえます。設置する手間が比較的容易な点もウルフピーの特徴です。 ウルフピーには恐怖を誘起する特徴がある では、どうして野生動物はウルフピーを警戒するのでしょうか。この理由に関しては研究論文が発表されています。 2015年に発表された『恐怖の匂い : オオカミ尿由来の恐怖を誘起するピラジン誘導体カクテルP-mix』(柏柳誠、長田和実、宮園貞治)では、ウルフピーに動物が忌避行動や強い恐怖行動(不動化)を引き起こす物質が含まれていることを突き止めました。 P-mixと呼ばれるこの物質は、動物の嗅覚を刺激し恐怖行動を誘起。動物は周囲にオオカミがいるという危険を本能的に察知し、忌避行動を取ります。これがウルフピーを野生動物が警戒する理由です。 忌避効果がないという研究結果もある 一方で、ウルフピーは忌避効果がないという研究も発表されています。 農研機構が発表した『イノシシ対策に使われているオオカミ尿には忌避効果がない』によると、ウルフピーを吸収させたワラを使ってイノシシの忌避効果を検証したところ、大きな有意性は見られませんでした。 理由としては諸説あり、当初は忌避効果があるものの動物が慣れてしまう、ウルフピーの設置方法が適切でなかった、日本にはオオカミが生息していないため獣がオオカミの縄張りを認知しない、といった可能性も考えられます。とはいえ、獣の行動を見て確認するしか確かめる術がないため、証明が難しいところです。 ただ、実際に導入した結果として、効果が見られたという声も多くあるため、忌避行動や強い恐怖行動を引き起こす物質はたしかに存在するが、野生動物対策において「絶対的な効果を保証するものではない」という点を押さえておくことが重要です。 効果的なウルフピーの活用方法は? ここまで、ウルフピーの効果をご紹介しました。ここからは、より効果的にウルフピーを活用するための方法について見ていきましょう。 物理的な防御と併用して使用する ウルフピーを使用する場合は、防護柵やネット等、物理的な防御と組み合わせて使用するのがおすすめです。 すでにご紹介したように、ウルフピーには忌避行動や強い恐怖行動を引き起こす物質が含まれており、一定の忌避効果がみられます。しかし、動物の慣れや種類によっては効果が認められない(低い)ケースもあることから、物理的な防御を併用して使うことで、より効果を高めることができます。 ウルフピーと物理的な防御を上手に組み合わせることで、対策効果を高めていきましょう。 設置場所の間隔幅や高さを細かく調整する 設置場所を細かく調整することも、ウルフピーの効果を高める方法の1つです。具体的には、被害をくい止めたいエリアを囲むようにしてウルフピーを設置します。また、動物のサイズによって設置する間隔幅を調整してみましょう。 〇イノシシ、シカ、クマなどの大型動物:約5~6mごとに設置 〇サル、ハクビシンなどの小型動物:約3~4mごとに設置 とくに侵入が多い箇所は間隔幅を狭めると効果が高まります。あわせて、ウルフピーを設置する高さも、対象動物の鼻の高さを意識して設置するのがおすすめです。...
狩猟解禁!今年の猟の状況は?
多くの地域にて、今月15日に狩猟が解禁されました。キジやカモ、イノシシ、シカといった鳥獣をターゲットに、多くのハンターが活動を開始しており、「今年も始まったか!」と感じている方も多いと思います。今年の各地の猟の情報も入ってきており、一部紹介できればと思います。 秋田県 今年もツキノワグマ・イノシシ・ニホンジカの狩猟解禁が11月1日に前倒しとなり、カモ猟の解禁と重なりました。イノシシ目撃頭数が129頭と過去最多で被害も相次いでいるので、狩猟の成果も期待できるところです。狩猟期間は来年2月15日までですが、ニホンジカとイノシシ猟は3月15日までです。 宮城県 狩猟の解禁とともに、河川では車や徒歩で移動しながら猟をする「流し猟」でカルガモを仕留めている姿も。狩猟期間は2021年の2月15日まで。 千葉県 イノシシの行動が活発です。館山市では、2020年度のイノシシの捕獲数がすでに過去最高とのこと。豚熱陽性のイノシシが近県で確認されており防疫措置の協力と、昨年の台風によって猟場が荒れたままになっているところも残っているため十分な注意を。 群馬県 シカによる被害が目立ちます。甘楽町などではシカによるリンゴ食害が深刻化しているそうです。町内の捕獲頭数は本年度、既に過去最多の200頭余りに上っているとのこと。 富山県 主要な狩猟獣であるキジやヤマドリ、カルガモ、タヌキなどの生息数は平年並みとのこと。猟期は来年2月15日まで。※イノシシとニホンジカは農作物被害防止のため、猟銃、わな猟ともに3月31日まで。 長野県 「豚熱の影響かイノシシが少ない印象」という声を聞きます。※人の移動による豚熱(豚コレラ)ウイルス拡散を防ぐため、長靴や車両のタイヤの消毒などを呼び掛けています。狩猟期間は来年2月15日までですが、鹿とイノシシのわな猟は3月15日までです。 福井県 今秋はツキノワグマの出没や人身被害が相次いでいます。捕獲後に山で放獣したり、駆除したり猟友会が頑張っているとのこと。今年4〜10月の出没件数は953件で、統計を取り始めた04年度以降で3番目に多い状況です。捕獲数は嶺北153頭、嶺南31頭。うち、嶺北120頭、嶺南28頭の計148頭が駆除され、駆除率は全体で8割を超えているそうです。 愛知県 豚熱に対し、引き続き警戒体制が行われています。野生イノシシの豚熱陽性確認地点から半径10kmの区域を含む市町村が陽性エリアとされており、陽性エリアで狩猟する場合は、消毒などを実施するよう呼びかけられています。 陽性エリア:名古屋市、豊橋市、岡崎市、瀬戸市、春日井市、豊川市、豊田市、西尾市、蒲郡市、犬山市、小牧市、新城市、尾張旭市、日進市、みよし市、長久手市、幸田町、設楽町、東栄町、豊根村 山梨県 女性の狩猟免許取得者が急増しており、特にわな猟免許の取得が多いそう。一方でクマの目撃情報が多く、今月15日には北杜市の山林で狩猟中の男性がクマに襲われ顔などに軽いけがというニュースもありました。くれぐれも安全第一で。 和歌山県 夏場は、串本町と古座川町で、有害鳥獣駆除によるイノシシの捕獲数が大幅に増えていると聞きましたが、直近では「場所によっては、豚熱の影響でイノシシが全然いない」という声も。 10月中旬以降、奈良、大阪、和歌山の3府県で感染イノシシが初めて確認されており、農水省は封じ込めに向け、経口ワクチンベルトを設けて対策を進めてきたものの、西日本での一層の感染拡大が懸念されています。 兵庫県 2016年に再開されたツキノワグマの狩猟は、今年は生息数が狩猟解禁基準の800頭を下回ったとして再び禁止に。大物猟ではイノシシやシカをメインターゲットに活動するハンターも多いようです。初猟で早速イノシシを仕留めたとの声も。イノシシと二ホンジカの狩猟期間は3月15日までで、他の鳥獣は2月15日まで。 岡山県 山だけでなく、街でもイノシシが大暴れ。今月20日には岡山市南区のホームセンターにイノシシが出入り口のガラスを突き破って中に侵入。岡山南署員や地元猟友会員ら約40人が出て、約1時間後に店内で取り押さえたそうです。 福岡県 イノシシとシカの狩猟期間は、開始が一足早めの11月1日、終了は3月15日までです。スタートから多くの獲物に恵まれているとの声も。 その他の全国概況...
狩猟解禁!今年の猟の状況は?
多くの地域にて、今月15日に狩猟が解禁されました。キジやカモ、イノシシ、シカといった鳥獣をターゲットに、多くのハンターが活動を開始しており、「今年も始まったか!」と感じている方も多いと思います。今年の各地の猟の情報も入ってきており、一部紹介できればと思います。 秋田県 今年もツキノワグマ・イノシシ・ニホンジカの狩猟解禁が11月1日に前倒しとなり、カモ猟の解禁と重なりました。イノシシ目撃頭数が129頭と過去最多で被害も相次いでいるので、狩猟の成果も期待できるところです。狩猟期間は来年2月15日までですが、ニホンジカとイノシシ猟は3月15日までです。 宮城県 狩猟の解禁とともに、河川では車や徒歩で移動しながら猟をする「流し猟」でカルガモを仕留めている姿も。狩猟期間は2021年の2月15日まで。 千葉県 イノシシの行動が活発です。館山市では、2020年度のイノシシの捕獲数がすでに過去最高とのこと。豚熱陽性のイノシシが近県で確認されており防疫措置の協力と、昨年の台風によって猟場が荒れたままになっているところも残っているため十分な注意を。 群馬県 シカによる被害が目立ちます。甘楽町などではシカによるリンゴ食害が深刻化しているそうです。町内の捕獲頭数は本年度、既に過去最多の200頭余りに上っているとのこと。 富山県 主要な狩猟獣であるキジやヤマドリ、カルガモ、タヌキなどの生息数は平年並みとのこと。猟期は来年2月15日まで。※イノシシとニホンジカは農作物被害防止のため、猟銃、わな猟ともに3月31日まで。 長野県 「豚熱の影響かイノシシが少ない印象」という声を聞きます。※人の移動による豚熱(豚コレラ)ウイルス拡散を防ぐため、長靴や車両のタイヤの消毒などを呼び掛けています。狩猟期間は来年2月15日までですが、鹿とイノシシのわな猟は3月15日までです。 福井県 今秋はツキノワグマの出没や人身被害が相次いでいます。捕獲後に山で放獣したり、駆除したり猟友会が頑張っているとのこと。今年4〜10月の出没件数は953件で、統計を取り始めた04年度以降で3番目に多い状況です。捕獲数は嶺北153頭、嶺南31頭。うち、嶺北120頭、嶺南28頭の計148頭が駆除され、駆除率は全体で8割を超えているそうです。 愛知県 豚熱に対し、引き続き警戒体制が行われています。野生イノシシの豚熱陽性確認地点から半径10kmの区域を含む市町村が陽性エリアとされており、陽性エリアで狩猟する場合は、消毒などを実施するよう呼びかけられています。 陽性エリア:名古屋市、豊橋市、岡崎市、瀬戸市、春日井市、豊川市、豊田市、西尾市、蒲郡市、犬山市、小牧市、新城市、尾張旭市、日進市、みよし市、長久手市、幸田町、設楽町、東栄町、豊根村 山梨県 女性の狩猟免許取得者が急増しており、特にわな猟免許の取得が多いそう。一方でクマの目撃情報が多く、今月15日には北杜市の山林で狩猟中の男性がクマに襲われ顔などに軽いけがというニュースもありました。くれぐれも安全第一で。 和歌山県 夏場は、串本町と古座川町で、有害鳥獣駆除によるイノシシの捕獲数が大幅に増えていると聞きましたが、直近では「場所によっては、豚熱の影響でイノシシが全然いない」という声も。 10月中旬以降、奈良、大阪、和歌山の3府県で感染イノシシが初めて確認されており、農水省は封じ込めに向け、経口ワクチンベルトを設けて対策を進めてきたものの、西日本での一層の感染拡大が懸念されています。 兵庫県 2016年に再開されたツキノワグマの狩猟は、今年は生息数が狩猟解禁基準の800頭を下回ったとして再び禁止に。大物猟ではイノシシやシカをメインターゲットに活動するハンターも多いようです。初猟で早速イノシシを仕留めたとの声も。イノシシと二ホンジカの狩猟期間は3月15日までで、他の鳥獣は2月15日まで。 岡山県 山だけでなく、街でもイノシシが大暴れ。今月20日には岡山市南区のホームセンターにイノシシが出入り口のガラスを突き破って中に侵入。岡山南署員や地元猟友会員ら約40人が出て、約1時間後に店内で取り押さえたそうです。 福岡県 イノシシとシカの狩猟期間は、開始が一足早めの11月1日、終了は3月15日までです。スタートから多くの獲物に恵まれているとの声も。 その他の全国概況...
イノシシの嫌がるものとは?
年間約50億円ほどの農作物被害を出すイノシシ。農作物被害だけでなく、都市部ではゴミを荒らしたり、人を襲ったり、車とぶつかったり。テレビでの報道も増えてきており厄介者というイメージが広まってきていますが、殺さずに人間を避けてくれるならそれに越したことはありません。この記事では、イノシシが嫌がるものをいくつか紹介したいと思います。 カプサイシン+青色資材 唐辛子の辛みの主成分であるカプサイシン。人間でも唐辛子が皮膚に触れると、ヒリヒリした感じがしたり、くしゃみや涙が出たりしますよね。筆者は昔、生の唐辛子のへたや種を取る作業をしたことがありますが、最初はヒリヒリ程度だったのが、あとで火傷したぐらい痛くなった経験があります。 そういった刺激を感じる理由は、カプサイシンが神経を刺激するためですが、野生鳥獣に対する忌避効果もあります。イノシシも唐辛子の匂いに対して忌避行動を示します。 過去に野生イノシシに対する忌避資材を検証した実験があり、トウガラシエキス +木酢液については忌避効果が見られなかったという結果となったため(和歌山県農林水産総合技術センター研究報告)、カプサイシンはイノシシに対して効果がないという意見もあります。 一方で、別の地域では青色資材とカプサイシンを組み合わせることで、イノシシ侵入防止の成果を上げています(群馬県教育委員会 環境実践事例集)。ここでも、カプサイシンだけを散布した場合は、短期的な効果があったもののすぐに効果が薄れたという結果になっています。 忌避効果を上げるには、青色資材とカプサイシンの組み合わせがポイントのようです。イノシシは2型2色型色覚で、緑色を感知する視細胞がありません。そのため、赤や緑は認識できず、青色のみを認識すると言われています。 カプサイシン+青色資材の忌避効果を利用したイノシシ忌避商品も開発されており、田畑・ゴルフ場・NEXCOやJRでも採用されています。百聞は一見に如かず。以下の動画でその様子を確認することができます。対象商品の一覧はこちら 超音波や光 超音波や光を用いて、イノシシやその他野生鳥獣の忌避を目的とした商品も多く見られるようになりました。 超音波とは、人間の耳には聞こえ難い高い周波数(振動数)を持つ音波です。人間の耳は20Hz〜20kHzの周波数の音波を聞くことが出来ると言われていますが、それより高い周波数の音を照射することで、害獣を威嚇し逃避させるメカニズムです。 イノシシを対象に水飲み場付近に超音波照射装置を設置した実験があります(参考)。これによると、超音波照射前後で、水飲み場付近での滞在時間が平均して約 50%以上減少、特に、約70db以上の音量かつ20kHz前後の超音波の照射を嫌がり、忌避行動をとることが確認されたとのこと。 超音波発信機搭載のドローンを使ってイノシシを追い払う試みも実施されています(参考記事)。赤外線カメラを使ってイノシシを見つけ、接近して4kHz~50kHzの超音波を出すと、一目散に逃げていく様子が確認できたといいます。※そもそも、ドローンに驚いて逃げて行った可能性もあります。。。 また、前述の通りイノシシが青色に対して忌避することを生かし、青色LEDを自動点滅する商品も多く販売されています。山口県では、センサーにより発光する強力なLEDライトを利用した新たなイノシシ被害軽減対策の実証試験が実施されています(山口県の報道発表)。 爆音 一昔前は、LPガスを使った爆音機が多く見られました。定期的に「ドカーン!」と爆音を鳴らすもので、初めのうちはイノシシも驚いて忌避効果が見られますが、そのうち慣れてしまって効果が無くなったという声をよく聞きました。また、音量の調節が難しいため、苦情にもつながりやすくなります。 それらを考慮し、猟犬の追い鳴きや、天敵であるオオカミの鳴き声などを発する商品も販売されるようになりました。センサーで作動し音量は自由に調節可能、イノシシが学習することによる慣れも考慮して様々な音をランダムで発するような仕組みとなっているものも見られます。 ※爆音機は比較的安価で取扱いも容易ですが、農地と住居が混在している場所での使用は騒音苦情の発生につながりやすくなりますので、十分な配慮が必要です。対象商品の一覧はこちら その他 天敵であるオオカミの尿を撒いたりすると効果が見られる場合もあります。一方で、オオカミの尿の臭いそのものに対する忌避行動は見られず、忌避効果が見られた要因は、急に臭いのある物が置かれたという環境の変化に警戒したと結論づけている過去の実験もあります(農研機構の研究報告)。イノシシは警戒心が強く、普段と違うものは警戒して避ける傾向があります。 猛獣の糞や人間の髪の毛なども忌避効果があると言われることがありますが、上の動画ではイノシシが忌避行動を示すことはなく、食べてしまっています。 他にも、一時的な忌避効果が見られたとされるものは、そのものをイノシシが避けていたのではなく、実は環境変化を警戒していたケースも考えられますので、根拠がないものを盲信するのは避けたほうが良いでしょう。 まとめ イノシシが嫌がるとされるものをまとめてみました。防護柵などで物理的に侵入防止対策をされている場合は、今回紹介したようなものを補完的に導入することで、防御力を上げることが期待できます。 また、藪の刈払いによって見晴らしを良くしたり、餌となるものを放置しないようにしてイノシシが寄り付かない環境をつくることが基本的な対策になります。 ▶イノシシ対策の特集ページはこちら>> イノシシ対策...
イノシシの嫌がるものとは?
年間約50億円ほどの農作物被害を出すイノシシ。農作物被害だけでなく、都市部ではゴミを荒らしたり、人を襲ったり、車とぶつかったり。テレビでの報道も増えてきており厄介者というイメージが広まってきていますが、殺さずに人間を避けてくれるならそれに越したことはありません。この記事では、イノシシが嫌がるものをいくつか紹介したいと思います。 カプサイシン+青色資材 唐辛子の辛みの主成分であるカプサイシン。人間でも唐辛子が皮膚に触れると、ヒリヒリした感じがしたり、くしゃみや涙が出たりしますよね。筆者は昔、生の唐辛子のへたや種を取る作業をしたことがありますが、最初はヒリヒリ程度だったのが、あとで火傷したぐらい痛くなった経験があります。 そういった刺激を感じる理由は、カプサイシンが神経を刺激するためですが、野生鳥獣に対する忌避効果もあります。イノシシも唐辛子の匂いに対して忌避行動を示します。 過去に野生イノシシに対する忌避資材を検証した実験があり、トウガラシエキス +木酢液については忌避効果が見られなかったという結果となったため(和歌山県農林水産総合技術センター研究報告)、カプサイシンはイノシシに対して効果がないという意見もあります。 一方で、別の地域では青色資材とカプサイシンを組み合わせることで、イノシシ侵入防止の成果を上げています(群馬県教育委員会 環境実践事例集)。ここでも、カプサイシンだけを散布した場合は、短期的な効果があったもののすぐに効果が薄れたという結果になっています。 忌避効果を上げるには、青色資材とカプサイシンの組み合わせがポイントのようです。イノシシは2型2色型色覚で、緑色を感知する視細胞がありません。そのため、赤や緑は認識できず、青色のみを認識すると言われています。 カプサイシン+青色資材の忌避効果を利用したイノシシ忌避商品も開発されており、田畑・ゴルフ場・NEXCOやJRでも採用されています。百聞は一見に如かず。以下の動画でその様子を確認することができます。対象商品の一覧はこちら 超音波や光 超音波や光を用いて、イノシシやその他野生鳥獣の忌避を目的とした商品も多く見られるようになりました。 超音波とは、人間の耳には聞こえ難い高い周波数(振動数)を持つ音波です。人間の耳は20Hz〜20kHzの周波数の音波を聞くことが出来ると言われていますが、それより高い周波数の音を照射することで、害獣を威嚇し逃避させるメカニズムです。 イノシシを対象に水飲み場付近に超音波照射装置を設置した実験があります(参考)。これによると、超音波照射前後で、水飲み場付近での滞在時間が平均して約 50%以上減少、特に、約70db以上の音量かつ20kHz前後の超音波の照射を嫌がり、忌避行動をとることが確認されたとのこと。 超音波発信機搭載のドローンを使ってイノシシを追い払う試みも実施されています(参考記事)。赤外線カメラを使ってイノシシを見つけ、接近して4kHz~50kHzの超音波を出すと、一目散に逃げていく様子が確認できたといいます。※そもそも、ドローンに驚いて逃げて行った可能性もあります。。。 また、前述の通りイノシシが青色に対して忌避することを生かし、青色LEDを自動点滅する商品も多く販売されています。山口県では、センサーにより発光する強力なLEDライトを利用した新たなイノシシ被害軽減対策の実証試験が実施されています(山口県の報道発表)。 爆音 一昔前は、LPガスを使った爆音機が多く見られました。定期的に「ドカーン!」と爆音を鳴らすもので、初めのうちはイノシシも驚いて忌避効果が見られますが、そのうち慣れてしまって効果が無くなったという声をよく聞きました。また、音量の調節が難しいため、苦情にもつながりやすくなります。 それらを考慮し、猟犬の追い鳴きや、天敵であるオオカミの鳴き声などを発する商品も販売されるようになりました。センサーで作動し音量は自由に調節可能、イノシシが学習することによる慣れも考慮して様々な音をランダムで発するような仕組みとなっているものも見られます。 ※爆音機は比較的安価で取扱いも容易ですが、農地と住居が混在している場所での使用は騒音苦情の発生につながりやすくなりますので、十分な配慮が必要です。対象商品の一覧はこちら その他 天敵であるオオカミの尿を撒いたりすると効果が見られる場合もあります。一方で、オオカミの尿の臭いそのものに対する忌避行動は見られず、忌避効果が見られた要因は、急に臭いのある物が置かれたという環境の変化に警戒したと結論づけている過去の実験もあります(農研機構の研究報告)。イノシシは警戒心が強く、普段と違うものは警戒して避ける傾向があります。 猛獣の糞や人間の髪の毛なども忌避効果があると言われることがありますが、上の動画ではイノシシが忌避行動を示すことはなく、食べてしまっています。 他にも、一時的な忌避効果が見られたとされるものは、そのものをイノシシが避けていたのではなく、実は環境変化を警戒していたケースも考えられますので、根拠がないものを盲信するのは避けたほうが良いでしょう。 まとめ イノシシが嫌がるとされるものをまとめてみました。防護柵などで物理的に侵入防止対策をされている場合は、今回紹介したようなものを補完的に導入することで、防御力を上げることが期待できます。 また、藪の刈払いによって見晴らしを良くしたり、餌となるものを放置しないようにしてイノシシが寄り付かない環境をつくることが基本的な対策になります。 ▶イノシシ対策の特集ページはこちら>> イノシシ対策...